特許第5705113号(P5705113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5705113IL−10産生の刺激のためのアレルゲン由来のT細胞抗原
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705113
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】IL−10産生の刺激のためのアレルゲン由来のT細胞抗原
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/415 20060101AFI20150402BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20150402BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20150402BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20150402BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20150402BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   C07K14/415ZNA
   C07K14/435
   A61P37/08
   A61P37/06
   A61P37/02
   A61K37/02
【請求項の数】14
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2011-522551(P2011-522551)
(86)(22)【出願日】2009年8月14日
(65)【公表番号】特表2012-500194(P2012-500194A)
(43)【公表日】2012年1月5日
(86)【国際出願番号】GB2009001995
(87)【国際公開番号】WO2010018384
(87)【国際公開日】20100218
【審査請求日】2012年8月13日
(31)【優先権主張番号】0814986.6
(32)【優先日】2008年8月15日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】PCT/GB08/002781
(32)【優先日】2008年8月15日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】PCT/GB08/002780
(32)【優先日】2008年8月15日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】PCT/GB08/002779
(32)【優先日】2008年8月15日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】PCT/GB08/002778
(32)【優先日】2008年8月15日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】0815218.3
(32)【優先日】2008年8月20日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】0901927.4
(32)【優先日】2009年2月5日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】09251252.4
(32)【優先日】2009年5月1日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】0912578.2
(32)【優先日】2009年7月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509330965
【氏名又は名称】サーカッシア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100122688
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】ラルシェ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハフナー、ロデリック、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】レイドラー、ポール
【審査官】 櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−501043(JP,A)
【文献】 特表平09−512014(JP,A)
【文献】 特表平07−502890(JP,A)
【文献】 特表平04−504119(JP,A)
【文献】 国際公開第96/013589(WO,A1)
【文献】 特表2010−518813(JP,A)
【文献】 特表2012−500193(JP,A)
【文献】 Hall et al,Vaccine,Vol.21,p.549-561(2003)
【文献】 Verhoef et al,PLoS Medicine,Vol.2,Issue.3,e78,p.253-p261(2005)
【文献】 Akdis et al,J. Clin. Invest.,Vol.102,No.1,p.98-106(1998)
【文献】 Klunker et al,Clinical and Experimental Allergy,Vol.36,p.465-474(2006)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
T細胞におけるIL-10放出を誘導可能な単離されたポリペプチドであって、該アミノ酸配列は、
(i) KGEAAIKLTSSAGVLSKK (SEQ ID NO:10; RGW07D)の配列
(ii)1、2又は3個のアミノ酸の置換を含む(i)の配列の変異
(iii) (i)の配列の15を超える連続したアミノ酸を含む(i)の配列断片
(iv) GESALSLTSSAGVLS (SEQ ID NO: 8; RGW07B)の配列;又は
(v) (i)〜(iv)のいずれかで定義された配列を含む20アミノ酸長までの長鎖配列
からなる、単離されたポリペプチド。
【請求項2】
T細胞におけるIL-10放出を誘導可能な単離されたポリペプチドであって、該アミノ酸配列は、
(i) ELVDSASQHG (SEQ ID NO:4; HDM03W) の配列
(ii)1又は2個のアミノ酸の置換を含む(i)の配の変異体
(iii) (i)の配列の7又はそれ以上の連続したアミノ酸を含む(i)の配列断片;又は
(iv) (i)〜(iii)のいずれかで定義された配列を含む20アミノ酸長までの長鎖配列
からなる、単離されたポリペプチド。
【請求項3】
(i)の配列のN末端に存在するグルタミン酸残基がピログルタミン酸に置換されている、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項4】
(i)N末端アセチル化
(ii)C末端アミド化
(iii)アルギニン及び/又はリジンの側鎖アミン上の1以上の水素のメチレン基による置換
(iv)グリコシル化;及び
(v)リン酸化
から選ばれる1以上の修飾を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項5】
該アミノ酸配列がKGEAAIKLTSSAGVLSKK (SEQ ID NO:10; RGW07D)、KGEAAIKLTSSAGVLSK (SEQ ID NO: 9; RGW07C)又はGESALSLTSSAGVLS (SEQ ID NO: 8; RGW07B)からなる、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項6】
該アミノ酸配列がELVDSASQHG (SEQ ID NO:4; HDM03W)、RNQSLDLAEQELVDSASQHG (SEQ ID NO: 1; HDM03D)、 RNQSLDLAEQELVDXASQH (SEQ ID NO: 2; HDM03E)又はEQELVDSASQHG (SEQ ID NO: 3, HDM03V)、ここで、Xは5-アミノ酪酸である、からなる、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを含有する組成物。
【請求項8】
医薬的に許容可能な賦形剤又は希釈剤を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
注射可能な溶液剤、懸濁剤又は乳化剤で提供される、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
非経口、皮下、皮内又は経皮投与用に製剤化される、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
ブタクサアレルギーの治療又は予防用である請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項12】
ブタクサアレルギーの治療又は予防用ポリペプチドを含む、請求項10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
ダニアレルギーの治療又は予防用である請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項14】
ダニアレルギーの治療又は予防用ポリペプチドを含む、請求項10のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願は以下の優先出願:英国特許出願番号第0814986.6号、国際特許出願番号PCT/GB08/002781号、PCT/GB08/002780号、PCT/GB08/002779号、PCT/GB08/002778号(全て2008年8月15日出願);2008年8月20日出願の英国特許出願番号第0815218.3号、2009年2月5日出願の英国特許出願番号第0901927.4号、2009年5月(My)1日出願の欧州特許出願番号第09251252.4号及び2009年7月20日出願の英国特許出願番号第0912578.2号の全ての内容を参照により援用する。
【0002】
発明の分野
本発明はタンパク質アレルゲンへの寛容化を誘導するためのペプチド組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
T細胞抗原認識は、抗原提示細胞(APC)表面上の主要組織適合性複合体(MHC)分子による抗原断片(ペプチド)の提示に基づく。MHC:ペプチド複合体は、T細胞表面上の抗原特異的T細胞受容体(TCR)により認識され、この認識は当該抗原に対する様々な免疫応答を開始し得る。
【0004】
アレルギー疾患は、アレルゲンと称される一部の抗原の、過敏な免疫応答を誘導する能力と関係している。免疫系の応答が異常である状況において、免疫応答を調節することができる新たな分子を同定することのニーズがある。そのような分子の同定により、アレルギー疾患の治療において恩恵がもたらされる。
【発明の概要】
【0005】
発明の要旨
本発明は、タンパク質アレルゲンへの異常な免疫応答によって特徴付けられる疾患の、寛容化による治療又は予防における使用のための、タンパク質アレルゲン由来の第一のポリペプチドに関する。第一のポリペプチドの寛容化特性は、サイトカインIL-10の大量放出を引き起こす、当該ポリペプチドの能力にある。
【0006】
驚くべきことに、本発明者らは、アレルゲン由来のペプチドが、他のアレルゲンペプチドに対する寛容化に用いられ得、従ってアレルギーの予防又は治療に用いられ得ることを確認した。同定されたペプチドは、アレルゲン全体に応答して放出されるレベルを超える、IL-10の放出を誘導できる。本発明の短いペプチドが、アレルゲン全体のポリペプチド鎖の非常に短い領域に相当することを考えると、IL-10放出の増大は予想外であった。本発明のペプチドは、アレルゲン全体中に存在する全T細胞エピトープ数のうちの少数に当たるにもかかわらず、IL-10産生を通じてより大きなT細胞応答を誘導する能力を有する。
【0007】
アレルゲン由来ペプチドが、高レベルのIL-10を放出する能力も驚異的であった。以前の、アレルゲン由来寛容化ペプチドの報告では、IL-13及びIFN-ガンマ等の活性化サイトカインの放出が報告されている。IL-10は、T細胞応答をアレルギータイプの応答から転換することができる、免疫モジュレーターとして知られる。個々のアレルゲン由来ペプチドが、抑制性サイトカインを多量に放出する能力は予想外であった。相当量のIL-10放出によって、望ましくない免疫応答が生じている第二のタンパク質の存在の寛容化を媒介する制御性T細胞の誘導がもたらされ得る。寛容化後に、引き続いて第二のタンパク質に遭遇しても、何ら応答が誘導されないか、又はより程度の低い応答が誘導され得る。
【0008】
本発明者らは、そうして、寛容化剤として作用し得る、タンパク質アレルゲン由来のペプチドを1クラス同定した。当該ペプチドは7〜30アミノ酸長であり、タンパク質アレルゲン由来の、MHCクラスII結合性T細胞エピトープ含む。当該ペプチドはタンパク質アレルゲンの断片か、又はその相同な変異体である。長さの範囲は、最小MHCクラスII結合性エピトープの余地はあるが、肥満細胞上で起こり得るIgE受容体の架橋を回避し、従ってヒスタミン放出を減少させるように選ばれる。当該ペプチドは、それらの寛容化効果の基礎となる、IL-10応答特性を示す。例えばそれらの、種々のMHC対立遺伝子に結合する能力のために、それらは集団の大部分で、有意なIL-10放出を誘導することができ得る。これは、それらが、望ましくない免疫応答が観察される状態の治療又は予防における、広範な実用性の一般的寛容化剤として役立つことを可能にする。当該ペプチドはまた、同一アレルゲン由来の他のペプチドと比較して、集団中、平均的に有意なIL-10放出を誘導し得る。
【0009】
従って、本発明は:
疾患の、寛容化による治療又は予防方法における使用のための第一又は第二のポリペプチドであって、当該方法が第一及び第二のポリペプチドの投与を含み、第一及び第二のポリペプチド両方が:
i)7〜30アミノ酸長であり;
ii)少なくとも1のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含み;且つ
iii)タンパク質アレルゲンの断片であるか、又は当該断片の相同な変異体であり、
当該第一のポリペプチドが、当該第一のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲン全体に応答して放出されるIL-10量よりも多い量のIL-10の放出を誘導し;
前記疾患が、当該第二のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲンへの異常な免疫応答により特徴付けられる、ポリペプチドを提供する。疾患は、典型的にはアレルギー性疾患である。
【0010】
上記した特性を有するポリペプチドは、本発明に従う使用については、以前に公知でなかったことを考えると、本明細書中に記載の主題は単一性を有する。
【0011】
第一のポリペプチドは、典型的には、タンパク質アレルゲンの断片又はその変異体、好ましくは相同性のある変異体の断片である。第二のポリペプチドは、同一のタンパク質アレルゲン(第一のポリペプチドはその断片である)由来であってもよく、又は異なるタンパク質アレルゲン由来であってもよい。第一及び第二のポリペプチドが同一アレルゲン由来の場合、それらはそのタンパク質アレルゲンの異なる断片に相当する。従って、第一及び第二のポリペプチドは異なり、1つの実施形態においては、いずれのT細胞エピトープ配列も共通して有しない。1つの実施形態においては、第一及び第二のポリペプチドは相同性のない配列、例えば、互いと40%未満の相同性を有する配列である。
【0012】
第一及び/又は第二のポリペプチドは、植物アレルゲン、動物の鱗屑アレルゲン、カビ又は真菌アレルゲン、埃アレルゲン、抗生物質又は他の薬剤、刺咬昆虫毒、環境アレルゲン又は食物アレルゲン及びそれらの組合せ由来であってもよい。
【0013】
第一のポリペプチドは、典型的には:
タンパク質アレルゲンにアレルギーを示す個体集団の少なくとも35、40、45、50、又は55%においてIL-10放出を誘導する;及び/又は
(i)の集団において、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)に応答して放出されるIL-10の平均量の少なくとも35、40、45、50及び55%である平均IL-10量の放出を誘導する。
【0014】
1つの実施形態においては、第一のポリペプチドは、イエダニタンパク質Der p 1又はブタクサタンパク質Amb a 1の断片である。より具体的には、第一のポリペプチドが、
(i)HDM03E、HDM202、HDM03W又はRGW07Dの配列のペプチド;或いは
(ii)
(i)の配列のいずれか、又は
(i)の配列のいずれかに対し少なくとも65%の相同性を有する配列
からなる領域を含む7〜30アミノ酸長のペプチドである、(i)に記載のペプチドの変異体;或いは
(iii)
-(i)の配列のいずれかの断片、又は
-(i)の配列のいずれか中の連続するいずれかの7アミノ酸に対し少なくとも65%の相同性を有する、(i)の配列のいずれかの断片のホモログ
のいずれかを表す配列からなる領域を含む7〜30アミノ酸長のペプチドである、(i)に記載のペプチドの変異体であり得る。
【0015】
更に、第一及び/又は第二のポリペプチドは、典型的には、B細胞の細胞表面上に発現するIgG或いは肥満細胞又は好塩基球の表面上に発現するIgEを架橋できるエピトープを含まない、且つ/又は当該タンパク質アレルゲン由来のT細胞エピトープの最小MHCクラスII結合性配列を含むか、若しくはそれらから成ってもよい。従って、本発明のポリペプチドは、肥満細胞及び好塩基球等の細胞上の、隣接する特定のIgE分子の有意な架橋を誘導せず、結果的に、好ましくない免疫刺激につながる、ヒスタミンの有意な放出を引き起こさない。
【0016】
本発明は、1以上の上記ペプチドの組成物、上記ペプチドとして発現するポリヌクレオチドの1以上を含む組成物、及び上記ポリヌクレオチドの1以上を含むベクターも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、イエダニアレルギーを示す個体集団に関して、x軸上に示すイエダニペプチドに応答した平均IL-10放出(y軸、pg/ml)を示す。
図2図2は、イエダニアレルギーを示す個体集団に関して、x軸上に示すイエダニペプチドに応答した平均IL-10放出(y軸、pg/ml)を示す。
図3図3は、ブタクサアレルギーを示す個体集団に関して、x軸上に示すブタクサペプチドに応答した平均IL-10放出(y軸、pg/ml)を示す。
図4図4は、ブタクサアレルギーを示す個体集団に関して、x軸上に示すブタクサペプチドに応答した平均IL-10放出(y軸、pg/ml)を示す。
図5図5は、ビヒクル処置したか、又はペプチドHDM03D及びHDM202を投与処置したマウスにおける、肺へのメタコリンチャレンジ後の気管支気道抵抗を示す。図5Aは、HPVEH(ビヒクル)、及びHP10、HP1、HP0.1、HP0.01、HP0.001(10、1、0.1、0.01及び0.001 ugの各HDM03D及びHDM202)の各処置群に関して、メタコリンチャレンジ用量(x軸、mg/ml)に応答した気道抵抗(y軸、cm H20/mL/s)を示す。図5Bは、25mg/mlメタコリンチャレンジでの気道抵抗(y軸、cm H20/mL/s;x軸:処置群)を示す。図5Cは、図5Aの用量応答曲線から算出した、抵抗の上昇率(y軸、傾き(投与量あたりの抵抗上昇率)、x軸:処置群)を示す。
図6図6は、気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症細胞の定量を示す。図6Aは、BAL中の総細胞数(y軸、BAL中の細胞数(x104)、x軸:処置群)を示す。図6B、6C及び6Dには、それぞれ、BAL液中の好中球、リンパ球及び好酸球の絶対数(y軸、BAL中の細胞数(x104)、x軸:処置群)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
