(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端部ブロックに被係合部を設けると共に、前記下枠アタッチメントの見付け方向両側部に係合部を設け、この係合部を前記被係合部に係合することで下枠アタッチメントを着脱自在に取り付けた請求項1又は2記載の浴室建具。
前記端部ブロックの下面と下枠本体の脱衣室側上面との間に流入口を有し、この端部ブロックの側面下部と縦枠の内側面との間に流路を有し、この流路が前記流入口に連通すると共に、下枠本体の浴室側上面に連通して排水路とした請求項1〜3いずれか1項記載の浴室建具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の浴室建具であれば、浴室からカバー部材に流れ込んだ水が、排水用空間に流れ落ちるので、浴室からの水が下枠を越えて脱衣室側に流出することを防止できる。
このような下枠を備えた浴室建具においては、排水用空間に水が流れることによって、下枠本体の上面が汚れることがあるので、そのカバー部材を取り外し、下枠本体の上面を清掃することがある。
しかしながら、前述した従来の浴室建具の下枠は、下枠本体の上面に複数の取付部材をビスによって固定し、これらの取付部材にカバー部材を係止して下枠本体に取り付けているので、前述のようにカバー部材を取り外して下枠本体の上面を清掃する際に、その下枠本体の上面に固定した取付部材が邪魔になり、下枠本体の上面を清掃することがやりづらく、面倒であった。
【0005】
本発明の目的は、浴室からの水が下枠を越えて脱衣室側に流出することがないようにできると共に、その下枠本体の上面を簡単に清掃できるようにしたバリアフリータイプの浴室建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、出入口用開口部を有した枠体と、
この出入口用開口部を開閉する障子を備えた浴室建具であって、
前記枠体の下枠は、下枠本体と、この下枠本体の脱衣室側上面に設けられ、前記障子を移動自在にガイドするレールと、前記下枠本体の浴室側上面に設けられた下枠アタッチメントを備え、
前記下枠本体の脱衣室側上面は浴室側上面よりも高い部分を有し、
前記下枠本体の浴室側上面は、脱衣室側が浴室側よりも高い階段形状で、その浴室側には凹条溝を有し、この凹条溝に軟質材より成るスロープ部材が取り付けられ、そのスロープ部材の上面で浴室側上面の脱衣室側と浴室側が滑らかに連続し、
前記下枠本体の見付け方向両側に端部ブロックが、浴室側上面よりも上方に突出してそれぞれ設けられ、
前記下枠アタッチメントの見付け方向両側部を、前記端部ブロックに着脱自在に支持して下枠アタッチメントを取り付けることで、当該
下枠アタッチメントの下面に設けた垂下片がスロープ部材の上面に接し、前記下枠アタッチメントの下面と下枠本体の浴室側上面との間に排水用空間を形成し、
前記下枠アタッチメントの上面は脱衣室側よりも浴室側が低くなるように傾斜し、かつ当該脱衣室側上面が前記下枠本体の脱衣室側上面の高い部分とほぼ同一高さであることを特徴とする浴室建具である。
【0007】
本発明においては、前記端部ブロックの側面を出入口用開口部を形成する縦枠の内側面に接し、その端部ブロックの下面を下枠本体の上面に接した浴室建具とすることができる。
このようにすれば、端部ブロックが縦枠と下枠本体の接合部に水が浸入することを抑制し、その接合部の水密性が向上する。
【0008】
本発明においては、前記端部ブロックに被係合部を設けると共に、前記下枠アタッチメントの見付け方向両側部に係合部を設け、この係合部を前記被係合部に係合することで下枠アタッチメントを着脱自在に取り付けた浴室建具とすることができる。
このようにすれば、下枠アタッチメントを簡単に取り付け、取り外しできるから、下枠本体の浴室側上面を清掃するときに便利である。
【0010】
本発明においては、前記端部ブロックの下面と下枠本体の脱衣室側上面との間に流入口を有し、この端部ブロックの側面下部と縦枠の内側面との間に流路を有し、この流路が前記流入口に連通すると共に、下枠本体の浴室側上面に連通して排水路とした浴室建具とすることができる。
このようにすれば、下枠本体の脱衣室側上面の水を排水路を通して浴室側上面まで流すことができるから、その水を浴室まで円滑に排水できる。
