特許第5704266号(P5704266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5704266ゲームサーバ装置およびゲームサーバプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5704266
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】ゲームサーバ装置およびゲームサーバプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20150402BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20150402BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20150402BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20150402BHJP
【FI】
   A63F13/795
   A63F13/798
   A63F13/35
   A63F13/46
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-17208(P2014-17208)
(22)【出願日】2014年1月31日
【審査請求日】2014年7月31日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年11月28日にhttps://itunes.apple.com/jp/app及びhttps://play.google.com/store/appsにて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】今井 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】八田 規穂
(72)【発明者】
【氏名】郷 将大
【審査官】 松下 公一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−200137(JP,A)
【文献】 特開2008−188168(JP,A)
【文献】 特開2006−279814(JP,A)
【文献】 特開2009−034318(JP,A)
【文献】 特開2007−054529(JP,A)
【文献】 特開2013−165906(JP,A)
【文献】 特開2006−254979(JP,A)
【文献】 特開2013−233352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − A63F 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象プレイヤからゲームの開始画面要求を受け付けた場合、前記対象プレイヤについて前記ゲームと同じタイプのゲームについての参考成績をゲームサーバ装置内の管理データ保持部に保持しているか否か判断する初回判断手段と、
参考成績を前記管理データ保持部に保持していない場合、前記対象プレイヤに対して仮想プレイヤを対戦相手としたイベントゲーム開始画面を表示し、前記対象プレイヤによる操作に応じてイベントゲームの進行を制御し、当該イベントゲームの終了時に当該イベントゲームの成績を参考成績として前記管理データ保持部に保存する参考成績取得手段と、
参考成績を前記管理データ保持部に保持している場合、前記参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数の第1群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出するとともに、抽出された前記第1群のプレイヤの前記管理データ保持部に保持された属性情報に基づいて第2の所定数の第2群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出し、前記第1群のプレイヤおよび前記第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤとして選択可能に表示したゲーム開始画面を前記対象プレイヤに表示する対戦相手候補提示手段と
を備え
前記対戦相手候補提示手段は、前記第1群のプレイヤのうち前記管理データ保持部に保持された各プレイヤについての熟練度を示すランクが最も高いプレイヤの当該ランクを基準に、近傍のランクについて高いランクのプレイヤを高い確率で前記第2群のプレイヤとして抽出する
とを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームサーバ装置において、
前記対戦相手候補提示手段は、前記対戦相手候補のプレイヤにつき、当該プレイヤの最新の前記参考成績を伏せて前記対象プレイヤに提示する
