【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer−Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の基板(1)が、少なくとも部分領域においてガラス及び/若しくはガラス状の材料を含むか、又はガラス及び/若しくはガラス状の材料からなる、請求項1記載の方法。
前記少なくとも1つの層(2)が、少なくとも該層(2)の、前記第1の基板(1)に結合される面に、少なくとも1つの第2の凹部(3)を備える、請求項1又は2記載の方法。
前記少なくとも1つの第2の基板(5)への前記積層体(7)の接触後、前記少なくとも1つの補強要素(4)が前記第1の基板(1)に対して移動及び/又は回動することを軽減又は防止する少なくとも1つの固定要素(16)を形成する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
前記第1の基板(1)の少なくとも部分領域に、少なくとも1つの処理コーティング及び/又は機能性の表面構造を設ける、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
前記機能性の表面構造としてモスアイ構造を、前記少なくとも1つの層(2)を前記第1の基板(1)に被着する前に、少なくとも前記少なくとも1つの層(2)の、前記第1の基板(1)に結合される面に、モスアイ構造のネガ型を設け、前記少なくとも1つの層(2)を前記第1の基板(1)に被着した後、該第1の基板(1)の形状付与中、前記モスアイ構造が前記第1の基板(1)の前記第1及び/又は第2の基板面(1a,1b)に、前記少なくとも1つの層(2)に設けられた前記ネガ型が前記第1の基板(1)の前記第1及び/又は第2の基板面(1a,1b)に象られることによって形成されるように、形成する、請求項5記載の方法。
前記処理コーティングを、前記少なくとも1つの層(2)を前記第1の基板(1)に被着する前に、少なくとも前記少なくとも1つの層(2)の、前記第1の基板(1)に結合される面に、前記処理コーティングを設け、次に前記第1の基板(1)と前記少なくとも1つの層(2)との間の結合を、前記処理コーティングと前記第1の基板(1)との間の結合により形成するか、又は前記少なくとも1つの層(2)を前記第1の基板(1)に被着する前に、前記処理コーティングを前記第1の基板(1)に被着し、次に前記少なくとも1つの層(2)を前記処理コーティングに被着し、前記少なくとも1つの層(2)及び前記処理コーティングの構造化並びに前記変形ステップ後、前記少なくとも1つの層(2)は除去され、前記処理コーティングは前記第1の基板(1)に残されるように、形成する、請求項5又は6記載の方法。
前記光学部品は、マイクロシステム用のカバー(22)であり、カバー(22)は、少なくとも1つの第1の凹部(1c)を有し、前記第1の凹部(1c)が少なくとも部分的に、少なくとも1つの光学素子(8,30,32)により画成されており、前記光学素子(8,30,32)は、2つの透過面(9)を備え、該透過面(9)の二乗平均平方根粗さは、25nm以下であり、かつ該透過面(9)は、それぞれ、それぞれの透過面(9)が配置されているカバー面のカバー基準平面(33)に対して移動されてかつ/又は傾倒されて配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
前記少なくとも1つの光学素子(8,30,32)の透過面(9)は、平坦かつ/又は互いに面平行に構成されている、請求項8から12までのいずれか1項記載の方法。
単数又は複数の載置構造(13)を形成し、該載置構造(13)の形成を、該載置構造(13)が、前記第1の基板(1)の載置領域(11a)を保護する、かつ/又は前記第1の基板(1)と前記少なくとも1つの第2の基板(5)との間のスペーサとして機能するように行う、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
前記少なくとも1つの第2の基板(5)との前記積層体(7)の接触を、前記少なくとも1つの第2の基板(5)内に設けられた第3の凹部(6)によって中空室(10)が、前記少なくとも1つの第2の基板(5)と前記積層体(7)との間に形成されるように行う、請求項19記載の方法。
前記少なくとも1つの第2の基板(5)との前記積層体(7)の接触を、前記載置構造(13)によって中空室(10)が、前記少なくとも1つの第2の基板(5)と前記積層体(7)との間に形成されるように行う、請求項16記載の方法。
【技術分野】
【0001】
技術分野
完成したマイクロシステム、一般にはマイクロマシンシステム(MEMS)及びマイクロオプティカルシステム(MOEMS又は光MEMS)、例えば加速度センサ、ヨーレートセンサ、マイクロミラーは、一般に、極めて敏感な、部分的に自由に可動なマイクロ構造(例えばビーム、グリッド、プレート)からなる。大抵の場合、製造のために必要とされる製造ステップ(例えば層析出、フォトリソグラフィ、エッチング法)中、可動なマイクロ構造は、なお固定であり、これにより不動に基板(キャリア基板)、一般にはウエハ(キャリアウエハ)に結合されている。いわゆる「リリース」プロセスによって初めて、これらのマイクロ構造は自由に可動となる。この時点から、可動のマイクロ構造は特に敏感であるため、不純物又は機械的な過負荷は、これらのマイクロ構造の破損又は機能制限、ひいてはマイクロシステムの機能不全に至らしめる場合がある。つまり、例えばウエハを個別化、つまりウエハを個々のチップにソーイング又はダイシングする際に、ウエハ表面、ひいてはマイクロシステムのマイクロ構造が、パーティクル及び水と接触する。さらに、マイクロ構造は、ソーイングプロセス又はダイシングプロセス中、比較的強い機械的な負荷に曝される場合がある。
【0002】
それでもなお、マイクロシステムを高い歩留まりで安価に製造することができるように、「リリース」プロセスや、特に可動のマイクロ構造を保護するための措置を、キャリア基板が個別化又は分割される前に既に行う試みがなされている。
【0003】
マイクロシステムをカプセル化するために頻繁に利用される1つの可能性は、キャリア基板に結合され、これにより少なくともパッケージの一部をなす、対応するように構造化されたカバーを用意することにある。
【0004】
本発明は、マイクロシステム、特に光学的な機能を充足しなければならないマイクロシステムをカプセル化するためのカバー、及び特にこのようなカバーを製造する方法に関する。本発明に係る方法は、カプセル化、特にウエハレベルで、すなわち個別化プロセス前、ひいてはキャリア基板又はキャリアウエハの分割前にカプセル化のために使用可能なカバーを製造するためにも適している。
【0005】
背景技術
マイクロシステム、一般にはMEMS/MOEMSをカプセル化するためのパッケージ、及びこのようなパッケージを特にウエハレベルで製造する方法、いわゆるウエハレベルパッケージング法(Wafer−Level−Packaging−Verfahren)は、半導体産業において公知である。
【0006】
例えばUS6743656に記載されているように、MEMS/MOEMSを備えるウエハ(キャリアウエハ)は、所定寸法のエッチングされた凹部を備えるカバーとしての別のウエハ(カバーウエハ)に結合される。一般に、ウエハはシリコンウエハであるので、カバーウエハに設けられる凹部も、シリコンテクノロジの実証された方法で簡単かつ精緻に製造可能である。その後、続いての個別化プロセス、一般にはソーイングプロセス又はダイシングプロセスにおいて、個別のカプセル化されたチップが、MEMS/MOEMSの汚染が生じる恐れなしに、形成される。
【0007】
MEMS/MOEMSが光学的な機能を果たすべきであるか、又はMEMS/MOEMSの所定のパラメータ又は物理量が光学的に測定されるべきであれば(例えば干渉計を用いた変位の測定又はビデオシーケンスの評価による変位の測定)、一般に、光学的に透明なカバーが必要である。
【0008】
WO2004/1068665には、MOEMSのためのウエハレベルパッケージング法が記載されている。このMOEMSは、ガラスからなるカバーを有する。しかし、カプセル化プロセス前に、MOEMSを備えるキャリアウエハは個別化される。結果的に生じる個別の、カプセル化されていないチップ(ダイス)は、新しい基板上に配置され、実装され、接点接続されて初めて、引き続きカプセル化される。カバーに設けられる凹部は、公知のエンボシング法及びエッチング法により、かつ/又はスペーサ、例えばシリコンからなるスペーサの使用により形成可能である。
【0009】
US6146917には、MEMS/MOEMSのためのウエハレベルパッケージング法が記載されている。この公知のウエハレベルパッケージング法では、シリコン又はガラスからなる、凹部を備えるカバーウエハが、フュージョンボンディング(Fusions−Bonden)又はアノーディックボンディング若しくは陽極接合によってキャリアウエハに結合される。このことからハーメチック又は気密なパッケージが生じる。シリコンからなるカバーウエハに設けられる必要な50〜150μmの深さの凹部の製作は、KOH溶液を用いた湿式化学エッチングによって行うことができる。
【0010】
US2005/0184304には、表面マイクロマシニングにより製造されるマイクロミラーアレイをカプセル化するためのウエハレベルパッケージング法が記載されている。ガラスからなるカバーウエハは凹部を有する。凹部は、光学窓として役立ち、適当なコーティング層(Verguetungsschicht)を有していてよい。カバーウエハに設けられる凹部は、100μm超の深さを有していてよく、常套の形状付与法、例えばエッチング、キャスティング若しくはエンボシングによって、又はスペーサの使用によって形成される。
【0011】
上述のすべての刊行物は、カバーの光学窓がキャリア基板、特にキャリアウエハの基板平面(キャリア基板平面)に平行、ひいてはキャリア基板、特にキャリアウエハ上に配置されるMEMS/MOEMSに対して平行に構成されている点で共通している。さらに、従来技術には、キャリア基板平面に対して傾倒されて構成される光学窓により画成されている凹部を備えるカバーが記載されている。
【0012】
光学窓の材料、大抵の場合、ガラスと、周囲の空気との間の屈折率の相違に基づいて、入射した放射の一部は、光学窓の表面で反射される(
