特許第5703128号(P5703128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5703128
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】プラグ保持板
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20150326BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
   H01R13/46 301G
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-117736(P2011-117736)
(22)【出願日】2011年5月26日
(65)【公開番号】特開2012-248355(P2012-248355A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】592134376
【氏名又は名称】高橋 明弘
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明弘
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3144643(JP,U)
【文献】 特開2011−029129(JP,A)
【文献】 特開2001−046119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグの抜けを防止するために使用されるプラグ保持板であって、
プラグの根元に掛け止めさせるための切欠きを中央に形成し、
前記切欠きの両側には帯状の結束具を差し込むための長孔を平行に形成するとともに、
前記長孔の両端付近及び前記長孔の中央付近に紐状の結束具を差し込むための挿通孔を形成し、前記挿通孔は前記長孔と連なって設けられていることを特徴とする、プラグ保持板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機器のコネクタに差し込んだプラグが簡単に抜けないようにするプラグ保持板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、接続したプラグが誤って抜けてしまう問題の対策として、例えば特許文献1記載のプラグ抜け防止装置や特許文献2記載のプラグ固定装置を提案した。
【0003】
特許文献1記載のプラグ抜け防止装置は、プラグの背面に係合させる方形状の係合板と、該係合板を機器に固定する固定部材とで構成され、上記係合板にはプラグの基部を導入する開口部と、上記プラグのケーブルを開口部に案内するためのスリットとを連設するとともに、上記係合板の4つの隅それぞれ円形状の係合孔を配置し、固定部材を面ファスナーで構成するとともに、機器の壁面に取り付ける方形状の取付体と、該取付体の一辺の両端近傍から延出させ、上記係合孔に挿通させる平紐状の係合体で形成し、上記取付体の裏面には該取付体を機器の壁面に固定する接着部材を設けたものである。
【0004】
また、特許文献2記載のプラグ固定装置は、電気機器の筐体に固定する固定手段を備えた2枚の固定プレートと、インレットに差し込むプラグに係合させる係合部材とから構成され、上記係合部材は、ケーブルを通す開口部が形成された係合板と、該係合板の両端部にそれぞれ取り付けた帯状の面ファスナーとで構成し、上記固定プレートは、先端に上記面ファスナーを通す挿通穴が形成され、上記面ファスナーは終端側を上記固定プレートの挿通穴を挿通させて折り返し、折り返した面ファスナーを始端側の面ファスナーに結合させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3162496号公報
【特許文献2】特許第4603524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1記載のプラグ抜け防止装置は、互いに相対するように機器に貼付固定された2つの面ファスナーで係合板を固定するものであり、機器の形状や配置によっては面ファスナーの取り付けが困難な場合があった。例えば、横置きに設置された機器が動かせない場合などは、下面側に面ファスナーの取り付けができない場合があった。
【0007】
また、上記した特許文献2記載のプラグ固定装置においても、互いに相対するように機器に貼付固定された2つの固定プレートに係合部材の面ファスナーを挿通させて係合板を固定するため、特許文献1記載のプラグ抜け防止装置と同様に、機器の形状や配置によっては固定プレートの取り付けが困難な場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、様々な機器の形状や配置に対応してプラグの抜けを防止することができるプラグ保持板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0010】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項1に記載のプラグ保持板は、プラグの抜けを防止するために使用されるプラグ保持板であって、プラグの根元に掛け止めさせるための切欠きを中央に形成し、前記切欠きの両側には帯状の結束具を差し込むための長孔を平行に形成するとともに、前記長孔の両端付近及び前記長孔の中央付近に紐状の結束具を差し込むための挿通孔を形成し、前記挿通孔は前記長孔と連なって設けられていることを特徴とする。
【0012】
【0013】
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、切欠きの両側には帯状の結束具を差し込むための長孔を平行に形成するとともに、前記長孔の両端付近及び前記長孔の中央付近に紐状の結束具を差し込むための挿通孔を形成した。すなわち、面ファスナーなどの結束具を挿通するための孔として、長孔と2種類の挿通孔とを設けた。このため、プラグ保持板を結束具で固定する際に状況に応じた孔を選択して結束具を挿通することができるので、結束具の固定位置に関する制約を小さくすることができる。例えば、機器の相対する面に結束具を固定できないために機器の直交する面に結束具を固定した場合でも、長孔と挿通孔とを組み合わせて使用すればプラグ保持板を固定することができるので、様々な機器の形状や配置に対応してプラグの抜けを防止することができる。
