特許第5705198号(P5705198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705198
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】山形圧延
(51)【国際特許分類】
   B21B 13/12 20060101AFI20150402BHJP
   B21B 1/08 20060101ALI20150402BHJP
   B21B 27/02 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   B21B13/12 B
   B21B1/08 S
   B21B27/02 D
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-275043(P2012-275043)
(22)【出願日】2012年12月17日
(65)【公開番号】特開2013-126690(P2013-126690A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2012年12月17日
(31)【優先権主張番号】10 2011 121 512.7
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502056226
【氏名又は名称】エスエムエス メーア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SMS Meer GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トーマス コーザク
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ミネロープ
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン レトガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ネアツァク
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−114130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 13/12
B21B 1/08
B21B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延物(6)の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール(2)及び水平に配置された下側のカリバロール(3)と、
前記圧延物(6)を側方からすえ込みし、前記圧延物(6)の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロール(4,5)と、
1つの共通のスタンド内に備え、少なくとも一対のカリバロール(2,3)により規定される圧延平面と、一対のすえ込みロール(4,5)により規定される圧延平面とが一致せず、前記一対のすえ込みロール(4,5)により規定される圧延平面は、前記圧延物(6)の搬送方向で前記カリバロール(2,3)の圧延平面の前及び後の少なくとも一方に配置されており、前記一対のすえ込みロール(4,5)の相互の間隔は、前記カリバロール(2,3)のバレル幅より小さな間隔に調節可能であることを特徴とする、圧延物(6)から山形異形材を圧延するロールアッセンブリ。
【請求項2】
連続式かつ/又は可逆式の圧延に使用可能である、請求項1記載のロールアッセンブリ。
【請求項3】
前記山形異形材は等辺の断面を有する、請求項1又は2記載のロールアッセンブリ。
【請求項4】
前記山形異形材は不等辺の断面を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリ。
【請求項5】
前記すえ込みロール(4,5)は、少なくとも部分長さにわたって、好ましくはペア状に同様に形成されているカリバ輪郭を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリ。
【請求項6】
前記山形異形材は、自然縁又は丸み付け縁として形成された辺先端部半径(11)を有する、請求項からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリ。
【請求項7】
前記すえ込みロール(4,5)は、それぞれ、好ましくは互いに無関係に、長手方向軸線が前記カリバロール(2,3)のそれぞれの長手方向軸線に対して90°までの角度ずれをなして、前記圧延物(6)に対して位置調節可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリ。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか1項記載の少なくとも1つのロールアッセンブリを備えるコンパクトグループ又はタンデムグループ。
【請求項9】