図1a)。種々異なる光学的な用途、例えばキャリア基板平面に関して傾動可能に支承された、レーザ投射法(Laser−Projektionsverfahren)のためのマイクロミラーにおいて、カバーの光学窓における望ましくない反射は、この用途に、障害となる影響を及ぼし、例えば、投射される画像情報に重畳するように永続的に特定位置を照射する。反射は、特に、投射される放射と反射とが同じ角度で出射する際に問題となる(
図1a)。この状況は、特に、例えばマイクロミラーの使用される角度範囲が、マイクロミラーのミラー面がカバーの光学窓に対して平行に配向されている位置を作業範囲内において占めることができる場合に生じる。特別に処理(veredelt)された表面を有しないホウケイ酸ガラスからなる光学窓においては、一般に、垂直に入射した放射の4〜5%が反射する。適当なコーティング又は層系による光学窓の加工処理によって、反射を著しく軽減することが可能である。使用される特定の波長のために、極めて低い反射度が達成される一方、このような努力には、ワイドな放射スペクトル又は種々異なる波長成分を有する放射を使用する場合、自ずと限界がある。0.1%を下回る残余の反射の減少は、かなりのコストをかけてのみ可能である。例えば一軸のマイクロミラーの場合、ミラー表面と光学窓の表面との間の比較的小さな幾何学的な間隔に基づいて、反射と、投射又は変向される放射又はビームとの間には、小さな間隔が存在するにすぎない。それゆえ、絞り構造の使用は、確かに可能であるものの、精緻な調整、とりわけ入射する放射及び投射される放射が一般に1mm領域の直径を有するためになおさらのこと、精緻な調整を必要とする。これに対して、二軸のマイクロミラーの場合、反射はいずれにしても投射領域内にあり、付加的な構造を設けることによっては消去されない。
【0013】
相応に、WO2007/069165に記載されるように、傾倒された光学窓によって、投射領域又は画像領域に入射した反射の付加的な減少が達成可能である。
【0014】
US2006/0176539A1には、チップレベルでのカプセル化のために、キャリア基板平面に関する、ひいてはマイクロミラーのミラー面に関する光学窓の傾きによって、反射領域と投射領域との分離(反射消去)が達成されるカバージオメトリが記載されている。ウエハレベルでMEMS/MOEMSをカプセル化するための前記カバーの使用は、実現不可能である。カバーに設けられる凹部は、一般的なエッチング法によって形成される。
【0015】
発展形は、US2007/0024549A1に記載されている。この刊行物によれば、ウエハレベルでのカプセル化を可能にするカバーも製造可能である。カバーの形状付与又は必要な凹部の実現は、公知のエンボシング法及び形状付与法によってなされる。
【0016】
このような形状付与法には、例えばガラス深絞り(Glastiefziehen)及び精密成形(Blankpressen)が含まれる。特に精密成形は、光学部品、例えばレンズを製造するためにも使用される(Bernd Bresseler 「Mikroproduktion - Der Werkzeugbau als Mass der Dinge」、インターネットサイト、http://www.aixtooling.de/index.html?content=/deutsch/aktuelles/aktuelles.html、及びJohn Deegan Rochester Precision Optics「Precision Glass Molding Technical Brief」、インターネットサイト、http://www.rpoptics.com/Precision%20Glass%20Molding%20Technical%20Brief_2.pdf参照)。
【0017】
平坦な又は面平行な面を有する光学部品、例えばミラー又は半透明のミラー及びビームスプリッタ(刊行物Chuan Pu、Zuhua Zhu及びYu-Hwa Lo「Surface Micromachined Integrated Optic Polarization Beam Splitter」、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、第10巻第7号、1998年7月、及びLih Y. Lin及びEvan L. Goldstein「Micro-Electro-Mechanical Systems (MEMS) for WDM Optical-Crossconnect Networks」、IEEE、1999年)は、マイクロシステム技術において、一般にシリコンから製造される。こうして、例えば異方性の湿式化学エッチングプロセス、例えばKOHを用いた異方性の湿式化学エッチングプロセスによって、傾倒されたミラーが実現される(刊行物Jenq-Yang Chang、Chih-Ming Wang、Chien-Chieh Lee、Hsi-Fu Shih及びMount-Learn Wu「Realization of Free-Space Optical Pickup Head With Stacked Si-Besed Phase Elements」、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS)。
【0018】
別の刊行物(Kyounggsik Yu、Daesung Lee、Uma Krishnamoorthy、Namkyoo Park及びOlav Solgaard「Micromachined Fourier transform spectrometer on silicon optical bench platform」、Sensors and Actuators A130-131(2006年)、第523頁〜第530頁)では、マイクロオプティカルビームスプリッタ及び傾倒されたミラーが、やはり種々異なるエッチング法によって製造される。光学的な機能を有する表面の高い品質、特に低い粗さについて参照されたい。湿式化学的なKOHエッチングにより、シリコン中に、20nmより低い二乗平均平方根粗さ(quadratische Oberflaechenrauigkeit)あるいはrmsを有する表面が達成される。しかし、このような表面は、標準のシリコンウエハにおいて、シリコンの結晶構造によって予め決められた所定の傾き角でのみ実現可能である。
【0019】
エッチング法によるガラス、例えばホウケイ酸ガラスをベースとする適当な光学部品の製造は、一般に、光学用途にとって満足の行かない粗さを有する表面に至る(刊行物Xinghua Li、Takashi Abe、Masayoshi Esashi「Deep reactive ion etching of Pyrex glass using SF
6 plasma」、Sensors and Actuators A87、2001年、第139頁〜第145頁、及びCiprian Iliescu、Kwong Luck Tan、Francis E. H. Tay、Jianmin Miao「Deep Wet and Dry Etching of Pyrex Glass」、A Review参照)。
【0020】
発明の概要
それゆえ、本発明の課題は、背景技術の欠点を克服し、カプセル化したいマイクロシステムに十分なスペース及び/又は運動自由度を保証し、かつ透過される放射に対する可及的小さな妨害影響を保証するカバーを提供することである。さらに、課題は、本発明に係るカバーを製造する方法、又は移動されたかつ/又は傾倒された領域及び高い表面品質を有する光学部品を製造する方法を提供することである。
【0021】
本発明によれば、この課題は、請求項1記載のカバー、すなわち、マイクロシステムのためのカバーにおいて、当該カバーが単数若しくは複数のカバーユニットを有するか、又は単数若しくは複数のカバーユニットからなり、少なくとも1つのカバーユニットが、変形によって形成される少なくとも1つの第1の凹部を有しており、該第1の凹部が少なくとも部分的に、25nm以下の二乗平均平方根粗さを有する少なくとも1つの光学窓により画成されていることを特徴とする、マイクロシステムのためのカバーによって解決される。従属請求項は、有利な形態に係る。好ましくは、前記少なくとも1つの光学窓の二乗平均平方根粗さが、15nm以下、有利には5nm以下である。好ましくは、前記少なくとも1つの光学窓が、カバー基準平面に関して移動されてかつ/又は傾倒されて配置されている。好ましくは、当該カバーが、少なくとも部分領域においてガラス及び/又はガラス状の材料を含むか、又はガラス及び/又はガラス状の材料からなる。好ましくは、ガラスがケイ酸塩ガラス、特にホウケイ酸ガラスである。好ましくは、当該カバーの最大の大きさが、80mm以上、特に150mm以上である。好ましくは、前記少なくとも1つの光学窓の透過面が、平坦かつ/又は互いに面平行に構成されている。好ましくは、前記透過面が、前記用途で使用される電磁放射の波長の4分の1より小さな平面度偏差及び/又は面平行度偏差を有する。好ましくは、前記透過面が、180nm以下、有利には110nm以下の平面度偏差及び/又は面平行度偏差を有する。好ましくは、前記カバーに少なくとも部分的に、少なくとも1つの処理コーティング及び/又は機能性の表面構造が設けられている。好ましくは、前記少なくとも1つの処理コーティングが、反射防止コーティング、吸収コーティング及び/又は反射コーティングである。好ましくは、前記少なくとも1つの処理コーティングが帯電防止コーティングである。好ましくは、前記帯電防止コーティングがITOを含むか、又はITOからなる。好ましくは、前記機能性の表面構造がモスアイ構造である。好ましくは、キャリア基板平面に関して傾動可能に支承された少なくとも1つのマイクロミラーをカプセル化するために役立ち、前記光学窓の少なくとも1つが、当該カバーをキャリア基板に結合した後、前記キャリア基板平面に関して傾倒されて構成されている。好ましくは、前記光学窓の傾き角が、傾動可能に支承された前記マイクロミラーの作業範囲の最大の傾動角より大きい。好ましくは、前記傾き角が15°以上である。請求項18に係る発明は、光学部品、特に本発明に係るカバーを製造する方法、すなわち、光学部品を製造する方法において、以下のステップ、すなわち:第1の基板を用意し、少なくとも1つの層を前記第1の基板に被着することによって積層体を形成し、少なくとも1つの補強要素を形成するために前記少なくとも1つの層を構造化し、少なくとも1つの第2の基板を用意し、前記少なくとも1つの第2の基板を前記積層体に接触させ、前記第1の基板の、前記少なくとも1つの補強要素によって被覆された少なくとも1つの領域が移動かつ/又は傾倒されるように、前記第1の基板を加熱し、かつ変形させるというステップを有することを特徴とする、光学部品を製造する方法に係る。