本発明は免疫寛容化方法において用いられ得るペプチドに関する。当該ペプチドは、ポリペプチドアレルゲンの断片又は相同性のあるその変異体である。当該ペプチドは、タンパク質アレルゲンに対する免疫寛容の誘導において用いられる。本明細書中、タンパク質アレルゲン由来のペプチドは、通常「ポリペプチド」、「ペプチド」又は「本発明のペプチド」と称される。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」は本明細書中、互換可能に用いられる。
【0019】
ペプチドは、例えばタンパク質分解切断により、化学的にポリペプチドアレルゲン由来であってもよく、又は例えば当該ポリペプチドアレルゲンのアミノ酸配列を利用し、当該配列に基づいてペプチドを合成することにより、知的な意味でポリペプチドアレルゲン由来であってもよい。
【0020】
本発明のペプチドは、MHCクラスII結合にとって必要な最小必須配列からなるT細胞エピトープを含むと理解される。ペプチドがT細胞からのIL-10放出を誘導し、寛容化効果をもたらすためには、T細胞エピトープの存在が必要である。当該ペプチドは、少なくとも7アミノ酸長であり、好ましくは9アミノ酸長で、最大で30アミノ酸長である。好ましくは、当該ペプチドの長さは9〜20アミノ酸であり、又はより好ましくは13〜17アミノ酸である。更に、本発明のペプチドは、それらが由来するタンパク質アレルゲン全体の10%以下に相当し得る。つまり、本発明のペプチドは、それが由来するタンパク質アレルゲン全体のポリペプチド鎖の10%以下に相当する断片であり得る。好ましくは、本発明のペプチドは、それが由来するタンパク質アレルゲン全体の9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%未満又はそれ以下に相当し得る。
【0021】
本発明の第一のポリペプチドは、典型的には、寛容化剤として作用するその能力の基礎となる、1以上の機能特性を有する。当該第一のポリペプチドは、当該第一のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲン全体に応答して放出されるIL-10量よりも多いIL-10の放出を誘導する。好ましくは、当該第一のポリペプチドは、前記タンパク質アレルゲン全体に応答して放出されるIL-10量の少なくとも120%、150%、200%、250%、300%、400%、500%又はそれ以上のIL-10放出を誘導し得る。当該第一のポリペプチドは、集団の少なくとも35、40、45、50又は55%で、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を誘導し得る。従って本実施形態においては、当該ペプチドは、サンプル集団の同等の割合に相当する、MHC対立遺伝子のサブセットに結合することができる。好ましくは、当該ペプチドは、集団の55%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、又は90%以上で、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を誘導する。
【0022】
本明細書中、「IL-10放出の誘導」は当該技術分野で一般に用いられる方法により測定可能な放出と定義される。IL-10放出の誘導はアレルゲン全体に対して相対的に、またT細胞が当該ペプチドに曝されていない対照サンプルに対しても相対的に測定される。一般に、IL-10放出の誘導は、対照サンプルにおいて観察されるものよりも、少なくとも2、3、4倍又はそれ以上のIL-10レベルに相当する。応答は、典型的には、対象の被験体から得られたT細胞を用いてin vitroで測定される。いくつかの実施形態においては、当該応答は、第一のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲンにアレルギーを示す被験体から得られたT細胞を用いてin vitroで測定される。当該応答は:
i)長さ7〜30アミノ酸からなり、少なくとも1つのMHCクラスII結合性T細胞エピトープ含む、タンパク質アレルゲンのペプチド断片を選ぶ段階;
ii)前記ペプチドを異なる被験体から採取した複数のサンプル中のT細胞とインキュベートする段階;及び
iii)前記細胞においてIL-10放出を測定する段階;及び必要に応じて
iv)1以上の他のサイトカイン放出を測定する段階
を含むin vitroの方法に従って測定され得る。
【0023】
好ましい実施形態においては、当該方法は、i)のタンパク質アレルゲン全体を、異なる被験体から採取した複数のサンプル中のT細胞とインキュベートすること;前記細胞においてIL-10放出を測定すること;及びii)の細胞におけるIL-10放出と、タンパク質アレルゲン全体とインキュベートした前記細胞におけるIL-10放出とを比較して、i)のタンパク質アレルゲン全体に応答して放出されるIL-10量よりも多いIL-10の放出を誘導することができるぺプチドを同定することを更に含む。上記方法は、本発明の一部として提供される。いくつかの実施形態においては、被験体は、(i)のタンパク質アレルゲンにアレルギーを示し得る。
【0024】
いくつかの実施形態においては、アレルゲン全体に勝るIL-10放出の誘導は、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)に応答して放出される平均IL-10量であり得る。そのような平均は、以下に示すとおりに算出され得る。
【0025】
特定レベルのIL-10放出は、第一のポリペプチドの投与に応答して、関係する被験体中で起こり得る。
【0026】
当然のことながら、比較として用いられるタンパク質アレルゲンは、無傷ポリペプチド全体であっても、又は当該タンパク質アレルゲンへの免疫応答を媒介するT細胞エピトープを含む切断型であってもよい。一般に、タンパク質アレルゲン由来の個々のペプチドは、上記定義のとおりのタンパク質アレルゲン全体又はその切断型に応答して得られるIL-10放出よりもかなり低いIL-10放出を示す。しかしながら、タンパク質アレルゲン全体又はその切断型に対するIL-10放出よりも多くのIL−10放出を示す個々のペプチドは、特に好適な寛容化剤であり得る。当該ペプチドは、タンパク質アレルゲン全体又はその切断型に対して観察される応答よりも大きい、平均の応答をも示し得る。
【0027】
第一のポリペプチドは、少なくとも400 pg/mlのIL-10量の放出も誘導し得る。いくつかの実施形態においては、IL-10放出は、少なくとも500 pg/ml、少なくとも600 pg/ml、少なくとも700 pg/ml、少なくとも800 pg/ml、少なくとも900 pg/ml、又は少なくとも1000 pg/ml又はそれ以上であり得る。IL-10放出は、サンプル被験体集団において放出される平均量であってもよい。サンプル被験体集団は、第一のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲンにアレルギーを示し得る。
【0028】
当然のことながら、IL-10放出の平均量は、集団において観察される個々のIL-10放出の平均、中央値又は最頻値であり得る。当然のことながら、集団中の被験体が、当該集団の他のメンバーと比較して異常に低いか、又は以上に高いIL-10放出を示す場合、それらは、平均から排除され得る。これにより、集団において示される応答を、より代表する平均値の測定が可能になり得る。用語「異常に低い」又は「異常に高い」は、異常なIL-10放出特性を示す個体を排除した、より代表的なIL-10放出の平均と比較した相違が、10倍又は20倍であることを指し得る。以下で他の平均IL-10放出を検討する場合、同一の考えが当てはまる。
【0029】
本明細書中、集団は10、20、50、75、100又はそれ以上の被験体の群である。好ましくは、集団は50以上の被験体からなる。いくつかの実施形態においては、集団は、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)又はその変異体に対してアレルギーを示す被験体からなる。他の実施形態においては、集団は、他の1以上のタンパク質に対してもアレルギーを示す被験体を含んでいてもよい。更なる実施形態においては、集団は、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)又は相同性のあるその変異体に対してアレルギーを示さない被験体からなり得るか、又はそれを含み得る。
【0030】
本発明は、好適ないずれの被験体の種においても実施することができる。種は、通常は(鳥を含む)動物、好ましくは哺乳動物又はヒトである。他の好適な種としては、以下の科、亜科、属又は種のもの:
有蹄動物−科:イノシシ科、属:イノシシ属(Sue)(ブタ)
科ウシ科、亜科:ウシ亜科、属:ウシ属(Bos)(ウシ)
科:ウシ科、亜科:ヤギ亜科、属:ヒツジ属(Ovis)(ヒツジ)
科:ウマ科、属:ウマ属(Equus)(ウマ)
霊長目: 目:霊長目、亜目:サル亜目(真猿(Simian Monkeys)を含む),
亜科:ヒト亜科(ゴリラ、チンパンジー)
族:ヒト族
他: 科:イヌ科、属:イヌ属(Canis.)(イヌ)
科:ネコ科、属:ネコ属(Felis)(ネコ)
非四足脊索動物:綱:トリ綱、目:キジ目(陸鳥)、及び目:カモ目(水鳥)
科:ネズミ科(ラット、アレチネズミ、マウス、ハムスター)
が挙げられる。
【0031】
被験体がヒトの場合、集団は民族(例、カフカス人、アフリカ人、中国人)を基準に選択され得る。タンパク質アレルゲンが、居住者が主として単一の民族起源である特定の地理的領域に主に限定される場合、民族基準での集団の選択が有用であり得る。集団は、タンパク質アレルゲンに対するアレルギー反応が穏やかか、中程度か、又は重篤かを基準にしても選択され得る。
【0032】
好ましくは、治療されるべき個体は、カフカス人集団で代表的な頻度の範囲内のMHC対立遺伝子頻度を有する集団由来である。11の一般的DRB1対立遺伝子ファミリーについて、参照集団対立遺伝子頻度を表1中に示す(HLA Facts Book, Parham and Barberのデータ)。
【0033】
【表1】
【0034】
参照頻度は、頻度を報告する複数の研究の解析により得られたもので、図に示すのは平均値である。従って好ましくは、治療されるべき個体は、表1に言及される対立遺伝子(例えば、少なくとも1、2、3、4、5又は全ての対立遺伝子)に関して、参照集団と同等のMHC対立遺伝子頻度、例えば、これらの数値のプラスマイナス1、2、3、5、10、15又は20%の範囲内の頻度を有する集団由来である。好ましくは、個体は、以下のDRB1対立遺伝子の対立遺伝子頻度が:
4-少なくとも9%
7-少なくとも10%
11−少なくとも8%
である集団に由来する。
【0035】
更に、本発明のペプチドは、集団中の高い割合でIL-10放出を誘導しない場合でも、アレルギーを示す個体の特定のサブセットに合わせた治療のために用いられ得る。そのような実施形態においては、ペプチドは、個体において、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)に応答して同一個体により放出されるIL-10量よりも多くのIL-10放出を誘導する。このペプチドは、より大きな集団に広く適用可能でなくとも、この個体における寛容化のための使用に好適である。
【0036】
本発明によれば、第一及び第二のポリペプチドが寛容化方法において投与される。本発明の第一及び第二のポリペプチドは、連続して、別個に、又は組み合せて投与され得る。更に、本発明の1を上回る第一及び/又は第二のペプチドが、疾患の、寛容化による治療又は予防のために、被験体に投与され得る。例えば、本発明の2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上のペプチドが、1被験体に投与され得る。いくつかの実施形態においては、本発明の1の第一のペプチドが、本発明の2、3、4、5、6、7又はそれ以上の第二のペプチドと共に投与される。他の実施形態においては、本発明の2以上の第一のペプチドが、本発明の1以上の第二のペプチドと共に投与され得る。
【0037】
本発明の第一及び第二のペプチドは、タンパク質アレルゲンに対して異常な免疫応答を示す被験体における、そのアレルゲンに対する免疫寛容化方法において用いられる。いくつかの実施形態においては、被験体は、タンパク質アレルゲン(第一のペプチドはその断片である)又は相同性のあるその変異体にもアレルギーを示すか、又は穏やかなアレルギーを示す。
【0038】
用語「寛容化」は、タンパク質アレルゲンへのアレルギー応答を抑制するか、又は無くする能力を指す。寛容化は、好ましくない免疫応答を減退させるか、又は無くする能力であるか、或いは被験体を、タンパク質アレルゲンに対し脱感作する能力でもある。寛容化は、T細胞応答のin vitro解析により、又は個体における症状低下の観察により測定され得る。いくつかの実施形態においては、当該ペプチドは、1を上回るタンパク質アレルゲンに対して寛容化をもたらし得る。
【0039】
寛容化の効果は、本発明のペプチドの単独投与において観察され得、起り得る、タンパク質アレルゲンとの遭遇に対する寛容化環境を創り出す。従って、本発明のペプチドにより応答過少状態が確立されている場合、又は免疫系が少なくとも脱感作へと切り替わっている場合、これは、タンパク質アレルゲンが次いで遭遇する、好ましくない免疫応答に対する予防として作用する。
【0040】
当然のことながら、本発明の第二のペプチドは、それに対する異常な免疫応答が存在するタンパク質アレルゲン由来である。従って、第一のポリペプチドを背景とした第二のポリペプチドの投与により、当該第二のポリペプチドが由来するタンパク質アレルゲン全体に対する寛容化が可能となる。また一方、他の実施形態においては、本発明のペプチドは、タンパク質アレルゲン全体と連続して、別個に、又は組み合せて投与されてもよい。これにより、タンパク質アレルゲンに対して免疫応答が引き起こされると同時に、ペプチドが寛容化効果を誘導することが可能となる。従って、タンパク質アレルゲン由来のT細胞エピトープに対するアレルギー型の応答は、本発明の第一のペプチドのIL-10放出特性による寛容化効果へと転換され得る。
【0041】
いくつかの実施形態においては、当該第一のペプチドは、単独で投与されるタンパク質アレルゲン又は第二のポリペプチドに応答して示すIL-10の放出レベルが低い被験体の寛容化のために用いられる。そのような被験体は、以下に記載の診断方法により同定され得る。そのような被験体は、第二のペプチド又はタンパク質アレルゲン単独の投与によっては寛容化されないという点で特徴的付けられ得る。
【0042】
当然のことながら、タンパク質アレルゲン全体の上記使用は、被験体への無傷タンパク質アレルゲンの投与に限定されない。典型的には、当該タンパク質アレルゲンは、第二のタンパク質由来のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む1以上のペプチドの形態で投与される。そのようなペプチドは、第一のアレルゲン由来のペプチドに関連して以下に示す基準に従って、可溶化のために修飾又は操作され得る。
【0043】
本発明のペプチドの寛容化効果は、予防(propylactically)又は治療に利用され得る。従って、本発明のペプチドは、寛容化による、タンパク質アレルゲンに対する個体の疾患、典型的にはアレルギー性疾患の治療又は予防における使用のために提供される。
【0044】
タンパク質アレルゲンとしては、イエダニアレルゲン、花粉、動物の鱗屑(特にネコの鱗屑)、イネ科植物、カビ、埃、抗生物質、刺咬昆虫毒、及び種々の環境(化学物質及び金属を含む)アレルゲン、薬物及び食物アレルゲンが挙げられるが、これらに限定されない。一般の樹木アレルゲンとしては、ハコヤナギ、ポプラ、セイヨウトネリコ、カバノキ、カエデ、オーク、ニレ、ヒッコリー、ペカンの木由来の花粉が挙げられ;一般の植物アレルゲンとしては、ヨモギ、ブタクサ、ヘラオオバコ、ソレル及びアカザ由来のアレルゲンが挙げられ;植物の接触アレルゲンとしては、ウルシ、ツタウルシ及びイラクサ由来のアレルゲンが挙げられ;一般のイネ科植物アレルゲンとしては、ホソムギ、オオアワガエリ、セイバンモロコシ、バミューダグラス、フェスク及びイチゴツナギアレルゲンが挙げられ;一般のアレルゲンはAlternaria、Cladosporium、Fusarium、Hormodendrum、Aspergillus、Micropolyspora、Mucor及びthermophilic actinomycetes等のカビ又は真菌からも得ることができ;表皮性アレルゲンは、(典型的には真菌起源の)ハウスダスト又は有機塵、或いは羽毛及びイヌ鱗屑等の動物源から得ることができ;一般の食物アレルゲンとしては、牛乳及びチーズ(乳製品)、卵、コムギ、ナッツ(例、ピーナッツ)、海産物(例、甲殻類)、エンドウ、マメ及びグルテンアレルゲンが挙げられ;一般の環境アレルゲンとしては、金属(ニッケル及び金)、化学物質(ホルムアルデヒド、トリニトロフェノール及びテルペンチン)、ラテックス、ゴム、繊維(綿又は羊毛)、黄麻布、毛髪染料、化粧品、界面活性剤及び香水アレルゲンが挙げられ;一般の薬物アレルゲンとしては、局所麻酔薬及びサリチル酸塩アレルゲンが挙げられ;抗生物質アレルゲンとしては、ペニシリン、テトラサイクリン及びスルホンアミドアレルゲンが挙げられ;そして一般の昆虫アレルゲンとしては、ミツバチ、スズメバチ及びアリ毒並びにゴキブリ貯卵嚢(calyx)アレルゲンが挙げられる。特によく特徴付けれたアレルゲンとしては、ネコ主要アレルゲンFel d1、ハチ毒ホスホリパーゼA2(PLA)(Akdis et al.(1996)J. Clin. Invest. 98:1676-1683)、カバノキ花粉アレルゲンBet v 1(Bauer et al.(1997)Clin. Exp. Immunol. 107:536-541)、及びマルチエピトープの組換えイネ科植物アレルゲンrKBG8.3(Cao et al. (1997)Immunology 90:46-51)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の第一及び第二のポリペプチドは、植物アレルゲン、動物の鱗屑アレルゲン、カビ又は真菌アレルゲン、埃アレルゲン、抗生物質又は他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲン又は食物アレルゲン及びそれらの組合せ由来であってもよい。
【0046】
特に好ましいT細胞エピトープはアレルゲン:ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;イエダニタンパク質Der p 1、Der p 2及びDer p 7;ブタクサタンパク質amb a 1(特にamb a 1.1、a 1.2、a1.3又はa1.4);;Alternaria alternataタンパク質Alt a 1、Alt a 2、エノラーゼ(Alt a 6)、Alt a 10、Alt a 13;Cladosporium herbarumタンパク質Cla h 6、Cla h 8;カバノキタンパク質Bet v1、Bet v 2、Bet v 3、Bet v 4、Bet v 6及びP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5及びBla g 6;ヨモギタンパク質Art v 1;ロシアアザミタンパク質Sal k 1及び Sal k 2;ピーナッツAra h 1, Ara h 2, Ara h 3, Ara h 4, Ara h 5, Ara h 6、植物プロフィリン類又は脂質輸送タンパク質類又はヒト白血球抗原由来である。
【0047】
これらの、及び他の好適なアレルゲンは、市販により入手可能且つ/又は以下の公知技術により抽出物として容易に調製できる。
【0048】
好ましくは、当該アレルゲンは、以下のアレルゲン全体並びにアレルゲン断片の配列及びデータベースアクセッション番号(NCBI Entrezアクセッション番号)のリストから選択される。NCBIは国立バイオテクノロジー情報センターであり、米国国立衛生研究所の1部門である。データベースへのアクセスを求め得るNCBIのウェブサイトはwww.ncbi.nlm.nih.gov/である。アレルゲンの配列及びデータベースアクセッション番号(NCBI Entrezアクセッション番号):

