特許第5705232号(P5705232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705232
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】タイヤの摩耗を検出する方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 17/00 20060101AFI20150402BHJP
   B60C 11/24 20060101ALI20150402BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20150402BHJP
   G01H 13/00 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   G01B17/00 Z
   B60C11/24 Z
   B60C19/00 H
   G01H13/00
【請求項の数】24
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-541563(P2012-541563)
(86)(22)【出願日】2010年12月1日
(65)【公表番号】特表2013-513102(P2013-513102A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】FR2010052584
(87)【国際公開番号】WO2011067535
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年11月29日
(31)【優先権主張番号】0958586
(32)【優先日】2009年12月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512068547
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】パテュール アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】モンスニエ ダヴィッド
【審査官】 眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−207515(JP,A)
【文献】 特開平10−307981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 17/00−17/08
B60C 1/00−19/12
G01H 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の半径方向摩耗しきい値に基づいて幾つかの音響フットプリント基本周波数成分を含む音響フットプリントノイズ(SFT)を放出する1組の少なくとも1つの音響摩耗計器(18)を有するタイヤ(10)の摩耗を検出する方法であって、
‐前記音響フットプリントノイズ(SFT)を含む音響信号(ST,B)を収集し(100)、前記音響信号(ST,B)は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐基本周波数成分の幾つかのシリーズを列挙し(206)、各列挙シリーズは、シリアル周波数ギャップ(Es)だけ分離された少なくとも2つの連続した基本周波数成分を含み、
‐音響フットプリントシリーズと呼ばれる一シリーズを前記列挙シリーズの中から選択し(302)、
‐前記音響フットプリントシリーズローカル信頼性指標(Icl)を求め(306)、
前記ローカル信頼性指標(Icl)、または、前記ローカル信頼性指標(Icl)に基づいて求められたグローバル信頼性指標(Icg)が絶対値で見て、前記ローカル信頼性指標(Icl)、または、前記グローバル信頼性指標(Icg)と関連した所定のしきい値(Sl,Sg)よりも大きい又は小さい場合、前記タイヤ(10)の摩耗に関する警報を出す、方法。
【請求項2】
前記音響摩耗計器は、前記タイヤのトレッド中に周方向に等間隔を置いて分布して配置されている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記音響フットプリントシリーズは、ディラックの櫛の少なくとも一部をなしている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記音響摩耗計器組は、1個〜32個の計器(18)を含む、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
各計器(18)は、所定の半径方向摩耗しきい値を超えると、前記タイヤ(10)の半径方向外側に出るよう構成された音響キャビティ(22)を有し、前記音響キャビティは、前記音響キャビティが前記タイヤ(10)と路面との接触領域を通過しているときに実質的に漏れ止め状態で前記路面によって閉鎖されるよう構成されており、1つ又は複数の前記キャビティ(22)の全容積は、2cm3以上である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項6】
前記収集された音響信号(ST,B)は、次のステップ、即ち、
‐前記収集した音響信号(ST,B)の周波数スペクトル(SF)を求めるステップ(100)、
‐500〜2500Hzの前記収集音響信号(SF,B)の周波数スペクトル(SF)の周波数領域(Df)を隔離するステップ(102)、及び
‐所定のしきい値よりも大きなレベルを示す前記収集音響信号(ST,B)の周波数スペクトル(SF)の基本周波数成分を隔離するステップ(106)のうちの少なくとも1つを実施することにより処理される、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの基本周波数成分の少なくとも1のシリーズを選択し(206)、前記シリーズの各基本周波数成分は、前記シリーズの少なくとも1つの隣りの基本周波数成分から所定の基準周波数間隔(I)中に位置する周波数ギャップ(Es)だけ離れている、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の基準周波数間隔(I)は、1〜300Hzにある、請求項7記載の方法。
【請求項9】
対をなす基本周波数成分を全て列挙し(200)、各対の基本周波数成分を互いに分離する周波数ギャップを求める、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
基本周波数成分の各対の各周波数ギャップを族周波数ギャップ間隔(sF)によって定められた周波数ギャップ族で分類する(202)、請求項9記載の方法。
【請求項11】
各族周波数ギャップ間隔(sF)を前記所定の基準周波数間隔(I)及び前記収集音響信号(ST,B)の前記周波数スペクトル(SF)の周波数分解能(Δf)の関数として求める、請求項に従属した請求項10記載の方法。
【請求項12】
各族において、前記族周波数ギャップ間隔(sF)内にあるシリアル周波数ギャップ(Es)だけ分離された少なくとも2つの連続して位置する基本周波数成分を有する基本周波数成分のシリーズを全て列挙する、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
基本周波数成分の各列挙シリーズに関し、
‐前記族周波数ギャップ間隔(sF)の倍数である周波数ギャップだけ前記シリーズの前記基本周波数成分のうちの1つから離れて位置する少なくとも1つの基本周波数成分についてサーチを実施し、
