【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明に係る、圧延物から山形異形材を圧延するロールアッセンブリでは、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致(deckungsgleich)しないようにした。
【0014】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0015】
好ましい態様において、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の後に配置されている。
【0016】
好ましい態様において、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の前に配置されている。
【0017】
好ましい態様において、ロールアッセンブリは、連続式かつ/又は可逆式の圧延に使用可能である。
【0018】
好ましい態様において、ロールアッセンブリは、1つの共通のスタンド基礎に配置されている。
【0019】
好ましい態様において、山形異形材は等辺の断面を有する。
【0020】
好ましい態様において、山形異形材は不等辺の断面を有する。
【0021】
好ましい態様において、少なくとも一対のすえ込みロールの相互の間隔は、カリバロールのバレル幅(Ballenbreite)より小さな間隔に互いに調節可能である。
【0022】
好ましい態様において、すえ込みロールは、少なくとも部分長さにわたって、好ましくはペア状に同様に形成されているカリバ輪郭を有する。
【0023】
好ましい態様において、山形異形材は、自然縁(naturkantig)又は丸み付け縁(rundkantig)として形成された辺先端部半径を有する。
【0024】
好ましい態様において、すえ込みロールは、それぞれ、好ましくは互いに無関係に、長手方向軸線がカリバロールのそれぞれの長手方向軸線に対して90°までの角度ずれをなして、圧延物に対して位置調節可能である。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るコンパクトグループ又はタンデムグループでは、少なくとも1つの上述のロールアッセンブリを備えるようにした。
【0026】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0027】
好ましい態様において、コンパクトグループ又はタンデムグループは、少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを有するスタンドと、一対の水平すえ込みロール(エッジャ)とを備える、好ましくは少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを有するスタンドと、エッジャとからなる。
【0028】
好ましい態様において、コンパクトグループ又はタンデムグループは、少なくとも1つの前スタンドと、上述のロールアッセンブリを備えるスタンドと、仕上げスタンドとを備える。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る山形異形材を製造する方法では、ロールアッセンブリであって、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致しないロールアッセンブリを使用し、圧延物を、水平に配置されたカリバロールを通る圧延パス(Walzstich)の前及び/又は後で、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールにより変形加工するようにした。
【0030】
好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0031】
好ましい態様において、好ましくは、輪郭付けされたすえ込みロール(profilierte Stauchrolle)の使用時、前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた圧延物のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロールによって、かつ一対の水平すえ込みロール(エッジャ)を用いて実施する。
【0032】
好ましい態様において、前圧延スタンドでの前圧延後の仕上げ圧延を含めた圧延物のすべての変形加工を、水平に配置されたカリバロール及びすえ込みロールによって、かつ1つの仕上げスタンドを用いて実施する。
【0033】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る山形異形材を製造する方法では、上述のコンパクトグループ又はタンデムグループを用いて山形異形材を製造するようにした。