【0011】
本発明においては、前記下枠アタッチメントは、下面に垂下片を有したアタッチメント本体と、このアタッチメント
本体の見付け方向両側に取り付けられ、下面に係合部を有した端部キャップを備え、
前記端部ブロックは、前記凹条溝に嵌め込んで取り付けられてスロープ部材の小口を覆い、前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記アタッチメント本体の垂下片がスロープ部材の上面に接するようにした浴室建具とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、浴室からの水は下枠アタッチメントの上面から下枠本体の脱衣室側上面に流れ落ち、その水は排水用空間から浴室まで排水されるので、浴室からの水が下枠を越えて脱衣室側に流出することがないようにできる。
しかも、下枠本体の浴室側上面はほぼ平坦面で、その上面の見込み方向両側に端部ブロックを有するのみであるから、下枠アタッチメントを取り外すことで、下枠本体の浴室側上面を簡単に清掃できる。
さらに、下枠アタッチメントの上面は下枠本体の脱衣室側上面の高い部分とほぼ同一高さであるから、バリアフリータイプの浴室建具とすることができる。
下枠本体の脱衣室側上面の水が浴室側上面に沿って浴室まで円滑に流れる。
下枠アタッチメントに人が乗ったときに下向きに変形することがないし、下枠アタッチメントと下枠本体がアルミ製であっても金属接触音が発生することがない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の浴室建具を浴室側から見た全体正面図で、理解を容易とするために概略的に図示してあり、
図2以降に詳細に示した浴室建具とは形状、寸法などが相違する。
本発明の浴室建具の枠体1は、浴室の出入口である出入口用開口部1aを有している。
そして、枠体1には障子2が出入口用開口部1aを開閉自在に設けてある。
この実施の形態の枠体1は、一方の縦枠10と他方の縦枠11と上枠12と下枠13を方形状に連結していると共に、その上枠12、下枠13の長手方向中間部に亘って縦骨14を取り付け、一方の縦枠10と縦骨14との間に出入口用開口部1aを形成し、他方の縦枠11と縦骨14との間にパネル装着用開口部1bを形成している。
つまり、一方の縦枠10と縦骨14とが出入口用開口部1aを形成する左右の縦枠である。
【0015】
前述したパネル装着用開口部1bにパネル15を装着して壁部1cとしてある。
前述した障子2は、上框20と下框21と戸先框22と召合せ框23を方形状に連結し、その内部にガラス等のパネル24を装着してある。
この障子2が出入口用開口部1aを閉じたときに、その戸先框22が一方の縦枠10に接すると共に、召合せ框23が縦骨14と見込み方向に重なる。
【0016】
図2、
図3に示すように、縦骨14の見込み寸法は一方の縦枠10、下枠13(図示しない他方の縦枠11、上枠12)の見込み寸法よりも小さく、その縦骨14は下枠13(図示しない上枠12)の見込み方向の浴室側寄りに取り付けられ、縦骨14、一方の縦枠10の見込み方向の浴室側端部は見込み方向に同一位置である。
この縦骨14と一方の縦枠10の見込み方向の浴室側寄り部分とで前述した出入口用開口部1aを形成していると共に、前記壁部1cの見込み方向の脱衣室側寄りに障子引込み部1dを有している。
そして、障子2が出入口用開口部1aを開放したときに、その障子2が障子引込み部1dに引き込まれて収納される。
つまり、この実施の形態の浴室建具は引き込みタイプの引戸である。
【0017】
下枠13は
図2、
図3に示すように下枠本体13aと、この下枠本体13aの出入口用開口部1aを形成する部分(見込み方向の浴室側寄り)に取り付けた下枠アタッチメント13bと、下枠本体13aの見込み方向の脱衣室側寄りに長手方向に亘って設けたレール部材13cを備え、このレール部材13cに沿って障子2が開閉移動する。
一方の縦枠10の見込み方向の脱衣室側寄りに、見付け方向内側に向かう2つの内向片16が見込み方向に間隔を置いて有し、その各内向片16に縦シール材17が見込み方向に相対向して装着され、障子2が閉じたときに戸先框22が縦シール材17に接触して水密するようにしてある。