‐前記族周波数ギャップ間隔(sF)の倍数である周波数ギャップだけ前記シリーズの前記基本周波数成分のうちの1つから離れて位置する1つ又は複数の前記基本周波数成分を各列挙シリーズに補足する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
各族に関し、各列挙シリーズのシリアル指標(Is)を前記シリーズの少なくとも1の第1の所定の特性(R,D,NS,DE)の関数として求める(300)、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
‐前記列挙シリーズの各シリアル指標(Is)を比較することによりシリーズを選択し(302)、
‐各選択された各シリーズに関し、各族から選択された前記シリーズの族指標(If)を前記選択されたシリーズの少なくとも1つの第2の所定の特性(R,D,NS,DE)の関数として求め、
‐前記選択したシリーズの各族指標(If)を比較することにより前記音響フットプリントシリーズを選択する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記音響フットプリントシリーズを各族の各選択シリーズの各シリアル指標(Is)を比較することにより選択する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
各第1及び/又は第2の特性(R,D,NS,DE)の関連指標(Ip)を求め(304)、各関連指標(Ip)は、各第1及び/又は各第2の特性(R,D,NS,DE)のシグモイド型の可変関数により定められる、請求項14〜16のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記ローカル信頼性指標(Icl)を各第1及び/又は第2の特性(R,D,NS,DE)のそれぞれの1つ又は複数の関連指標(Ip)に基づいて求める(306)、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1及び/又は第2の所定の特性は、信号/SN周波数比(R)及び/又は前記シリーズ中の基本周波数成分の数(NS)及び/又は、前記シリーズの前記基本周波数成分相互間の周波数ギャップの分散度(DE)及び/又は前記シリーズの前記基本周波数成分の密度(D)を含む、請求項14〜18のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
‐前記音響フットプリントノイズ(SFT)を含む幾つかの一時的に連続した音響信号(ST,B)を収集し、各音響信号(ST,B)は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐各音響信号(ST,B)に関し、音響フットプリントシリーズ(S1〜S11)を選択し、前記選択した音響フットプリントシリーズ(S1〜S11)の前記ローカル信頼性指標(Icl)を求め、
前記ローバル信頼性指標(Icg)を前記音響フットプリントシリーズ(S1〜S11)の前記ローカル信頼性指標(Icl)に基づいて求め、
‐前記グローバル信頼性指標(Icg)が絶対値で見て前記グローバル信頼性指標(Icg)と関連した所定のしきい値(Sg)よりも大きい又は小さい場合、前記タイヤ(10)の摩耗に関する指標を出す、請求項1〜19のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項21】
‐前記音響フットプリントノイズ(SFT)を含む幾つかの一時的に連続した音響信号(ST,B)を収集し、各音響信号(ST,B)は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐各音響信号(ST,B)に関し、音響フットプリントシリーズ(S1〜S11)を選択し、
‐グローバル信頼性指標(Icg)を各選択音響フットプリントシリーズ(S1〜S11)の前記基本周波数成分相互間の一時的連続性に基づいて求め、
‐前記グローバル信頼性指標(Icg)が絶対値で見て前記グローバル信頼性指標(Icg)と関連した所定のしきい値(Sg)よりも大きい又は小さい場合、前記タイヤ(10)の摩耗に関する指標を出す、請求項1〜19のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項22】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ上での実行時に請求項1〜21のうちいずれか一に記載の方法実施を制御することができるコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項23】
請求項22記載のプログラムを記憶形態で有するデータ記憶媒体。
【請求項24】
請求項22記載のプログラムをダウンロードする目的での通信ネットワーク上への前記プログラムの提供。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの摩耗を検出する方法に関する。本発明は、特に、任意形式の車両、例えば、乗用車又は重量物運搬車両用のタイヤに利用されるが、これらには限定されない。
【背景技術】
【0002】
処理装置によってタイヤの摩耗を検出する方法が仏国特許第2816887号明細書で知られている。
【0003】
タイヤが所定の半径方向摩耗しきい値を超えて摩耗すると、音響摩耗計器又は表示器は、固有周波数の固有ノイズを出す。この固有周波数は、特に、車両の速度、音響摩耗計器の設置の幾何学的形態及びこれらの数に依存している。
【0004】
音響信号の固有周波数を知ると、次に、音響信号を固有周波数の付近でフィルタリング処理してこれから計器信号を取り出す。次に、計器信号に関する信頼性指標を計算する。この信頼性指標が所定のしきい値よりも大きい場合、所定の半径方向摩耗しきい値を超えていることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許第2816887号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この方法を実施するためには、タイヤ及び音響摩耗計器の或る特定のパラメータ、特に車両の速度、音響摩耗計器の設置の幾何学的形態及びこれらの数を知って記憶させることが必要である。
【0007】
したがって、これらパラメータを入力すると共にこれらパラメータを記憶させるメモリユニットを提供することが必要である。
【0008】
速度の場合、速度を測定するユニットを提供することが必要である。このユニットは、処理装置に関連付けられ、それにより処理装置の取り付け中、追加のコストが生じる。
【0009】
さらに、タイヤを交換したとき、タイヤのパラメータ、特に音響摩耗計器の設置の幾何学的形態及びこれらの数が変化する場合がある。この場合、これに伴ってメモリユニット内のパラメータの修正が必要である。
【0010】
本発明の目的は、タイヤの摩耗を検出するが、必ずしも上述のパラメータを知ることを必要としない信頼性の高い方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため、本発明の要旨は、所定の半径方向摩耗しきい値に基づいて幾つかの音響フットプリント基本周波数成分を含む音響フットプリントノイズを放出する1組の少なくとも1つの音響摩耗計器を有するタイヤの摩耗を検出する方法であって、
‐音響フットプリントノイズを含みがちな音響信号を収集し、音響信号は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐基本周波数成分の幾つかのシリーズを列挙し、各列挙シリーズは、音響フットプリント基本周波数成分の少なくとも或る部分を形成しがちであり、
