【実施例】
【0021】
最初に、太陽電池パネル1について説明する。
図1、
図2に示すように、太陽電池パネル1は、パネル本体2と、このパネル本体2の外周部に装着された枠部材3などで構成されている。枠部材3はアルミニウム製又はアルミニウム合金製のものであるが、その他の軽合金製のものでもよい。枠部材3の表面には酸化アルミニウムの防蝕兼絶縁被膜が形成されている。太陽電池パネル1は、例えば、(1.3m〜1.8m)×1.0m程度のサイズのものである。パネル本体2は、例えば4〜5mmの厚さに形成され、太陽光エネルギーを直接電力に変換する。
【0022】
ここで、
図1に示す矢印Aは、傾斜状の屋根面(設置面S)に沿った上下方向(縦方向)を示し、矢印Bは屋根面に沿った水平方向(横方向)を示す。但し、本実施例では、基本的には、
図2における上下左右を、上下左右として説明するが、矢印Aに基づく上下の概念を用いる場合もある。
【0023】
枠部材3は、パネル本体2の下端部に沿う下側枠4と、パネル本体2の上端部に沿う上側枠5と、パネル本体2の横方向の両端部に沿う1対の側部枠6とで矩形又は台形の枠状に形成されている。下側枠4は、底板部4aと縦板部4bと底板部4aの左端部(下端部)の係合部4cを有する。上側枠5は、底板部5aと縦板部5bと底板部5aの右端部(上端部)の溝状の係合部5cを有する。
【0024】
図1、
図2に示すように、太陽電池パネル1の固定架台7は、屋根面からなる設置面Sに複数の太陽電池パネル1を取り付ける為のものである。この固定架台7は、屋根面の上下方向向きに且つ横方向に適当間隔おきに配設された複数の縦ラック8A(架台部材)と、これら複数の縦ラック8Aの上に横方向向きに且つ太陽電池パネル1の上下幅とほぼ等しい間隔おきに配設された複数の横ラック8B(架台部材)とを有する。
【0025】
縦ラック8Aと横ラック8Bは、夫々、アルミニウム又はアルミニウム合金を押し出し成形した条材である。縦ラック8Aと横ラック8Bの表面には酸化アルミニウムを主成分とする防蝕兼絶縁被膜が形成されている。縦ラック8Aと横ラック8Bの各交差部において、横ラック8Bは縦ラック8Aに対して1対の連結金具9により固定されている。横方向に直線的に延びる各列の複数の横ラック8Bは、各継目において導電接続片を介して導電接続され、その各列の横ラック接続体は導電線により予め地面に接地されている。
【0026】
図2〜
図5に示すように、横ラック8Bは、連結金具9で固定される底板10と、この底板10に垂直に一体形成された1対のリブ11a,11bと、この1対のリブ11a,11bの上端に夫々一体形成された1対の横支持板12a, 12bと、1対の横支持板12a,12bに夫々垂直に一体形成された1対の縦支持板13a,13bと、この1対の縦支持板13a,13bの上端に一体形成された頂部支持板14などを有する。
【0027】
右側(上側)の横支持板12aの上に太陽電池パネル1の枠部材3の左端部(下端部)が載置支持され、左側(下側)の横支持板12bの上に太陽電池パネル1の枠部材3の右端部(上端部)が載置支持されている。
右側の縦支持板13aの右端面下部には、縦支持板13aの全長に亙って凸部13cが一体形成され、この凸部13cと縦支持板13aの下端部分と横支持板12aとで、係合溝13dが形成されている。太陽電池パネル1の枠部材3の下側枠4における底板部4aの係合部4cが係合溝13dに係合している。
【0028】
頂部支持板14の右側部分を縦支持板13aより右側に突出させて、太陽電池パネル1の枠部材3の下側枠4が当接するL形受部14aが一体形成されている。頂部支持板14の下側において1対の縦支持板13a,13bに亙って中段板15が一体形成されている。頂部支持板14には、上下方向に挿通した挿通溝14bが横方向の全長に亙って形成され、中段板15には、浅い溝部15aが横方向の全長に亙って形成されている。
【0029】
中段板15には、溝部15aを挟んで対向状に1対の規制部15b,15cが横方向の全長に亙って形成されている。前記の溝部15aの上側に1対の規制部15b,15cによって規制溝15dが形成されている。前記挿通溝14bと規制溝15dと溝部15aなどを含むレール溝16が横方向の全長に亙って形成されている。