ことを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のゲームサーバ装置において、
前記対戦相手候補提示手段は、前記対象プレイヤの連勝数および連敗数に応じ、連勝数が多い場合は前記対象プレイヤの参考成績を基準として参考成績が高いプレイヤを参考成績が低いプレイヤに比して高い確率で前記第1群のプレイヤとして抽出し、連敗数が多い場合は前記対象プレイヤの参考成績を基準として参考成績が低いプレイヤを参考成績が高いプレイヤに比して高い確率で前記第1群のプレイヤとして抽出する
ことを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲームサーバ装置において、
前記参考成績取得手段は、前記仮想プレイヤの前記イベントゲームにおける成績を示すスコアを調整することで前記対象プレイヤを敗者としない
ことを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項5】
ゲームサーバ装置を構成するコンピュータを、
対象プレイヤからゲームの開始画面要求を受け付けた場合、前記対象プレイヤについて前記ゲームと同じタイプのゲームについての参考成績をゲームサーバ装置内の管理データ保持部に保持しているか否か判断する初回判断手段、
参考成績を前記管理データ保持部に保持していない場合、前記対象プレイヤに対して仮想プレイヤを対戦相手としたイベントゲーム開始画面を表示し、前記対象プレイヤによる操作に応じてイベントゲームの進行を制御し、当該イベントゲームの終了時に当該イベントゲームの成績を参考成績として前記管理データ保持部に保存する参考成績取得手段、
参考成績を前記管理データ保持部に保持している場合、前記参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数の第1群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出するとともに、抽出された前記第1群のプレイヤの前記管理データ保持部に保持された属性情報に基づいて第2の所定数の第2群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出し、前記第1群のプレイヤおよび前記第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤとして選択可能に表示したゲーム開始画面を前記対象プレイヤに表示する対戦相手候補提示手段
として機能させ
前記対戦相手候補提示手段は、前記第1群のプレイヤのうち前記管理データ保持部に保持された各プレイヤについての熟練度を示すランクが最も高いプレイヤの当該ランクを基準に、近傍のランクについて高いランクのプレイヤを高い確率で前記第2群のプレイヤとして抽出する
ことを特徴とするゲームサーバプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用したゲームの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームと呼ばれる、ネットワークを介して他のプレイヤと情報(データ)を送受信することで互いに競い合う(対戦する)ゲームが知られており、その中には、対戦相手とスコアを競い合うものがある。
【0003】
対戦相手を決定するに当たり、オンラインゲームに参加している多数の全てのプレイヤの中から対戦相手を選択させるのは効率的でないため、一般的にはシステム側から対戦相手の候補を数名提示し、その中からプレイヤに対戦相手を選択させることが多い。
【0004】
また、スキルが違い過ぎるプレイヤ同士の対戦は面白みに欠けるため、拮抗した対戦となるよう、各プレイヤの過去のスコアに基づいて対戦相手の候補を抽出する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−190203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、各プレイヤの過去のスコアに基づいて対戦相手の候補を抽出する手法が提案されているが、メインとなるゲームの合間にイベント的に開催されるゲームにあっては、イベント的に開催されるゲームで要求されるプレイヤのスキルがメインとなるゲームとは異なり、参考となる過去のスコアが存在しないことが多い。
【0007】
そのため、ゲームのタイプに応じ、そのタイプのゲームの初回にあっては、プレイヤのスキルを判断するために、実在のプレイヤではなく、システム側の用意したNPC(Non Player Character)等の仮想プレイヤと対戦させ、そのスコアに基づいて、次回からの対戦相手を実在のプレイヤから抽出することが考えられる。
【0008】