‐音響フットプリントシリーズと呼ばれる一シリーズを列挙シリーズの中から選択し、
‐音響フットプリントシリーズのいわゆるローカル信頼性指標を求め、
‐ローカル信頼性指標に基づいて求められた信頼性指標が絶対値で見てローカル信頼性指標に基づいて求められた信頼性指標と関連した所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合、タイヤの摩耗に関する警報を出すことを特徴とする方法にある。
【0012】
本発明の方法により、上述のパラメータを必ずしも知ることなく、タイヤのユーザに警報を出すことができる。
【0013】
確かに、音響フットプリントノイズの基本周波数成分は、計器により放出されるノイズに特有である。かくして、タイヤの半径方向摩耗しきい値を超えると、計器により出される音響フットプリントノイズは、処理装置に入力し又は処理装置内で変更する必要のないパラメータの関数として周波数的に分布された幾つかの基本周波数成分を含む。この周波数分布状態は、所定のパターンに従う。このパターンは、基本信号相互間の間隔の比により定められる。
【0014】
かくして、収集された音響信号の基本周波数成分が識別される。基本周波数成分で構成されると共に音響フットプリント基本周波数成分の少なくとも或る部分を形成しがちな、即ち、所定のパターンに従う幾つかのシリーズを列挙することにより、基本周波数成分のシリーズが列挙され、各シリーズは、1組の音響摩耗計器により出されるノイズに特有でありがちである。音響フットプリントノイズが一義的であり、その所定のパターンにより注目すべき且つ特異な特性を示すので、音響フットプリントシリーズを所定の基準により列挙されたシリーズの中から選択することができる。
【0015】
音響フットプリントシリーズをいったん選択すると、ローカル信頼性指標を計算することにより警報が誤って出されることがないということが保証される。ローカル信頼性指標に基づいて計算された指標は、ローカル信頼性指標それ自体に等しい場合がある。
【0016】
さらに、周波数領域内の信号を扱うことにより、対応の振幅信号のSN比よりも極めて高いSN比が得られる。かくして、音響フットプリントシリーズの選択の信頼性が高い。
【0017】
有利には、音響摩耗計器は、前記タイヤのトレッド中に周方向に等間隔を置いて分布して配置されている。
【0018】
計器が周方向に等距離間隔を置いて分布して配置されていることにより、タイヤが一定速度で転動しているときに、各計器により放出されるノイズの一時的等間隔分布状態を得ることができる。タイヤが計器を1つしか備えていない場合であっても、かかる計器は、タイヤが一定速度で転動しているときに放出されるノイズの一時的等間隔分布を可能にする。
【0019】
好ましくは、パターンは、基本周波数成分が実質的に一定の周波数間隔により対ごとに間隔を置いて配置されたパターンである。この場合、間隔比は、実質的に全て同一である。変形例として、間隔比は、互いに異なる。
【0020】
有利には、音響フットプリントシリーズは、ディラックの櫛の少なくとも一部をなす。
【0021】
この場合、シリーズの各信号は、スパイクを形成する。各スパイクは、ディラックの櫛と呼ばれる櫛の歯を表している。櫛に類似した仕方で、音響フットプリントシリーズの各スパイクは、各歯相互間の実質的に一定の周波数ギャップだけ少なくとも1つの隣りの歯又は事実上、2つの歯から実質的に距離を置いて位置する。
【0022】
例えばこのような音響フットプリントシリーズは、基本周波数成分の注目に値し、一義的であり及びかくして容易に検出可能なパターンを示す。
【0023】
この方法のオプションとしての特徴によれば、音響摩耗計器組は、1個〜32個、好ましくは1個〜12個の計器を含む。
【0024】
摩耗計器の数が多ければ多いほど、計器により放出されるノイズの基本周波数成分相互間の周波数ギャップがそれだけ一層大きく、求められている音響フットプリントシリーズの含む基本周波数成分がそれだけ一層少なくなり、従って、音響フットプリントシリーズを検出することがそれだけ一層困難になる。確かに、音響フットプリントノイズの含む基本周波数成分が多ければ多いほど、音響フットプリントシリーズを収集した音響信号の基本周波数成分の中からそれだけ一層容易に識別することができる。かくして、計器の数が少なければ少ないほど、音響フットプリントシリーズの選択がそれだけ一層容易になり、摩耗の検出の信頼性がそれだけ一層高くなる。さらに、タイヤの製造及びトレッドのパターンとの適合性に関連した理由で、計器の数をできるだけ少なくすることが有利である。
【0025】
オプションとして、各計器は、所定の半径方向摩耗しきい値を超えると、タイヤの半径方向外側に出るよう構成された音響キャビティを有し、音響キャビティは、音響キャビティがタイヤと路面との接触領域を通過しているときに実質的に漏れ止め状態で路面によって閉鎖されるよう構成されており、1つ又は複数のキャビティの全容積は、2cm3、好ましくは5cm3以上である。
【0026】
2cm3未満では、計器により放出される音響フットプリントノイズの基本周波数成分は、エンジンのノイズ及び関連のドライブトレーンのノイズに対応した基本周波数成分から確実に区別するのに十分なスペクトルレベル、即ち、周波数の強度を示さない。さらに、この値は、キャビティが従来型タイヤの性能を損なわないでかかる従来型タイヤに設けることができるほど十分低い。
【0027】
この方法のオプションとしての特徴によれば、収集した音響信号は、以下のステップのうちの少なくとも1つを実施することによって処理される。
‐収集した音響信号の周波数スペクトルを求める。
‐500〜2500Hzに位置する収集音響信号の周波数スペクトルの周波数領域を隔離する。車両内で測定したノイズのスペクトルエネルギーの大部分は、150Hzよりも低い周波数間隔内に位置する。これら周波数は、エンジンのノイズ及び関連ドライブトレーンのノイズに一致している。特にキャビティの場合に計器により放出されるノイズは、500〜2500Hzにある周波数間隔内に位置する。しかしながら、後者は、エンジンのノイズ及びドライブトレーンのノイズよりも非常に低い生のスペクトルエネルギーを示す。かくして、計器により放出されたノイズだけが存在する周波数領域を隔離することにより、検出方法の精度が向上し、操作すべきデータの量が減少する。さらに、検出可能な信号がタイヤの付近で聞こえない状態で検出可能な信号からの恩恵が受けられる。
‐所定のしきい値よりも大きなスペクトルレベルを示す収集音響信号の周波数スペクトルの基本周波数成分を隔離する。確かに、計器により放出された音響フットプリントノイズの基本周波数成分は、周波数の面で、周りのノイズよりもかなり大きなスペクトルレベルを示す。かくして、低スペクトルレベルの基本周波数成分は、計器により放出されるノイズの基本周波数成分の一部をなすことができない。したがって、摩耗の検出に有用な基本周波数成分を削除する恐れなく、しきい値よりも大きなスペクトルレベルを示す基本周波数成分だけを保持することが可能である。
【0028】
好ましくは、少なくとも2つの基本周波数成分の少なくとも1のシリーズを選択し、シリーズの各基本周波数成分は、シリーズの少なくとも1つの隣りの基本周波数成分から所定の基準周波数間隔中に位置する周波数ギャップだけ離れている。
【0029】
音響フットプリントノイズの基本周波数成分相互間の周波数ギャップは、計器により放出されるノイズに特有である。かくして、タイヤの半径方向摩耗しきい値を超えた場合、計器により放出される音響フットプリントノイズは、所定のパターンに従って周波数的に分布される幾つかの基本周波数成分を含む。所定の基準周波数間隔は、求められている音響フットプリントシリーズの基本周波数成分を分離することができる1組の周波数ギャップに対応している。かくして、この基準周波数間隔は、求められている音響フットプリントシリーズの2つの基本周波数成分を互いに分離することができる周波数ギャップ全体に及んでいる。