少なくとも1つの前スタンドと、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリを有するスタンドと、一対の水平すえ込みロール(エッジャ)とを備える、好ましくは少なくとも1つの前スタンドと、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリを有するスタンドと、エッジャとからなる、請求項記載のコンパクトグループ又はタンデムグループ。
【請求項10】
少なくとも1つの前スタンドと、請求項1からまでのいずれか1項記載のロールアッセンブリを備えるスタンドと、仕上げスタンドとを備える、請求項記載のコンパクトグループ又はタンデムグループ。
【請求項11】
山形異形材を製造する方法であって、
圧延物(6)の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール(2)及び水平に配置された下側のカリバロール(3)と、
前記圧延物(6)を側方からすえ込みし、前記圧延物(6)の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロール(4,5)と、
1つの共通のスタンド内に備え、少なくとも一対のカリバロール(2,3)により規定される圧延平面と、一対のすえ込みロール(4,5)により規定される圧延平面とが一致せず、前記一対のすえ込みロール(4,5)により規定される圧延平面は、前記圧延物(6)の搬送方向で前記カリバロール(2,3)の圧延平面の前及び後の少なくとも一方に配置されており、前記一対のすえ込みロール(4,5)の相互の間隔は、前記カリバロール(2,3)のバレル幅より小さな間隔に調節可能であるロールアッセンブリを使用し、
前記圧延物(6)を、前記水平に配置されたカリバロール(2,3)を通る圧延パスの前及び/又は後で、前記水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロール(4,5)により変形加工することを特徴とする、山形異形材を製造する方法。
【請求項12】
好ましくは、輪郭付けされたすえ込みロール(4,5)の使用時、前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた前記圧延物(6)のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロール(4,5)によって、かつ一対の水平すえ込みロール(エッジャ)を用いて実施する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた前記圧延物(6)のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロール(4,5)によって、かつ仕上げスタンドを用いて実施する、請求項11記載の方法。
【請求項14】
請求項から10までのいずれか1項記載のコンパクトグループ又はタンデムグループを用いて山形異形材を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式のカリバ(Kaliber)を有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロール(Stauchwalze)と、を備える、圧延物から山形異形材(Winkelprofil)を圧延するロールアッセンブリ(Walzen‐Anordnung)に関する。この種の山形異形材は、例えば等辺又は不等辺の辺を有するアングル等である。
【0002】
また本発明は、少なくとも1つのロールアッセンブリを備えるコンパクトグループ又はタンデムグループ(Kompakt‐oder Tandemgruppe)に関する。
【0003】
また本発明は、ロールアッセンブリを用いて山形異形材を製造する方法に関する。
【0004】
さらに本発明は、コンパクトグループ又はタンデムグループを用いて山形異形材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
この種の異形材の山形圧延は、実際の使用において古くから既に公知である。その際、山形圧延は、一般に閉式のカリバにおいてデュオ圧延法(DUO‐Walzverfahren)で実施される。
【0006】
さらに、例えばドイツ連邦共和国特許第3627729号明細書からは、(ユニバーサル)圧延スタンドを場合によっては可逆圧延運転で所望の異形材断面の形成のために使用する形鋼圧延機構が看取可能である。
【0007】
ダブルT字形の支持異形材を製造するための多重に相前後して配置されるユニバーサル圧延スタンドの使用は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第1427875号明細書に開示されている。
【0008】
デュオ圧延スタンド又はユニバーサル圧延スタンドの使用が、通常正方形又は長方形の断面を有する前異形材を圧延して山形異形材を形成する際に、形成される山形異形材の形状精度及び寸法精度に関して有利であると見なされるにもかかわらず、略水平に配置される作業ロールを備えるこれらのスタンドは、種々異なる異形材の製造のフレキシビリティに関して、かつ変形加工プロセスのために必要な造型カリバ(Formkaliber)の個数に関して、種々異なる山形異形材を製造するコストを高めるという欠点をもたらす。すなわち、閉式のパスデザイン(Kalibrierung)を用いたすべての方法にとって、長方形断面から山形異形材を形成するために、山形異形材における角度の大きさに応じて、5〜9の造型カリバが必要とされることが典型的である。
