特許第5703946号(P5703946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5703946情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5703946
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   G06F3/041 520
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-104306(P2011-104306)
(22)【出願日】2011年5月9日
(65)【公開番号】特開2012-234476(P2012-234476A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】石原 正規
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−196248(JP,A)
【文献】 特開2008−033762(JP,A)
【文献】 特開2003−263275(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0093831(US,A1)
【文献】 特開2011−054154(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/108275(WO,A1)
【文献】 特開2006−243939(JP,A)
【文献】 特開平10−116155(JP,A)
【文献】 特開2011−013872(JP,A)
【文献】 特開平09−034641(JP,A)
【文献】 特開2002−091703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて情報処理を行う情報処理装置において、
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付手段と、
前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別手段と、
前記第1ずれ量判別手段による判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記ずれ量が前記第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの複数箇所の各々を前記同一箇所として、前記複数箇所の各々に対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記複数箇所のそれぞれのずれ量を算出し、
前記ずれ量判別手段は、前記算出手段により算出された前記複数箇所のそれぞれに対する前記ずれ量が前記第1の範囲内であるか否かをそれぞれ判別し、
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが前記第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが前記第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記複数箇所の全てに対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが前記第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による、前記複数箇所のうち前記第1の範囲外であると判別された箇所のみに対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、前記キャリブレーションの結果として採用する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記入力操作受付手段により受け付けられた前記キャリブレーションのタッチ操作が何回目の操作であるかを識別可能に表示する表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1ずれ量判別手段により前記同一箇所のずれ量が前記第1の範囲外であると判別された場合、当該同一箇所を識別可能に表示するか、又は所定の警告表示をする表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの前記同一箇所に対する2回の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する2回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標のうち、一方を所定の基準として、他方について前記ずれ量を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの前記同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標の各々について、前記ずれ量をそれぞれ算出し、
前記ずれ量判別手段は、前記算出手段により算出された、同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作についての前記ずれ量の各々が前記第1の範囲内であるか否かをそれぞれ判別し、
前記制御手段は、前記ずれ量判別手段により前記第1の範囲外のずれ量であると判別された回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標を除外して、前記キャリブレーションの実行結果を求めるように制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記ずれ量判別手段により前記第1の範囲内のずれ量であると判別された回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、キャリブレーションの結果として採用する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記入力操作受付手段により受け付けられた、前記同一箇所に対する1回目の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標が第2の範囲内であるか否かを判別する第2ずれ量判別手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2ずれ量判別手段により前記ずれ量が第2の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する1回目のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて行う情報処理方法であって、
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付ステップと、
前記入力操作受付ステップにより受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標間のずれ量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別ステップと、
前記第1ずれ量判別ステップによる判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて情報処理を行う情報処理装置を制御するコンピュータ
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付機能
前記入力操作受付機能により受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する算出機能
前記算出機能により算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別機能
前記第1ずれ量判別機能による判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御機能
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが雑に或いは誤った操作をした場合であっても適切なキャリブレーションを実現可能にする情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、液晶ディスプレイに積層されたタッチパネルを備えた情報処理装置の需要が高まりつつある。情報処理装置に使用されるタッチパネルは、その性質上、経年変化等によりユーザの操作位置(指等の接触位置)と検出座標とに誤差が生ずるため、当該誤差を是正するためにキャリブレーションを適宜行う必要がある。