しかしながら、このようなゲームの仕組を知るユーザによっては、できるだけ弱いプレイヤが対戦相手の候補として抽出されるよう(その結果、ポイントや報酬の獲得が増える)、仮想プレイヤとの対戦をわざと低いスコアで終わらせようとする行為が予想される。例えば、ミッションをクリアするまでの時間を競うタイプのゲームである場合、必要以上に時間をかけてミッションをクリアするようなことが考えられる。
【0009】
このような意図的にゲームの結果を操作できるような状態としておくことは、真剣にゲームを楽しもうとするプレイヤの反感を買うことになり、ゲームサービスの普及を阻害することになる。
【0010】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、プレイヤが意図的に対戦相手を弱いプレイヤに誘導することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、対象プレイヤからゲームの開始画面要求を受け付けた場合、前記対象プレイヤについて前記ゲームと同じタイプのゲームについての参考成績をゲームサーバ装置内の管理データ保持部に保持しているか否か判断する初回判断手段と、参考成績を前記管理データ保持部に保持していない場合、前記対象プレイヤに対して仮想プレイヤを対戦相手としたイベントゲーム開始画面を表示し、前記対象プレイヤによる操作に応じてイベントゲームの進行を制御し、当該イベントゲームの終了時に当該イベントゲームの成績を参考成績として前記管理データ保持部に保存する参考成績取得手段と、参考成績を前記管理データ保持部に保持している場合、前記参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数の第1群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出するとともに、抽出された前記第1群のプレイヤの前記管理データ保持部に保持された属性情報に基づいて第2の所定数の第2群のプレイヤを前記管理データ保持部に保持されたプレイヤ情報から抽出し、前記第1群のプレイヤおよび前記第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤとして選択可能に表示したゲーム開始画面を前記対象プレイヤに表示する対戦相手候補提示手段とを備え、前記対戦相手候補提示手段は、前記第1群のプレイヤのうち前記管理データ保持部に保持された各プレイヤについての熟練度を示すランクが最も高いプレイヤの当該ランクを基準に、近傍のランクについて高いランクのプレイヤを高い確率で前記第2群のプレイヤとして抽出するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明にあっては、プレイヤが意図的に対戦相手を弱いプレイヤに誘導することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
図2】プレイヤ端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】ゲームサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】プレイヤデータおよびグループデータのデータ構造例を示す図である。
図5】スコア調整テーブルのデータ構造例を示す図である。
図6】第1リストアップテーブルのデータ構造例を示す図である。
図7】第2リストアップテーブルのデータ構造例を示す図である。
図8】実施形態の処理例を示すシーケンス図である。
図9】画面例を示す図(その1)である。
図10】画面例を示す図(その2)である。
図11】画面例を示す図(その3)である。
図12】画面例を示す図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0015】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【0016】
図1において、システムは、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)等の複数のプレイヤ端末2(2A、2B、・・)と、ゲームサービスを提供するゲームサーバ3と、ゲームサーバ3の管理を行う管理端末4とが、インターネット等のネットワーク1を介して接続されて構成されている。
【0017】
ゲームサーバ3は、処理のためのデータを保持する管理データ保持部30と、メインとなるゲーム(メインゲーム)の処理を行うメインゲーム処理部31と、イベント的なゲーム(イベントゲーム)の処理を行うイベントゲーム処理部32とを備えている。
【0018】
