(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
取り外し可能な鉢を採用する熱処理システムとともに使用するためのドレープデバイスであって、前記熱処理システムは、前記鉢を受け取る容器と、前記容器内に配置されるアイテムを加熱する加熱器と、リミットスイッチとを備え、前記リミットスイッチは、前記容器内に配置されているアイテムを識別すると前記加熱器を作動させるように動作可能であり、前記ドレープデバイスは、
前記熱処理システムの前記鉢内に配置されると前記鉢の少なくとも一部分に適合する可撓性材料を備えるドレープであって、前記ドレープは、前記鉢内で流体および他のアイテムを受け取り、保持するドレープ状の入れ物を含み、前記ドレープ上に配置されたアイテムと前記鉢との間に障壁を提供する、ドレープと、
前記ドレープ状の入れ物と同じ位置にある係合構造であって、前記係合構造は、前記ドレープデバイスが前記熱処理システム上に位置付けられたときに前記ドレープを係合するように構成され、前記係合構造は、前記熱処理システムの操作中に前記ドレープ状の入れ物を前記鉢内に固定するよう、前記熱処理システムの前記鉢の底部の内面および前記ドレープと係合するように構成される、係合構造と
を備え、
前記熱処理システムの前記リミットスイッチは、前記容器の中へ突出する細長い部材を含み、前記鉢は、前記鉢が前記容器内で提供されたときに前記加熱器の作動を容易にするよう、前記細長い部材を受け取り、前記細長い部材と係合する前記鉢の外底壁面に沿って配置されるウェルを含み、前記係合構造は、前記ウェルを画定する前記鉢の内部突出底壁面部分と係合する前記ドレープの表面上に配置されるウェル固定構造を備える、ドレープデバイス。
前記鉢は、前記熱処理システムの前記容器内での前記鉢の選択された整列を容易にする前記鉢の内面上に配置される整列チャネル部を含み、前記係合構造は、前記鉢の前記整列チャネル部と係合する前記ドレープに取り付けられる固定部材を備える、請求項1に記載のデバイス。
前記鉢は、前記鉢の上縁に配置される周縁部と、前記周縁部に沿って離間した場所に配置される複数の支柱とを含み、前記係合構造は、前記支柱に固定可能である締結具を備える、請求項1に記載のデバイス。
取り外し可能な鉢およびドレープデバイスを採用する熱処理システムを利用してアイテムを熱処理する方法であって、前記熱処理システムは、前記鉢を受け取る容器と、前記容器内に配置されたアイテムを加熱する加熱器と、リミットスイッチとを備え、前記リミットスイッチは、前記容器内に配置されているアイテムを識別すると前記加熱器を作動させるように動作可能であり、前記リミットスイッチは、前記容器内へ突出する細長い部材を含み、前記ドレープデバイスは、ドレープと、係合構造とを備え、前記ドレープは、可撓性材料を備え、前記方法は、
(a)前記係合構造が前記鉢を係合するように前記熱処理システム内で前記係合構造を受け取るステップであって、ステップ(a)はさらに、(a.1)前記鉢が前記容器内に提供された後に前記係合構造を前記鉢の底部の内面に固定するステップを含み、前記鉢は、前記鉢が前記容器内で提供されたときに前記加熱器の作動を容易にするよう、前記細長い部材を受け取り、前記細長い部材と係合する前記鉢の外底壁面に沿って配置されるウェルを含み、前記鉢の前記ウェルは、前記鉢内で内部突出底壁面部分を形成し、前記係合構造は、前記ドレープの表面上に配置されるウェル固定構造を備え、ステップ(a.1)はさらに、
(a.1.1)前記ドレープの前記ウェル固定構造を、前記鉢の前記内部突出底壁面部分に固定するステップを含む、ステップと、
(b)前記ドレープが前記係合構造を係合するように前記熱処理システムの前記鉢内で前記ドレープを受け取るステップであって、前記鉢内の前記ドレープは、前記鉢内で流体および他のアイテムを受け取り、保持するドレープ状の入れ物を含み、前記ドレープ上に配置されたアイテムと前記鉢との間に障壁を提供し、前記係合構造は、前記ドレープ状の入れ物と同じ位置にある、ステップと、
(c)前記リミットスイッチの操作および前記加熱器の作動のときに、少なくとも1つのアイテムを熱処理するよう、前記鉢内の前記ドレープ上で前記少なくとも1つのアイテムを受け取るステップと
を含む方法。
前記鉢は、前記熱処理システムの前記容器内での前記鉢の選択された整列を容易にする前記鉢の内面上に配置される整列チャネル部を含み、前記係合構造は、前記ドレープに取り付けられる固定部材を備え、ステップ(a.1)はさらに、
(a.1.2)前記ドレープの前記固定部材を、前記鉢の前記整列チャネル部に固定するステップを含む、請求項8に記載の方法。
前記鉢は、前記鉢の上縁に配置される周縁部と、前記周縁部に沿って離間した場所に配置される複数の支柱とを含み、前記係合構造は、前記支柱と対応する締結具を備え、ステップ(a.1)はさらに、
(a.1.2)前記係合構造の前記締結具を、前記鉢の前記支柱に固定するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の実施形態によって採用されてもよい例示的熱処理システムが、
図1に示されている。最初に、熱処理システムは、米国特許第7,128,275号(Kammerら)において開示されたタイプから成ってよく、その開示全体が本明細書に参考として援用される。具体的には、流体加温システム100は、加温容器3と、容器3内の取り外し可能または使い捨ての鉢4と、リミットスイッチ6、7と、加熱器12と、流体温度制御器20とを含む。無菌流体8は、取り外し可能な鉢4内に配置され、鉢は、容器3の中に突出する(例えば、