下枠本体13aのレール部材13cよりも見込み方向の脱衣室側寄りに下横シール材18が装着され、障子2の下框21の脱衣室側面が接触して水密するようにしてある。この下横シール材18は一方の縦シール材17の下部と接触している。
縦骨14の脱衣室側面14bには縦シール材19が脱衣室側に向けて装着してされ、障子2を閉じたときに召合せ框23が縦シール材19に接触してシールする。
【0018】
下枠本体13aは
図4、
図5に示すように、脱衣室側部30と、この脱衣室側部30の見込み方向浴室側端と連続し見込み方向の浴室側に向かう浴室側部31と、この浴室側部31の脱衣室側寄りに設けられた立上り部32を有している。
前述した立上り部32の長手方向一側寄り(一方の縦枠10寄り)及び浴室側部31の長手方向他側寄り(他方の縦枠11寄り)を、立上り部32の切断面(長手方向一端面)32−1と浴室側部31の切断面(長手方向他端面)31−1が長手方向に離隔するようにそれぞれ切断等して除去し、立上り部32の切断面32−1が縦骨14の見付け方向の一方の面に接して前述のパネル装着用開口部1bを形成し、浴室側部31の切断面31−1が縦骨14の見付け方向の他方の面(内側面14a)に接して浴室側部31が出入口用開口部1aに設けられるようにしてある。
【0019】
つまり、この実施の形態では引き込みタイプの引戸であるので、枠体1に障子引込み部1dを形成するために下枠本体13を前述のようにしてあり、引き違いタイプの引戸のように障子引込み部1dを有していない枠体であれば、脱衣室側部30と浴室側部31のみで立上り部32を有していない下枠本体とすることができる。
【0020】
下枠本体13aを
図4〜
図6に基づいて説明する。
脱衣室側部30は、上面板30aと脱衣室側縦板30bと浴室側縦板30cと下面板30dで中空部を有した本体部30eと、脱衣室側縦板30bの上端に設けた脱衣室側に向かう取付片30fを有し、その上面板30aの脱衣室側寄りは上向きに折曲し、段差部30gを境として浴室側寄りよりも高くなり、その高い部分に凹条溝30hが形成され、その凹条溝30hに前述した下横シール材18が装着してある。上面板30aの下面に縦枠と連結するためのビスホール33を有する。
この浴室側部30の上面30Aは、ほぼフラットな水平面で、かつ見込み方向浴室側に向けて水が流れるように傾斜、つまり水勾配が付けてあると共に、段差部30gを境として脱衣室側部が高く、その高い部分に取付片30fを有し、下横シール材18が装着してある。
【0021】
浴室側部31は、上面板30aと連続した第1横板31aと、この第1横板31aの浴室側端部と連続した中間下向き板31bと、この中間下向き板31bの下端部と連続した第2横板31cと、この第2横板31cの見込み方向の浴室側端部と連続した端部下向き板31dでほぼクランク形状に折曲した板状で、その第2横板31cの中間下向き板31b寄りに、上面に開口した凹条溝34を長手方向に連続して有し、第2横板31cの下面には縦枠と連結するためのビスホール33を有する。
この浴室側部31の上面31Aは、脱衣室側寄りが高く、浴室側寄りが低くなるように段差を有した階段形状である。
【0022】
立上り部32は、浴室側部31の第2横板31cにおける凹条溝34の脱衣室側開口縁と連続した立上り板32aと、この立上り板32aの上端部と連続した横板32bと、この横板32bの浴室側端部と連続した上向きコ字状片32cとを有している。
そして、前述のように、立上り部32の長手方向一側寄りを切断して除去すると共に、その残存した立上り部32を有した第2横板31cにおける凹条溝34よりも浴室側寄り部分を切断して除去し、
図2、
図3に示すように下枠本体13aの障子引込み部1dを形成する部分の見込み寸法を出入口用開口部1aを形成する部分の見込み方向よりも小さくしてある。
【0023】
浴室側部31の長手方向他端寄りは、
図5に示すように、第2横板31cの凹条溝34よりも浴室側部分を切断して除去している。
【0024】
図5、
図6に示すように、下枠本体13aの浴室側部31には、第1横板31aの上面(脱衣室側寄り上面)と第2横板31cの上面(浴室側寄り上面)を滑らかに連続するスロープ部材4が長手方向ほぼ全長に亘って設けてある。
