(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体板(ルーフ)に設置されるアンテナ装置として、ラジオ放送用、GPS(Global Positioning System)用、携帯電話用、リモコンエンジンスタータ用等の単数又は複数の周波数帯域の電波を受信可能なアンテナ装置が知られている。このアンテナ装置は、自動車の車体板に形成された固定用の孔(固定用開口)に、アンテナ装置の底面に設けられた突起部を挿入し、適当な方法により固定される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
ここで、
図12を参照して、従来のアンテナ装置1Dを説明する。
図12に、従来のアンテナ装置1Dの斜視構成を示す。
【0004】
図12に示すように、アンテナ装置1Dは、ベース部2Dと、カバー部3Dと、を備える。ベース部2Dは、ベース本体部21Dと、突起部22Dと、密封部24と、を備える。
【0005】
ベース部2Dは、アンテナ装置1Dの基体であり、密封部24を除き、亜鉛ダイキャスト、アルミダイキャスト等として一体的に鋳造されている。ベース本体部21Dは、アンテナ装置1Dの底面全体に形成された板状のダイキャストである。突起部22Dは、ベース本体部21Dに一体的に設けられ、自動車の車体板の固定用開口に挿入されてアンテナ装置1Dを固定する突起部である。突起部22Dには、ボルトとしての雄螺子と、軸心方向に沿って設けられたケーブル用溝部22Daと、が形成されており、突起部22Dが自動車の車体板の固定用開口に挿入された状態で、ナット(図示略)を用いて締結されることにより、アンテナ装置1Dが自動車の車体板に取り付けられて固定される。また、突起部22Dとベース本体部21Dとの接続部分には、突起部22Dの軸心部分にケーブル用穴があけられている。また、ベース本体部21Dには、カバー部3D取付け用の通し穴h6があけられている。密封部24は、自動車の車体板の固定用開口に水、塵が浸入することを防ぐシールである。
【0006】
カバー部3Dは、アンテナ本体(図示略)と、アンテナ本体が設けられるアンテナ基板(図示略)と、ベース部2Dと、を格納して覆う樹脂製のアンテナカバーである。このアンテナ基板には、自動車の車体内に設けられたアンテナ用の受信機等へ接続するためのケーブルが電気的に接続されている。また、カバー部3Dの内部には、雌螺子を有するボス(図示略)が設けられている。雄螺子がベース部2Dの通し穴h6を介してカバー部3Dのボスの雌螺子に螺合されることにより、カバー部3Dは、ベース部2Dに取り付けられる。自動車の車体の内部に引き出すケーブルは、ベース部2Dのケーブル用穴及びケーブル用溝部22Daを通して、自動車の車体の内部に引き出され、受信機等へ接続される。
【0007】
また、
図12に示すアンテナ装置1Dは、その底面に、ガスケット(図示略)を備える。ガスケットは、アンテナ装置1Dが自動車の車体板に固定取り付けされた状態で、ベース部2Dと自動車の車体板との間の隙間を弾性圧縮により埋め、その隙間から固定用開口に水や塵が浸入することを防ぐ。
【0008】
アンテナ装置1Dは、工場における自動車の生産時に、生産中の自動車の車体の車体板に取り付けられる。また、自動車の生産は、顧客の要望に応じてカスタマイズされて行われる。このため、顧客の要望によっては、アンテナ装置1D内部のアンテナ本体が不要となることもある。アンテナ装置1D内部のアンテナが不要である場合に、アンテナ本体及びアンテナ基板を格納していないアンテナ装置1Dがダミーアンテナ装置として、自動車の車体に取り付けられていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の通常のアンテナ装置1Dをダミーアンテナ装置として使用する場合に、アンテナ装置1Dは、ベース部2Dにケーブル用穴があいていた。つまり、ケーブル用穴を介してカバー部3D内の空間と自動車の車体内の空間とが繋がっていた。そして、アンテナ本体及びアンテナ基板と、自動車の車体内と、を外部からの水や塵から防ぐために、カバー部3Dの内部は防水防塵構造にされていた。このため、アンテナ装置1Dの構造が複雑となり、製造が容易でなく、製造コストも高かった。
【0011】
本発明の課題は、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないアンテナ装置の構造を簡単にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明のダミーアンテナ装置は、