【0034】
本発明は、装置に関して、開式又は閉式のカリバを有する少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面が、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面と一致しない、圧延物、特に鋼から山形異形材を圧延する改変されたロールアッセンブリを提供する。すえ込みロールはむしろ、ペア状に、圧延方向で見て、カリバロールにより規定される圧延間隙の前及び/又は後に配置されている。本発明における圧延スタンドは、可逆的な運転形式でも、連続的な運転形式でも、山形圧延を実施可能である。
【0035】
好ましくは、本発明は、本発明により改変されたロールアッセンブリによる、自然縁として形成される辺先端部半径の圧延も、丸み付け縁として形成される辺先端部半径の圧延も可能にする。等厚か、又は不等厚の辺厚さを有し、かつ自然縁か、又は所定の丸み付け縁が形成された辺先端を有する等辺又は不等辺の山形は、ロールアッセンブリの本発明による改変によって、開式又は閉式のパスデザインで、ただし可逆式、半連続式又は全連続式の圧延設備の主要な標準スタンド配置により圧延可能である。なお、自然縁とは、輪郭幾何学形状を意図的に制御することなく変形加工したときの自由な幅広がりの結果としての輪郭と解される。
【0036】
好ましくは、幾何学的に十分な大きさに寸法設定されたイニシャルパス断面から、粗圧延パス(Vorstich)内で、その都度製造したい山形材の大きさのために必要なイニシャルパスが、山形のパスデザインのために、開式又は閉式のカリバにより一般に公知の形式で圧延される。リーディングパス(Leitstich)と称呼されるこれらの断面形状は、その形状に関して後続のカリバに好ましくは幾何学的に調和されている。しかし、カリバがリーディングパスによって予め決められた断面形状に幾何学的に調和されている方法も、有利である。このことは、最終的に、本発明における開式又は閉式のパスデザインも、既に、存在するリーディングパス幾何学形状に適合されるか、又は場合によってはさらなる改変なしに使用されることを意味している。
【0037】
ユニバーサル圧延スタンドにおいて従来技術から一般的な、水平ロールの中心軸線にペア状に対向配置され、これにより作業ロールにより規定される圧延平面がすえ込みロールにより規定される圧延平面と一致する鉛直ロールは、本発明により、いわゆるHロール(H‐Walzen)の前及び/又は後に配置され、好ましくはカリバロール又はHロールのバレル領域内まで進入可能な、好ましくは鉛直に配置されるすえ込みロールにより置換される。
【0038】
本発明の好ましい態様では、すえ込みロールがペア状にカリバロールの後に配置されているので、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の後に位置している。本発明の別のやはり好ましい態様では、すえ込みロールがペア状にカリバロールの前に配置されているので、少なくとも一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面は、圧延物の搬送方向でカリバロールの圧延平面の前に位置している。しかし、特に好ましい態様では、少なくとも一対のすえ込みロールが、カリバロールの前に配置されるとともに、少なくとも1つのすえ込みロールが、カリバロールの後に配置されている。これにより、特に本発明に係るロールアッセンブリの可逆運転が好ましくは助成される。
【0039】
しかし、本発明に係るロールアッセンブリは、連続式の圧延運転でも使用可能である。設備技術に関する制限は存在しない。例えば、カリバロールの前後に配置されるすえ込みロールを備えるロールアッセンブリが連続運転で使用されるべきとき、場合によっては持続的に、必要なときに、カリバロールの前に配置されたすえ込みロール対を、個別的に山形材のエッジ領域外に移動させ、これにより圧延結果に影響を及ぼさないようにすることができる。同じことは、もちろん、圧延方向でカリバロールの後に配置されたすえ込みロール対についても言える。
【0040】
本発明に係るロールアッセンブリが、1つの共通のスタンド基礎に配置されており、それゆえ、いわば改変されたユニバーサル圧延スタンドとしても圧延機列内で使用されると、有利である。この好ましい態様により、スタンドを含む改造若しくは交換又はロールセット全体の交換も助成可能である。
【0041】