【0003】
このようなタッチパネルのキャリブレーションを行うことができる情報処理装置として、次のようなものが知られている。即ち、情報処理装置は、タッチパネルの中心以外のポイントに対して繰り返してなされたタッチ操作により発生したx座標データとy座標データとのそれぞれの差分が許容範囲内であることを確認することで、タッチ操作するポイントに対して実測した座標データと論理座標データとの誤差を減少させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/108275号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を適用した場合であっても、ユーザにより雑なタッチ操作や誤った位置へのタッチ操作が行われた場合には、キャリブレーションが適切に行われないことがあるという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザが雑に或いは誤った操作をした場合であっても適切なキャリブレーションを実現可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて情報処理を行う情報処理装置において、
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付手段と、
前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別手段と、
前記第1ずれ量判別手段による判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが雑に或いは誤った操作をした場合であっても適切なキャリブレーションを実現可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理装置の機能的構成のうち、キャリブレーション処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3図2の機能的構成を有する図1の情報処理装置が実行するキャリブレーション処理の流れを説明するフローチャートである。
図4図3のキャリブレーション処理中における出力部のディスプレイの表示画面の例を示している。
図5図3のキャリブレーション処理中における出力部のディスプレイの表示画面の例を示している。
図6図3のキャリブレーション処理中における出力部のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。
図7図3のキャリブレーション処理中における出力部のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。
図8図3のキャリブレーション処理中における出力部のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。
図9】第2実施形態の情報処理装置が実行するキャリブレーション処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、例えばデジタルカメラとして構成される。
【0012】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。
【0014】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0015】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0016】
撮像部16は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0017】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0018】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。
このような撮像部16の出力信号を、以下、「撮像画像のデータ」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU11等に適宜供給される。
【0019】
入力部17は、電源ボタン、キャリブレーションボタン、シャッタボタン等、各種ボタンの他、後述するように、出力部18の表示画面に積層されるタッチパネルで構成されており、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部20は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0021】
図2は、このような情報処理装置1の機能的構成のうち、キャリブレーション処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
キャリブレーション処理とは、ユーザにより入力部17のキャリブレーションボタンが押下されたことを契機として開始される、次のような処理をいう。即ち、キャリブレーション処理とは、出力部18のディスプレイの表示画面に積層されているタッチパネルに対し複数回タッチ操作されたタッチ位置と表示画面とのずれ量を算出し、算出されたずれ量の判定結果に基づいてキャリブレーション値を算出し記憶するまでの一連の処理をいう。
ここで、タッチ操作とは、タッチパネルに対する物体(ユーザの指やタッチペン等)の接触又は近接の操作をいう。なお、タッチパネルの詳細については後述する。
情報処理装置1は、キャリブレーション処理の実行後にタッチ操作がなされると、当該キャリブレーション処理により算出されたキャリブレーション値に基づいて、タッチ操作の位置を認識し、当該位置に応じた各種処理を実行する。
【0022】
CPU11においては、キャリブレーション処理の実行が制御される場合、表示制御部41と、入力操作受付部42と、位置情報取得部43と、最大値/最小値判別部44と、ずれ量算出部45と、ずれ量判別部46と、制御部47と、キャリブレーション値演算部48と、が機能する。
記憶部19の一領域には、位置情報記憶部51と、補正情報記憶部52と、が設けられている。
【0023】
表示制御部41は、撮像部16により撮像された撮像画像や、所定の画像(後述の図4のアイコン101a乃至アイコン101d等)を出力部18のディスプレイの表示画面に含むように表示させる制御を実行する。
【0024】
本実施形態においては、入力部17の一部は、上述したように、タッチパネルとして構成されている。タッチパネルは、出力部18のディスプレイの表示画面全体に積層され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。入力部17は、入力操作受付部42を介して、検出した位置の座標を位置情報取得部43へ供給する。
【0025】
入力操作受付部42は、入力部17のタッチパネルに対するタッチ操作を、入力部17に対する入力操作の1つとして受け付ける。具体的には、入力操作受付部42は、入力部17のタッチパネルに対してタッチ操作がなされた位置の座標を複数受け付け、受け付けた位置の座標を位置情報取得部43へ通知する。
また、入力操作受付部42は、入力部17のタッチパネルに対してなされたタッチ操作を受け付けた回数を計数する。入力操作受付部42は、計数結果、即ちタッチ操作を受け付けた回数を制御部47へ通知する。
【0026】
位置情報取得部43は、入力操作受付部42により受け付けられた位置の座標、即ちタッチ操作がなされた位置の座標に基づいて、後述のキャリブレーション値演算部48のキャリブレーション値の算出に用いられるための位置情報を取得する。具体的には、入力操作受付部42は、各タッチ操作がなされた位置の座標に基づくA/D変換値等を含む情報を位置情報として取得し、位置情報取得部43は、取得された位置情報を記憶部19の位置情報記憶部51に記憶させるとともに、位置情報を取得したことを最大値/最小値判別部44及びずれ量算出部45へ通知する。
【0027】
最大値/最小値判別部44は、位置情報取得部43により取得された位置情報が示す最大値又は最小値が所定の範囲内であるか否かを判別する。
ここで、最大値及び最小値は、出力部18のディスプレイの表示画面のx軸方向における最大値及び最小値と、出力部18のディスプレイの表示画面のy軸方向における最大値及び最小値とに大別される。
即ち、本実施形態では、出力部18のディスプレイの表示画面の4隅の位置に対応するタッチパネルの座標について、キャリブレーションが行われる。