【0030】
基準周波数間隔は、処理装置に入力する必要はない又は処理装置内で修正する必要はないことを望むパラメータを考慮に入れることによって定められる。これらパラメータの極値を取ることにより、基準周波数間隔の限度が決定される。このパラメータは、特に、タイヤが取り付けられている車両の速度、計器の数、計器の幾何学的形態に関する特徴及びタイヤの幾何学的形態に関する特徴、特に半径方向摩耗しきい値を超えた場合のその周長を含む。
【0031】
音響フットプリントシリーズを正確に選択するため、音響フットプリントシリーズの基本周波数成分が確かに計器により放出される音響フットプリントノイズの基本周波数成分を構成しがちな基本周波数成分に一致しているかどうかを判定する。これら基本周波数成分が基本周波数間隔に含まれる1つ又は2つ以上の周波数ギャップだけ互いに分離されていると、音響信号の基本周波数成分の或る特定の特徴を1つ又は2つ以上の理論的シリーズの特徴と比較することにより、或いは、基本周波数成分の幾つかのシリーズを相互比較することによって音響フットプリントシリーズを選択することが可能である。この選択は、特に、基本周波数成分に関する間隔比並びに基本周波数成分に関する間隔値を含む所定のパターンの特徴の関数として行われる。
【0032】
この方法の他のオプションとしての特徴によれば、
‐所定の基準周波数間隔は、1〜300Hzにある。この周波数間隔は、計器により放出されるノイズの基本周波数成分を互いに分離しがちな周波数ギャップを含む。確かに、上述したように、基準周波数間隔は、入力し又は修正する必要はないことを望むパラメータの極値を考慮に入れることによって定められる。かくして、乗用車の場合、速度が10〜130km/hであり、計器の数が1〜20個であり、周長が1.30m〜3.0mであれば、計器により放出されるノイズの基本周波数成分の周波数ギャップは、1Hz〜約300Hzにある間隔に属する。これと同様な周波数範囲が最大32個の計器を備えると共に周長が2.1〜3.7mmのタイヤを装着した状態で90km/h未満の速度で走行する重量物運搬車両について見受けられる。
‐対をなす基本周波数成分を全て列挙し、各対の基本周波数成分を互いに分離する周波数ギャップを求める。
‐基本周波数成分の各対の各周波数ギャップを族周波数ギャップ間隔によって定められたいわゆる周波数ギャップ族で分類する。好ましくは、族周波数ギャップ間隔は、スペクトルの周波数分解能の4倍に等しい。さらに、収集期間が長ければ長いほど、隔離される音響信号の周波数ドメインのSN比がそれだけ一層良好になる。しかしながら、この収集期間にわたり、速度は、周波数信号が測定された振幅信号に忠実であるように実質的に一定でなければならない。1秒のオーダの収集期間及び1Hzの周波数分解能は、良好な検出を保証する上で申し分がない。かくして、各族周波数ギャップ間隔は、実質的に2〜4Hzにある。
‐各族周波数ギャップ間隔を所定の基準周波数間隔及び収集音響信号の周波数スペクトルの周波数分解能の関数として求める。
‐各族において、族周波数ギャップ間隔内にあるいわゆるシリアル周波数ギャップだけ分離された少なくとも2つの連続して位置する基本周波数成分を有する基本周波数成分のシリーズを全て列挙する。この列挙ステップにより、計器により放出されるノイズに一致した基本周波数成分のシリーズを列挙されたシリーズの全ての中から検出するようにすることが可能である。
【0033】
有利には、基本周波数成分の各列挙シリーズに関し、
‐族周波数ギャップ間隔の倍数である周波数ギャップだけシリーズの基本周波数成分のうちの1つから離れて位置する少なくとも1つの基本周波数成分についてサーチを実施し、
‐族周波数ギャップ間隔の倍数である周波数ギャップだけシリーズの基本周波数成分のうちの1つから離れて位置する1つ又は複数の基本周波数成分を各列挙シリーズに補足する。
【0034】
このステップにより、測定信号の収集及び/又は隔離により変更されるシリーズを再構築することが可能である。確かに、音響信号の収集及び/又は隔離ステップ中、基本周波数成分は、収集されず又は選択されない場合がある。かくして、例えば、基本周波数成分の列挙シリーズは、族ギャップ間隔に含まれるギャップだけ対ごとに離れた幾つかの基本周波数成分を含む場合があり、これに対し、別の隔離された基本周波数成分は、列挙されたシリーズの族ギャップ間隔の2倍に実質的に等しい周波数ギャップだけ列挙シリーズの最後の基本周波数成分から離れている。この隔離された基本周波数成分も又、このシリーズに属するが、列挙シリーズの最後の基本周波数成分とこの隔離された基本周波数成分との間に等距離を置いて挿入される基本周波数成分が存在しない場合、隔離基本周波数成分が列挙シリーズ中に組み込まれていなかったことが考えられる。
【0035】
オプションとして、各族に関し、
‐各列挙シリーズのシリアル指標をシリーズの少なくとも1の第1の所定の特性の関数として求める。
【0036】
この方法の一実施形態では、各族に関し、
‐列挙シリーズの各シリアル指標を比較することによりシリーズを選択し、
‐各選択された各シリーズに関し、各族から選択されたシリーズの族指標を選択されたシリーズの少なくとも1つの第2の所定の特性の関数として求め、
‐選択したシリーズの各族指標を比較することにより音響フットプリントシリーズを選択する。
【0037】
この実施形態では、音響フットプリントシリーズは、2つの連続したステップで選択される。第1のステップでは、音響フットプリントシリーズを各シリーズの1つ又は複数の第1の所定の特性により各族中で選択する。第2ステップでは、音響フットプリントシリーズを第1のステップの実施中に選択されたシリーズ全ての中から選択する。この第2の選択は、各選択シリーズの1つ又は2つ以上の第2の所定の特性により実施される。
【0038】
第1及び第2の特性は、2つのステップ中の選択を種々の基準の関数として実施するよう互いに異なっていても良い。かくして、例えば、第1の特性により選択されたシリーズは、選択されたシリーズの全ての最善のシリアル指標を示さず、選択されたシリーズの全ての最善の族指標を示しても良く、これにより、その音響フットプリントシリーズは、計器により放出される単位周波数成分のシリーズを最も構成しやすくなる。
【0039】
本方法の別の実施形態では、音響フットプリントシリーズを各族の各選択シリーズの各シリアル指標を比較することにより選択する。
【0040】
この実施形態では、第1の特性と第2の特性は、計算したシリアル指標の全てを比較することにより、各選択シリーズのための別の指標を再検査する必要なく、音響フットプリントシリーズを選択するよう互いに同一である。
【0041】
本方法の他のオプションとしての特徴によれば、
‐各第1及び/又は第2の特性の関連指標を求め、各関連指標は、各第1及び/又は各第2の特性のシグモイド型の可変関数により定められる。シグモイド型の可変関数により、かかるシリーズに関する任意他の検討事項とは別個独立に排除することが望ましい第1及び/又は第2の特性の値について極めて低い信頼性指数を割り当てることができる。というのは、これら値によっては、音響フットプリントシリーズが計器により放出される信号のシリーズであるようにすることが不可能だからである。逆に、シグモイド型の可変関数により、計器により放出される信号のシリーズに特有のものであると考えられる第1及び/又は第2の特性の値について極めて高い信頼性指数を割り当てることができる。
