特許第5703208号(P5703208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5703208薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5703208
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20150326BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20150326BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20150326BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   G02F1/1368
   G02F1/1343
   H01L29/78 612D
   H01L29/78 619A
   H01L29/78 627C
【請求項の数】1
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2011-285112(P2011-285112)
(22)【出願日】2011年12月27日
(62)【分割の表示】特願2006-47707(P2006-47707)の分割
【原出願日】2006年2月24日
(65)【公開番号】特開2012-73647(P2012-73647A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2011年12月27日
(31)【優先権主張番号】10-2005-0015914
(32)【優先日】2005年2月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2005-0034964
(32)【優先日】2005年4月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】柳 慧 英
(72)【発明者】
【氏名】金 彰 洙
(72)【発明者】
【氏名】金 湘 甲
(72)【発明者】
【氏名】秦 洪 基
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ミン▼ 錫
(72)【発明者】
【氏名】崔 熙 煥
(72)【発明者】
【氏名】金 時 烈
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−010581(JP,A)
【文献】 特開平11−326944(JP,A)
【文献】 特開2003−167246(JP,A)
【文献】 特開2002−287163(JP,A)
【文献】 特開2003−057675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート線と、
前記ゲート線と交差するデータ線と、
前記データ線の下部に位置する半導体と、
前記ゲート線及び前記データ線に接続されており、ドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、前記データ線上に位置して有機物質を含む第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に位置して前記ドレイン電極と接続されている画素電極と、
前記画素電極と同一の層に位置して共通電圧を伝達し、前記データ線に沿って延長されて前記データ線の幅よりも大きく前記データ線を完全に覆う第1部分及び前記ゲート線に沿って延長され前記ゲート線の幅よりも小さく前記ゲート線と一部分重なる第2部分を含む遮蔽電極とを含む第1の基板と、
前記第1の基板と対向して配置され、共通電極を含む第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2基板との間に配置される前記液晶層と、
を含む液晶表示装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関し、液晶表示装置の一基板とし
て用いる薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使用されている平板表示装置の一つであって、画素電極と
共通電極などの電界生成電極が形成されている二枚の表示板と、その間に介在される液晶
層とからなり、電界生成電極に電圧を印加して液晶層に電界を生成し、これによって液晶
層の液晶分子の配向を決定し、入射光の偏光を制御することで画像を表示する。
【0003】
現在、主に使用されている液晶表示装置は、電界生成電極が二つの表示板に各々備えられ
ているものである。特に、一つの表示板には複数の画素電極が行列状に配列され、もう一
つの表示板には一つの共通電極が表示板全面を覆う構造を有する液晶表示装置が主流であ
る。この液晶表示装置における画像表示は、各画素電極に別途の電圧を印加することによ
って行われる。そのために、画素電極に印加される電圧をスイッチングするための三端子
素子である薄膜トランジスタを各画素電極に接続し、この薄膜トランジスタを制御するた
めの信号を伝達するゲート線と、画素電極に印加される電圧を伝達するデータ線を表示板
に設ける。さらに、表示板は、画素電極と重なって蓄積容量を形成する蓄積電極を備えて
いる。
【0004】
このような表示板は、マスクを用いたフォトエッチング工程で製造し、生産コストを削減
するためにマスクの数を減らすことが望まれ、そのために中間の厚さを有する感光膜パタ
ーンを形成し、これをエッチングマスクとして用いてデータ線と半導体を共にパターニン
グする技術が開発されている。
【0005】
しかし、このような製造方法は、蓄積電極と重なって蓄積容量を形成するところの画素電
極に接続されている導電体の下部にも半導体が残留し、その結果、フリッカー(flic
ker)現象または残像を起こして画質低下をもたらし、画素の開口率を低下させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的
は、製造工程を単純化すると同時に、良好な画質を確保できる薄膜トランジスタ表示板を
提供することである。また、本発明の他の目的は、画素の開口率を向上することができる
薄膜トランジスタ表示板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る実施形態では、エッチングマスクとして用
いる感光膜のうち、他の部分より薄い部分をソース電極とドレイン電極との間及び蓄積電
極上部に形成することにより、必要に応じて、或る膜をエッチングするときは下部膜がエ
ッチングされないようにし、他の膜をエッチングするときは共にエッチングする。このと
き、蓄積容量が形成される部分でドレイン電極の占める面積を最少化し、無機絶縁膜のみ
を残し有機絶縁膜を除去する。
【0008】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、ゲート線、ゲート線と交差するデー
タ線、ゲート線及びデータ線と分離されている蓄積電極、それぞれのゲート線及びデータ
線に接続され、ドレイン電極を備える薄膜トランジスタ、ドレイン電極に接続されている
画素電極、薄膜トランジスタを覆い、画素電極下部に配置されている第1絶縁膜、下部絶
縁膜上部に形成され、蓄積電極に対応する部分で下部絶縁膜を露出させる開口部を有する
第2絶縁膜を備える。
【0009】
第1絶縁膜は無機絶縁物質からなり、第2絶縁膜は有機絶縁物質からなることが好ましく
、第2絶縁膜はカラーフィルタを有することができる。
蓄積電極はゲート線と同一層からなることが好ましい。
画素電極とドレイン電極を接続するコンタクトホール(接触孔)は、開口部内に位置する
ことが好ましい。
【0010】
本実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、画素電極と同一層からなる遮蔽電極をさら
に備えることができ、遮蔽電極と画素電極は、第1及び第2絶縁膜上部に位置することが
好ましい。
【0011】
蓄積電極は遮蔽電極と同一層であり、遮蔽電極から突出することができ、このとき、蓄積
電極はドレイン電極と重なることが好ましい。
【0012】
遮蔽電極はデータ線に沿って延びることが好ましく、データ線の境界線を完全に覆っても
よい。
【0013】
遮蔽電極はゲート線と少なくとも一部分重なることが好ましく、遮蔽電極はゲート線とデ
ータ線に沿って延び、ゲート線よりも狭く、データ線よりも広いことが好ましい。
【0014】
画素電極は切開部を有することが好ましく、第1画素電極及び第1画素電極と容量性結合
する第2画素電極を有してもよい。また、ドレイン電極に接続され、第2画素電極と重な
る容量性結合電極をさらに備え、第2画素電極と容量性結合電極は、第1絶縁膜のみを介
在して重なることが好ましい。
【0015】
本発明の実施形態による他の薄膜トランジスタ表示板は、基板上に形成されているゲート
線、ゲート線上に形成されているゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に形成されている第1半