従属請求項は、有利な形態に係る。好ましくは、前記第1の基板が、少なくとも部分領域においてガラス及び/若しくはガラス状の材料を含むか、又はガラス及び/若しくはガラス状の材料からなる。好ましくは、前記ガラスがケイ酸塩ガラス、特にホウケイ酸ガラスである。好ましくは、前記少なくとも1つの層が、少なくとも部分領域において半導体材料を含むか、又は半導体材料からなる。好ましくは、前記少なくとも1つの層が半導体ウエハ、特にシリコンウエハである。好ましくは、前記少なくとも1つの層が、少なくとも該層の、前記第1の基板に結合される面に、少なくとも1つの第2の凹部を備える。好ましくは、前記第1の基板への前記少なくとも1つの層の被着を陽極接合及び/又は熱接合によって行う。好ましくは、前記少なくとも1つの第2の基板への前記積層体の接触後、前記少なくとも1つの補強要素が前記第1の基板に対して移動及び/又は回動することを軽減又は防止する少なくとも1つの固定要素を形成する。好ましくは、前記少なくとも1つの固定要素を、前記少なくとも1つの補強要素と同じ方法ステップで、前記少なくとも1つの層の構造化により形成する。好ましくは、単数又は複数の載置構造を形成し、該載置構造の形成を、該載置構造が、前記第1の基板の載置領域を保護する、かつ/又は前記第1の基板と前記少なくとも1つの第2の基板との間のスペーサとして機能するように行う。好ましくは、前記少なくとも1つの載置構造を、前記少なくとも1つの補強要素と同じ方法ステップで、前記少なくとも1つの層の構造化によって形成する。好ましくは、前記第1の基板の両基板面に前記補強要素の少なくとも1つを配置する。好ましくは、前記補強要素の少なくとも1つを、前記第1の基板の、該補強要素によって被覆された前記領域の、加熱時及び変形時の傾倒が助成されるように配置する。好ましくは、前記補強要素の少なくとも1つを、非中心的に、前記第1の基板の変位領域内に配置する。好ましくは、前記少なくとも1つの第2の基板の、前記積層体に接触させられる領域が、黒鉛を含むか、又は黒鉛からなる。好ましくは、前記少なくとも1つの第2の基板が、少なくとも1つの第3の凹部を備える。好ましくは、前記少なくとも1つの第3の凹部が、100μm〜1000μmの深さを有する。好ましくは、前記少なくとも1つの第2の基板との前記積層体の接触を、前記少なくとも1つの第2の基板内に設けられた第3の凹部によって中空室が、前記少なくとも1つの第2の基板と前記積層体との間に形成されるように行う。好ましくは、前記少なくとも1つの第2の基板との前記積層体の接触を、前記載置構造によって中空室が、前記少なくとも1つの第2の基板と前記積層体との間に形成されるように行う。好ましくは、前記中空室内に、周囲圧、特に大気圧を下回るか、又は上回る圧力を形成する。好ましくは、前記第1の基板を加熱及び変形の方法ステップ中に、変形領域の材料の軟化温度−150℃と軟化温度+100℃との間にある温度、特に約750℃と約900℃との間にある温度にもたらす。好ましくは、前記第1の基板の変形を自重の力によって惹起する。好ましくは、前記第1の基板の変形を、外部から加えられる力によって惹起する。好ましくは、前記外部から加えられる力を、前記第1の基板の両基板面間の、特に変位領域における圧力差によって生じる。好ましくは、前記少なくとも1つの層を変形後に少なくとも部分的に除去する。好ましくは、前記第1の基板の少なくとも部分領域に、少なくとも1つの処理コーティング、特に反射防止コーティング、帯電防止コーティング、反射コーティング及び/若しくは吸収コーティング、並びに/又は機能性の表面構造を設ける。好ましくは、前記機能性の表面構造としてモスアイ構造を、前記少なくとも1つの層を前記第1の基板に被着する前に、少なくとも前記少なくとも1つの層の、前記第1の基板に結合される面に、モスアイ構造のネガ型を設け、前記少なくとも1つの層を前記第1の基板に被着した後、該第1の基板の形状付与中、前記モスアイ構造が前記第1の基板の前記第1及び/又は第2の基板面に、前記少なくとも1つの層に設けられた前記ネガ型が前記第1の基板の前記第1及び/又は第2の基板面に、特に前記光学窓の透過面に象られることによって形成されるように、形成する。好ましくは、前記処理コーティングを、前記少なくとも1つの層を前記第1の基板に被着する前に、少なくとも前記少なくとも1つの層の、前記第1の基板に結合される面に、前記処理コーティングを設け、次に前記第1の基板と前記少なくとも1つの層との間の結合を、前記処理コーティングと前記第1の基板との間の結合により形成するか、又は前記少なくとも1つの層を前記第1の基板に被着する前に、前記処理コーティングを前記第1の基板に被着し、次に前記少なくとも1つの層を前記処理コーティングに被着し、前記少なくとも1つの層及び前記処理コーティングの構造化並びに前記変形ステップ後、前記少なくとも1つの層、特に前記少なくとも1つの補強要素は除去され、前記処理コーティングは前記第1の基板、特に前記光学窓に残されるように、形成する。請求項46、47に係る発明は、有利な使用、すなわち、上述のカバーの、マイクロミラー、特に可動のマイクロミラーをカプセル化するための使用、及び上述のカバーの、ウエハレベルでカプセル化するための使用に係る。
【0022】
マイクロシステムをカプセル化するためのカバーは、一般に、汚染物質に対する少なくとも1つの保護手段を提供すると同時に、マイクロシステムの機械的かつ/又は光学的な機能性に影響を及ぼさないことが望ましい。マイクロシステムの機能性が、キャリア基板平面内での又はキャリア基板平面に対して平行な運動だけに限定されず、キャリア基板平面に対して垂直な運動も予定されているのであれば、カバーはマイクロシステムに対して、一般に、適当な運動自由度を保証しなければならない。
【0023】
本発明に係る、マイクロシステムのためのカバーは、単数若しくは複数のカバーユニットを有するか、又は単数若しくは複数のカバーユニットからなり、少なくとも1つのカバーユニットが、変形によって形成される少なくとも1つの第1の凹部を有しており、第1の凹部が少なくとも部分的に、25nm以下の二乗平均平方根粗さを有する少なくとも1つの光学窓により画成されている。
【0024】
本発明に係るカバーは、マイクロシステム、有利にはミリメートル、マイクロメートル及び/又はナノメートル領域の大きさを有するマイクロシステムをカバー又はカプセル化するために役立つ。本発明の意味において、マイクロシステムとは、特にマイクロマシンシステム(MEMS)、マイクロオプティカルシステム(MOEMS又は光MEMS)及び/又はマイクロ構成素子と解される。
【0025】
カバーユニットとは、本発明において、カバー、又はカバーの、カプセル化のために必要とされる最小の単位をなす部分と解される。例えば半導体技術において、カプセル化すべき最小の単位はダイと呼ばれる。ダイは、一般に、ウエハのダイシング又はソーイングによって得られる。相応に、1つのカバーユニットは1つのダイをカプセル化する。特にウエハレベルで、しばしば、複数のカバーユニットを備えるか、又は複数のカバーユニットからなるカバーが使用される。それゆえ、本発明に係るカバーは、有利には複数のカバーユニット、特にカバーユニットの二次元のアレイから構成される。カバーをキャリア基板に結合することにより、多数のマイクロシステムを同時にカプセル化することができる。後続の分離ステップ、例えばソーイングステップ又はダイシングステップにおいて、キャリア基板の個々のカプセル化された領域を分割する。このとき、相応にカバーも、個々のカバーユニットに分割される。相応に、本発明に係るカバーは、有利には一体的に、つまり1つのピースとして構成されており、相応に、複数のパーツの素材結合(stoffschluessig)式、摩擦力結合(kraftschluessig:摩擦力による束縛)式かつ/又は形状結合(formschluessig:形状による束縛)式の結合プロセスから生じる接合箇所を有しない。結合プロセス及び調整プロセスの欠如によって、手間やコストは削減される。カバーに被着される加工処理層は、一体性からの逸脱を惹起するものではない。
【0026】
有利には、カバー、特に各々のカバーユニットが、接触面を備える。接触面は、カバーの、キャリア基板とカバーとの間の安定な結合を保証すべき所定の面である。有利には、カバーの接触面は、キャリア基板との気密な結合、ひいては周囲に対して気密なカプセル化を可能にするように構成されている。気密なカプセル化によって、マイクロシステムの汚染、及び汚染により結果的に生じる故障又は機能制限は、特に効果的に防止される。加えて、このようなカプセル化は、カプセル内部に所定の雰囲気を設定することを可能にする。この目的で接触面は、特に有利にはフレーム状に配置されており、キャリア基板との接触後、カプセル化したいマイクロシステムを囲繞する。有利には、1つのカバーユニットによって、1つのマイクロシステムだけがカプセル化される。しかし、複数のマイクロシステムを1つのカバーユニットによってカプセル化する必要がある場合も少なくない。
【0027】
少なくとも1つのカバーユニット、有利には各々のカバーユニットは、変形によって形成される少なくとも1つの第1の凹部を備える。これにより、カプセル化のために必要な空間が、例えばマイクロシステムの大きさ及び/又は運動に基づいて、提供可能である。特に、第1の凹部は、機能性がキャリア基板平面内でのあるいはキャリア基板平面に対して平行な運動だけに制限されず、キャリア基板平面に対して垂直な運動も予定されるマイクロシステムに、相応の運動自由度を保証することができる。
【0028】
第1の凹部は、材料、特にカバー材料の除去、例えばエッチングステップによって形成されているわけではない。ドライエッチングされた凹部、例えばガラス内にドライエッチングされた凹部とは異なり、第1の凹部を画成する面(画成面)は、より低い二乗平均平方根粗さを有する。このことから、カバーが透過される放射に及ぼす影響は僅かなものとなる。このことは、特に、光学的な用途にとって有利である。
【0029】
加えて、第1の凹部は、凹部の深さが増すにつれて、画成面の二乗平均平方根粗さが増大する、等方性エッチングされた凹部と比較して、0.5以上の、凹部の最大の幅に対する凹部の最大の深さのアスペクト比を有することができる。これにより、深さが同じであれば、第1の凹部の小さな横方向の寸法が可能である。