管理データ保持部30は、ゲームサーバ3内のHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体上の記憶領域に所定のデータを体系的に保持するものである。メインゲーム処理部31およびイベントゲーム処理部32は、ゲームサーバ3を構成するコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。なお、管理データ保持部30、メインゲーム処理部31、イベントゲーム処理部32は、単一のコンピュータ上に配置される必要はなく、必要に応じて分散される形態であってもよい。
【0019】
管理データ保持部30には、プレイヤの情報を保持するプレイヤデータと、プレイヤが所属するグループの情報を保持するグループデータと、仮想プレイヤとの対戦においてプレイヤを敗者としないために行う調整に用いられるスコア調整テーブルと、第1群の対戦相手候補を決定するために用いられる第1リストアップテーブルと、第2群の対戦相手候補を決定するために用いられる第2リストアップテーブルとが保持されている。それぞれのデータ構造については後述する。
【0020】
イベントゲーム処理部32は、開始画面要求受付部321と初回判断部322と参考成績取得部323と対戦相手候補提示部324と対戦相手選択受付部325と対戦実行部326とポイント・報酬付与部327とランキング管理部328とを備えている。
【0021】
開始画面要求受付部321は、プレイヤ端末2からイベントゲームの開始を受け付けるイベントゲーム開始画面の取得要求を受け付ける機能を有している。
【0022】
初回判断部322は、イベントゲーム開始画面の取得要求を行ってきたプレイヤ端末2のプレイヤにつき、これから開始するイベントゲームのタイプ(ミッションタイプ)について初回であるか否か、すなわち、そのタイプについて参考成績(参考成績取得部323により取得された参考成績または対戦実行部326により行われた過去の対戦の成績)が既に存在するか否かを判断する機能を有している。
【0023】
ここでのイベントゲームのタイプとしては、ミッションのクリアタイムを競う「タイムアタック」、ミッション中に獲得したシルバーコインの量を競う「シルバーコイン獲得量」、ミッション中に獲得したゴールドコインの量を競う「ゴールドコイン獲得量」、ミッション中に最も多く繋いだコンボ数を競う「最大コンボ数」、ミッション中に一発の攻撃で与えた最大ダメージ量を競う「最大ダメージ」、ミッション中に回復したHP(Hit Point, Health Point)の総量を競う「最大回復量」等がある。
【0024】
参考成績取得部323は、初回判断部322により初回と判断された場合に対象プレイヤを仮想プレイヤと対戦させ、参考成績を取得する機能を有している。
【0025】
対戦相手候補提示部324は、対象プレイヤの該当するタイプにおける参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数(例えば、2名)の第1群のプレイヤを抽出するとともに、抽出された第1群のプレイヤの属性情報に基づいて第2の所定数(例えば、1名)の第2群のプレイヤを抽出し、第1群のプレイヤおよび第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤ(例えば、計3名)として対象プレイヤに提示する機能を有している。
【0026】
対戦相手選択受付部325は、対戦相手候補の中から、対象プレイヤによる対戦相手の選択を受け付ける機能を有している。
【0027】
対戦実行部326は、対戦相手選択受付部325により選択が受け付けられた対戦相手と対象プレイヤとを対戦させる機能を有している。この対戦が実質的なイベントゲームの内容になる。対戦の結果により各プレイヤにはタイプ毎にスコアが記録される。
【0028】
ポイント・報酬付与部327は、イベントゲームの各ミッションの勝敗に応じて各プレイヤにポイントを付与するとともに、1日の勝利数、イベント時間帯毎の所属グループ内順位、所属グループの順位、1日の所属グループ内順位等に基づいてアイテム等の報酬を付与する機能を有している。
【0029】
ランキング管理部328は、各プレイヤの順位、所属グループ内順位、グループの順位等を管理する機能を有している。
【0030】
管理端末4は、ゲームサーバ3に管理者の権限によりアクセスし、管理データ保持部30に保持された各種データの参照・更新を行う機能を有している。
【0031】
図2はプレイヤ端末2(2A、2B、・・)のハードウェア構成例を示す図である。
【0032】
図2において、プレイヤ端末2は、電源システム201と、プロセッサ203、メモリコントローラ204、周辺インタフェース205を含むメインシステム202と、記憶部206とを備えている。また、プレイヤ端末2は、外部ポート207と、高周波回路208と、アンテナ209と、オーディオ回路210と、スピーカ211と、マイク212と、近接センサ213と、GPS(Global Positioning System)回路214とを備えている。また、プレイヤ端末2は、ディスプレイコントローラ216、光学センサコントローラ217、入力コントローラ218を含むI/O(Input/Output)サブシステム215と、タッチ反応型ディスプレイシステム219と、光学センサ220と、入力部221とを備えている。
