特許第5705121号(P5705121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705121
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】ユーザー制御部の着色
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20150402BHJP
【FI】
   G06F3/048 657A
   G06F3/048 658A
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-534686(P2011-534686)
(86)(22)【出願日】2009年10月27日
(65)【公表番号】特表2012-507103(P2012-507103A)
(43)【公表日】2012年3月22日
(86)【国際出願番号】US2009062255
(87)【国際公開番号】WO2010062619
(87)【国際公開日】20100603
【審査請求日】2012年10月29日
(31)【優先権主張番号】12/290,151
(32)【優先日】2008年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500046438
【氏名又は名称】マイクロソフト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100153028
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 忠
(72)【発明者】
【氏名】サリーン,チャイタニャ
(72)【発明者】
【氏名】ホーフナーゲルズ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジャレット,ロブ
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン,ジャレッド
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ブレット
【審査官】 山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−175625(JP,A)
【文献】 特開2002−278538(JP,A)
【文献】 特開平10−021377(JP,A)
【文献】 特開平11−327789(JP,A)
【文献】 特開平03−068995(JP,A)
【文献】 実開平04−046491(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザー制御部を含むグラフィカル・ユーザー・インターフェース上においてカーソルの位置およびカーソルの移動方向を追跡するように構成されている追跡モジュールと、
前記複数のユーザー制御部のうちの、前記カーソルの前記位置または移動方向に基づいて特定される個々のユーザー制御部に含まれるアイコンまたはテキストの画素を用いて色情報を入手し、前記色情報から前記個々のユーザー制御部の強調色を決定するように構成されているカラー・モジュールであって、前記強調色は前記アイコンまたはテキストの優勢色から決定され、前記個々のユーザー制御部は前記アイコンまたはテキストの前記優勢色とは異なる色を有する一部を少なくとも含む、カラー・モジュールと、
前記アイコンまたはテキストの前記優勢色とは異なる前記色を有する前記個々のユーザー制御部の前記一部を前記強調色で着色するように構成されている着色モジュールと、
を備えている、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記カラー・モジュールが、前記個々のユーザー制御部の前記アイコンまたはテキストを特定し、前記アイコンまたはテキストから前記画素を入手するように構成されている、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記カラー・モジュールが、前記アイコンまたはテキストの前記画素を色にしたがって整列して前記アイコンまたはテキストの前記優勢色を決定するように構成されている、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記着色モジュールが、前記カーソルの前記位置を焦点として有する1対の同心円状グローで、前記個々のユーザー制御部の前記一部を着色するように構成されている、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記強調色は前記アイコンまたはテキストの前記優勢色を含む、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前記強調色は前記アイコンまたはテキストの前記優勢色に対する補色である色を含む、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記着色モジュールは、さらに、前記カーソルが前記ユーザー制御部を横切って移動する時に前記ユーザー制御部の異なる部分を着色することによって、前記ユーザー制御部上における前記カーソルの動きを伝えるように構成されている、システム。