この場合、出力部18のディスプレイの表示画面の左上又は左下の位置に対応するタッチパネルのx座標が、x軸方向における最小値である。また、出力部18のディスプレイの表示画面の右上又は右下の位置に対応するタッチパネルのx座標が、x軸方向における最大値である。
一方、出力部18のディスプレイの表示画面の左上又は右上の位置に対応するタッチパネルのy座標が、y軸方向における最小値である。また、出力部18のディスプレイの表示画面の左下又は右下の位置に対応するタッチパネルのy座標が、y軸方向における最大値である。
最大値/最小値判別部44は、位置情報取得部43により取得された位置情報から、x軸方向における最大値及び最小値、並びに、y軸方向における最大値及び最小値の4つの値をそれぞれ認識し、これらの4つの値のそれぞれが所定の範囲内であるか否かを個別に判別する。
最大値/最小値判別部44は、これらの4つの値の判別結果を制御部47へ通知する。
【0028】
ずれ量算出部45は、位置情報取得部43により取得された位置情報から、同一目標箇所(表示画面の4隅の位置)に対して複数回のタッチ操作がそれぞれなされた場合の各座標を認識し、これらの各座標について、所定の基準座標とのずれ量をそれぞれ算出する。
具体的には本実施形態では、同一目標箇所として表示画面の4隅の位置が採用され、当該4隅の位置に対して2回のタッチ操作がそれぞれなされる。
従って、x軸方向における最大値及び最小値、並びに、y軸方向における最大値及び最小値のそれぞれに対して、2回分の値がそれぞれ得られることになる。
そこで、ずれ量算出部45は、x軸方向における最大値の2回分の差分、x軸方向における最小値の2回分の差分、y軸方向における最大値の2回分の差分、及びy軸方向における最小値の2回分の差分といった4つの差分を、ずれ量としてそれぞれ算出する。
ずれ量算出部45は、算出したずれ量をずれ量判別部46へ通知する。
【0029】
ずれ量判別部46は、ずれ量算出部45により算出されたずれ量が予め定められた所定のずれ量許容範囲内であるか否かを判別する。具体的には、ずれ量判別部46は、ずれ量算出部45により算出された各所定の位置(同一目標箇所である表示画面の4隅の位置)におけるずれ量が、キャリブレーション処理用として信用に足る所定のずれ量許容範囲内であるか否かを判別する。
ずれ量判別部46は、判別した判別結果を制御部47へ通知する。
【0030】
制御部47は、ずれ量判別部46により判別された判別結果に基づいて、キャリブレーション値演算部48にキャリブレーションを行うか否かの制御を実行する。具体的には、制御部47は、ずれ量判別部46により判別されたずれ量がずれ量許容範囲内である旨の判別結果を受けた場合には、キャリブレーション値演算部48の動作が開始されるように制御する。具体的には、制御部47は、ずれ量判別部46により判別されたずれ量がずれ量許容範囲内である旨の判別結果をキャリブレーション値演算部48に通知することで、キャリブレーション値演算部48の動作を開始させる。
これに対し、制御部47は、ずれ量判別部46により判別されたずれ量がずれ量許容範囲外である旨の判別結果を受けた場合には、キャリブレーション値演算部48の動作を禁止するように制御する。この場合、制御部47は、表示制御部41を制御して、出力部18のディスプレイの表示画面にキャリブレーションが失敗した旨の警告を表示させる。
また、制御部47は、入力操作受付部42によりタッチ操作が受け付けられた回数に応じて、当該タッチ操作が後述の初回のタッチ操作の受付であるか、即ち、何回目のタッチ操作であるか否かを判定する。
【0031】
キャリブレーション値演算部48は、ずれ量がずれ量許容範囲内である旨の判別結果の通知を受けたことを契機として、入力操作受付部42により受け付けられたタッチ操作がなされた位置の座標に基づいてキャリブレーション値を算出する。具体的には、キャリブレーション値演算部48は、位置情報取得部43により取得された位置の座標を位置情報記憶部51から取得し、取得した位置の座標の平均値をキャリブレーション値として算出する。キャリブレーション値演算部48は、算出したキャリブレーション値を補正情報記憶部52に記憶する。
【0032】
次に、図3を参照して、このような図2の機能的構成の情報処理装置1が実行するキャリブレーション処理について説明する。
図3は、図2の機能的構成を有する図1の情報処理装置1が実行するキャリブレーション処理の流れを説明するフローチャートである。
【0033】
キャリブレーション処理は、ユーザのシャッタボタンの押下操作により行われる撮影処理(図示せず)とは独立して実行される処理(並行して実行される場合あり)であり、ユーザにより入力部17のキャリブレーションボタンが押下されたことを契機として開始され、次のような処理が繰り返し実行される。
【0034】
ステップS11において、制御部47は、初回のタッチ操作の受付であるか否かを判定する。ここで、初回のタッチ操作の受付とは、出力部18のディスプレイの表示画面の4隅の位置に対応するタッチパネルの座標に対して1回ずつタッチ操作を受け付けた状態をいう。具体的には、本実施形態においては、出力部18のディスプレイの表示画面の四隅に対応する入力部17のキャリブレーションに適切な位置に対して1回ずつタッチ操作を受け付けた状態(以下、「単位タッチ操作」と呼ぶ)をいう。初回以降のタッチ操作の受付である場合には、ステップS11においてNOであると判定されて、処理はステップS12に進む。
【0035】
ステップS12において、制御部47は、表示制御部41を介して失敗タッチ操作位置を出力部18のディスプレイの表示画面に識別表示する制御を実行する。表示制御部41による失敗タッチ操作位置の識別表示については、後述の図5乃至図8を参照して説明する。初回のタッチ操作の受付である場合には、ステップS11においてYESであると判定されて、処理はステップS13に進む。
【0036】
ステップS13において、制御部47は、表示制御部41を介して通常タッチ位置を出力部18のディスプレイの表示画面に表示する制御を実行する。表示制御部41による通常タッチ位置の表示については、後述の図4を参照して説明する。
【0037】
ステップS14において、入力操作受付部42は、ユーザによるタッチ操作を受け付ける。入力操作受付部42は、初回のタッチ操作の受け付けである場合、即ち、ステップS11においてYESであると判定された場合には、キャリブレーションに適切な位置のうち、全ての箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作を受け付ける。
これに対し、入力操作受付部42は、初回以降のタッチ操作の受け付けである場合、即ち、ステップS11においてNOであると判定された場合には、キャリブレーションに適切な位置のうち、ずれ量がずれ量許容範囲外であるとされた箇所に対するキャリブレーションのタッチ操作を受け付ける。
【0038】
ステップS15において、位置情報取得部43は、ステップS14において受け付けたタッチ操作に基づき1回目のタッチ操作がなされた位置の座標を取得する。この時、位置情報取得部43は、位置座標を取得した回数を累積して計数する。
【0039】
ステップS16において、位置情報取得部43は、ステップS15において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標であるか否かを判定する。最後のタッチ操作がなされた位置とは、単位タッチ操作のうち、入力部17のキャリブレーションに適切な位置のうち、ステップS15において位置座標が取得されていない最後のタッチ操作がなされた位置をいう。具体的には、本実施形態においては、出力部18のディスプレイの表示画面の四隅に対応する入力部17のキャリブレーションに適切な位置の全てに対して1回ずつタッチ操作を受け付けた状態であるか否かを判別する。取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標でない場合には、ステップS16においてNOであると判定されて、処理はステップS14に再び戻される。即ち、最後のタッチ操作がなされた位置の座標が取得されるまでの間、ステップS14乃至ステップS16:NOの判定処理が繰り返し実行されて、キャリブレーション処理は待機状態となる。取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標である場合には、ステップS16においてYESであると判定されて、処理はステップS17に進む。
【0040】