‐ローカル信頼性指標を各第1及び/又は第2の特性のそれぞれの1つ又は複数の関連指標に基づいて求める。局所信頼性指数を計算するには、第1及び第2の特性とそれぞれ関連した関連指標の積を生じさせるのが良い。変形例として、これは、算術平均又は重み付き平均を含む場合がある。かくして、単位周波数成分の或る特定の特性は、他のものよりも大きな有意性を有する場合がある。
【0042】
有利には、第1及び/又は第2の所定の特性は、信号/SN周波数比及び/又はシリーズ中の基本周波数成分の数及び/又は、シリーズの基本周波数成分相互間の周波数ギャップの分散度及び/又はシリーズの基本周波数成分の密度を含む。
【0043】
本方法の実施形態では、
‐音響フットプリントノイズを含みがちな幾つかの一時的に連続した音響信号を収集し、各音響信号は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐各音響信号に関し、音響フットプリントシリーズを選択し、選択した音響フットプリントシリーズのローカル信頼性指標を求め、
‐いわゆるグローバル信頼性指標を音響フットプリントシリーズのローカル信頼性指標に基づいて求め、
‐グローバル信頼性指標が絶対値で見てグローバル信頼性指標と関連した所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合、タイヤの摩耗に関する指標を出す。
【0044】
周波数領域内において計器により放出されるノイズの振幅は、特に、タイヤが転動している路面で決まる。例えば、比較的滑らかな地面は、多孔質の地面よりも計器のノイズの放出にとって望ましい。しかしながら、検出は、両方の場合において可能な状態のままである。したがって、検出に望ましい路面及び望ましさの低い路面が存在し、これら2種類の路面は、場合によっては、互いにランダムに続く。かくして、第1のローカル指標は、第1の音響信号に関し、局所指標と関連したしきい値よりも大きい場合があり、次に、第2のローカル指標は、第1の音響信号に続く第2の音響信号の場合、しきい値よりも低い場合がある。この場合、半径方向摩耗しきい値を実際に超えたかどうか及び第2の指標がかなり望ましくない路面のためにしきい値よりも小さいかどうか又は半径方向摩耗しきい値を超えていないかどうか及び第1の指標がこれを間違って指示しているかどうかについて述べることは可能ではない。
【0045】
この間違った警報の恐れを減少させると共に検出方法を一層確実にするため、数個の一時的に連続した音響信号を処理する。連続した音響信号の幾つかの音響フットプリントシリーズが半径方向摩耗しきい値を超えたことを指示する局所信頼性指標を示した場合、半径方向摩耗しきい値を実際に超えたという確立が高く、これは、グローバル信頼性指標により指示される。
【0046】
本方法の別の実施形態では、
‐音響フットプリントノイズを含みがちな幾つかの一時的に連続した音響信号を収集し、各音響信号は、幾つかの基本周波数成分を含み、
‐各音響信号に関し、音響フットプリントシリーズを選択し、
‐いわゆるグローバル信頼性指標を各選択音響フットプリントシリーズの基本周波数成分相互間の一時的連続性に基づいて求め、
‐グローバル信頼性指標が絶対値で見てグローバル信頼性指標と関連した所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合、タイヤの摩耗に関する指標を出す。
【0047】
この実施形態では、誤った警報の恐れも又軽減される。グローバル信頼性指標は、グローバル信頼性指標がローカル信頼性指数に依存している先の実施形態とは対照的に、ローカル信頼性指標とは別個独立してグラフ表示に基づいて決定される。かくして、タイヤの摩耗の正確な検出が互いに関連のないローカル信頼性指標とグローバル信頼性指標によって保証され、それにより本方法が一層確実になる。
【0048】
本発明の要旨は又、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、コンピュータ上での実行時に上述の方法のステップの実施を制御することができるコード命令を含む、コンピュータプログラムにある。
【0049】
本発明は又、例えば上述のプログラムを記憶形態で有するデータ記憶媒体に関する。
【0050】
本発明の別の要旨は、上述のプログラムをダウンロードする目的での通信ネットワーク上へのプログラムの提供にある。
【0051】
本発明は、図面を参照して行われる非限定的な例として与えられているに過ぎない以下の説明を読むと一層良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】新品タイヤのトレッドを示す図である。
図2図1のタイヤのトレッドを摩耗状態で示す図である。
図3A図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図3B図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図3C図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図4A図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図4B図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図4C図1及び図2のタイヤに関して音響摩耗計器により放出されたノイズをモデル化する理論的信号を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態としての方法のステップの略図である。
図6図1及び図2のタイヤを備えた車両の室内空間内のノイズの音響信号を示す図である。
図7図1及び図2のタイヤを備えた車両の室内空間内のノイズの音響信号を示す図である。
図8図1及び図2のタイヤを備えた車両の室内空間内のノイズの音響信号を示す図である。
図9図1及び図2のタイヤを備えた車両の室内空間内のノイズの音響信号を示す図である。
図10図1及び図2のタイヤを備えた車両の室内空間内のノイズの音響信号を示す図である。
図11】特性の関数としての関連指標の変化を示す図である。
図12】特性の関数としての関連指標の変化を示す図である。
図13】特性の関数としての関連指標の変化を示す図である。
図14】第2の実施形態としての方法の追加のステップを示す図である。
図15】第2の実施形態としての方法の追加のステップを示す図である。
図16】第3及び第4の実施形態としての方法に従って連続して測定された音響信号の幾つかのフレームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
全体として参照符号10で示されたタイヤが図1及び図2に示されている。タイヤ10は、実質的に円筒形のトレッド12を有し、その外面13は、パターン14を備えている。特に、トレッド12は、タイヤの表面をえぐった状態で形成され、タイヤ10が新品である場合には所定の深さを有する2つの周方向且つ互いに平行な溝16を有している。例えば、これら溝16の深さは、乗用車用タイヤの場合、8mmのオーダのものであり、重量物運搬車両用タイヤの場合、14〜25mmのオーダのものである。タイヤ10は、音響摩耗計器又は表示器18を更に有している。
【0054】
各音響摩耗計器18は、溝16の底部に設けられていて、溝16に対して横方向に延びる2つのリブ20を有している。リブ20の高さは、タイヤが新品である場合には所定のものである。例えば、これらリブの高さは、実質的に、1.6mmに等しい。各溝16は、各溝16に沿って周方向に等距離間隔を置いて分布して配置された4つの計器18を有し、各溝の2つの計器18は、実質的に軸方向に整列している。かくして、トレッド12は、全部で8つ1組の音響摩耗計器18を有している。変形例として、タイヤは、1〜32個の計器18を有しても良い。