ベース部と、
前記ベース部を覆うカバー部と、を備え、
前記ベース部は、
前記カバー部の開口面の一部に形成されたダイキャストからなるベース本体部と、
取り付け先の板の固定用開口に挿入されて固定される突起部と、
前記カバー部内の空間と前記取り付け先内の空間との間を遮断する遮断部と、
前記突起部の根本且つ周囲に設けられ当該突起部と前記固定用開口との隙間を塞ぐ密封部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のダミーアンテナ装置において、
前記カバー部の開口面に配置され、前記ベース部に取り付けられた板状部を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のダミーアンテナ装置において、
前記板状部は、前記ベース部へ螺合するための螺子を通す通し穴を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のダミーアンテナ装置において、
前記板状部は、前記ベース部及び前記カバー部に挟まれて固定される固定部を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載のダミーアンテナ装置において、
前記カバー部の開口面に配置されたガスケットを備え、
前記ガスケットは、
前記取り付け先の板と前記カバー部との間で圧縮されて前記固定用開口に繋がる空間を密封する凸部と、
前記板状部に接続する第1の接続部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のダミーアンテナ装置において、
前記カバー部の開口面に配置されたガスケットを備え、
前記カバー部は、
前記ガスケットに接続する第2の接続部を備え、
前記ガスケットは、
前記取り付け先の板と前記カバー部との間で圧縮されて前記固定用開口に繋がる空間を密封する凸部と、
前記第2の接続部に接続する第3の接続部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のダミーアンテナ装置において、
前記カバー部の開口面に配置されたガスケットを備え、
前記カバー部は、
カバー本体部と、
前記カバー本体部の内部に設けられたリブと、を備え、
前記ガスケットは、
前記取り付け先の板と前記カバー部との間で圧縮されて前記固定用開口に繋がる空間を密封する凸部と、
前記リブに接続する第4の接続部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないダミーアンテナ装置の構造を簡単にできる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態、その第1〜第3の変形例を順に詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
(実施の形態)
図1〜
図4を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、
図1〜
図3を参照して、本実施の形態のダミーアンテナ装置1の装置構成を説明する。
図1に、本実施の形態のダミーアンテナ装置1の斜視構成を示す。
図2に、板状部4及びガスケット5を除くダミーアンテナ装置1の斜視構成を示す。
図3に、ガスケット5を除くダミーアンテナ装置1の斜視構成を示す。
【0023】
本実施の形態のダミーアンテナ装置1は、
図12に示す従来のアンテナ装置1Dに代えて自動車等の取り付け先に取り付けられるダミーアンテナ装置である。ダミーアンテナ装置1は、取り付け後の外観が、アンテナ装置1Dとほぼ同じである。
【0024】
アンテナ装置1Dは、ラジオ放送用、GPS用、携帯電話用、リモコンエンジンスタータ用等の単数又は複数の周波数帯域の電波を受信可能なアンテナ本体及びアンテナ基板を備えるアンテナ装置であった。しかし、ダミーアンテナ装置1は、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しない、つまりアンテナ通信機能を有しないダミーのアンテナ装置である。
【0025】
アンテナ装置1Dは、自動車の生産時に、その車体の車体板に取り付けられる。しかし、顧客から、アンテナ装置1Dの通信機能が不要である要望がある場合に、その要望に応じて、生産する自動車の車体板に、ダミーアンテナ装置1が取り付けられる。
【0026】
図1に示すように、ダミーアンテナ装置1は、ベース部2と、カバー部3と、板状部4と、ガスケット5と、を備える。
【0027】