カリバロールの圧延平面の前及び/又は後におけるすえ込みロール対の配置は、すえ込みロールの相互の間隔が、必要なときに、カリバロールのバレル幅より小さな間隔に調節可能であるので、特に有利である。従来慣用のユニバーサル圧延スタンドの場合、すえ込みロール相互の位置調節は、通常、作業ロールの寸法設定により制限されていて、特に、異形材幅が作業ロールのバレル幅より狭いときにすえ込みロールを使用する可能性は存在しなかった。この問題は、本発明により特に簡単な手段により解決され、本発明に係るロールアッセンブリの使用可能性は、より狭い異形材のためにより狭いバレル幅を有するカリバロールを組み付ける必要なしに向上する。これにより、圧延される幅を水平バレル幅より小さくすることもできる。これにより、一般的なHロールアッセンブリ及びVロールアッセンブリを用いた、VロールとHロールの端面との間の圧延間隙内での従来技術から公知のユニバーサルカリバ圧延の主要な欠点は回避される。
【0042】
これにより、同時に、種々異なる長さの辺を有する山形材も、同じロールセットにより圧延可能である。このことは、特に、すえ込みロールが個別的に、かつすえ込みロールのそれぞれのペア内でも圧延物に対して位置調節可能であると、好ましくは助成される。
【0043】
複数のスタンドのHロールは、所望の山形材完成品厚さまで厚さを減じるために、同様に形成された開式の延伸カリバ(Streckkaliber)を有している。この場合、典型的には、すべてのスタンドにおいて、設計固有に寸法群に割り当てられた最も長い辺長さもHロールのバレル領域内で変形加工されるような大きさにバレル幅が選択される。
【0044】
本発明の意味で、すえ込みロールは鉛直かつカリバロールに対して垂直に配置されている必要はない。むしろ、すえ込みロールの長手方向軸線が上側又は下側のカリバロールの長手方向軸線に対して傾斜位置のみを有し、これにより原理的にすえ込みロール相互の単数又は複数のペアの位置にV字形が形成される態様も、本発明の思想に包含される。すえ込みロールの長手方向軸線の傾斜位置の利点は、フィニッシングパス(Fertigstich)における辺の比較的小さなはね返りにある。このことは特に、大きな辺長さを有する山形材において有利である。
【0045】
原理的には、圧延物に関してすえ込みロールを傾斜させる本発明に係るロールアッセンブリの可能性により、大きな多様性を有する異形材の製造の可能性が、すべての設備部分の交換の必要性なしに助成される。その際、好ましくは、延伸される平均異形材幅、ひいては辺長さに対する影響は、鉛直の、しかし少なくとも傾いて配置されたすえ込みロールを介して及ぼされる。幅に依存した寸法群は、主として、ロールアッセンブリの可能な鉛直の位置調節範囲により、好ましくは改変されたユニバーサル圧延スタンドにおいて規定される。これは、すえ込みロールがHバレル幅により妨害されないからである。
【0046】
本発明に係るロールアッセンブリのすえ込みロールの形状は、必ずしも、厳密に円形断面を有する円柱形状でなく、少なくともすえ込みロールの部分長さにわたってこの円柱形状から逸脱していてもよい。本発明の意味では、鉛直すえ込みロールは、生産したい山形異形材の辺端部に上述の自然縁又は特に規定されないエッジ半径が所望されるとき、カリバロールの、使用される水平カリバ形状に応じて、円柱状又は円錘状に平滑に形成される。しかし、所定の末端半径(Auslaufradius)を有する規定された辺端部を実現するためには、鉛直に配置されたすえ込みロールが、段付けされ、段付けコーナ部に所定の移行半径を有して形成されてもよい。しかし、移行半径を有する段付けされたすえ込みロールは、好ましくは、やはり、山形異形材の辺がそれぞれのカリバロールの長手方向軸線に対して水平かつ平行の位置にあるカリバロールの水平カリバ形状のために使用可能である。
【0047】
山形異形材の辺間に所定の移行半径を有する、段付けされ鉛直に配置されたすえ込みロールの使用は、必要なときに、カリバロール及びすえ込みロールの、これまで一般的でない新しい運転形式を実現することができる。
【0048】
その際、カリバロール及びすえ込みロールの、選択されたパスデザインあるいは輪郭に基づいて、好ましくは、種々異なる方法及び位置調節形式が選択可能である。
【0049】
a)円柱状の構成を有する平滑なすえ込みロールと、山形異形材の辺がカリバロールの軸線に対して水平かつ平行な位置にある作業ロールカリバとの使用:
水平及び鉛直の位置調節は、通常のユニバーサル圧延と同様に使用される。水平及び鉛直の位置調節の作用方向は、形成したい山形異形材の辺厚さと、その延伸される材料幅とに対して垂直であるので、直接かつ位置調節行程の変化に応じて1:1の比で働く。その際、圧延線(Walzlinie)は、当初の配向に応じて中央にとどまり、場合によって行われる位置調節の変化によっては変化しない。
【0050】