【0009】
その際、必要なカリバは、大きな圧延バレル長を必要とし、限られた範囲の辺厚さにおいてのみ使用可能である。しかし、多くの山形異形材は、種々異なる辺厚さで製造される。このことは、必要なカリバ数、ひいては圧延コストをさらに増大させる。それゆえ、既に実際の使用では、デュオ‐前スタンドにおいて、小さな角度を有する長方形のイニシャルパス横断面(Anstichquerschnitt)か、又は比較的大きな角度を有する予め異形成形されたイニシャルパス横断面が形成され、その後、一般にデュオ−ユニ−デュオ‐グループ(Duo‐Uni‐Duo‐Gruppe)の同じカリバ内を3度通走することにより、ほぼ山形材完成品の辺厚さまで変形させ、最終的に、別個のデュオ仕上げカリバ(Duo‐Fertig‐Kaliber)において山形材完成品寸法に変形させることによって、圧延機構内で山形圧延のプロセスを改善する試みがなされている。
【0010】
しかし、この態様の欠点は、この種の圧延態様において、一般に簡単なデュオスタンドとして設計されるすえ込みスタンド(Stauchgeruest)が、比較的コストのかかるユニバーサルスタンドとして設計されなければならない点にある。このユニバーサル圧延法の別の大きな欠点は、駆動されない大きな鉛直ロール(Vertikalwalze)が、すえ込みスタンドの水平ロール(Horizontalwalze)によって被動されなければならない点にある。この理由から、すえ込みスタンドにおいても、ウェブ、つまり山形材の辺厚さは、圧延されて減少されねばならない。このことは、鉛直圧延間隙内で、形成される異形材の端部が肉厚化されることにつながる。他方、この肉厚化は、付加的に、辺厚さが小さいときの必要な圧縮、及びこれに由来する圧延物の幅広がり(Breitung)により強められる。最終的に、ユニバーサル圧延法のこの種の形態によっては、予め決められた半径を山形辺の辺先端部に規定され管理された形で設けることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第3627729号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第1427875号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それゆえ本発明の課題は、山形圧延法を装置及び方法に関して、両辺が場合によっては互いに異なる厚さを有する等辺かつ不等辺の山形異形材の、簡単化され改善された形成が、可逆式又は連続式に配置された圧延機列(Walzstrasse)において、公差を維持しつつ広い寸法範囲で実施可能であるように変更することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明に係る、圧延物から山形異形材を圧延するロールアッセンブリでは、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致(deckungsgleich)しないようにした。
【0014】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0015】
好ましい態様において、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の後に配置されている。
【0016】
好ましい態様において、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の前に配置されている。
【0017】
好ましい態様において、ロールアッセンブリは、連続式かつ/又は可逆式の圧延に使用可能である。
【0018】
好ましい態様において、ロールアッセンブリは、1つの共通のスタンド基礎に配置されている。
【0019】
好ましい態様において、山形異形材は等辺の断面を有する。
【0020】
好ましい態様において、山形異形材は不等辺の断面を有する。
【0021】
好ましい態様において、少なくとも一対のすえ込みロールの相互の間隔は、カリバロールのバレル幅(Ballenbreite)より小さな間隔に互いに調節可能である。
【0022】
好ましい態様において、すえ込みロールは、少なくとも部分長さにわたって、好ましくはペア状に同様に形成されているカリバ輪郭を有する。
【0023】
好ましい態様において、山形異形材は、自然縁(naturkantig)又は丸み付け縁(rundkantig)として形成された辺先端部半径を有する。
【0024】
好ましい態様において、すえ込みロールは、それぞれ、好ましくは互いに無関係に、長手方向軸線がカリバロールのそれぞれの長手方向軸線に対して90°までの角度ずれをなして、圧延物に対して位置調節可能である。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るコンパクトグループ又はタンデムグループでは、少なくとも1つの上述のロールアッセンブリを備えるようにした。
