(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5704276
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】型枠のクランプ
(51)【国際特許分類】
E04G 17/14 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
E04G17/14 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-150209(P2014-150209)
(22)【出願日】2014年7月5日
【審査請求日】2014年7月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514186940
【氏名又は名称】中島 治
(74)【代理人】
【識別番号】100082094
【弁理士】
【氏名又は名称】橋爪 英彌
(72)【発明者】
【氏名】中島 治
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−21394(JP,A)
【文献】
特開平8−158647(JP,A)
【文献】
特開平6−108648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 17/00−17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹所を有するコの字状の本体と、該本体のコの字の短い片の端部に設けられた雌ねじにねじ込まれるボルトと、前記本体のコの字の長い片の内側の前記ボルトの対向部分において本体の内側に設けられた前記本体の凹所の内側の当たり面と、本体の長い片の内側で前記凹所から離れた位置であってボルト位置に対して前記当たり面の逆位置に設けられその2ケの一方はボルト位置の近くに他方はボルト位置から遠くの本体の端部に設けられた当て板とからなる型枠のクランプ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモルタル等の充填剤の充填時に型枠を構造材に保持する型枠のクランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において型枠のクランプとして種々のものが公知であるが、従来のクランプは固定するためのボルトが外側にあり対象の構造物によっては外側からのボルト締め作業が困難な場合があった。
【0003】
本発明は以上の従来の課題を解決し、内側からボルト締め作業をする型枠のクランプの提供を目的とする。
【0004】
本発明は以上の目的達成のために、コの字状の本体と、該本体のコの字の短い片の端部に設けられた雌ねじにねじ込まれるボルトと、前記本体のコの字の長い片の内側の前記ボルトの対向部分において本体の内側に設けられた当たり面と当て板とからなる型枠のクランプを提案するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下本発明の型枠のクランプを図面に示す実施例に従って説明する。
図1及び
図2は本発明の型枠のクランプ(1)であり、該クランプ(1)はコの字状の本体(2)を有する。
該本体(1)のコの字の短い片の端部には 雌ねじ(4)が設けられ、該雌ねじ(4)にはボルト(5)がねじ込まれて設けられる。
前記本体(2)のコの字の長い片の内側の前記ボルト(5)の対向部分であって本体(2)の内側に当たり面(3a)と
2ケの当て板(7a)(7b)が
、ボルト位置に対して相互に逆位置に(すなわち2ケの当て板(7a)(7b)はボルト位置に対して前記当たり面(3a)の逆位置に)設けられる。
さらに2ケの当て板(7a)(7b)の一方の当て板(7a)はボルト位置の近くに、また他方の当て板(7b)はボルト位置から遠くの本体(2)の端部に設けられる。
前記当たり面(3a)は本体(2)の凹所(3)の長い片の内側において、また前記当て板(7a)(7b)は本体(2)の長い片の内側で凹所(3)から離れた位置に設けられる。
【0006】
以上のクランプ(1)の使用方法を、
図1の使用状態を参照して、以下に説明する。
すなわち
図1は構造物(13)にアンカー(12)を介してモルタル等の充填剤(11)を固定する施工例である。
この場合にはH型鋼の構造材(9)に型枠板(10)を保持するためにクランプ(1)を用いることになる。
すなわちクランプ(1)の凹所(3)をH型鋼の構造材(9)のフランジの一方と型枠板(10)の密着部分において両者に嵌合させる。
その場合において本体(2)のコの字の一端の雌ねじ(4)は構造材(9)の内側になる様に位置決めする。
この状態は図示の様に本体(1)のコの字のボルト(5)の対向部分の内側の当たり面(3a)と当て板(7a)(7b)は型枠板(10)の外側に位置することになる。
【0007】
この状態で使用者はボルト(5)を回転させていきボルト端面(6)を構造材(9)のフランジに当接させる。
ボルト(5)を締め付けると本体(1)のコの字のボルト(5)の対向部分の内側の当たり面(3a)と当て板(7a)(7b)は型枠板(10)の外側に密着する。
これにより構造材(9)と型枠板(10)は密着することになりクランプ(1)で型枠板(10)は構造材(9)に保持される。
この状態でモルタル等の充填剤(11)を注入し硬化させて構造物(13)に充填剤(11)を一体化させ施工を完了する。
施工完了によりクランプ(1)はボルト(5)を緩めて取り外されることになる。
【0008】
本発明の型枠のクランプの実施例は以上の通りでありその効果を次に列挙する。
1.本発明の型枠のクランプは
、特にコの字状の本体と、該本体のコの字の一端に設けられた雌ねじにねじ込まれるボルトと、前記本体のコの字内側の前記ボルトの対向部分において本体の内側に設けられた当たり面と
2ケの当て板とからなるためボルトを内側にして内側からボルト締め作業が可能になる。
2.本発明の型枠のクランプは
、特に本体のコの字内側のボルトの対向部分において本体の内側に設けられた当たり面と
2ケの当て板を有するため
ボルトの対向部分に3ケ所の当たりが確保されて構造材と型枠板の密着性が向上する。
3.本発明の型枠のクランプは、特に2ケの当て板の一方はボルト位置の近くに、また他方はボルト位置から遠くの本体の端部に設けられるため構造材に密着し滑る心配がない。
【符号の説明】
【0013】
1 クランプ
2 本体
3 凹所
3a 当たり面
4 雌ねじ
5 ボルト
6 ボルト端面
7a 当て板
7b 当て板
9 構造材
10 型枠板
11 充填剤
12 アンカー
13 構造物
【要約】
【課題】本発明は内側からボルト締め作業をする型枠のクランプの提供を目的とする。
【解決手段】本発明はコの字状の本体と、該本体のコの字の短い片の端部に設けられた雌ねじにねじ込まれるボルトと、前記本体のコの字の長い片の内側の前記ボルトの対向部分において本体の内側に設けられた当たり面と当て板とからなる型枠のクランプを提案するものである。
【選択図】
図1