導体、第1半導体上に少なくとも一部分形成されているデータ線及びドレイン電極、ゲー
ト絶縁膜上に形成されている蓄積導電体、データ線、ドレイン電極及び蓄積導電体上に形
成されている第1保護膜、第1保護膜上に形成され、蓄積導電体上に位置した開口部を有
する第2保護膜、並びに第2保護膜上に形成され、ドレイン電極に接続され、開口部で蓄
積導電体と重なる画素電極を備える。
【0016】
第1保護膜は第2保護膜よりも薄いのが好ましく、第1保護膜は無機絶縁物質を含み、前
記第2保護膜は有機絶縁物質を含んでもよい。
【0017】
また、蓄積導電体下に位置した第2半導体をさらに有してもよい。
【0018】
第1半導体は、データ線とドレイン電極との間に位置した部分を除く、データ線、ドレイ
ン電極及び蓄積導電体と実質的に同一の平面形状を有してもよい。
【0019】
また、半導体は非晶質シリコンであってもよい。
【0020】
第2保護膜上に形成され、データ線及びゲート線のうちの少なくとも一つと重なる遮蔽電
極をさらに備えることが好ましい。
【0021】
第1及び第2保護膜は、蓄積導電体を露出させるコンタクトホールを有することができ、
蓄積導電体はコンタクトホールを介して遮蔽電極に接続されることが好ましい。
【0022】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にゲート線を形成
する段階、ゲート線上にゲート絶縁膜を形成する段階、ゲート絶縁膜上に半導体層を形成
する段階、半導体上にオーミック接触部材を形成する段階、オーミック接触部材上に少な
くとも一部分位置し互いに分離されているデータ線、ドレイン電極及び蓄積導電体を形成
する段階、データ線、ドレイン電極及び蓄積導電体上に第1及び第2保護膜を積層する段
階、第2及び第1保護膜をパターニングしてドレイン電極の一部を露出させるコンタクト
ホールと蓄積導電体上に位置し、第1保護膜表面を露出させる開口部を形成する段階、コ
ンタクトホールを介してドレイン電極に接続され、開口部で蓄積導電体と重なる画素電極
を形成する段階を含む。
【0023】
半導体とデータ線、ドレイン電極、蓄積導電体、オーミック接触部材は、一つの光マスク
を用いてフォト工程で形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明によれば、中間の厚さを有する感光膜パターンで互いに異なる薄膜を
一つのフォトエッチング工程でパターニングすることで、製造工程を単純化し、製造コス
トを最少化することができる。
【0025】
また、ストレージキャパシタをなす画素電極と蓄積電極線との間に半導体が残留すること
を最少化し、無機絶縁物質の絶縁膜のみで誘電体を配置することによってストレージキャ
パシタの蓄積容量を安定的に充分確保でき、その結果、表示特性を安定的に確保でき、画
素の開口率を極大化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態を本発明が属する技術分野における通常の知
識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、
多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0027】
図面は、各種層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示している。明細書全
体を通じて類似した部分については同一な参照符号を付けている。層、膜、領域、板など
の部分が、他の部分の「上に」あるというとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合
に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「す
ぐ上に」あるとする時、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0028】
以下、本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の構造について図1〜3を参照し
て詳細に説明する。
【0029】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板110上にゲート信号を伝
達する複数のゲート線121及び蓄積電極線131が形成されている。
【0030】
ゲート線121は、主に横方向に延びて互いに分離され、各ゲート線121の一部は複数
のゲート電極124をなし、他の層または外部装置と接続するために広い面積の端部12
9を有する。
【0031】
それぞれの蓄積電極線131は、主に横方向に延びてゲート線121と電気的に分離され
ている。蓄積電極線131は、蓄積電極をなす突出部を有することができ、蓄積電極線1
31には他の表示板の共通電極に印加される共通電圧など所定の電圧が印加される。
【0032】
ゲート線121及び蓄積電極線131は、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Cr、Ti
、Ta、Mo、Cuなどの金属、またはこれらを含む合金などで形成される。図2に示す
ように、本実施形態において、ゲート線121は物理的性質が異なる二つの膜、つまり、
下部膜121pとその上の上部膜121qを有する。下部膜121pは、ゲート信号の遅
延や電圧降下を減らすために、低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアル
ミニウム合金などのアルミニウム系金属からなり、1000〜300nm範囲の厚さを有
する。これに対し、上部膜121qは、他の物質、特にIZO(indiumzinc
oxide)またはITO(indium tin oxide)との物理的、化学的、
電気的接触特性が優れた物質、例えば、モリブデン(Mo)、モリブデン合金(例:モリ
ブデン-タングステン(MoW)合金)、クロム(Cr)などからなり、100〜100
nm範囲の厚さを有する。下部膜121pと上部膜121qの組み合わせの例としては、
純アルミニウムまたはアルミニウム-ネオジム(Nd)合金/モリブデンがあり、位置が互
いに入れ替わることも可能である。図2で、ゲート電極124の下部膜と上部膜には各々
図面符号124p、124q、ゲート線121端部129の下部膜と上部膜には各々図面
符号129p、129q、蓄積電極線131の下部膜と上部膜には各々図面符号131p
、131qを付けた。ゲート線121端部129の上部膜129qの一部は除去され、そ
の下の下部膜129pの一部を露出させてもよい。
【0033】
下部膜121p、124p、129p、131pと上部膜121q、124q、129q
、131qの側面はそれぞれ傾斜しており、その側壁の傾斜角は基板110表面に対して
約30〜80°である。
【0034】
ゲート線121と蓄積電極線131上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート
絶縁膜140が形成されている。
【0035】
ゲート絶縁膜140上部には、水素化非晶質シリコン(非晶質シリコンはアモルファスシ
リコンとも呼ばれ、a-Siと略称する。)または多結晶シリコンなどからなる複数の線
状半導体151が形成されている。各々の線状半導体151は、主に縦方向に延び、各々
はゲート電極124に向けて延びた複数の突出部154を有する。
【0036】
線状半導体151上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされてい
るn+水素化非晶質シリコンなどの物質で形成された複数の線状及び島状オーミック接触
部材161、165が形成されている。線状オーミック接触部材161それぞれは複数の
突出部163を有し、この突出部163と島状オーミック接触部材165は対をなして半
導体151の突出部154上に配置されている。
【0037】
線状半導体151とオーミック接触部材161、165の側面も基板110表面に対して
傾斜しており、その傾斜角は30〜80°であることが好ましい。
【0038】
抵抗接触部材161、165上には、各々複数のデータ線171と複数のドレイン電極1
75が形成されている。
【0039】
データ線171は、主に縦方向に延びてゲート線121及び蓄積電極線131と交差し、
データ電圧を伝達し、他の層または外部装置と接続するために広い面積の端部179を有
する。
【0040】
それぞれのドレイン電極175は、蓄積電極線131上部まで延び蓄積電極線131の一
部と重なる。
【0041】
また、各データ線171は、各ドレイン電極175に向けて複数の分枝を形成し、データ
線171から拡張されたソース電極173を有する。一つのゲート電極124、一つのソ
ース電極173、及び一つのドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に
一つの薄膜トランジスタ(TFT)をなし、薄膜トランジスタのチャネル(channe
l)は、ソース電極173とドレイン電極175との間の突出部154に形成される。