ステップS17において、最大値/最小値判別部44は、ステップS15で取得されたタッチ操作がなされた位置の座標の最大値、最小値は所定範囲内であるか否かを判定する。取得されたタッチ操作がなされた位置の座標の最大値、最小値の何れかは所定範囲内でないと判定された場合には、ステップS17においてNOであると判定されて、処理はステップS18に進む。
【0041】
ステップS18において、制御部47は、表示制御部41を制御して出力部18のディスプレイの表示画面にキャリブレーション失敗の警告表示を行う。キャリブレーション失敗の警告表示とは、ステップS15において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標の最大値、最小値が所定範囲内に収まっていないと最大値/最小値判別部44により判別された場合には、そのタッチ操作がなされた位置の座標は信用に足る値ではなく、タッチ操作は無効である旨をユーザに伝達する旨の警告をする表示である。具体的には、表示制御部41により出力部18のディスプレイを制御して、「入力されたタッチ操作は無効です」と表示画面に表示することにより、ユーザに対し入力されたタッチ操作のやり直しを促す。
取得されたタッチ操作がなされた位置の座標の最大値、最小値は所定範囲内であると判定された場合には、ステップS17においてYESであると判定されて、処理はステップS19に進む。
【0042】
ステップS19において、ステップS13と同様に、制御部47は、表示制御部41を介して通常タッチ位置を出力部18のディスプレイの表示画面に表示する制御を実行する。表示制御部41による通常タッチ位置の表示については、後述の図4を参照して説明する。
【0043】
ステップS20において、ステップS14と同様に、入力操作受付部42は、ユーザによるタッチ操作を受け付ける。
【0044】
ステップS21において、ステップS15と同様に、位置情報取得部43は、ステップS20において受け付けたタッチ操作に基づき2回目のタッチ操作がなされた位置の座標を取得する。この時、位置情報取得部43は、位置座標を取得した回数を累積して計数する。
【0045】
ステップS22において、ステップS16と同様に、位置情報取得部43は、ステップS21において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標であるか否かを判定する。取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標でない場合には、ステップS22においてNOであると判定されて、処理はステップS20に再び戻される。即ち、最後のタッチ操作がなされた位置の座標が取得されるまでの間、ステップS20乃至ステップS22:NOの判定処理が繰り返し実行されて、キャリブレーション処理は待機状態となる。取得されたタッチ操作がなされた位置の座標が最後のタッチ操作がなされた位置の座標である場合には、ステップS22においてYESであると判定されて、処理はステップS23に進む。
【0046】
ステップS23において、ずれ量算出部45は、1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と2回目のタッチ操作がなされた位置の座標のずれ量を算出する。具体的には、ずれ量算出部45は、同一箇所におけるステップS15において取得された1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と、ステップS21において取得された2回目のタッチ操作がなされた位置の座標の差分をそれぞれ算出する。
【0047】
ステップS24において、ずれ量判別部46は、ステップS23において算出されたずれ量は所定範囲内、即ち、ずれ量許容範囲内であるか否かを判別する。具体的には、ずれ量判別部46は、1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と2回目のタッチ操作がなされた位置の座標とがキャリブレーションの使用に足るずれ量許容範囲内に収まっているか否かを判別する。算出されたずれ量は所定範囲内、即ち、ずれ量許容範囲内でないと判別された場合には、ステップS24においてNOであると判別されて、処理はステップS18に戻される。即ち、算出されたずれ量が、即ち、ずれ量許容範囲内に収まるまでの間、ステップS11乃至ステップS24:NOの判定処理が繰り返し実行されて、キャリブレーション処理は待機状態となる。算出されたずれ量が所定範囲内、即ち、ずれ量許容範囲内である場合には、ステップS24においてYESであると判定されて、処理はステップS25に進む。
【0048】
ステップS25において、キャリブレーション値演算部48は、1回目と2回目の座標の平均値をキャリブレーション値として算出する。具体的には、キャリブレーション値演算部48は、同一箇所におけるステップS15において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標と、ステップS21において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標とに基づき平均値をキャリブレーション値として算出する。
【0049】
ステップS26において、キャリブレーション値演算部48は、ステップS25で算出したキャリブレーション値を補正情報記憶部52に記憶する。情報処理装置1は、補正情報記憶部52に記憶されたキャリブレーション値に基づいて、キャリブレーションを行うことができる。この処理が終了するとキャリブレーション処理を終了する。
【0050】
さらに、以下、図4を参照して、図3のキャリブレーション処理について具体的に説明する。
図4は、図3のキャリブレーション処理中における通常タッチ位置の表示の出力部18のディスプレイの表示画面の例を示している。
【0051】
図4には、十字型のアイコン(タッチポイント指示画像)101a,101b,101c,101dがそれぞれ出力部18のディスプレイの表示画面の4隅近辺に配置されている。
上述したように、ステップS11の処理で、初回のタッチ操作の受付であると判定された場合、即ち、1回目のタッチ操作である場合には、表示制御部41は出力部18のディスプレイの表示画面に、通常タッチ位置の表示を行う。
通常タッチ位置の表示とは、図4に示すように、ユーザに対し、キャリブレーションを実行するために必要なタッチ操作すべき場所を示すアイコン101a,101b,101c,101dを出力部18のディスプレイの表示画面に表示することをいう。ユーザにより、出力部18のディスプレイの表示画面に表示された各アイコン101a,101b,101c,101dに対してタッチ操作されることで、タッチ操作がなされた位置の座標が取得される(ステップS15)。なお、本実施形態においては、各アイコン101a,101b,101c,101dは、出力部18のディスプレイの表示画面に一度に表示されているが、これに限られるものではなく、出力部18のディスプレイの表示画面の各隅に時計回り等決まった順に1つずつ表示するようにしてもよい。
【0052】
また、2回目以降のタッチ操作を受け付ける場合であっても、表示制御部41は出力部18のディスプレイの表示画面に、通常タッチ位置の表示を行う(ステップS19)。この場合、図4と同様に、出力部18のディスプレイの表示画面にユーザのタッチ操作を促す十字型のアイコン101a,101b,101c,101dが表示される。
本実施形態においては、1回目の通常タッチ位置の表示(ステップS13)と、2回目以降の通常タッチ位置の表示(ステップS19)とは、同様のアイコン101a,101b,101c,101dを表示しているが、これに限られない。例えば、各アイコン101a,101b,101c,101dの色や濃度、形状を1回目の通常タッチ位置の表示と異なるように変化させてもよい。これによりユーザは現在のタッチ操作の受け付けが、1回目のタッチ操作の受け付けであるのか2回目以降の何回目かのタッチ操作の受け付けであるのかを識別することができる。
【0053】
これに対し、1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と2回目のタッチ操作がなされた位置の座標とがキャリブレーションの使用に足る許容範囲内に収まっていないと判別された場合(ステップS24:NO)には、キャリブレーション失敗の警告表示がなされる(ステップS18)。この場合、表示制御部41により出力部18のディスプレイに、「キャリブレーション失敗」と表示画面に表示してユーザにキャリブレーションが失敗したことが通知される。この場合、図5に示すように、制御部47により2回目以降のタッチ操作であると判別され(ステップS11:NO)、図5に示すような失敗タッチ位置の識別表示が行われる(ステップS12)。