ベース部2は、ダミーアンテナ装置1の基体であり、後述する密封部24を除き、亜鉛ダイキャスト、アルミダイキャスト等として一体的に鋳造されている。というのは、ベース部2は、自動車の車体板への取り付け部分であるため、ある程度の剛性(強度)が必要だからである。
【0028】
カバー部3は、ベース部2を覆う樹脂製のカバーである。カバー部3の外観形状は、アンテナ装置1Dのカバー部3Dの外観形状と同じである。カバー部3の内部には、アンテナ本体及びアンテナ基板が格納されていない。このため、ダミーアンテナ装置1は、アンテナ通信機能を有さない。
【0029】
板状部4は、ダミーアンテナ装置1のカバー部3の開口面のほぼ全面に亘り設けられた板状部である。開口面とは、開口の縁部を結ぶ面とする。板状部4は、例えば、プレス成型された鋼板からなる。板状部4がプレス成型された鋼板であるので、ベース部2のようにダイキャストとして製造する場合に比べて、製造コストを低減できる。
【0030】
ガスケット5は、ダミーアンテナ装置1のカバー部3の開口面に設けられたゴム等の弾性体製の固定用シールである。
【0031】
図2に示すように、ベース部2は、ベース本体部21と、突起部22と、遮断部23(
図4参照)と、密封部24と、を備える。ベース本体部21は、ダミーアンテナ装置1のカバー部3の開口面の一部(突起部22の周辺部)に形成された板状のダイキャストである。また、ベース本体部
21には、通し穴h1と、通し穴h2と、があけられている。通し穴h1は、カバー部3をベース本体部21に取り付ける雄螺子を通す穴である。通し穴h2は、板状部4をベース本体部21に取り付ける雄螺子を通す穴で、内部に螺子山を形成した雌螺子である。
【0032】
突起部22は、ベース本体部21に一体的に形成され、自動車の車体板の固定用開口に挿入されてダミーアンテナ装置1を固定する突起状のダイキャストである。突起部22は、ボルトとしての雄螺子が形成され、溝部22aを備える。溝部22aは、突起部22の軸心方向に沿って設けられている。
【0033】
遮断部23は、突起部22と、ベース本体部21との接続部分に設けられており、カバー部3内の空間と自動車の車体内の空間との間を遮断して分離する。つまり、遮断部23により、ベース本体部21と突起部22との接続部分に穴があけられていない。
【0034】
密封部24は、突起部22の根本且つ周囲に設けられ、突起部22と自動車の車体板の固定用開口との隙間を塞いで密封する弾性体製の環状のシールである。
【0035】
図2に示すように、カバー部3は、カバー本体部31と、ボス32a,32bと、を備える。カバー本体部31は、ベース部2及び板状部4を覆う樹脂製のカバーである。ボス32aは、雌螺子が形成され、カバー部3をベース本体部21に取り付けるためのボスである。ボス32aは、ベース本体部21の通し穴h1に対応する位置に設けられている。ボス32bは、雌螺子が形成され、板状部4をベース本体部21に取り付けるためのボスである。ボス32bは、板状部4の通し穴h4(
図3参照)に対応する位置に設けられている。
【0036】
図3に示すように、板状部4は、板本体部41と、穴部42と、を備える。板本体部41は、穴部42を除きカバー部3の開口面のほぼ全面に亘り設けられた鋼板等の板である。穴部42は、ベース部2を露出させるために板本体部41にあけられた穴である。板本体部41には、通し穴h3と、通し穴h4と、があけられている。通し穴h3は、板本体部41をベース本体部21に取り付ける雄螺子を通す穴である。通し穴h3は、ベース本体部21の通し穴h2に対応する位置に設けられている。通し穴h4は、板本体部41をカバー部3に取り付ける雄螺子を通す穴である。通し穴h4は、ボス32bに対応する位置に設けられている。
【0037】
また、板本体部41には、ダミーアンテナ装置1の型名、製造番号等を記載した機銘版ラベルを貼り付けるためのスペースS1が設けられている。
【0038】
カバー部3がアンテナ本体及びアンテナ基板を格納しなく、遮断部23もあるため、カバー部3の内部の防水防塵構造が不要である。よって、板状部4も、カバー部3の内部を密閉するような構造が不要である。このため、板状部4は、カバー部3の開口面の一部に対応する面積を有する構成としてもよい。また、板状部4を設けない構成としてもよい。板状部4を設けない構成では、機銘版ラベルの貼り付けが行われない。
【0039】
図1に示すように、ガスケット5は、平面部51と、凸部52と、穴部53,54と、接続部55(