【0033】
図3はゲームサーバ3のハードウェア構成例を示す図である。
【0034】
図3において、ゲームサーバ3は、システムバス301に接続されたCPU(Central Processing Unit)302、ROM(Read Only Memory)303、RAM(Random Access Memory)304、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)305を備えている。また、ゲームサーバ3は、I/F(Interface)306と、I/F306に接続された、I/O(Input/Output Device)307、HDD(Hard Disk Drive)308、NIC(Network Interface Card)309と、I/O307に接続されたモニタ310、キーボード311、マウス312等を備えている。I/O307にはCD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等を接続することもできる。
【0035】
管理端末4についても図3と同様の構成である。
【0036】
図4は管理データ保持部30に保持されるプレイヤデータおよびグループデータのデータ構造例を示す図である。
【0037】
図4において、プレイヤデータは、「プレイヤID」「プレイヤ名」「ランク」「所属グループID」「タイプ毎スコア」「連勝数(連敗数)」「ポイント」「アイテム」「ランキング」「グループ内ランキング」等の項目(フィールド)を有している。
【0038】
「プレイヤID」は、プレイヤを識別する情報である。「プレイヤ名」は、当該プレイヤの表示上の名前である。「ランク」は、当該プレイヤのメインゲームにおける成績(ゲームを行っている期間が長いとランクも向上する傾向)に基づく熟練度の指標である。「所属グループID」は、当該プレイヤが所属するグループを識別する情報である。例えば、イベントゲームが行われている期間においては、その日に初めてゲームサーバ3にアクセスすることで、イベントゲームに参加する資格(ランクが所定以上等)のあるプレイヤは「赤組」「緑組」「青組」の3つのグループ(勢力)のいずれかに振り分けられる。
【0039】
「タイプ毎スコア」は、当該プレイヤのイベントゲームにおけるタイプ別のスコアである。仮想プレイヤとの対戦によるスコアもここに記録されるが、別に記録してもよい。「連勝数(連敗数)」は、当該プレイヤのイベントゲームにおける連勝数および連敗数である。正の数を連勝数、負の数を連敗数とすることで、1つの数値で表現することができる。「ポイント」は、当該プレイヤに付与されたポイントの累積値である。「アイテム」は、当該プレイヤに付与された報酬である。「ランキング」は、イベントゲームに参加している全プレイヤにおける当該プレイヤの順位である。「グループ内ランキング」は、当該プレイヤの所属グループ内での当該プレイヤの順位である。
【0040】
グループデータは、「グループID」「グループ名」「総合ポイント」「ランキング」等の項目を有している。
【0041】
「グループID」は、グループを識別する情報である。「グループ名」は、当該グループの表示上の名前である。「総合ポイント」は、当該グループに所属するプレイヤのポイントの総和である。「ランキング」は、グループ間の順位である。
【0042】
図5は管理データ保持部30に保持されるスコア調整テーブルのデータ構造例を示す図である。
【0043】
図5において、スコア調整テーブルは、ミッションタイプ毎に対象プレイヤを下回る値が設定されている。仮想プレイヤとの対戦は、あくまでも対象プレイヤの能力を判断するためのものであるため、対象プレイヤを敗者としない、すなわち、勝者とするか引き分けとする。そのため、仮想プレイヤのスコアをスコア調整テーブルに基づいて対象プレイヤのスコアから求める。なお、対戦といっても、対戦相手とのリアルタイムの対戦は意味しておらず、それぞれのプレイヤ(仮想プレイヤを含む)のスコアを最終的に比較することにより勝敗を決定する。図示の数値はあくまでも例であるが、方針として、接戦であったと思わせる程度の、大差ではない仮想プレイヤ側の負け方となるように値が設定されている。
【0044】
図6は管理データ保持部30に保持される第1リストアップテーブルのデータ構造例を示す図であり、タイプ「タイムアタック」について例示している。
【0045】
図6において、第1リストアップテーブルは、対象プレイヤの連勝数と、対象プレイヤとのタイム差(タイプに応じて競う値・量に変更)と、抽選確率とが対応付けられて設定されている。対象プレイヤの連勝数については下限値が設定されており、正の値の場合は設定された値以上となるエントリが該当する。負の値の場合は設定された値以下となるエントリが該当する。