【請求項8】
コンピューティング・デバイスのグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)上のユーザー制御部を着色する方法であって、
複数のユーザー制御部が表示されているコンピューティング・デバイスのGUI上において個々のユーザー制御部の強調色を動的に決定するステップであって、前記強調色は、
カーソルの位置および方向を追跡して前記コンピューティング・デバイスの前記GUI上に表示されている前記複数のユーザー制御部から前記個々のユーザー制御部を特定し、
前記個々のユーザー制御部に内包されているアイコンまたはテキストの画素を入手し、
前記個々のユーザー制御部に内包されている前記アイコンまたはテキストの前記入手された画素の色情報に基づいて、前記アイコンまたはテキストの優勢色から前記強調色を選択する、
ことによって決定される、ステップと、
前記コンピューティング・デバイスに、前記アイコンまたはテキストの前記優勢色とは異なる色を有する前記個々のユーザー制御部の少なくとも一部を、前記強調色で着色させるステップと、
を備えている、方法。
【請求項9】
請求項記載の方法であって、更に、
前記アイコンまたはテキストの前記入手された画素を色にしたがって整列して前記優勢色を決定するステップ、
を備えている、方法。
【請求項10】
請求項記載の方法において、前記動的に決定するステップが、前記強調色を、最も数が多い入手された画素と関連のある色として決定するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、前記動的に決定するステップが、前記強調色を決定するときに、白、黒、灰色、および透明を除外する、方法。
【請求項12】
請求項記載の方法において、前記着色された一部が、前記個々のユーザー制御部に対する前記カーソルの前記位置および前記方向を伝える、方法。
【請求項13】
請求項記載の方法であって、更に、前記カーソルの周囲にグローを発生することによって前記一部を着色するステップを備えている、方法。
【請求項14】
請求項記載の方法であって、更に、前記カーソルの周囲に内側および外側同心円状グローを発生することによって前記一部を着色するステップを備えている、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、前記内側グローが比較的集中しており、前記外側グローが比較的拡散している、方法。
【請求項16】
請求項記載の方法であって、更に、前記ユーザー制御部の前記着色された一部に近接する前記ユーザー制御部の1つまたは複数のエッジ上に屈折作用を発生することによって前記一部を着色するステップを備えている、方法。
【請求項17】
命令が格納されているコンピューター読み取り可能記憶媒体であって、前記命令をコンピューティング・デバイスによって実行すると、
複数のユーザー制御部を表示しているグラフィカル・ユーザー・インターフェース上においてカーソルの位置およびカーソルの移動方向を追跡するステップと、
前記グラフィカル・ユーザー・インターフェース上に表示された前記複数のユーザー制御部のうちの、前記カーソルの前記位置または移動方向に基づいて特定される個々のユーザー制御部に含まれるアイコンまたはテキストの画素を入手するステップであって、前記アイコンまたはテキストの前記画素は、優勢色を含み、前記個々のユーザー制御部は、前記優勢色と異なる色を有する部分を少なくとも含む、ステップと、
前記個々のユーザー制御部に含まれる前記アイコンまたはテキストの前記画素の色情報に基づいて、前記アイコンまたはテキストの前記優勢色から前記個々のユーザー制御部の強調色を決定するステップと、
前記アイコンまたはテキストの前記優勢色とは異なる色を有する前記個々のユーザー制御部の少なくとも一部を前記強調色で着色するステップと、
を含む行為を前記コンピューティング・デバイスに実行させる、コンピューター読み取り可能記憶媒体。
【請求項18】
請求項17記載のコンピューター読み取り可能記憶媒体において、前記行為がさらに、
前記カーソルの前記位置および前記移動方向に基づいて、どこでユーザーが前記カーソルを動かすか予測するステップと、
前記カーソルが実際に前記個々のユーザー制御部上を通過する前に、前記強調色を動的に決定することを開始するステップと、
を含む、コンピューター読み取り可能記憶媒体。
【請求項19】
請求項17記載のコンピューター読み取り可能記憶媒体において、前記アイコンまたはテキストの前記画素は、前記カーソルが前記個々のユーザー制御部上を通過するにつれて、前記個々のユーザー制御部から入手される、コンピューター読み取り可能記憶媒体。
【請求項20】