【0054】
図5は、図3のキャリブレーション処理中における失敗タッチ位置の識別表示の出力部18のディスプレイの表示画面の例を示している。
図5には、図4と同様に、十字型のアイコン(タッチポイント指示画像)201a,201b,201c,201dがそれぞれ出力部18のディスプレイの表示画面の4隅近辺に配置されている。
ステップS24の処理で、ずれ量は所定範囲内でないと判別された箇所が表示画面の右上であった場合には、表示画面の右上に対応するアイコン201bの周囲に、アイコン201bのタッチ位置を強調する強調アイコン202が表示される。ユーザは、この強調アイコン202を確認することにより、表示画面の右上に対するタッチ操作が不適切であるかを識別することができる。従って、ユーザは、強調アイコン202を確認することにより、どの箇所のタッチ操作がキャリブレーションに適していないタッチ操作であったか否かを容易に識別することができる。なお、上述の実施形態においては、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン201bの周囲に、強調アイコン202を表示することにより、キャリブレーションに失敗した位置をユーザに表示しているがこれに限られるものではない。例えば、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所を明示せずに、出力部18のディスプレイの表示画面の4隅全ての箇所にアイコン201a,201b,201c,201dを表示してもよい。
【0055】
また、上述の実施形態においては、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン201bの周囲に、強調アイコン202を表示することにより、キャリブレーションに失敗した位置をユーザに表示しているがこれに限られるものではない。例えば、図6に示すように、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン301bを矢印302で指し示してもよい。
【0056】
図6は、図3のキャリブレーション処理中における失敗タッチ位置の識別表示の出力部18のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。図6には、図5と同様に、十字型のアイコン(タッチポイント指示画像)301a,301b,301c,301dがそれぞれ出力部18のディスプレイの表示画面の4隅近辺に配置されている。
ステップS24の処理で、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン301bの周囲には、アイコン301bのタッチ位置を示す矢印302が表示されている。そして、このアイコン301bに対応する箇所がキャリブレーションに失敗した箇所であることを示すように、テキスト303により「キャリブレーションに失敗したタッチ位置です」と表示されている。ユーザは、この矢印302及びテキスト303を確認することにより、表示画面の右上に対するタッチ操作が不適切であるかを識別することができる。従って、ユーザは、矢印302及びテキスト303を確認することにより、どの箇所のタッチ操作がキャリブレーションに適していないタッチ操作であったか否かを容易に識別することができる。
【0057】
なお、上述の実施形態においては、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所のみならず、出力部18のディスプレイの表示画面の4隅全部に対してユーザのタッチ操作を促すアイコン101a,101b,101c,101dを表示しているがこれに限られるものではない。例えば、図7に示すように、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応する箇所においてのみアイコン401及び強調アイコン402を表示してもよい。
【0058】
図7は、図3のキャリブレーション処理中における失敗タッチ位置の識別表示の出力部18のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。図7には、図5とは異なり、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応する箇所においてのみ十字型のアイコン(タッチポイント指示画像)402が出力部18のディスプレイの表示画面の右上隅近辺に配置されている。
ステップS24の処理で、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン401の周囲には、アイコン401のタッチ位置を示す強調アイコン402が表示されている。ユーザは、この強調アイコンを確認することにより、表示画面の右上に対するタッチ操作が不適切であるかを識別することができる。従って、ユーザは、強調アイコン402を確認することにより、どの箇所のタッチ操作がキャリブレーションに適していないタッチ操作であったか否かを容易に識別することができる。
【0059】
なお、上述の実施形態においては、上述の実施形態においては、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所のみならず、出力部18のディスプレイの表示画面の4隅全部に対してユーザのタッチ操作を促すアイコン301a,301b,301c,301dを表示しているがこれに限られるものではない。また、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン301bの周囲に、アイコン301bのタッチ位置を示す矢印302を表示することにより、キャリブレーションに失敗した位置をユーザに表示しているがこれに限られるものではない。例えば、図8に示すように、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン501のみを表示して当該箇所を矢印502で指し示してもよい。
【0060】
図8は、図3のキャリブレーション処理中における失敗タッチ位置の識別表示の出力部18のディスプレイの表示画面の別実施例を示している。図8には、図6とは異なり、判別されたずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応する箇所においてのみ十字型のアイコン(タッチポイント指示画像)501が出力部18のディスプレイの表示画面の右上隅近辺に配置されている。
ステップS24の処理で、ずれ量はずれ量許容範囲内でないと判別された箇所に対応するアイコン501の周囲には、アイコン501のタッチ位置を示す矢印502が表示されている。そして、このアイコン501に対応する箇所がキャリブレーションに失敗した箇所であることを示すように、テキスト503により「キャリブレーションに失敗したタッチ位置です」と表示されている。ユーザは、この矢印502及びテキスト503を確認することにより、表示画面の右上に対するタッチ操作が不適切であるかを識別することができる。従って、ユーザは、矢印502及びテキスト503を確認することにより、どの箇所のタッチ操作がキャリブレーションに適していないタッチ操作であったか否かを容易に識別することができる。
以上、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置1について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置1について説明する。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る情報処理装置1は、第1実施形態に係る情報処理装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図1は、第2実施形態に係る情報処理装置1のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。第2実施形態に係るは、第1実施形態と同様に、例えばデジタルカメラにより構成することができる。
【0062】
さらに、第2実施形態に係る情報処理装置1が実行するキャリブレーション処理は、第1実施形態に係るキャリブレーション処理と基本的に同様の流れとなる。従って、図9は、第2実施形態に係るキャリブレーション処理の流れを説明するフローチャートでもある。
ただし、第2実施形態では、キャリブレーション処理のうちステップS23乃至ステップS25の処理については、第1実施形態で採用された図3のフローチャートではなく、図9のフローチャートが採用される。