このスロープ部材4は、ゴム、樹脂などの軟質材製で、本体40と、この本体40の下面40aに一体に設けられている取付片41を有し、その取付片41を凹条溝34に嵌合することで取り付けられ、本体40の浴室側部40bが中間下向き片31b(段差)に接すると共に、本体40の下面40aが第2横板31cに接触し、その本体40の上面40cの脱衣室側端部が第1横板31aの上面に連続すると共に、本体40の上面40cの浴室側端部が第2横板31cの上面と連続して第1横板31aの上面とスロープ部材4の上面と第2横板31cの上面が直線状に連続する。
【0025】
このようであるから、第1横板31aの上面に流れ込んだ水は、スロープ部材4の上面に沿って第2横板31cの上面にスムーズに流れ落ちて浴室側に流れるので、浴室側部31の上面31Aに溜まることはない。
しかも、本体35aと中間下向き板31b、第2横板31cとの接触部が水密され、その接触部に前述の水が浸入することがない。
【0026】
下枠アタッチメント13bは
図2、
図3に示すように、アタッチメント本体50と、このアタッチメント本体50の長手方向両端部に設けた端部キャップ60を備えている。
この下枠アタッチメント13bは、後述するように、下枠本体13aの出入口用開口部1aを形成する部分の長手方向両端部に取り付けた第1端部ブロック70、第2端部ブロック80に係合して取り付けられ、その下面と下枠本体13aの上面(浴室側部31の上面31A)との間に排水用空間を形成していると共に、下枠本体13aの浴室側端部よりも浴室側に突出している。例えば、浴室床に接する。
この下枠アタッチメント13bの上面は、脱衣室側よりも浴室側が低くなるように傾斜し、かつ脱衣室側上面が前記下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aの高い部分とほぼ同一高さである。これにより、下枠13の上面はほぼフラットとなり、バリアフリータイプの浴室建具としてある。
このアタッチメント本体50はアルミ製で、端部キャップ60は樹脂製である。
【0027】
レール部材13cは
図3に示すように、取付プレート35にレール36を一体に設けたもので、その取付プレート35を下枠本体13aの脱衣室部30の上面板30aに取り付けてある。
このレール36は下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aよりも上方に突出している。
この実施の形態では、取付プレート35に一対のレール36が設けてあると共に、その一対のレール36間に中間シール材37が装着してある。
取付プレート35の下面に裏板38を設け、この裏板38とともに脱衣室側の下向片35aを前述した上面板30aの凹部30iに嵌合すると共に、取付プレート35の浴室側端部35bを立上り部32に接することで取り付けてある。
そして、中間シール材37が他方の縦シール材17の下端部と接触している。
なお、レール36は1本でも良いし、このレール部材13cは下枠本体13aの脱衣室側部30の上面に一体に設けても良い。
【0028】
図7、
図8に示すように、アタッチメント本体50は、表面板51の下面における見込み方向脱衣室側と浴室側に脱衣室側突部52と浴室側突部53を長手方向に連続してそれぞれ有すると共に、脱衣室側突部52寄りに垂下片54が下向きに設けてある。
この垂下片54の長手方向中間部に切欠部55を有する。
【0029】
図7、
図8に示すように、端部キャップ60は、表面板61の下面に係合部、例えば第1係合片62と第2係合片63を見込み方向に離隔して有する。
この表面板61は下面における脱衣室側に脱衣室側端部64を有し、見込み方向に沿う断面形状が、アタッチメント本体50の表面板51の見込み方向に沿う断面形状とほぼ同一で、表面板61と表面板51は表面の形状が同一で、
図2に示すようにアタッチメント本体50の表面と端部キャップ60の表面が滑らかに連続するようにしてある。この実施の形態では脱衣室側端部64に第1係合片62が設けてあるが、別々に設けても良い。
【0030】
前述した端部キャップ60は、表面板61の見付け方向端部に下向きの端面板65を有し、この端面板65に、前記アタッチメント本体50の表面板51の下面に接するプレート66と、前述した脱衣室側突部52と浴室側突部53の見込み方向に対向した面にそれぞれ接する見付け方向に向かう一対の突出片67を有し、前述したプレート66の上面は表面板61の上面よりも低く、表面板61とプレート66は段差を有して連続している。