イエダニ
Dermatophagoides pteronyssinus

Der p 1
MKIVLAIASLLALSAVYARPSSIKTFEEYKKAFNKSYATFEDEEAARKNFLESVKYVQSNGGAINHLSDLSLDEFKNRFLMSAEAFEHLKTQFDLNAETNACSINGNAPAEIDLRQMRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNQSLDLAEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQHNGVVQESYYRYVAREQSCRRPNAQRFGISNYCQIYPPNVNKIREALAQTHSAIAVIIGIKDLDAFRHYDGRTIIQRDNGYQPNYHAVNIVGYSNAQGVDYWIVRNSWDTNWGDNGYGYFAANIDLMMIEEYPYVVIL

Der p 2
MMYKILCLSLLVAAVARDQVDVKDCANHEIKKVLVPGCHGSEPCIIHRGKPFQLEAVFEANQNTKTAKIEIKASIDGLEVDVPGIDPNACHYMKCPLVKGQQYDIKYTWNVPKIAPKSENVVVTVKVMGDDGVLACAIATHAKIRD

Der p 3
MIIYNILIVLLLAINTLANPILPASPNATIVGGEKALAGECPYQISLQSSSHFCGGTILDEYWILTAAHCVAGQTASKLSIRYNSLKHSLGGEKISVAKIFAHEKYDSYQIDNDIALIKLKSPMKLNQKNAKAVGLPAKGSDVKVGDQVRVSGWGYLEEGSYSLPSELRRVDIAVVSRKECNELYSKANAEVTDNMICGGDVANGGKDSCQGDSGGPVVDVKNNQVVGIVSWGYGCARKGYPGVYTRVGNFIDWIESKRSQ

Der p 4 KYXNPHFIGXRSVITXLME

Der p 5
MKFIIAFFVATLAVMTVSGEDKKHDYQNEFDFLLMERIHEQIKKGELALFYLQEQINHFEEKPTKEMKDKIVAEMDTIIAMIDGVRGVLDRLMQRKDLDIFEQYNLEMAKKSGDILERDLKKEEARVKKIEV

Der p 6 AIGXQPAAEAEAPFQISLMK

Der p 7
MMKLLLIAAAAFVAVSADPIHYDKITEEINKAVDEAVAAIEKSETFDPMKVPDHSDKFERHIGIIDLKGELDMRNIQVRGLKQMKRVGDANVKSEDGVVKAHLLVGVHDDVVSMEYDLAYKLGDLHPNTHVISDIQDFVVELSLEVSEEGNMTLTSFEVRQFANVVNHIGGLSILDPIFAVLSDVLTAIFQDTVRAEMTKVLAPAFKKELERNNQ

Der p9 IVGGSNASPGDAVYQIAL

Dermatophagoides farinae

Der f 1
MKFVLAIASLLVLTVYARPASIKTFEFKKAFNKNYATVEEEEVARKNFLESLKYVEANKGAINHLSDLSLDEFKNRYLMSAEAFEQLKTQFDLNAETSACRINSVNVPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNTSLDLSEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVEERSYPYVAREQRCRRPNSQHYGISNYCQIYPPDVKQIREALTQTHTAIAVIIGIKDLRAFQHYDGRTIIQHDNGYQPNYHAVNIVGYGSTQGDDYWIVRNSWDTTWGDSGYGYFQAGNNLMMIEQYPYVVIM

Der f 2
MISKILCLSLLVAAVVADQVDVKDCANNEIKKVMVDGCHGSDPCIIHRGKPFTLEALFDANQNTKTAKIEIKASLDGLEIDVPGIDTNACHFMKCPLVKGQQYDIKYTWNVPKIAPKSENVVVTVKLIGDNGVLACAIATHGKIRD

Der f 3
MMILTIVVLLAANILATPILPSSPNATIVGGVKAQAGDCPYQISLQSSSHFCGGSILDEYWILTAAHCVNGQSAKKLSIRYNTLKHASGGEKIQVAEIYQHENYDSMTIDNDVALIKLKTPMTLDQTNAKPVPLPAQGSDVKVGDKIRVSGWGYLQEGSYSLPSELQRVDIDVVSREQCDQLYSKAGADVSENMICGGDVANGGVDSCQGDSGGPVVDVATKQIVGIVSWGYGCARKGYPGVYTRVGNFVDWIESKRSQ

Der f 4 AVGGQDADLAEAPFQISLLK

Der f 7
MMKFLLIAAVAFVAVSADPIHYDKITEEINKAIDDAIAAIEQSETIDPMKVPDHADKFERHVGIVDFKGELAMRNIEARGLKQMKRQGDANVKGEEGIVKAHLLIGVHDDIVSMEYDLAYKLGDLHPTTHVISDIQDFVVALSLEISDEGNITMTSFEVRQFANVVNHIGGLSILDPIFGVLSDVLTAIFQDTVRKEMTKVLAPAFKRELEKN

追加のダニアレルゲン配列(NCBI entrezアクセッション):

1170095; 1359436; 2440053; 666007; 487661; 1545803; 84702; 84699; 625532; 404370; 1091577; 1460058; 7413; 9072; 387592.

ネコ
ネコ属(Felis)の配列(NCBI entrezアクセッション):

539716; 539715; 423193; 423192; 423191; 423190; 1364213; 1364212; 395407; 163827; 163823; 163825; 1169665; 232086; 1169666.

ラテックス
パラゴムノキ属(Hevea)の配列:

Hev b 1
MAEDEDNQQGQGEGLKYLGFVQDAATYAVTTFSNVYLFAKDKSGPLQPGVDIIEGPVKNVAVPLYNRFSYIPNGALKFVDSTVVASVTIIDRSLPPIVKDASIQVVSAIRAAPEAARSLASSLPGQTKILAKVFYGEN

Hev b 3
MAEEVEEERLKYLDFVRAAGVYAVDSFSTLYLYAKDISGPLKPGVDTIENVVKTVVTPVYYIPLEAVKFVDKTVDVSVTSLDGVVPPVIKQVSAQTYSVAQDAPRIVLDVASSVFNTGVQEGAKALYANLEPKAEQYAVITWRALNKLPLVPQVANVVVPTAVYFSEKYNDVVRGTTEQGYRVSSYLPLLPTEKITKVFGDEAS

追加のパラゴムノキ属の配列(NCBI entrezアクセッション):
3319923; 3319921; 3087805; 1493836; 1480457; 1223884; 3452147; 3451147; 1916805; 232267; 123335; 2501578; 3319662; 3288200; 1942537; 2392631; 2392630; 1421554; 1311006; 494093; 3183706; 3172534; 283243; 1170248; 1708278; 1706547; 464775; 266892; 231586; 123337; 116359; 123062; 2213877; 542013; 2144920; 1070656; 2129914; 2129913; 2129912; 100135; 82026; 1076559; 82028; 82027; 282933; 280399; 100138; 1086972; 108697; 1086976; 1086978; 1086978; 1086976; 1086974; 1086972; 913758; 913757; 913756; 234388; 1092500; 228691; 1177405; 18839; 18837; 18835; 18833; 18831; 1209317; 1184668; 168217; 168215; 168213; 168211; 168209; 348137.

パリエタリア
パリエタリア属(Parietaria)の配列:

2497750 Par j P2
MRTVSMAALVVIAAALAWTSSAEPAPAPAPGEEACGKVVQDIMPCLHFVKGEEKEPSKECCSGTKKLSEEVKTTEQKREACKCIVRATKGISGIKNELVAEVPKKCDIKTTLPPITADFDCSKIQSTIFRGYY

1352506 Par j P5
MVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTVGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSDPAHKARLERPQIRVPPPAPEKA

1532056 Par j P8
MRTVSMAALVVIAAALAWTSSAELASAPAPGEGPCGKVVHHIMPCLKFVKGEEKEPSKSCCSGTKKLSEEVKTTEQKREACKCIVAATKGISGIKNELVAEVPKKCGITTTLPPITADFDCSKIESTIFRGYY

1532058 Par j P9
MRTVSAPSAVALVVIVAAGLAWTSLASVAPPAPAPGSEETCGTVVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGLQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTLGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSDPAHKARLERPQIRVPPPAPEKA

2497749 Par j P9
MRTVSARSSVALVVIVAAVLVWTSSASVAPAPAPGSEETCGTVVGALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTLGVLHYKGN

1086003 Par j 1
MVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTVGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSRSRPPTKHGWRDPRLEFRPPHRKKPNPAFSTLG

追加のパリエタリア属の配列(NCBI entrezアクセッション):

543659; 1836011; 1836010; 1311513; 1311512; 1311511; 1311510; 1311509; 240971.

スズメバチ(及び近縁)クロスズメバチ属(Vespula)の配列:

465054 ALLERGEN Ves v 5
MEISGLVYLIIIVTIIDLPYGKANNYCKIKCLKGGVHTACKYGSLKPNCGNKVVVSYGLTKQEKQDILKEHNDFRQKIARGLETRGNPGPQPPAKNMKNLVWNDELAYVAQVWANQCQYGHDTCRDVAKYQVGQNVALTGSTAAKYDDPVKLVKMWEDEVKDYNPKKKFSGNDFLKTGHYTQMVWANTKEVGCGSIKYIQEKWHKHYLVCNYGPSGNFMNEELYQTK

1709545 ALLERGEN Ves m 1
GPKCPFNSDTVSIIIETRENRNRDLYTLQTLQNHPEFKKKTITRPVVFITHGFTSSASEKNFINLAKALVDKDNYMVISIDWQTAACTNEYPGLKYAYYPTAASNTRLVGQYIATITQKLVKDYKISMANIRLIGHSLGAHVSGFAGKRVQELKLGKYSEIIGLDPARPSFDSNHCSERLCETDAEYVQIIHTSNYLGTEKILGTVDFYMNNGKNNPGCGRFFSEVCSHTRAVIYMAECIKHECCLIGIPRSKSSQPISRCTKQECVCVGLNAKKYPSRGSFYVPVESTAPFCNNKGKII

1352699 ALLERGEN Ves v 1
MEENMNLKYLLLFVYFVQVLNCCYGHGDPLSYELDRGPKCPFNSDTVSIIIETRENRNRDLYTLQTLQNHPEFKKKTITRPVVFITHGFTSSASETNFINLAKALVDKDNYMVISIDWQTAACTNEAAGLKYLYYPTAARNTRLVGQYIATITQKLVKHYKISMANIRLIGHSLGAHASGFAGKKVQELKLGKYSEIIGLDPARPSFDSNHCSERLCETDAEYVQIIHTSNYLGTEKTLGTVDFYMNNGKNQPGCGRFFSEVCSHSRAVIYMAECIKHECCLIGIPKSKSSQPISSCTKQECVCVGLNAKKYPSRGSFYVPVESTAPFCNNKGKII

1346323 ALLERGEN Ves v 2
SERPKRVFNIYWNVPTFMCHQYDLYFDEVTNFNIKRNSKDDFQGDKIAIFYDPGEFPALLSLKDGKYKKRNGGVPQEGNITIHLQKFIENLDKIYPNRNFSGIGVIDFERWRPIFRQNWGNMKIHKNFSIDLVRNEHPTWNKKMIELEASKRFEKYARFFMEETLKLAKKTRKQADWGYYGYPYCFNMSPNNLVPECDVTAMHENDKMSWLFNNQNVLLPSVYVRQELTPDQRIGLVQGRVKEAVRISNNLKHSPKVLSYWWYVYQDETNTFLTETDVKKTFQEIVINGGDGIIIWGSSSDVNSLSKCKRLQDYLLTVLGPIAINVTEAVN

549194 ALLERGEN Ves vI
5KVNYCKIKCLKGGVHTACKYGTSTKPNCGKMVVKAYGLTEAEKQEILKVHNDFRQKVAKGLETRGNPGPQPPAKNMNNLVWNDELANIAQVWASQCNYGHDTCKDTEKYPVGQNIAKRSTTAALFDSPGKLVKMWENEVKDFNPNIEWSKNNLKKTGHYTQMVWAKTKEIGCGSVKYVKDEWYTHYLVCNYGPSGNFRNEKLYEKK

追加のクロスズメバチ属の配列(NCBI entrez accession):
549193; 549192; 549191; 549190; 549189; 117414; 126761; 69576; 625255; 627189; 627188; 627187; 482382; 112561; 627186; 627185; 1923233; 897645; 897647; 745570; 225764; 162551.