【0042】
データ線171、ドレイン電極175もゲート線121と同様に、Al、Al合金、Ag
、Ag合金、Cr、Ti、Ta、Mo、Cuなどの金属、またはこれらを含む合金などで
形成され、単一膜または多層膜からなり、多層膜の例として、ゲート線121の上部膜と
下部膜の組み合わせからなる2層膜、またはMoまたはMo合金/AlまたはAl合金/M
oまたはMo合金からなる3層膜がある。
【0043】
このとき、半導体151は、薄膜トランジスタが位置するチャネル部154を除く、デー
タ線171、ドレイン電極175及びその下部のオーミック接触部材161、165と実
質的に同一の平面形状を有する。具体的には、線状半導体151は、データ線171及び
ドレイン電極175とその下部のオーミック接触部材161、165下に存在する部分以
外にも、ソース電極173とドレイン電極175との間にこれらで覆われず露出する部分
を有する。
【0044】
データ線171及びドレイン電極175と、これらで覆われず露出する半導体151部分
上には、平坦化特性が優れ、かつ感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(PE
CVD)で形成されるa-Si:C:O、a-Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無
機物質である窒化ケイ素や酸化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。本実
施形態において、保護膜180は、下部に位置し半導体151のチャネル部が有機物と直
接接触しないように保護し、窒化ケイ素または酸化ケイ素からなる下部絶縁膜180pと
、平坦化特性を有し有機絶縁物質からなる上部絶縁膜180qの二重膜構造を有する。こ
のとき、上部絶縁膜180qは、赤色、緑色及び青色などの原色のうちの一つを表示する
ことができるカラーフィルタであってもよい。
【0045】
保護膜180には、ドレイン電極175の少なくとも一部とデータ線171の端部179
をそれぞれ露出させる複数のコンタクトホール185q、182が備えられ、ゲート絶縁
膜140と共にゲート線121の端部129を露出させる複数のコンタクトホール181
が形成されている。ここで、ドレイン電極175の端部を露出させるコンタクトホール1
85pは、下部絶縁膜180pのみが有し、上部絶縁膜180qは、蓄積電極線131上
部の大部分の下部絶縁膜180pを露出させる開口部185qを有する。開口部185q
内には、ドレイン電極175の端部を露出させるコンタクトホール185pが位置し、ド
レイン電極175の縦境界線は開口部185q内に位置する。このとき、ドレイン電極1
75下部に残留する非晶質シリコン層を最少化するために、ドレイン電極175が占める
面積を最少化することが好ましく、特に、蓄積電極線131上部に位置するドレイン電極
175端部の面積を最少化することが好ましい。
【0046】
保護膜180上には、IZOまたはITOなどの透明な導電物質からなる複数の画素電極
190及び複数の接触補助部材81、82が形成されている。
【0047】
画素電極190は、コンタクトホール185pを介してドレイン電極175と物理的・電
気的に接続されドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。データ電圧が印加さ
れた画素電極190は、共通電圧の印加を受ける他の表示板(図示せず)の共通電極(図
示せず)と共に電場を生成することによって液晶層の液晶分子を再配列する。
【0048】
また、前述したように、画素電極190と共通電極は、キャパシタ(以下、“液晶キャパ
シタ”と言う。)をなして薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を
保持しており、電圧保持能力を強化するために、液晶キャパシタと並列に接続された他の
キャパシタを設ける。これをストレージキャパシタと言う。ストレージキャパシタは、画
素電極190とこれと隣接するゲート線121(これを前段ゲート線と言う。)または蓄
積電極線131の重なりなどで形成される。
【0049】
本発明において、画素電極190と蓄積電極線131は、上部絶縁膜180qの開口部1
85qによってゲート絶縁膜140及び下部絶縁膜180qのみを介在し重なってストレ
ージキャパシタをなしているので、蓄積容量を安定的に確保でき、狭い面積でも十分な蓄
積容量を形成することができる。その結果、蓄積容量による画面のフリッカー現象または
残像を防止することができ、良好な表示特性を確保でき、高い開口率を得ることができる
【0050】
本実施形態と異なって、別途の蓄積電極線131を配置せず、画素電極190と前段ゲー
ト線121の重なりでストレージキャパシタを形成するときは、ゲート絶縁膜140を露
出させる上部絶縁膜180qの開口部185qを前段ゲート線121上部に配置すること
もでき、その場合、画素電極190と重なる前段ゲート線121の一部を拡張することが
好ましい。
【0051】
また、上部絶縁膜180qがカラーフィルタを有する実施形態では、ゲート線121及び
データ線171の端部129、179が位置するパッド領域にカラーフィルタが残留しな
い。
【0052】
また、画素電極190は、隣接するゲート線121及びデータ線171と重なって開口率
を高めているが、重ならなくてもよい。
【0053】
接触補助部材81、82は、コンタクトホール181、182を介してゲート線及びデー
タ線の端部129、179にそれぞれ接続される。接触補助部材81、82は、ゲート線
121及びデータ線171の各終端部129、179と駆動集積回路のような外部装置と
の接着性を補完し、これらを保護する役割を果たすものであって、これらの適用は選択的
である。
【0054】
本発明の他の実施形態によれば、画素電極190の材料として透明な導電性ポリマーなど
を使用し、反射型液晶表示装置の場合、不透明な反射性金属を使用しても良い。このとき
、接触補助部材81、82は、画素電極190と異なる物質、特にIZOまたはITOで
形成することができる。
【0055】
以下、図1乃至図3に示す構造を有する液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明
の一実施形態に従って製造する方法について、図4乃至図11B及び図1乃至図3を参照
して詳細に説明する。
【0056】
図4は、本発明の一実施形態に従って製造する第1工程の薄膜トランジスタ表示板の配置
図であり、図5A及び図5Bは、各々図4のVa-Va線及びVb-Vb線に沿った断面図
であり、図6A及び図6Bは、各々図4のVa-Va線及びVb-Vb線に沿った断面図で
あり、図5A及び図5Bに続く工程における断面図であり、図7A及び図7Bは、各々図
4のVa-Va線及びVb-Vb線に沿った断面図であり、図6A及び図6Bに続く工程に
おける断面図であり、図8は、図7A及び図7Bに続く工程における薄膜トランジスタ表
示板の配置図であり、図9A及び図9Bは、各々図8のIXa-IXa線及びIXb-IX
b線に沿った断面図であり、図10は、図9A及び図9Bに続く工程における薄膜トラン
ジスタ表示板の配置図であり、図11A及び図11Bは、各々図10のXIa-XIa線
及びXIb-XIb線に沿った断面図である。
【0057】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に二層の金属膜、つまり、純アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金(Al-Nd alloy)の下部金属膜と、モリブデンまた
はモリブデン合金の上部金属膜をスパッタリングなどで順次に積層する。ここで、下部金
属膜は1000〜300nm程度の厚さを有することが好ましく、上部金属膜は500〜
100nm程度の厚さを有することが好ましい。
【0058】
次に、図4図5A及び図5Bに示すように、感光膜パターンを用いたフォトエッチング
工程で上部金属膜と下部金属膜を順次にパターニングして、複数のゲート電極124を有
するゲート線121と蓄積電極線131を形成する。
【0059】
上部膜121q、131q及び下部膜121p、131pのパターニングは、アルミニウ
ム及びモリブデンに対し全て側面傾斜を与えながらエッチングできるアルミニウムエッチ
ング液であるCH3COOH(酢酸)/HNO3(硝酸)/H3PO4(リン酸)/H2O
を用いたウエットエッチングで行なうことが好ましい。
【0060】
次に、図6A及び図6Bに示すように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層15
0、不純物非晶質シリコン層160を化学気相蒸着法で各々約150nm乃至約500n
m、約50nm乃至約200nm、約30nm乃至約60nmの厚さに連続蒸着する。次
いで、スパッタリングなどの方法でデータ用導電物質を積層して導電体層170を形成し
た後、その上に感光膜を1μm乃至2μmの厚さに塗布する。その後、光マスクによって