【0026】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0027】
好ましい態様において、コンパクトグループ又はタンデムグループは、少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを有するスタンドと、一対の水平すえ込みロール(エッジャ)とを備える、好ましくは少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを有するスタンドと、エッジャとからなる。
【0028】
好ましい態様において、コンパクトグループ又はタンデムグループは、少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを備えるスタンドと、仕上げスタンドとを備える。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る山形異形材を製造する方法では、ロールアッセンブリであって、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致しないロールアッセンブリを使用し、圧延物を、水平に配置されたカリバロールを通る圧延パス(Walzstich)の前及び/又は後で、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールにより変形加工するようにした。
【0030】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0031】
好ましい態様において、好ましくは、輪郭付けされたすえ込みロール(profilierte Stauchrolle)の使用時、前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた圧延物のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロールによって、かつ一対の水平すえ込みロール(エッジャ)を用いて実施する。
【0032】
好ましい態様において、前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた圧延物のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロールによって、かつ1つの仕上げスタンドを用いて実施する。
【0033】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る山形異形材を製造する方法では、上述のコンパクトグループ又はタンデムグループを用いて山形異形材を製造するようにした。
【0034】
本発明は、装置に関して、開式又は閉式のカリバを有する少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面が、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面と一致しない、圧延物、特に鋼から山形異形材を圧延する改変されたロールアッセンブリを提供する。すえ込みロールはむしろ、ペア状に、圧延方向で見て、カリバロールにより規定される圧延間隙の前及び/又は後に配置されている。本発明における圧延スタンドは、可逆的な運転形式でも、連続的な運転形式でも、山形圧延を実施可能である。
【0035】
好ましくは、本発明は、本発明により改変されたロールアッセンブリによる、自然縁として形成される辺先端部半径の圧延も、丸み付け縁として形成される辺先端部半径の圧延も可能にする。等厚か、又は不等厚の辺厚さを有し、かつ自然縁か、又は所定の丸み付け縁が形成された辺先端を有する等辺又は不等辺の山形は、ロールアッセンブリの本発明による改変によって、開式又は閉式のパスデザインで、ただし可逆式、半連続式又は全連続式の圧延設備の主要な標準スタンド配置により圧延可能である。なお、自然縁とは、輪郭幾何学形状を意図的に制御することなく変形加工したときの自由な幅広がりの結果としての輪郭と解される。
【0036】
好ましくは、幾何学的に十分な大きさに寸法設定されたイニシャルパス断面から、粗圧延パス(Vorstich)内で、その都度製造したい山形材の大きさのために必要なイニシャルパスが、山形のパスデザインのために、開式又は閉式のカリバにより一般に公知の形式で圧延される。リーディングパス(Leitstich)と称呼されるこれらの断面形状は、その形状に関して後続のカリバに好ましくは幾何学的に調和されている。しかし、カリバがリーディングパスによって予め決められた断面形状に幾何学的に調和されている方法も、有利である。このことは、最終的に、本発明における開式又は閉式のパスデザインも、既に、存在するリーディングパス幾何学形状に適合されるか、又は場合によってはさらなる改変なしに使用されることを意味している。
【0037】