樹木アレルゲンの配列:
カバノキ

114922 Bet v 1
MGVFNYETETTSVIPAARLFKAFILDGDNLFPKVAPQAISSVENIEGNGGPGTIKKISFPEGFPFKYVKDRVDEVDHTNFKYNYSVIEGGPIGDTLEKISNEIKIVATPDGGSILKISNKYHTKGDHEVKAEQVKASKEMGETLLRAVESYLLAHSDAYN

130975 Bet v 2
MSWQTYVDEHLMCDIDGQASNSLASAIVGHDGSVWAQSSSFPQFKPQEITGIMKDFEEPGHLAPTGLHLGGIKYMVIQGEAGAVIRGKKGSGGITIKKTGQALVFGIYEEPVTPGQCNMVVERLGDYLIDQGL

1168696 Bet v 3
MPCSTEAMEKAGHGHASTPRKRSLSNSSFRLRSESLNTLRLRRIFDLFDKNSDGIITVDELSRALNLLGLETDLSELESTVKSFTREGNIGLQFEDFISLHQSLNDSYFAYGGEDEDDNEEDMRKSILSQEEADSFGGFKVFDEDGDGYISARELQMVLGKLGFSEGSEIDRVEKMIVSVDSNRDGRVDFFEFKDMMRSVLVRSS

809536 Bet v 4
MADDHPQDKAERERIFKRFDANGDGKISAAELGEALKTLGSITPDEVKHMMAEIDTDGDGFISFQEFTDFGRANRGLLKDVAKIF

543675 Que a I-Quercus alba=オークの木(断片) GVFTXESQETSVIAPAXLFKALFL

543509 Car b I−Carpinus betulus=シデの木(断片)
GVFNYEAETPSVIPAARLFKSYVLDGDKLIPKVAPQAIXK

543491 Aln g I-Alnus glutinosa=ハンノキの木(断片)
GVFNYEAETPSVIPAARLFKAFILDGDKLLPKVAPEAVSSVENI

1204056 Rubisco
VQCMQVWPPLGLKKFETLSYLPPLSSEQLAKEVDYLLRKNLIPCLEFELEHGFVYREHNRSPGYYDGRYWTMWKLPMFGCNDSSQVLKELEECKKAYPSAFIRIIGFDDK

追加の樹木アレルゲンの配列(NCBI entrezアクセッション番号):

131919; 128193; 585564; 1942360; 2554672; 2392209; 2414158; 1321728; 1321726; 1321724; 1321722; 1321720; 1321718; 1321716; 1321714; 1321712; 3015520; 2935416; 464576; 1705843; 1168701; 1168710; 1168709; 1168708; 1168707; 1168706; 1168705; 1168704; 1168703; 1168702; 1842188; 2564228; 2564226; 2564224; 2564222; 2564220; 2051993; 1813891; 1536889; 534910; 534900; 534898; 1340000; 1339998; 2149808; 66207; 2129477; 1076249; 1076247; 629480; 481805; 81443; 1361968; 1361967; 1361966; 1361965; 1361964; 1361963; 1361962; 1361961; 1361960; 1361959; 320546; 629483 ; 629482; 629481; 541804; 320545; 81444; 541814:; 629484; 474911; 452742; 1834387; 298737; 298736; 1584322; 1584321; 584320; 1542873; 1542871; 1542869; 1542867; 1542865; 1542863; 1542861; 1542859; 1542857; 1483232; 1483230; 1483228; 558561; 551640; 488605; 452746; 452744; 452740; 452738; 452736; 452734; 452732; 452730; 452728; 450885; 17938; 17927; 17925; 17921; 297538; 510951; 289331; 289329; 166953 .

ヒマラヤスギの配列
493634 Cry j IB前駆体
MDSPCLVALLVFSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLYLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLTSTGVTISNNLFFNHHKVMSLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPHLTQNAGVLTCSLSKRC

493632 Cry j IA前駆体
MDSPCLVALLVLSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPAPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLHLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLSSTGVTISNNLFFNHHKVMLLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPQLTKNAGVLTCSLSKRC

1076242 Cry j II前駆体-スギ
MAMKLIAPMAFLAMQLIIMAAAEDQSAQIMLDSVVEKYLRSNRSLRKVEHSRHDAINIFNVEKYGAVGDGKHDCTEAFSTAWQAACKNPSAMLLVPGSKKFVVNNLFFNGPCQPHFTFKVDGIIAAYQNPASWKNNRIWLQFAKLTGFTLMGKGVIDGQGKQWWAGQCKWVNGREICNDRDRPTAIKFDFSTGLIIQGLKLMNSPEFHLVFGNCEGVKIIGISITAPRDSPNTDGIDIFASKNFHLQKNTIGTGDDCVAIGTGSSNIVIEDLICGPGHGISIGSLGRENSRAEVSYVHVNGAKFIDTQNGLRIKTWQGGSGMASHIIYENVEMINSENPILINQFYCTSASACQNQRSAVQIQDVTYKNIRGTSATAAAIQLKCSDSMPCKDIKLSDISLKLTSGKIASCLNDNANGYFSGHVIPACKNLSPSAKRKESKSHKHPKTVMVENMRAYDKGNRTRILLGSRPPNCTNKCHGCSPCKAKLVIVHRIMPQEYYPQRWICSCHGKIYHP

1076241 Cry j IIタンパク質-スギ
MAMKFIAPMAFVAMQLIIMAAAEDQSAQIMLDSDIEQYLRSNRSLRKVEHSRHDAINIFNVEKYGAVGDGKHDCTEAFSTAWQAACKKPSAMLLVPGNKKFVVNNLFFNGPCQPHFTFKVDGIIAAYQNPASWKNNRIWLQFAKLTGFTLMGKGVIDGQGKQWWAGQCKWVNGREICNDRDRPTAIKFDFSTGLIIQGLKLMNSPEFHLVFGNCEGVKIIGISITAPRDSPNTDGIDIFASKNFHLQKNTIGTGDDCVAIGTGSSNIVIEDLICGPGHGISIGSLGRENSRAEVSYVHVNGAKFIDTQNGLRIKTWQGGSGMASHIIYENVEMINSENPILINQFYCTSASACQNQRSAVQIQDVTYKNIRGTSATAAAIQLKCSDSMPCKDIKLSDISLKLTSGKIASCLNDNANGYFSGHVIPACKNLSPSAKRKESKSHKHPKTVMVKNMGAYDKGNRTRILLGSRPPNCTNKCHGCSPCKAKLVIVHRIMPQEYYPQRWMCSRHGKIYHP

541803 Cry j I前駆体-スギ
MDSPCLVALLVLSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLHLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLSSTGVTISNNLFFNHHKVMLLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPQLTKNAGVLTCSLSKRC

541802 Cry j I前駆体-スギ
MDSPCLVALLVFSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPAPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLYLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLTSTGVTISNNLFFNHHKVMSLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPHLTQNAGVLTCSLSKRC

オリーブの木
オリーブの配列

416610 Ole e 1
EDIPQPPVSQFHIQGQVYCDTCRAGFITELSEFIPGASLRLQCKDKENGDVTFTEVGYTRAEGLYSMLVERDHKNEFCEITLISSGRKDCNEIPTEGWAKPSLKFKLNTVNGTTRTVNPLGFFKKEALPKCAQVYNKLGMYPPNM

ピーナッツ
ピーナッツの配列

1168391 Ara h 1
MRGRVSPLMLLLGILVLASVSATHAKSSPYQKKTENPCAQRCLQSCQQEPDDLKQKACESRCTKLEYDPRCVYDPRGHTGTTNQRSPPGERTRGRQPGDYDDDRRQPRREEGGRWGPAGPREREREEDWRQPREDWRRPSHQQPRKIRPEGREGEQEWGTPGSHVREETSRNNPFYFPSRRFSTRYGNQNGRIRVLQRFDQRSRQFQNLQNHRIVQIEAKPNTLVLPKHADADNILVIQQGQATVTVANGNNRKSFNLDEGHALRIPSGFISYILNRHDNQNLRVAKISMPVNTPGQFEDFFPASSRDQSSYLQGFSRNTLEAAFNAEFNEIRRVLLEENAGGEQEERGQRRWSTRSSENNEGVIVKVSKEHVEELTKHAKSVSKKGSEEEGDITNPINLREGEPDLSNNFGKLFEVKPDKKNPQLQDLDMMLTCVEIKEGALMLPHFNSKAMVIVVVNKGTGNLELVAVRKEQQQRGRREEEEDEDEEEEGSNREVRRYTARLKEGDVFIMPAAHPVAINASSELHLLGFGINAENNHRIFLAGDKDNVIDQIEKQAKDLAFPGSGEQVEKLIKNQKESHFVSARPQSQSQSPSSPEKESPEKEDQEEENQGGKGPLLSILKAFN

ブタクサ
ブタクサ属(Ambrosia)の配列

113478 Amb a 1
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDLQQILPSANETRSLTTCGTYNIIDGCWRGKADWAENRKALADCAQGFAKGTIGGKDGDIYTVTSELDDDVANPKEGTLRFGAAQNRPLWIIFARDMVIRLDRELAINNDKTIDGRGAKVEIINAGFAIYNVKNIIIHNIIMHDIVVNPGGLIKSHDGPPVPRKGSDGDAIGISGGSQIWIDHCSLSKAVDGLIDAKHGSTHFTVSNCLFTQHQYLLLFWDFDERGMLCTVAFNKFTDNVDQRMPNLRHGFVQVVNNNYERWGSYALGGSAGPTILSQGNRFLASDIKKEVVGRYGESAMSESINWNWRSYMDVFENGAIFVPSGVDPVLTPEQNAGMIPAEPGEAVLRLTSSAGVLSCQPGAPC

113479 Amb a 2
MGIKHCCYILYFTLALVTLVQAGRLGEEVDILPSPNDTRRSLQGCEAHNIIDKCWRCKPDWAENRQALGNCAQGFGKATHGGKWGDIYMVTSDQDDDVVNPKEGTLRFGATQDRPLWIIFQRDMIIYLQQEMVVTSDKTIDGRGAKVELVYGGITLMNVKNVIIHNIDIHDVRVLPGGRIKSNGGPAIPRHQSDGDAIHVTGSSDIWIDHCTLSKSFDGLVDVNWGSTGVTISNCKFTHHEKAVLLGASDTHFQDLKMHVTLAYNIFTNTVHERMPRCRFGFFQIVNNFYDRWDKYAIGGSSNPTILSQGNKFVAPDFIYKKNVCLRTGAQEPEWMTWNWRTQNDVLENGAIFVASGSDPVLTAEQNAGMMQAEPGDMVPQLTMNAGVLTCSPGAPC

113477 Amb a 1.3
MGIKQCCYILYFTLALVALLQPVRSAEGVGEILPSVNETRSLQACEALNIIDKCWRGKADWENNRQALADCAQGFAKGTYGGKWGDVYTVTSNLDDDVANPKEGTLRFAAAQNRPLWIIFKNDMVINLNQELVVNSDKTIDGRGVKVEIINGGLTLMNVKNIIIHNINIHDVKVLPGGMIKSNDGPPILRQASDGDTINVAGSSQIWIDHCSLSKSFDGLVDVTLGSTHVTISNCKFTQQSKAILLGADDTHVQDKGMLATVAFNMFTDNVDQRMPRCRFGFFQVVNNNYDRWGTYAIGGSSAPTILCQGNRFLAPDDQIKKNVLARTGTGAAESMAWNWRSDKDLLENGAIFVTSGSDPVLTPVQSAGMIPAEPGEAAIKLTSSAGVFSCHPGAPC

113476 Amb a 1.2
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDVEEFLPSANETRRSLKACEAHNIIDKCWRCKADWANNRQALADCAQGFAKGTYGGKHGDVYTVTSDKDDDVANPKEGTLRFAAAQNRPLWIIFKRNMVIHLNQELVVNSDKTIDGRGVKVNIVNAGLTLMNVKNIIIHNINIHDIKVCPGGMIKSNDGPPILRQQSDGDAINVAGSSQIWIDHCSLSKASDGLLDITLGSSHVTVSNCKFTQHQFVLLLGADDTHYQDKGMLATVAFNMFTDHVDQRMPRCRFGFFQVVNNNYDRWGTYAIGGSSAPTILSQGNRFFAPDDIIKKNVLARTGTGNAESMSWNWRTDRDLLENGAIFLPSGSDPVLTPEQKAGMIPAEPGEAVLRLTSSAGVLSCHQGAPC

113475 Amb a 1.1
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDLQEILPVNETRRLTTSGAYNIIDGCWRGKADWAENRKALADCAQGFGKGTVGGKDGDIYTVTSELDDDVANPKEGTLRFGAAQNRPLWIIFERDMVIRLDKEMVVNSDKTIDGRGAKVEIINAGFTLNGVKNVIIHNINMHDVKVNPGGLIKSNDGPAAPRAGSDGDAISISGSSQIWIDHCSLSKSVDGLVDAKLGTTRLTVSNSLFTQHQFVLLFGAGDENIEDRGMLATVAFNTFTDNVDQRMPRCRHGFFQVVNNNYDKWGSYAIGGSASPTILSQGNRFCAPDERSKKNVLGRHGEAAAESMKWNWRTNKDVLENGAIFVASGVDPVLTPEQSAGMIPAEPGESALSLTSSAGVLSCQPGAPC

イヌ
イヌ属の配列:
Can f 1
MKTLLLTIGFSLIAILQAQDTPALGKDTVAVSGKWYLKAMTADQEVPEKPDSVTPMILKAQKGGNLEAKITMLTNGQCQNITVVLHKTSEPGKYTAYEGQRVVFIQPSPVRDHYILYCEGELHGRQIRMAKLLGRDPEQSQEALEDFREFSRAKGLNQEILELAQSETCSPGGQ

血清アルブミン断片
EAYKSEIAHRYNDLGEEHFRGLVL

血清アルブミン断片
LSSAKERFKCASLQKFGDRAFKAWSVARLSQRFPKADFAEISKVVTDLTKVHKECCHGDLLECADDRADLAKYMCENQDSISTKLKECCDKPVLEKSQCLAEVERDELPGDLPSLAADFVEDKEVCKNYQEAKDVFLGTFLYEYSRRHPEYSVSLLLRLAKEYEATLEKCCATDDPPTCYAKVLDEFKPLVDEPQNLVKTNCELFEKLGEYGFQNALLVRYTKKAPQVSTPTLVVEVSRKLGKVGTKCCKKPESERMSCADDFLS

Can f 2
MQLLLLTVGLALICGLQAQEGNHEEPQGGLEELSGRWHSVALASNKSDLIKPWGHFRVFIHSMSAKDGNLHGDILIPQDGQCEKVSLTAFKTATSNKFDLEYWGHNDLYLAEVDPKSYLILYMINQYNDDTSLVAHLMVRDLSRQQDFLPAFESVCEDIGLHKDQIVVLSDDDRCQGSRD

追加のイヌアレルゲンタンパク質(NCBI entrezアクセッション番号):1731859

ウマ
ウマ属の配列:

1575778 Equ c1
MKLLLLCLGLILVCAQQEENSDVAIRNFDISKISGEWYSIFLASDVKEKIEENGSMRVFVDVIRALDNSSLYAEYQTKVNGECTEFPMVFDKTEEDGVYSLNYDGYNVFRISEFENDEHIILYLVNFDKDRPFQLFEFYAREPDVSPEIKEEFVKIVQKRGIVKENIIDLTKIDRCFQLRGNGVAQA

3121755 Equ c 2
SQXPQSETDYSQLSGEWNTIYGAASNIXK

ユーログリファス(Euroglyphus)(ダニ)
ユーログリファス属(Euroglyphus)の配列:

Eur m 1(変異体)
TYACSINSVSLPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVASTESAYLAYRNMSLDLAEQELVDCASQNGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVQEHYYPYVAREQSCHRPNAQRYGLKNYCQISPPDSNKIRQALTQTHTAVAVIIGIKDLNAFRHYDGRTIMQHDNGYQPNYHAVNIVGYGNTQGVDYWIVRNSWDTTWGDNGYGYFAANINL

Eur m 1(変異体)
TYACSINSVSLPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVASTESAYLAYRNMSLDLAEQELVDCASQNGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVQEHYYPYVAREQSCHRPNAQRYGLKNYCQISPPDSNKIRQALTQTHTAVAVIIGIKDLNAFRHYDGRTIMQHDNGYQPNYHAVNIVGYGNTQGVDYWIVRNSWDTTWGDNGYGYFAANINL

Eur m 1(変異体)
ETNACSINGNAPAEIDLRQMRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNQSLDLAEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQHNGVVQESYYRYVAREQSCRRPNAQRFGISNYCQIYPPNANKIREALAQTHSAIAVIIGIKDLDAFRHYDGRTIIQRDNGYQPNYHAVNIVGYSNAQGVDYWIVRNSWDTNWGDNGYGYFAANIDL