図9は、図2の機能的構成を有する図1の情報処理装置1が実行する、第2実施形態に係るキャリブレーション処理の流れを説明するフローチャートである。
【0063】
上述した第1実施形態における図3のキャリブレーション処理では、単位タッチ操作の受け付けは2回であるのに対して、第2実施形態における図9のキャリブレーション処理では、複数回単位タッチ操作の受け付けを行い、母体数として統計学上信用できる回数以上の位置座標に基づきキャリブレーション値を算出する点が差異点である。詳細には、第2実施形態では、第1実施形態に係るステップS23乃至ステップS25の処理に代えて、ステップS43乃至ステップS47の処理が実行される点が差異点である。
そこで、以下、このような差異点について主に説明し、一致点の説明は適宜省略する。
【0064】
キャリブレーション処理は、ユーザのシャッタボタンの押下操作により行われる撮影処理(図示せず)とは独立して実行される処理(並行して実行される場合あり)であり、ユーザにより入力部17のキャリブレーションボタンが押下されたことを契機として開始される。この場合、第1実施形態におけるステップS11乃至ステップS22の各処理と同様の、ステップS31乃至ステップS42の処理が実行される。
【0065】
ステップS43において、ずれ量算出部45は、各回において取得された位置座標に基づきずれ量を算出する。具体的には、ずれ量算出部45は、複数回取得されたタッチ操作がなされた位置の座標のうち、1回目のタッチ操作がなされた位置の座標を基準とする。そして、ずれ量算出部45は、1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と各回において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標とのずれ量を算出する。なお、本実施形態においては、基準とする座標として1回目のタッチ操作がなされた位置の座標を基準としているがこれに限られるものではなく、各回のうち何れか任意の回のタッチ操作がなされた位置の座標を基準とすることができる。
【0066】
ステップS44において、ずれ量判別部46は、ステップS43において算出されたずれ量に所定範囲外、即ち、ずれ量許容範囲外のずれ量の座標があるか否かを判別する。具体的には、ずれ量判別部46は、基準とする1回目のタッチ操作がなされた位置の座標と、それ以外の回のタッチ操作がなされた位置の座標との間のずれ量のうち、キャリブレーションの使用に足るずれ量許容量範囲外のずれ量を有する座標が存在するか否かを判別する。算出されたずれ量は所定範囲外、即ち、ずれ量許容範囲外の座標があると判別された場合には、ステップS44においてYESであると判別されて、処理はステップS45に進む。これに対して、算出されたずれ量は所定範囲外、即ち、ずれ量許容範囲外の座標はないと判別された場合には、ステップS44においてNOであると判別されて、処理はステップS47に進む。
【0067】
ステップS45において、ずれ量判別部46は、ずれ量許容範囲外、即ち、ずれ量許容範囲外の座標を除外する。具体的には、ずれ量判別部46は、ステップS43で算出したずれ量がずれ量許容範囲以上であると判別された位置座標を識別し、除外する。ずれ量許容範囲内として、例えば、3σから外れるもの等、取得されたA/D値から大きく逸脱するか否かが判別される。本実施形態においては、信用に足る範囲として、予め定められたずれ量許容範囲を規定しているが、これに限られるものではなく、出力部18のディスプレイの表示画面の大きさや、位置情報取得部43により取得された位置情報等に基づいて適宜変更することもできる。
【0068】
ステップS46において、ずれ量判別部46は、母体数として統計学上信用できる回数以上の座標があるか否かを判別する。具体的には、ずれ量判別部46は、ステップS45でずれ量許容範囲外の座標が除外された場合であっても、なおキャリブレーションを行うに足りる位置座標が残存しているか否かを判別する。母体数として統計学上信用できる回数以上の座標がない場合には、ステップS46においてNOであると判定されて、処理はステップS38に戻される。即ち、母体数として統計学上信用できる回数以上の座標が取得されるまでの間、ステップS31乃至ステップS46:NOの判定処理が繰り返し実行されて、キャリブレーション処理は待機状態となる。即ち、第2実施形態では、母体数として統計学上信用できる回数以上の座標が取得されるまでの間、3回以上の複数回のキャリブレーションのタッチ操作がそれぞれ受け付けられる(ステップS40)。そして、3回以上のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の各々について、ずれ量がそれぞれ算出される(ステップS43)。母体数として統計学上信用できる回数以上の座標が取得された場合には、ステップS46においてYESであると判定されて、処理はステップS47に進む。
【0069】
ステップS47において、キャリブレーション値演算部48は、ステップS45において除外された結果残った座標の平均値をキャリブレーション値として算出する。具体的には、キャリブレーション値演算部48は、同一箇所におけるステップS35において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標と、ステップS41において取得されたタッチ操作がなされた位置の座標とに基づき平均値をキャリブレーション値として算出する。
【0070】
ステップS48において、キャリブレーション値演算部48は、ステップS47で算出したキャリブレーション値を補正情報記憶部52に記憶する。情報処理装置1は、補正情報記憶部52に記憶されたキャリブレーション値に基づいて、キャリブレーションを行うことができる。この処理が終了するとキャリブレーション処理を終了する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置1は、入力操作受付部42と、ずれ量算出部45と、ずれ量判別部46と、制御部47と、を備える。
入力操作受付部42は、タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける。
ずれ量算出部45は、入力操作受付部42により受け付けられた、同一箇所に対するキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する。
ずれ量判別部46は、ずれ量算出部45により算出されたずれ量がずれ量許容範囲内であるか否かを判別する。
制御部47は、ずれ量判別部46による判別結果に基づいて、キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する。
この場合、ずれ量算出部45により算出されたずれ量がずれ量許容範囲外である場合には、キャリブレーション操作が失敗したとして判断して、再度ユーザによるキャリブレーション操作を実行させ、不適切なキャリブレーションが実行されることを防止するようにした。従って、ユーザが雑に或いは誤った操作をした場合であっても適切なキャリブレーションを実行することができる。
【0072】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の制御部47は、ずれ量判別部46によりずれ量がずれ量許容範囲外であると判別された場合、入力操作受付部42による同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する。この場合、ずれ量がずれ量許容範囲外である場合には、キャリブレーション操作が失敗したとして判断して、同一箇所に対して再度ユーザによるキャリブレーション操作を実行させ、不適切なキャリブレーションが実行されることを防止するようにした。従って、ユーザが雑に或いは誤った操作をした場合であっても適切なキャリブレーションを実行することができる。
【0073】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の入力操作受付部42は、タッチパネルの複数箇所の各々を同一箇所として、タッチパネルの複数箇所の各々に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付ける。
そして、ずれ量算出部45は、タッチパネルの複数箇所のそれぞれのずれ量を算出し、ずれ量判別部46は、ずれ量算出部45により算出されたタッチパネルの複数箇所のそれぞれに対するずれ量がずれ量許容範囲内であるか否かをそれぞれ判別する。