ユニバーサル圧延スタンドにおいて従来技術から一般的な、水平ロールの中心軸線にペア状に対向配置され、これにより作業ロールにより規定される圧延平面がすえ込みロールにより規定される圧延平面と一致する鉛直ロールは、本発明により、いわゆるHロール(H‐Walzen)の前及び/又は後に配置され、好ましくはカリバロール又はHロールのバレル領域内まで進入可能な、好ましくは鉛直に配置されるすえ込みロールにより置換される。
【0038】
本発明の好ましい態様では、すえ込みロールがペア状にカリバロールの後に配置されているので、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の後に位置している。本発明の別のやはり好ましい態様では、すえ込みロールがペア状にカリバロールの前に配置されているので、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の前に位置している。しかし、特に好ましい態様では、少なくとも一対のすえ込みロールが、カリバロールの前に配置されるとともに、少なくとも1つのすえ込みロールが、カリバロールの後に配置されている。これにより、特に本発明に係るロールアッセンブリの可逆運転が好ましくは助成される。
【0039】
しかし、本発明に係るロールアッセンブリは、連続式の圧延運転でも使用可能である。設備技術に関する制限は存在しない。例えば、カリバロールの前後に配置されるすえ込みロールを備えるロールアッセンブリが連続運転で使用されるべきとき、場合によっては持続的に、必要なときに、カリバロールの前に配置されたすえ込みロール対を、個別的に山形材のエッジ領域外に移動させ、これにより圧延結果に影響を及ぼさないようにすることができる。同じことは、もちろん、圧延方向でカリバロールの後に配置されたすえ込みロール対についても言える。
【0040】
本発明に係るロールアッセンブリが、1つの共通のスタンド基礎に配置されており、それゆえ、いわば改変されたユニバーサル圧延スタンドとしても圧延機列内で使用されると、有利である。この好ましい態様により、スタンドを含む改造若しくは交換又はロールセット全体の交換も助成可能である。
【0041】
カリバロールの圧延平面の前及び/又は後におけるすえ込みロール対の配置は、すえ込みロールの相互の間隔が、必要なときに、カリバロールのバレル幅より小さな間隔に調節可能であるので、特に有利である。従来慣用のユニバーサル圧延スタンドの場合、すえ込みロール相互の位置調節は、通常、作業ロールの寸法設定により制限されていて、特に、異形材幅が作業ロールのバレル幅より狭いときにすえ込みロールを使用する可能性は存在しなかった。この問題は、本発明により特に簡単な手段により解決され、本発明に係るロールアッセンブリの使用可能性は、より狭い異形材のためにより狭いバレル幅を有するカリバロールを組み付ける必要なしに向上する。これにより、圧延される幅を水平バレル幅より小さくすることもできる。これにより、一般的なHロールアッセンブリ及びVロールアッセンブリを用いた、VロールとHロールの端面との間の圧延間隙内での従来技術から公知のユニバーサルカリバ圧延の主要な欠点は回避される。
【0042】
これにより、同時に、種々異なる長さの辺を有する山形材も、同じロールセットにより圧延可能である。このことは、特に、すえ込みロールが個別的に、かつすえ込みロールのそれぞれのペア内でも圧延物に対して位置調節可能であると、好ましくは助成される。
【0043】
複数のスタンドのHロールは、所望の山形材完成品厚さまで厚さを減じるために、同様に形成された開式の延伸カリバ(Streckkaliber)を有している。この場合、典型的には、すべてのスタンドにおいて、設計固有に寸法群に割り当てられた最も長い辺長さもHロールのバレル領域内で変形加工されるような大きさにバレル幅が選択される。
【0044】
本発明の意味で、すえ込みロールは鉛直かつカリバロールに対して垂直に配置されている必要はない。むしろ、すえ込みロールの長手方向軸線が上側又は下側のカリバロールの長手方向軸線に対して傾斜位置のみを有し、これにより原理的にすえ込みロール相互の単数又は複数のペアの位置にV字形が形成される態様も、本発明の思想に包含される。すえ込みロールの長手方向軸線の傾斜位置の利点は、フィニッシングパス(Fertigstich)における辺の比較的小さなはね返りにある。このことは特に、大きな辺長さを有する山形材において有利である。
【0045】
原理的には、圧延物に関してすえ込みロールを傾斜させる本発明に係るロールアッセンブリの可能性により、大きな多様性を有する異形材の製造の可能性が、すべての設備部分の交換の必要性なしに助成される。その際、好ましくは、延伸される平均異形材幅、ひいては辺長さに対する影響は、鉛直の、しかし少なくとも傾いて配置されたすえ込みロールを介して及ぼされる。幅に依存した寸法群は、主として、ロールアッセンブリの可能な鉛直の位置調節範囲により、好ましくは改変されたユニバーサル圧延スタンドにおいて規定される。これは、すえ込みロールがHバレル幅により妨害されないからである。
【0046】