Eur m 1(変異体)
ETSACRINSVNVPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNTSLDLSEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVEERSYPYVAREQQCRRPNSQHYGISNYCQIYPPDVKQIREALTQTHTAIAVIIGIKDLRAFQHYDGRTIIQHDNGYQPNYHAVNIVGYGSTQGVDYWIVRNSWDTTWGDSGYGYFQAGNNL

ゴキブリの配列

2833325 Cr p 1
MKTALVFAAVVAFVAARFPDHKDYKQLADKQFLAKQRDVLRLFHRVHQHNILNDQVEVGIPMTSKQTSATTVPPSGEAVHGVLQEGHARPRGEPFSVNYEKHREQAIMLYDLLYFANDYDTFYKTACWARDRVNEGMFMYSFSIAVFHRDDMQGVMLPPPYEVYPYLFVDHDVIHMAQKYWMKNAGSGEHHSHVIPVNFTLRTQDHLLAYFTSDVNLNAFNTYYRYYYPSWYNTTLYGHNIDRRGEQFYYTYKQIYARYFLERLSNDLPDVYPFYYSKPVKSAYNPNLRYHNGEEMPVRPSNMYVTNFDLYYIADIKNYEKRVEDAIDFGYAFDEHMKPHSLYHDVHGMEYLADMIEGNMDSPNFYFYGSIYHMYHSMIGHIVDPYHKMGLAPSLEHPETVLRDPVFYQLWKRVDHLFQKYKNRLPRYTHDELAFEGVKVENVDVGKLYTYFEQYDMSLDMAVYVNNVDQISNVDVQLAVRLNHKPFTYNIEVSSDKAQDVYVAVFLGPKYDYLGREYDLNDRRHYFVEMDRFPYHVGAGKTVIERNSHDSNIIAPERDSYRTFYKKVQEAYEGKSQYYVDKGHNYCGYPENLLIPKGKKGGQAYTFYVIVTPYVKQDEHDFEPYNYKAFSYCGVGSERKYPDNKPLGYPFDRKIYSNDFYTPNMYFKDVIIFHKKYDEVGVQGH

2231297 Cr p 2
INEIHSIIGLPPFVPPSRRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIRSPEFQSIISTLNAMQRSEHHQNLRDKGVDVDHFIQLIRALFGLSRAARNLQDDLNDFLHSLEPISPRHRHGLPRQRRRSARVSAYLHADDFHKIITTIEALPEFANFYNFLKEHGLDVVDYINEIHSIIGLPPFVPPSRRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIRSPEFQSIISTLNAMPEYQELLQNLRDKGVDVDHFIRVDQGTLRTLSSGQRNLQDDLNDFLALIPTDQILAIAMDYLANDAEVQELVAYLQSDDFHKIITTIEALPEFANFYNFLKEHGLDVVDYINEIHSIIGLPPFVPPSQRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIDLRSSRA

1703445 Bla g 2
MIGLKLVTVLFAVATITHAAELQRVPLYKLVHVFINTQYAGITKIGNQNFLTVFDSTSCNVVVASQECVGGACVCPNLQKYEKLKPKYISDGNVQVKFFDTGSAVGRGIEDSLTISNLTTSQQDIVLADELSQEVCILSADVVVGIAAPGCPNALKGKTVLENFVEENLIAPVFSIHHARFQDGEHFGEIIFGGSDWKYVDGEFTYVPLVGDDSWKFRLDGVKIGDTTVAPAGTQAIIDTSKAIIVGPKAYVNPINEAIGCVVEKTTTRRICKLDCSKIPSLPDVTFVINGRNFNISSQYYIQQNGNLCYSGFQPCGHSDHFFIGDFFVDHYYSEFNWENKTMGFGRSVE
SV

1705483 Bla g 4
AVLALCATDTLANEDCFRHESLVPNLDYERFRGSWIIAAGTSEALTQYKCWIDRFSYDDALVSKYTDSQGKNRTTIRGRTKFEGNKFTIDYNDKGKAFSAPYSVLATDYENYAIVEGCPAAANGHVIYVQIRFSVRRFHPKLGDKEMIQHYTLDQVNQHKKAIEEDLKHFNLKYEDLHSTCH

2326190 Bla g 5
YKLTYCPVKALGEPIRFLLSYGEKDFEDYRFQEGDWPNLKPSMPFGKTPVLEIDGKQTHQSVAISRYLGKQFGLSGKDDWENLEIDMIVDTISDFRAAIANYHYDADENSKQKKWDPLKKETIPYYTKKFDEVVKANGGYLAAGKLTWADFYFVAILDYLNHMAKEDLVANQPNLKALREKVLGLPAIKAWVAKRPPTDL

追加のゴキブリ配列(NCBI Entrez アクセッション番号):
2580504; 1580797; 1580794; 1362590; 544619; 544618; 1531589; 1580792; 1166573; 1176397; 2897849.