そして、プレート66と突出片67をアタッチメントの本体50の見付け方向端部に嵌合し、前述した段差部(端面板65)を表面板51の端面に接して端部キャップ60が取り付けてある。
前述した表面板51の脱衣室側突部52と表面板61の脱衣室側突部64とに連続して止水材56が装着してある。
【0031】
前述した第1端部ブロック70は、
図8、
図9に示すように、その見付け方向の側面70aが一方の縦枠10の面内方向の内側面10aに接し、その下面70bが下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aと浴室側部31の上面31A(つまり、下枠本体13aの上面)に接している。
これによって、第1端部ブロック70は下枠本体13aと一方の縦枠10の接合部に水が浸入することを抑制するので、その接合部の水密性が向上する。
例えば、下枠アタッチメント13bの上面に沿って流れ、一方の縦枠10の内側面10aに流れた水は、その内側面10aと第1端部ブロック70の側面70aとの接触部に沿って浴室側に流れ、浴室側部31の上面31Aから浴室に流れる。
【0032】
前記第1端部ブロック70は
図4、
図9に示すように、その脱衣室側部71の上面にレール部72が設けてあると共に、その浴室側部73の下面に取付部74が設けてある。
この取付部74は、前述したスロープ部材4の取付片41と同一断面形状である。
一方の縦枠10の浴室側寄りの内向片16の下部を、第1端部ブロック70の脱衣室側部71が干渉しないように切断して除去し、
図4に示すように第1端部ブロック70を下枠本体13aの長手方向端面と面一となるように取り付けできるようにすることで、
図8に示すように、第1端部ブロック70の側面70aを一方の縦枠10の内側面10aに接することができるようにしている。
【0033】
そして、前述したスロープ部材4の長さを下枠本体13aの長さよりも前述した取付部74の見付け方向寸法(幅)だけ短くし、取付部74を浴室側部31の凹条溝34の長手方向端部寄りに嵌め込んで第1端部ブロック70を取り付けている。
これにより、第1端部ブロック70の脱衣室側端部が下枠本体13aの脱衣室側部30の段差部30gに接し、脱衣室側部71の下面が脱衣室側部30の上面30Aに接すると共に、浴室側部73の下面が浴室側部31の上面31Aに接し、スロープ部材4の長手方向端面(小口)を第1端部ブロック70で覆っている。
【0034】
前述したレール部72は、レール部材13cのレール36と連続している。つまり、レール部材13cの長さは、下枠本体13aの長さと比べて第1端部ブロック71の見付け方向の寸法(幅)だけ短く、
図8に示すように、レール部材13cのレール36が一方の縦枠10の内側面10aまで連続しないので、前述のように第1端部ブロック70を取り付けしてレール部材13cのレール36を第1端部ブロック70のレール部72で一方の縦枠10の内側面10aまで連続するようにしている。
【0035】
図9に示すように、第1端部ブロック70の浴室側部73には、前述した端部キャップ60の係合部と係合する被係合部、例えば第1被係合部75と第2被係合部76が見込み方向に離隔して有する。
この実施の形態では、浴室側部73の上面に上向き凹部77を形成し、その上向き凹部77の浴室側の縦面77aを、垂直面に対して上部が下部よりも脱衣室側寄りとなる斜めの面として第1被係合部75とし、浴室側部73の浴室側端の上部寄りに、浴室側に向けて突出した突部76aを設けて第2被係合部76としてある。
【0036】
そして、
図10に示すように、一方の端部キャップ60の第1係合片62、第2係合片63が第1端部ブロック70の第1被係合部75、第2被係合部76にそれぞれ係合し、一方の端部キャップ60が第1端部ブロック70に係合して取り付けられる。
【0037】
前述した第2端部ブロック80は
図5、
図6、
図7に示すように、その見込み寸法は、下枠本体内13aの浴室側部31の上面31Aにのみ接する値で、第1端部ブロック70の見込み寸法と比べて短く、前述した第1端部ブロック70の浴室側部73における上向き凹部77よりも浴室側寄り部分のみで第2端部ブロック80としてある。
そして、