【0030】
エッチングされた凹部に対する第1の凹部の別の利点は、カバーの最大の材料厚さ以上の最大の深さが可能であることにある。これにより、要求される深さが同じであれば、薄い出発基板がカバーのために必要であるにすぎないので、材料及びコストが節約される。
【0031】
第1の凹部は、少なくとも部分的に、二乗平均平方根粗さが25nm以下の少なくとも1つの光学窓により画成されている。光学窓の低い二乗平均平方根粗さにより、カバーを通して透過される電磁放射の散乱は僅かであり、それゆえ、本発明に係るカバーは、特に光学的な用途のために適している。特に有利には、第1の凹部は、光学窓と同じ二乗平均平方根粗さを有する面により画成される。これにより、カバーから例えば機械的な負荷によって遊離又は折損したパーティクルによる、カプセル化されたマイクロシステムの汚染は減じられる。
【0032】
有利には、各々のカバーユニットが、単数又は複数の光学窓を有する。特に有利には、本発明に係るカバーは、光学窓の二次元のアレイを有する。こうして、1つのカバーによって、多数のマイクロシステム、特にウエハ全体のマイクロシステムが、唯一のカプセル化ステップで同時にカプセル化される。このことは、時間及びコストの節約を意味する。
【0033】
光学窓(optisches Fenster)とは、本発明において、赤外線波長領域、可視光線波長領域及び紫外線波長領域からなる電磁放射、有利にはカプセル化すべきマイクロシステムによって処理したい放射、ひいてはその用途で使用される放射の任意の波長及び/又は波長領域に関して透過性、特に透明であることに加えて、高い品質要求、特に表面粗さ、平面度及び面平行度に関する高い品質要求を満たす、本発明に係るカバーの領域と解される。さらに、これらの領域は、有利には、放射の望ましくない屈折及び/又は偏向を回避するために、均質な材料構造を有していることが望ましい。
【0034】
光学窓の、その用途で使用される放射が光学窓に入射するかつ/又は再び出力結合される表面は、光学窓の透過面をなす。
【0035】
表面品質を評価するためのパラメータは、二乗平均平方根粗さである。二乗平均平方根粗さは、光学窓において、可及的に小さいことが望ましい。表面粗さについての高い品質要求に応えるために、少なくとも1つの光学窓、特に光学窓の透過面は、25nm以下の二乗平均平方根粗さを有する。有利には、少なくとも1つの光学窓、特に光学窓の透過面は、15nm以下、特に有利には5nm以下の二乗平均平方根粗さを有する。
【0036】
これにより、カバーにより惹起される、例えば透過される光学的な信号の信号対雑音比又はコントラスト比の減少に至らしめかねない散乱が減じられる。
【0037】
有利には、少なくとも1つの光学窓が移動、特にカバー基準平面から平行移動されてかつ/又はカバー基準平面に関して傾倒されて配置されている。これにより、光学窓は、カプセル化すべきマイクロシステムに対してほぼ任意の間隔を置いてかつ/又は任意の傾き角をなして配置される。このことは、カバーをフレキシブルに使用可能なものとする。こうして、移動された光学窓によって、カプセル化すべきマイクロシステムに、スペーサとしての付加的な層又は付加的な構造の使用なしに、要求される運動自由度を保証することができる。
【0038】
その際、カバー基準平面は、接触面(
図2d)によって規定されるか、又はカバーの、接触面に対向、特に平行に対向する面(
図2e)によって規定される。カバーをキャリア基板に結合した後は、キャリア基板平面及びカバー基準平面は、一般に平行に配置されている。
【0039】
有利には、本発明に係るカバーは、キャリア基板平面に関して傾動可能に支承される少なくとも1つのマイクロミラーをカプセル化するために役立つ。光学窓の少なくとも1つは、キャリア基板へのカバーの結合後、キャリア基板平面に関して傾倒されて構成されている。有利には、本発明に係るカバーのすべての光学窓は、カバー基準平面に関して傾倒されて、ひいては、キャリア基板とのカバーの接触後又はキャリア基板とのカバーの結合後、キャリア基板平面に関して傾倒されて構成されている。傾倒された光学窓によって、例えば傾動可能に支承されるマイクロミラーにおいて、反射領域と投射領域との分離(反射消去)が達成される。これにより、反射に起因する重畳による、投射される放射又は投射される信号に対する妨害影響が軽減又は防止される。有利には、キャリア基板平面に関して傾倒された少なくとも1つの光学窓の傾き角が、キャリア基板平面に関して傾動可能に支承されたマイクロミラーの作業範囲の最大の傾動角より大きい。マイクロミラーが例えば−15°〜+15°の傾動角の作業範囲を有し、かつ傾倒された光学窓が、変位されていないマイクロミラーのミラー面に関して、ひいてはキャリア基板平面に関して15°傾倒されているとき、キャリア基板平面の面法線に関して15°の角度で、ひいては傾倒された光学窓に対して垂直に衝突した放射の反射は、入射方向に送り戻され、これにより投射領域には進入しない。この状態は、
図1bに見ることができる。キャリア基板平面の面法線に関して15°の、入射するビームの傾きと、キャリア基板平面に関して−15゜〜+15°のマイクロミラーの作業範囲とによって、投射される画像は、+15°〜−45°の光学的な角度範囲で生じる。これにより、投射領域は、約60°の光学的な角度範囲(走査範囲)を有する。相応に、傾倒された光学窓の傾き角は、有利には15°以上である。
【0040】
有利には、本発明に係るカバーは、キャリア基板の熱膨張係数とは可及的小さな差を有する熱膨張係数を有する材料又は材料組成からなる。これにより、キャリア基板とカバーとの間の熱誘導性の機械的な応力は減じられる。熱誘導性の機械的な応力は、陽極接合及び熱接合の場合のように、方法温度と、周囲温度又は動作温度との間に比較的大きな差があるときに特に明確に発生し得る。カバー及び/又はキャリア基板若しくはカプセル化されたマイクロシステムにおける損傷の危険は減じられる。
【0041】
本発明に係るカバーは、少なくとも部分領域において、しかし一般にはその全体において、その用途において使用される電磁放射に関して透過可能であるべきである。しかし、大抵の光学的な用途において、例えばレーザビームができるだけ影響を受けることなくマイクロシステムに到達するように、その用途で使用される電磁放射に関して透過可能な領域の、可及的高い透明度が要求される。
【0042】
相応に、本発明に係るカバーは、少なくとも部分領域において、ガラス及び/又はガラス状の材料を含むか、又は本発明に係るカバーは、ガラス及び/又はガラス状の材料からなる。
【0043】
ガラス状の材料とは、本発明において、その化学的な組成がケイ酸塩ガラスの化学的な組成とは異なるものの、その熱力学的な特性(非晶質構造、ガラス転移温度)のためにガラスに類似した物質と解される。ガラス状の材料の例としては、化学において公知の人工ガラス又は有機ガラス、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート及びポリスチレンが挙げられる。
【0044】
特に適したガラスは、ケイ酸塩ガラス、特にホウケイ酸ガラスである。それというのも、ホウケイ酸ガラスは、耐薬品性及び耐熱性が極めて高いからである。ホウケイ酸ガラスの、突然の温度変動に対する鈍感性及び耐熱性は、ホウケイ酸ガラスの低い熱膨張係数の結果である。加えて、透過率は、特に人間にとって可視の波長領域において90%を超えており、極めて高い。
【0045】
本発明に係るカバーの最大の大きさは、有利には80mm以上、特に150mm以上である。有利な態様では、本発明に係るカバーは、ウエハ、例えばガラスウエハの形態の基板をベースとする。基板には、第1の凹部が設けられており、かつ基板は、複数のカバーユニットを有する。これにより、1つのカバーにより、例えばシリコンからなるキャリアウエハ上に配置されている多数のマイクロシステムが同時にカプセル化される。有利には、カバーは、キャリアウエハと同じ横方向の寸法、例えば150mm(6インチ)、200mm(8インチ)又は300mm(12インチ)のウエハ直径を有する。これにより、材料最適化され、ひいては効率的なカプセル化を保証することができる。カバーは、特に有利には300mmより大きな最大の大きさを有する。これにより、相応に大きな大きさを有する基板も、カバーの高い光学的な品質を同時に保証しつつ、カプセル化することができる。
【0046】
有利には、少なくとも1つの光学窓の透過面は、平坦(平面)にかつ/又は互いに面平行に構成されている。光学的な品質要求を満たすために、本発明に係るカバーの少なくとも1つの光学窓の透過面は、有利には、その用途で使用される電磁放射の波長の4分の1よりも小さな平面度偏差及び/又は面平行度偏差を有する。この場合、特に有利には、紫外線の波長領域から赤外線の波長領域まで(例えば約200nm〜約15μm)の特に有利な波長が使用される。したがって、より長波の光、例えば720nmの波長を有する光の場合、平面度偏差及び/又は面平行度偏差の値は、180nmより小さければよい。440nmより短い波長を有するより短波の光の使用時には、透過面への要求度が増し、平面度偏差及び/又は面平行度偏差の値は、110nmより小さいことが好ましい。特に、本発明に係るカバーの、傾倒されて構成されている光学窓は、有利には、その用途において使用される電磁放射の波長の4分の1より小さい、透過面の平面度偏差及び/又は面平行度偏差を有する。有利には、傾倒された光学窓は、やはり180nm以下、特に有利には110nm以下の透過面の平面度偏差及び/又は面平行度偏差を有する。この要求を満たす光学窓は、光学的な放射プロフィールの小さな振れ及びビームの小さな拡がりを惹起するにすぎない。このことは、光学的な信号の誤謬の可能性を小さくする。
【0047】
平面度偏差及び/又は面平行度偏差の値並びに二乗平均平方根粗さの値は、干渉測定法によって測定される。測定のために、Atos社の白色光・位相干渉計、MicroMap512を使用した。
【0048】
本発明に係るカバーの特性を最適化するために、本発明に係るカバー、特に光学窓の透過面に、少なくとも部分的に、少なくとも1つの処理コーティング若しくは仕上げコーティング及び/又は機能性の表面構造が設けられていると有利である。
【0049】
