特許第5704347号(P5704347)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5704347
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   G01R15/20 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-37027(P2012-37027)
(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2013-171013(P2013-171013A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2012年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 高明
(72)【発明者】
【氏名】柏木 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】福岡 誠二
【審査官】 吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−232041(JP,A)
【文献】 特開2008−002876(JP,A)
【文献】 特開2009−150654(JP,A)
【文献】 特開2010−008050(JP,A)
【文献】 特表2010−520448(JP,A)
【文献】 特開2007−114115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーと、
2つの空隙を介して相互に対向する2つの磁性体と、
前記2つの磁性体の間であって前記空隙を除く位置に設けられ、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が感磁面に印加される感磁素子と、
前記感磁素子の出力信号を増幅する増幅器と、
前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が印加され、当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する導体部とを備え、
前記導体部は、前記2つの磁性体の間の前記空隙の双方ないしそれらの近傍にそれぞれ配置され、各導体部の発生する誘導起電力が前記増幅器の入力側に加えられる、電流センサ。
【請求項2】
バスバーと、
2つの空隙を介して相互に対向する2つの磁性体と、
前記2つの磁性体の間であって前記空隙を除く位置に設けられ、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が感磁面に印加される感磁素子と、
前記感磁素子の出力信号を増幅する増幅器と、
前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が印加され、当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する導体部とを備え、
前記導体部は、前記2つの磁性体の間の前記空隙の双方ないしそれらの近傍にそれぞれ配置され、各導体部の発生する誘導起電力が前記増幅器の出力側に加えられる、電流センサ。
【請求項3】
前記導体部は、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が貫通するコイルである、請求項1又は2に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記感磁素子を搭載する基板を備え、前記基板が前記2つの磁性体の間の前記2つの空隙同士を渡すように配置され、前記導体部が前記基板上のパターンとして形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記感磁素子を搭載する基板上を除く位置に前記導体部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記バスバーに電流が流れたときに、対向する前記2つの磁性体が互いに逆方向に磁化され、
一方の前記磁性体が磁化されたことにより発生する磁界と、他方の前記磁性体が磁化されたことにより発生する磁界とによって、前記感磁素子に印加される磁界が弱まる位置に前記感磁素子を配置した、請求項1からのいずれか一項に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばハイブリッドカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流を測定する電流センサに関し、特に、ホール素子等の感磁素子を用いてバスバーに流れる電流を測定する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ホール素子等の感磁素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、空隙を有するリング状の磁気コアと、空隙に配置された感磁素子とを有する磁気比例式のものが従来から知られている。