図1に見ることができる通り、容器3の底壁の場所で)温度センサまたは熱電対16を受け取る、一体型熱電対ウェル14を含む。加熱器12は、鉢4および流体8へと移される容器3に、熱を選択的に加える。流体加温システムはさらに、主電源またはオン/オフスイッチ36を含み、故障した制御システムに対する2次的保護を提供する、機械式サーモスタット34(例えば、バイメタル式サーモスタット)を含んでもよい。機械式サーモスタットは、加熱器の温度が設定温度を超えた時に、加熱器を停止させるスイッチとして機能する。
【0018】
改良された外科用ドレープ10は、鉢4の上周縁部および/または鉢の外壁に接続され、鉢は外科用ドレープの穴を介して下へ延びる。ドレープ10と鉢4との間の相互作用は、単純な締まり嵌めによって実装されてもよく、鉢はドレープの穴の中へ挿入され、かつドレープの鉢への取り付けを促進し、無菌フィールドを十分に維持するように、ドレープを伸ばす。あるいは、ドレープは、鉢の外壁または鉢周縁部の裏面へ結合されてもよい。
【0019】
表示ランプ28、32は、流体の温度状態を示すように、ドレープを介しても目で見ることができ、遠くからも視認できる。表示ランプ28は、目標温度に到達する液体温度の表示、またはその目標温度のある許容範囲内の温度を伝える。対照的に、表示ランプ32は、流体加温システムへの電力の有無(例えば、主要であるオン/オフスイッチ36の閉鎖)、および目標温度のある許容範囲内ではない流体温度を示す。表示ランプ32は通常、リミットスイッチ6、7が、鉢が以下のような状態で存在すると示さない限り、照明されない。
【0020】
流体温度センサまたは熱電対16は、熱電対ウェル14と熱的に、および流体温度制御器20と電気的に接触して配置される。流体温度制御器を加熱器12で使用される電流から隔離するため、ソリッドステートリレー24が、効果的にスイッチを閉鎖し、加熱器へ電流を提供するために、流体温度制御器からの制御信号を解釈するように使用される。制御器20は、加熱器の温度検出器18によって測定された加熱器12の温度の設定ポイントを変更する。ユーザは、入力キー30の使用によって、流体の目標温度26を変えてもよい。流体の目標温度および現在温度は、表示部22上に表示されてもよい。最大温度は、無菌流体が比較的目標温度に近づくまで、加熱器に対する設定温度として使用される。無菌流体の温度が目標温度に接近すると、加熱器の設定ポイントは下げられ、そのため無菌流体の温度上昇率は緩やかになる。
【0021】
流体加温システム100用の例示的鉢4が、
図2に示されている。具体的には、鉢4は、その上に配置される一連の実質的に円筒形の支柱または結節118を伴う周縁部104、底壁108、側壁112、および底壁と側壁との間に配置される傾斜リング116を含む。熱電対ウェル14は、鉢の底壁108の中に画定され、一方整列チャネル120は、底壁108および側壁112の一部の交差点に存在する。特に、熱電対ウェル14は、熱電対16を受け取る外底壁面部分上に、空洞またはウェルを画定する鉢4の内部突出底壁面部分を含む。整列チャネルは、流体加温システムに対して鉢を並べるのに役立つように、流体加温システムの対応するリッジを覆って嵌合する。これによって、熱電対16を熱電対ウェル14の締まり嵌めの中に付勢することが可能となる。
【0022】
鉢のリミットスイッチ6、7(
図1)により、加熱器が作動可能となる適切な条件が揃うまで、電力が加熱器12に到達するのを防止する。鉢のリミットスイッチは基本的に、取り外し可能な鉢の不在および対応するウェルのない鉢の使用を検出する。
図3−4を参照すると、加熱器12は、加熱器12から容器3へ熱を提供する、加熱器のプレートまたは導電性材料68を含むか、あるいはそれに連結される。熱電対または温度センサ16は、加熱器のプレート68を介し容器3の中へ突出する。温度センサ16はさらに、リミットスイッチ6に連結される。鉢4が適切に容器3(
図4)に配置される時に、熱電対ウェル14は熱電対16と並び、それを受け取る。熱電対は、鉢のリミットスイッチ6を閉鎖し、加熱器12が容器3を加熱できるように、熱電対ウェル14によって十分に移動する。
【0023】
リミットスイッチ7の実施形態が、
図5A−5Bに示されている。具体的には、リミットスイッチ7は、リミットスイッチアクチュエータ62によって囲まれる熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68を含む。導電性材料により、導電性材料68の下に配置される加熱器12から、鉢4の底へ熱が伝えられる。熱電対16は、リミットスイッチガイド64および絶縁地帯66によって、導電性材料68の温度から実質的に隔離される。鉢4が熱電対16と並ぶ熱電対ウェル14付きの容器3に配置される時に、鉢はリミットスイッチアクチュエータ62を押し下げる。リミットスイッチアクチュエータは、適切な鉢が定位置にあることを示し、加熱器12が容器3を加熱することを可能とするために、リミットスイッチ7を作動させるように、熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68に対して下方へ移動する。
【0024】
流体加温システム100はさらに、加温用の無菌流体を包含する外科用ドレープデバイスを利用してもよい。外科用ドレープデバイスは、以下の通り、取り外し可能な鉢4付きまたはそれなしで利用されてもよい。鉢4(およびドレープ10)なしの流体加温システム100において、外科用ドレープデバイスを利用するために、リミットスイッチ6、7は、加熱器12が容器3を加熱するのを可能とするように、起動される必要がある。したがって、起動部材48は、
