特許第5705251号(P5705251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705251
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】複合舵
(51)【国際特許分類】
   B63H 25/38 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   B63H25/38 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-46540(P2013-46540)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-172502(P2014-172502A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2013年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】509146702
【氏名又は名称】朝良 勝
(73)【特許権者】
【識別番号】513057843
【氏名又は名称】朝良 晃三
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】朝良 勝
(72)【発明者】
【氏名】朝良 晃三
【審査官】 田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−278688(JP,A)
【文献】 特開平06−183395(JP,A)
【文献】 特開2010−269754(JP,A)
【文献】 特開2000−142582(JP,A)
【文献】 実開平02−109797(JP,U)
【文献】 仏国特許発明第1382764(FR,A)
【文献】 英国特許出願公開第2248049(GB,A)
【文献】 独国特許出願公開第4019935(DE,A1)
【文献】 西独国特許出願公開第2353934(DE,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0247273(EP,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101638145(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 25/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船底に設けられる主舵軸と、前記主舵軸を軸として回動する主舵と、前記主舵の回動と
一体的に前記主舵軸回りに遊星状に回動する小舵軸と、前記小舵軸を軸として回動する小
旋回用舵と、前記小舵軸又は前記小旋回用舵に基端側を固定され先端側を前記小旋回用舵
の前端側に向けて小旋回用舵の平面視長手方向に延びるスライドバーと、前記主舵軸の後
方の船底に設けられ甲板に垂直な方向に延びる枢軸とを備え、前記スライドバーが前記枢
軸に対して摺動可能にかつ前記枢軸まわりに回動可能に前記枢軸に連結されることで前記
小旋回用舵が前記枢軸の方を向くように構成された複合舵であって、
前記枢軸に固定されるとともに前記枢軸回りに回動する鞘管を備え、
前記スライドバーは、前記鞘管内を摺動するよう構成されるとともに、基端側に下方かつ先端側へ折り返す折返し部分を有し、この折り返し部分の少なくとも一部が小舵軸について前記スライドバーの先端側と逆側に突出しており、
前記鞘管は、後端が前記小舵軸を超えて後方まで延出していることを特徴とする複合舵。
【請求項2】
前記鞘管は、前端部が前記スライドバーの先端を常時収容する長さだけ前記枢軸から前方へ延出している請求項1に記載の複合舵。
【請求項3】
前記主舵は、側面視で前記主舵軸の軸芯より前側部分と後側部分の側面積の比が5:5
である請求項1又は請求項2に記載の複合舵。
【請求項4】
前記小旋回用舵は、側面視で前記小舵軸の軸芯より前側部分と後側部分の側面積の比が
6:4である請求項1から請求項3に記載の複合舵