アレルゲン(一般的)の配列:
NCBIアクセッション番号

2739154; 3719257; 3703107; 3687326; 3643813; 3087805; 1864024; 1493836; 1480457; 2598976; 2598974; 1575778; 763532; 746485; 163827; 163823; 3080761; 163825; 3608493; 3581965; 2253610; 2231297; 2897849; 3409499; 3409498; 3409497; 3409496; 3409495; 3409494; 3409493; 3409492; 3409491; 3409490; 3409489; 3409488; 3409487; 3409486; 3409485; 3409484; 3409483; 3409482; 3409481; 3409480; 3409479; 3409478; 3409477; 3409476; 3409475; 3409474; 3409473; 3409472; 3409471; 3409470; 3409469; 3409468; 3409467; 3409466; 3409465; 3409464; 3409463; 3409462; 3409461; 3409460; 3409459; 3409458; 3409457; 3409456; 3318885; 3396070 ; 3367732; 1916805; 3337403; 2851457; 2851456; 1351295; 549187; 136467; 1173367; 2499810; 2498582; 2498581; 1346478; 1171009; 126608; 114091; 2506771; 1706660; 1169665; 1169531; 232086; 416898; 114922; 2497701; 1703232; 1703233; 1703233; 1703232; 3287877; 3122132; 3182907; 3121758; 3121756; 3121755; 3121746; 3121745; 3319925; 3319923; 3319921; 3319651; 3318789; 3318779; 3309647; 3309047; 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1322183; 897645 ; 897647 ; 1850544 ; 1850542 ; 1850540 ; 288917; 452742; 1842045 ; 1839305; 1836011; 1836010; 1829900; 1829899; 1829898; 1829897; 1829896; 1829895; 1829894; 1825459 ; 1808987 ; 159653 ; 1773369 ; 1769849; 1769847; 608690 ; 1040877 ; 1040875; 1438761; 1311513; 1311512; 1311511; 1311510; 1311509; 1311689; 1246120; 1246119; 1246118; 1246117; 1246116; 1478293; 1478292; 1311642; 1174278; 1174276; 1086972; 1086974; 1086976; 1086978; 1086978; 1086976; 1086974; 1086972; 999009; 999356; 999355; 994866; 994865; 913758; 913757; 913756; 913285; 913283; 926885; 807138; 632782; 601807; 546852; 633938; 544619; 544618; 453094; 451275; 451274; 407610; 407609; 404371; 409328; 299551; 299550; 264742; 261407; 255657; 250902; 250525; 1613674; 1613673; 1613672; 1613671; 1613670; 1613304; 1613303; 1613302; 1613240; 1613239; 1613238; 1612181; 1612180; 1612179; 1612178; 1612177; 1612176; 1612175; 1612174; 1612173; 1612172; 1612171; 1612170; 1612169; 1612168; 1612167; 1612166; 1612165; 1612164; 1612163; 1612162; 1612161; 1612160; 1612159; 1612158; 1612157; 1612156; 1612155; 1612154; 1612153; 1612152; 1612151; 1612150; 1612149; 1612148; 1612147; 1612146; 1612145; 1612144; 1612143; 1612142; 1612141; 1612140; 1612139; 1093120; 447712; 447711; 447710; 1587177; 158542; 1582223; 1582222; 1531589 ; 1580792 ; 886215; 1545897; 1545895; 1545893; 1545891; 1545889; 1545887; 1545885; 1545883; 1545881; 1545879; 1545877; 1545875; 166486 ; 1498496 ; 1460058; 972513; 1009442 ; 1009440 ; 1009438 ; 1009436 ; 1009434 ; 7413 ; 1421808 ; 551228; 452606 ; 32905; 1377859 ; 1364213; 1364212; 395407; 22690 ; 22688 ; 22686; 22684 ; 488605 ; 17680 ; 1052817 ; 1008445 ; 1008443 ; 992612; 706811 ; 886683; 747852 ; 939932 ; 19003 ; 1247377 ; 1247375; 1247373; 862307 ; 312284 ; 999462; 999460 ; 999458 ; 587450 ; 763064 ; 886209 ; 1176397 ; 1173557 ; 902012; 997915; 997914; 997913; 997912; 997911; 997910; 99790; 997908; 997907; 997906; 997905; 997904; 997903; 997902; 997901; 997900; 997899; 997898; 997897; 997896; 997895; 997894; 997893; 997892; 910984; 910983; 910982; 910981; 511604 ; 169631 ; 169629 ; 169627 ; 168316 ; 168314 ; 607633 ; 555616; 293902 ; 485371 ; 455288 ; 166447 ; 166445 ; 166443 ; 166435 ; 162551 ; 160780; 552080 ; 156719 ; 156715 ; 515957 ; 515956 ; 515955 ; 515954 ; 515953 ; 459163; 166953 ; 386678 ; 169865.
【0049】
当然のことながら、アレルゲン、抗原又はアレルゲンへの続いての言及は、タンパク質(第一のペプチドはその断片であり得る)を包含することを意図する。また、当然のことながら組成物への言及は全て、第一のポリペプチド及び1以上の第二のポリペプチドを含む組成物を包含する。
【0050】
本発明の方法における使用のために特に好ましい第一のペプチドは、イエダニ及びブタクサ由来アレルゲン中で同定されている。好ましいペプチドは、イエダニアレルゲンDer p 1又はブタクサアレルゲンAmb a 1の断片であり:
(i)HDM03E、HDM202、HDM03W、又はRGW07D配列のペプチド;或いは
(ii)
(i)の配列のいずれか、又は
(i)の配列のいずれかに対し少なくとも65%の相同性を有する配列からなる領域を含む7〜30アミノ酸長のペプチドである、(i)に記載のペプチドの変異体;或いは
(iii)
−(i)の配列のいずれかの断片、又は
−(i)の配列のいずれか中の連続するいずれかの7アミノ酸に対し少なくとも65%の相同性を有する、(i)の配列のいずれかの断片のホモログ
のいずれかを表す配列からなる領域を含む7〜30アミノ酸長の、(i)に記載のペプチドの変異体
からなる群から選ばれる。
【0051】
また、上記(i)のいずれの配列も、R、K、H、E及びDから選ばれる、少なくとも1個(そして最大6個)の残基をN末端及び/又はC末端に付加するよう修飾されていてもよいことが想定される。特に好ましいDer p 1ペプチドとしては、HDM03Wが挙げられる。
【0052】
上記定義の第一のペプチドに関する検討事項は、これらのペプチドに当てはまる。従って、上記Der p 1ペプチドは、イエダニにアレルギーを示す個体集団、特にDer p1にアレルギーを示す個体集団の35、40、45、50又は55%において、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を誘導し得る。上記Der p 1ペプチドは、イエダニにアレルギーを示す個体又はイエダニにアレルギーを示す個体集団において、Der p 1(又はその変異体)全体によって誘導されるよりも多くの平均IL-10放出を誘導し得る。Der p1全体とは、Der p 1ポリペプチド配列全体又はアレルギー反応に必要なT細胞エピトープを含む切断型ポリペプチド配列を指す。
【0053】
同様に、上記Amb a 1ペプチドは、ブタクサにアレルギーを示す個体集団、特にAmb a 1にアレルギーを示す個体集団の35、40、45、50又は55%において、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を誘導し得る。上記Amb a 1ペプチドは、ブタクサにアレルギーを示す個体又はブタクサにアレルギーを示す個体集団において、Amb a 1(又はその変異体)全体によって誘導されるよりも多くの平均IL-10放出を誘導し得る。Amb a 1全体とは、Amb a 1ポリペプチド配列全体又はアレルギー反応に必要なT細胞エピトープを含む切断型ポリペプチド配列を指す。
【0054】
上記のとおり、本発明の第二のポリペプチドは、タンパク質アレルゲンの断片又は相同性のある前記断片の変異体である、少なくとも1のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む、7〜30アミノ酸長のいずれのペプチドであってもよい。本発明の好ましい第二のポリペプチドとしては、HDM03D、HDM03V、RGW07、RGW07B及びRGW07C又はそれらの変異体が挙げられる。本発明の第二のポリペプチドの変異体としては、上記本発明の第一のポリペプチドに関連して定義されたものが挙げられる。
【0055】
上記検討のとおり、1を上回る本発明の第一及び/又は第二のポリペプチドが、個体に投与され得る。従って、2、3、4又はそれ以上の上記Der p 1又はAmb a 1の第一及び/又は第二のポリペプチドが、個体に投与され得る。当該ペプチドは、連続して、別々に、又は組み合わせて投与されてもよい。例えば、ペプチドHDM03D及びHDM202は、必要に応じて連続した態様で、個体に投与されてもよい。そのような投与の例は実施例4において示す。
【0056】
本明細書中に記載のアミノ酸配列に関して、「配列同一性」又は「配列相同性」は、以下のパラメーターにより、ClustalW(Thompson et al., 1994, 上記)を用いて評価する場合に、表示されている値を有する配列を指す。
【0057】
ペアワイズアラインメントパラメーター(Pairwise alignment parameters)−方法:正確(accurate)、マトリクス:PAM、ギャップオープンペナルティ(Gap open penalty):10.00、ギャップエクステンションペナルティ(Gap extension penalty):0.10;マルチプルアラインメントパラメーター(Multiple alignment parameters)−マトリクス:PAM、ギャップオープンペナルティ:10.00、%アイデンティティーフォーディレイ(% identity for delay):30、ペナライズエンドギャップ(Penalize end gaps):オン、ギャップセパレーションディスタンス(Gap separation distance):0、ネガティブマトリクス(Negative matrix):なし、ギャップエクステンションペナルティ:0.20、残基特異的ギャップペナルティ:オン、親水性ギャップペナルティ:オン、親水性残基:GPSNDQEKR。特定の残基における配列同一性は、単に誘導体化されている同一の残基を含むことが意図される。
【0058】
上記のとおり、本発明の第一及び第二のポリペプチドは、タンパク質アレルゲンの断片か、又は相同性のある、そのような断片の変異体である。当該断片は7〜30アミノ酸長で、好ましくは、それらが由来するタンパク質アレルゲンの10%以下に相当する。相同性のある、そのような断片の変異体としては、タンパク質アレルゲン中の連続するいずれかの7アミノ酸に対し少なくとも65%の相同性を有する配列を含むペプチドが挙げられる。好ましくは、相同性のあるそのような変異体は、タンパク質アレルゲン中の連続するいずれかの7アミノ酸に対し、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態においては、相同性のある変異体は、タンパク質アレルゲン中の連続する7アミノ酸と同一の配列を含む。
【0059】
更に、当該断片又は相同性のあるその変異体は、タンパク質アレルゲンにおいて、連続する8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上のアミノ酸配列に相当し得る。そのような実施形態においては、相同性のある変異体は、この場合もやはり、タンパク質アレルゲン中の連続するアミノ酸のストレッチに対し、少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上を有する配列を含む。相同性のある、タンパク質アレルゲンの断片の変異体は、前記断片に関して、付加、欠失、置換及び修飾等の変異を含み得る。そのような変異を以下に更に記載する。
【0060】
本明細書中に特定のペプチド配列を記載する場合、本発明は、そのようなペプチドの変異体も包含する。
【0061】
変異体ペプチドは、本明細書中に記載のいずれかの特定のペプチド配列からの、1、2、3、4、5アミノ酸又はそれ以上で、最大10アミノ酸の置換を含み得る。好ましくは、置換変異体は、1以上のアミノ酸の、それと同数のアミノ酸による置換であって、且つ保存的なアミノ酸置換をなす置換を含む。例えば、アミノ酸は、同様な特性を有する代替アミノ酸、例えば、他の塩基性アミノ酸、他の酸性アミノ酸、他の中性アミノ酸、他の荷電アミノ酸、他の親水性アミノ酸、他の疎水性アミノ酸、他の極性アミノ酸、他の芳香族アミノ酸又は他の脂肪族アミノ酸で置換され得る。好適な置換基を選ぶために用い得る、主な20種のアミノ酸の特性のいくつかは以下のとおりである:
【0062】
【表2】
【0063】
更なる変異体としては、配列上に出現するアミノ酸が、天然に産するアミノ酸ではなく、それらの構造的類似体であるものが挙げられる。当該配列において用いられるアミノ酸は、当該ペプチドの機能が有意に悪影響を受けないことを条件として、修飾(例、標識)されていてもよい。
【0064】
当該ペプチドが、本明細書中に記載された配列と異なる配列を有する場合は、当該配列の全長にわたって、本明細書中に記載のいずれかの配列の配列内又は本明細書中に記載のいずれかの配列の外側に、置換が起り得る。例えば、本明細書中に記載の、付加、欠失、置換及び修飾等の変異は、本明細書中に記載のいずれかの配列の配列内に起り得る。変異体ペプチドは、1、2、3、4又はそれ以上のアミノ酸置換がなされている、本明細書中に記載のいずれかの配列のアミノ酸配列から本質的になり得るか、又はそれを含み得る。変異体ペプチドは、本明細書中に記載のいずれかの配列よりも大きな親タンパク質の断片を含み得る。この実施形態においては、本明細書中に記載の、置換及び修飾等の変異は、本明細書中に記載のいずれかの配列の配列内及び/又は配列の外側で生じ得る。配列番号10の好ましい変異体は、ペプチドKKGEAAIKLTSSAGVLSKである。
【0065】
本発明の変異体ペプチドは、9〜30アミノ酸長のものを含む。好ましくは、それらは9〜20アミノ酸長、又はより好ましくは13〜17アミノ酸長であり得る。当該ペプチドは、本明細書中に記載のペプチド配列と同一の長さであり得る。
【0066】
本発明のペプチドは、例えばタンパク質分解切断により、化学的にポリペプチドアレルゲン由来であってもよく、又は例えば当該ポリペプチドアレルゲンのアミノ酸配列を利用し、当該配列に基づいてペプチドを合成することによって、知的な意味でポリペプチドアレルゲン由来であってもよい。ペプチドは、当該技術分野で周知の方法を用いて合成され得る。
【0067】
ポリペプチドが、製造時の保存が典型的に困難な残基を含む場合、これらの残基は置換されてもよい。例えば、グルタミン酸は、特にペプチドのN末端又はC末端に存在するときは、溶液中で自発的にピログルタミン酸を形成する。従って、天然のアレルゲンタンパク質配列の配列中のグルタミン酸に対応する、本発明のペプチドの残基は、そのような残基がペプチドのN末端又はC末端に存在するときは、本発明のペプチド中、ピログルタミン酸で置換されていてもよい。
【0068】
用語「ペプチド」には、アミノ酸残基がペプチド結合(-CO-NH-)で結合した分子のみならず、ペプチド結合が反転した分子も含まれる。そのようなレトロインベルソのペプチドミメティックスは、当該技術分野で公知の方法、例えば、Meziere et al(1997)J. Immunol.159, 3230−3237中に記載の方法等を用いて作製され得る。このアプローチは、主鎖を包含するが、側鎖の配向を包含しない変更を含む擬ペプチドの作製を包含する。Meziere et al(1997)は、少なくともMHCクラスII及びヘルパーT細胞応答については、これらの擬ペプチドが有用であることを示している。CO-NHペプチド結合ではなくNH-CO結合を含有するレトロインベルソ(Retro-inverse)ペプチドは、タンパク質分解に対しよりいっそう耐性である。
【0069】
同様に、アミノ酸残基の炭素原子間の間隔を保持する、適切なリンカー部分が用いられることを条件に、ペプチド結合が全く無しで済まされてもよい;当該リンカー部分が、ペプチド結合と実質的に同一の電荷分布及び実質的に同一の平面性を有する場合が、特に好ましい。当該ペプチドは、末端タンパク質分解性(exoproteolytic)消化への感受性の低減に役立つよう、そのN末端又はC末端で簡便にブロックされ得ることも理解される。例えば、ペプチドのN末端アミノ基はカルボン酸と反応させることにより保護され得、ペプチドのC末端カルボキシル基はアミンと反応させることにより保護され得る。修飾の他の例としてはグリコシル化及びリン酸化が挙げられる。あり得る他の修飾は、R又はKの側鎖アミン上の水素が、メチレン基置換されてもよいことである(-NH2 が-NH(Me)又は-N(Me)2に)。
【0070】
本発明によるペプチドの類似体としては、in vivoでのペプチドの半減期を増加又は減少させるペプチド変異体も挙げられ得る。本発明に従って、使用されるペプチドの半減期を増大させることができる類似体の例としては、ペプチドのペプトイド類似体、ペプチドのD-アミノ酸誘導体、及びペプチド-ペプトイドハイブリッドが挙げられる。本発明に従って、使用される変異体ポリペプチドの更なる実施形態は、当該ポリペプチドのD-アミノ酸型を含む。L-アミノ酸ではなくD-アミノ酸を用いるポリペプチドの調製により、通常の代謝過程によるそのような薬剤の、好ましくないいずれの分解をも大幅に減少させ、投与する必要のある薬剤量を、その投与頻度とともに、減少させる。
【0071】
本発明により提供されるペプチドは、親タンパク質鎖をコードする一次転写産物の選択的スプライシングにより生成されるmRNAによりコードされる、親タンパク質のスプライシングバリアント由来であり得る。当該ペプチドは、少なくともアレルゲンのMHC結合特性を保持する、親タンパク質のアミノ酸突然変異体、グリコシル化変異体及び他の共有結合性の誘導体由来でもあり得る。例示的な誘導体としては、本発明のペプチドが置換か、化学的、酵素的、又は他の適切な手段により、天然に産出するアミノ酸以外の部分によって共有結合的に修飾された分子が挙げられる。更に、異なるダニにおいて見出される親タンパク質の、天然に存在する変異体が挙げられる。そのような変異体は、対立遺伝子変異体によりコードされ得るか、又は選択的スプライシングバリアントに相当し得る。
【0072】
上記のとおりの変異体は、当該ペプチドの合成の間に、又は産生後修飾により、或いは当該ペプチドが部位特異的突然変異誘発法、ランダム変異導入法又は核酸の酵素的切断及び/若しくはライゲーションといった公知技術を使用して組換え型で、調製され得る。
【0073】
核酸及びベクター
本発明の個々のペプチドは、直接投与してもよく、コードする配列から発現させることにより、間接的に投与してもよい。直接投与する場合、上記ペプチドは、本発明の組成物又は製品として製剤化され得る。或いは、上記ペプチドのいずれか等の、本発明のぺプチドをコードするポリヌクレオチドが提供されてもよい。従って、本発明のペプチドは、それをコードし、且つそれを発現できるポリヌクレオチドから製造され得るか、又はその形態で送達され得る。本明細書中、本発明のペプチドの使用、送達又は投与へのいかなる言及も、そのようなペプチドをコードするポリヌクレオチドからの発現によって、それを間接的に使用すること、送達すること又は投与することを含むことが意図される。