感光膜に光を照射した後、現像して感光膜パターン52、54を形成する。
【0061】
このように現象された感光膜の厚さは位置によって異なり、感光膜は厚さが次第に薄くな
る第1乃至第3部分からなる。A領域に位置した第1部分と、C領域に位置した第2部分
は、各々図面符号52と54を付け、B領域に位置した第3部分に対する図面符号は付け
ない。これは第3部分が0の厚さを有しており、下の導電体層170が露出しているため
である。第1部分52と第2部分54の厚さの比は後続工程の工程条件によって異なるよ
うにし、第2部分54の厚さを第1部分52の厚さの1/2以下とすることが好ましく、
例えば、400nm以下であることが好適である。ここで、A領域はデータ線171及び
ドレイン電極175に対応する配線領域に対応し、C領域はソース電極173とドレイン
電極175との間のチャネル領域に対応し、B領域はA領域とC領域を除くその他の領域
に対応する。
【0062】
このとき、一つのマスクを用いたフォト工程で位置によって感光膜の厚さを異なるように
する方法は様々であり、第2部分54に対応する部分の光透過量を調節するために、主に
スリットや格子形態のパターンを形成したり、半透過膜を用いる。
【0063】
ここで、スリット間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、つまり、スリットの
幅は露光時使用する露光器の分解能より小さいことが好ましく、半透過膜を使用する場合
には、マスクの製作時に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を利用した
り、異なる厚さを有する薄膜を使用することができる。
【0064】
その後、感光膜パターン52、54をエッチングマスクとして用いた一連のエッチング工
程により、図8図9A及び図9Bに示すように、複数のソース電極173をそれぞれ有
する複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成し、複数の突出部163
をそれぞれ有する複数の線状オーミック接触部材161及び複数の島状オーミック接触部
材165、並びに複数のチャネル部154を有する複数の線状半導体151を形成する。
【0065】
説明上、A領域に位置した導電体層170、不純物非晶質シリコン層160、真性非晶質
シリコン層150の部分を第1部分とし、C領域に位置した導電体層170、不純物非晶
質シリコン層160、真性非晶質シリコン層150の部分を第2部分とし、B領域に位置
した導電体層170、不純物非晶質シリコン層160、真性非晶質シリコン層150の部
分を第3部分とする。
【0066】
次に、このような構造を形成する順序の一例を示す。
(1)B領域に位置した導電体層170、不純物非晶質シリコン層160及び非晶質シリ
コン層150の第3部分除去、
(2)C領域に位置した感光膜の第2部分54除去、
(3)C領域に位置した導電体層170及び不純物非晶質シリコン層160の第2部分除
去、
(4)A領域に位置した感光膜の第1部分52除去。
次に、このような順序の他の例を示す。
(1)B領域に位置した導電体層170の第3部分除去、
(2)C領域に位置した感光膜の第2部分54除去、
(3)B領域に位置した不純物非晶質シリコン層160及び非晶質シリコン層150の第
3部分除去、
(4)C領域に位置した導電体層170の第2部分除去、
(5)A領域に位置した感光膜の第1部分52除去、
(6)C領域に位置した不純物非晶質シリコン層160の第2部分除去。
【0067】
ここでは、前記第2例について説明する。
【0068】
まず、図7A及び図7Bに示すように、B領域に露出している導電体層170をウエット
または乾式エッチングで除去し、下部の不純物非晶質シリコン層160の第3部分を露出
させる。アルミニウム系導電膜は主にウエットエッチングを施し、モリブデン系導電膜は
ウエット及び乾式エッチングを選択的に施すことができ、多重膜の場合には、ウエット及
び乾式エッチングを選択的に施すことができる。また、二重膜がアルミニウムとモリブデ
ンを含む場合には、一つのウエットエッチング条件でパターニングしてもよい。乾式エッ
チングを行なう場合、感光膜52、54上の部分の厚さがある程度エッチングされること
ができる。
【0069】
次に、B領域に位置した不純物非晶質シリコン層160及びその下部の真性非晶質シリコ
ン層150の第3部分を除去すると共に、C領域の感光膜第2部分54を除去して下の導
電体174の第2部分を露出させる。感光膜の第2部分54の除去は、不純物非晶質シリ
コン層160及び真性非晶質シリコン層150の第3部分の除去と同時にまたは個別に行
う。このとき、C領域に残っている第2部分54の残渣をアッシング(ashing)処
理で除去する。
【0070】
この段階で線状真性半導体151が完成する。なお、図面符号164は線状オーミック接
触部材161と島状オーミック接触部材165がまだ連結している状態の不純物非晶質シ
リコン層160を指し、以下、不純物半導体と言う。
【0071】
図面符号174は、データ線171とドレイン電極175がまだ連結している状態の導電
体である。このとき、導電体174は、感光膜52、54の下部までエッチングされて導
電体174及び感光膜52、54はアンダーカット構造を有する。
【0072】
次に、図8図9A及び図9Bに示すように、C領域に位置した残りの導電体174及び
不純物半導体164の第2部分をエッチングして除去する。また、残っている感光膜の第
1部分52も除去する。
【0073】
このとき、図9Bに示すように、C領域に位置した線状真性半導体151のチャネル部1
54上の部分が除去されて厚さが薄くなることもあり、感光膜の第1部分52もこのとき
ある程度の厚さがエッチングされる。
【0074】
このようにすれば、導電体174それぞれが一つのデータ線171及び複数のドレイン電
極175に分離されて完成し、不純物半導体164それぞれが一つの線状オーミック接触
部材161と複数の島状オーミック接触部材165に分離されて完成する。
【0075】
次に、図10図11A及び図11Bに示すように、基板110上部に窒化ケイ素と有機
絶縁物質を順次に形成して下部絶縁膜180pと上部絶縁膜180qを有する保護膜18
0を形成した後、マスクを用いたフォトエッチング工程でパターニングして複数のコンタ
クトホール185p、182及び複数の開口部185qを形成する。このとき、ゲート線
121と同一層を露出させるコンタクトホールを形成するために、ゲート絶縁膜140も
同時にエッチングして、ゲート線121の端部129を露出させるコンタクトホール18
1を共に形成する。この際にも、位置によって厚さを異なるようにする感光膜パターンを
エッチングマスクとして、互いに異なる形状を有する下部絶縁膜180pと上部絶縁膜1
80qを一つのフォトエッチング工程でパターニングすることができ、上部絶縁膜180
qがカラーフィルタを有する実施形態ではカラーフィルタを別途のフォト工程で形成し、
このとき、蓄積電極線131上部の下部絶縁膜180pを露出させる開口部185qを共
に形成する。
【0076】
最後に、図1乃至図3に示すように、50nm乃至150nm厚さのIZOまたはITO
層をスパッタリング法で蒸着しフォトエッチングして、複数の画素電極190及び複数の
接触補助部材81、82を形成する。IZO層を用いる場合のエッチングは、(HNO3
/(NH4)2Ce(NO3)6/H2O)などのクロム用エッチング液を使用するウエッ
トエッチングであることが好ましく、このエッチング液はアルミニウムを腐蝕させないの
で、データ線171、ドレイン電極175、ゲート線121の導電膜が腐食することを防
ぐことができる。
【0077】
本実施形態において、データ線171及びドレイン電極175とその下部のオーミック接
触部材161、165及び半導体151を一つの感光膜パターンをエッチングマスクとし
て用いるフォトエッチング工程で形成するので、製造工程を単純化することができる。
【0078】
また、本実施形態による薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法において、蓄積電極線
131上部に開口部185qを配置し、画素電極190と蓄積電極線131との間のゲー
ト絶縁膜140及び下部絶縁膜180pのみを誘電体とするストレージキャパシタを形成
する。従って、ドレイン電極175下部に残留する非晶質シリコンの面積を減少すること
によって、安定した蓄積容量を形成することができ、狭い面積でも十分な蓄積容量を形成
することができる。その結果、蓄積容量による画面のフリッカー(flicker)現象
または残像を防止することができ、良好な表示特性が実現され、高い開口率を得ることが
できる。
【0079】
一方、広視野角を実現するための手段として、電界生成電極は切開部を有したり、電界生
成電極上に突起を形成する方法などがある。切開部と突起で液晶分子が傾斜する方向を決
定できるので、液晶分子の傾斜方向を様々な方向に分散することによって広視野角を実現
することができる。
【0080】
