【実施例】
【0035】
以下実施例により本発明を説明する。
【0036】
実施例中の光学純度は以下に示す方法で測定した。
【0037】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析条件
カラム:SUMICHIRAL OA−6000 4.6mmφ×250mm,5μm(住化分析センター)
移動相:2mM硫酸銅(II)水溶液/アセトニトリル=90/10(v/v)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:UV(254nm)
保持時間:5.4分((R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸)
7.9分((S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸)。
【0038】
実施例1
(晶析精製工程)
温度計、コンデンサー及び撹拌機の付いた2L四つ口フラスコに、(R)−および(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の混合物200g(1.72モル,96.2%e.e.(R))、2−プロパノール700gを加え、65℃まで昇温した。60〜70℃でベンジルアミン203g(1.90モル)を滴下し、完溶後、65℃まで降温してから種晶を添加し、同温度付近で1時間熟成した。その後、20℃まで緩やかに冷却し、同温度付近で1時間熟成してから析出結晶をろ過し、減圧乾燥後、(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩337.2gを得た。その塩の光学純度は、99.5%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、89.6%であった。
1H−NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm: 7.43−7.27(m,5H),4.02(m,1H),3.89(s,2H),3.75(m,1H),3.64(m,1H),1.98(m,1H),1.73(m,3H)
13C−NMR(DMSO−d
6,400MHz)δppm:176.4,137.1,128.4,127.7,78.3,67.5,42.9,30.0,25.0
m.p.:134−135℃。
【0039】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩の水溶解液に、苛性ソーダ水、トルエンを加え、ベンジルアミンをトルエン層側に抽出除去した。ベンジルアミンが除去されたことを確認した後、水層に濃硫酸を滴下してフリー化し、目的物をメチルエチルケトンで抽出した。最後に濃縮、蒸留を実施して、光学純度:99.5%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0042】
実施例
2
(晶析精製工程)
温度計、コンデンサー及び撹拌機の付いた2L四つ口フラスコに、(R)−および(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の混合物200g(1.72モル,94.5%e.e.(R))、エタノール700gを加え、65℃まで昇温した。60〜70℃でベンジルアミン203g(1.90モル)を滴下し、完溶後、45℃まで降温してから種晶を添加し、同温度付近で1時間熟成した。その後、20℃まで緩やかに冷却し、同温度付近で1時間熟成してから析出結晶をろ過し、減圧乾燥後、(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩231.2gを得た。その塩の光学純度は、99.3%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、61.9%であった。
【0043】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:99.3%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0044】
実施例
3
(晶析精製工程)
温度計、コンデンサー及び撹拌機の付いた2L四つ口フラスコに、(R)−および(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の混合物200g(1.72モル,94.5%e.e.(R))、1−プロパノール700gを加え、65℃まで昇温した。60〜70℃でベンジルアミン203g(1.90モル)を滴下し、完溶後、41℃まで降温してから種晶を添加し、同温度付近で1時間熟成した。その後、17℃まで緩やかに冷却し、同温度付近で1時間熟成してから析出結晶をろ過し、減圧乾燥後、(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩209.6gを得た。その塩の光学純度は、99.5%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、56.1%であった。
【0045】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:99.5%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0046】
実施例
4
(晶析精製工程)
温度計、コンデンサー及び撹拌機の付いた2L四つ口フラスコに、(R)−および(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の混合物200g(1.72モル,94.5%e.e.(R))、1−ブタノール700gを加え、65℃まで昇温した。60〜70℃でベンジルアミン203g(1.90モル)を滴下し、完溶後、55℃まで降温してから種晶を添加し、同温度付近で1時間熟成した。その後、18℃まで緩やかに冷却し、同温度付近で1時間熟成してから析出結晶をろ過し、減圧乾燥後、(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩253.5gを得た。その塩の光学純度は、99.5%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、67.9%であった。
【0047】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:99.5%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0048】
実施例
5
(晶析精製工程)
温度計、コンデンサー及び撹拌機の付いた2L四つ口フラスコに、(R)−および(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の混合物200g(1.72モル,94.5%e.e.(R))、97重量%の2−プロパノールと3重量%の水を混合した溶媒700gを加え、65℃まで昇温した。60〜70℃でベンジルアミン203g(1.90モル)を滴下し、完溶後、65℃まで降温してから種晶を添加し、同温度付近で1時間熟成した。その後、20℃まで緩やかに冷却し、同温度付近で1時間熟成してから析出結晶をろ過し、減圧乾燥後、(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩292.3gを得た。その塩の光学純度は、99.7%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、78.3%であった。
【0049】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:99.7%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0050】
比較例1
(晶析精製工程)
実施例1の晶析精製工程において、溶媒を、98重量%の2−プロパノールと2重量%の水を混合した溶媒に、光学精製剤を苛性ソーダに変えた以外は実施例1と同様に操作をおこなった。得られた塩296.5gの光学純度は、94.0%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、77.3%であった。
【0051】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・
ナトリウム塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:94.0%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0052】
比較例2
実施例1の晶析精製工程において、光学精製剤をN,N−ジメチルベンジルアミンに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。20℃まで冷却後も結晶化せず、塩は得られなかった。
【0053】
比較例3
実施例1の晶析精製工程において、光学精製剤をN,N−ジメチルアニリンに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。20℃まで冷却後も結晶化せず、塩は得られなかった。
【0054】
比較例4
実施例1の晶析精製工程において、光学精製剤をアニリンに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。20℃まで冷却後も結晶化せず、塩は得られなかった。
【0055】
比較例5
実施例1の晶析精製工程において、溶媒をメタノールに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。5℃まで冷却後も結晶化せず、塩は得られなかった。
【0056】
比較例6
(晶析精製工程)
実施例1の晶析精製工程において、溶媒をメチルエチルケトンに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。得られた塩281.2gの光学純度は、93.3%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、73.0%であった。
【0057】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:93.3%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0058】
比較例7
(晶析精製工程)
実施例1の晶析精製工程において、溶媒をテトラヒドロフランに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。得られた塩368.8gの光学純度は、95.2%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、96.7%であった。
【0059】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:95.2%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。
【0060】
比較例8
(晶析精製工程)
実施例1の晶析精製工程において、溶媒をアセトンに変えた以外は実施例1と同様の操作をおこなった。得られた塩382.2gの光学純度は、94.5%e.e.であり、仕込みテトラヒドロフラン−2−カルボン酸のR体に対する取得塩中のR体収率は、99.9%であった。
【0061】
(回収工程)
晶析精製工程で得た(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸・ベンジルアミン塩を用いて実施例1の回収工程と同様の操作をおこない、光学純度:94.5%e.e.の(R)−テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を得た。