この種の電流センサに関し、下記特許文献1は、応答性の改善のために、「磁気ギャップ2を有する磁気コア3と、この磁気コア3に巻回した電流線4と、前記磁気コア3の磁気ギャップ2に配置した磁電変換素子5と、この磁電変換素子5と増幅器6の入力端子とを接続した配線7a〜7dとを備え、前記配線7dは、磁気ギャップ2外に引出した後、再度磁気コア3をその長手方向に対して交差する方向に横切らせた」との構成を開示する(特許文献1の[要約])。これによれば、電流線に流れる電流によって磁気コアに磁束が流れた場合にその磁束によって配線には急峻な電圧を発生させることが出来、そしてこの電圧を増幅器へと供給することが出来るので、増幅器においては、はじめから大きな出力電圧を出力することが出来るようになり、これが電流検出器としての応答性を高めることにつながるとしている(特許文献1の段落[0008])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−281271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電流センサではリング状の磁気コアのギャップ中に磁電変換素子を配置しなければならないため、電圧を誘起する導体部のレイアウトに制約があって微妙な設計が出来ず、応答速度の微妙な調整が困難であるという問題があった。
【0005】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、応答速度向上のための誘導起電力を発生する導体部のレイアウトの自由度が従来と比較して高い電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、電流センサである。この電流センサは、
バスバーと、
2つの空隙を介して相互に対向する2つの磁性体と、
前記2つの磁性体の間であって前記空隙を除く位置に設けられ、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が感磁面に印加される感磁素子と、
前記感磁素子の出力信号を増幅する増幅器と、
前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が印加され、当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する導体部とを備え、
前記導体部は、前記2つの磁性体の間の前記空隙の双方ないしそれらの近傍にそれぞれ配置され、各導体部の発生する誘導起電力が前記増幅器の入力側に加えられる。
【0007】
本発明のもう1つの態様は、電流センサである。この電流センサは、
バスバーと、
2つの空隙を介して相互に対向する2つの磁性体と、
前記2つの磁性体の間であって前記空隙を除く位置に設けられ、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が感磁面に印加される感磁素子と、
前記感磁素子の出力信号を増幅する増幅器と、
前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が印加され、当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する導体部とを備え、
前記導体部は、前記2つの磁性体の間の前記空隙の双方ないしそれらの近傍にそれぞれ配置され、各導体部の発生する誘導起電力が前記増幅器の出力側に加えられる。
【0008】
前記導体部は、前記バスバーに流れる電流によって発生する磁界が貫通するコイルであってもよい。
【0010】
前記感磁素子を搭載する基板を備え、前記基板が前記2つの磁性体の間の前記2つの空隙同士を渡すように配置され、前記導体部が前記基板上のパターンとして形成されていてもよい。
【0011】
前記感磁素子を搭載する基板上を除く位置に前記導体部が設けられていてもよい。
【0014】
前記バスバーに電流が流れたときに、対向する前記2つの磁性体が互いに逆方向に磁化され、
一方の前記磁性体が磁化されたことにより発生する磁界と、他方の前記磁性体が磁化されたことにより発生する磁界とによって、前記感磁素子に印加される磁界が弱まる位置に前記感磁素子を配置してもよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、感磁素子が2つの磁性体の間であって空隙を除く位置に設けられるため、応答速度向上のための誘導起電力を発生する導体部のレイアウトの自由度が従来と比較して高い電流センサを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係る電流センサ1の構成を示す概略斜視図。
図2図1に示す電流センサ1の原理説明図。
図3】実施の形態の電流センサ1の出力信号と比較例の出力信号との比較タイムチャート。
図4】本発明の実施の形態2に係る電流センサ2の原理説明図。
図5】本発明の実施の形態3に係る電流センサ3の原理説明図。
図6】本発明の実施の形態4に係る電流センサ4の原理説明図。
図7】本発明の実施の形態5に係る電流センサ5の構成を示す概略斜視図。
図8】本発明の実施の形態6に係る電流センサ6の構成を示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1に係る電流センサ1の構成を示す概略斜視図である。電流センサ1は、被測定電流が流れる導体であるバスバー10と、感磁素子20(ホールIC又はホール素子)と、感磁素子20を搭載した絶縁基板40と、断面コ字状磁性体30A,30B(磁性体コア)と、導体部51(電磁誘導部)とを備える。各部材の相対位置関係は、不図示のケース等で固定される。