図6A−6Bに示す通り、リミットスイッチ6(
図3−4)を起動するように採用されてもよい。具体的には、起動部材48は、基部41および被覆部材43を含む。基部41は概して環状であり、そこを介して画定される開口部45を含む。被覆部材43は概して半球状であり、基部開口部45と実質的に同じ場所にある基部41に取り付けられる。被覆部材43は、熱電対16による穿刺を防止する、好適な耐久性材料(例えば、プラスチック等)から構築される。起動部材はあるいは、被覆部材(例えば、基部41なし)によって実装されてもよい。起動部材の重量は、加熱器12(
図1)が容器3のドレープによって包含される無菌流体を加熱するのを可能とするように、熱電対16を押し下げ、リミットスイッチ6を作動させるのに十分である。
【0025】
起動部材は最初に、加熱器のプレート68上に配置される基部41と、加熱器のプレート開口部(
図6B)と実質的に同じ場所にある基部の開口部および被覆部材とを伴う容器3に配置される。被覆部材43は、リミットスイッチ6を起動させるように、熱電対16を受け取る。特に、熱電対の遠位端は、被覆部材43の上端を係合する。被覆部材の上端により、リミットスイッチ6を起動させるように、熱電対は下方に付勢される。被覆部材は、このように熱電対16を移動させるのに十分な重量および寸法(例えば、熱電対の突起より少ない)を含んでもよく、あるいは、ドレープ状の入れ物内のドレープおよび/または無菌流体の重量により、熱電対の移動のための重量が提供されてもよい。加えて、被覆部材は、好ましくは、被覆部材(およびドレープ)を介する熱電対による、無菌流体の温度測定を可能とする、好適な材料(例えば、プラスチック材料、伝導性材料等)で構成および/または構築される。
【0026】
起動部材48がリミットスイッチ6を起動させるように位置付けられると、ドレープ15は、ドレープ状の入れ物の中で無菌流体を加温し、上記の通り無菌フィールドを提供するように、流体加温システムを覆っておよび容器3内に配置されてもよい(
図1)。具体的には、流体加温システム100(取り外し可能な鉢4およびドレープ10なし)において使用するための無菌ドレープ15(
図6B)は、好ましくは透明で、通常無菌フィールド(
図1に見られる通りドレープ10に類似)を提供するように、流体加温システム100の上面および側面を覆って配置される。ドレープ15の一部分は、加熱された容器3に配置され、加熱されその中に置かれる無菌流体用の、無菌の入れ物または容器として機能する。ドレープ15は、無菌流体に対して不浸透性で、容器の壁に適合するのに十分柔軟で可撓性のある材料から成る。ドレープの厚さは、好ましくは、そこを介して最も効率的に熱伝達を与えるように最小化されるが、厚さは通常の使用中の裂傷および穿刺に耐えるのには十分である。ドレープは、外科用ドレープのために病院で共通して使用される材料から成ってもよく、単なる一例として、およそ4.5ミリから6.0ミリの厚さを有する。しかしながら、ドレープは、任意の望ましい厚さを有してもよい。ドレープ15はまた、米国特許第4,934,152号(Templeton)のドレープに関して開示される通り、ポリウレタン膜から成ってもよく、その開示全体が本明細書に参考として援用される。加えて、ドレープは、容器内の流体の有無および/またはドレープの漏れの存在を検出する、センサを含んでもよい。これらのタイプのドレープの例は、米国特許第6,810,881号(Faries,Jr.ら)、第6,910,485号(Faries,Jr.ら)、および第7,176,030号(Faries,Jr.ら)で開示され、その開示全体が本明細書に参考として援用される。起動部材は無菌フィールドの外(例えば、ドレープの真下)に配置されているため、使用ごとに起動部材を無菌化する必要はない。
【0027】
あるいは、ドレープは、実質的に上記と同じように、ドレープを介してリミットスイッチを起動させるように、リミットスイッチ6と実質的に同じ場所にある、ドレープの無菌面(例えば、無菌フィールド内)上に配置される起動部材48を伴う流体加温システムを覆って配置されてもよい。起動部材が無菌フィールド内(例えば、ドレープの上方)に配置されるため、起動部材は使用ごとに無菌である必要がある。したがって、起動部材は、1回の使用後に使い捨てにするように設計されてもよく、好ましくは、事前に無菌化され、保管中にその無菌状態を保つように事前に包装されて提供されてもよい。起動部材はさらに、各使用前に無菌化を可能とする好適な材料(例えば、プラスチック、ゴム等)から構築されてもよい。
【0028】
起動部材48は、
図6Cに示す通り、流体加温システム100内での無菌流体の加温を可能とするように、本発明の実施形態に従い、ドレープに取り付けられてもよい。具体的には、ドレープ15は
図6B用の上記ドレープに実質的に類似し、起動部材48の形態のセンサ容器42を含む。起動部材は、上記の通り、基部41および被覆部材43各々を含む。基部41は通常、ドレープの無菌面に取り付けられ、ドレープ15は、基部開口部45と実質的に同じ場所にある開口部47を含む。起動部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。基部は、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、ドレープに密封される。起動部材48はさらに、ドレープ15の裏面または非無菌面に取り付けられてもよく、ドレープは起動部材(例えば、ドレープ開口部なし)を被覆する。あるいは、基部41は、ドレープ開口部を介しドレープの無菌面を越えて延びる被覆部材41を伴う、ドレープの非無菌面に取り付けられてもよい。この場合、ドレープは、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、センサ容器周辺で密封される。加えて、ドレープ15は、基部41なしの起動部材48を含んでもよく、被覆部材43は、