b)円錐状の構成を有する平滑なすえ込みロールと、辺がHロールの軸線に対して水平に傾いた位置にある作業ロールカリバとの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節は、所定の因子を介在して、形成したい山形異形材の辺厚さと延伸される材料幅とに作用する。その際、位置調節行程の作用方向は、影響を及ぼしたい輪郭値、すなわち辺厚さ及び延伸される材料幅に対して垂直でない。好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、好ましくはこの影響を考慮し、すべての制御システムの取り扱いを簡単にする。本態様においても、圧延線は、当初の配向に応じて中央にとどまり、場合によって行われる位置調節の変化によっては変化しない。
【0051】
c)円柱状の構成を有する段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールと、辺がHロールの軸線に対して水平かつ平行の位置にある水平作業ロールカリバとの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節の変更は、直接1:1の比で辺厚さと延伸される材料幅とに作用する。これは、位置調節の作用方向が、山形異形材の辺厚さに対して垂直に、この延伸される材料幅から位置しているからである。段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールによって、本態様では、下側の作業ロールの下側の異形材輪郭の位置が確定される。このことは、場合によっては、上側の水平ロールだけが辺厚さ減少のために位置調節される可能性を生む。好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、このことを場合によっては考慮し、このような場合、作業ロールの下側の水平の位置調節をロックする。圧延線中心は、上側の水平ロールの位置調節の変更に応じてシステマチックに水平の下側のカリバロールに向かってシフトする。
【0052】
d)円錐状の構成を有する段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールと、圧延したい異形材輪郭の辺がHロールの軸線に対して水平に傾いた位置にある水平作業ロールカリバの使用:
この場合、水平及び鉛直の位置調節は、所定の因子を介在して、圧延したい異形材輪郭の辺厚さと延伸される材料幅とに対して作用する。その際、位置調節行程の作用方向は、山形異形材の、影響を及ぼしたい輪郭値、すなわち辺厚さ及び延伸される材料幅に対して垂直でない。段付けされてパスデザインされた鉛直すえ込みロールにより、下側の水平カリバロールの下側の異形材輪郭の位置は、この鉛直すえ込みロールに固定に対応付けられている。すえ込みロールの鉛直の位置調節の変更は、この対応関係に影響を及ぼし、好ましくは下側の水平カリバロールの位置修正により補償される。山形異形材の辺厚さ減少は、好ましくは専ら上側の水平カリバロールの位置調節によって実現可能である。その際、好適に使用される全自動の位置調節兼圧延間隙制御システムは、これらすべての影響を考慮し、方法の特に簡単な取り扱いを生じる。この場合、圧延線中心は、上側の水平カリバロールの位置調節の変更に応じてシステマチックに下側の水平作業ロールに向かってシフトする。下側の作業ロールの位置修正は、鉛直の寸法変化に起因して、場合によっては逆向きの影響又は強まる影響を有する場合がある。
【0053】
全般的に付言しておくべきことは、ユニバーサルスタンドを有する既存の圧延機列がその構造に関してユニバーサルスタンド及びすえ込みスタンドの交換により特徴付けられていることである。その最大の圧延力及びその最大の圧延モーメントに関するすえ込みスタンドの十分な寸法設定時、すえ込みスタンドは、山形異形材の辺厚さ減少のための圧延プロセスに包括され得る。その際、ユニバーサルスタンドは、最大の圧延力及び最大の圧延モーメントに関する機械技術的な設計に基づいて、前異形材から山形異形材を製造する際のメインの変形加工作業を実現する。この場合、ユニバーサルスタンドにおいては、辺厚さ減少の他、延伸される平均異形材幅も、合目的に種々異なる山形材寸法に適合される。
【0054】
本発明に係る各ロールアッセンブリが、ペア状に配置されるすえ込みロールを、水平に配置されたカリバロールの前及び/又は後に有しているので、本発明に係るロールアッセンブリの使用は、すえ込みロールが小さいとき、大きなロール直径及び大きなバレル幅を有する一般的な鉛直ロールに対する最大の鉛直圧延力をかなり下回る場合があるにもかかわらず、山形異形材の延伸される異形材幅の極めて効果的な制御を生じる。
【0055】
従来技術におけるユニバーサル配列が一般にすえ込みスタンドと比較して2倍の数のユニバーサルスタンドを有するので、本発明により好ましくは、必要な幅減少が、一般に公知のユニバーサル山形圧延法と比較して2倍のパス数に分散される。さらに、水平のカリバロールの前及び/又は後にすえ込みロールを配置することにより、パス内で辺厚さ減少により惹起される幅広がりを即座に再び無効化する可能性が生じる。これにより、可能な鉛直のパス数は、本発明に係るロールアッセンブリの使用時さらに倍増する。このことは、特に、幅減少が合目的に低く維持され得る薄い辺厚さの製造時に、変形加工技術的な利点を有する。