【0020】
バスバー10は、平板形状(例えば銅板)である。対をなす磁性体30A,30Bは、両端縁がそれぞれ空隙Gを隔てて対向し、バスバー10が貫通する環状部を成す。磁性体30A,30Bは、好ましくは同材質(保持力が同じ)かつ同形状の半角筒形状の高透磁率磁性材であって、例えば電磁鋼板を断面コ字状に折曲げ加工したものである。そして、一対の磁性体30A,30Bは、全体として感磁素子20とこれが配置されているバスバー部分とを内側に取り囲んで、外部磁界から磁気遮蔽するものである。
【0021】
絶縁基板40は、磁性体30A,30Bの間の2つの空隙G同士を渡すように配置される。感磁素子20は、磁性体30A,30Bの間であって空隙Gを除く位置において絶縁基板40上に搭載されてバスバー10に対して固定配置され、バスバー10に流れる電流によって発生する磁界(バスバーを周回する磁界)が感磁面(ホール素子の感磁面)に印加される。感磁素子20は、バスバー10の幅方向の中間に位置し、その感磁面は好ましくはバスバー幅方向の略中央に位置して幅方向と略垂直(感磁方向はバスバー10の幅方向)である。この場合、バスバー電流によって発生する磁界と感磁素子20の感磁面は略垂直となる。
【0022】
導体部51は、バスバー10に流れる電流によって発生する磁界が印加され、当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する。導体部51は、ここでは磁性体30A,30Bの間の2つの空隙Gの一方(ないしその近傍)に位置し、絶縁基板40上の導体パターンとして形成される。導体部51のパターン形状は例えば複数周回するスパイラル状その他のコイルパターンである。導体部51の誘導起電力の立ち上がりは感磁素子20の出力信号の立ち上がりと比較して早いため、導体部51を設けることでバスバー10に流れる電流の変化に対する電流センサ1の応答速度が向上する。
【0023】
図2は、図1に示す電流センサ1の原理説明図である。本図に示す差動増幅器60は、実際には絶縁基板40上に形成される。感磁素子20は、ここではホール素子単体であって増幅器を含まないものとする。増幅器としての差動増幅器60は、オペアンプ61と、抵抗R1〜R4とを有する。感磁素子20の一方の出力端子とオペアンプ61の出力端子との間に抵抗R1,R2が直列接続される。抵抗R1,R2の接続点がオペアンプ61の反転入力端子に接続される。感磁素子20の他方の出力端子に導体部51の一端が接続され、導体部51の他端と接地端子(固定電圧端子)との間に抵抗R3,R4が直列接続される。抵抗R3,R4の接続点がオペアンプ61の非反転入力端子に接続される。
【0024】
図2に示すように、バスバー10に電流が流れると、磁性体30A,30Bは互いに逆方向に磁化される。このため、磁性体30Aが磁化されたことにより発生する磁界と、磁性体30Bが磁化されたことにより発生する磁界とによって、感磁素子20に印加される磁界が弱まる。換言すれば、感磁素子20は、バスバー10に流れる電流の発生する磁界によって磁化された一方の磁性体30Aと他方の磁性体30Bのそれぞれ発生する磁界が互いに弱め合う位置に存在する。
【0025】
図3は、本実施の形態の電流センサ1の出力信号と比較例(導体部51が無い場合)の出力信号との比較タイムチャートである。本実施の形態では、感磁素子20の出力信号と比較して立ち上がりの早い導体部51の誘導起電力が出力信号に加わるため、導体部51が無い場合と比較して出力信号の立ち上がり速度(応答速度)が改善している。すなわち、本実施の形態の電流センサ1の出力信号が一定レベルまで上昇する時間t1は、導体部51が無い場合に出力信号が一定レベルまで上昇する時間t2よりも短くなっている。
【0026】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0027】
(1) 導体部51を磁性体30A,30Bの間の2つの空隙Gの一方(ないしその近傍)に設ける一方、感磁素子20を磁性体30A,30Bの間であって空隙Gを除く位置に設けているため、感磁素子20が空隙G(ないしその近傍)に存在する場合と比較して、空隙G内とその近傍で導体部51を自由にレイアウトできる。このため、所望の誘導起電力を発生させることが容易であり、製造時に微妙な応答速度の調整が可能となる。
【0028】
(2) 感磁素子20が空隙G(ないしその近傍)に存在すると感磁素子20を避けたレイアウトにするために導体部51の表面積(パターン面積)が大きくなってしまうという問題があるが、本実施の形態では空隙G内とその近傍で感磁素子20を避けたレイアウトには縛られないため、同じインダクタンスであれば導体部51の表面積(パターン面積)を小さくすることができる。
【0029】
(3) 感磁素子20の感磁面位置においては、磁性体30Aが磁化されたことにより発生する磁界と、磁性体30Bが磁化されたことにより発生する磁界とが互いに打ち消し合う方向となる。すなわち、残留磁界が低減されている範囲に感磁素子20が配置されることとなり、残留磁界の影響を排除若しくは低減して電流センサ1のゼロアンペア測定精度の向上を図ることができる。