請求項17記載のコンピューター読み取り可能記憶媒体において、前記アイコンまたはテキストの前記画素および前記複数のユーザー制御部に含まれる他のアイコンまたはテキストの他の画素が入手され、前記複数のユーザー制御部に対する強調色が決定され、前記行為がさらに、前記グラフィカル・ユーザー・インターフェース上におけるカーソルの動きに基づいて、前記強調色にアクセスするステップを含む、コンピューター読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] コンピューターは、多くの機能をユーザーに提供する。例えば、ユーザーは、彼/彼女が望むときにコンピューター上においてウェブを閲覧して回り(surf)、文書を作成し、音楽を聴くことができる。次いで、ユーザーは彼/彼女が電子メールも送らなければならないことを思い出す場合もある。多くの場合、ユーザーはグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を通じてコンピューターと対話する。ユーザーが電子メール/アプリケーションを開く一般的な方法は、その電子メール・アプリケーションを起動する制御部をクリックすることである。GUI上でユーザーが開いたアプリケーションの純粋な数、および利用可能な選択肢の数を考えると、ユーザーがこのタスクの間に彼/彼女の思考連鎖を失う虞れがある。本実施態様は、ユーザーがGUIをナビゲートする際に手間を減らすこと、そして/または一層自然に行うことを可能にし、ユーザー体験全体の向上に結びつけることができる。
【発明の概要】
【0002】
[0002] 記載する実施態様は、ユーザー制御部を動的に着色することに関する。1つの方法では、グラフィカル・ユーザー・インターフェース上でカーソルの下にあるユーザー制御部の強調色を動的に決定する。
【0003】
[0003] 他の実施態様は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース上で関連のあるユーザー制御部のグループを特定する方法として明示する。個々のユーザー制御部はアイコンを含む。また、この方法はグループのユーザー制御部の一部を、アイコンに関する情報から動的に選択した色で着色する。
【0004】
[0004] 以上に示した例は、読み手を補助するための素早い参照を提供することを意図するのであって、本明細書において記載する概念の範囲を定義することを意図するのではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
[0005] 添付図面は、本願において伝えられる概念の実施態様を示す。図示する実施態様の特徴は、以下の説明を添付図面と関連付けて参照することによって、一層容易に理解することができる。種々の図面における同様の参照番号は、可能なときはいつでも、同様のエレメントを示すために用いられることとする。更に、各参照番号の左端の数値は、その参照番号が最初に持ち出される図および関連のある論述を伝える。
図1図1は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図2図2は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図3図3は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図4図4は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図5図5は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図6図6は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図7図7は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図8図8は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図9図9は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図10図10は、本概念の一部による、動的ユーザー制御部着色の実施態様例の仮説的スクリーンショットを示す。
図11図11は、本概念の一部の実施態様による動的ユーザー制御部着色システムの一例を示す。
図12図12は、本概念の一部の実施形態による動的ユーザー制御部着色システムのフローチャートである。
図13図13は、本概念の一部の実施形態による動的ユーザー制御部着色システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
全体像
[0009] 本特許出願は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)上におけるユーザー制御部の着色に関する。端的に言うと、本特許出願は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)上においてカーソルの周囲にグロー(glow)を発生することができる。このグローは、そのカーソルにおいて閃光光線を射出することと同様に考えることができる。ユーザーが、選択可能ボタンのような、ユーザー制御部上でカーソルを動かすと、このユーザー制御部が強調色で着色されて、有色グローを発生する。この閃光の類比を続けると、有色グローは、閃光上の有色レンズによって発生することができる。