図4参照)と、を備える。平面部51は、穴部53,54を除きカバー部3の開口面のほぼ全面に亘り設けられた平面部である。凸部52は、平面部51の外周に設けられた突起である。穴部53は、ベース部2を露出させるために平面部51にあけられた穴である。穴部54は、板状部4のスペースS1を露出させるために平面部51にあけられた穴である。つまり、穴部54により、スペースS1に貼り付けられた機銘版ラベルが露出する。接続部55は、平面部51の外周に設けられ、板状部4が嵌合されて板状部4に接続するかぎ形状部である。
【0040】
次いで、
図4を参照して、自動車の車体板Rへのダミーアンテナ装置1の取り付けを説明する。
図4に、自動車の車体板Rへ取り付けたダミーアンテナ装置1の断面構成を示す。
【0041】
図4に示すように、ダミーアンテナ装置1において、カバー部3及び板状部4がベース部2に取り付けられ、さらに、板状部4の板本体部41の外周がガスケット5の接続部55に嵌合されることにより、ガスケット5が板状部4に取り付けられている。
【0042】
そして、自動車の車体板Rの固定用開口Hに、ダミーアンテナ装置1のベース部2の突起部22が挿入され、突起部22の雄螺子にナット(図示略)で締結されることにより、ダミーアンテナ装置1が、車体板Rに取り付けられて固定(設置)される。
【0043】
固定設置された状態のダミーアンテナ装置1において、遮断部23が、カバー部3内の空間と自動車の車体内の空間とを遮断している。このため、遮断部23により、カバー部3内の空間から、ベース部2を介して、水、塵等が自動車の車体内に侵入することを防いで、車体内の防水防塵機能を実現している。
【0044】
また、固定設置された状態のダミーアンテナ装置1において、ガスケット5の凸部52が、車体板Rとカバー部3のカバー本体部31とに挟まれて弾性圧縮されることにより、車体板R、平面部51及び密封部24で囲まれた空間を密封する。このように、凸部52により、外部からの水、塵等が、車体板Rの固定用開口Hに侵入することを防いで、車体内の防水防塵機能を実現している。
【0045】
さらに、固定設置された状態のダミーアンテナ装置1において、密封部24が、車体板Rとカバー部3のカバー本体部31とに挟まれて弾性圧縮されることにより、車体板R、平面部51及び凸部52で囲まれた空間を密封する。このため、密封部24により、外部から、車体板Rの固定用開口Hを介して、水、塵等が自動車の車体内に侵入することを防いで、車体内の防水防塵機能を実現している。たとえ凸部52が破損した場合でも、密封部24が防水防塵機能を維持する。
【0046】
以上、本実施の形態によれば、ダミーアンテナ装置1は、カバー部3と、ベース部2と、を備える。ベース部2は、自動車の車体板の固定用開口Hに挿入されて固定される突起部22と、カバー部3内の空間と自動車内の空間との間を遮断する遮断部23と、突起部22の根本且つ周囲に設けられ突起部22と固定用開口Hとの隙間を塞ぐ密封部24と、を備える。このため、カバー部3の内部を防水防塵構造にする必要がなく、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないダミーアンテナ装置1の構造を簡単にできるとともに、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することを確実に防ぐことができる。
【0047】
また、ダミーアンテナ装置1は、カバー部3の開口面に配置され、ベース部2に取り付けられた板状部4を備える。このため、板状部4のスペースS1に機銘版ラベルを取り付けることができる。また、ベース部2及び板状部4を一体的に鋳造する構成に比べて、ダミーアンテナ装置1の製造を容易にでき、製造コストを低減できる。加えて、ベース部2を小さくできるので、さらに製造コストを低減できる。
【0048】
また、板状部4は、ベース部2へ螺合するための螺子を通す通し穴h3を備える。このため、板状部4を螺合によりベース部2に確実に接続できる。
【0049】
また、ダミーアンテナ装置1は、ガスケット5を備える。ガスケット5は、自動車の車体板Rへのダミーアンテナ装置1の取り付け状態で、車体板Rとカバー部3との間で圧縮されて固定用開口Hに繋がる空間を密封する凸部52と、板状部4に接続する接続部55と、を備える。このため、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することをさらに確実に防ぐことができるとともに、ガスケット5を板状部4に確実に接続できる。
【0050】
(第1の変形例)
図5及び
図6を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。