【0046】
図示の数値はあくまでも例であるが、方針として、連勝数が多い対象プレイヤについては強いと推定し、対象プレイヤよりも強いプレイヤが抽出される確率を高めるようになっている。反対に、連敗数が多い対象プレイヤについては弱いと推定し、対象プレイヤよりも弱いプレイヤが抽出される確率を高めるようになっている。
【0047】
図7は管理データ保持部30に保持される第2リストアップテーブルのデータ構造例を示す図である。
【0048】
図7において、第2リストアップテーブルは、基準となるプレイヤ(図6の第1リストアップテーブルにより抽出されたプレイヤのうち最もランクの高いプレイヤ)と抽出されるプレイヤ(第2群のプレイヤ)とのランク差と、抽選確率とが対応付けられて設定されている。図示の数値はあくまでも例であるが、ランク差が近傍(図示の例では1〜−3)における抽選確率を高めるようになっている。
【0049】
<動作>
図8は上記の実施形態の処理例を示すシーケンス図であり、プレイヤ端末2Aのプレイヤを対象プレイヤとした場合について示している。
【0050】
図8において、プレイヤ端末2Aからゲームサーバ3に対してイベントゲーム開始画面要求が行われ(ステップS101)、これをゲームサーバ3の開始画面要求受付部321が受け付けると、初回判断部322は、要求を行ってきたプレイヤ端末2のプレイヤにつき、これから開始するイベントゲームのタイプについて初回であるか否か判断する(ステップS102)。すなわち、管理データ保持部30のプレイヤデータの「タイプ別スコア」(図4)を参照し、イベントゲームのタイプについて参考成績(参考成績取得部323により取得された参考成績または当該対象プレイヤによる過去の成績)が既に存在するか否かを判断する。
【0051】
ここでは、初回と判断されたものとすると、参考成績取得部323は、対戦相手候補を仮想プレイヤ(例えば、「リリィ先生」)としたイベントゲーム開始画面を表示する旨の情報を返送する(ステップS103)。なお、イベントゲーム開始画面のデータを記憶しているのは、ゲームサーバ3であってもプレイヤ端末2であってもよい。また、画面遷移は単純化して説明しているが、実際には状況によってより上位の画面(例えば、イベントゲームのトップページ、イベントゲームの詳細画面)から入り、複数の画面遷移を経由して対戦相手候補が提示されるようにしてもよい。図9は画面中央に対戦相手候補「リリィ」が表示された例を示している。
【0052】
次いで、図8に戻り、プレイヤ端末2Aのプレイヤがイベントゲーム開始画面から対戦相手(この場合は仮想プレイヤのみ)を選択して対戦の開始を要求すると(ステップS104)、その旨がゲームサーバ3に送信される(ステップS105)。
【0053】
これを受け、ゲームサーバ3の参考成績取得部323は、対象プレイヤを仮想プレイヤと対戦させ(ステップS106)、参考成績を取得し、管理データ保持部30のプレイヤデータに記録する。なお、参考成績取得部323は仮想プレイヤのスコアをスコア調整テーブル(図5)により決定し、対象プレイヤを敗者としない。図10は対戦中にプレイヤ端末2Aに表示される画面例を示している。
【0054】
図8に戻り、その後、再びプレイヤ端末2Aからゲームサーバ3に対してイベントゲーム開始画面要求が行われ(ステップS107)、これをゲームサーバ3の開始画面要求受付部321が受け付けると、初回判断部322は、要求を行ってきたプレイヤ端末2のプレイヤにつき、これから開始するイベントゲームのタイプについて初回であるか否か判断する(ステップS108)。
【0055】
ここでは、既に同じタイプについて初回ではないと判断されたものとすると、対戦相手候補提示部324は、当該対象プレイヤの該当するタイプについての参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数(例えば、2名)の第1群のプレイヤを抽出する(ステップS109)。
【0056】
具体的には、次の手順、
・対象プレイヤの連勝数(連敗数)をプレイヤデータ(図4)から取得
・取得した連勝数(連敗数)により第1リストアップテーブル(図6)のエントリ範囲を特定
・特定したエントリ範囲内でテーブルに設定された抽選確率により抽選を行い、対象プレイヤとのタイム差を決定
・決定した対象プレイヤとのタイム差に基づいて他のプレイヤ(イベントゲームに参加しているプレイヤのうち同一グループに所属しているプレイヤを除く。また、同じ日に既に対戦しているプレイヤは、該当者がいない場合を除き排除。)から、第1の所定数(例えば、2名)を抽出(該当者が第1の所定数を超える場合はランダムに抽出)
・第1の所定数の第1群のプレイヤを抽出できなかった場合は抽選からやり直し
により第1群のプレイヤの抽出を行う。
【0057】