【0015】
また、記挿通孔は前記長孔と連なって設けられている。このため、挿通孔が小さい場合でも結束具を挿通させやすくすることができる。また、挿通孔と長孔とを近接した位置に設けることができるので、一方の側では挿通孔を使用して結束具を挿通させ、他方の側では長孔を使用して結束具を挿通させるなどした場合でも偏って力が加わることがなく、バランス良くプラグ保持板を支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】プラグ保持板の平面図である。
図2】(a)細長状面ファスナーの表面図、(b)細長状面ファスナーの裏面図、(c)帯状面ファスナーの表面図、(d)帯状面ファスナーの裏面図である。
図3】第1の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付ける前の状態を示す図である。
図4】第1の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付けた後の状態を示す図である。
図5】第2の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付ける前の状態を示す図である。
図6】第2の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付けた後の状態を示す図である。
図7】第3の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付けた後の状態を示す図である。
図8】第4の取付方法を示す図であって、プラグ保持板を取り付けた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0018】
本実施形態に係るプラグ保持板10は、プラグ24の抜けを防止するために使用されるものであって、図1に示すように、略方形状に形成された板部材である。プラグ保持板10の材質は、樹脂、木板、金属板など、プラグ24をしっかりと保持できる程度の硬度をもったものであればよい。このプラグ保持板10の中央には、プラグ24の根元24aに掛け止めさせるための切欠き11が形成されている。この切欠き11は、幅狭に形成された開口部分11aが外部に臨んでおり、この開口部分11aからプラグケーブル23を切欠き11の内側に通すことができる。
【0019】
このプラグ保持板10は、図2(a)(b)に示すような細長状面ファスナー17などの紐状の結束具や、図2(c)(d)に示すような帯状面ファスナー18などの帯状の結束具を使用して機器22に固定されるものである。このため、前記した切欠き11の両側には帯状の結束具を差し込むための長孔12が平行に形成されている。また、この長孔12の両端付近には端部挿通孔13が形成され、かつ、この長孔12の中央付近には中部挿通孔14が形成され、紐状の結束具を挿通できるようになっている。
【0020】
なお、図1に示すように、端部挿通孔13及び中部挿通孔14は長孔12と連なって設けられている。詳しくは、端部挿通孔13は、長孔12の端部に長孔12の幅よりもやや大径に設けられた円形の孔である。中部挿通孔14は、長孔12の中央において外側に分岐するように設けられた幅狭部14aを介して長孔12と連通する略方形状の孔である。
【0021】
図2は、本実施形態に係る細長状面ファスナー17及び帯状面ファスナー18を示す図である。
【0022】
細長状面ファスナー17は、表面の接合面17a全体にフックとループとが混在した面ファスナー(例えば、株式会社クラレ製の「フリーマジック」(登録商標))であり、接合面17aが重なり合うように折り返すことでフックがループに引っ掛かって互いに係止し合うことができるものである。この細長状面ファスナー17は、プラグ保持板10の挿通孔13、14に通すための紐状部17dと、この紐状部17dの基部に設けられた固定端部17bとからなる。固定端部17bの裏面は、機器22の壁面に接着するための接着部17cとなっており、両面テープなどが貼付されていることで機器22に固定できるようになっている。
【0023】
また、帯状面ファスナー18も細長状面ファスナー17と同様に、表面の接合面18a全体にフックとループとが混在した面ファスナー(例えば、株式会社クラレ製の「フリーマジック」(登録商標))であり、接合面18aが重なり合うように折り返すことでフックがループに引っ掛かって互いに係止し合うことができるものである。この帯状面ファスナー18は、プラグ保持板10の長孔12に通すための帯状部18dと、この帯状部18dの基部に設けられた固定端部18bとからなる。固定端部18bの裏面は、機器22の壁面に接着するための接着部18cとなっており、両面テープなどが貼付されていることで機器22に固定できるようになっている。
【0024】
次に、実際にプラグ保持板10を使用してプラグ24を保持する態様について説明する。本実施形態においては、横置きの機器22にプラグ24が差し込まれた状態を例にして、第1〜4の4つの取付方法を説明する。
【0025】
まず、第1の取付方法について説明する。この第1の取付方法は、図3及び図4に示すように、プラグ保持板10の両側の長孔12にそれぞれ帯状面ファスナー18を通すことでプラグ保持板10を固定し、プラグ24を保持するものである。
【0026】
この取付方法においては、図3に示すように、接着部18cを使用して、2つの帯状面ファスナー18を機器22の上下に貼付する。このとき、2つの帯状面ファスナー18が相対するように配置する。
【0027】
また、プラグ保持板10の切欠き11をプラグ24の根元24aに掛け止めする。このとき、2つの長孔12がそれぞれ上下位置にくるようにする。
【0028】