図12は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を
示した配置図であり、図13は、本発明の一実施形態による液晶表示装置用共通電極表示
板の構造を示した配置図であり、図14は、図12の薄膜トランジスタ表示板と、図13
の共通電極表示板からなる液晶表示装置の構造を示した配置図であり、図15は、図14
の液晶表示装置のXV-XV´線に沿った断面図である。
【0081】
本発明の実施形態による液晶表示装置は、薄膜トランジスタ表示板100、共通電極表示
板200、これら二つの表示板100、200の間に挿入されている液晶層3を備える。
【0082】
本実施形態による薄膜トランジスタ表示板100の層状構造は、図1乃至図3と略同様で
ある。
【0083】
まず、薄膜トランジスタ表示板100は、ゲート電極124を有する複数のゲート線12
1及び複数の蓄積電極線131が基板110上に形成され、その上にゲート絶縁膜140
、突出部154を有する線状半導体151、及び突出部163を有する複数の線状オーミ
ック接触部材161及び複数の島状オーミック接触部材165が順次に形成されている。
ソース電極173を有する複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175がオーミ
ック接触部材161、165及びゲート絶縁膜140上に形成され、下部絶縁膜180p
がその上に形成され、下部絶縁膜180p及びゲート絶縁膜140には、複数のコンタク
トホール181、182、185が形成されている。下部絶縁膜180p上には、複数の
画素電極190及び複数の接触補助部材81、82が形成されている。
【0084】
図1乃至図3と異なって、複数のゲート電極124は、ゲート線121で複数の突出部を
なし、それぞれの蓄積電極線131は蓄積電極135をなす複数の突出部をそれぞれ有す
る。
【0085】
それぞれのドレイン電極175は、それぞれの蓄積電極135と重なる拡張部を有し、ド
レイン電極175の拡張部は、蓄積電極135よりも小さい面積を有する。
【0086】
ソース電極173は、半導体151の突出部154上部に位置するドレイン電極175の
一端部を一部取り囲むように折れ曲がっている。
【0087】
また、下部絶縁膜180p上部には赤色、緑色及び青色などの原色のうちの一つを表示で
きるカラーフィルタ230を有する上部絶縁膜が形成され保護膜をなす。このとき、カラ
ーフィルタ230は、蓄積電極135上部に位置する大部分の下部絶縁膜180pを露出
させる開口部235を有する。カラーフィルタ230は、画素電極190に沿って縦方向
に長く延び、データ線171を中心に互いに隣接する領域に位置するカラーフィルタ23
0は互いに異なる色を表示し、赤色、緑色及び青色を順次に表示することが好ましい。
【0088】
この際にも、前記実施形態と同様に、コンタクトホール185を介してドレイン電極17
5に接続されている画素電極190は、カラーフィルタ230の開口部235によってゲ
ート絶縁膜140及び下部絶縁膜180pのみを介在して蓄積電極135と重なってスト
レージキャパシタをなす。
【0089】
画素電極190は、その外側境界の左角が面取りされた略四角形状で、中央切開部91、
下部切開部92a及び上部切開部92bを有し、画素電極190は、この切開部91、9
2a、92bによって複数の領域に分割される。切開部91、92a、92bは、画素電
極190をゲート線121と平行に二等分する横中心線に対し略反転対称をなす。
【0090】
下部及び上部切開部92a、92bは、略画素電極190の右辺から左辺に斜めに延び、
画素電極190の横中心線に対して下半面と上半面にそれぞれ位置している。下部及び上
部切開部92a、92bはゲート線121に対して約45度をなし、互いに垂直に延びて
いる。
【0091】
中央切開部91は、画素電極190の中央に配置され、右側に入口を有する。中央切開部
91の入口は、下部切開部92aと上部切開部92bに各々略平行である一対の斜辺を有
する。
【0092】
これにより、画素電極190の下半面は下部切開部92aによって2領域に分割され、上
半面も上部切開部92bによって2領域に分割される。このとき、領域の数または切開部
の数は画素の大きさ、画素電極の横辺と縦辺の長さ比、液晶層3の種類や特性など設計要
素によって変化し、傾斜する方向も変化することができる。
【0093】
次に、図13乃至図15を参照して、共通電極表示板200について説明する。
【0094】
透明なガラスなどからなる絶縁基板210上に遮光部材220が形成されている。遮光部
材220は、画素電極190と対向し画素電極190と略同一の形状を有する複数の開口
部を有し、ゲート線121及びデータ線171に対応する部分と、薄膜トランジスタに対
応する部分とからなることが好ましい。
【0095】
遮光部材220上部にはカバー膜250が形成され、その上部にはITO、IZOなどの
透明な導電体などからなる共通電極270が形成されている。このとき、カバー膜250
は省略することができる。
【0096】
共通電極270は、複数組の切開部71、72a、72b群を有する。
【0097】
一組の切開部71、72a、72bは、一つの画素電極190と対向し、中央切開部71
、下部切開部72a及び上部切開部72bを有する。切開部71、72a、72bそれぞ
れは画素電極190の隣接切開部91、92a、92bの間または切開部92a、92b
と画素電極190の面取りされた斜辺の間に配置されている。また、各切開部71、72
a、72bは、画素電極190の下部切開部92aまたは上部切開部92bと平行に延び
た少なくとも一つの斜線部を有する。
【0098】
下部及び上部切開部72a、72bそれぞれは、略画素電極190の左辺から上辺または
下辺に向けて延びた斜線部、並びに斜線部の各終端から画素電極190の辺に沿って辺と
重なって延び、斜線部と鈍角をなす横部及び縦部を有する。
【0099】
中央切開部71は、略画素電極の左辺から横方向に延びた中央横部、この中央横部の終端
から中央横部と斜角をなし、画素電極190の右辺に向けて延びた一対の斜線部、並びに
斜線部の各終端から画素電極の右辺に沿って右辺と重なって延び、斜線部と鈍角をなす縦
断縦部を有する。
【0100】
切開部71、72a、72bの数及び方向も設計要素によって変化することが可能であり
、遮光部材220が切開部71、72a、72bと重なって切開部71、72a、72b
付近の光漏れを遮断することができる。
【0101】
表示板100、200の内側面には配向膜11、21が塗布され、垂直配向膜であること
ができる。外側面には偏光板12、22が備えられている。二つの偏光板の透過軸は直交
し、このうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行であることが好ましい。反射
型液晶表示装置の場合には、二つの偏光板12、22のうちの一つが省略可能である。
【0102】
表示板100、200と偏光子12、22との間にはそれぞれ液晶層3の遅延値を補償す
るための位相遅延フィルムが介在されることができる。位相遅延フィルムは複屈折性を有
し、液晶層3の複屈折性を逆に補償する役割を果たす。遅延フィルムとしては、一軸性ま
たは二軸性光学フィルムを使用し、特に、ネガティブの一軸性光学フィルムを使用するこ
とができる。
【0103】
また、液晶表示装置は、偏光子12、22、位相遅延フィルム、表示板100、200及
び液晶層3に光を供給する照明部を備えることができる。
【0104】
液晶層3は、マイナスの誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子310は電界がない状
態でその長軸が二つの表示板の表面に対して垂直をなすように配向されている。従って、
入射光は、直交偏光子12、22を通過できず遮断される。
【0105】
共通電極270に共通電圧を印加し、画素電極190にデータ電圧を印加すると、表示板
表面に略垂直である電界が生成される。液晶分子310は、電界に応答してその長軸が電
界の方向に垂直をなすように方向を変えようとする。
【0106】
一方、共通電極270及び画素電極190の切開部71、72a、72b、91、92a
、92bと、これらと平行である画素電極190の斜辺は、電界を歪曲して液晶分子の傾
斜方向を決定する水平成分を形成する。電界の水平成分は、切開部71、72a、72b
、91、92a、92bの辺と画素電極190の斜辺に垂直である。一つの切開部群71
、72a、72b、91、92a、92bは、画素電極190をそれぞれ二つの主辺を有
する複数の副領域(sub-area)に分離し、各副領域の液晶分子の傾斜方向は、電
界の水平成分によって定められる方向となり、傾斜方向は略4つの方向である。このよう
に、液晶分子が様々な方向に傾斜するようにすると、液晶表示装置の基準視野角が大きく
なる。
【0107】
少なくとも一つの切開部91、92a、92b、71、72a、72bは、突起(図示せ
ず)や陥没部(図示せず)に代えることができる。突起は、有機物または無機物で形成さ
れ、電界生成電極190、270の上または下に配置することができる。