そして、制御部47は、ずれ量判別部46によりタッチパネルの複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが第1の範囲外であると判別された場合、入力操作受付部42によるタッチパネルの同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する。この場合、ずれ量許容範囲内でないと判別された箇所のみでユーザによるキャリブレーション操作を再度行わせるようにしたことで、ユーザのキャリブレーションに対する負担を軽減することができる。
【0074】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の制御部47は、ずれ量判別部46により複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つがずれ量許容範囲外であると判別された場合、入力操作受付部42による複数箇所の全てに対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する。この場合、ずれ量許容範囲外であると判別された箇所のみならず、全ての箇所において再度実行させるユーザによるキャリブレーション操作を行わせるようにしたことで、より精度の高いキャリブレーションを期待することができる。
【0075】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の制御部47は、ずれ量判別部46により複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つがずれ量許容範囲外であると判別された場合、入力操作受付部42による、複数箇所のうちずれ量許容範囲外であると判別された箇所のみに対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する。この場合、ずれ量許容範囲外であると判別された箇所のみでユーザによるキャリブレーション操作を再度行わせるようにしたことで、ユーザのキャリブレーションに対する負担を軽減することができる。
【0076】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の制御部47は、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、キャリブレーションの結果として採用する。この場合、キャリブレーションに成功した複数回のタッチ操作位置の座標の平均値をキャリブレーションの結果として採用することで、より精度の高いキャリブレーションを期待することができる。
【0077】
さらに、本実施形態の情報処理装置1は、出力部18を備える。出力部18は、入力操作受付部42により受け付けられたキャリブレーションのタッチ操作が何回目の操作であるかを識別可能に表示する。この場合、続けて実行されるキャリブレーション操作が1回目であるのか、2回目であるのかを識別可能に表示するようにしたことで、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0078】
さらに、本実施形態の情報処理装置1は、出力部18をさらに備える。出力部18は、ずれ量判別部46により同一箇所のずれ量がずれ量許容範囲外であると判別された場合、当該同一箇所を識別可能に表示するか、又は所定の警告表示をする。この場合、再度ユーザによるキャリブレーション操作を実行させる制御が行われた際に、ずれ量がずれ量許容範囲内でないと判別されたタッチ位置を識別可能にする。また、或いはずれ量許容範囲内でないと判別されたタッチ位置の警告を表示するようにしたことで、キャリブレーションに失敗したキャリブレーションタッチ位置をユーザに明確に報知することができる。
【0079】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の入力操作受付部42は、タッチパネルの同一箇所に対する2回のキャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付ける。そして、ずれ量算出部45は、入力操作受付部42により受け付けられた、同一箇所に対する2回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のうち、一方を所定の基準として、他方についてずれ量を算出する。この場合、同一箇所に対して2回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標に基づいてずれ量が算出されるため、確実なキャリブレーションが実行されることが期待される。
【0080】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の入力操作受付部42は、タッチパネルの同一箇所に対する3回以上のキャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付ける。
また、ずれ量算出部45は、入力操作受付部42により受け付けられた、同一箇所に対する3回以上のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の各々について、ずれ量をそれぞれ算出する。
また、ずれ量判別部46は、ずれ量算出部45により算出された、同一箇所に対する3回以上のキャリブレーションのタッチ操作についてのずれ量の各々がずれ量許容範囲内であるか否かをそれぞれ判別する。
そして、制御部47は、ずれ量判別部46によりずれ量許容範囲外のずれ量であると判別された回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標を除外して、キャリブレーションの実行結果を求めるように制御する、この場合、ユーザにより実行されるタッチパネルのキャリブレーション操作は3回以上であって、1乃至複数のタッチ位置の3回以上のずれ量をさらに算出し、算出されたずれ量が所定範囲内であるか否かをさらに判別する。そして、判別されたずれ量がずれ量許容範囲でないと判別された回のキャリブレーション操作を除外してさらに判断するようにしたことで、より精度の高いキャリブレーションが期待できる。
【0081】
さらに、本実施形態の情報処理装置1の制御部47は、ずれ量判別部46によりずれ量許容範囲内のずれ量であると判別された回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、キャリブレーションの結果として採用する。この場合、キャリブレーションに成功した回のタッチ操作位置の座標の平均値をキャリブレーションの結果として採用することで、より精度の高いキャリブレーションを期待することができる。
【0082】
さらに、本実施形態の情報処理装置1は、最大値/最小値判別部44をさらに備える。
最大値/最小値判別部44は、入力操作受付部42により受け付けられた、同一箇所に対する1回目のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標が所定範囲内であるか否かを判別する。
そして、制御部47は、最大値/最小値判別部44により同一箇所に対する1回目のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標が所定範囲外であると判別された場合、入力操作受付部42による同一箇所に対する1回目のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する。
この場合、1回目のキャリブレーション操作で取得されたタッチ位置の1乃至複数の座標の位置座標が、所定範囲内であるか否かを判別する。そして、取得されたタッチ位置の1乃至複数の位置座標が所定範囲内でないと判別された場合は、再度1回目のキャリブレーション操作を実行させるようにした。これにより、2回目のキャリブレーション操作をするまでもない明らかに不適切な1回目のキャリブレーション操作を事前に判別することができる。
【0083】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
上述の実施形態では、入力操作受付部42は、初回以降のタッチ操作の受け付けである場合、即ち、ステップS11においてNOであると判定された場合には、キャリブレーションに適切な位置のうち、ずれ量がずれ量許容範囲外であるとされた箇所に対するキャリブレーションのタッチ操作のみを受け付けているがこれに限られない。
例えば、キャリブレーションに適切な位置のうち、ずれ量がずれ量許容範囲外であるとされた箇所のみならず、複数回の全てのキャリブレーションのタッチ操作を受け付けることができる。