【0074】
用語「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書中、互換可能に用いられ、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、或いはそれらの類似体のいずれかの、あらゆる長さのポリマー型ヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、遺伝子、遺伝子断片、伝令RNA(mRNA)、cDNA、組換えポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、いずれかの配列の単離DNA、いずれかの配列の単離RNA、核酸プローブ、及びプライマーが挙げられる。本発明のポリヌクレオチドは単離された形態か、又は精製された形態で提供されてもよい。
【0075】
選択されたポリペプチドを「コードする」核酸配列は、適切な調節配列の制御下に置かれた場合に、in vivoで(DNAの場合)転写され、またポリペプチドに(mRNAの場合)翻訳される核酸分子である。コーディング配列の境界は5’(アミノ)末端の開始コドン及び3’(カルボキシ)末端の翻訳終止コドンにより決定される。本発明の目的のためには、そのような核酸配列としては、ウイルスmRNA、原核生物mRNA又は真核生物mRNA由来のcDNA、ウイルスDNA又はRNA或いは原核生物DNA又はRNA由来のゲノム配列、及び合成DNA配列すらも挙げることができるが、これらに限定されない。コーディング配列の3’に転写終結配列が位置していてもよい。
【0076】
本発明のポリヌクレオチドは、Sambrook et al(1989, Molecular Cloning - a laboratory manual; Cold Spring Harbor Press)中で実例で記載されたような、当該技術分野で周知の方法に従って合成することができる。
【0077】
本発明のポリヌクレオチド分子は、インサート配列に機能可能に連結した制御配列を含む発現カセットの形態で提供されてもよく、従って標的被験体中in vivoで本発明のペプチドの発現を可能にする。ひいてはこれらの発現カセットは、典型的には核酸免疫のための試薬としての使用に好適なベクター(例、プラスミド又は組換えウイルスベクター)内に提供される。そのような発現カセットは宿主被験体に直接投与され得る。或いは、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターが宿主被験体に投与されてもよい。好ましくは、当該ポリヌクレオチドは遺伝子ベクターを用いて調製及び/又は投与される。好適なベクターは、十分量の遺伝子情報を運搬でき、本発明のペプチドの発現を可能にし得るいずれかのベクターであり得る。
【0078】
従って、本発明は、そのようなポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む。従って、本発明は疾患の、寛容化による予防又は治療における使用のためのベクターを提供する。更に、本発明はポリペプチド及びポリヌクレオチドの混合物を用いて実施され得ると理解される。従って、本発明は、いずれか1のポリペプチドの代わりにそのポリペプチドを発現できるポリヌクレオチドが存在する、組成物又は製品を提供する。
【0079】
発現ベクターは、分子生物学の技術分野で通常通りに構築され、例えば、プラスミドDNA及び、本発明のペプチドの発現を可能にするために必要であり得、且つ正しい方向に配置された、適切なイニシェーター、プロモーター、エンハンサー及び、例えばポリアデニレーションシグナル等の他のエレメントを使用することを包含し得る。他の好適なベクターは、当業者には明らかであろう。この点における更なる実例については、Sambrook et al.を参照のこと。
【0080】
従って、本発明のポリペプチドは、そのようなベクターを細胞に送達し、当該ベクターからの転写を生じさせることによって提供されてもよい。好ましくは、ベクター中の、本発明の又は本発明における使用のためのポリヌクレオチドは、宿主細胞によるコーディング配列の発現をもたらすことができる制御配列に機能可能に連結される。即ち、当該ベクターは発現ベクターである。
【0081】
「機能可能に連結された」は、記載のコンポーネントが、それらの通常の機能を実行できるよう構成された、エレメントの配置を指す。従って、核酸配列に機能可能に連結された、プロモーター等の所定の調節配列は、適切な酵素が存在する場合、その配列の発現をもたらすことができる。当該プロモーターは、配列の発現を指示するよう機能する限り、その配列と連続している必要は無い。従って、例えば、プロモーター配列と当該核酸配列との間には、非翻訳配列ながら転写される介在配列が存在し得るが、それでもやはり、当該プロモーター配列は、コーディング配列に「機能可能に連結され」ているとみなされる。
【0082】
多くの発現システムが当該技術分野において記述され、それらの各々が、典型的に、発現制御配列に機能可能に連結された対象の遺伝子又はヌクレオチド配列を含有するベクターからなる。これらの制御配列としては、転写プロモーター配列並びに転写開始配列及び転写終結配列が挙げられる。本発明のベクターは、例えば、複製起点、必要に応じて、前記ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーター及び必要に応じて当該プロモーターのレギュレーターを提供されたプラスミド、ウイルス又はファージベクターであり得る。「プラスミド」は染色体外遺伝因子の形態のベクターである。当該ベクターは、1以上の選択マーカー遺伝子、例えば、バクテリア用プラスミドの場合はアンピシリン耐性遺伝子、又は真菌用ベクター用には耐性遺伝子、を含んでいてもよい。ベクターはin vitroで、例えばDNA又はRNAの製造のために用いられ得、或いは、宿主細胞、例えば哺乳動物宿主細胞、をトランスフェクト又は形質転換するために用いられ得る。当該ベクターはまた、in vivoで用いるために、例えば、ポリペプチドのin vivoでの発現を可能にするために、調整され得る。
【0083】
「プロモーター」は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの転写を開始及び調節するヌクレオチド配列である。プロモーターとしては、(当該プロモーターに機能可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、分析物質、補因子、調節タンパク質などにより誘導される)誘導性プロモーター、(当該プロモーターに機能可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、分析物質、補因子、調節タンパク質などにより抑制される)抑制性プロモーター、及び構成的プロモーターを挙げることができる。用語「プロモーター」又は「制御因子」としては、全長プロモーター領域及びこれらの領域の機能的(例、転写又は翻訳制御)部分が挙げられることが意図される。
【0084】
本発明によるポリヌクレオチド、発現カセット又はベクターは、シグナルペプチド配列を更に含んでもよい。シグナルペプチド配列は、一般に、当該シグナルペプチドが発現し、やはりプロモーターと機能可能に連結されたコーディング配列によってコードされたポリペプチドの分泌を促進するように、プロモーターと機能可能に連結されて挿入される。
【0085】
典型的には、シグナルペプチド配列は、10〜30アミノ酸、例えば15〜20アミノ酸、のペプチドをコードしている。当該アミノ酸には、しばしば疎水性のものが多くを占める。典型的な状況においては、シグナルペプチドは、シグナルペプチドを持つ成長中のポリペプチド鎖を、発現細胞の小胞体に向かわせる。当該シグナルペプチドは、小胞体中で切り離され、当該ポリペプチドのゴルジ体経由の分泌を可能にする。従って、本発明のペプチドは、個体内の細胞からの発現、及びそれら細胞からの分泌により、当該個体に提供され得る。
【0086】
或いは、本発明のポリヌクレオチドは、抗原提示細胞の表面での、MHCクラスII分子による本発明のペプチドの提示を可能にするのに好適な態様で発現し得る。例えば、本発明のポリヌクレオチド、発現カセット又はベクターは、抗原提示細胞を標的にし得るか、又はコードされたペプチドの発現が、そのような細胞中で好ましく刺激又は誘導され得る。
【0087】
本発明のペプチドの製造において、対象のポリヌクレオチドは、in vitro、ex vivo又はin vivoで用いられ得る。そのようなポリヌクレオチドは、アレルギーの、寛容化による予防又は治療において投与され得るか、又は用いられ得る。
【0088】
遺伝子送達のための方法は、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第5,399,346号、第5,580,859号及び第5,589,466号を参照のこと。核酸分子は、標準的な筋肉内又は皮内注射;粒子経皮送達;吸入;局所的、或いは経口的、鼻腔内的又は粘膜的投与態様等、により受容被験体に直接導入できる。或いは、当該分子は、被験体から取り出された細胞にex vivoで導入され得る。例えば、本発明のポリヌクレオチド、発現カセット又はベクターは、個体のAPCにex vivoで導入され得る。対象の核酸分子を含有する細胞は、当該核酸分子によりコードされたペプチドに対して免疫応答が開始できるように、被験体に再導入され得る。そのような免疫に用いられる核酸分子は、本明細書中、一般に「核酸ワクチン」として言及される。
【0089】
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター又は細胞は実質的に単離された形態で存在し得る。それらは、意図されるそれらの使用を妨害しない担体又は希釈剤と混合されてもよく、それらは依然として実質的に単離されたとみなされる。それらは実質的に精製された形態であってもよく、その場合、それらは一般に、タンパク質、ポリヌクレオチド、細胞、又は製剤の乾燥重量の少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、98%又は99%を構成する。
【0090】
抗原提示細胞(APC)
本発明は、本発明のペプチドを表面に提示し、次いで治療に用いられ得るAPC集団の製造方法の、in vitroでの使用を包含する。そのような方法は、患者から得られた細胞サンプルに対し、ex vivoで実施され得る。従って、このようにして製造されたAPCは、イエダニアレルギーの、寛容化による治療または予防において使用できる薬剤を形成する。細胞は、個体由来であるため、当該個体の免疫系により受け入れられるはずである。従って、このようにして製造された細胞の、それらが元々得られた個体への送達は、本発明の治療的な実施形態を形成する。
【0091】
製剤及び組成物
本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター及び細胞は、単独か、又は組み合わせてかのいずれかで、個体に提供され得る。本発明の各分子又は細胞は、単離された形態、実質的に単離された形態、精製された形態又は実質的に精製された形態で個体に提供され得る。例えば、本発明のペプチドは、実質的に他のペプチドフリーで、個体に提供され得る。或いは、組成物中の4以上のペプチドが共に、標準的なペプチドカップリング試薬を用いて化学的にカップリングされ、好ましいエピトープを含有する単一ペプチドが提供され得る。そのようなペプチドは、個々のペプチドのように、ヒスタミン放出が無いことを確認するために、好塩基球のヒスタミン放出に関してスクリーニングされる。更なる実施形態においては、組成物中の4以上のペプチドが、単一ポリペプチド鎖の一部として、即ち、コードするポリヌクレオチドから組換え手段により、提供され得る。4以上のペプチドは、連続的に融合され得るか、又は、その代わりに適切なリンカーによって隔てられ得る。
【0092】
本発明によるペプチド、ポリヌクレオチド又は組成物は、原料の形態で提供されることが可能であり得るが、それらを医薬製剤として提供することが好ましい。従って、本発明の更なる態様によれば、本発明は、本発明による組成物、べクター又は製品を1以上の医薬的に許容可能な担体又は希釈剤、及び必要に応じて1以上の他の治療成分と共に含む、イエダニアレルギーの、寛容化による予防又は治療における使用のための医薬製剤を提供する。当該担体は、製剤の他の成分と適合性があり、それらの受容者に有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。典型的には、注射用担体及び最終製剤は、無菌且つピロゲンフリーである。
【0093】
本発明のペプチド、ポリヌクレオチド又は細胞を含む組成物の調製は、すべて当業者に容易に利用できる、標準的な医薬製剤の化学及び方法論を用いて行うことができる。
【0094】
例えば、本発明の1以上の分子又は細胞を含有する組成物は、1以上の医薬的に許容可能な賦形剤又はビヒクルと併用できる。湿潤剤又は乳化剤等の補助物質、pH緩衝物質等が、賦形剤又はビヒクル中に存在してもよい。これらの賦形剤、ビヒクル及び補助物質は、一般的に、組成物を受容した個体内で免疫応答を誘導せず、且つ過度の毒性無しで投与し得る薬剤である。医薬的に許容可能な賦形剤としては、水、生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸及びエタノール等の液体が挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容可能な塩、例えば、塩酸塩類、臭化水素酸塩類、リン酸塩類及び硫酸塩類等の鉱酸塩類、並びに酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩類及び安息香酸塩類等の有機酸の塩類もその中に含めることができる。医薬的に許容可能な賦形剤、ビヒクル及び補助物質の詳細な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co., N.J. 1991)において入手できる。
【0095】
そのような組成物は、ボーラス投与又は継続投与に好適な形態で、調製、包装、又は販売され得る。注射可能な組成物は、アンプル等の単回投与形態で、又は保存剤を含有する複数回投与形態で、調製、包装、又は販売され得る。組成物としては、懸濁剤、溶液剤、油性又は水性ビヒクル中の乳化剤、ペースト剤、及び移植可能な徐放製剤又は生物分解性の製剤が挙げられるが、これらに限定されない。そのような組成物は、懸濁剤、安定化剤、又は分散剤が挙げられるが、これらに限定されない1以上の追加成分をさらに含んでいてもよい。非経口投与用組成物の1つの実施形態においては、有効成分は、再構成組成物の非経口投与前に、好適なビヒクル(例、ピロゲンフリーの滅菌水)で再構成するための乾燥形態(例、粉末又は顆粒)で提供される。当該医薬組成物は、注射可能な水性又は油性の無菌の懸濁剤又は溶液剤の形態で、調製、包装、又は販売され得る。この懸濁剤又は溶液剤は、公知技術に従って調製され得、且つ、有効成分に加えて、本明細書中に記載の分散剤、湿潤剤、又は懸濁剤等の、更なる成分を含み得る。そのような注射可能な無菌製剤は、無毒製の、非経口的に許容可能な、例えば水又は1,3-ブタンジオール等の、希釈剤又は溶媒を用いて調製され得る。他の許容可能な希釈剤及び溶媒としては、リンゲル液、等張の塩化ナトリウム溶液、及び合成モノ−又はジ−グリセリド等の固定油が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
有用な、非経口的に投与される他の組成物としては、微結晶の形態、リポソーム製剤で、又は生物分解性高分子系の成分として、有効成分を含むものが挙げられる。徐放用又は移植用組成物は、乳化剤、イオン交換樹脂、難溶性高分子、又は難溶性塩等の、医薬的に許容可能な高分子又は疎水性物質を含み得る。
【0097】
或いは、本発明のペプチド又はポリヌクレオチドは、粒子担体に封入され、吸着され、又は結合されていてもよい。好適な粒子担体としては、ポリメチルメタクリル酸ポリマー由来のもの、及びポリ(ラクチド)及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)由来のPLG微粒子が挙げられる。例えば、Jeffery et al.(1993)Pharm. Res. 10:362-368を参照のこと。他の粒子系及びポリマー、例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、スペルミン、スペルミジン等のポリマー、及びこれら分子のコンジュゲートも用いられ得る。
【0098】
本明細書中で言及するいずれかのペプチド、ポリヌクレオチド又は細胞の製剤化は、物質の性質及び送達方法等の要因に依存する。そのような物質はいずれも、種々の投与形態で投与され得る。それらは、経口的(例、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性又は油性懸濁剤、分散可能な粉剤又は顆粒剤として)に、局所的に、非経口的に、皮下的に、吸入によって、静脈内に、筋肉内に、胸骨内に、経皮的に、皮内に、舌下に、鼻腔内に、口腔に、又は点滴技術により、投与され得る。当該物質は、坐剤としても投与され得る。各特定の個体に必要とされる投与経路は、医師が決定できる。
【0099】
本発明の製剤の組成は、有害反応を引き起こすこと無く有効である、好適な濃度の各ペプチド/ポリヌクレオチド/細胞を含む。典型的には、当該組成中の各ペプチドの濃度は、0.03〜200 nmol/mlの範囲である。より好ましくは、0.3〜200 nmol/ml、3〜180 nmol/ml、10〜150 nmol/ml又は30〜120 nmol/mlの範囲である。組成物又は製剤は、95%又は98%を上回る純度或いは少なくとも99%の純度を有していなくてはならない。
【0100】
従って、1つの実施形態においては、本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、細胞又は組成物は、他の1以上の治療剤と組み合わされて、治療のために用いられる。当該剤は別個に、同時に又は連続的に投与され得る。それらは同一か、又は異なる組成物で投与され得る。従って、本発明の方法においては、被験体は、更なる治療剤によっても治療され得る。
【0101】
従って、本発明の分子及び/又は細胞並びに他の1以上の治療的分子をも含む組成物が製剤化され得る。本発明の組成物は、或いは、併用治療の一部として、1以上の他の治療用組成物と同時に、連続的に又は別個に用いられ得る。
【0102】
併用免疫療法
多くの被験体が、いくつかのポリペプチドアレルゲンに対してアレルギーであるか、又は脱感作されることを必要とし得るので、本発明は複数のアレルゲンにアレルギーを示す被験体を脱感作する方法も提供する。個体において誘導される、第一のポリペプチドに対する「寛容性」は、被験体中で、他抗原への寛容性を提供するために、他抗原への異常な免疫応答がダウンレギュレートされ得る、「寛容誘発環境」を創り出し得る。
【0103】
この知見は、複数アレルゲンにアレルギーを示す被験体は、治療時間が大幅に減少し得ること、及びある種のアレルゲン(例、ピーナッツ)に重篤なアレルギーを示すが、他のアレルゲン(例、ネコの鱗屑)にはより穏やかなアレルギーを示す患者は、より穏やかなアレルゲンへの寛容性が確立し、次いでこの寛容誘発環境が、より強烈な他のアレルゲンへの寛容をもたらすために用いられる治療から、恩恵を受け得ることを意味する。
【0104】
従って、1以上の、更なる異なる第二のポリペプチド抗原に対し、被験体を脱感作するための方法が提供される。当該方法は、第一段階で、本明細書に記載のとおりの本発明のペプチドを個体に投与することを伴い、このとき、アレルゲン(第一のポリペプチドはその断片である)又は相同性のあるその変異体に対して低反応性の状態を創り出すのに十分な態様で、投与が実施される。一度前記アレルゲンに対する低反応性状態が確立されるか、又は少なくとも脱感作へ切り替わると、当該方法には、被験体が寛容化されるべき第二の異なるポリペプチドアレルゲンを含む、第二の組成物の投与が必要となる。第二の組成物の投与は、本発明のペプチドにより確立された寛容誘発環境を活用するような方法で実施され、第二の異なるポリペプチド抗原に対する寛容性を確立することが可能となる。
【0105】
当該第二の組成物は、本発明のペプチド又は当該ペプチドが由来するタンパク質アレルゲン全体のより大きな断片のいずれかとともに共投与される。「共投与される」により、同時(simultaneous又はconcurrent)投与(例、その2つが同一組成物中に存在している場合か、又は、別個の組成物で、ほとんど同時であるが別の部位に投与される場合、及びポリペプチド抗原の、別々の組成物での異なる時間での送達)を意味する。例えば、第二の組成物は、本発明のペプチドの送達に先立つか、又はそれに続いて、同じ部位又は異なる部位に送達されてもよい。送達間のタイミングは、約数秒間隔〜約数分間隔、数時間間隔の範囲であるか、又は数日間隔の範囲ですらあり得る。更に、異なる送達方法が採用され得る。
【0106】
送達方法
本発明のペプチド及び組成物は、一度製剤化されると、公知の種々の経路及び技術を用いて、in vivoで被験体に送達され得る。例えば、組成物は注射可能な溶液剤、懸濁剤又は乳化剤として提供され得、従来の注射針及びシリンジを用いるか、又は液体ジェット注射システムを用い、非経口、皮下、表皮、皮内、筋肉内、動脈内、腹腔内、静脈内注射を介して投与され得る。組成物は、鼻内、気管内、小腸内、直腸内又は窒内等の皮膚又は粘膜組織にも局所的に投与され得るか、或いは呼吸器内投与又は肺内投与に好適な、微粉化したスプレーとしても提供され得る。投与の他の態様としては、経口投与、坐剤、舌下投与、及び能動又は受動の経皮投与送達技術が挙げられる。
【0107】