【0030】
上記のように、太陽電池パネル1の枠部材3の下側枠4の係合部4cを係合溝13dに係合させることで、太陽電池パネル1の下端部(左端部)が横ラック8Bに固定され、また、太陽電池パネル1の枠部材3の上側枠5の両端近傍部を、後述する1対の固定機構17により横ラック8Bに固定することで、太陽電池パネル1の上端部(右端部)が横ラック8Bに固定される。
【0031】
前記太陽電池パネル1の固定架台7は、太陽電池パネル1を横ラック8Bに固定する複数の固定機構17と、横ラック8Bの両端近傍部を含む複数部位に設けられた複数のファスナー18とを備えている。
【0032】
次に、固定機構17について説明する。
図2に示すように、太陽電池パネル1の枠部材3の上側枠5の底板部5aと係合部5cが横ラック8Bの左側の横支持板12b上に載置支持される。太陽電池パネル1の横方向の両端近傍部位に対応する位置に1対の固定機構17が配置され、これら1対の固定機構17によって係合部5cが横ラック8Bに押圧して固定される。
【0033】
固定機構17は、太陽電池パネル固定用金具19(以下、固定用金具という)と、この固定用金具19を横ラック8Bに固定する為の固定用ナット20と、固定用ナット20に螺合する締結ボルト21などを有する。
【0034】
固定用金具19は、枠部材3の上側枠5の縦板部5bの右側面に沿うように配置された縦板部19aと、この縦板部19aの上端部から右方へ延び且つ横ラック8Bの頂部支持板14上に載置される横板部19bとが一体形成されている。
【0035】
縦板部19aの下端部を枠部材3の上側枠5の係合部5cに係合させ、締結ボルト21を、横板部19bの挿通孔を挿通して横ラック8Bのレール溝16に挿入されている固定用ナット20に螺合して、横板部19bを横ラック8Bの頂部支持板14に固定することで、枠部材3の上側枠5を横ラック8Bに押圧固定する。横板部19bの左右の両端部には、隣接する太陽電池パネル1の間を覆う間カバー(図示略)を取り付ける為の1対の取付板部19c,19dが上方に突出状に一体形成されている。
【0036】
複数の固定用ナット20は、横ラック8Bを据え付ける前に、レール溝16の中段部において頂部支持板14と規制溝15dの間に移動自在に予め装着される。その横ラック8Bを屋根の上へ搬送する間に、複数の固定用ナット20が横ラック8Bから脱落しないように、横ラック8Bの少なくとも両端近傍部には、以下に説明する少なくとも1対のファスナー18がレール溝16に摺動可能に装着される。複数の固定用ナット20は、1対の規制部15b,15cにより左右方向(上下方向)へ移動しないように規制され、且つ1対のファスナー18の間において横方向へ移動自在に装着される。
【0037】
次に、ファスナー18について説明する。
図3〜
図5に示すように、レール溝16に装着された複数の固定用ナット20が、レール溝16の両端開口から脱落するのを防止する為に、少なくとも1対のファスナー18は、横ラック8Bのレール溝16の少なくとも両端近傍部に予め挿入装着される。ファスナー18はバネ鋼製の金属薄板(板厚が例えば0.3〜0.6mm)で一体形成された左右に対称の構造である。
【0038】
図6に示すように、ファスナー18は、略U字形のナット規制部22と、このナット規制部22の上端から上方へ延びる1対の摘み部23とを有する。ナット規制部22は、矩形板状の底板部24と、この底板部24の左右両端から鋭角に屈曲して上方に所定長さ延びてハ字状に対向する1対の側板部25a,25bとを有する。
図4に示すように、ナット規制部22の下端部は、中段板15上に1対の規制部15b,15cで形成された規制溝15dに係合して正規の姿勢を保持している。
【0039】
1対の摘み部23は、例えば親指と人差指で操作し易い間隔を確保し且つ押圧操作したときにナット規制部22を幅縮小側に弾性変形させ得るようにナット規制部22の上端から上方へ延びて先端部分が互いに離隔する方向に折曲して形成されている。
【0040】