【0055】
溝16及び2つの隣り合うリブ20により構成された容積部は、タイヤ10の外部に向かって半径方向に開口している。
【0056】
図1のタイヤ10は、図2では、トレッド12が次第にすり減り、数ミリメートル、例えば約5mmの半径方向厚さが失われた摩耗状態で示されている。
【0057】
この場合、図2に示されているタイヤ10のトレッド12の摩耗は、6ミリメートルのオーダのものであり、即ち、タイヤが新品である場合、リブ20の頂部を表面13から隔てる距離よりも大きい。この顕著な摩耗を考慮すると、リブ20の頂部は、表面13と同一高さ位置にある。かくして、各キャビティ22の口は、トレッド12に設けられた実質的に平面の輪郭形状によって定められ、キャビティ22は、互いに別々であり且つ分離されている。
【0058】
各キャビティは、2つの隣り合うリブ20相互間の周方向ギャップに対応した10〜50ミリメートルのオーダの長さを有すると共にリブ18の初期高さ以下の深さを有する。
【0059】
かくして、キャビティ22の全容積は、2cm3以上、好ましくは5cm3以上である。
【0060】
かかるキャビティ20の口が実質的に平面の輪郭形状によって定められているので、これを転動中、滑らかであり且つ平らな地面によって完全且つ気密的に閉鎖することができる。換言すると、タイヤ10が摩耗状態にあるとき、各キャビティ22は、これが地面とのタイヤ10の接触領域を通過しているとき、実質的に漏れ止め状態で地面によって閉じられるよう構成されている。
【0061】
タイヤのトレッド12の表面に形成されていて、一方において、タイヤの外部に半径方向に開口し、他方において、接触領域を通過しているときに気密的に閉じられるよう構成されたかかるキャビティ20は、「音響」と称される。
【0062】
本発明のタイヤでは、例えばこれらのような音響キャビティは、タイヤが所定の半径方向摩耗しきい値を超えて摩耗した場合にのみ現れ、特にタイヤが新品の場合、このしきい値を下回った状態では存在しない。
【0063】
タイヤの転動中、所与の音響キャビティ22は、地面とのタイヤの接触領域に関して、これが開いている上流側位置及び次にこれが地面によって覆われているのでこれが閉じられる接触領域に存在する位置及び最後に地面とのタイヤの接触領域に関して、これが再び開き、そしてもはや地面によって覆われていない下流側位置を連続的に占める。
【0064】
換言すると、タイヤの回転により、所与のキャビティに関し、キャビティ内の空気の取り込み、キャビティが接触領域において地面によって閉じられているときにキャビティ内に入っている空気の圧縮及び次に地面からのトレッド12の分離によってキャビティの解放時にキャビティ内に入っている空気の排気が生じる。
【0065】
このように連続した取り込み/圧縮/膨張ステップは、キャビティ内に入った圧縮空気の通気に起因して生じるヒス音又は吸込み吐出しノイズと呼ばれることがある特徴的な又は固有のノイズを生じさせる。
【0066】
次に、図3A図3E及び図4A図4Eを参照して音響摩耗計器18によって放出される吸込み吐出しノイズの検出原理について説明する。これらの図は、実質的に90km/hの一定速度で走行している図2の摩耗状態の乗用車用タイヤの理論的な吸込み吐出しノイズを示している。
【0067】
図3A図3Cは、時間領域内における理論的信号を示し、図4A図4Cは、フーリエ変換により各信号3A〜3Cからそれぞれ得られた周波数領域内における理論的信号を示している。
【0068】
図3Aは、計器18のパルスと呼ばれる単位時間信号ST,Uを示し、これは、単位となっている。このパルスは、計器18により放出されたノイズの大きさ(単位Pa)を表すと共に固有周波数f0、最大振幅a0及び固有減衰時間t0の減衰正弦波の形態をしている。この場合、f0=1200Hz、a0=0.044Pa、t0=0.001秒である。
【0069】
図4Aの単位周波数信号SF,Uは、中心が固有周波数f0に位置したガウス曲線の形態をしている。注目されるように、単位パルスが短ければ短いほど、正弦波振動はそれだけ一層小さくなると共に周波数スペクトルがそれだけ一層広くなる。これとは逆に、単位パルスが長ければ長いほど、正弦波振動がそれだけ一層多くなると共に周波数スペクトルがそれだけ一層狭くなる。かくして、完全な非減衰正弦波に関し、図3Aのフーリエ変換は、周波数f0のディラックのスパイクの形態を取るであろう。
【0070】
図3Bは、図2のタイヤの計器18の走行時間信号ST,Dを示している。タイヤは、2つ溝16の中に分布して配置された4対の計器18を有しているので、走行時間信号は、接触領域を横切る各計器18の通過に対応した数個のスパイクを有する周期TTUS=0.019秒、振幅1のディラックの櫛の形態をしている。
【0071】
走行周波数信号SF,Dも又、ピッチFTUS=1/TTUSの等間隔を置いて位置した個々の周波数成分によって特徴付けられると共に振幅FTUS=1/TTUS=52.2のディラックの櫛の形態を取る。注目されるように、周波数信号SF,Dの振幅は、時間信号ST,Dの振幅よりも極めて大きい。
【0072】
図3Cは、図3Aの単位時間信号ST,U図3Bの走行時間信号ST,Dの畳み込み積に対応した計器18からの全時間信号ST,Tを示している。したがって、全時間信号ST,Tは、実質的に0.044Paに等しい最大振幅の一連の減衰正弦波の形態を取る。
【0073】
全周波数信号SF,Tは、図4Aの単位周波数信号SF,U図4Bの走行周波数信号SF,Dの積に相当している。したがって、全周波数信号SF,Tは、周波数FTUSでサンプリングされると共に単位時間信号ST,Uに対してファクタFTUSだけ増幅された単位周波数信号SF,Uの形態を取る。この増幅は、走行時間信号ST,Uの周波数反転に起因している。この場合、全周波数信号SF,Tの大きさは、実質的に2.28Paに等しい。
【0074】
実際には、計器18からの全信号ST,T、SF,Tは、周囲ノイズに対応した疑似信号Bにより覆い隠される。ノイズBは、標準タイヤを履いて90km/hで走行しているBMW車318dの乗員室内で記録された。
【0075】
図3Dは、乗員室内で測定したノイズに対応した時間信号BTを示している。かかるノイズBTの最大の大きさは、実質的に0.034Paに等しい。図4Dに示されている対応の周波数信号BFの最大振幅は、実質的に0.348Paに等しい。
【0076】
図3Eは、図3Cの全理論時間信号ST,T図3DのノイズBTに対応した時間信号の重ね合わせに対応した全時間信号STTを示している。時間領域内における信号対雑音(SN比)は、実質的に1.04に等しい。図4Eは、図4Cの全理論周波数信号SF,Tと測定ノイズに対応した図4Dの周波数信号BFの重ね合わせに対応した全周波数信号SF,Tを示している。周波数領域におけるSN比は、実質的に13.4に等しい。
【0077】
特にこれら信号の分析結果の示すところによれば、周波数領域内の信号で役に立つという利点が得られる。これら信号は、時間領域の信号よりも高いSN比を示すからである。摩耗の検出及びこの検出の信頼性は、かくして、大幅に向上している。
【0078】
図4Eの全周波数信号SFTは、特に所定の分布パターン、FTUSに等しい各スパイク相互間のピッチ、信号の最大振幅A及び信号の個々の周波数成分の数Nを含む幾つかの特徴を示している。
【0079】
TUSは、タイヤ14の速度V、等距離間隔を置いた計器18の数NTUS及びタイヤ14の周長Cの関数である。
【0080】