図5に、本変形例のダミーアンテナ装置1Aの斜視構成を示す。
図6に、本変形例のベース部2及び板状部4の斜視構成を示す。
【0051】
図5に示すように、本変形例のダミーアンテナ装置1Aは、上記実施の形態のダミーアンテナ装置1のベース部2、カバー部3及び板状部4を、ベース部2A、カバー部3A及び板状部4Aに代えた構成を有する。このため、ダミーアンテナ装置1Aにおいて、ダミーアンテナ装置1と同じ部分に同じ符号を付してその説明を省略し、ダミーアンテナ装置1と異なる部分を主として説明する。また、
図5において、ガスケット5は、省略されている。
【0052】
図5に示すように、ダミーアンテナ装置1Aにおいて、ベース部2Aは、ベース本体部21Aと、突起部22と、遮断部23と、密封部24と、を備える。ベース本体部21Aは、上記実施の形態のベース本体部21と同様のダイキャストであるが、板状部4取り付け用の通し穴h2を有しない構成である。
【0053】
カバー部3Aは、上記実施の形態のカバー部3と同様であるが、板状部4A固定用のボス32bを有しない構成である。
【0054】
図5及び
図6に示すように、板状部4Aは、板本体部41Aと、穴部42Aと、固定部43と、を備える。板本体部41Aは、上記実施の形態の板本体部41と同様の鋼板であるが、通し穴h3,h4を有しない構成である。穴部42Aは、ベース部2Aを露出させる穴部である。
【0055】
固定部43は、板本体部41Aの裏面(カバー部3側の面)に設けられ、ベース部2Aのベース本体部21Aと、カバー部3Aのボス32aとに挟まれて固定される固定部である。固定部43には、ボス32aと、ベース本体部21Aの通し穴h1と、に対応する位置に通し穴h5があけられている。
【0056】
雄螺子が、通し穴h1,h5を通してボス32aの雌螺子に螺合されることにより、板状部4Aは、ベース部2A及びカバー部3Aに取り付けられて固定される。
【0057】
以上、本変形例によれば、上記実施形の態と同様に、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないダミーアンテナ装置1Aの構造を簡単にできるとともに、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することを確実に防ぐことができる。
【0058】
また、板状部4Aは、ベース部2A及びカバー部3Aに挟まれて固定される固定部43を備える。このため、板状部4Aをベース部2A及びカバー部3Aに確実に取り付けて固定できる。
【0059】
(第2の変形例)
図7及び
図8を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。
図7(a)に、本変形例のガスケット5B取り付け前のダミーアンテナ装置1Bの斜視構成を示す。
図7(b)に、ガスケット5B取り付け後のダミーアンテナ装置1Bの斜視構成を示す。
図8に、本変形例のカバー部3B及びガスケット5Bの断面構成を示す。
【0060】
図7(a)、
図7(b)に示すように、本変形例のダミーアンテナ装置1Bは、上記実施の形態のダミーアンテナ装置1のカバー部3及びガスケット5を、カバー部3B及びガスケット5Bに代えた構成を有する。このため、ダミーアンテナ装置1Bにおいて、ダミーアンテナ装置1と同じ部分に同じ符号を付してその説明を省略し、ダミーアンテナ装置1と異なる部分を主として説明する。
【0061】
ダミーアンテナ装置1Bにおいて、カバー部3Bは、カバー本体部31Bと、ボス32a,32bと、接続部33と、を備える。カバー本体部31Bは、上記実施の形態のカバー本体部31と同様の構成である。接続部33は、カバー部
3Bの開口面の外周部分に設けられ、ガスケット5Bの接続部56に嵌合して接続する凸部である。
【0062】
ガスケット5Bは、平面部51と、凸部52と、穴部53,54と、接続部56と、を備える。接続部56は、平面部51の外周部分に設けられ、カバー部3Bの接続部33が嵌合されてカバー部3B(接続部33)に接続する凹部である。
【0063】
ここで、ダミーアンテナ装置1Bへのガスケット5Bの取り付けを説明する。先ず、
図7(a)に示すように、ダミーアンテナ装置1Bは、ベース部2にカバー部3B及び板状部4が取り付けられた、ガスケット5B取り付け前の状態とする。そして、
図7(b)及び
図8に示すように、ガスケット5B取り付け前のダミーアンテナ装置1Bにおいて、ガスケット5Bの接続部56に、カバー部3Bの接続部33が嵌合されることにより、ダミーアンテナ装置1B(カバー部3B)にガスケット5Bが取り付けられる。
【0064】