【0108】
一方、液晶分子310の傾斜方向と偏光子12、22の透過軸が45度をなすとき最高の
輝度を得られるが、本実施形態では、全ドメインにおいて液晶分子310の傾斜方向がゲ
ート線121と45°をなし、ゲート線121は、表示板100、200の周縁と垂直ま
たは水平である。その結果、本実施形態において、偏光子12、22の透過軸を表示板1
00、200の周縁に対して垂直または平行に付着すると最高の輝度を得られると同時に
、偏光子12、22を安価に製造することができる。
【0109】
切開部91、92a、92b、71、72a、72bの形状及び配置は変更することがで
きる。
【0110】
前記実施形態で説明した薄膜トランジスタ表示板の多くの特徴は、図12乃至図15に示
した薄膜トランジスタ表示板にも適用できる。
【0111】
図16は、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図17
は、本発明の他の実施形態による共通電極表示板の配置図であり、図18は、図16及び
図17の二つの表示板を備える液晶表示装置の配置図であり、図19及び図20は、図1
8の液晶表示装置のXIXa-XIXa線及びXX-XXb線に沿った断面図である。
【0112】
本発明の他の実施形態による液晶表示装置も薄膜トランジスタ表示板100と、共通電極
表示板200と、これら二つの表示板100、200の間に介在される液晶層3とを備え
る。
【0113】
本実施形態による薄膜トランジスタ表示板100の層状構造は、図12乃至図15と略同
様である。
【0114】
薄膜トランジスタ表示板100は、ゲート電極124を有する複数のゲート線121が基
板110上に形成され、その上にゲート絶縁膜140、突出部154を有する線状半導体
151、及び突出部163を有する複数の線状オーミック接触部材161及び複数の島状
オーミック接触部材165が順次に形成されている。ソース電極173を有する複数のデ
ータ線171及び複数のドレイン電極175がオーミック接触部材161、165及びゲ
ート絶縁膜140上に形成され、保護膜180がその上に形成され、保護膜180及びゲ
ート絶縁膜140には複数のコンタクトホール181、182、185が形成されている
。保護膜180上には、複数の画素電極190及び複数の接触補助部材81、82が形成
されている。
【0115】
前記実施形態と異なって別途の蓄積電極線を有しない。
【0116】
線状半導体151と同一層からなり、隣接した二つのゲート線121の略中間部に位置す
る複数の島状半導体157が形成され、その上に島状オーミック接触部材167が形成さ
れている。
【0117】
ソース電極173は、U字状で、一字状のドレイン電極175の一端を一部取り囲み、オ
ーミック接触部材167上には、蓄積導電体177がデータ線171として形成されてい
る。
【0118】
保護膜180には、蓄積導電体177の一部を露出させる複数のコンタクトホール189
が形成され、上部保護膜180qには、下部保護膜180pを露出させ、蓄積導電体17
7上部に位置する開口部187が形成されている。コンタクトホール181、182、1
85、189と開口部187は、緩慢な角度の側壁を有し、特に、上部保護膜180qか
らなるコンタクトホール181、182、185、189と開口部187側壁の上部は、
基板110表面と約30〜85°をなしている。
【0119】
画素電極190は、開口部187で蓄積導電体177と重なり、4つの角が面取りされて
斜辺をなす。
【0120】
画素電極190は、中央切開部91、92、下部切開部93a、94a、95a及び上部
切開部93b、94b、95bを有し、画素電極190は、この切開部によって複数の領
域に分割される。切開部91〜95bは、画素電極190を2等分する横中心線に対して
略反転対称をなしている。
【0121】
下部及び上部切開部93a〜95bは、略画素電極190の左辺、左角、下辺または上辺
から右辺に斜めに延び、画素電極190横中心線に対して下半部と上半部にそれぞれ位置
している。下部及び上部切開部93a〜95bは、ゲート線121に対して約45°をな
し、互いに垂直に延びている。
【0122】
中央切開部91は、画素電極190の中央に配置され、左辺に位置した入口を有する。中
央切開部91の入口は、下部切開部93a、94a、95aと上部切開部93b、94b
、95bにそれぞれ略平行である一対の斜辺を有し、入口付近にコンタクトホール189
が位置する。中央切開部92は、画素電極190の横中心線に沿って短く延びた横部と、
横部から画素電極190の左側に向けて斜めに延びた一対の斜線部を有する。斜線部は、
ゲート線121と略45°をなす。
【0123】
切開部91〜95bによって分割される領域の数または切開部の数は、画素の大きさ、画
素電極190の横辺と縦辺の長さ比、液晶層3の種類や特性などの設計要素によって変化
し、傾斜方向も変化することが可能である。
【0124】
遮蔽電極88は、データ線171に沿って延びている縦部と、ゲート線121に沿って延
びている横部を有し、縦部はデータ線171を完全に覆い、横部はゲート線121の境界
線の内側に位置する。遮蔽電極88の縦部は、コンタクトホール189を介して蓄積導電
体177に接続される突出部89を有する。
【0125】
遮蔽電極88は、共通電圧の印加を受け、データ線171と画素電極190との間及びデ
ータ線171と共通電極270との間で形成される電界を遮断し、画素電極190の電圧
歪曲及びデータ線171が伝達するデータ電圧の信号遅延が減少する。
【0126】
また、画素電極190と遮蔽電極88の短絡を防止するために、これらの間に距離を設け
る必要があるので、画素電極190がデータ線171から一層離れた所に配置され、これ
らの間の寄生容量が減少する。さらに、液晶層3の誘電率が保護膜180の誘電率よりも
高いので、データ線171と遮蔽電極88との間の寄生容量は、遮蔽電極88がないとき
データ線171と共通電極270との間の寄生容量よりも小さい。
【0127】
遮蔽電極88から共通電圧の供給を受ける蓄積導電体177は、主に開口部187で下部
保護膜180pのみを介在して画素電極190と重なることで、液晶キャパシタと並列に
接続されて電圧保持能力を強化するストレージキャパシタをなす。
【0128】
このように、無機絶縁物からなる下部保護膜180pのみを介在して画素電極190と蓄
積導電体177が重なるので、ゲート線121と同一層に蓄積電極を別に設けなくても蓄
積容量を確保できる。これにより、中間に介在される非晶質シリコンがないため、ストレ
ージキャパシタが安定的に動作することができる。その結果、画面のフリッカー現象また
は残像を防止でき、良好な表示特性を実現できる。
【0129】
次に、共通電極表示板200について図17乃至図19を参照して説明する。
【0130】
共通電極表示板200は、前記実施形態と同様に、遮光部材220、カバー膜250、共
通電極270及び配向膜21が絶縁基板210上に形成されている。
【0131】
遮光部材220は、データ線171に対応する線状部分221と薄膜トランジスタに対応
する辺状部分223を有する。
【0132】
また、基板210上には複数のカラーフィルタ230が形成され、画素電極190に沿っ
て縦方向に長く延びている。カラーフィルタ230は、基本色、例えば、赤色、緑色及び
青色の三原色のうちの一つを表示することができる。
【0133】
カラーフィルタ230上には、カバー膜250が形成されている。カバー膜250は、カ
ラーフィルタ23に含まれた色素が出て液晶層3を汚染することを防止し、平坦面を提供
する。
【0134】
共通電極270は、複数の切開部71、72、73a、74a、75a、73b、74b
、75b群を有する。
【0135】
一つの切開部71〜75b群は、一つの画素電極190と対向し、中央切開部71、72
、下部切開部73a、74a、75a及び上部切開部73b、74b、75bを有する。
切開部71〜75bそれぞれは、画素電極190の隣接切開部91〜95bの間または切
開部93a〜95bと画素電極190の面取りされた斜辺の間に配置されている。また、
各切開部71〜75bは、画素電極190の下部切開部93a、94a、95aまたは上
部切開部93b、94b、95bと平行に延びた少なくとも一つの斜線部を有する。
【0136】
下部及び上部切開部74a、75a、74b、75bそれぞれは斜線部と横部及び縦部を
有する。斜線部は、略画素電極190の上辺または下辺から右辺に延びている。横部及び
縦部は、斜線部の各終端から画素電極190の辺に沿って重なって延び、斜線部と鈍角を
なす。
【0137】
下部及び上部切開部73a、73bそれぞれは、斜線部と一対の縦部を有する。斜線部は
、略画素電極190の左辺から右辺に延びている。縦部は、斜線部の各終端から画素電極
190の辺に沿って重なって延び、斜線部と鈍角をなす。
【0138】
中央切開部71、72は、中央横部、一対の斜線部及び一対の縦断縦部を有する。中央横
部は、画素電極190の右辺または中央から画素電極190の横中心線に沿って左に延び