【0007】
[00010] 強調色は、ユーザー制御部から得られる情報に基づいて動的に選択することができる。例えば、ユーザー制御部と関連付けられている機能を素早く特定するために、アイコンがユーザー制御部の一部を占めることができる。本実施態様では、アイコンからの色情報に基づいて、着色のための強調色を選択することができる。強調色は、色情報から決められる優勢色、補色、またはユーザーを補助することができる色情報から決定されるいずれかの他の色とすることができる。したがって、例えば、アイコンの優勢色が赤であり、ユーザー制御部の残り部分が白である場合、本実施態様は、ユーザー制御部の残り部分の一部または全部を赤いグローで着色することができる。更に、この着色は、カーソルの位置およびその移動方向を、ユーザー制御部上で伝え易くするように行うこともできる。他の実施態様および/または発明概念を、以下に紹介する。
スクリーンショット例
[00011] 図1から図9は、本ユーザー制御着色概念のいくつかの実施形態の仮説的スクリーンショットの一例を示す。
【0008】
[00012] 図1から図3は、ディスプレイ100上における動的着色の実施態様をまとめて示す。図1は、ディスプレイ100上における第1のグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)・スクリーンショットを含む。図2は、第2の後続のスクリーンショット102(2)を含む。図3は、図2の実施態様に対する代替構成を表す他のスクリーンショット102(3)を示す。
【0009】
[00013] この例では、図1から図3は3つのユーザー制御部104(1)、104(2)、104(3)をスクリーンショット102(1)〜102(3)上に含む。更に、これら3つのユーザー制御部の各々は、それぞれ、アイコン106(1)、106(2)、106(3)を内包する。アイコンは、プログラム、コマンド、ウェブ・ページへのリンク等を表すためにGUIにおいて用いられる図形画像と考えることができる。ユーザー制御部の中に位置するとき、アイコンは、ユーザー制御部の機能を伝え易くする(即ち、アイコンはユーザーが選択しているものを素早く伝える役割を果たす)。
【0010】
[00014] 図1において、カーソル108が、ユーザー制御部104(1)、104(2)、104(3)のいずれの上にもない第1位置において示されている。図2において、ユーザーがカーソル108をユーザー制御部104(3)上に移動させ終えている。このカーソル位置に応答して、ユーザー制御部104(3)は、202において、カーソルがそのユーザー制御部上にあることをユーザーが容易に確認するのを助けることができる態様で、強調色で着色される。この場合、着色202は、カーソルを中心としてその周囲に発生するハロのように、有色グローを発生するために、カーソル108の周囲に概略的に円形となる。図3は、代替実施態様を示し、この場合、着色202はユーザー制御部104(3)の外側では隠されている。言い換えると、この着色はGUIのユーザー制御部内部のみで行われる。
【0011】
[00015] 着色202の強調色は、ユーザー制御部のアイコン106(3)の色情報から動的に決定される。端的に言うと、この場合、着色する色は、アイコン106(3)の優勢色として選択される。着色する色(1つまたは複数)を選択する方法について、以下で図12に関して更に詳しく説明する。
【0012】
[00016] これらの実施態様では、カーソル108がユーザー制御部104(3)上を通過する際、このカーソルは可視状態のままである。また、カーソルはユーザー制御部104(3)およびアイコン106(3)の上に重ね合わされているが、着色202はアイコン106(3)の下に挿入される。この構成によって、着色の間アイコンはユーザーに見えるままとなる。
【0013】
[00017] 図4から図6は、他の動的着色実施態様を纏めて示す。この場合、図4から図6は、それぞれ、3つの連続的なスクリーンショット402(1)、402(2)、および402(3)を示す。図1から図3と対照的に、図4から図6ではGUI全体の一部のみを示す。各スクリーンショットは、3つのユーザー制御部404(1)、404(2)、および404(3)、ならびにそれぞれのアイコン406(1)、406(2)、および406(3)を示す。
【0014】