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主舵と、主舵に連動し船が小半径で旋回することを補助する小旋回用舵とを備えた複合舵に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、船の小旋回を可能とする複合舵の開発に取り組んでおり、特許文献1においてかかる複合舵を提案している。特許文献1の複合舵は、主舵の後方に設けられた小旋回用舵が、主舵の回動に連動して主舵の舵軸(以下単に「主舵軸」)回りに遊星状に回動することで主舵と等角度傾くことに加え、小旋回用舵に固定されて小旋回用舵と共に小舵軸回りに回動するスライドバーの先端部が、主舵軸の後方の船底に設けられた枢軸に対しスライド可能にかつ回動可能に枢軸に拘束されることで、小旋回用舵の先端が強制的に枢軸の方を向くように構成されているため、平面視で舵軸と小舵軸とを結ぶ直線と、平面視で小舵軸と枢軸とを結ぶ直線とのなす角の分だけ主舵よりもさらに大きく回動する。このため、主舵の回動角度以上にスクリューからの水流を大きく方向転換させることができ、こうして船の旋回半径を小さくすることを可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−269754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の小旋回用舵は、船の前後方向に対し90度程度まで傾けることができるが、それ以上傾けるとスライドバーが枢軸のガイド孔から抜けてしまうため、本発明者は、スライドバーを長くしてガイド孔から抜けなくするよう試みた。しかし、スライドバーをあまりに長くするとスライドバーの先端が主舵軸に当たってしまうという不都合が生じた。
【0005】
一方で、スライドバー表面には、フジツボやカキ殻が付着して、スライドバーがスムーズに摺動しなくなり、舵の操作に支障をきたすという不都合も有った。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、主舵にぶつからないような短いスライドバーを用いても、スライドバーが枢軸から抜け落ちず、より大きく小旋回用舵を傾けることが可能で、かつスライドバーの表面にフジツボやカキ殻が付着することを抑制可能な複合舵の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、船底に設けられる主舵軸と、前記主舵軸を軸として回動する主舵と、前記主舵の回動と一体的に前記主舵軸回りに遊星状に回動する小舵軸と、前記小舵軸を軸として回動する小旋回用舵と、前記小舵軸又は前記小旋回用舵に基端側を固定され先端側を前記小旋回用舵の前端側に向けて小旋回用舵の平面視長手方向に延びるスライドバーと、前記主舵軸の後方の船底に設けられ甲板に垂直な方向に延びる枢軸とを備え、前記スライドバーが前記枢軸に対して摺動可能にかつ前記枢軸まわりに回動可能に前記枢軸に連結されることで前記小旋回用舵が前記枢軸の方を向くように構成された複合舵であって、前記枢軸に固定されるとともに前記枢軸回りに回動する鞘管を備え、前記スライドバーは、前記鞘管内を摺動するよう構成されるとともに、基端側に下方かつ先端側へ折り返す折返し部分を有し、この折り返し部分の少なくとも一部が小舵軸について前記スライドバーの先端側と逆側に突出しており、前記鞘管は、後端が前記小舵軸を超えて後方まで延出していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る複合舵では、このように、スライドバーが枢軸回りに回動する鞘管内を摺
動するようにしたので、枢軸から小旋回用舵の方へ鞘管が延びる長さだけ小舵軸と枢軸の
距離を離すことが可能となるため、より大きく小舵軸を傾けることが可能となる。
【0009】
前記スライドバーは、基端側に下方かつ先端側へ折り返す折り返し部分を有し、この折り返し部分の少なくとも一部が小舵軸について前記スライドバーの先端側と逆側に吐出している。かかる折り返す部分を有することで、鞘管を小舵軸の後方まで伸ばすようにできたので、スライドバーが鞘管内を摺動する距離を長くすることができ、より小旋回用舵を大きく傾けることができる。
前記鞘管は、前端部が前記スライドバーの先端を常時収容する長さだけ前方へ延出していることが好ましい。こうすることで、スライドバーの表面を鞘管で覆うためスライドバー表面にフジツボやカキ殻が付着することを抑制することができる。
【0010】
前記主舵は、側面視で前記主舵軸の軸芯より前側部分と後側部分の側面積の比が5:5であることが好ましい。こうすることで、スクリュー後流により主舵の前側部分に加わる水圧と後側部分に加わる水圧とのバランスが取れるため、舵軸のねじれを抑制することができる。
【0011】
前記小旋回用舵は、側面視で前記小舵軸の軸芯より前側部分と後側部分の側面積の比が6:4であることが好ましい。こうすることで、スクリュー後流により主舵の前側部分に加わる水圧と後側部分に加わる水圧とのバランスを取りながら、舵を傾けた際に、主舵と小旋回用舵との間の間隙を大きくして、より多くのスクリュー後流に当該間隙を通過させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の複合舵によれば、小旋回用舵を大きく傾けることができるため、より小さな半径で船を旋回させることができる。また、スライドバーにフジツボやカキ殻が付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一の実施形態に係る複合舵を示した側面図である。
