(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5703987
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】粒子計測装置
(51)【国際特許分類】
G01N 15/02 20060101AFI20150402BHJP
G01N 15/06 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
G01N15/02 F
G01N15/06 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-134208(P2011-134208)
(22)【出願日】2011年6月16日
(65)【公開番号】特開2013-2947(P2013-2947A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150441
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和裕
(72)【発明者】
【氏名】田原 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴之
【審査官】
東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−301689(JP,A)
【文献】
特開平04−127033(JP,A)
【文献】
特開2002−131214(JP,A)
【文献】
特開2002−141587(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0204718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00−15/14
G01N 21/00−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象空間から導入した流体を、予め設定された所定の粒子径を基準に微小粒子を含む微小粒子含有流体と粗大粒子を含む粗大粒子含有流体とに分別する粒子分級手段と、
前記微小粒子含有流体をレーザ共振器内部に設けられた第1の検出領域に流すと共に、
前記レーザ共振器内の光を微小粒子検出用の測定光として照射し、前記微小粒子含有流体中に含まれる微小粒子での散乱光を受光して検出信号を出力する微小粒子検出手段と、
前記粗大粒子含有流体を前記レーザ共振器の外部に設けられた第2の検出領域に流すと共に、前記レーザ共振器の出力側から外部へ出射されるレーザ光を粗大粒子検出用の測定光として照射し、前記粗大粒子含有流体中に含まれる粗大粒子での散乱光を受光して検出信号を出力する粗大粒子検出手段と、
前記微小粒子検出手段から出力される検出信号と前記粗大粒子検出手段から出力される検出信号とに基づいて測定結果を出力する演算処理手段と、
を備えることを特徴とする粒子計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粒子計測装置において、
前記微小粒子検出手段は、レーザ励起光源と、前記レーザ励起光源により励起されるレーザ結晶と、前記レーザ結晶の両側に配置されて該レーザ結晶と協働してレーザ共振器を構成するミラー部と、前記微小粒子検出用の測定光の光軸と交叉するように配置され、前記微小粒子での側方散乱光を受光する微小粒子検出用受光素子とを備え、
前記粗大粒子検出手段は、前記粗大粒子検出用の測定光の光軸と交叉するように配置され、前記粗大粒子での側方散乱光を受光する粗大粒子検出用受光素子を備え、
前記微小粒子検出手段と前記粗大粒子検出手段を、各測定光の光軸が一致するように並設してなる、ことを特徴とする粒子計測装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の粒子計測装置において、
前記微小粒子含有流体を前記微小粒子検出手段の内部に導入し外部へ排出する第1の吸引手段と、前記粗大粒子含有流体を粗大粒子検出手段の内部に導入し外部へ排出する第2の吸引手段とを備える、ことを特徴とする粒子計測装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の粒子計測装置において、前記粒子分級手段はバーチャルインパクタである、ことを特徴とする粒子計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームや真空処理装置などの粉塵の発生状況を管理する必要のある空間における浮遊粒子の数量と大きさ(粒径)を計測するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粒子計測装置は、気体等の流体を当該計測装置の内部に吸引して外部に排気すると共に、内部を通流する流体に光源から出射されたレーザ光を照射し、この照射時に流体中に含まれる粒子での散乱光を受光素子で受光するように構成されている。そして、その散乱光に応じて受光素子から出力される電気信号に基づいて粒子の数量と大きさを演算(波高分析処理)によって求めている。