【0085】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される情報処理装置1は、デジタルカメラを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、撮像機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0086】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0088】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM12や、図1の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0089】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0090】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0091】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて情報処理を行う情報処理装置において、
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付手段と、
前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別手段と、
前記第1ずれ量判別手段による判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記ずれ量が第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの複数箇所の各々を前記同一箇所として、前記複数箇所の各々に対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記複数箇所のそれぞれのずれ量を算出し、
前記ずれ量判別手段は、前記算出手段により算出された前記複数箇所のそれぞれに対する前記ずれ量が前記第1の範囲内であるか否かをそれぞれ判別し、
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記複数箇所の全てに対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
[付記5]
前記制御手段は、前記第1ずれ量判別手段により前記複数箇所のずれ量のうち少なくとも1つが第1の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による、前記複数箇所のうち第1の範囲外であると判別された箇所のみに対する複数回の前記キャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
[付記6]
前記制御手段は、前記同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、キャリブレーションの結果として採用する、
ことを特徴とする付記1乃至5のうち何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記7]
前記入力操作受付手段により受け付けられた前記キャリブレーションのタッチ操作が何回目の操作であるかを識別可能に表示する表示手段をさらに備える
ことを特徴とする付記1乃至6のうち何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記8]
前記第1ずれ量判別手段により前記同一箇所のずれ量が第1の範囲外であると判別された場合、当該同一箇所を識別可能に表示するか、又は所定の警告表示をする表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至6のうち何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記9]
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの前記同一箇所に対する2回の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する2回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標のうち、一方を所定の基準として、他方について前記ずれ量を算出する、
ことを特徴とする付記1乃至8のうち何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記10]
前記入力操作受付手段は、前記タッチパネルの前記同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作をそれぞれ受け付け、
前記算出手段は、前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標の各々について、前記ずれ量をそれぞれ算出し、
前記ずれ量判別手段は、前記算出手段により算出された、同一箇所に対する3回以上の前記キャリブレーションのタッチ操作についての前記ずれ量の各々が第1の範囲内であるか否かをそれぞれ判別し、
前記制御手段は、前記ずれ量判別手段により前記第1の範囲外のずれ量であると判別された回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標を除外して、前記キャリブレーションの実行結果を求めるように制御する、
ことを特徴とする付記1乃至8のうちの何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記11]
前記制御手段は、前記ずれ量判別手段により前記第1の範囲内のずれ量であると判別された回の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標の平均値を、キャリブレーションの結果として採用する、
ことを特徴とする付記10に記載の情報処理装置。
[付記12]
前記入力操作受付手段により受け付けられた、前記同一箇所に対する1回目の前記キャリブレーションのタッチ操作位置の座標が第2の範囲内であるか否かを判別する第2ずれ量判別手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2ずれ量判別手段により前記ずれ量が第2の範囲外であると判別された場合、前記入力操作受付手段による前記同一箇所に対する1回目のキャリブレーションのタッチ操作の受け付けを再度行う制御を実行する、
ことを特徴とする付記1乃至11のうち何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記13]
表示画面に積層されたタッチパネルに対する入力操作に基づいて情報処理を行う情報処理装置を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の操作を、前記タッチパネルに対するキャリブレーションのタッチ操作として受け付ける入力操作受付手段、
前記入力操作受付手段により受け付けられた、同一箇所に対する複数回のキャリブレーションのタッチ操作位置の座標のずれ量を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された前記ずれ量が第1の範囲内であるか否かを判別する第1ずれ量判別手段、
前記第1ずれ量判別手段による判別結果に基づいて、前記キャリブレーションのタッチ位置の座標を用いたキャリブレーションの実行有無を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0092】
1・・・情報処理装置、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・撮像部、17・・・入力部、18・・・出力部、19・・・記憶部、20・・・通信部、21・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、41・・・表示制御部、42・・・入力操作受付部、43・・・位置情報取得部、44・・・最大値/最小値判別部、45・・・ずれ量算出部、46・・・ずれ量判別部、47・・・・制御部、48・・・キャリブレーション値演算部、51・・・位置情報記憶部、52・・・補正情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9