有利に使用される処理コーティングは、反射防止コーティングである。反射防止コーティングは、本発明に係るカバー、特に光学窓における反射、ひいては放射損失をさらに減じる。このような反射防止コーティングは、例えばフッ化マグネシウム及び酸化チタンからなる層系又は二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる層系によって実現される。
【0050】
さらに、有利には、カバーの帯電を最小化する帯電防止コーティングが使用される。帯電防止コーティングに関して光学的な用途において特に適した材料は、ITO(酸化インジウムスズ)である。それというのも、ITOは、トープされて、高い電気伝導性を有し、広い波長領域にわたって高い透明度を有するからである。
【0051】
さらに、例えば入射光線を空間的に制限(絞り機能)するか、又は光学窓の近傍において静的な変向ミラーを形成するために、反射コーティング、例えば金属層が、構造化後に局所的に反射する領域を形成する処理コーティングとして被着されていると有利である。
【0052】
さらに、有利に使用される処理コーティングは、吸収コーティングである。吸収コーティングは、所定の波長又はすべての波長領域の電磁放射を吸収する。
【0053】
機能性の表面構造は、本発明の意味において、マイクロメートル領域及び/又はナノメートル領域の表面の幾何学的な改変である。これにより、所定の表面特性に対して適当に影響を及ぼすことができる。こうして、その用途において使用される放射の波長より下の構造的な寸法を有するモスアイ構造(Mottenaugenstruktur)の有利な使用(刊行物:D.G. Stavenga、S. Foletti、G. Palasantzas、K. Arikawa「Light on the moth-eye corneal nipple array of butterflies」、Proceedings of the Royal Society B(2006年)、第273巻、第661頁〜第667頁、DOI:10.1098/rspb.2005.3369、2005年12月6日にオンラインにて刊行、参照)によって、境界層、例えばガラス表面と、ガラス表面を取り巻く空気との間に存在する境界層の屈折率を、モスアイ構造が表面の反射防止に適しているために減じることができる。このような反射防止は、特に、コーティングが付着の理由から不適であることが判っている場合に、有利である。
【0054】
光学部品を製造する本発明に係る方法は、以下の方法ステップ、すなわち:
‐第1の基板を用意し、
‐少なくとも1つの層を第1の基板に被着することによって積層体を形成し、
‐少なくとも1つの補強要素を形成するために前記少なくとも1つの層を構造化し、
‐少なくとも1つの第2の基板を用意し、
‐少なくとも1つの第2の基板を積層体に接触させ、
‐第1の基板の、少なくとも1つの補強要素によって被覆された少なくとも1つの領域が移動かつ/又は傾倒されるように、第1の基板を加熱し、かつ変形させる
という工程を有する。
【0055】
本発明に係る方法は、所定の領域又は所定の面が、基板平面に関して傾倒されてかつ/又は移動されて構成されている光学部品を製造するために役立つ。光学部品は、少なくとも1つの光学素子、例えば光学窓、ミラー又は半透明のミラー、ビームスプリッタ及び/又は干渉フィルタを有するか、又は光学部品は、少なくとも1つの光学素子からなる。光学部品は、有利には単数又は複数の光学窓を備えるカバーである。
【0056】
有利には、本発明に係る方法が、本発明の請求項1に係るカバーを製造するために使用される。本発明に係るカバーは、特に光学機能を充足しなければならない、一般にキャリア基板上に被着又は配置されているマイクロシステムのカプセル化のために適している。しばしば、キャリア基板として、サーフェスマイクロマシニングプロセス又はバルクマイクロマシニングプロセスによって、カプセル化したいマイクロシステムが形成されるシリコンウエハが使用される。
【0057】
第1の基板は、光学部品のための出発基板又はベース基板である。相応に、第1の基板の材料又は材料組成、並びに表面特性、例えば基板平面の粗さ、平面度及び面平行度に関して、本発明に係るカバーに対して既に説明した事項が当てはまる。相応に、第1の基板の両基板面は、高い表面品質を保証するために、有利にはポリッシングされて構成されている。
【0058】
有利には、第1の基板は、少なくとも部分領域においてガラス及び/又はガラス状の材料を有するか、又は第1の基板は、ガラス及び/又はガラス状の材料からなる。特に好適なガラスは、ケイ酸塩ガラス、特にホウケイ酸ガラスである。
【0059】
次のステップで、第1の基板に少なくとも1つの層を被着することによって、積層体が形成される。
【0060】
前記少なくとも1つの層は、例えば析出法によって第1の基板に被着される、かつ/又は前記少なくとも1つの層は、少なくとも1つの別の基板の使用によって実現される。
【0061】
前記少なくとも1つの層は、有利には半導体の材料からなるか、又は有利には少なくとも部分領域において半導体の材料を有する。特に有利には、このために、成熟した、良好に制御可能な半導体テクノロジ、特にシリコンテクノロジのプロセスを使用することができるように、シリコン層、特にポリシリコン層、及び/又は別の基板として半導体ウエハ、有利にはシリコンウエハが使用される。
【0062】
第1の基板に前記少なくとも1つの層を被着する際に、第1の基板と、前記少なくとも1つの層とは、有利には素材結合式に、第1の基板に対する前記少なくとも1つの層の高い位置安定性を保証するために互いに結合される。このために、一般に、あらゆる有利な技術、例えば析出、接着、ろう接又はボンディングが使用可能である。
【0063】
有利には、第1の基板への前記少なくとも1つの層の被着は、第1の基板に対する前記少なくとも1つの層の移動及び/又は回動が軽減されるか、又は回避されるように行われる。
【0064】
方法の有利な態様では、前記少なくとも1つの層として、ポリシリコン層がCVD、特にホットワイヤCVDによって、第1の基板に被着される。この析出法でのプロセス温度が500℃より下、有利には300℃〜400℃の間にあるので、これにより、温度に比較的敏感な基板もコーティングされる。
【0065】
別の有利な態様では、前記少なくとも1つの層、例えばシリコンウエハが、陽極接合及び/又は熱接合によって第1の基板に被着されるか、又は第1の基板に結合される。とりわけ半導体産業において、これらのボンディング法は、汎用の結合技術であり、安定した結合が得られる。
【0066】
有利には、前記少なくとも1つの層が、少なくとも第1の基板に接続される層面に、少なくとも1つの第2の凹部を有する。この第2の凹部は、第1の基板の所定領域における第1の基板と前記少なくとも1つの層との間の接触を、被着時に、この領域における第1の基板の表面品質を別の結合ステップ及び/又は接触ステップのために保存しておくために防止する。このような保存すべき領域は、特に、第1の基板の、補強要素が設けられない領域である。前記少なくとも1つの層に設けられた第2の凹部は、有利には約0.5μm〜約1μmの深さを有する。
【0067】
続いての方法ステップにおいて、少なくとも1つの補強要素を形成するための、前記少なくとも1つの層の構造化が、第1の基板の、光学窓として機能する領域の変形が軽減されるか、又は回避されるように行われる。このことは、特に、前記少なくとも1つの層が、第1の基板の、光学窓として機能する領域を少なくとも部分的にカバーすることによって達成される。補強要素の付加的な材料は、第1の基板のカバーされる領域を安定化するとともに保護し、かつ変形に抗して働く。これにより、用意された第1の基板に有利に存在している高い平面度、面平行度及び小さな表面粗さが維持される。このことは、高品質の光学窓の基礎であって、事後的な加工(例えば研磨ステップ)を行うための接近性がなくても、高い表面品質を有する面、特に透過面を実現する。
【0068】
さらに、有利には、少なくとも1つの固定要素が形成される。固定要素は、少なくとも1つの第2の基板との積層体の接触後、第1の基板に対する少なくとも1つの補強要素の移動及び/又は回動を軽減するか、又は防止して、補強要素の位置安定性を高める。有利には、固定要素は、積層体を少なくとも1つの第2の基板に接触させる後続の方法ステップにおいて、積層体と、少なくとも1つの第2の基板との間に挟持される。適当な収容溝を例えば少なくとも1つの第2の基板に設けることによって、固定要素が中間に支承されるか、又は挟持されるにもかかわらず、積層体と、少なくとも1つの第2の基板との間の有利な接触が保証される。
【0069】
有利には、補強要素と固定要素とは、可及的安定な力の結合を保証することができるように、直接互いに結合されている。
【0070】
別の有利な態様では、単数又は複数の載置構造が形成される。載置構造の形成は、載置構造が、第1の基板の載置領域、特に載置面を保護する、かつ/又は第1の基板と少なくとも1つの第2の基板との間のスペーサとして機能するように行われる。
【0071】
載置領域は、方法の間、変位、特に変形による変位を受けないか、又は少なくとも1つの第2の基板によって直接又は間接に支持される、第1の基板の領域である。直接的な支持は、第1の基板と、少なくとも1つの第2の基板とが互いに接触している場合に生じる。間接的な支持の場合は、例えば第1の基板と、少なくとも1つの第2の基板との間に、層又は層序が配置されている。載置面は、載置領域の表面、特に少なくとも1つの第2の基板に面した表面である。本発明に係るカバーを製造すべきとき、有利には、第1の基板の載置面は、接触面、ひいては本発明に係るカバーの、本発明に係るカバーをキャリア基板に接触又は結合することが予定されている面を形成する。
【0072】
載置構造は、有利には、第1の基板及び/又は少なくとも1つの第2の基板に被着又は配置される層又は層序によって実現される。層又は層序の層厚さを変更することにより、間隔が第1の基板と少なくとも1つの第2の基板との間に生じる。その結果、載置構造は、有利にはスペーサとして機能する。
【0073】
少なくとも1つの載置構造及び/又は少なくとも1つの固定要素は、有利には、前記少なくとも1つの層を構造化することによる、少なくとも1つの補強要素と同じ方法ステップで形成されて、時間を節約した安価な製造を達成する、かつ/又は積層体を少なくとも1つの第2の基板に接触させる前の、単数又は複数の付加的な工程において形成されて、フレキシブルな製造を可能にする。載置構造及び/又は固定要素は、形成の仕方にかかわらず、積層体に属する。