近年、半導体の微細化加工の進展に伴い、測定対象粒子サイズも小さくなり、高感度検出が可能な粒子計測装置が望まれるようになっている。散乱光検出方式の装置において高感度化を図るには、測定用のレーザ光の高出力化が必要である。
そこで、レーザ共振器の内部に粒子検出領域を設け、共振器内部の高い光パワー密度を有する光を用いて高感度検出を行う方法が採られるようになっている。
【0003】
このような高感度な粒子計測装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
この粒子計測装置は、
図4に示すように、光ポンプ源(レーザ励起光源)1、焦点装置(集光レンズ)2、平面ミラー3aとレーザ媒体4と凹面ミラー3bとで組んだ共振器を収容するレーザキャビティ(レーザ共振器)5、検出領域6、集光レンズ7、検出器8、及び信号プロセッサ9などから構成されている。
レーザキャビティ5内に配置されたレーザ媒体4は、レーザ励起光源1により端面励起されて、レーザキャビティ5内に光を供給する。レーザキャビティ5内に設けられた検出領域6に粒子源から粒子を含む流体を導入すると、流体は高い光パワー密度を有する光にさらされる。この流体に粒子が含まれる場合には、粒子での散乱光が発生するので、その散乱光を集光レンズ7で集光し検出器8で検出した後、信号プロセッサ9にて演算処理を行うことにより、0.05μm〜10μmといった微小粒子の数及び大きさを検知することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−2856号公報(段落〔0029〕、
図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、レーザキャビティ(レーザ共振器)の内部に被測定対象流体を導入する構成とすれば、高感度な粒子計測装置を実現することが可能である。
しかしながら、一般に、被測定対象流体には、0.1μmといった粒径の微小粒子以外にも、10μm以上の粗大粒子が含まれることが多い。これら粗大粒子を含む被測定対象流体をレーザキャビティ5の内部に導入すると、レーザキャビティ内部が短期間で汚染されてしまう。
【0006】
共振器の構成要素であるミラー3a,3bには、高い反射率が求められるが、粗大粒子がミラー部分に付着することによってミラー反射率が低下し、レーザキャビティ5内部の光量が低下する。これにより装置の粒子検出感度の低下を招くといった問題が発生する。ミラー3a,3bの汚れを除去するためには、レーザキャビティ5内部の洗浄のための定期的なメンテナンス作業が必要であるが、費用がかかるだけでなく、メンテナンス期間中はデータの取得ができないといった不都合が発生する。
【0007】
なお、このようなミラー部分の汚れに起因する感度低下を防ぐためには、被測定対象流体(気流)の導入方法としてシースフロー方式を採用したり、又は、パージエアを常時流すといった対策も考えられるが、装置が複雑化し高価になってしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、微小粒子から粗大粒子まで広範囲に渡って高感度な粒子計測を行うことができ、しかも、メンテナンスフリーで信頼性の高い粒子計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、被測定対象空間から導入した流体を、予め設定された所定の粒子径を基準に微小粒子を含む微小粒子含有流体と粗大粒子を含む粗大粒子含有流体とに分別する粒子分級手段と、
前記微小粒子含有流体をレーザ共振器内部に設けられた第1の検出領域に流すと共に、
前記レーザ共振器内の光を微小粒子検出用の測定光として照射し、前記微小粒子含有流体中に含まれる微小粒子での散乱光を受光して検出信号を出力する微小粒子検出手段と、
前記粗大粒子含有流体を前記レーザ共振器の外部に設けられた第2の検出領域に流すと共に、前記レーザ共振器の出力側から外部へ出射されるレーザ光を粗大粒子検出用の測定光として照射し、前記粗大粒子含有流体中に含まれる粗大粒子での散乱光を受光して検出信号を出力する粗大粒子検出手段と、
前記微小粒子検出手段から出力される検出信号と前記粗大粒子検出手段から出力される検出信号とに基づいて測定結果を出力する演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粒子計測装置において、
前記微小粒子検出手段は、レーザ励起光源と、前記レーザ励起光源により励起されるレーザ結晶と、前記レーザ結晶の両側に配置されて該レーザ結晶と協働してレーザ共振器を構成するミラー部と、前記微小粒子検出用の測定光の光軸と交叉するように配置され、前記微小粒子での側方散乱光を受光する微小粒子検出用受光素子とを備え、
前記粗大粒子検出手段は、前記粗大粒子検出用の測定光の光軸と交叉するように配置され、前記粗大粒子での側方散乱光を受光する粗大粒子検出用受光素子を備え、