このように、本変形例では、ガスケット5Bがカバー部3Bに取り付けられるため、板状部4が必須の構成ではない。
【0065】
以上、本変形例によれば、上記実施の形態と同様に、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないダミーアンテナ装置1Bの構造を簡単にできるとともに、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することを確実に防ぐことができる。
【0066】
また、ダミーアンテナ装置1Bは、カバー部3Bと、ガスケット5Bと、を備える。カバー部3Bは、接続部33を備える。ガスケット5Bは、凸部52と、カバー部3Bの接続部33に接続する接続部56と、を備える。このため、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することをさらに確実に防ぐことができるとともに、板状部4がなくても、ガスケット5Bをカバー部3Bに確実に接続できる。
【0067】
(第3の変形例)
図9〜
図11を参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。
図9に、本変形例のガスケット5C取り付け前のダミーアンテナ装置1Cの斜視構成を示す。
図10に、ガスケット5C取り付け後のダミーアンテナ装置1Cの斜視構成を示す。
図11に、本変形例のカバー部3C及びガスケット5Cの断面構成を示す。
【0068】
図9及び
図10に示すように、本変形例のダミーアンテナ装置1Cは、上記実施の形態のダミーアンテナ装置1のベース部2、カバー部3及びガスケット5を、ベース部2A(第1の変形例)、カバー部3C及びガスケット5Cに代え、板状部4を備えない構成を有する。このため、ダミーアンテナ装置1Cにおいて、ダミーアンテナ装置1,1Aと同じ部分に同じ符号を付してその説明を省略し、ダミーアンテナ装置1,1Aと異なる部分を主として説明する。
【0069】
ダミーアンテナ装置1Cにおいて、カバー部3Cは、カバー本体部31と、ボス32aと、リブ34と、を備える。リブ34は、カバー本体部31の内部空間に設けられる板状の突起部である。リブ34は、カバー本体部31を内側から補強し、カバー本体部31が破損しにくくなっている。
【0070】
図10及び
図11に示すように、ガスケット5Cは、平面部51と、凸部52と、穴部53,54と、接続部57と、を備える。接続部57は、リブ34に対応する位置に設けられ、リブ34が嵌合されてカバー部3C(リブ34)に接続する凹部である。
【0071】
図10に示すように、穴部54のスペースに対応し、機銘版ラベルをリブ34に取り付けることができる。例えば、リブ34に嵌合するための接続部57と同様の凹部を機銘版ラベルの裏面に設けることで、この機銘版ラベルをカバー部3C(リブ34)に取り付けることができる。
【0072】
このように、本変形例では、ガスケット5Cは、カバー部3Cに取り付けられるため、板状部4が必須の構成ではないため、ダミーアンテナ装置1Cは、板状部を備えてない。しかし、ダミーアンテナ装置1Cが、板状部を備える構成としてもよい。
【0073】
以上、本変形例によれば、上記実施の形態と同様に、アンテナ本体及びアンテナ基板を有しないダミーアンテナ装置1Cの構造を簡単にできるとともに、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することを確実に防ぐことができる。
【0074】
また、ダミーアンテナ装置1Cは、ガスケット5Cを備える。ガスケット5は、凸部52と、カバー部3Cのリブ34に接続する接続部57と、を備える。このため、固定用開口Hから自動車内に水、塵等が浸入することをさらに確実に防ぐことができるとともに、板状部4がなくても、ガスケット5Cをカバー部3Cに確実に接続できる。
【0075】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るダミーアンテナ装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0076】
例えば、上記実施の形態及び変形例において、ダミーアンテナ装置は、板状部を備えず、ベース部が板状部に相当する部分を一体的に有する構成(例えば、
図12のベース部2Dにおいて、遮断部23を有する構成)としてもよい。
【0077】
その他、上記実施の形態におけるダミーアンテナ装置の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。