特許第5704307号(P5704307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5704307
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150402BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20150402BHJP
   F21Y 101/00 20060101ALN20150402BHJP
【FI】
   F21S2/00 320
   F21V23/00 170
   F21V23/00 160
   F21Y101:00 300
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2010-227175(P2010-227175)
(22)【出願日】2010年10月7日
(65)【公開番号】特開2012-84243(P2012-84243A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2013年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106862
【弁理士】
【氏名又は名称】五十畑 勉男
(72)【発明者】
【氏名】宇都 宏太郎
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 俊哉
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−186656(JP,A)
【文献】 特開2006−108043(JP,A)
【文献】 特開2009−043698(JP,A)
【文献】 特開平07−211128(JP,A)
【文献】 特開2006−244970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流点灯されるショートアーク放電ランプと、該放電ランプを囲むように配置された反射鏡とよりなり、該反射鏡の後部側に突出する放電ランプの外部リードと給電端子とが給電線で接続されてなる光源装置において、
前記給電線が、前記外部リードと前記給電端子との間でほぼ直線状に張設されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記給電線が、外部リードを延長して構成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記放電ランプが、前記反射鏡に設けられたベースに取り付けられており、前記給電端子が該ベースに取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記放電ランプが前記反射鏡に直接取り付けられており、前記給電端子が該反射鏡に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放電ランプと反射鏡とを備えた光源装置に関するものであり、特に、プロジェクタ装置に用いられる光源装置に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
ショートアーク型放電ランプは、発光管内に対向配置された一対の電極の先端距離が短く点光源に近いことから、反射鏡などの光学系と組み合わせることによって、効率よく光を利用することができ、映写機等のプロジェクタ装置用の光源装置として利用されている。
例えば、特開2009−117284号公報がその一例である。
【0003】
図4にその構造が示されており、一対の電極が対向配置された放電ランプ1を取り囲むように回転楕円面形状の反射鏡2が設けられている。該反射鏡2の後端にはベース3が接着剤等により取り付けられており、前記ランプ1は該ベース3に接着剤等により取り付けられていて、反射鏡2に対して所定位置に固定される。
前記ベース3には第1給電端子4と第2給電端子5とが設けられていて、該第1給電端子4は第1給電線8によりランプ1の一方の外部リード6に接続され、一方、第2給電端子5は第2給電線9により、反射鏡2の貫通孔10を通して他方の外部リード7に接続されている。
なお、この従来技術においては、ランプ1の後端に始動補助光源11が設けられている。
【0004】
ところで、このような高圧放電ランプには、直流点灯型と交流点灯型が存在する。このうち、交流点灯する場合に、点灯周波数に応じた陰極から陽極、または、陽極から陰極への反転にともない、ランプが振動し、この振動が原因となってランプ点灯時に音鳴りがする、といった問題があった。
この問題を解決する手段として、例えば特開2009−43698号公報が知られている。これによれば、光源装置の反射鏡開口側に配置された給電線が、該反射鏡に設けられた貫通孔から引き出される場合に、該貫通孔部に柔軟性のあるチューブを配置することで解決している。
この公知技術を上記従来例に適用すると、反射鏡2の開口側に配置された第2給電線9と、反射鏡2の貫通孔10との間に柔軟性チューブを配置することで音鳴りを防止することになる。
【0005】
しかしながら、反射鏡2の開口側の第2給電線9と貫通孔10との間で発生していた音鳴りを防止してもなお、音鳴りが発生するといった問題があった。この音鳴りの原因を調査した結果、反射鏡2の後方に配置した、第1給電端子4と外部リード6を接続する第1給電線8が振動して、ベース3等と接触して音鳴りが発生していることが判明した。
また、反射鏡にベースを設けることなく、ランプを反射鏡に直接取り付ける構造の光源装置においても、同様に、反射鏡後部側に突出するランプの外部リードと、反射鏡に取り付けられた給電端子とを接続する給電線が振動して、反射鏡と擦れ合って音鳴りが発生するという不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−117284号公報
【特許文献2】特開2009−43698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、交流点灯されるショートアーク放電ランプと、該放電ランプを囲むように配置される反射鏡とよりなり、該反射鏡の後部側に突出する放電ランプの外部リードと給電端子とが給電線で接続されてなる光源装置において、ランプ点灯時にランプの振動によって前記給電線が振動して、ベースや反射鏡等の周辺の部材と擦れ合って音鳴りを発生することを防止した構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明に係る光源装置は、前記反射鏡の後部側に突出する外部リードと給電端子とを接続する給電線が、前記外部リードと給電端子との間でほぼ直線状に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の光源装置によれば、放電ランプ後端側の外部リードに接続された給電線が振動しても、これが直線的に張設されているので、その振動幅を小さく抑えることができて、ベースや反射鏡自体等の周辺部材と接触して擦れ合うことがなく、不快な音鳴りが発生することがないという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の光源装置の実施例の断面図。
図2】本発明の光源装置の他の実施例の断面図。
図3】本発明の他の実施例の断面図。
図4】従来例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、反射鏡2には接着剤等によりベース3が固定され、放電ランプ1は該ベース3に対して同様に接着剤等により取り付けられている。そして、給電端子4が前記ベース3に取り付けられていて、反射鏡2の後部側に突出するランプ1の外部リード6と、前記給電端子4が給電線12によってほぼ直線状に接続されている。
この給電線12がベース3と接触することないように、給電端子4の位置が選定される。
その他の構造については、図4の従来例と同様である。
このような構造とすることにより、直線状に張設された前記給電線12は、その振動幅が限定され、点灯時に放電ランプ1の振動があっても、該給電線12の振動幅が小さく抑えられるので、周辺の部材、この場合ベース3と接触するようなことがなく、音鳴りがすることがない。
【0012】
図2に他の実施例が示されており、この実施例では、反射鏡にはベースが設けられておらず、放電ランプは直接反射鏡に取り付けられている。
即ち、放電ランプ1は反射鏡2の後方首部2aに接着剤等により直接取り付けられている。
そして、給電端子4はこの反射鏡2に設けられが、この実施例の場合、反射鏡1の貫通孔13を利用して取り付けられる例が示されている。この貫通孔13は、図1に示したように、ランプ1の反射鏡2内に配置された前方の外部リードからの給電線が挿入貫通されるものである。
そして、前記ランプ1の外部リード6と該給電端子4を接続する給電線12は、ほぼ直線状に張設されている。
これにより、図1の実施例と同様に、前記給電線12の振動幅が小さく抑えられ、周辺部材、この場合反射鏡2と接触することがなく、音鳴りの発生が防止される。
【0013】
また、上記実施例では、外部リード6に別部材の給電線12を接続する構造としたが、図3に示されるように、外部リード6をそのまま延長して給電線12としてもよい。
なお、他の構造については図1の構造と同様である。
【0014】
以上説明したように、本発明に係る光源装置は、放電ランプの後部側の外部リードと給電端子とを接続する給電線をほぼ直線状にしたことにより、その振動幅が小さなものとなり、点灯時にランプが振動することがあっても、該給電線が周辺部材と接触することがなく、従って音鳴りの発生を防止できるものである。
【符号の説明】
【0015】
1 放電ランプ
2 反射鏡
3 ベース
4 給電端子
6 外部リード
12 給電線


図1
図2
図3
図4