前記微小粒子検出手段と前記粗大粒子検出手段を、各測定光の光軸が一致するように並設してなる、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の粒子計測装置において、
前記微小粒子含有流体を前記微小粒子検出手段の内部に導入し外部へ排出するための第1の吸引手段と、前記粗大粒子含有流体を粗大粒子検出手段の内部に導入し外部へ排出するための第2の吸引手段とを備える、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の粒子測定装置において、前記粒子分級手段はバーチャルインパクタである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出手段の前段に粒子分級手段を設け、被測定対象流体を微小粒子含有流体と粗大粒子含有流体とに分別し、微小粒子含有流体をレーザ共振器内部の第1の検出領域に導入して高い光パワー密度を有する測定光を用い微小粒子の検出を行う一方、粗大粒子含有流体についてはレーザ共振器外部の第2の検出領域に導入して共振器から外部に出射されるレーザ光を測定光として用い粗大粒子の検出を行うようにしているので、微小粒子から粗大粒子まで高感度で計測を行うことができる。
【0014】
また、レーザ共振器を構成するミラー部が粗大粒子で汚損されてしまうことがないので、測定光の光パワー密度が低下することもなく、メンテナンス作業を必要とせずに長期間に渡って信頼性の高い計測が可能になる。更に、単一の光源をもって微小粒子検出用の測定光と粗大粒子検出用の測定光を照射する構成としているので、安価な装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る粒子計測装置の構成を示す図である。
【
図2】
図1の粒子計測装置における微小粒子検出手段及び粗大粒子検出手段の詳細を示す図である。
【
図3】
図1の粒子計測装置における粒子分級手段の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る粒子計測装置の構成を示す図であり、
図2は
図1の粒子計測装置をA矢印方向からみた検出手段部分の詳細を示す図である。
図1に示す装置は、一般的にクリーンルームと呼ばれる清浄度を管理された空間内の粒子数および粒子径を計測する粒子計測装置100であって、装置筐体10内に、粒子分級手段20、微小粒子検出手段40、粗大粒子検手段50、第1の吸引手段60、および第2の吸引手段70を収納している。
粒子計測装置100は、筐体10の側壁に設けた孔11を貫通する配管12を介して、被測定対象空間から測定対象流体を吸引するようにして粒子分級手段20へ導入する。粒子分級手段20は、被測定対象空間から導入した流体を、予め設定された所定の粒子径を基準に微小粒子を含む微小粒子含有流体と粗大粒子を含む粗大粒子含有流体とに分別する機能をもつ。
【0017】
ここで、
図3に沿って粒子分級手段20の構造および動作を説明する。
粒子分級手段20は、筒体21の一方の壁面を貫通するように設けられた噴出ノズル22と、この噴出ノズル22に対向する位置に配置された対向ノズル23と、筒体21の周壁面から突出する排気管24から構成され、後述するポンプ等の吸引手段と協働し、測定対象流体(気体)をその内部に吸引し、分級して外部へ排出するものである。
【0018】
噴出ノズル22の入口22aは
図1の配管12に接続され、対向ノズル23の出口23bは
図1の配管14に接続され、排気管24の出口24bは
図1の配管13に接続されている。
【0019】
また、微粒子検出手段40は下流側の配管15を介して第1の吸引手段60と接続され、粗大粒子検出手段50は下流側の配管16を介して第2の吸引手段70と接続されている。
【0020】
ここで、第1の吸引手段60および第2の吸引手段70が吸引動作を開始すると、配管12の吸引口から測定対象流体が粒子分級手段20に導入される。このとき、
図3に示す気流Aの流速よりも気流Bの流速が小さくなるように、第1の吸引手段60および第2の吸引手段70による流体の吸引動作を制御する。
【0021】
これによって、吸引される流体中に含まれる大きな粒子(粗大粒子)は吸引時の気流の流れで加速され、慣性の法則にしたがって直進し気流Bの方向に流れて対向ノズル23の中に入る。一方、小さな粒子(微小粒子)は噴出ノズル22の出口22b付近の気流の流れに沿って流れるため、その大部分が気流Aの方向に流れる。この粒子の慣性を利用した分級方法は一般的にバーチャルインパクタと呼ばれ、目的とする粒子径で分級するためには、吸引する流量などをパラメータとする関数(数式1)に基づいてノズル径を求める必要がある。
【0022】
この数式1は一般式として知られている。
【0024】
ここで、D
0は噴出ノズル22のノズル径、d
80は対向ノズル23で80%捕集可能な粒子径、Ccはすべり補正計数、ρ
ρは測定対象粒子の密度、Q
0は粗大粒子用の第2の吸引手段70による流量、ηは気体の粘性係数、Stk
80はストークス数(粒子径d
80の粒子を80%捕集するときのストークス数、経験値により0.25と設定している)である。