そして、帯状面ファスナー18の帯状部18dを長孔12に挿通し、挿通した帯状部18dを折り返して図4に示すように係止すれば、プラグ保持板10によってプラグ24をしっかりと保持することができる。また、プラグ保持板10は両側から帯状の結束具によって固定されるため、ガタつきも起きづらく、確実にプラグ24の抜けを防止することができる。
【0029】
次に、第2の取付方法について説明する。この第2の取付方法は、図5及び図6に示すように、プラグ保持板10の一方側の長孔12に帯状面ファスナー18を通し、他方側の端部挿通孔13に細長状面ファスナー17を通すことでプラグ保持板10を固定し、プラグ24を保持するものである。
【0030】
この取付方法においては、図5に示すように、接着部17cを使用して、2つの細長状面ファスナー17を機器22の上下に貼付する。このとき、2つの細長状面ファスナー17が相対するように配置する。更に、図5に示すように、接着部18cを使用して、1つの帯状面ファスナー18を機器22の側部に貼付する。
【0031】
また、プラグ保持板10の切欠き11をプラグ24の根元24aに掛け止めする。このとき、長孔12が側部の帯状面ファスナー18の側にくるようにする。
【0032】
そして、細長状面ファスナー17の紐状部17dを端部挿通孔13に挿通し、挿通した紐状部17dを折り返して係止するとともに、帯状面ファスナー18の帯状部18dを長孔12に挿通し、挿通した帯状部18dを折り返して係止すれば、図6に示すように、プラグ保持板10によってプラグ24をしっかりと保持することができる。また、プラグ保持板10は、一方側から帯状の結束具によって固定されるとともに、他方側から2つの紐状の結束具によって固定されるため、ガタつきも起きづらく、確実にプラグ24の抜けを防止することができる。
【0033】
次に、第3の取付方法について説明する。この第3の取付方法は、図7に示すように、プラグ保持板10の一方側の長孔12に帯状面ファスナー18を通し、他方側の中部挿通孔14に細長状面ファスナー17を通すことでプラグ保持板10を固定し、プラグ24を保持するものである。
【0034】
すなわち、第2の取付方法においては1つの帯状面ファスナー18と2つの細長状面ファスナー17でプラグ保持板10を固定したが、機器22の下面に貼付する細長状面ファスナー17を省略して、1つの帯状面ファスナー18と1つの細長状面ファスナー17でプラグ保持板10を固定するようにしたものである。
【0035】
この第3の取付方法は、第2の取付方法と比べて保持力は劣るものの、機器22を動かせない等の理由によって機器22の下面に細長状面ファスナー17が貼り付けられない場合でも使用できるという利点がある。
【0036】
次に、第4の取付方法について説明する。この第4の取付方法は、図8に示すように、プラグ保持板10の一方側の長孔12に帯状面ファスナー18を通し、他方側の中部挿通孔14に市販のケーブルタイ20を通すことでプラグ保持板10を固定し、プラグ24を保持するものである。この例においては、ケーブルタイ20の機器22への固定は、市販のタイベース21を機器22のプラグ装着面に貼付固定し、このタイベース21にケーブルタイ20を挿通させることにより実現している。
【0037】
このように、細長状面ファスナー17や帯状面ファスナー18を用いなくても、市販の結束具を使用してもプラグ24を固定することができる。
【0038】
なお、上記説明においては特に説明していないが、細長状面ファスナー17や帯状面ファスナー18の固定後に紐状部17dや帯状部18dの余長がある場合には、この余長は鋏などで切断すればよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、切欠き11の両側には帯状の結束具18を差し込むための長孔12を平行に形成するとともに、前記長孔12の両端付近及び前記長孔12の中央付近に紐状の結束具17,20を差し込むための挿通孔13,14を形成した。このため、プラグ保持板10を結束具で固定する際に状況に応じた孔を選択して結束具を挿通することができるので、結束具の固定位置に関する制約を小さくすることができる。例えば、機器の相対する面に結束具を固定できないために機器の直交する面に結束具を固定した場合でも、長孔12と挿通孔13,14とを組み合わせて使用すればプラグ保持板10を固定することができるので、様々な機器の形状や配置に対応してプラグの抜けを防止することができる。
【0040】
また、前記挿通孔13,14は前記長孔12と連なって設けられているため、挿通孔13,14が小さい場合でも結束具を挿通させやすくすることができる。また、挿通孔13
,14と長孔12とを近接した位置に設けることができるので、一方の側では挿通孔13
,14を使用して結束具を挿通させ、他方の側では長孔12を使用して結束具を挿通させるなどした場合でも、バランス良くプラグ保持板10を支持させることができる。
【0041】
なお、上記説明においては代表的な取付方法についてのみ説明したが、本発明に係るプラグ保持板10の取付方法はこれに限られるものではない。機器の形状や配置によって最適な取付方法を採用すればよい。例えば、帯状の結束具を用いずに紐状の結束具のみでプラグ保持板10を固定してもよいし、中部挿通孔14のみを使用してプラグ保持板10を固定してもよい。また、面ファスナーやケーブルタイ以外の結束具を使用してプラグ保持板10を固定してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 プラグ保持板
11 切欠き
11a 開口部分
12 長孔
13 端部挿通孔(挿通孔)
14 中部挿通孔(挿通孔)
14a 幅狭部
17 細長状面ファスナー(紐状の結束具)
17a 接合面
17b 固定端部
17c 接着部
17d 紐状部
18 帯状面ファスナー(帯状の結束具)
18a 接合面
18b 固定端部
18c 接着部
18d 帯状部
20 ケーブルタイ(紐状の結束具)
21 タイベース
22 機器
23 プラグケーブル
24 プラグ
24a 根元
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8