本発明のペプチドが投与される場合、ペプチドが、適切な抗原提示細胞と接触する能力を有する体中の部位、及びそれ或いはそれらが個体のT細胞に接触する機会を有する体中の部位にペプチドを投与することが好ましい。APCが投与される場合、APCが個体の適切なT細胞に接触し、それを活性化する能力を有する、体中の部位にAPCを投与することが好ましい。
【0108】
送達計画
(複数のペプチドを含有する組成物等の)ペプチド/ポリヌクレオチド/細胞の投与は、上記のとおりのいずれの好適な方法によってもよい。好適な量のペプチドは、経験的に決定され得るが、典型的には以下に示す範囲である。各ペプチドの単回投与は、患者にとって恩恵のある効果を有するのに十分かもしれないが、ペプチドが1回を上回って投与される場合(この場合、典型的な投与計画は、例えば、6ヶ月ごとに2〜4週間にわたり週に1又は2回、又は4〜6ヶ月ごとに1週間にわたり1日1回であり得る)、恩恵があり得ると、理解される。理解されるように、各ペプチド又はポリヌクレオチド、或いはペプチド及び/又はポリヌクレオチドの組合せは、単独で又は組み合わせて、患者に投与され得る。
【0109】
投与用量は組成物の性質、投与経路並びに投与計画の日程及びタイミングを含む多くの要因に依存する。本発明の分子の好適な用量は、1投与当たり最大15 μg、最大20 μg、最大25 μg、最大30 μg、最大50 μg、最大100 μg、最大500 μg又はそれ以上のオーダーであり得る。好適な用量は、15 μg未満であるが、少なくとも1 ng、又は少なくとも2 ng、又は少なくとも5 ng、又は少なくとも50 ng、又は少なくとも100 ng、又は少なくとも500 ng、又は少なくとも1 μg、又は少なくとも10 μgであり得る。本発明の分子のいくつかに関しては、用いられる投与量はより多く、例えば、最大1 mg、最大2 mg、最大3 mg、最大4 mg、最大5 mg又はそれ以上であり得る。そのような用量は、選択した経路での投与に適切な量にするのに好適な濃度の液体製剤で提供され得る。
【0110】
キット
本発明は、容器中にキットの形態で包装される、本明細書中に記載の成分の、本発明の治療における使用に好適な組合せにも関する。そのようなキットは、本発明の治療が可能となるよう、一連の成分を含み得る。例えば、キットは、本発明の1以上の異なるペプチド、ポリヌクレオチド及び/又は細胞を、或いは本発明の1以上のペプチド、ポリヌクレオチド又は細胞及び、同時投与又は連続的又は別個の投与に好適な1以上の更なる治療剤を含み得る。当該キットは、必要に応じて他の好適な試薬又は指示書等を含んでいてもよい。
【0111】
診断方法
更なる態様においては、本発明は、個体が、本発明のペプチドによる治療に対し感受性の疾患を有するか否か、又はその疾患の危険性があるか否かを決定するin vitroの方法を提供し、この方法は:
i)本発明による第一のポリペプチドと、個体から採取したサンプル中のT細胞とをインキュベートする段階;
ii)前記細胞においてIL-10放出を測定する段階;及び
iii)放出されたIL-10量と、同一個体由来のサンプル中のT細胞が、タンパク質アレルゲン全体(第一のポリペプチドはその断片である)とインキュベートした場合に放出される量とを比較する段階;
を含み、第一のポリペプチドが、タンパク質アレルゲン全体に応答して放出されるIL-10量よりも多くのIL-10量放出を誘導する場合、その疾患は前記治療に対し感受性の疾患だとみなされる。
【0112】
当然のことながら、好ましくは、本発明の第一のペプチドは、集団の大部分の寛容化に好適であり、且つ種々のMHC対立遺伝子に結合できる。また一方、上記方法は、特定個体の寛容化のために適合した、第一のペプチドの同定をもたらす。
【0113】
更なる実施形態
本発明は、タンパク質抗原又はポリペプチド抗原の断片であるか、又は当該断片の変異体であり;且つ少なくとも1のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む、疾患の、寛容化による治療又は予防方法における使用のための、7〜30アミノ酸長の第一のポリペプチドを提供し、当該第一のポリペプチドは、当該第一のポリペプチドが由来するタンパク質抗原全体又はポリペプチド抗原全体に応答して放出されるIL-10の50%を上回るIL-10量の放出を誘導し、疾患は、タンパク質抗原又はポリペプチド抗原への異常免疫応答により特徴付けられ、且つ、異常免疫応答が存在するタンパク質抗原又はポリペプチド抗原由来の第二のポリペプチドも必要に応じて投与される。本発明は、7〜30アミノ酸長で、且つ少なくとも1のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む第一のポリペプチドを含む、疾患の、寛容化による治療又は予防における使用のための組成物も提供し、疾患は、第二のポリペプチドへの異常免疫応答により特徴付けられる。
【0114】
第一のペプチドは、タンパク質全体又はポリペプチド全体に応答して放出されるIL-10量よりも60%、80%、100%、120%、150%、200%、300%、400%、500%又はそれ以上上回る、IL-10放出を誘導し得る。
【0115】
1つの実施形態においては、前記方法は、第一のポリペプチド単独の投与を含み、前記疾患を特徴付ける異常な免疫応答は、1以上の特徴付けされていないタンパク質抗原又はポリペプチド抗原への異常な免疫応答を含む。
【0116】
第二のポリペプチドは、典型的には7〜30アミノ酸長で、少なくとも1のMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含み;且つ前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原の断片であるか、或いは相同性のある、当該断片の変異体である。
【0117】
第一及び/又は前記第二のポリペプチドは、それらが由来するタンパク質抗原全体又はポリペプチド抗原全体の10%未満、例えばタンパク質全体又はポリペプチド全体の8%未満、6%未満、4%未満又は2%未満に相当していてもよい。
【0118】
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、同一のタンパク質抗原又はポリペプチド抗原に由来してもよい。しかしながら、1つの実施形態においては、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、異なるタンパク質抗原又はポリペプチド抗原に由来する。第一及び第二のポリペプチドは、典型的には、互いの相同性は40%未満である。
【0119】
疾患は、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、同種免疫(alloimmun)応答、母体-胎児免疫応答、新抗原への免疫応答又は治療において個体にもたらされているタンパク質への免疫応答であり得る。
【0120】
異常免疫応答が存在する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原は、典型的には、タンパク質アレルゲン又は自己抗原であり;及び/又は、前記第一及び/又は前記第二のポリペプチドが由来する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原は、タンパク質抗原又は自己抗原である。1つの実施形態においては、異常免疫応答が存在する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原、及び/又は、前記第一及び/又は前記第二のポリペプチドが由来する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原は、
i)植物アレルゲン(特にイネ科植物アレルゲン)、動物の鱗屑アレルゲン、カビ又は真菌アレルゲン、埃アレルゲン、抗生物質又は他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲン又は食物アレルゲンから選ばれるアレルゲン;又は
ii)急性散在性脳脊髄炎(ADEM);アジソン病;強直性脊椎炎;抗リン脂質抗体症候群(APS);再生不良性貧血;自己免疫性肝炎;自己免疫性卵巣炎;セリアック病;クローン病;1型糖尿病;妊娠性類天疱瘡;グッドパスチャー症候群;グレーブス病;ギラン・バレー症候群(GBS);橋本病;特発性血小板減少性紫斑病;川崎病;エリテマトーデス;多発性硬化症;重症筋無力症;オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS);視神経炎;オード甲状腺炎(Ord's thyroiditis);天疱瘡;悪性貧血;イヌの多発性関節炎;原発性胆汁性肝硬変症;関節リウマチ;ライター症候群;シェーグレン症候群;高安動脈炎;側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎としても知られる);温式自己免疫性溶血性貧血;又はヴェーゲナー肉芽腫症に関連する主要抗原から選ばれる抗原
から選ばれる。
【0121】
異常免疫応答が存在する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原、及び/又は、前記第一及び/又は前記第二のポリペプチドが由来する前記タンパク質抗原又はポリペプチド抗原は:ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;イエダニタンパク質Der p 1、Der p 2及びDer p 7;ブタクサタンパク質amb a 1.1、a 1.2、a1.3又はa1.4;ホソムギタンパク質Lol p 1及びLol p 5;オオアワガエリタンパク質phl p 1及び phl p 5;ギョウギシバタンパク質Cyn d 1;Alternaria alternataタンパク質Alt a 1、Alt a 2、エノラーゼ(Alt a 6)、Alt a 10、Alt a 13;Cladosporium herbarumタンパク質Cla h 6、Cla h 8;カバノキタンパク質Bet v1、Bet v 3、Bet v 4、Bet v 6及びP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5及びBla g 6;ヨモギタンパク質Art v 1;ロシアアザミタンパク質Sal k 1及び Sal k 2;ピーナッツAra h 1, Ara h 2, Ara h 3, Ara h 4, Ara h 5, Ara h 6、植物プロフィリン又は脂質輸送タンパク質、或いはヒト白血球抗原から選ばれてもよい。
【0122】
前記第一のポリペプチドは、第二のポリペプチドと連続的に、別個に、又は組み合わせて投与されてもよい。
【0123】
第一のポリペプチドは、イエダニタンパク質Der p 1又はブタクサタンパク質Amb a 1又はイネ科植物タンパク質Cyn d 1、Lol p 5、Phl p 1、及びPhl p 5の断片、或いは相同性のある、前記断片の変異体であり得る。1つの実施形態においては、第一のポリペプチドは以下である:
(i)HDM03D、HDM03E、HDM202、HDM03V、HDM03W、RGW07、RGW07B、RGW07C、RGW07D、Bio02A、Bio04A、Bio04B、Bio05B、Tim04A、Tim07B、Rye08A、Ber01、Ber02D、Ber02E、又はBer03Aの配列のペプチド;或いは
(ii)
(i)の配列のいずれか、又は
(i)の配列のいずれかと少なくとも65%の相同性を有する配列
からなる領域を含む7〜30アミノ酸長のペプチドである、(i)に記載のペプチドの変異体;或いは
(iii)
−(i)の配列のいずれかの断片、又は
−(i)の配列のいずれか中の連続するいずれかの7アミノ酸に対し少なくとも65%の相同性を有する、(i)の配列のいずれかの断片のホモログ
のいずれかを表す配列からなる領域を含む7〜30アミノ酸長のペプチドである、(i)に記載のペプチドの変異体。
【0124】
1つの実施形態においては、第一及び/又は前記第二のポリペプチドは、B細胞の細胞表面上に発現するIgG或いは肥満細胞又は好塩基球の表面上に発現するIgEを架橋できるエピトープを含まない、且つ/又はT細胞エピトープは、当該タンパク質抗原又はポリペプチド抗原由来のT細胞エピトープの最小MHCクラスII結合性配列である。
【0125】
第一及び/又は前記第二のポリペプチドは、以下:
(i)N末端アセチル化;
(ii)C末端アミド化;
(iii)アルギニン及び/又はリジンの側鎖アミン上の1以上の水素のメチレン基による置換;
(iv)グリコシル化;及び
(v)リン酸化
から選ばれる1以上の修飾を有していてもよい。
【0126】
第一及び/又は前記第二のポリペプチドは、可溶性となるよう:
i)ペプチドの、T細胞エピトープに隣接する残基群のN末端:当該ペプチドが由来するタンパク質配列中当該残基群のすぐN末端側の連続する2〜6アミノ酸に相当する、連続する1〜6アミノ酸且つ/又は;
ii)ペプチドの、T細胞エピトープに隣接する残基群のC末端:当該ペプチドが由来するタンパク質配列中当該残基群のすぐC末端側の連続する1〜6アミノ酸に相当する、連続する1〜6アミノ酸又は;
iii)ペプチドの、T細胞エピトープに隣接する残基群のN及びC両末端、アルギニン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸及びアスパラギン酸から選ばれる少なくとも1アミノ酸残基群を含むよう操作されていてもよく、
当該ポリペプチドは、少なくとも3.5 mg/mlの可溶性を有し、当該T細胞エピトープは、3.5 mg/ml未満の可溶性を有する。
【0127】
第一及び/又は前記第二のポリペプチドは、可溶性となるよう:
i)ペプチドの天然配列における任意のシステイン残基がセリン又は2−アミノ酪酸で置換される;且つ/又は
ii)T細胞エピトープ中に含まれていない、ペプチドの天然配列のN末端又はC末端の最大3アミノ酸の任意の疎水性残基が欠失する;且つ/又は
iii)T細胞エピトープ中に含まれていない、ペプチドの天然配列のN末端又はC末端の最大4アミノ酸の、配列Asp-Glyを構成する連続する任意の2アミノ酸が欠失する
よう操作されていてもよい。
【0128】
第一のポリペプチド及び/又は前記第二のポリペプチドはそれぞれ、典型的には0.03〜200 nmol/ml、0.3〜200 nmol/ml又は30〜120 nmol/mlの範囲の濃度で、投与される組成物中に存在する。
【0129】
第一のポリペプチドは、(本明細書で用いられる他の定義のいずれかによるのではなく、ポリペプチド全体に対するIL-10放出量に基づいて)他のペプチドを参照して定義されてもよい。1つの実施形態においては、第一のポリペプチドは、ペプチドHDM202が引き起こすIL-10放出と少なくとも同量のIL-10放出を引き起こす。これは、実施例3に記載されたアッセイ等の、任意の好適なアッセイを用いることにより測定され得る。
【0130】
本発明を以下の実施例により説明する:
【実施例】
【0131】
実施例1
イエダニ由来のペプチド
【0132】
【表3-1】
【0133】
【表3-2】
【0134】
【表3-3】
【0135】
上記表中太字の残基は、親タンパク質の天然配列中の対応する残基からの変更を表示する。これらの変更は、T細胞エピトープとしてのペプチドの機能性を減退させること無く、ペプチドダイマーの形成を低減させて可溶性を向上させる。示した変更は、表示したとおり、天然配列中のシステイン(C)の、セリン(S)又は5-アミノ酪酸
【0136】
【数1】
【0137】
、又はシスティン
【0138】
【数2】
【0139】
による置換である。表中、「親中の残基」の位置は、NCBIデータベース中に公開されたとおりのDer p 1、Der p 2及びDer p 7の配列(それぞれ、NCBIアクセッション番号:P08176、P49278及びP49273)を指す。
【0140】
N末端グルタミン酸(E)残基又はN末端グルタミン(Q)残基を有する、上記に表示のペプチド(例えば、HDM03K、L、V及びW)では、当該ペプチドの機能に影響を与えること無く、製造の間の安定性を向上させるために、この残基がピログルタミン酸に置換されていてもよい。これらペプチドの、更なる試験からのデータ(実施例2)は、そのような置換が生じているペプチドを用いて、典型的に得られる。
【0141】
実施例2-ブタクサ
以下に記載のペプチドは、T細胞エピトープを含むタンパク質の領域を決定するためのAmb a 1の解析により同定された。以下の対象領域が同定された:
【0142】
【表4】
【0143】
次いでこれらの領域を、以下に示すとおりの異なる4つのAmb a1アイソフォーム(1.1, 1.2, 1.3及び1.4)間で、それらのうちどれが高度に保存されているかを見出すために、更に解析した。下記配列に関しては、対象領域を表示するために、以下の文字列の様式を用いる:
【0144】
【数3】
【0145】
以下のペプチドは高度に保存されているとみなされ、従って、更なる試験に進めた:
【0146】
【表5】
【0147】
実施例3-サイトカイン放出アッセイ
実施例1及び2由来のペプチドを用いて、ペプチド刺激に応答したPMBCからのサイトカイン分泌プロファイルを解析する。サイトカイン放出アッセイ由来の上清を、ELISAアッセイ又はマルチプレックスビーズアレイアッセイのいずれかを用いて、IL-10の存在について試験した。典型的なサイトカイン放出アッセイは、被験体あたり40x106のPBMCを必要とする。より詳しくは、適切な抗原又はペプチド濃度200 μg/mlの溶液250μlを48ウェルプレートの適切なウェルに分配する。次いで、プレートを、5% CO2の加湿インキュベーター中、37℃で最大4時間インキュベートする。次いで、5x106細胞/mlのPBMC懸濁液250 μlを各ウェルに加え、プレートをインキュベーターに5日間戻す。刺激後、培養上清のサンプルを、標準的プロトコールに従ったELISA又はマルチプレックスビーズアッセイによる試験のために回収する。
【0148】
実施例1のペプチドについての結果を図1及び2中に示す。図からわかるように、ペプチドHDM03D、HDM03E、HDM202、HDM03V及びHDM03Wは、他のペプチドより多くのIL-10産生を生じる。更に、ペプチドHDM03E、HDM202及びHDM03Wは、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を生じる。実施例2中のペプチドについての結果を図3及び図4中に示す。図からわかるように、ペプチドRGW07、B、C及びDは、他のペプチドより多くのIL-10産生を生じる。更に、ペプチドRGW07Dは、アレルゲン全体よりも多くのIL-10放出を生じる。
【0149】
実施例4-アレルギー治療のための、本発明のペプチドのin vivoでの効力
本発明のペプチドを、マウスモデルにおいてアレルギー治療における効力について評価した。1.5マイクログラムのイエダニ(HDM)アレルゲン全体を2週にわたり5回x2日間に(25 uLで)鼻腔内投与を繰り返して6群のBALB/cJマウスを感作した。これはHDMアレルゲン全体により引き起こされるアレルギー性喘息の調査用のモデル系として役立った。
【0150】
次いで感作マウスを、本発明のペプチドによる治療前に、1週間放置した。治療には、5日間毎日、HDM03Dを鼻腔内送達し、続いて30分後にHDM202を鼻腔内送達することからなった。おおよそ4週後、マウスに2日間(鼻腔内に2x15 ug/25 uL)HDMアレルゲン全体でチャレンジして、48時間後に結果を測定した。HDM202及びHDM03Dの5通りの投与量(ペプチド当たり10、1、0.1、0.01及び0.001 ug)を評価した。
【0151】
治療局面においては、ビヒクル群はマウス4匹、及び各HDM03D/HDM202群は、1群あたりマウス2匹であった0.01 ug投与量を除いて、マウス3匹であった。肺へのメタコリンチャレンジ(cm H20/mL/s)後の気管支気道抵抗、呼吸機能測定、及び気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症細胞の定量が測定結果であった。
【0152】
気道抵抗の測定については、2日間にわたるイエダニアレルゲン全体の鼻腔内チャレンジ(2x15 ug)の48時間後に、Flexiventげっ歯動物用人工呼吸器を用いて、鼻腔内生理食塩水及び漸増用量の静脈内メタコリン(MCh)に応答した全呼吸器系抵抗(Rrs)を測定した。得られたRrs-MCh用量応答曲線を用いて、気道反応性の指標(Rrsの傾き)及び25 MCh mg/mLでの気管支収縮の最大値(25 mg/mLでの最大Rrs)を測定した。値は平均+/-SEである。
【0153】
炎症細胞の定量については、気管支肺胞洗浄液(BALF)を、総炎症細胞数及び種々の炎症細胞数について評価した。肺の組織切片をヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色し、カスタムのコンピューター化解析システム(Northern Eclipse)を用いて、形態計測学的に定量した。
【0154】
結果を図5及び図6中に示す。図5Aは、HDM03D及びHDM202による治療で気道抵抗が有意に減少し、投与量10、1及び0.1 ugが最も有効であったことを示す。25 mg/mlのメタコリンチャレンジ用量を解析すると(図5B)、HDMペプチドの上位4の投与量で抵抗が明らかに減少し、最少投与量の0.001 ugでは効果が無かった。図5Cに示すとおり、抵抗上昇の傾きすなわち抵抗上昇率は、抵抗と同様のパターンを生じた。
【0155】
図6A中に示すとおり、HDM03D及びHDM202ペプチド治療はまた、5投与群全てで、BAL中の総細胞の減少をもたらした。個々の細胞集団において、更にこれを解析したところ、投与量に対応答して好中球(図6B)、好酸球(図6C)及びリンパ球(図6D)が減少していた。
【0156】
従って、データにより、HDM03D及びHDM202による治療によってアレルゲンチャレンジ後の気管支肺胞空間への細胞の浸潤が阻害され、喘息における肺のアレルギー反応に関係する空気抵抗の増大が、有意に減少したことが示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6