図6Dに示す通り、ドレープ開口部47と実質的に同じ場所にある(および/またはドレープ開口部47を介する)、ドレープの無菌(および/または非無菌)面に取り付けられる。ドレープは、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、被覆部材周辺で密封される。被覆部材43は、以下に説明する通り、リミットスイッチ6を起動させるために、熱電対16を受け取り、下方へ十分に移動させるように構成される。センサ容器は、熱電対16による穿刺からドレープを保護し、さらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0029】
センサ容器42付きドレープ15の操作は、
図6Eを参照のうえ説明される。具体的には、ドレープ15は通常、ドレープ状の入れ物を形成するように、容器3に配置されるセンサ容器42を含むドレープの一部分を伴う、流体加温システム100の上空に位置付けられる。ドレープは、ドレープ状の入れ物に配置される無菌培地または流体の無菌状態を維持するように、容器の上方に無菌フィールドを形成する。センサ容器42は、加熱器プレート68を介して突出する熱電対16と実質的に同じ場所に位置付けられ、その中で熱電対を受け取る。センサ容器42は、リミットスイッチ6を起動させ、加熱が可能となるように、熱電対16を受け取り、それを下方に十分移動させるように構成される。特に、熱電対の遠位端は、センサ容器の中に挿入する時に、センサ容器42の上端(例えば、被覆部材の上面)を係合される。センサ容器の上端は、リミットスイッチ6を起動させるように、熱電対を下方へ付勢する。被覆部材は、このように熱電対16を移動させるのに十分な重量および寸法を含んでもよいか、あるいはドレープ状の入れ物内の無菌流体の重量により、上記の通り、熱電対の移動のための重量が提供されてもよい。加えて、被覆部材は、好ましくは、センサ容器42内に挿入される時に、熱電対による無菌流体の温度測定を可能とする好適な材料(例えば、プラスチック材料、伝導性材料等)で構成および/または構築される。
【0030】
プレートは、
図6Fに示される通り、本発明の実施形態に従い、センサ容器42を提供するように、ドレープの非無菌面に固定されてもよい。具体的には、ドレープ15は
図6B用の上記ドレープに実質的に類似し、ドレープの裏面または非無菌面に取り付けられるプレート46を含む。プレートは、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。プレートは概して円形であり、プレートの中に画定されるチャネル52の形態のセンサ容器42を含んでもよい。チャネル(および/またはプレートの厚さ)は、リミットスイッチ6を起動させるように、熱電対16を受け取り、それを移動させるのに十分な寸法を有する。
【0031】
あるいは、センサ容器42は、プレートおよび/またはドレープの無菌面に取り付けられる、上記の被覆部材43を含んでもよい。起動部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、プレートおよび/またはドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。この場合、プレート46は、そこを介して画定され、ドレープ開口部47と並ぶ、開口部49を含む。被覆部材43は、ドレープおよびプレート開口部47、49と実質的に同じ場所にある、プレートおよび/またはドレープの無菌面に取り付けられる。被覆部材43は、プレートおよびドレープ開口部を介する熱電対16を受け取り、かつ以下の通りリミットスイッチ6を起動させるために、熱電対を下方に移動させるのに十分な寸法を含む。被覆部材は、あるいは、センサ容器を被覆するドレープ(開口部47なし)付きの開口部49と、実質的に同じ場所にあるプレートに取り付けられてもよい。プレートおよび/またはセンサ容器は、熱電対16による穿刺からドレープを保護し、かつさらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0032】
プレート46付きのドレープ15の操作は、
図6Gを参照のうえ説明される。具体的には、ドレープ15は通常、ドレープ状の入れ物を形成する容器3に配置されるセンサ容器42(およびプレート46)を含む、ドレープの一部分を伴う流体加温システム100の上空に位置付けられる。ドレープは、ドレープ状の入れ物に配置される無菌培地または液体の滅菌状態を維持するように、容器の上方に無菌フィールドを形成する。センサ容器42は、その中で熱電対を受け取るように、加熱器プレート68を介して突出する熱電対16と実質的に同じ場所に位置付けられる。センサ容器42は、リミットスイッチ6を起動させて、加熱を可能とするように、熱電対16を受け取り、それを下方へ十分移動させるように構成される。特に、熱電対の遠位端は、センサ容器の中へ挿入する時に、センサ容器42の上端(例えば、被覆部材またはプレートのチャネルの上表面)を係合する。センサ容器の上端は、リミットスイッチ6を起動させるように、熱電対を下方へ付勢する。被覆部材および/またはプレートは、このように熱電対16を移動させるのに十分な重量および寸法を含んでもよく、あるいは、ドレープ状の入れ物内の無菌流体の重量により、熱電対の移動のための重量が提供されてもよい。加えて、プレートおよび被覆部材は、好ましくは、センサ容器42内に挿入される時に、熱電対による無菌流体の温度測定を可能とする、好適な材料(例えば、プラスチック材料、伝導性材料等)で構成および/または構築される。