1対の摘み部23は、1対の側板部25a,25bの上端から夫々上方に所定長さ延びる1対の係合板部26a,26bと、1対の係合板部26a,26bの上端から夫々直角に外側に屈曲した1対の水平板部27a,27bと、1対の水平板部27a,27bの外端部から夫々上方へ所定高さ直角に立ち上がる1対の立板部28a,28bと、右側の立板部28aの上端から右方下り傾斜状に折曲された右側の操作板部29aと、左側の立板部28bの上端から左方下り傾斜状に折曲された左側の操作板部29bとを有する。
【0041】
図5に示すように、ファスナー18をレール溝16に挿入する際には、1対の操作板部29a,29bを親指と人差指で摘んで幅縮小側に押圧して、ナット規制部22の1対の側板部25a,25bを幅縮小側へ弾性変形させてから、ナット規制部22をレール溝16に導入してナット規制部22の下端部を規制溝15dに接近状態にし、1対の摘み部23をレール溝16の挿通溝14bから上方へ突出させた状態で、ファスナー18をレール溝16のうちの横方向の両端側部分に位置する固定用ナット20の近傍位置(但し、固定用ナット20よりも横ラック8Bの端部側位置)まで摺動させる。
【0042】
図3、
図4に示すように、ファスナー18をレール溝16に固定する場合には、ナット規制部22の下端部をレール溝16の規制溝15dに係合させた状態にしてから、1対の操作板部29a,29bから指を離す。すると、ナット規制部22の1対の側板部25a,25bが幅拡大側へ弾性変形し、1対の摘み部23が幅拡大側へ移動し、その弾性力により1対の係合板部26a,26bが頂部支持板14の挿通溝14bの側面に当接して摩擦接触した状態になる。
【0043】
以上説明した太陽電池パネル1の固定架台7の作用効果について説明する。
横ラック8Bを据え付ける前から複数の固定用ナット20をレール溝16の太陽電池パネル1が固定される横方向の両端近傍部位に対応する位置に夫々装着すると共に、ファスナー18をレール溝16の両端近傍部に夫々装着する。
【0044】
屋根の上へ横ラック8Bを搬送する間や縦ラック8A上に据え付けるときに横ラック8Bが傾いて、固定用ナット20がレール溝16の両端側へ移動しても、固定用ナット20がファスナー18のレール規制部22の1対の側板部25a,25b及び底板部24で受け止められ、その移動が規制されるので、固定用ナット20のレール溝16の端部開口からの脱落を確実に防止することができる。
【0045】
ファスナー18は、バネ鋼製の金属薄板で構成され、レール溝16において、ナット規制部22の下端部が横ラック8Bの中段板15上に1対の規制部15b,15cで形成された規制溝15dに係合して正規の姿勢を保持し、弾性力により1対の摘み部23の係合板部26a,26bが頂部支持板14の挿通溝14bの側面に当接して接触摩擦しているので、ファスナー18をレール溝16にガタツキなく確実に固定保持することができる。
【0046】
ファスナー18は、ナット規制部22の上端からレール溝16よりも上方へ延びて突出する1対の摘み部23を有するので、これら1対の摘み部23を操作することでファスナー18をレール溝16に簡単且つ容易に挿入装着し、必要に応じて横方向へ摺動させることができる。これにより、レール溝16に挿入装着された固定用ナット20をファスナー18でもって所望の位置に容易に移動させることができる。
【0047】
前記実施例を次のように部分的に変更してもよい。
(1)
図7に示すように、レール溝16の各固定用ナット20の両側近傍部位に1対のファスナー18を夫々設けてもよい。これにより、各固定用ナット20の移動が規制されるので、固定用ナット20を所期の位置に保持することができる。
【0048】
(2)ファスナー18の1対の摘み部23は、実施例の形状に限定されるものではなく、例えば親指と人差指で操作し易い間隔を確保し且つ押圧操作したときにナット規制部22を幅縮小側に弾性変形させ得るものであればよい。
【0049】
(3)その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記の実施例に種々の変更を付加して実施可能である。