図2】本発明の一の実施形態に係る複合舵の枢軸周辺を示した要部背面図である。
図3】本発明の一の実施の形態に係る複合舵の(a)スライドバー及び鞘管を示した斜視図、(b)スライドバーの側面図、及び(c)スライドバーの平面図である。
図4】本発明の一の実施形態に係る複合舵の作用を示す説明図である。
図5】従来の双暗車と本発明の複合舵の作用を比較した説明図である。
図6】本発明の一の実施形態に係る複合舵を備えた船の離岸する様子を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について詳述する。図1は、本発明の一実施形態に係る複合舵1を示している。複合舵1は、主舵軸2と、主舵3と、小舵軸4と、小旋回用舵5と、スライドバー6と、枢軸部7と、鞘管8とを主に備える他、主舵3及び小旋回用舵5を挟んで上下に一対の整流板91,92を備えている。
尚、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
【0015】
主舵3は、図1に示すように、船の後端部で船底Bとキール後端のシューピースKに支持された主舵軸2を軸として回動するよう設けられている。主舵3は、図4に示すように平面視で長方形状を有する上下一対の整流板91,92の幅方向の中心線L1上に固定されており、舵を切ると主舵3と整流板91,92とが一体的に主舵軸2回りに回動するよう構成されている。主舵3は、図1に示すように、主舵軸2の軸線2aを挟んで前側部分の面積m1と後側部分の面積m2の比が5:5に設けられている。
【0016】
主舵3の先端の上下部分は、図1に示すように、整流板91,92の振動を抑えるために、側面視略三角形状のリブ状部分3a,3bが設けられており、また、整流板91,92の幅方向の両端辺には、効果的にスクリュー後流を整流して操舵性を向上させるため、互いの整流板の間となる内向きに折り返されたフランジ部91a,92aが設けられている。
【0017】
小舵軸4は、図4に示すように、中心線L1上の主舵軸2の後方(図4の下側)で、整流板91,92に対し回転可能に整流板91,92に支持されている。小舵軸4は、このように、主舵軸2と一体的に回動する整流板91,92に軸支されることで、主舵軸2及び整流板91,92と一体的に、かつ主舵軸2回りに遊星状に回動するよう構成されている。
【0018】
小旋回用舵5は、小舵軸4を軸として回動するよう設けられ、側面視における小舵軸4の軸線4a(図1参照)より前側となる部分の面積m3と後側となる部分の面積m4が、概ね6対4となるよう形成されている。
【0019】
スライドバー6は、図3に示すように、鞘管8に対し摺動する摺動部6aと、摺動部6aの基端側で下方かつ先端側へ折り返す折り返し部6bとを有し、ステンレス鋼製の丸棒を曲げ加工して形成されている。スライドバー6は、図1及び図4に示すように、摺動部6aが小旋回用舵5の平面視長手方向に延びるように、かつ折り返し部6bが小舵軸4よりもスライドバー6の先端と逆側に突出するようにして小舵軸4に固定されている。
【0020】
枢軸部7は、図1及び図4に示すように、船の前後方向について、主舵軸2の後方の船底Bに設けられている。詳細には、図2に示すように、枢軸部7は、C型鋼から形成され船艇Bに溶接で固定された軸受部72に、ボルト(特許請求の範囲における枢軸、以下「枢軸」ともいう。)73及びナット74を介して、C型鋼から形成された鞘管支持部材71を連結することにより形成されている。ボルト(枢軸)73は、ナット74が閉まりすぎて鞘管支持部材71が回動しなくなることを防止するために、軸部基端側と先端のネジ部の間にナットを係止するための段差のあるものが用いられている。尚、図中75a,75bは丸ワッシャーを、76はバネワッシャーを示している。
【0021】
鞘管8は、ステンレス鋼管により形成され、図3(a)に示すように、C型鋼からなる鞘管支持部材71の一対の側壁を貫通するように鞘管支持部材71に固設されている。
【0022】
次に、複合舵1の作用について説明する。図4において実線部分は、主舵3を取舵側へα度だけ傾けた様子を示している。主舵3及び主舵3に固定された整流板91,92(図4では整流板91は表れず。)が一体的に主舵軸2回りにα度だけ回動すると、主舵3の後方(図4では下側)で整流板91,92に軸支された小舵軸4及び小旋回用舵5は、主舵軸3の回りにα度だけ遊星状に回動する。ここで、小舵軸4に固定されたスライドバー6の先端部が枢軸部7に拘束されているため、小旋回用舵5の先端が強制的に枢軸部7に向けられる。こうして、小旋回用舵5は、主舵の中心線L1と、小舵軸4と枢軸73とを結ぶ直線L2のなす角β度だけさらに回動する。即ち小旋回用舵5は、図4に示すように、船の前後方向(図4における上下方向)に対し、(α+β)度だけ傾くことになる。