最大振幅Aは、固有減衰時間t0、キャビティ22及び関連のチャネル121の全容積VTUS及びタイヤ14の速度Vの関数である。最大振幅Aは又、サンプリング周波数Fe及び時間信号収集周期Tを含む時間信号収集パラメータの関数である。
【0081】
個々の周波数成分の数Nは、各計器18からの個々のパルスの帯域幅の関数であり、この帯域幅は、固有減衰時間t0で決まる。Nは又、周波数FTUS、計器18からの全信号とノイズに対応した信号の相互作用及びサンプリング周波数Feと収集時間Tの比として定義される周波数分解能Δfで決まる。
【0082】
次に図5図11を参照して本発明の検出方法について説明する。
【0083】
図6を参照すると、図2の摩耗状態の右前のタイヤが取り付けられているBMW車318dの乗員室内で測定された音響ノイズの生の全時間信号ST,Bを示している。収集パラメータは次の通りであり、即ちT=1秒、Fe=8000Hzである。しかしながら、タイヤ14の特性、例えば計器18の数NTUS、タイヤ14の周長C、キャビティ22及び関連のチャネル121の全容積VTUS又は車両の速度Vは未知である。
【0084】
音響フットプリントノイズSF,Tを含みがちな生の音響時間信号ST,Bをステップ100で収集する。フーリエ変換を生の全音響時間信号ST,Bに適用して図7の対数周波数目盛りで表された生の全周波数スペクトルST,Bを得る。
【0085】
オプションとしての次のステップ102〜106では、収集した音響信号の単位周波数成分を識別する。
【0086】
次に、ステップ102において、生のスペクトルSF,Bの周波数領域Dfを隔離し、この周波数領域は、図8の線形周波数目盛りで表された500〜2500Hz、この場合1000〜2000Hzである。
【0087】
次に、ステップ104において、ノイズをなくし、周波数領域Df中の生のスペクトルSF,Bをオプションとして標準化する。この場合、生のスペクトルSF,Bの最小値を通るフィルタリング曲線を求め、次にフィルタリング曲線を生のスペクトルSF,Bから差し引く。すると、図9に示されているフィルタリング済みスペクトルが得られる。次に、必要ならば、標準化をこのフィルタリング済みスペクトルに対して行なうのが良い。
【0088】
最後に、ステップ106において、個々の周波数成分を所定の強度しきい値よりも大きな強度を示す図9のフィルタリング済みスペクトルから分離する。かくして、図10に示されているように、幾つかの単位周波数成分を含む正味のスペクトルSAが得られる。したがって、正味のスペクトル又は処理済み音響信号SAは、処理された生の全時間信号ST,Bから得られる。変形例として、処理ステップは、行なわれなくても良く、或いは、他の追加のフィルタリングステップが実施される。
【0089】
ステップ100〜106も又、信号ST,Bを処理するステップである。
【0090】
この場合、処理済み音響信号SAは、図10に1〜30まで番号付けされた30個の単位周波数成分を含む。タイヤが摩耗した場合、サウンドキャビティは、図4Cに示されている理論的信号に類似した信号を放出する。したがって、タイヤが摩耗しているかどうかを判定するため、即ち、計器18が吸込み吐出しノイズを放出しているかどうかを判定するため、タイヤ10の特性、例えば計器18の数NTUS、タイヤ10の周長C、キャビティ22の全容積VTUS及び車両の速度Vについての知識がない場合に信号SAが計器18により放出された理論的信号SF,Tに類似した信号を含むかどうかを判定することが有用である。
【0091】
利用できない特性が周波数FTUSを一部とすることができる基準周波数間隔Iを定めることが分かった。周長が1.3mから3mまで様々であり、計器の数が1つから10個まで様々であり、車両の速度が10km/hから130km/hまで様々な場合がある自動車用タイヤ群の場合、周波数FTUSは、1〜278Hzの間隔I内で様々な場合がある。重量型タイヤの場合、間隔Iは、ほぼ同じである。
【0092】
図10を参照すると、ステップ200において、処理済み音響信号SAの対をなす個々の周波数成分の全てが列挙され、各対の信号を互いに隔てる周波数の差を求める。次に、30個の個々の周波数成分に関し、435個の考えられる対が得られる。これらを隔てる周波数の差が間隔Iに属する対だけを保持する。かくして、317個の対だけが間隔1〜278Hz内で周波数の差を示す。一例として、以下の表1は、317個のうちから40個の対をなす個々の周波数成分を対応の周波数の差と一緒に示している。
【0093】
【表1】
表1:単位周波数成分の対及び対応の周波数ギャップの例
【0094】
次に、ステップ202において、各対の単位周波数成分の各周波数ギャップを族周波数差間隔σFにより定められた周波数ギャップ族と呼ばれる族で分類する。各族周波数ギャップ間隔は、間隔I内に位置し、間隔I及び音響信号SAの周波数分解能Δfの関数として定められる。この場合、26個の周波数ギャップ族が定められ、これらの周波数ギャップ間隔は、以下の表2に与えられており、これらの全ては、4Hz以下である。変形例として、間隔σFは全て、2Hz以下である。
【0095】
【表2】
表2:周波数ギャップ族
【0096】
以下において、ステップ204において族番号17の処理についてのみ説明し、他の族の処理は、必要な変化を加えることによってこれから演繹される。317個の対のうちこれらを隔てる周波数の差が族周波数ギャップ間隔番号17、この場合間隔102〜106Hzに属する対を表3に示すように求める。
【0097】
【表3】
表3:族番号17の対をなす個々の周波数成分
【0098】
次にステップ206において、族周波数ギャップ間隔σF内のシリアル周波数ギャップと呼ばれる周波数ギャップEsだけ離されている少なくとも2つの連続した個々の周波数成分を含む個々の周波数成分のシリーズの全てを列挙する。各列挙されたシリーズは、個々の音響フットプリント周波数成分の少なくとも一部を形成することができる。ここでの目的は、事実、計器18からの全信号に特有なディラックの櫛を再構築することである。したがって、族番号17に関し、以下の表4でまとめられている3つのシリーズを列挙する。各列挙されたシリーズは、基準周波数間隔I、特に族周波数ギャップ間隔σF内の周波数ギャップだけ1対ずつ互いに間隔を置いて位置する少なくとも2つの個々の周波数成分を含む。かくして、各音響フットプリントシリーズは、未知の特性、即ち、計器18の数NTUS、タイヤ14の周長C、キャビティ22及び関連のチャネル121の全容積VTUS及び車両の速度Vの互いに異なる値で計器18により生じた理論的信号を表すことができる。
【0099】
【表4】
表4:族1で列挙されたシリーズ(なお、“series number”は、「シリーズ番号」、“Elementary frequentcy components of the series”は、「シリーズの個々の周波数成分」)
【0100】
ステップ200〜206は、単位周波数成分のシリーズの列挙を可能にするステップである。
【0101】
しかる後、ステップ300において、各族に関し、シリアル信頼性指標Isを第1の所定の特性の関数として各列挙されたシリーズについて求める。これら第1の所定の特性は、シリーズの個々の周波数成分相互間の周波数ギャップの分散度DE、音響信号とノイズの比R、シリーズ中の個々の周波数成分の数Ns及びシリーズの密度D、即ち個々の周波数成分の総数とあり得る個々の周波数成分の最大数の比を含む。この場合、シリーズ番号2の場合、DE=0.5、R=13.4、NS=8、D=100%である。
【0102】