図7に示すように、第2端部ブロック80の側面80aが縦骨14の見付け方向の内側面14aに接し、下面80bが下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aに接し、下枠本体13aと縦骨14の接合部の水密性を向上している。
【0038】
前記第2端部ブロック80の下面には
図5に示すように、取付部81が設けてあり、この取付部81は前述したスロープ部材4の取付片41と同一断面形状で、その取付部81を、前述した第1端部ブロック70と同様に凹条溝34に嵌め込むことで第2端部ブロック80を取り付けてある。
このようであるから、前述した第1端部ブロック70と同様に、スロープ部材4の長手方向端面(小口)を第2端部ブロック80で覆うことができる。
【0039】
前記第2端部ブロック80には前述した他方の端部キャップ60の係合部と係合する被係合部、例えば第1被係合部82、第2被係合部83を見込み方向に離隔して有する。
この実施の形態では、第2端部ブロック80の脱衣室端部と浴室側端部に突部を設けて第1被係合部82、第2被係合部83としてある。
そして、
図11に示すように他方の端部キャップ60の第1係合片62を第1被係合部82に係合すると共に、第2係合片63を第2被係合部83に係合することで他方の端部キャップ60が第2端部ブロック80に係合して取り付けられる。
【0040】
前述したように、第1端部ブロック70の第1・第2被係合部75,76と第2端部ブロック80の第1・第2被係合部82,83は同一形状で、同一見込み位置であるから、下枠アタッチメント13bを取り付けるには、下枠アタッチメント13bを浴室側が脱衣室側よりも高くなるように斜めの姿勢として各第1係合片62を各第1被係合部75,82に引掛け、その引掛け部を支点として下枠アタッチメント13bを下方に回動することで各第2係合片63を各第2被係合部76,83に係合することで取り付けできる。
したがって、下枠アタッチメント13bを簡単に取り付けできる。
前述の下枠アタッチメント13bを上から下に向けて動かして第1・第2係合片62,63を第1・第2被係合部75,82,76,83に同時に係合しても良い。
【0041】
前述のようにして下枠アタッチメント13bを取り付けることで、
図12に示すように、下枠アタッチメント13bの裏面(アタッチメント本体50の表面板51の裏面)と下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aとの間に排水用空間Bが形成されている。
このようであるから、この下枠アタッチメント13bの上面に沿って流れ、下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aに流れ落ちた水は、前述の排水用空間Bから浴室側に排水され、下枠本体13aを越えて脱衣室側に流れることがない。
【0042】
前述のように、下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aに流れ落ちた水が排水用空間Bに流れるようにするためには、その脱衣室側部30の上面30Aの脱衣室側寄りに高い部分を有することが望ましい。
この実施の形態では段差部30gが高い部分であり、レール部材13cが一体に設けてある場合にはレールが高い部分となる。
【0043】
前述した下枠アタッチメント13bを取り外しする場合には、下枠アタッチメント13bを工具などを利用して上方にこじることで係合部と被係合部が離脱すれば良いから、下枠アタッチメント13bを簡単に取り外しできる。
しかも、下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aは、その見付け方向(長手方向)の両端寄りに第1・第2端部ブロック70,80が取り付けてあるだけで、その見付け方向中間部は大きな凹凸がない平坦面であるから、その浴室側部31の上面31Aを簡単に清掃することができる。
【0044】
前述のように、下枠本体13bの見付け方向両側部(端部キャップ60)を下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aよりも上方に突出した第1・第2端部ブロック70,80で支持し、排水用空間Bを形成しているので、下枠本体13bの見付け寸法が大きい場合等には、下枠本体13bに人が乗った際に、その下枠本体13bの見付け方向中間部(アタッチメント本体50)が下向きに変形する恐れがあるが、この実施の形態では下枠本体50の垂下片54がスロープ部材4の上面に接しているので、下向きに変形することがない。