【0074】
有利には、第1の基板の両基板面に、それぞれ補強要素の少なくとも1つが配置される。対向して位置する補強要素は、有利には少なくとも部分的にオーバラップしている。特に有利な態様では、このような補強要素は、完全にオーバラップしている(
図3c)。これにより、第1の基板の、補強要素により被覆される領域は、特に良好に安定化され、変形から保護される。
【0075】
有利には、補強要素の少なくとも1つが、第1の基板の、補強要素によって被覆される領域の、加熱時及び変形時の傾倒を助成するように配置される。このことは、特に、補強要素の少なくとも1つが非中心的に第1の基板の変位領域内に配置されることによって達成される。変位領域とは、第1の基板の、載置領域間に存在する支持されていない領域である。変位領域は、第1の基板の、補強要素により被覆された領域と、第1の基板の変形領域とに分割される。他方、変形領域は、その形状変化によって第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の変位、特に移動及び/又は傾倒を保証する、第1の基板の領域である。変位領域内での補強要素の非中心的な配置によって、補強要素上に力が等分配されると、合トルクが生じる。この合トルクは、第1の基板の、補強要素によって被覆された領域に作用して、第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の傾倒を促進する。
【0076】
変位領域内での補強要素の非中心的な配置とは、本発明の意味において、補強要素と、変位領域に隣接するすべての載置領域との間隔が、少なくとも1方向で、同じ大きさではないことと解される。同じことは、変位領域上での非中心的な力についても言え、力の作用点と、変位領域に隣接するすべての載置領域との間隔は、少なくとも1方向で、同じ大きさではないことを意味する。力が補強要素に対して非中心的である場合、作用点と、補強要素の縁部との間隔は、少なくとも1方向で、同じ大きさではない。
【0077】
少なくとも1つの第2の基板の用意後、この第2の基板は、積層体に接触させられる。
【0078】
有利には、少なくとも1つの第2の基板は、少なくとも部分領域で半導体材料を有するか、又は少なくとも1つの第2の基板は、半導体材料からなる。特に半導体ウエハ、有利にはシリコンウエハが、第2の基板として使用される。これにより、半導体テクノロジ、特にシリコンテクノロジの、成熟した、良好に制御可能なプロセスが使用可能である。
【0079】
少なくとも1つの第2の基板、特に少なくとも1つの第2の基板の、積層体と接触させられる領域は、有利には高温に耐性のある材料、特に黒鉛を有するか、又は高温に耐性のある材料、特に黒鉛からなる。僅かな磨滅又は僅かな摩耗に基づいて、このような基板は、何度も使用されるか、又は再び使用される。
【0080】
有利には、少なくとも1つの第2の基板が、少なくとも1つの第3の凹部を有する。第3の凹部は、有利には第2の基板の、積層体と接触させられる基板面に形成されている。第2の基板の第3の凹部は、有利には約100μm〜1000μm、特に有利には数ミリメートルの深さを有している。その結果、第1の基板の、変形により惹起される変位、ひいては特に第1の凹部の深さは、広い範囲にわたって変更可能である。
【0081】
少なくとも1つの第2の基板との積層体との接触は、有利には、第2の基板に設けられた第3の凹部及び/又は載置構造によって、中空室が第2の基板と積層体との間に形成されるように行われる。有利な態様では、これらの中空室は、第2の基板側の補強要素を囲繞する。
【0082】
中空室により、加熱前の補強要素と第2の基板との間の接触は防止可能である。補強要素及び/又は第1の基板が変位領域において第2の基板と加熱前に接触することは、補強要素及び/又は第1の基板が第2の基板に変位領域において付着するに至る場合があり、第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の、変形により惹起される変位、特に移動及び/又は傾倒を妨げるか、又は難しくしてしまう。
【0083】
さらに、中空室内に、周囲圧、特に大気圧を下回るか、又は上回る圧力を形成することができる。中空室が少なくとも第1の基板の変位領域の部分領域によって画成されるので、中空室内に形成される、周囲圧の下又は上にある圧力によって、変形プロセスを促進する力の作用が形成される。有利には、周囲圧は大気圧に等しく、この場合、中空室内の圧力値は、有利には約750mbar〜約900mbar、又は約1200mabr〜約1350mbarにあり、例えば真空ポンプによって発生され得る。
【0084】
さらに、積層体との少なくとも1つの第2の基板の接触が、結合、特に素材結合に至ると有利である。これにより、有利には、周囲から気密に閉鎖された中空室が、積層体と第2の基板との間に形成される。結合プロセスが所定の圧力で実施されることにより、所定の圧力値が中空室内に形成され得る。有利には、圧力値は、結合プロセス、例えば陽極接合中、400℃で約500mbar〜約600mbar、又は約800mbar〜約900mbarである。続いての加熱プロセスが、典型的には、結合プロセスよりも大幅に高い温度で行われ、有利には第1の基板が、加熱及び変形の方法ステップ中、約750℃〜約900℃の温度にもたらされるので、より高い温度によって、表示した中空室内の圧力範囲から、約750mbar〜約900mbar又は約1200mbar〜約1350mbarの圧力が生じる。中空室は、有利には気密に周囲から閉鎖されているので、これらの圧力値は、さらなるエネルギ供給なしに、例えば真空ポンプの運転するためのさらなるエネルギ供給なしに、より長時間にわたって、ひいては、特に後続の変形ステップ又は形状付与ステップのために維持される。有利には、積層体と第2の基板との間の結合は、陽極接合及び/又は熱接合により実現される。
【0085】
第1の基板の形状付与の際に、特に、第1の基板の流れ特性、特に軟化温度及び/又は溶融温度の近傍又はこの温度の上で提示されるような流れ特性が利用される。この種の形状付与の、その他の形状付与法又はエンボシング法、例えばガラス深絞り又はガラスエンボシング(例えば精密成形)に対する利点は、とりわけ、特に光学部品が、例えば、80mm以上、特に150mm以上、特に有利には300mm以上の基板又はウエハの大きさ、特に基板又はウエハの直径と、高い表面品質、特に低い表面粗さ、高い表面平面度及び表面の高い面平行度とを備えて実現されるという点にある。特に、出発基板がガラスからなるとき、しばしば、光学部品の表面粗さは、満足の行くものではない。成形される基板は、例えばガラス深絞りの際に、粗面化され、例えば光学窓に関する要求を満たすことができない。精密成形の場合、製造可能な光学部品の最大の大きさ又は寸法は、著しく制限されている。さらに、このエンボシング法においては、極めて高価値の、耐性の、ひいては高価なエンボシング工具が必要であり、このことは、フレキシブルな製造を制限する。
【0086】
加熱及び変形のプロセスステップ時、第1の基板、少なくとも第1の基板の変形領域は、有利には、変形領域の材料の軟化温度−150℃と軟化温度+150℃との間、特に約750℃と約900℃との間にある温度にもたらされる。軟化温度の領域で、変形領域の材料は、特に好適な変形特性、特に粘性に関して特に好適な変形特性を有する。続いて、又は既に加熱プロセス中に、第1の基板は、変位領域への力又は力作用によって、変形領域で変形される。約820℃の軟化温度を有するホウケイ酸ガラスを使用した場合、例えば約750℃〜約900℃の温度が有利である。
【0087】
リトルトン温度又はリトルトン点とも呼ばれる軟化温度又は軟化点は、リトルトン法にしたがって測定される。リトルトン法では、0.65mm〜1.0mmの直径及び22.9cmの長さを有する材料糸(例えばガラス糸)を、特定の構造の炉内に懸吊する。5〜10K/minの加熱速度で、糸の、炉外に吊り下げられた下端を観察する。温度が上昇するにつれて、糸は自重により伸長する。伸長が1mm/minとなる温度をリトルトン温度と呼ぶ。大抵のガラス又はガラス状の材料は、この温度において、約10
−7.6dPa・sの粘度を有する(Scholze Horst「Glas - Natur, Struktur und Eigenschaften」、第3版、Springer出版、第151頁)。
【0088】
加熱及び変形のプロセスステップは、有利には時間制御されて実施されるか、又は第1の基板及び/又は補強要素が、例えば最大で所望される、変形により惹起される変位を制限する変位制限手段と接触するまで実施される。変位制限手段として、例えば、少なくとも1つの第2の基板、特に第3の凹部の底面が役立つことができる。
【0089】
第1の基板又は変形領域の変形は、有利には、補強要素、及び第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の自重の力、及び/又は外部から加えられる力により惹起され得る。
【0090】
外部から加えられる力は、有利には、機械的かつ/又は磁気的かつ/又は電気的かつ/又は圧電的な相互作用に基づくことができる。
【0091】
有利な態様では、外部から加えられる力は、第1の基板の両基板面間の、特に変位領域のおける圧力差によって生じる。自重の力による変形と同様に、力を加えるこの方法においても、積層体、特に第1の基板を別の対象物に接触させる必要はない。これにより、第1の基板の表面の、例えばエンボシング工具による品質低下は、回避される。
【0092】
加えて、この場合、加熱及び変形のプロセスステップは、中空室の、第1の基板の形状付与により惹起される容積変化が、中空室内の圧力を周囲圧と同じに圧力に至らしめるまで実施され得る。
【0093】
特別に構成される形状付与装置も、力の印加のために適している。
【0094】
加えられる力は、補強要素及び/又は変位領域に関して中心的に作用させることも、非中心的に作用させることもできる。例えば変位領域上に等分配される力のプロフィールからは、変位領域に関して中心的な力が生じる。これにより、変位領域において補強要素を中心的に配置した場合、第1の基板の被覆された領域の移動が達成可能である。第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の傾倒は、この場合、変位領域において補強要素を非中心的に配置することによって達成可能である(