[00018] 図4において、ユーザーは、全体的に410(1)で示すように、カーソルをユーザー制御部404(2)上に位置付けている。この構成では、カーソルがユーザー制御部上を移動すると、従前からの矢印形のカーソルが着色412と置き換えられる。この場合、カーソルの位置は、内側の有色グロー(inner colored glow)414によって着色される。外側の大きな有色グロー416は、内側のグロー414の周囲で着色され、カーソルの位置が2つのグロー414、416の焦点を中心に定められるようになっている。図3の実施態様と同様、図4から図6における着色は、カーソルが位置するユーザー制御部の内部で行われる。言い換えると、他の場合ではユーザー制御部404(1)、404(3)および/またはGUIの残り部分に広がるはずの内側および外側グローの部分が表示されない。この特定的な例では、内側グロー414は白色で着色され、外側グロー416はアイコン406(2)の優勢色、この場合オレンジ色で着色される。更に、この特定的な例では、内側グロー414は比較的集中しており、一方外側グロー416は比較的拡散している。図4および図5において、内側および外側グロー414、416の範囲を特定するために、角括弧が用いられている。図6は、点線を利用して、読み手がグロー414、416を特定し易くする別の手法を示す。
【0015】
[00019] 図5および図6は、図4と比較すると、本実施態様の着色がどのようにして、ユーザー制御部404(2)に対するカーソルの位置および方向を伝えることができるかを示す。例えば、図4では、410(1)において特定されているカーソル位置は、ユーザー制御部404(2)の左下部分になっている。図5では、410(2)において特定されているカーソル位置は、ユーザー制御部404(2)の中央下部分になっており、図6では、410(3)において特定されているカーソル位置は右下になっている。纏めると、図4から図6の動的着色は、カーソルが左から右へ水平軸即ちx−軸に平行に移動することを示す。
【0016】
[00020] 図4から図6は、「屈折作用」(refractory affect)と称することができる、他の着色機構例を示す役割を果たす。屈折作用は、着色412に近接するユーザー制御部の1つ又は複数のエッジを着色することによって生じさせることができる。このような一例を、図6の602および604において示す。
【0017】
[00021] 図7および図8は、ユーザー制御部702を伴う他の動的着色実施態様を纏めて示す。この場合、ユーザー制御部702はアイコンを内包していない。しかしながら、ユーザー制御部はテキスト704を「電子メール」という単語の形態で内包して、ユーザー制御部702の目的をユーザーに伝達する役割を果たしている。色情報がテキスト704から得られ、ユーザー制御部を着色することができる。例えば、図8は、ユーザーがほぼ点802においてカーソルをユーザー制御部上に位置付けた例を示す。応答して、点802を中心としてユーザー制御部702の一部に楕円形804が着色される。この場合、楕円形804は、806において示すように、テキスト704の周囲では隠されて、テキストがユーザーに見えるままになるようにしている。
【0018】
[00022] 図9は、GUI904上に位置付けられたユーザー制御部902を伴う動的着色の他の実施態様を示す。この場合、ユーザー制御部はアイコン906を含む。ユーザー制御部902の一部908は、ユーザーがカーソルをユーザー制御部902上に位置付けることに応答して、動的に着色される。この例では、この一部は流星形となり、尾部910が、カーソルが来た方向を指し示し、頭部912が、カーソルの現在の位置を示す。
【0019】
[00023] この場合、ユーザー制御部のアイコン906は「青」色を有する。このユーザー制御部の残り部分914は透明である。偶然、ユーザーが同様の青色をGUI904の背景として選択したとする。ユーザー制御部の残り部分914は透明であるので、これは青に見える。この想定状況では、アイコンの優勢な青色を着色に選択する代わりに、着色部分908に選択される強調色は、優勢色の補色となる。この例では、補色は黄色となる。場合によっては、この場合のように、補色で着色すると、優勢色で着色する場合と比較して、強調したユーザー体験を提供することができる。
【0020】
[00024] 図10は、他のユーザー制御部着色の実施態様を示す。この場合、4つのユーザー制御部1002(1)、1002(2)、1002(3)、および1002(4)が示されており、各々はそれぞれのアイコン1004(1)、1004(2)、1004(3)、および1004(4)を有する。4つのユーザー制御部は、同じアプリケーションまたは機能に関係するグループと考えることができる。この場合、このグループはMicrosoft Corp(マイクロソフト社)からのPowerPointブランドのアプリケーションに関係がある。アイコンの優勢色が決定され、1006において示すように、4つのユーザー制御部1002(1)、1002(2)、1002(3)、および1002(4)の一部を着色して、ユーザーがこれら4つのユーザー制御部に関係のある特質を認識する際に、認識をし易くする。
動作環境例