しかも、スロープ部材4はゴムや樹脂などの軟質材であるから、下枠本体13a、アタッチメント本体50がアルミ製であっても金属接触音(音鳴り)が発生することがない。
さらに、浴室側部31の上面31Aに沿って流れる水は、垂下片54の切欠部55を通して浴室側に流れるから、垂下片54があっても浴室に排水できる。
【0045】
一方の縦枠10の内側面10aと第1端部ブロック70との間には、前述のように、下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aに沿って流れる水の一部を浴室側部31の上面31Aまで排水する排水路が形成してある。
例えば、
図13、
図14に示すように第1端部ブロック70の脱衣室側部71の下面に切欠部78を形成して脱衣室側部30の上面30Aとの間に流入口を形成し、第1端部ブロック70の一方の縦枠10の内側面10aと接触する側面70aの下部に切欠部79を形成して第1端部ブロック70の側面70a下部と一方の縦枠10の内側面10aとの間に前述の流入口を浴室側部31の上面31Aまで連続する流路を形成することで、脱衣室側部30の上面30Aの水が
図13、
図14に矢印(a)で示すように流入口、流路に沿って流れるようにする。
【0046】
この実施の形態では、
図10に示すように、第1端部ブロック70は上面板70bと縦面板70cとで鉤形状の本体とし、その上面板70bの下面と縦面板70cの側面とに亘って複数の下向片70dを設けると共に、浴室側端面板70eを設けた形状とし、その縦面板70cに切欠部78を形成すると共に、下向片70dの下部と浴室側端面板70eの下部に切欠部79を形成してある。
【0047】
このようであるから、脱衣室側部30の上面30A、レール部材13cの見付け方向(長手方向)に沿って流れた水を、第1端部ブロック70と一方の縦枠10の内側面10aとの間に形成した排水路で浴室側部31の上面31Aまで円滑に排水することができる。
【0048】
縦骨14の内側面14aと第2端部ブロック80との間には、前述のように、下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aに沿って流れる水の一部を浴室側部31の上面31Aまで排水する排水路が形成してある。
例えば、
図5、
図11に示すように、第2端部ブロック80の側面80aの下部と縦骨14の内側面14aとの間に流路を形成することで、脱衣室側部30の上面30Aの水が矢印(b)で示すように流路に沿って流れるようにしてある。
【0049】
この実施の形態では、第2端部ブロック80は、
図5に示すように、見込み方向に向かう本体部84と、その本体部84の脱衣室側端に見付け方向の他方(つまり、他方の縦枠11に向かう方向)に向けて設けた突出部85で平面形状が鉤形状で、その本体部84の側面84aを上部が下部よりも見付け方向に張り出した形状とし、その側面84aの上部を縦骨14の内側面14aに接し、その側面84aの下部と縦骨14の内側面14aとの間に隙間を形成して見込み方向に向かう流路とする。
前述の突出部85の浴室側面85aを上部が下部よりも浴室側に張り出した縦方向の鉤形状とし、その浴室側面85aの上部を縦骨14の脱衣室側面14bに接し、その浴室側面85aの下部と縦骨14の脱衣室側面14bとの間に隙間を形成して見付け方向に向かう流路とし、この流路と前述の流路で平面形状がほぼ鉤形状の排水路としてある。
【0050】
このようであるから、枠体1の障子引込み部1dに流入した水を、下枠本体13aの脱衣室側部30の上面30Aに沿って
図5に矢印(b)で示すように見付け方向に流れるようにすることで、前述した縦骨14と第2端部ブロック80との間に形成した排水路を通して浴室側に円滑に排水できる。
【0051】
前述の実施の形態は、枠体1が縦骨14を備えた出入口用開口部1aと障子引込み部1dを有するものであるから、第2端部ブロック80を用いたが、枠体1が出入口用開口部1aのみを有するものであれば、他方の縦枠11は一方の縦枠12と同一見込み寸法であるから、第1端部ブロック70を両方の縦枠10,11の内側面と対向してそれぞれ設けることができる。