例えば、1.0μm以上の粒子を粗大粒子、1.0μm未満の粒子を微小粒子と仮定して、第2の吸引手段70による吸引流量を2.83L/minとし、(数式1)を用いてノズル径を演算によって求めると、おおよそノズル径は0.6mmとなる。
【0025】
このようにノズル径および吸引流量が設定された粒子分級手段20によれば、噴出ノズル22の出口22bにおいて、噴出ノズル22の入口22aから吸引された粒子のうち、粒子径1.0μm以上の粗大粒子(1.0μmの粒子は80%)が気流Bに沿って流れ、1.0μm未満の微小粒子は気流Aに沿って流れることになるので、1.0μmを基準(しきい値)として粒子の分級を行うことが出来る。
【0026】
そして、排気管24の出口24bから排気された微小粒子を含む微小粒子含有流体は配管13を介して微小粒子検出手段40へ導かれ、対向ノズル23の出口23bから排気された粗大粒子含有流体は配管14を介して粗大粒子検出手段50へと導かれる。
【0027】
次に、粒子計測装置100の測定動作について、微小粒子検出手段40及び粗大粒子検出手段50の詳細と併せて説明する。
まず、レーザキャビティ30に設けられた微粒子検出手段40について説明する。
図2に示すように、レーザ励起光源41からの出射光は集光レンズ42で集光され、レーザ結晶43に照射される。レーザ結晶43は例えばNd:YVO
4といった結晶であって微粒子検出用の測定光46を励起する。測定光46はレーザ結晶43と対向する位置に配置された反射率が97.0%から99.9%となっている高反射率ミラー45で反射され、再度、レーザ結晶43に戻る。
レーザ結晶43の端面44には、この測定光46の光波長に対して高反射となるように誘電体多層膜からなるミラー膜が設けられており、測定光46は反射されて再度高反射率ミラー45に向かう。この光の多重反射の工程によってレーザ結晶43と高反射率ミラー45間は光学的共振器となる。
このレーザキャビティ30内の測定光46は非常に高い光パワー密度を有しており、例えば励起光源41の出力を数Wとした場合、測定光46の光パワーは100W以上となっている。
【0028】
上述の粒子分級手段20によって分別された微小粒子を含む微小粒子含有流体は、測定光46の光軸上に設けられた第1の検出領域47に導入され、レーザキャビティ30内で測定光46が照射される。このとき、微小粒子含有流体中に含まれる微小粒子によって光散乱が発生する。この微小粒子での散乱光(側方散乱光)は、測定光46の光軸と交叉するように配置された集光レンズ48で受光素子49上に集光され、受光素子49で受光される。演算処理手段80は、受光素子49から出力される信号を増幅した後、微小粒子含有流体中に含まれる微粒子の大きさと数を演算する。
次に、粗大粒子検出手段50について説明する。
【0029】
粗大粒子検出手段50は微小粒子検出手段40と並設されており、レーザ共振器を構成する出力側の高反射率ミラー45から外部へ出射されるレーザ光(漏れ光)を粗大粒子検出用の測定光52として用いるものである。
【0030】
高反射率ミラー45から出射される粗大粒子検出用の測定光52の強度は数10mWであり、レーザキャビティ30内の微小粒子検出用の測定光46の強度に比べれば小さいが、粗大粒子を検出するには十分な光量がある。
【0031】
上述の粒子分級手段20によって分別された粗大粒子を含む粗大粒子含有流体は、測定光52の光軸上に設けられた第2の検出領域51に導入され、粗大粒子検出用の測定光52が照射される。このとき、粗大粒子含有流体中に含まれる粗大粒子によって光散乱が発生する。この粗大粒子での散乱光(側方散乱光)は、測定光52の光軸と交叉するように配置された集光レンズ53で受光素子54上に集光され、受光素子54で受光される。演算処理手段80は、受光素子54から出力される信号を増幅した後、粗大粒子含有流体中に含まれる粗大粒子の大きさと数を演算する。
【0032】
このような粒子計測装置100によれば、前段に粒子分級手段20を設け、被測定対象流体を微小粒子含有流体と粗大粒子含有流体とに分別し、微小粒子含有流体をレーザ共振器内部の第1の検出領域47に導入して高い光パワー密度を有する測定光46を用い微小粒子の検出を行う一方、粗大粒子含有流体についてはレーザ共振器外部の第2の検出領域52に導入して共振器から外部に出射されるレーザ光を測定光52として用い粗大粒子の検出を行うようにしているので、微小粒子から粗大粒子まで高感度で計測を行うことができる。
【0033】
また、レーザキャビティ30内のレーザ共振器を構成するミラー部分が粗大粒子で汚損されてしまうことがないので、微小粒子検出用の測定光46及び粗大粒子検出用の測定光52の光パワー密度が低下することもなく、メンテナンス作業を必要とせずに長期間に渡って信頼性の高い計測が可能になる。
【符号の説明】
【0034】
20:粒子分級手段、30:レーザキャビティ、40:微小粒子検出手段、46:微小粒子検出用の測定光、47:第1の検出領域、50:粗大粒子検出手段、51:第2の検出領域、52:粗大粒子検出用の測定光、60:第1の吸引手段、70:第2の吸引手段、80:演算処理手段、100:粒子計測装置。