次いで、対戦相手候補提示部324は、抽出された第1群のプレイヤの属性情報に基づいて第2の所定数(例えば、1名)の第2群のプレイヤを抽出する(ステップS110)。
【0058】
具体的には、次の手順、
・抽出された第1群のプレイヤのランクをプレイヤデータ(図4)から取得して最も高いランクを特定
・第2リストアップテーブル(図7)の抽選確率により抽選を行い、基準となるプレイヤとのランク差を決定
・基準となるプレイヤのランク(先に特定した第1群のプレイヤの最も高いランク)と、抽選により決定したランク差とからランクを決定
・決定したランクに該当するプレイヤを、他のプレイヤ(イベントゲームに参加しているプレイヤのうち同一グループに所属しているプレイヤを除く。また、同じ日に既に対戦しているプレイヤは、該当者がいない場合を除き排除。更に、第1群のプレイヤを排除。)から第2の所定数(例えば、1名)を抽出(該当者が第2の所定数を超える場合はランダムに抽出)
・第2の所定数の第2群のプレイヤを抽出できなかった場合は抽選からやり直し
により第2群のプレイヤの抽出を行う。
【0059】
そして、対戦相手候補提示部324は、第1群のプレイヤおよび第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤ(例えば、計3名)としてイベントゲーム開始画面に含めて対象プレイヤに提示する(ステップS111)。図11は画面中央に対戦相手候補「加藤」「ジョージ」等が表示された例を示している。ここで、対戦相手候補についての表示情報には、直近のスコア(成績)は含まれていない。これは、スコアを表示してしまうと、もしそのスコアが高いものであった場合、苦戦を予想して選択されないことになるからである。
【0060】
次いで、図8に戻り、プレイヤ端末2Aのプレイヤがイベントゲーム開始画面から対戦相手を選択して対戦の開始を要求すると(ステップS112)、その旨がゲームサーバ3に送信される(ステップS113)。なお、対戦相手の他に、自分側の助っ人となるプレイヤを併せて選択させるようにすることもできる。
【0061】
これを受け、ゲームサーバ3の対戦実行部326は、対象プレイヤを仮想プレイヤと対戦させる(ステップS114)。図8では、プレイヤ端末2Aのプレイヤとプレイヤ端末2Bのプレイヤが対戦を行っているものとしている。対戦中の画面は図10に示したのと同様である。その後も同様に処理が行われる。
【0062】
なお、シーケンス図には示していないが、ポイント・報酬付与部327は対戦の結果に応じて各プレイヤおよび/またはグループにポイント・報酬を付与する。また、ランキング管理部328はプレイヤおよびグループのランキングを行う。ランキングの結果は、例えば、図12に示すような対戦終了後の画面等において表示される。
【0063】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、全ての対戦相手候補を対象プレイヤの成績から直接に抽出するのではなく、対象プレイヤの成績から抽出されたプレイヤと、そのプレイヤの属性情報を考慮して別の観点から抽出したプレイヤとを混合したものとしている。そのため、仮想プレイヤとの対戦をわざと低いスコアで終わらせたとしても、偽ったスコアに対応する弱いプレイヤの他に強いプレイヤが含まれる可能性があり、プレイヤが意図的に対戦相手を弱いプレイヤに誘導することを防止することができる。
【0064】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0065】
1 ネットワーク
2、2A、2B プレイヤ端末
3 ゲームサーバ
30 管理データ保持部
31 メインゲーム処理部
32 イベントゲーム処理部
321 開始画面要求受付部
322 初回判断部
323 参考成績取得部
324 対戦相手候補提示部
325 対戦相手選択受付部
326 対戦実行部
327 ポイント・報酬付与部
328 ランキング管理部
4 管理端末
【要約】
【課題】プレイヤが意図的に対戦相手を弱いプレイヤに誘導することを防止する。
【解決手段】対象プレイヤからゲームの開始画面要求を受け付けた場合、前記対象プレイヤについて前記ゲームと同じタイプのゲームについての参考成績を保持しているか否か判断する初回判断手段と、参考成績を保持していない場合、前記対象プレイヤを仮想プレイヤと対戦させ、参考成績を取得する参考成績取得手段と、参考成績を保持している場合、前記参考成績のうちの最高の成績に基づいて第1の所定数の第1群のプレイヤを抽出するとともに、抽出された前記第1群のプレイヤの属性情報に基づいて第2の所定数の第2群のプレイヤを抽出し、前記第1群のプレイヤおよび前記第2群のプレイヤを対戦相手候補のプレイヤとして前記対象プレイヤに提示する対戦相手候補提示手段とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12