【0033】
上記ドレープ15はさらに、容器の輪郭に合致するように曲線を付けて作られた、事前に形成された入れ物部分を含んでもよい。事前に形成された入れ物部分は通常、穿刺に耐え、入れ物部分が容器の形を維持することが可能なように、上記ドレープの残り部分よりも厚い。単なる一例として、入れ物部分は、およそ10から16ミリの厚さを有する、重い規格のポリエチレン/イオノマー樹脂の混合物から成ってもよい。混合物におけるイオノマー樹脂の割合は、おおよそ40%から70%の範囲である。この場合、事前に形成された入れ物部分は、上記と実質的には同様にセンサ容器42(および/またはプレート46)を含んでもよい。上記ドレープは、ただ一回の使用後使い捨てるように設計され、かつ事前に無菌化され、保管中にその無菌状態を保つように事前に包装されて提供される。
【0034】
外科用ドレープを鉢4(およびドレープ10)なしの流体加温システムによって利用可能とするために、起動部材44は、
図7A−Bに示される通り、リミットスイッチ7(
図5A−5B)を起動させるように採用されてもよい。具体的には、起動部材44は、そこを介して画定される開口部51付きの、概して環状のリングという形の本体50を含む。起動部材の寸法は、開口部51を介して熱電対16を受け取る間、リミットスイッチアクチュエータ62で支えるには十分である。起動部材本体の重量は、リミットスイッチアクチュエータ62を押し下げるには十分である。リミットスイッチアクチュエータは、熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68に対して下方に動き、加熱器12(
図1)が容器3を加熱できるように、リミットスイッチ7を作動させる。
【0035】
起動部材44がリミットスイッチ7を起動するように位置付けられると、ドレープ15は、ドレープ状の入れ物の中で無菌流体を加温し、上記の通り無菌フィールドを提供するように、流体加温システムを覆って、容器3(
図1)内に配置されてもよい。ドレープは、上記ドレープ15(例えば、
図6B−6D)によって実装されてもよい。センサ容器42を採用するドレープ15の場合には、センサ容器は、温度測定を可能とするように、その中に熱電対を受け取るようにだけ(例えば、熱電対を移動させるように構成されることなく)構成されてもよい。起動部材は無菌フィールドの外(例えば、ドレープの真下)に配置されるため、使用ごとに起動部材を無菌化する必要はない。
【0036】
あるいは、ドレープは、実質的に上記と同じように、ドレープを介してリミットスイッチを起動させるように、リミットスイッチ7と実質的に同じ場所にあるドレープの無菌面(例えば、無菌フィールド内)上に配置される起動部材44付きの流体加温システムを覆って配置されてもよい。センサ容器42(
図6C−6D)を採用するドレープ15の場合には、センサ容器は、好ましくは、起動部材44を、起動部材の開口部51を介して挿入される被覆部材43付きのドレープの無菌面上に配置することが可能となるように構成される。起動部材は無菌フィールド内(例えば、ドレープの上方)に配置されるので、使用ごとに起動部材を無菌にする必要がある。したがって、起動部材は、1回の使用後に使い捨てにするように設計されてもよく、好ましくは、事前に無菌化され、保管中にその無菌状態を保つように事前に包装されて提供されてもよい。起動部材はさらに、各使用前に無菌化を可能とする好適な材料(例えば、プラスチック、ゴム等)から構築されてもよい。
【0037】
起動部材44は、
図7C−7Dに示す通り、流体加温システム100内での無菌流体の加温を可能とするように、本発明の実施形態に従い、ドレープ15に取り付けられてもよい。具体的には、ドレープ15は
図6B用の上記ドレープに実質的に類似し、センサ容器42を含む。センサ容器は、上記の通り、起動部材44および被覆部材43各々を含む。起動部材44は通常、ドレープの非無菌面に取り付けられ、ドレープ15は、起動部材の開口部51と実質的に同じ場所にある開口部47を含む。起動部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。被覆部材43は、起動部材の開口部51と実質的に同じ場所にある起動部材44に取り付けられ、ドレープ開口部47を介しドレープの無菌面を越えて延びる。ドレープは、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、センサ容器周辺で密封される。センサ容器は、熱電対16による穿刺からドレープを保護し、さらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0038】
操作では、起動デバイス44付きドレープ15は、ドレープ状の入れ物で無菌流体を加温するように、流体加温システム(
図7D)を覆って、容器3(
図1)内に配置されてもよい。起動部材は、リミットスイッチアクチュエータ62と、開口部51を介し被覆部材43の中へ延びる熱電対16とを支える起動部材本体とともに位置付けられる。起動部材本体の重量は、リミットスイッチアクチュエータ62を押し下げるのに十分である。リミットスイッチアクチュエータは、熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68に対して下方に動き、加熱器12(