次に、ステップ302において、信頼性指標をR、D、NS及びDEの重心として計算する。各族の各シリーズの指標Isを計算する。次に、各族の各列挙されたシリーズの指標Isを互いに比較する。ここで、指標Isが高ければ高いほど、対応のシリーズが求めた理論的信号を表している可能性がそれだけ一層高い。次に、最も高い指標Isを有する音響フットプリントシリーズを選択する。この場合、族番号17のシリーズ2は、3つの識別されたシリーズのうちで最も高い指標Is=0.994を有している。
【0103】
変形例として、各族の各列挙されたシリーズの指標Isの計算後、第1の所定の特性の関数として26個の族の各々の中で1つのシリーズを選択する。したがって、26個の選択された選択されたシリーズが得られる。次に、各族の各選択されたシリーズに関し、各選択されたシリーズの第2の所定の特性の関数として族指標Ifを求める。第1の特性と第2の特性は、互いに同じであっても良く、互いに異なっていても良い。最後に、26個の選択されたシリーズの各族指標Ifを比較することにより音響フットプリントシリーズを選択する。
【0104】
族番号17の音響フットプリントシリーズ番号2は、列挙されたシリーズの全ての中から計器によって放出されたノイズに対応したシリーズ番号を構成する可能性が最も高いシリーズ番号であるが、このシリーズの第1の特性は、タイヤの摩耗に関して警報を出すには不十分なままであるようにすることは不可能ではない。
【0105】
かくして、ステップ304において、各第1の特性に関し、比R(図11)、シリーズ中の単位周波数成分の数NSの周波数ギャップ(図12)の分散度DE図13)及びシリーズの密度Dのこの場合について関連指標Ipを求める。これらの図において、各関連指標を各第1の特性のS字形形式の変数関数によって定める。例えば、比R=7の音響フットプリントシリーズの場合、円と関連した関連指標Ipは、0.98に等しい。分散度DE=1.5の音響フットプリントシリーズの場合、DEと関連した関連指標Ipは、0.9に等しい。NS=4個の個々の周波数成分を含む音響フットプリントシリーズの場合、NSと関連した関連指標Ipは、0.5に等しい。
【0106】
しかる後、ステップ306では、ローカル信頼性指標Iclを指標Ipに基づいて計算する。指標Icは、指標Ipの積に等しい。変形例として、Iclは、指標Ipの算術平均又は重み付き平均に等しい。
【0107】
ステップ300〜302は、音響フットプリントシリーズを選択するステップである。
【0108】
ステップ304〜306は、警報を誤って出さないようにすることができる指標を計算するステップである
信頼性指標Iclが絶対値で見て指標Iclと関連した所定のローカルしきい値Sl、この場合0.99よりも大きい場合、タイヤ10の摩耗の警報が出される。
【0109】
次に、図14及び図15を参照して第2の実施形態としての方法について説明する。
【0110】
この実施形態では、シリーズを再構築するステップが指標Isを求めるステップの実施前であって各族中のシリーズを列挙するステップの実施後に実施される。確かに、恐らくは、列挙されなかったシリーズの信号は、例えば移動の測定条件に起因して損なわれている。かくして、通常の測定条件下において、列挙されると共に図15に示されているように8つの個々の周波数成分P1〜P8を含むシリーズは、図14に示されているように個々の周波数成分P1,P2及び個々の周波数成分P5〜P8を含む2つのシリーズに分割される。個々の周波数成分P3,P4は、検出されていない。シリーズ全体を再構築するため、各族中のシリーズを列挙するステップの実施後に、シリーズの信号のうちの1つから族周波数ギャップ間隔σfの倍数である周波数ギャップだけ離れた少なくとも1つの信号を求める。スパイクP5は、それぞれ族周波数ギャップ間隔σfの4倍及び3倍に実質的に等しい差だけP1,P2から離されていることが分かる。かくして、単位周波数成分P1,P2から成る列挙されたシリーズには族周波数ギャップsFの倍数である周波数ギャップだけ信号P1,P2のうちの一方から離された個々の周波数成分P5〜P8から成るシリーズの信号が補足される。
【0111】
次に、図16を参照して第3の実施形態としての方法について説明する。
【0112】
第1の実施形態とは対照的に、ローカル信頼性指標Iclがローカルしきい値Slよりも大きい場合、警報が出されない。確かに、幾つかの連続音響信号が周波数領域内に隔離される。各音響信号に関し、音響フットプリントシリーズを選択する。連続音響信号に基づいて選択された音響フットプリントシリーズS1〜S11の信号は、時間の関数として例えば図16にグラフ表示されている。注目されるように、シリーズS3、S8及びS9は、見えない。これは、例えばスプリアスノイズに起因している場合がある。一方のシリーズから他方のシリーズへの周波数の僅かなシフトは、速度の僅かな変動に起因しており、それにより、各音響フットプリントシリーズの2つの隣り合う基本周波数成分を隔てる周波数FTUSが変化する。
【0113】
グローバル信頼性指標Icgを音響フットプリントシリーズの信号の経時的連続性に基づいて求める。この場合、シリーズの信号の位置を次のシリーズの信号と比較する。変形例として、信号のグラフ表示が例えば、画像認識アルゴリズムによって用いられる。グローバル信頼性指標Icgが絶対値で見て、このグローバル指標Icgと関連した所定のグローバルしきい値Sgよりも大きい場合、タイヤの摩耗の警報が出される。
【0114】
次に、第4の実施形態としての方法について説明する。
【0115】
第3の実施形態の場合と同様、ローカル信頼性指標Iclがローカルしきい値Slよりも大きい場合、警報が出されない。確かに、幾つかの連続音響信号は、周波数領域内に隔離されている。各音響信号に関し、音響フットプリントシリーズを選択する。次に、各音響信号に対応したローカル信頼性指標Iclを求める。例えば最後の5つのローカル指標のスライディング又は移動平均によってこれらローカル指標Iclに基づいて求められる。指標Icgが絶対値で見てこのグローバル指標Icgと関連した所定のグローバルしきい値Sgよりも大きい場合、タイヤの摩耗の警報が出される。
【0116】
本発明は、上述の実施形態には限定されない。
【0117】
確かに、本発明の方法は、周波数FTUSを求めるタイヤのパラメータのうちの全て又は幾つかを知ることによっても実施できる。かくして、例えばGPS(グローバルポジショニングシステム)に基づいて計器18の数NTUSを知ることにより、特に、この種の計器18を備えたタイヤの全てが同数の計器、タイヤ14の周長C及びタイヤ14の速度Vを有しているので、基準周波数間隔を減少させ、検出の信頼性を向上させる。例えば、周長C=1.927m、NTUS=4のタイヤの±5km/hの精度で速度V=90km/hを知ることにより、基準周波数間隔は、49Hz〜55Hzである。したがって、ディラックの櫛は、タイヤのパラメータを知るのが正確であればあるほど、櫛を検出するのが一層一義的且つ容易である。
【0118】
本発明の方法の全て又は一部は、この方法がコンピュータ上で実行される場合、この方法のステップの実行を制御することができるコード命令により実施可能である。命令を例えばハードディスク又はフラッシュメモリ、CD又はDVD型のデータ記録媒体上に記録されたコンピュータプログラムによって出すことができる。通信ネットワーク、例えばインターネットネットワーク又はワイヤレスネットワーク上でのかかるプログラムのダウンロードを行う目的でかかるプログラムを利用できるようにする措置が講じられるのが良い。かくして、プログラムのアップデートをこのネットワークによりこのネットワークに接続されているコンピュータに送ることができよう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16