[00025] 図11は、以上で説明し以下でも説明する動的着色ユーザー制御の概念を種々のコンピューティング・デバイスに実現することができる動作環境の一例1100を示す。端的に言うと、本実施態様は、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを表示し、ユーザーによる制御が可能なカーソルを採用するコンピューティング・デバイスであればいずれでも実現することができる。更に、本実施態様を単独構成および/またはサーバー/クライアント構成においても用いることができる。
【0021】
[00026] 図示の場合では、コンピューティング・デバイスはパーソナル・コンピューター(PC)1102、スマート・フォーン1104、およびサーバー・コンピューター1106として明示している。コンピューティング・デバイス1102〜1106は、インターネット1110を通じて、またはセルラー・マイクロ波手段のような他の通信手段を通じて違いに通信可能に結合することができる。
【0022】
[00027] 本論述では、PC1102は、とりわけ、Unix系コンピューター、またはAppleブランドのコンピューターというような、あらゆる種類のコンピューターを代表することができる。スマート・フォーン1104は、セルラー・サービス、インターネット・サービス、および/またはGUIと組み合わせて何らかの処理能力を提供することができる、あらゆる数の未だに発展しつつある部類のコンピューティング・デバイスを表すことができる。この部類におけるそのほかの現在の例には、とりわけ、パーソナル・ディジタル・アシスタントおよびセル・フォーンを含むことができる。
【0023】
[00028] 本概念は、種々の能力を有するコンピューティング・デバイスと共に用いることができる。たとえば、本概念は、アプリケーションをコンピューティング・デバイス上でローカルに実行して関連する機能を実行する、自立型コンピューティング・デバイス上で用いることができる。PC1102は、このような例を提供することができ、追跡モジュール1112(1)、カラー・モジュール1114(1)、および着色モジュール1116(1)がローカルに動作することができる。これらのコンポーネントの内1つ又は複数は、代わりにまたは加えて、1112(2)、1114(2)、および1116(2)で示すように、サーバー・コンピューター1106上で動作することもできる。簡潔性のために、スマート・フォーン1104のコンポーネントは具体的に示されていないが、同じ自立方および/またはサーバー・クライアント構成を、PCとしてのスマート・フォーン上に実現することができる。
【0024】
[00029] 追跡モジュール1112は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース上におけるカーソルの位置およびカーソルの移動方向を追跡することができる。この情報をカラー・モジュール1114に供給することができる。カラー・モジュールは、グラフィカル・ユーザー・インターフェース上におけるユーザー制御部に関する色情報を得ることができる。カラー・モジュールは、この色情報を用いて、色情報から、個々のユーザー制御部の優勢色のような、強調色を動的に決定することができる。カラー・モジュールによって実行することができるアルゴリズムの一例について、以下で図12に関して説明する。着色モジュール1116は、カラー・モジュールによって決定された強調色で、個々のユーザー制御部の一部を着色することができる。
方法例
[00030] 図12は、本開示の少なくとも一部の実施態様によるアルゴリズム即ち方法1200のフローチャートを示す。方法1200を説明する順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、いずれの数の説明するブロックでも、いずれの順序でも組み合わせて、本方法または代替方法を実現することができる。更に、本方法は、図11に関して先に説明したような、コンピューティング・デバイスが本方法を実現できるように、適したハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組み合わせであればいずれにおいても実現することができる。1つの事例では、本技法を1組の命令としてコンピューター読み取り可能記憶媒体上に格納し、コンピューティング・デバイスによる実行によって、このコンピューティング・デバイスに本技術を実行させるようにする。
【0025】
[00031] ブロック1202および1204では、ユーザー制御部を動的に着色する方法例を導入する。ブロック1206〜1212は、ブロック1202を遂行する一手法を示す。
【0026】