【0052】
前述の実施の形態では、下枠アタッチメント13bの各端部キャップ60に見込み方向に離隔して設けた第1係合片62と第2係合片63を、第1・第2端部ブロック70,80に見込み方向に離隔して設けた第1被係合部75,82と第2被係合部76,83にそれぞれ係合し、下枠アタッチメント13bの見付け方向両側部を下枠本体13bに、それぞれ見込み方向に係合して取り付けしたが、下枠アタッチメント13bの見付け方向一側部と他側部を下枠本体13bに見付け方向に係合して取り付けても良い。
【0053】
例えば、
図15に示すように下枠アタッチメント13bの各端部キャップ60の表面板61の裏面における脱衣室側寄りに係合片90をそれぞれ設け、この各係合片90は見付け方向に向かう係合突部91を有して係合部としてある。
前述した各係合突部91は見付け方向の外側に向いている。
第1端部ブロック70と第2端部ブロック80は、見付け方向に向かう被係合部92をそれぞれ有し、この各被係合部92は見付け方向の内側に向かい、かつ相対向している。
【0054】
そして、各係合片90の係合突部91を第1・第2端部ブロック70,80の被係合部92にそれぞれ係合することで下枠アタッチメント13bを
図16に示すように下枠本体13aに取り付ける。
これにより、
図17に示すように第1の実施の形態と同様に、下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aと下枠アタッチメント13bの下面との間に排水用空間Bを形成すると共に、下枠アタッチメント13bのアタッチメント本体50に設けた垂下片54がスロープ部材4に接する。
【0055】
前述したアタッチメント本体50は
図15に示すように、前述した第1の実施の形態と同様で、端部キャップ60は表面板61のみを有した形状で、この表面板61とアタッチメント本体50の表面板51が、同一見込み寸法で、両方の表面板51,61が連続するように取り付けてある。
前述の表面板61の脱衣室側寄りに切欠部61aを有する。
【0056】
前述の第1端部ブロック70は
図17、
図19、
図20に示すように、その上面70cが脱衣室側寄りが浴室側寄りよりも高い階段形状で、その浴室側寄りの内側面上部に被係合部92が設けてあり、その下面70bに取付部74を有し、その取付部74を下枠本体13aの浴室側部31の凹条溝34に嵌め込んで取り付けられ、下面70bが下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aに接する。
そして、第1端部ブロック70の側面70aが一方の縦枠10の内側面10aに接している。
図16に示すように、表面板61の切欠部61aが一方の縦枠10の浴室側の内向片16と対向し、表面板61の残存した部分61bが内向片16よりも脱衣室側まで張り出し、止水材56を一方の縦シール材17と接触できるようにしてある。
【0057】
前述の第2端部ブロック80は
図18と
図21に示すように、下面80bに取付部81を有し、その取付部81を下枠本板13aの凹条溝34に嵌め込んで取り付けられ、下面80bが下枠本体13aの浴室側部31の上面31Aに接すると共に、その側面80aが縦骨14の内側面14aに接するようにしてある。
この第2端部ブロック80の上面80cは、脱衣室側寄りが浴室側寄りよりも高い階段形状である。
そして、
図16に示すように第2端部ブロック80は縦骨14の脱衣室側面14bよりも脱衣室側に張り出し、その上面80cの脱衣室側寄りが端部キャップ60の表面板61の切欠部61aに合致している。
【0058】
この第2端部ブロック80は、その側面80aの下部に開口すると共に、浴室側端面80dに開口した排水路を有し、枠体1の障子引込み部1dの水が下枠本体13aの上面に沿って流れ、前述した排水路を通して
図21に矢印(c)で示すように排水することができる。
【0059】
この実施の形態の下枠本板13aは、そのレール部材13cが脱衣室側部30の上面30Aに一体に設けてあり、レール36を有しているのみである。
この実施の形態においても枠体1が出入口用開口部1aのみを有する場合には、縦骨14を用いずに一方の縦枠10を左右に設けて出入口用開口部1aを形成し、第1端部ブロック70を見付け方向両側に取り付けることができる。