図1)が容器3を加熱することを可能とするように、リミットスイッチ7を作動させる。センサ容器42はさらに、ドレープ15の裏面または非無菌面に取り付けられてもよく、ドレープは、実質的に上記と同様に、無菌流体の加熱を可能とするように、センサ容器(例えば、ドレープ開口部なし)を被覆する。あるいは、センサ容器42は、実質的に上記と同様に、無菌流体の加熱を可能とするように、開口部47、51と実質的に並んでいる被覆部材43付きのドレープの無菌面に配置されてもよい。
【0039】
起動部材44を含むプレートは、
図7E−7Fに示される通り、本発明の実施形態に従い、鉢4(およびドレープ10)なしの流体加温システムによるドレープの使用を可能とするように、ドレープの非無菌面に固定されてもよい。具体的には、ドレープ15は
図6B用の上記ドレープに実質的に類似し、ドレープ15の裏面または非無菌面に取り付けられるプレート46を含む。プレートは、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。プレートは概して円形であり、プレートの縁に向かって配置されるセンサ容器42を含んでもよい。センサ容器42は、上記の通りの起動部材44およびプレートの中に画定されるチャネルまたは開口部52を含んでもよい。チャネルは閉じた上端を含み、プレート底面から延びる。起動部材44は、チャネル52と実質的に並んでいる起動部材の開口部51付きの、プレートの裏面に配置される。起動部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、プレートの中に取り付けられるか、または統合されてもよい。チャネル(および/またはプレートの厚さ)は、その中で熱電対16を受け取るのに十分な寸法を有する。
【0040】
センサ容器はさらに、上記の通り、起動部材44および被覆部材43各々を含んでもよい。プレート46は、そこを介して画定されドレープ開口部47と並んでいる、開口部49を含む。起動部材44は、ドレープおよびプレート開口部47、49と実質的に並んでいる、起動部材の開口部51付きのプレートの裏面に配置される。被覆部材43は、開口部47、49、51と実質的に同じ場所にある、プレートおよび/またはドレープの無菌面に取り付けられ、開口部47、49、51を介する熱電対16を受け取る。ドレープは、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、センサ容器周辺で密封される。起動部材および/またはセンサ容器は、熱電対16による穿刺からドレープを保護し、さらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0041】
起動部材がプレート46の裏面に固定されるので、起動部材を含むプレート部分は、わずかに隆起していてもよい。これによって、加熱された容器3(
図1)に配置されるときに、プレートが傾斜した様式に方向付けられる結果となってもよい。したがって、プレート46はさらに、容器3内でプレート46を支持するように、起動部材44に対して対向するプレートの縁に向かって配置される脚部148を含んでもよい。脚部148は容器の底面を係合し、実質的に水平な配向でプレート46を支持および維持するのに適した寸法を含む。脚部は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、プレートの中に取り付けられるか、または統合されてもよい。
【0042】
操作では、プレート46および起動デバイス44付きドレープ15は、ドレープ状の入れ物の中で無菌流体を加温するように、流体加温システム(
図7F)を覆って、容器3(
図1)内に配置されてもよい。プレートは、リミットスイッチアクチュエータ62、および容器底部を係合する脚部148を支える起動部材本体とともに位置付けられる。熱電対16は、開口部51を介してチャネル49の中へ延びる。被覆部材を含むドレープの場合には、熱電対16は、開口部47、49、51を介して被覆部材43の中へ延びる。起動部材本体の重量は、リミットスイッチアクチュエータ62を押し下げるのに十分である。リミットスイッチアクチュエータは、熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68に対して下方に動き、加熱器12(
図1)が容器3を加熱することが可能となるように、リミットスイッチ7を作動させる。プレート46は、あるいは、ドレープ開口部47と実質的に並んでいるチャネル52、開口部49、および/または被覆部材43付きドレープの無菌面に取り付けられてもよい。起動部材は、実質的に上記と同様に、無菌流体の加熱を可能とするように、ドレープを介してリミットスイッチ7を起動させる。
【0043】
リミットスイッチ7用の起動デバイスとして機能するプレートは、
図7G−7Hに示す通り、本発明の実施形態に従い、鉢4(およびドレープ10)なしの流体加温システムによってドレープの使用が可能となるように、ドレープに固定されてもよい。具体的には、ドレープ15は
図7E用の上記ドレープに実質的に類似し、好ましくはドレープ15の裏面または非無菌面に取り付けられるプレート46を含む。プレートは、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、あるいは統合されてもよい。プレートは概して円形であり、上記の通り、プレートの縁に向かって配置されるセンサ容器42を含んでもよい。センサ容器42は、プレートの中に画定されるチャネルまたは開口部52の形態であってもよい。チャネルは閉じた上端を含み、プレート底面から延びる。チャネル(および/またはプレートの厚さ)は、その中で熱電対16を受け取るのに十分な寸法を含む。