【0056】
例えば異なる直径を有した連続的な配置又は水平のカリバロールを支持するスタンドの前及び/又は後のずらされた配置に関するすえ込みロールの構成の付加的な可能性は、種々異なる山形異形材の製造時のフレキシビリティを拡張する。
【0057】
本発明の特に好ましい態様において、本発明に係るロールアッセンブリは、本発明に係るロールアッセンブリを備える少なくとも1つの圧延スタンドと少なくとも1つの仕上げカリバとを有する圧延機列の部分である。択一的には、本発明に係るロールアッセンブリは、少なくとも1つの本発明に係るロールアッセンブリ及び仕上げカリバ並びにロールアッセンブリと仕上げカリバとの間に配置されるすえ込みロール対を有するコンパクトグループ又はタンデムグループの部分であってもよい。第2の態様において、コンパクト仕上げグループが、2つの本発明に係るロールアッセンブリと、これらの両ロールアッセンブリ間に配置される1つのすえ込みロール対とを有していると、特に有利である。これにより、冒頭で述べた課題を完全に達成しつつ、既存の設備コンセプトへの本発明に係るロールアッセンブリの適用可能性が、特に好ましく助成される。
【0058】
2つのユニバーサルスタンドと1つのすえ込みスタンドとを備える一般に3スタンド型のコンパクトグループを有する可逆配列において、ユニバーサルスタンド及びすえ込みスタンドにおける水平の作業ロールカリバは、一般に同じに形成される。このような場合、第2のユニバーサルスタンドは、仕上げカリバを収容するために、デュオスタンドとして使用されなければならない。しかし、このことは、本発明の意味で、すえ込みスタンド(水平に配置されたすえ込みロールを有する。いわゆる「エッジャ」)が移動可能であり、十分なバレル長があり、かつすえ込みスタンドが機械技術的に十分に強く寸法設定されていれば、回避可能である。この場合、仕上げカリバは、すえ込みスタンド(エッジャ)に配置可能であり、本発明に係るロールアッセンブリを備える第2の圧延スタンドは、効果的な前圧延のために共に使用可能である。さらに、すえ込みスタンドのバレル上への仕上げカリバの付加的な配置は、本発明に係るロールアッセンブリ及びすえ込みスタンド(エッジャ)を備える2スタンド型の圧延スタンドグループもこの種の山形圧延のために使用可能とすることができる。
【0059】
これは、コンパクトグループに対して付加的に別体の仕上げスタンドが存在している場合にも該当する。角度付けプロセス(Klappprozess)の角度が大きいとき、山形異形材の辺が90°の位置に仕上げスタンド内で著しく困難に調整されなければならないので、コンパクトグループの第1及び第2の圧延スタンド内の延伸カリバは、それぞれ異なって鋭角の角度幾何学形状に選択可能である。この場合、絶え間ない角度付けプロセスが、好ましくは完全に又は部分的にすえ込みスタンド内で実施可能である。この場合、90°位置への準備角度付けは、好ましくは十分なバレル長を有する水平に配置されたすえ込みロールを備える可動のすえ込み機(エッジャ)の使用時に、すえ込みスタンド自体の第2のカリバ内でも準備可能である。この場合、最後の通走中、好ましくは、本発明に係るロールアッセンブリを備える第2の圧延スタンドは、圧延異形材を通過させ、角度付けプロセスは、すえ込み機における前カリバ内で準備され、別体の仕上げスタンドにおいて完了する。この特別な解決手段の利点は、特に仕上げカリバにおける僅かなカリバ摩耗と、開式又は閉式のカリバを有する本発明により改変された圧延スタンドのよりフラットな形態である。このことは、全体としてより良好なロール利用を可能にする。
【0060】
方法の発明に関して、本発明は、山形異形材を製造するために、ロールアッセンブリであって、圧延物の搬送方向に対して垂直な一圧延平面内に位置する開式又は閉式のカリバを有する1つの圧延間隙を共に規定する、水平に配置された上側のカリバロール及び水平に配置された下側のカリバロールと、圧延物を側方からすえ込みし、圧延物の搬送方向に対して垂直に位置する一圧延平面を規定する、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールと、を備え、少なくとも一対のカリバロールにより規定される圧延平面と、一対のすえ込みロールにより規定される圧延平面とが一致しない、ロールアッセンブリを用いることにより実現される。本発明では、圧延物を、水平に配置されたカリバロールを通る圧延パスの前及び/又は後で、水平に配置されていない少なくとも一対のすえ込みロールにより変形加工する。
【0061】
これにより生じる利点は、既に本発明に係る装置に関して説明した利点と同じである。