、斜線部は中央横部の終端から中央横部と斜角をなし、画素電極190の左辺に向けて延
びている。縦断縦部は、斜線部の各終端から画素電極190の辺に沿って重なって延び、
斜線部と鈍角をなす。
【0139】
図21は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図
であり、図22は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置用共通電極表示板の配置図
であり、図23は、図21に示す薄膜トランジスタ表示板と、図22に示す共通電極表示
板を備える液晶表示装置の配置図であり、図24は、図23の液晶表示装置のXXIV-
XXIV´線に沿った断面図である。
【0140】
図21乃至図24に示すように、本実施形態による液晶表示装置も薄膜トランジスタ表示
板100、共通電極表示板200、これら二つの表示板100、200の間に介在される
液晶層3、及び二つの表示板100、200の外側面に付着されている一対の偏光子12
、22を備える。
【0141】
本実施形態による表示板100、200の層状構造は、図12乃至図15に示した表示板
100、200の層状構造と略同様である。
【0142】
薄膜トランジスタ表示板100は、ゲート電極124を有する複数のゲート線121が基
板110上に形成され、その上にゲート絶縁膜140上に突出部154を有する複数の線
状半導体151及び突出部163を有する複数の線状オーミック接触部材161及び島状
オーミック接触部材165が順次に形成されている。ソース電極173を有する複数のデ
ータ線171と複数のドレイン電極175がオーミック接触部材161、165及びゲー
ト絶縁膜140上に形成され、下部絶縁膜180p及びカラーフィルタ230が順次に形
成されて保護膜をなし、下部絶縁膜180p及びゲート絶縁膜140には、複数のコンタ
クトホール181、182、185が形成されている。カラーフィルタ230は、下部絶
縁膜180p及びコンタクトホール185を露出させる開口部235を有し、保護膜18
0p、230上には、複数の画素電極190及び複数の接触補助部材81、82が形成さ
れ、その上に配向膜11が形成されている。
【0143】
共通電極表示板200は、遮光部材220、カバー膜250、共通電極270及び配向膜
21が絶縁基板210上に形成されている。
【0144】
しかし、図12乃至図15と異なって、ドレイン電極175は、画素電極190の中央部
まで延びて横方向に拡張された拡張部を有し、カラーフィルタ230の開口部235は、
ドレイン電極175の拡張部を露出させる。開口部235は、画素電極190とドレイン
電極175を接続するコンタクトホール185まで延びているが、そうでないことも可能
である。
【0145】
画素電極190の4つの角が面取りされて斜辺をなし、これらと同一層には遮蔽電極88
が形成されている。
【0146】
また、遮蔽電極88は、横方向に延びて画素電極190の凹部に位置し、カラーフィルタ
230の開口部235によってドレイン電極175と重なる蓄積電極部85を有する。画
素電圧が伝達されるドレイン電極175と共通電圧が伝達される蓄積電極部85は、互い
に重なってストレージキャパシタをなす。このように、遮蔽電極88を拡張しドレイン電
極175と重ならせてストレージキャパシタを形成することで、本実施形態では、前記実
施形態のような別途の蓄積電極線が不要である。このとき、下部絶縁膜180pのみを介
在しドレイン電極175と蓄積電極部85が重なることによって狭い面積で蓄積容量を十
分確保できるので、不透明なドレイン電極175の面積を最少化することができ、その結
果、画素の開口率を極大化することができる。このとき、遮蔽電極88の蓄積電極部85
、カラーフィルタ230の開口部、及びドレイン電極175の拡張部は、液晶表示装置の
表示特性を向上するために様々な形態に変形可能である。
【0147】
前記実施形態で説明した液晶表示装置の多くの特徴は、図21乃至図24に示した液晶表
示装置にも適用できる。
【0148】
図25は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を
示した配置図であり、図26は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置用共通電極表
示板の構造を示した配置図であり、図27は、図25の薄膜トランジスタ表示板と、図2
6の薄膜トランジスタ表示板からなる液晶表示装置の構造を示した配置図であり、図28
及び図29は、図26に示す液晶表示装置のXXVIII-XXVIII´線及びXXI
X-XXIX´線に沿った断面図であり、図30は、本発明の実施形態による液晶表示装
置の一つの画素の構成を示した回路図である。
【0149】
本実施形態による液晶表示装置も、薄膜トランジスタ表示板100、これと対向する共通
電極表示板200、これら二つの表示板100、200の間に介在される液晶層3を備え
る。
【0150】
本実施形態による表示板100、200の層状構造は、図21乃至図24と略同様である
【0151】
薄膜トランジスタ表示板100は、ゲート電極124を有する複数のゲート線121が基
板110上に形成され、その上にゲート絶縁膜140、突出部154を有する複数の線状
半導体151及び突出部163を有する複数の線状オーミック接触部材161及び島状オ
ーミック接触部材165が順次に形成されている。ソース電極173を有する複数のデー
タ線171と複数のドレイン電極175がオーミック接触部材161、165及びゲート
絶縁膜140上に形成され、下部絶縁膜180p及びカラーフィルタ230が順次に形成
され、下部絶縁膜180p及びゲート絶縁膜140には、複数のコンタクトホール181
、182が形成されている。保護膜180p、230上には、複数の第1、第2画素電極
190a、190b、及び複数の接触補助部材81、82が形成され、その上には配向膜
11が形成されている。
【0152】
共通電極表示板200は、遮光部材220、カバー膜250、共通電極270及び配向膜
21が絶縁基板210上に形成されている。
【0153】
図21乃至図24の液晶表示装置と異なって、ゲート線121と同一層に複数の蓄積電極
線131a、131bが形成されている。
【0154】
それぞれの蓄積電極線131a、131bは主に横方向に延び、互いに隣接するゲート線
121の間にそれぞれ対をなして配置されている。それぞれの蓄積電極線131a、13
1bは、互いに隣接するゲート線121付近に位置し、蓄積電極135a、135bをな
す複数の突出部をそれぞれ有する。二つの蓄積電極135a、135bは、他の部分より
も広い幅に拡張され、二つの蓄積電極線131a、131bは、ゲート線121と平行で
ある第1、第2画素電極190a、190bの中心線に対して対称構造を有する。
【0155】
それぞれのドレイン電極175は、それぞれの蓄積電極135a、135bとそれぞれ重
なる長方形の拡張部175a、175bを有する。ドレイン電極175のそれぞれの拡張
部175a、175bは、蓄積電極135a、135bよりも小さい面積を有していて、
拡張部175a、175bで覆われない蓄積電極135a、135bの面積を極大化する
ことが好ましく、ゲート線121と平行である第1、第2画素電極190a、190bの
中心線に対して対称構造を有することが好ましい。
【0156】
また、ドレイン電極175は、ゲート線121とデータ線171で取り囲まれた領域の中
央に位置する容量性結合電極176を有する。
【0157】
また、ドレイン電極175は、二つの拡張部175a、175bと容量性結合電極176
を互いにそれぞれ接続する連結部177a、177bを有する。
【0158】
下部絶縁膜180には、一対のドレイン電極175の拡張部175a、175bをそれぞ
れ露出させる複数のコンタクトホール185a、185bが形成されている。
【0159】
上部絶縁膜であるカラーフィルタ230には、対をなす蓄積電極135a、135b及び
コンタクトホール185a、185bが位置するドレイン電極の拡張部175a、175
b上部の下部絶縁膜180pをそれぞれ露出させる対をなす開口部235a、235bと
容量性結合電極176上部の下部絶縁膜180pを露出させる開口部236が形成されて
いる。
【0160】
ここで、第1、第2画素電極190a、190bは、切開部93a、93bからなるギャ
ップによって互いに分離されているが、第1画素電極190aは、コンタクトホール18
5a、185bを介してドレイン電極175の拡張部175a、175bと物理的・電気
的に接続されドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。第2画素電極190b
は、ドレイン電極175の容量性結合電極176と重なる。これにより、第2画素電極1
90bは、第1画素電極190aに電磁気的に結合(容量性)して間接的にデータ電圧の
印加を受ける。このとき、容量性結合電極176は、下部絶縁膜180pのみを介在しカ
ラーフィルタ230の開口部236によって第2画素電極190bと重なっているので、