【0044】
センサ容器はさらに、上記の通り、被覆部材43を含んでもよい。この場合、プレート46は、そこを介して画定されドレープ開口部47と並んでいる、開口部またはチャネル49を含む。被覆部材43は、開口部47、49と実質的に同じ場所にあるプレートおよび/またはドレープの無菌面に取り付けられ、それらの開口部を介して熱電対16を受け取る。ドレープは、無菌流体がドレープ状の入れ物からドレープ開口部を介して漏れるのを防止するように、センサ容器周辺で密封される。あるいは、被覆部材は、センサ容器を被覆するドレープ付きのプレートに取り付けられてもよい。プレートおよび/またはセンサ容器は、熱電対16による穿刺からドレープを保護し、さらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0045】
操作では、プレート46付きドレープ15は、ドレープ状の入れ物の中で無菌流体を加温するように、流体加温システム(
図7H)を覆って、容器3(
図1)内に配置されてもよい。プレートは、リミットスイッチアクチュエータ62を支えるチャネルに近接するプレート底面部分とともに、チャネル52内で熱電対16を受け取るように位置付けられる。熱電対16は、チャネル52の中へ延びる。被覆部材を含むドレープの場合には、熱電対16は、開口部47、49を介して被覆部材43の中へ延びる。プレートの重量は、リミットスイッチアクチュエータ62を押し下げるのに十分である。リミットスイッチアクチュエータは、熱電対16、リミットスイッチガイド64、絶縁地帯66、および導電性材料68に対して下方に動き、加熱器12(
図1)を有効とするように、リミットスイッチ7を作動させる。プレート46は、あるいは、ドレープ開口部47と実質的に並んでいるチャネル52および/または被覆部材43付きのドレープの無菌面上に配置されてもよい。プレートは、実質的に上記と同様に、無菌流体の加熱を可能とするように、ドレープを介してリミットスイッチ7を起動させる。
【0046】
スイッチアクチュエータ62を係合するプレート部分は、わずかに隆起していてもよいため、プレートは、加熱された容器3(
図1)に配置されるときに、傾斜した様式に方向付けられてもよい。したがって、プレート46はさらに、容器3内でプレート46を支持するように、チャネル52に対して対向するプレートの縁に向かって配置される脚部148を含んでもよい。脚部148は容器の底面を係合し、実質的に水平な配向でプレート46を支持および維持するのに適した寸法を含む。
【0047】
上記ドレープ15(例えば、
図7B−7H)はさらに、容器の輪郭に合致するように曲線を付けて作られた、事前に形成された入れ物部分を含んでもよい。事前に形成された入れ物部分は通常、穿刺に耐え、入れ物部分が容器の形を維持することが可能なように、ドレープの残り部分よりも厚い。単なる一例として、入れ物部分は、およそ10ミリから16ミリの厚さを有する、重い規格のポリエチレン/イオノマー樹脂の混合物から成ってもよい。混合物におけるイオノマー樹脂の割合は、おおよそ40%から70%の範囲である。この場合、事前に形成された入れ物部分は、上記と実質的には同様にセンサ容器42(および/またはプレート46)を含んでもよい。上記ドレープは、ただ一回の使用後使い捨てるように設計され、事前に無菌化し、保管中にその無菌状態を保つように、事前に包装されて提供される。
【0048】
外科用ドレープはさらに、ドレープ状の入れ物内で無菌流体を加熱するように、鉢4(ドレープ10なし)と組み合わせて利用されてもよい。この場合、ドレープは、無菌流体用のドレープ状の入れ物を形成するように、鉢内部に適合するドレープの一部を伴う鉢に固定される。鉢は、ドレープ状の入れ物の中での無菌流体の加熱を可能とするように、上記の通りリミットスイッチ6、7を起動させる。本発明の実施形態に従い、鉢4とともに使用するためのドレープが、
図8に示されている。具体的には、ドレープ17は、
図6B用の上記ドレープ15に実質的に類似しており、ウェル固定部材70およびチャネル固定部材72を含む。ウェル固定部材70は、好ましくは、鉢4のウェル14を係合する、概して半球状のドームの形態に構成される。ウェル固定部材は、実質的に可撓性または弾力性のある材料から構築され、ウェル部材のスナップまたは摩擦嵌め係合を可能とするのに好適な寸法を含む。チャネル固定部材は、好ましくは、半円筒形の管状部材の形態であり、実質的に可撓性または弾力性のある材料から構築される。チャネル固定部材は、整列チャネルのスナップまたは摩擦嵌め係合を可能とするのに好適な寸法を含む。ウェルおよびチャネル固定部材はさらに、ウェル4および整列チャネル120による穿刺からドレープを保護し、流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。
【0049】
ウェルおよびチャネル固定部材はさらに、これらの部材のウェルおよび整列チャネルへの取り付けを可能とする、締結デバイス(例えば、クリップ等)を含んでもよい。固定部材70、72は、鉢4内にドレープ状の入れ物を形成し、ドレープを鉢に固定するように、ウェルおよび整列チャネルをそれぞれ係合することを可能とする場所で、ドレープの無菌面(例えば、ドレープを介してウェルおよび整列チャネルを係合)および/または非無菌面(例えば、ウェルおよび整列チャネルを直接係合)上に配置されてもよい。ウェルおよびチャネル固定部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中に取り付けられるか、または統合されてもよい。