図3d)。また、変位領域において補強要素を中心的に配置した場合、第1の基板の、補強要素によって被覆された領域の傾倒は、補強要素に関して非中心的な力によって達成可能である。傾倒を保証するために特に有利であり、かつ効果的であるのは、補強要素の非中心的な配置及び補強要素に関して非中心的な力である。
【0095】
可及的問題のない変形により惹起される変位を保証することができるように、積層体は変位領域において、変形前、少なくとも1つの第2の基板との接触をできる限り有しないことが望ましい。接触は、付着力又は接触力に基づいて、第1の基板の、変形により惹起される変位を困難にするか、又はそれどころか阻害する場合がある。有利には、補強要素、第1の基板及び/又は第2の基板の表面は、変位領域において、変位領域における積層体と第2の基板との間の結合が防止されるように準備される。このことは、接触力の減少に寄与する種々異なるコーティング及び/又は表面を改質するための方法により実現される。適当なコーティング材料は、例えば白金、NiAl合金(例えば50%のNiと50%のAlとからなる合金)、黒鉛及び窒化ホウ素である。
【0096】
特に、前記少なくとも1つの層若しくは補強要素及び/又は載置構造及び/又は固定要素は、別の機能を果たす必要がなければ、有利には別の方法ステップにおいて少なくとも部分的に除去される。しかし、特定の用途のために、補強要素の一部が、例えばフレーム状の安定化構造又は絞り構造として、第1の基板又は完成した光学部品上に残されると有利である。
【0097】
少なくとも1つの第2の基板も、変形後、有利には完全に除去される。しかし、第2の基板上に、カプセル化すべきマイクロシステムが配置されていることも少なくないので、積層体と第2の基板との間の結合を維持しておくことが有意義な場合もある。
【0098】
有利な態様では、第1の基板の少なくとも部分領域に、少なくとも1つの処理コーティング、特に反射防止コーティング、帯電防止コーティング、反射コーティング及び/若しくは吸収コーティング、並びに/又は機能性の表面構造が設けられる。これにより、光学部品の機能性は改良される。
【0099】
処理コーティング及び機能性の表面構造については、本発明に係るカバーについて既に説明したことを参照されたい。
【0100】
モスアイ構造は、例えばエンボシング法によって、第1の基板の形状付与後に、第1の基板の表面上に、特に光学窓の領域に形成される。しかし、このような構造を傾倒されたかつ/又は移動された表面にエンボシングすることは、極めて多くの問題を孕む。特に傾倒された表面上で、モスアイ構造は、第1の基板の流れ特性を利用することによって形成される。
【0101】
相応に、有利な態様では、モスアイ構造は機能性の表面構造として、前記少なくとも1つの層を第1の基板に被着する前に、少なくとも、前記少なくとも1つの層の、第1の基板に結合される面に、モスアイ構造のネガ型を設け、前記少なくとも1つの層を第1の基板に被着した後、第1の基板の形状付与中、モスアイ構造が第1の基板の第1及び/又は第2の基板面に、前記少なくとも1つの層に設けられたネガ型が第1の基板の第1及び/又は第2の基板面に、特に光学窓の透過面に象られることによって形成されるように、形成される。その際、第1の基板は、ネガ型によって少なくとも1つの層に設けられる中空型内に流動する。これにより、対応する表面幾何学形状が生じる。第1の基板の形状付与及びモスアイ構造の形成は、時間的に切り離されて、又は相前後して独立的なステップで行われてもよい。
【0102】
別の有利な態様では、処理コーティングは、前記少なくとも1つの層を第1の基板に被着する前に、少なくとも、前記少なくとも1つの層の、第1の基板に結合される面に、処理コーティングを設け、次に第1の基板と前記少なくとも1つの層との間の結合を、処理コーティングと第1の基板との間の結合により形成するか、又は前記少なくとも1つの層を第1の基板に被着する前に、処理コーティングを第1の基板に被着し、次に前記少なくとも1つの層を処理コーティングに被着し、前記少なくとも1つの層及び処理コーティングの構造化並びに変形ステップ後に、前記少なくとも1つの層、特に少なくとも1つの補強要素は除去し、処理コーティングは第1の基板、特に光学窓に残すように、形成される。第1の基板の変形前に処理コーティングを第1の基板に被着することによって、特に、傾倒された光学的な領域、例えば傾倒された光学窓上には、処理コーティングの個々の層の厚さに関して小さな製造誤差を有する均質な処理コーティングが実現される。第1の基板の変形後に処理コーティングを被着すると、個々の層の析出及び場合によっては構造化を、例えば傾倒された領域又は表面上で行わなければならない。このことから、特に異方性の析出法を使用した場合、個々の層の厚さが異なり、ひいては処理コーティング、ひいては光学部品の特性又は光学的な機能性が場所により異なる場合がある。この態様にしたがって製造された広帯域反射防止コーティングは、例えば酸化ケイ素及び窒化ケイ素からなる層序をベースとすることができる。この場合、まず、酸化ケイ素層が前記少なくとも1つの層、例えばシリコンウエハ上に被着される。次に、酸化ケイ素上に窒化ケイ素層が被着される。その後、前記少なくとも1つの層、酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層からなる層序が第1の基板に、窒化ケイ素層を第1の基板に結合することによって結合される。前記少なくとも1つの層の選択的な除去後、第1の基板、窒化ケイ素層及び酸化ケイ素層からなる層序が残されて、反射防止コーティングを備える第1の基板が生じる。
【0103】
処理コーティング及び機能性の表面構造の組み合わせ、例えば帯電防止コーティング及びモスアイ構造の組み合わせも、光学部品の機能性を改良することができる。
【0104】
本発明に係るカバーは、有利にはウエハレベルのマイクロシステムのカプセル化、特にウエハレベルパッケージング法によるカプセル化のために使用される。これにより、複数のマイクロシステムが同時にカプセル化される。これにより、時間を節約した効率的なカプセル化プロセスが助成される。
【0105】
有利には、本発明に係るカバーは、マイクロミラー、特に可動のマイクロミラーをカプセル化するために使用される。
【0106】
実施の形態
以下に、普遍性を限定することなく、本発明について実施の形態を参照しながら詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【
図2】傾倒された光学窓8及び移動された光学窓30を備える本発明に係るカバー22、並びに本発明に係るカバー22の、マイクロミラー25をカプセル化するための使用を示す図である。
【
図3】本発明に係る方法にしたがって、傾倒された光学窓8を備える本発明に係るカバー22を製造するための第1のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図4】本発明に係る方法にしたがって、載置構造13の使用下で、傾倒された光学窓8を備える本発明に係るカバー22を製造するための第2のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図5】本発明に係る方法にしたがって、移動された光学窓30を備える本発明に係るカバー22を製造するための第2のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図6】本発明に係る方法にしたがって、移動されかつ傾倒されて構成された光学窓32を備える本発明に係るカバー22を製造するための第2のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図7】本発明に係る方法にしたがって、1つの変位領域21内に2つの傾倒された光学窓8を備える本発明に係るカバー22を製造するための第2のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図8】本発明に係る方法にしたがって、1つの変位領域21内に2つの傾倒された光学窓8及び1つの移動された光学窓30を備える本発明に係るカバー22を製造するための第2のプロセスバリエーションの工程を示す図である。
【
図10】形状付与装置18による機械的な相互作用により惹起される力の印加を示す図である。
【0108】
図2aは、シリコンウエハ全体をカプセル化又は封止するために使用可能な、本発明に係るカバー22、又は本発明に係る方法にしたがって構造化若しくは成形されるガラスウエハの切片を示す。出発点は、ホウケイ酸ガラスからなる、両面で平坦な、面平行な基板平面1a,1bを備えるガラスウエハ1により形成される。両ウエハ面又は両ウエハ平面1a,1bは、傾倒された光学窓8の小さな表面粗さ、ひいては高い品質を保証するために、ポリッシング又は研磨されて構成されている。傾倒された光学窓8は、二次元のアレイ内に配置されており、周囲を取り巻く接触面23に関して、一般に約5°〜約20°、有利には約15°の傾きを有する。周囲を取り巻く接触面23は、各々の傾倒された光学窓8の周りをフレーム状に閉じるように配置されており、平坦に構成されている。対応するように寸法設定され、フレーム状に閉じた平坦な面が、キャリア基板又はキャリアウエハ24上に相手側接触面として設けられている。その結果、周囲に対してハーメチック又は気密に閉鎖された結合が可能となる。傾倒された光学窓8の両面に、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる層系からなる反射防止コーティングが設けられている。
【0109】
図2b及び
図2cは、それぞれ、マイクロミラー25をカプセル化するための、傾倒された光学窓8及び移動された光学窓30を備える本発明に係るカバー22の2つの使用バリエーションを示す。
【0110】
図3は、本発明に係る方法にしたがって、本発明に係るカバー22を製造する第1のプロセスバリエーションの工程を示す。プロセスの開始に際して用意される第1の基板1は、ホウケイ酸ガラスからなる、両面で平坦な、面平行の基板平面1a,1bを有するガラスウエハである。ガラスウエハ1の両ウエハ面又はウエハ平面1a,1bは、ポリッシングされており、これにより、低い粗さを有する高い表面品質を有する。
【0111】
さらに、2つのシリコンウエハ2が用意される。シリコンウエハ2は、それぞれガラスウエハ1に結合したいウエハ面に第2の凹部3(