狭い面積で充分な結合容量を確保でき、その結果、開口率を向上することができる。また
、ドレイン電極175よりも広いカラーフィルタ230の開口部235a、235bによ
って第1画素電極190aと蓄積電極135a、135bが下部絶縁膜180pとゲート
絶縁膜140のみを介在して重なっているので、狭い面積で充分な蓄積容量を形成でき、
開口率の低下を防止することができる。
【0161】
一対の第1、第2画素電極190a、190bは、データ線171とゲート線121で取
り囲まれた領域内に殆ど存在し、境界の大部分はゲート線121及びデータ線171と平
行で長方形をなす。
【0162】
このとき、第1画素電極190aは、互いに分離され第2画素電極190bを中心に上部
及び下部に位置する2部分からなる。第1画素電極190aの2部分と第2画素電極19
0bを分離するギャップ93a、93bは、ゲート線121に対して±45°傾斜された
辺を有しており、第2画素電極190bが第1画素電極190aの2部分の間に介在した
形態であり、第1、第2画素電極190a、190bは、ゲート線121と平行である第
1、第2画素電極190a、190bの中心線に対して対称構造を有する。
【0163】
このような本発明の実施形態による液晶表示装置は、前述したように、第2画素電極19
0bは、第1画素電極190aに電磁気的に結合(容量性結合)している。図30に示す
ように、第1画素電極190aの二部分は、ドレイン電極175を介して薄膜トランジス
タQに直接接続されて薄膜トランジスタQを介してデータ線171によって伝達される画
像信号電圧の印加を受けるのに対し、第2画素電極190bの電圧は、第1画素電極19
0aとの容量性結合に変わる。本実施形態において、第2画素電極190bの電圧は、第
1画素電極190aの電圧よりも絶対値が常に低い。以下、その理由を具体的に説明する
【0164】
図30で、Clcaは第1画素電極190aと共通電極270との間で形成される液晶容
量を示し、Cstaは第1画素電極190aと蓄積電極線131との間で形成される蓄積
容量を示す。Clcbは第2画素電極190bと共通電極270との間で形成される液晶
容量を示し、Cstbは第2画素電極190bと蓄積電極線131との間で形成される蓄
積容量を示し、Ccpは第2画素電極190bと第1画素電極190aとの間で形成され
る結合容量を示す。
【0165】
共通電極270電圧に対する第1画素電極190aの電圧をVaとし、第2画素電極19
0bの電圧をVbとするとき、電圧法則に従って、
Vb=Va×[Ccp/(Ccp+Clcb+Cstb)]であり、
Ccp/(Ccp+Clcb+Cstb)は、常に1より大きくなることができず、Vb
はVaよりも常に小さい。このとき、Clca及びClcbに対する共通電極270電圧
と、Csta及びCstbに対する蓄積電極線131a、131b電圧が異なることもあ
るが、その場合にも、ClcaとClcbに印加される共通電極270電圧が同一である
ため、Clcaに印加される画像信号電圧(Va)の絶対値は、Clcbに印加される画
像信号電圧(Vb)の絶対値よりも常に大きい値を有することになる。このように、一つ
の画素内に電圧が異なる二つの画素電極を配置すると、液晶分子は、互いに異なる電圧で
駆動されて互いに異なる傾斜角(tilt angle)で傾斜され、その結果、側面視
認性を向上することができる。
【0166】
Ccpを調節することでVaに対するVbの比率を調整することができる。Ccpの調節
は、容量性結合電極176と第2画素電極190bの重なり面積と距離を調整することに
よって可能である。重なり面積は、容量性結合電極176の幅を変化することで容易に調
整でき、距離は、容量性結合電極176の形成位置を変化することで調整できる。即ち、
本発明の実施形態では、容量性結合電極176をデータ線171と同一層に形成したが、
ゲート線121と同一層に形成することで、容量性結合電極176と第2画素電極190
bとの間の距離を増加することができる。このとき、VbはVaに対して0.6乃至0.
8倍であることが好ましい。
【0167】
一方、他の実施形態において、第2画素電極190bに第1画素電極190aの電圧より
も絶対値が常に高い電圧を印加することができるが、これは、第2画素電極190bに共
通電圧などのように任意電圧を印加した状態で第1画素電極190aと容量性結合するこ
とによって行われる。
【0168】
画像信号が直接伝達される第1画素電極190aに対する、高いか、低い画素電圧が伝達
される第2画素電極190bの面積比は1:0.85〜1:1.15範囲であることが好
ましく、第1画素電極190aと容量性結合する第2画素電極190bは、二つ以上を配
置することができる。
【0169】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限
定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及
び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板の製造に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図2図1に示した薄膜トランジスタ表示板のII-II線に沿った断面図である。
図3図1に示した薄膜トランジスタ表示板のIII-III線に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態に従って製造する第1工程の薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図5A図4のVa-Va線に沿った断面図である。
図5B図4のVb-Vb線に沿った断面図である。
図6A図4のVa-Va線に沿った断面図で、図5Aに続く工程を示す。
図6B図4のVb-Vb線に沿った断面図で、図5Bに続く工程を示す。
図7A図4のVa-Va線に沿った断面図で、図6Aに続く工程を示す。
図7B図4のVb-Vb線に沿った断面図で、図6Bに続く工程を示す。
図8図7A及び図7Bに続く工程における薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図9A図8のIXa-IXa線に沿った断面図である。
図9B図8のIXb-IXb線に沿った断面図である。
図10図9A及び図9Bに続く工程における薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図11A図10のXIa-XIa線に沿った断面図である。
図11B図10のXIb-XIb線に沿った断面図である。
図12】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
図13】本発明の一実施形態による共通電極表示板の構造を示した配置図である。
図14図12及び図13に示す二つの表示板を備える液晶表示装置の構造を示した配置図である。
図15図14の液晶表示装置のXV-XV線に沿った断面図である。
図16】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図17】本発明の他の実施形態による共通電極表示板の配置図である。
図18図16及び図17に示す二つの表示板を備える液晶表示装置の配置図である。
図19図18の液晶表示装置のXIX-XIX線に沿った断面図である。
図20図18の液晶表示装置のXX-XX線に沿った断面図である。
図21】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
図22】本発明の他の実施形態による共通電極表示板の構造を示した配置図である。
図23図21及び図22の二つの表示板を備える液晶表示装置の構造を示した配置図である。
図24図23の液晶表示装置のXXIV-XXIV線に沿った断面図である。
図25】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
図26】本発明の他の実施形態による共通電極表示板の構造を示した配置図である。
図27図25及び図26に示す二つの表示板を備える液晶表示装置の構造を示した配置図である。
図28図27の液晶表示装置のXXVIII-XXVIII線に沿った断面図である。
図29図27の液晶表示装置のXXIX-XXIX線に沿った断面図である。
図30図25乃至図29に示す液晶表示装置の単位画素を示した回路図である。
【符号の説明】
【0172】
110 基板
121、129 ゲート線
124 ゲート電極
140 ゲート絶縁膜
151、154 半導体
161、163、165 オーミック接触部材
171、179 データ線
173 ソース電極
175 ドレイン電極
180 保護膜
181、182、185、185a、185b コンタクトホール
190、190a、190b 画素電極
81、82 接触補助部材
88 遮蔽電極
85 蓄積電極部
270 共通電極
220 遮光部材
230 カラーフィルタ
235、236 開口部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30