本発明に係るロールアッセンブリのすえ込みロールの形状は、必ずしも、厳密に円形断面を有する円柱形状でなく、少なくともすえ込みロールの部分長さにわたってこの円柱形状から逸脱していてもよい。本発明の意味では、鉛直すえ込みロールは、生産したい山形異形材の辺端部に上述の自然縁又は特に規定されないエッジ半径が所望されるとき、カリバロールの、使用される水平カリバ形状に応じて、円柱状又は円錘状に平滑に形成される。しかし、所定の末端半径(Auslaufradius)を有する規定された辺端部を実現するためには、鉛直に配置されたすえ込みロールが、段付けされ、段付けコーナ部に所定の移行半径を有して形成されてもよい。しかし、移行半径を有する段付けされたすえ込みロールは、好ましくは、やはり、山形異形材の辺がそれぞれのカリバロールの長手方向軸線に対して水平かつ平行の位置にあるカリバロールの水平カリバ形状のために使用可能である。
【0047】
山形異形材の辺間に所定の移行半径を有する、段付けされ鉛直に配置されたすえ込みロールの使用は、必要なときに、カリバロール及びすえ込みロールの、これまで一般的でない新しい運転形式を実現することができる。
【0048】
その際、カリバロール及びすえ込みロールの、選択されたパスデザインあるいは輪郭に基づいて、好ましくは、種々異なる方法及び位置調節形式が選択可能である。
【0049】
a)円柱状の構成を有する平滑なすえ込みロールと、山形異形材の辺がカリバロールの軸線に対して水平かつ平行な位置にある作業ロールカリバとの使用:
水平及び鉛直の位置調節は、通常のユニバーサル圧延と同様に使用される。水平及び鉛直の位置調節の作用方向は、形成したい山形異形材の辺厚さと、その延伸される材料幅とに対して垂直であるので、直接かつ位置調節行程の変化に応じて1:1の比で働く。その際、圧延線(Walzlinie)は、当初の配向に応じて中央にとどまり、場合によって行われる位置調節の変化によっては変化しない。
【0050】
b)円錐状の構成を有する平滑なすえ込みロールと、辺がHロールの軸線に対して水平に傾いた位置にある作業ロールカリバとの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節は、所定の因子を介在して、形成したい山形異形材の辺厚さと延伸される材料幅とに作用する。その際、位置調節行程の作用方向は、影響を及ぼしたい輪郭値、すなわち辺厚さ及び延伸される材料幅に対して垂直でない。好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、好ましくはこの影響を考慮し、すべての制御システムの取り扱いを簡単にする。本態様においても、圧延線は、当初の配向に応じて中央にとどまり、場合によって行われる位置調節の変化によっては変化しない。
【0051】
c)円柱状の構成を有する段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールと、辺がHロールの軸線に対して水平かつ平行の位置にある水平作業ロールカリバとの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節の変更は、直接1:1の比で辺厚さと延伸される材料幅とに作用する。これは、位置調節の作用方向が、山形異形材の辺厚さに対して垂直に、この延伸される材料幅から位置しているからである。段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールによって、本態様では、下側の作業ロールの下側の異形材輪郭の位置が確定される。このことは、場合によっては、上側の水平ロールだけが辺厚さ減少のために位置調節される可能性を生む。好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、このことを場合によっては考慮し、このような場合、作業ロールの下側の水平の位置調節をロックする。圧延線中心は、上側の水平ロールの位置調節の変更に応じてシステマチックに水平の下側のカリバロールに向かってシフトする。
【0052】
d)円錐状の構成を有する段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールと、圧延したい異形材輪郭の辺がHロールの軸線に対して水平に傾いた位置にある水平作業ロールカリバの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節は、所定の因子を介在して、圧延したい異形材輪郭の辺厚さと延伸される材料幅とに対して作用する。その際、位置調節行程の作用方向は、山形異形材の、影響を及ぼしたい輪郭値、すなわち辺厚さ及び延伸される材料幅に対して垂直でない。段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールにより、下側の水平カリバロールの下側の異形材輪郭の位置は、この鉛直すえ込みロールに固定に対応付けられている。すえ込みロールの鉛直の位置調節の変更は、この対応関係に影響を及ぼし、好ましくは下側の水平カリバロールの位置修正により補償される。山形異形材の辺厚さ減少は、好ましくは専ら上側の水平カリバロールの位置調節によって実現可能である。その際、好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、これらすべての影響を考慮し、方法の特に簡単な取り扱いを生じる。この場合、圧延線中心は、上側の水平カリバロールの位置調節の変更に応じてシステマチックに下側の水平作業ロールに向かってシフトする。下側の作業ロールの位置修正は、鉛直の寸法変化に起因して、場合によっては逆向きの影響又は強まる影響を有する場合がある。