【0030】
(4) 磁性体30A,30Bに用いる磁性材料特有の保磁力(ヒステリシス)に関わらず、電流センサ1の検出出力のヒステリシスを低減することが可能なため、廉価な磁性材料で優れた検出出力特性を実現でき、コストダウンに有利である。
【0031】
(5) 2つのコア(磁性体30A,30B)を対面させる構造のため、コア単体で用いる構造と比較して感磁素子20へ流れ込む磁界が少なくなるため、より広範囲な電流測定が可能となる。
【0032】
(6) 1個の磁気遮蔽用の磁性体を用いる構造では、広範囲の電流を測定するためには感磁素子へ流れ込む磁束を少なくするために磁気遮蔽用の磁性体の幅方向寸法を大きくする又はバスバー10と感磁素子20との間の距離を離さなければならないが、本実施の形態では、磁性体30A,30Bを対面させることにより感磁素子20に流れ込む磁束を抑制可能なため、大電流を測定する際にも各磁性体の幅方向寸法やバスバー10と感磁素子20との間の距離は小さくて済み、電流センサ1の小型化が可能である。
【0033】
(7) 磁性体30A,30Bで囲まれた内側に感磁素子20を配置しているため、コア単体を用いる従来構造より感磁素子20へ流れ込む外乱磁界が少なくなり、外乱ノイズ耐性が向上する。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態2に係る電流センサ2の原理説明図である。この電流センサ2は、実施の形態1のものと比較して、磁性体30A,30Bの間の2つの空隙Gの他方(ないしその近傍)に導体部52を追加で設けた点で相違し、その他の点で一致する。導体部52は、導体部51と同様に、絶縁基板40上に形成された導体パターン(コイルパターン)であり、バスバー10に流れる電流によって発生する磁界が印加されて当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する。導体部52は、抵抗R3と導体部51との間に直列に設けられる。本実施の形態では、実施の形態1と比較して大きな誘導起電力を発生でき、1つの導体部だけでは誘導起電力が足りない場合に有利である。
【0035】
図5は、本発明の実施の形態3に係る電流センサ3の原理説明図である。この電流センサ3は、実施の形態1のものと比較して、導体部51が差動増幅器60の出力信号の経路上(オペアンプ61の出力端子及び抵抗R2の接続点とセンサ出力端子との間)に設けられている点で相違し、その他の点で一致する。本実施の形態では、差動増幅器60または感磁素子20の応答速度が遅くてもセンサ出力信号の立ち上がりを早めることができる。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態4に係る電流センサ4の原理説明図である。この電流センサ4は、実施の形態3のものと比較して、磁性体30A,30Bの間の2つの空隙Gの他方(ないしその近傍)に導体部52を追加で設けた点で相違し、その他の点で一致する。導体部52は、導体部51と同様に、絶縁基板40上に形成された導体パターン(コイルパターン)であり、バスバー10に流れる電流によって発生する磁界が印加されて当該磁界の変化に応じた誘導起電力を発生する。導体部52は、差動増幅器60の出力信号の経路上(オペアンプ61の出力端子及び抵抗R2の接続点とセンサ出力端子との間)に導体部51と直列に設けられている。本実施の形態では、実施の形態3と比較して大きな誘導起電力を発生でき、1つの導体部だけでは誘導起電力が足りない場合に有利である。
【0037】
図7は、本発明の実施の形態5に係る電流センサ5の構成を示す概略斜視図である。回路構成は実施の形態1又は3と同様であり、図示及び説明を省略する。この電流センサ5は、実施の形態1のものと比較して、絶縁基板40は感磁素子20を磁性体30A,30Bの間に設けられるものの空隙G同士を渡す配置ではなく、導体部51が絶縁基板40上を除く位置に設けられている点で相違し、その他の点で一致する。導体部51は、例えば絶縁基板40から延びる不図示のFPC(フレキシブルプリント基板)上に形成された導体パターン(コイルパターン)とすることができるが、これには限定されず、位置決め保持された空芯コイルとしてもよい。本実施の形態は、絶縁基板40の配置が空隙G同士を渡す配置に限定されない点で設計の自由度が高い。
【0038】
図8は、本発明の実施の形態6に係る電流センサ6の構成を示す概略斜視図である。回路構成は実施の形態2又は4と同様であり、図示及び説明を省略する。この電流センサ6は、実施の形態5のものと比較して、磁性体30A,30Bの間の2つの空隙Gの他方(ないしその近傍)に導体部52を追加で設けた点で相違し、その他の点で一致する。導体部52の形成方法は導体部51と同様でよい。本実施の形態では、実施の形態5と比較して大きな誘導起電力を発生でき、1つの導体部だけでは誘導起電力が足りない場合に有利である。
【0039】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0040】
1〜6 電流センサ
10 バスバー
20 感磁素子
30A,30B 磁性体
40 基板
51,52 導体部
60 差動増幅器
61 オペアンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8