[00032] ブロック1202では、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)上においてカーソルの下にあるユーザー制御部の強調色を決定する。例えば、カーソルの位置およびカーソルの移動方向を追跡することができる。実施態様によっては、カーソルがユーザー制御部の上を通過する際に、個々のユーザー制御部についての情報を得ることができる場合もある。ユーザーの視点から、カーソルおよび着色が同時にユーザー制御部上に現れるように、数ミリ秒の内に本プロセスを完了しユーザー制御部を着色することができる。他の実施態様では、位置および移動方向に基づいて、どこでユーザーがカーソルを動かすか予測して、カーソルが実際に個々のユーザー制御部上を通過する前であっても、本方法を開始することができる。更に別の実施態様では、GUI上にある全てのユーザー制御部から色データを得て、ユーザー制御部毎に強調色を動的に決定することができる。次いで、この強調色データには、カーソルの動きに基づいて、必要に応じてアクセスすることができる。
【0027】
[00033] ブロック1206では、ユーザー制御部のアイコンを特定する。この特定の実施態様では、更に、以下で説明するように、アイコンを処理する。しかしながら、同様の手法を、アイコンを含まないユーザー制御部にも適用することができる。例えば、ユーザー制御部は、同様に処理することができるテキストを内包することができる。
【0028】
[00034] ブロック1208では、アイコンの画素を得る。ブロック1210では、画素を色にしたがって整列する。このプロセスは、アイコンの色毎のバケットに名称を付け、個々の画素を対応するバケットに入れることに類比することができる。
【0029】
[00035] ブロック1212では、最も多い画素の色を強調色として選択する。この場合も、強調色は優勢色である。バケットの類比では、最も多い画素を有するバケットが優勢色として選択される。実施態様によっては、優勢色を選択するときに、黒、白、および灰色というような、一部の色を考慮しない場合もある。場合によっては、優勢色に対する補色を特定し、着色において用いることもある。
【0030】
[00036] ブロック1212の後、本方法はブロック1204に戻り、ユーザー制御部の少なくとも一部を強調色で着色する。ブロック1206〜1212の方法では、強調色は優勢色である。この着色の種々の例が、図1図10において既に示されている。
【0031】
[00037] 図13は、本概念の少なくとも一部の実施態様によるアルゴリズム即ち方法1300の他のフローチャートを示す。方法1300を説明する順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、いずれの数の説明するブロックでも、いずれの順序で組み合わせても、本方法または代替方法を実現することができる。更に、本方法は、コンピューティング・デバイスが本方法を実現できるように、 適したハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組み合わせであればいずれにおいても実現することができる。1つの事例では、本技法を1組の命令としてコンピューター読み取り可能記憶媒体上に格納し、コンピューティング・デバイスによる実行によって、このコンピューティング・デバイスに本技術を実行させるようにする。
【0032】
[00038] ブロック1302は、GUI上において関係のあるユーザー制御部のグループを特定する。個々のユーザー制御部は、アイコンを含むことができる。例えば、ユーザー制御部のグループは、電子メール・アプリケーションに関係することもできる。この例では、GUIは、電子メール・アプリケーションのための第1ユーザー制御部、開いた受信電子メールに関する第2ユーザー制御部、およびユーザーが草稿している電子メールに関係することができる第3ユーザー制御部を含むことができる。論述の目的上、前述した3つのユーザー制御部の各々はアイコンを内包すると仮定する。この例では、本方法はアイコンの1つ又は複数からの色情報を分析することができる。このような分析の一例については、図12のブロック1206〜1212に関して先に説明した。
【0033】
[00039] ブロック1304では、グループにおけるユーザー制御部の少なくとも一部を、アイコン(1つまたは複数)に関する情報から動的に選択された色(即ち、強調色)で着色する。先に説明した電子メールの例を続けると、本方法は、 強調色がユーザーにとってユーザー制御部を分類する役割を果たすように、3つのユーザー制御部の各々を、アイコンから動的に選択した色で着色することができる。この着色は、分類されたユーザー制御部の各々が、本機能(即ち、電子メール機能)と関連のある機能に関することを認識するのを助けることができる。
【0034】
[00040] 要約すると、以上の技法は、ユーザー体験を向上させるために、ユーザー制御部に関する視覚的手がかりを動的に発生することができる。
結論
[00041] 動的なユーザー制御部の着色に関する技法、方法、デバイス、システム等について、構造的特徴および/または方法論的行為に特定的な文言で説明したが、添付する特許請求の範囲において定義されている主題は、これら説明した具体的な特徴や行為には必ずしも限定されないことは言うまでもない。むしろ、具体的な特徴や行為は、特許請求する方法、デバイス、システムなどを実現する形態例として開示したに過ぎない。
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