【0053】
全般的に付言しておくべきことは、ユニバーサルスタンドを有する既存の圧延機列がその構造に関してユニバーサルスタンド及びすえ込みスタンドの交換により特徴付けられていることである。その最大の圧延力及びその最大の圧延モーメントに関するすえ込みスタンドの十分な寸法設定時、すえ込みスタンドは、山形異形材の辺厚さ減少のための圧延プロセスに包括され得る。その際、ユニバーサルスタンドは、最大の圧延力及び最大の圧延モーメントに関する機械技術的な設計に基づいて、前異形材から山形異形材を製造する際のメインの変形加工作業を実現する。この場合、ユニバーサルスタンドにおいては、辺厚さ減少の他、延伸される平均異形材幅も、合目的に種々異なる山形材寸法に適合される。
【0054】
本発明に係る各ロールアッセンブリが、ペア状に配置されるすえ込みロールを、水平に配置されたカリバロールの前及び/又は後に有しているので、本発明に係るロールアッセンブリの使用は、すえ込みロールが小さいとき、大きなロール直径及び大きなバレル幅を有する一般的な鉛直ロールに対する最大の鉛直圧延力をかなり下回る場合があるにもかかわらず、山形異形材の延伸される異形材幅の極めて効果的な制御を生じる。
【0055】
従来技術におけるユニバーサル配列が一般にすえ込みスタンドと比較して2倍の数のユニバーサルスタンドを有するので、本発明により好ましくは、必要な幅減少が、一般に公知のユニバーサル山形圧延法と比較して2倍のパス数に分散される。さらに、水平のカリバロールの前及び/又は後にすえ込みロールを配置することにより、パス内で辺厚さ減少により惹起される幅広がりを即座に再び無効化する可能性が生じる。これにより、可能な鉛直のパス数は、本発明に係るロールアッセンブリの使用時さらに倍増する。このことは、特に、幅減少が合目的に低く維持され得る薄い辺厚さの製造時に、変形加工技術的な利点を有する。
【0056】
例えば異なる直径を有した連続的な配置又は水平のカリバロールを支持するスタンドの前及び/又は後のずらされた配置に関するすえ込みロールの構成の付加的な可能性は、種々異なる山形異形材の製造時のフレキシビリティを拡張する。
【0057】
本発明の特に好ましい態様において、本発明に係るロールアッセンブリは、本発明に係るロールアッセンブリを備える少なくとも1つの圧延スタンドと少なくとも1つの仕上げカリバとを有する圧延機列の部分である。択一的には、本発明に係るロールアッセンブリは、少なくとも1つの本発明に係るロールアッセンブリ及び仕上げカリバ並びにロールアッセンブリと仕上げカリバとの間に配置されるすえ込みロール対を有するコンパクトグループ又はタンデムグループの部分であってもよい。第2の態様において、コンパクト仕上げグループが、2つの本発明に係るロールアッセンブリと、これらの両ロールアッセンブリ間に配置される1つのすえ込みロール対とを有していると、特に有利である。これにより、冒頭で述べた課題を完全に達成しつつ、既存の設備コンセプトへの本発明に係るロールアッセンブリの適用可能性が、特に好ましく助成される。
【0058】
2つのユニバーサルスタンドと1つのすえ込みスタンドとを備える一般に3スタンド型のコンパクトグループを有する可逆配列において、ユニバーサルスタンド及びすえ込みスタンドにおける水平の作業ロールカリバは、一般に同じに形成される。このような場合、第2のユニバーサルスタンドは、仕上げカリバを収容するために、デュオスタンドとして使用されなければならない。しかし、このことは、本発明の意味で、すえ込みスタンド(水平に配置されたすえ込みロールを有する。いわゆる「エッジャ」)が移動可能であり、十分なバレル長があり、かつすえ込みスタンドが機械技術的に十分に強く寸法設定されていれば、回避可能である。この場合、仕上げカリバは、すえ込みスタンド(エッジャ)に配置可能であり、本発明に係るロールアッセンブリを備える第2の圧延スタンドは、効果的な前圧延のために共に使用可能である。さらに、すえ込みスタンドのバレル上への仕上げカリバの付加的な配置は、本発明に係るロールアッセンブリ及びすえ込みスタンド(エッジャ)を備える2スタンド型の圧延スタンドグループもこの種の山形圧延のために使用可能とすることができる。
【0059】
これは、コンパクトグループに対して付加的に別体の仕上げスタンドが存在している場合にも該当する。角度付けプロセス(Klappprozess)の角度が大きいとき、山形異形材の辺が90°の位置に仕上げスタンド内で著しく困難に調整されなければならないので、コンパクトグループの第1及び第2の圧延スタンド内の延伸カリバは、それぞれ異なって鋭角の角度幾何学形状に選択可能である。この場合、絶え間ない角度付けプロセスが、好ましくは完全に又は部分的にすえ込みスタンド内で実施可能である。この場合、90°位置への準備角度付けは、好ましくは十分なバレル長を有する水平に配置されたすえ込みロールを備える可動のすえ込み機(エッジャ)の使用時に、すえ込みスタンド自体の第2のカリバ内でも準備可能である。この場合、最後の通走中、好ましくは、本発明に係るロールアッセンブリを備える第2の圧延スタンドは、圧延異形材を通過させ、角度付けプロセスは、すえ込み機における前カリバ内で準備され、別体の仕上げスタンドにおいて完了する。この特別な解決手段の利点は、特に仕上げカリバにおける僅かなカリバ摩耗と、開式又は閉式のカリバを有する本発明により改変された圧延スタンドのよりフラットな形態である。このことは、全体としてより良好なロール利用を可能にする。