【0023】
ここで、スライドバー6は、鞘管8内を摺動するよう設けたことにより枢軸73との連結が外れにくいため、小旋回用舵5をより大きく傾けることができ、例えば主舵3を50度程度傾けて小旋回用舵を100度程度傾けることが可能となる。
【0024】
また、主舵3は、図1に示すように、主舵軸2の軸線2aを挟んで前側部分の面積m1と後側部分の面積m2の比が5:5に設けられているため、スクリューSの後流により主舵3の前後に加わる力を均等にして主舵軸2に加わるねじれを軽減することができる。そして、小舵軸4の軸線4aより前側となる部分の面積m3と後側となる部分の面積m4の比が概ね6対4となるよう形成されているため、スクリュー後流により小舵軸4に加わる捩じれを抑制するとともに、図4に示すように、主舵3と小旋回用舵5の間を大きく離間させて、主舵3の後側を通るスクリュー後流F2を主舵3と小旋回用舵5の間へ通すことができ、主舵3の前後を通るスクリュー後流F1,F2の両方を小旋回用舵5に衝突させられるため、より小さい半径で船の旋回を行うことができる。
【0025】
本発明に係る複合舵1の効果を、従来の舵と比較しながら説明すると、例えば、図5(a)に示すような左右のスクリューS1,S2を逆回転させて船に小半径旋回をさせる双暗車では、例えば、船を右へ旋回させる場合、左側のスクリューS1から後方へ水流C1を送り出し、右側のスクリューS2から前方へと水流C2を送り出す。ここで、船を後進させる向きに回転するスクリューS2による水流C2が、船の中心線に沿って平行に流れて船の旋回を妨げるため、船の旋回半径が大きくなる。また双暗車を備えた船では、図5(a)に示すように、旋回軸P1が左右のスクリューの間、つまり船の後部にあるため、船首の旋回軸P1回りの振れが大きくなる。これに対し、図5(b)に示すように、本発明の複合舵1では、主舵3を50度傾けると小旋回用舵4は概ね100度傾き、スクリュー後流C3は、船の下側を通過せず、船の外側かつ前方へ向かうこととなる。また、本発明の複合舵1では、図5(b)に示すように、旋回軸P2は、船の長さ方向の概ね中心にできるため旋回軸P2回りの船首の振れを小さくすることができ、効率よく船に小半径の旋回をさせることができる。ここで、本実施形態では、主舵3及び小旋回用舵5の上下に設けられた一対の整流板91,92により、スクリュー後流が整流されるため、より安定した操舵を行うことができる。
【0026】
また、本発明の複合舵1を用いた船は、離岸する場合にも大きな効果を発揮する。左舷側が接岸した船を離岸させる場合、図6(a)に示すように、主舵3を面舵一杯50度程度(小旋回用舵5が100度程度)傾けるよう操舵してクラッチレバー(不図示)を前進側へ入れてアクセルレバー(不図示)を少しずつ前へ押し上げる操作をすればよい。すると、右方へ送出されるスクリュー後流C3により、船体保護用のペンドルQを介して岸壁Wに当接した左舷の後端部を中心に、船首が右へと旋回する。前方に障害物が無ければ、20度から30度程度船首が離岸したところで舵を元に戻し前進して出港すればよい。
【0027】
前方に障害物が有る場合は、図6(b)に示すように、船尾から離岸すればよい。主舵3を取舵一杯50度程度(小旋回用舵5を100度程度)傾けるよう操舵して、クラッチを前進方向に入れてアクセルレバーを徐々に押し上げれば、左舷の船首側がペンドルQを介して岸壁Wに当接した部分を中心に、岸W側へ向かうスクリュー後流C3により船尾側が旋回して離岸する。岸壁Wから船尾側が20度から30度離岸したところでアクセルレバーをスローに戻し、舵を元に戻す。そして、チェンジレバー(不図示)を後進側に入れアクセルレバーを少しずつ上げて後進するようにして離岸すればよい。
以上、船首側から離岸する場合も船尾側から離岸する場合も、離岸が終了した後は、面舵、取舵、自由に操舵して出港することができる。
【0028】
本発明の複合舵は、上記の実施形態に限られるものではなく、整流板は、両端部にフランジ部を有さなくともよい。また、小舵軸が主舵と一体的にかつ主舵軸の回りに遊星状に回動するよう構成されていれば、整流板を省略することもできる。スライドバーは、折り曲げ部を有さなくともよいし、枢軸部は枢軸を甲板に垂直に軸支できれば、上記以外の公知の構造を適宜選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の複合舵は、小半径で旋回する必要の有る船や、船首側を離岸させるためのサイドスラスターを備えない船に好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 複合舵
2 主舵軸
2a 主舵軸の軸芯
3 主舵
4 小舵軸
4a 小舵軸の軸芯
5 小旋回用舵
6 スライドバー
6a 折り返し部分
73 枢軸(ボルト)
8 鞘管
B 船底
図1
図2
図3
図4
図5
図6