図3a参照)を有する。第2の凹部3は、ガラスウエハ1とシリコンウエハ2とを結合する際に、ガラスウエハ1の、補強要素4が予定されていない領域において、ガラスウエハ1とシリコンウエハ2との間の接触を回避し、ガラスウエハ1の当該領域を、別の結合ステップ及び/又は接触ステップ、例えば少なくとも1つの第2の基板5とのガラスウエハ1の陽極接合のために保存しておくことができる。第2の凹部3は、約0.7μmの深さを有する。
【0112】
陽極接合によって、それぞれ1つのシリコンウエハ2が、
図3bに示すように、ガラスウエハ1のそれぞれの基板面1a,1bに結合されて、1つの積層体又はスタック7を形成する。
【0113】
続いての構造化プロセスにおいて、積層体7の両シリコンウエハ2は、湿式化学エッチング法及び/又はドライエッチング法によって、ガラスウエハ1の、傾倒された光学窓8として機能する領域において、シリコンが補強要素4として残されるように構造化される(
図3c)。結果として、個々の補強要素4は完全に、ガラスウエハ1の、シリコンから解放された領域によって包囲されているか、又は互いに隔離されている。
【0114】
次の方法ステップで、少なくとも第2の基板5として、第3の凹部6を備える別のシリコンウエハが用意され、構造化された積層体7、特にガラスウエハ1に、陽極接合によって結合されて、1つの層系12を形成する。その際、積層体7とシリコンウエハ5とは、シリコンウエハ5に設けられた第3の凹部6が、積層体7との結合後に、周囲に対してハーメチック又は気密に閉鎖された中空室10をシリコンウエハ5と積層体7との間に形成して、シリコンウエハ5に面した補強要素4を包囲するように、互いに配置される。加えて、補強要素4は、非中心的に変位領域21内に、ひいては載置面11間又は載置領域11a間に配置されている。補強要素4とシリコンウエハ5との間の接触は、
図3dに示すように、加熱及び変形の前には生じない。
【0115】
陽極接合は、約400℃の温度及び約600mbar又は約800mbarの圧力で行われる。
【0116】
続いてのプロセスステップで、シリコンウエハ5と積層体7とからなる層系12がまず加熱される。約820℃の軟化温度を有するホウケイ酸ガラスからなるガラスウエハ1の使用時、シリコンウエハ5と積層体7とからなる層系12は、約800℃に加熱される。ボンディングプロセスに比べて温度が高められることによって、中空室10内の圧力は、約600mbarから約900mbar、又は約800mbarから約1200mbarに上昇する。周囲の気圧に関して相応に支配する負圧又は正圧は、ガラス基板1をシリコンウエハ5の第3の凹部6内に引き込むか、又は第3の凹部6から押し出す力作用を生じる。これにより、ガラスウエハ1の、補強要素4によって被覆された領域は、
図3e及び
図3fに示すように傾倒される。変形ステップは、補強要素4が第3の凹部6の底31に接触するか、又は中空室10内の圧力が変形に起因して周囲圧の値に達すると、終了する。
【0117】
最終のステップで、補強要素4及びシリコンウエハ5は、ガラスウエハ1から湿式化学的に選択的に除去される(
図3g)。
【0118】
図4は、本発明に係る方法にしたがって、カバー22を製造する第2のプロセスバリエーションを示す。ホウケイ酸ガラスからなる1つのガラスウエハ1と、2つのシリコンウエハ2とを用意した後、前述のプロセスバリエーションと同様に、陽極接合によってそれぞれ1つのシリコンウエハ2が、ガラスウエハ1のそれぞれの基板面1a,1bに結合されて、1つの積層体7を形成する。
【0119】
次の構造化プロセスで、積層体7の両シリコンウエハ2は、湿式化学エッチング法及び/又はドライエッチング法によって、ガラスウエハ1の、傾倒された光学窓8として機能する領域と、ガラスウエハ1の、載置面11又は載置領域11aとして予定されている領域とに、シリコンが補強要素4及び載置構造13として残されるように構造化される(
図4a)。その際、載置構造13は、閉じたフレームを、ガラスウエハ1の同じ基板面1b上にある補強要素4の周りに形成し、積層体7が少なくとも1つの第2の基板5と接触する際のガラスウエハ1の載置面11の保護として役立つ。この保護によって、ガラスウエハ1と少なくとも1つの第2の基板5との間の直接的な接触が回避される。これにより、載置面11の高い平面度及び低い粗さを、少なくとも1つの第2の基板5の表面品質とは無関係に得ることができる。他方、補強要素4は、非中心的に載置面11間又は載置構造13間に配置されている。少なくとも第2の基板5として、第3の凹部6を備え、黒鉛からなるか、又は少なくとも積層体7との接触が予定されている相手側接触面14が黒鉛で被覆されている基板又は工具が使用される。加えて、この黒鉛を有する少なくとも1つの第2の基板5は、通路15を有する。通路15は、外部の真空ポンプの接続を保証する。
【0120】
次の方法ステップで、積層体7の載置構造13と、黒鉛を有する少なくとも1つの第2の基板5とは、第2の基板5に設けられた第3の凹部6が、積層体7との接触後、周囲に対して閉鎖された中空室10を第2の基板5と積層体7との間に形成するように、互いに接触させられる。中空室10は、第2の基板5に面した補強要素4を包囲するが、周囲に対して気密に閉鎖されている必要はない。通路15を介して、外部の真空ポンプによって、負圧が中空室10内に形成される(
図4b)。
【0121】
次の加熱ステップ及び変形ステップは、前述のプロセスバリエーションで説明したように、実施される。
【0122】
続いて、中空室10内には、再び大気圧(周囲圧)が調整される。これにより、積層体7は、
図4cに示すように、第2の基板5から取り外されるか、又は分離される。
【0123】
続いてのプロセスステップで、補強要素4及び載置構造13が、湿式化学的な選択的なエッチングによってガラスウエハ1から除去される(
図4d)。
【0124】
図5a〜
図5dには、どのように、本発明の前述の第2のプロセスバリエーションに係る方法によって、移動されて構成された光学窓(移動された光学窓)30を備える本発明に係るカバー22が製造されるのかが示されている。
【0125】
上述のように、少なくとも1つの第2の基板5のために、第3の凹部6を有する基板又は工具が使用される。第1の基板1の、補強要素4によって被覆された領域の移動、又は基板平面1a,1bからの平行移動は、変位領域21内での補強要素4の中心的な配置によって助成される。変形ステップは、補強要素4が少なくとも1つの第2の基板5の第3の凹部6の底31に当接するまで行うことができる。
【0126】
第3の凹部6の底31の、少なくとも部分領域で傾倒された構成、及び/又は変位領域21内での補強要素4の非中心的な配置によって、移動されかつ傾倒されて構成された光学窓32を備える本発明に係るカバー22が、
図6a〜
図6dに示されるようにして製造される。
【0127】
本発明に係る方法にしたがって本発明に係るカバー22を製造する第2のプロセスバリエーションの別の形態は、
図7及び
図8に示されている。
【0128】
2つのシリコンウエハ2の適当な構造化(
図7a、
図8a)によって、1つの変位領域21内での複数の補強要素4の横方向配置が実現される(
図7b、
図8b)。このことから結果的に、続いての加熱ステップ及び変形ステップで、1つの変位領域21内でのガラスウエハ1の、複数の移動されかつ/又は傾倒された領域又は光学窓8,30が生じる(
図7c、
図8c)。最後に、補強要素4及び載置構造13が、湿式化学的な選択的なエッチングによってガラスウエハ1から除去される(
図7d、
図8d)。
【0129】
図9は、本発明に係る方法にしたがって本発明に係るカバー22を製造する際の固定要素16の使用を示している。
図9aから看取可能であるように、固定要素16は、第1の基板又はガラスウエハ1に結合され、補強要素4を形成することが予定されるシリコンウエハ2を構造化する際に形成可能である。続いての、積層体7と、少なくとも1つの第2の基板5、本実施の形態ではシリコンウエハとの陽極接合の際に、固定要素16は、結合すべき面間にクランプされ、これにより固定される。固定要素16にもかかわらず、安定した結合を保証することができるように、少なくとも1つの第2の基板5は、固定要素16のための受容溝17を備えて設計されている(
図9b)。
【0130】
続いての加熱ステップ及び変形ステップの際に、クランプされた固定要素16は、補強要素4の移動及び/又は回動を防止する。加えて、固定要素16は、ガラスウエハ1の、固定要素16によって被覆された領域における望ましくない変形、例えば撓み又は反りを減じる(
図9c)。
【0131】
前述のプロセスバリエーションにおいて、ガラスウエハ1の変形は、周囲圧と、積層体7及び少なくとも1つの第2の基板5によって包囲される中空室10内を支配する圧力との間の圧力差から生じる力によって助成される。
【0132】
別のプロセスバリエーションでは、この力は、ラム部材19を備える形状付与装置18によって加えられる。この場合、ラム部材19は、力が補強要素4に関して非中心に作用するように配向される(
図10a)。これにより、補強要素4、及びガラスウエハ1の、補強要素4によって被覆された領域の傾倒が促進される。力は、ガラスウエハ1の、補強要素4によって被覆された領域の所望の傾きが達成されるまで維持される。
【0133】
傾倒した光学窓8の傾きの精度を向上させるために、ラム部材19の最大の変位を制限する特別なストッパ構造20が、ガラスウエハ1上に被着又は配置される。これらのストッパ構造20は、層又は層序の形態でガラスウエハ1上に被着可能である。層又は層序の厚さの変更によって、ラム部材19の最大の変位、ひいては所望の傾きが調節される。それというのも、
図10bに示すように、形状付与装置18がストッパ構造20に接触すると直ちに、形状付与プロセスが中止されるからである。
【0134】
ストッパ構造20は、例えば補強要素4と同じ方法工程で、少なくとも1つの層2の構造化によって形成される、かつ/又は単数又は複数の付加的な方法ステップで形成される。
【0135】
形状付与プロセスの精度のさらなる向上は、光学窓8に所望される傾きを有する傾倒したラム面(
図10c)を有するラム部材19によって達成される。
【0136】
形状付与装置18は、例えばガラスウエハ1との形状付与装置18の直接的な接触が回避されることによって、繰り返し使用可能であるように設計可能である。