【0060】
方法の発明に関して、本発明は、山形異形材を製造するために、ロールアッセンブリであって、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致しない、ロールアッセンブリを用いることにより実現される。本発明では、圧延物を、水平に配置されたカリバロールを通る圧延パスの前及び/又は後で、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールにより変形加工する。
【0061】
これにより生じる利点は、既に本発明に係る装置に関して説明した利点と同じである。
【発明の効果】
【0062】
このように構成したことにより、両辺の場合によっては異なる厚さを有する等辺かつ不等辺の山形を有する異形材の、簡単化され改善された形成が、可逆式又は連続式に配置された圧延機列において、公差を維持しつつ広い寸法範囲で実施可能である。
【0063】
以下に、本発明について、本発明の有利な実施の形態を概略的に示す2つの図を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明に係るユニバーサル圧延スタンドの側面図である。
図2】本発明に係るユニバーサル圧延スタンド内のすえ込みロール前のそれぞれ異なるカリバ幾何学形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、水平に配置された上側のカリバロール2と水平に配置された下側のカリバロール3とが圧延間隙及び圧延平面を規定している本発明に係るロールアッセンブリ1を示している。この圧延平面は、圧延物6の進行方向(矢印>トラベル<により概略的に図示)に対して垂直に位置している。1つの共通のスタンド内に配置された図1に示したロールアッセンブリ1は、可逆圧延スタンドとして使用される。可逆圧延スタンドを通して、圧延物6は、図中左から右にも、右から左にも、上側のカリバロール2と下側のカリバロール3とにより規定される圧延平面を通過する。カリバロール2,3により規定される圧延平面に対して図中左側にずらされて、一対の左側のすえ込みロール4が配置されており、一対の左側のすえ込みロール4のうち、図には、手前のすえ込みロールのみが示されている。同様に、上側のカリバロール2及び下側のカリバロール3の圧延平面に対して等間隔を置いて、右側のすえ込みロール対5が配置されている。右側のすえ込みロール対5の圧延平面も、圧延物6の搬送方向に対して垂直に位置し、かつ上下のカリバロール2,3により規定される圧延平面と一致しない。それぞれのすえ込みロール4,5の小さな長手方向寸法と、上下のカリバロール2,3により規定される圧延平面に対するすえ込みロール対4,5のそれぞれの圧延平面のずれの寸法とに基づいて、それぞれのすえ込みロール対4,5の互いに接近する方向での調節は、上下のカリバロール2,3の圧延バレル幅よりも近くにも実施可能である。これにより、開式のカリバを備える本発明に係るロールアッセンブリ1が提供される。
【0066】
図2は、それぞれ、すえ込みロール対4a,4b及び5a,5bを示している。すえ込みロール対4a,4bは、山形異形材6に対してその長手方向軸線が鉛直に配置されている平滑な円柱状のパスデザインあるいは輪郭を有する。すえ込みロール4a,4bのパスデザインあるいは輪郭により、山形辺9,10が形成される。山形辺9,10は、互いに平行かつ一直線上に位置し、山形異形材6の上面に設けられた山形頂点8と、山形異形材6の下面に設けられた山形半径11とを介して互いに結合されている。図2の右図では、パスデザインされたあるいは溝付け又は輪郭付けされたすえ込みロール5a,5bが使用される。すえ込みロール5a,5bの長手方向軸線は、左図に示したすえ込みロール4a,4bの長手方向軸線と同様に鉛直に配置されている。しかし、すえ込みロール5a,5bのパスデザインあるいは輪郭に基づいて、山形異形材6の、互いに平行でなく互いに一直線上に配置されていない辺9,10が形成される。しかし、辺9,10は、図2の左図に示した実施の形態と同様に、やはり山形異形材6の上面に設けられた尖った山形頂点8と、山形異形材6の下面に設けられた山形半径11とを介して互いに結合されている。加えて、すえ込みロール5a,5bのパスデザインあるいは輪郭は、山形異形材6のそれぞれの辺9,10の下面に辺先端部半径7を形成する。
【符号の説明】
【0067】
1 ロールアッセンブリ、 2,3 カリバロール、 4,4a,4b;5,5a,5b すえ込みロール、 6 山形異形材、 7 辺先端部半径、 8 山形頂点、 9,10 山形辺、11 山形半径
図1
図2