【0050】
ドレープ17は、無菌流体に対して不浸透性であり、鉢の壁に適合するのに十分柔軟で可撓性のある材料から成る。ドレープの厚さは、好ましくは、そこを介して最も効率的に熱転写を与えるように最小化されるが、厚さは通常の使用中の裂傷および穿刺に耐えるのに十分である。ドレープは、外科用ドレープに対して病院で共通して使用される材料から成ってもよく、熱電対16がドレープ(および鉢)を介して無菌流体の温度を測定することを可能とし、加熱器12がドレープ状の入れ物の中で無菌流体を加熱することが可能となるほど、比較的薄い。単なる一例として、ドレープはおよそ2.0ミリから4.0ミリの厚さを有する。しかしながら、ドレープは、任意の望ましい厚さを有してもよい。ドレープ17はまた、前述の米国特許第4,934,152号(Templeton)のドレープに関して開示される通り、ポリウレタン膜から成ってもよい。加えて、ドレープは、容器内における流体の有無および/またはドレープの漏れの存在を検出する、センサを含んでもよい。これらのタイプのドレープの例は、前述の米国特許第6,810,881号(Faries,Jr.ら)、第6,910,485号(Faries,Jr.ら)、および第7,176,030号(Faries,Jr.ら)に開示されている。
【0051】
操作では、ドレープ17は、ドレープ状の入れ物を形成するように、流体加温システムを覆って、鉢4内に配置されてもよい。ドレープは、ドレープを鉢に固定するために、ウェル固定部材70がウェル14を係合することが可能で、チャネル固定部材72が整列チャネル120を係合することが可能であるように、鉢内に位置付けられる。無菌流体は、流体加温システム100(
図1)によって加温されるように、ドレープ状の入れ物内に配置される。鉢4は、加熱器12が鉢およびドレープ状の入れ物を加熱することが可能となるように、上記の通りリミットスイッチ6、7を起動させ、一方熱電対16は、無菌流体の温度を測定するように、ウェル14に受け取られる。
【0052】
ドレープ17はさらに、
図9に示される通り、本発明の実施形態に従い、流体加温システム100とともに使用するために、鉢4の支柱118を係合してもよい。最初に、ドレープ17は、
図8用の上記ドレープに実質的に類似しており、好ましくはドレープの非無菌面上に配置される一連の締結具80を含む。締結具は概して円筒状であり、締結具がスナップまたは摩擦嵌め係合で支柱を係合することが可能となるように、鉢4の支柱118に相当する寸法を含む。締結具80は、鉢4内でのドレープ状の入れ物の形成を可能とした後に、支柱118と実質的に同じ場所でドレープ上に配置される。ウェル被覆部材82は、鉢4のウェル14を被覆し、かつドレープ17を保護するように、ドレープの非無菌面上に配置される。ウェル被覆部材82は概して、ウェル14を被覆する半球状であってもよく、好ましくは、鉢のウェルによる穿刺に対して通常不浸透性である、耐久性のある好適な材料から構築される。ドレープはさらに、鉢4の整列チャネル120を被覆し、かつドレープ17を保護するように、非無菌面上に配置されるチャネルの被覆部材84を含んでもよい。チャネル被覆部材84は概して半円筒状であってもよく、好ましくは、整列チャネルによる穿刺に対して通常抵抗性の、耐久性のある好適な材料から構築される。ウェルおよびチャネルの被覆部材は、ウェル14および整列チャネル120による穿刺からドレープを保護し、さらに流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい(例えば、締結具80に沿って)。
【0053】
操作では、ドレープ17は、ドレープ状の入れ物を形成するように、流体加温システムを覆って、鉢4内に配置されてもよい。ドレープは、ドレープを鉢に固定するために、締結具80が対応する支柱118を係合することが可能であり、かつウェルおよびチャネルの被覆部材82、84がウェル14および整列チャネル120を被覆し、ドレープを保護することが可能であるように、鉢内に位置付けられる。無菌流体は、流体加温システム100(
図1)によって加温されるように、ドレープ状の入れ物内に配置される。鉢4は、加熱器12が鉢およびドレープ状の入れ物を加熱し、上記の通り無菌流体の温度を測定することが可能となるように、リミットスイッチ6、7を起動させ、ウェル14内で熱電対16を受け取る。あるいは、ウェルおよびチャネルの被覆部材ならびに締結具は、上記と実質的に同じように無菌流体の加熱を可能とするように、無菌面、または無菌面および非無菌面の任意の組み合わせの上に配置されてもよい。
【0054】
係合部材は、
図10に示される通り、本発明の実施形態に従い、鉢4を係合するように、かつ流体加温システム100(ドレープ10なし)とともにドレープの使用を可能とするように、利用されてもよい。具体的には、係合部材90は、ウェル被覆部材92と、一連のアーム94によってウェル被覆部材92に連結された複数の鉢の締結具96とを伴う、概してハブの星型、またはスポークの星型構成を含む。ウェル被覆部材92は、鉢4のウェル14を被覆するように、概して半球状であり、好ましくは、鉢のウェルによる穿刺に対して通常不浸透性である、適切に耐久性のある材料から構築される。ウェル被覆部材92は通常、鉢の底のウェル14を覆って配置される。アーム94は各々、概して「S」型の構成を含み、ウェル被覆部材92に取り付けられる。アームは各々、アームの遠位端に取り付けられる対応する鉢の締結具96を含み、ウェル被覆部材92から鉢の底および側壁に沿って、鉢の周縁部104上の対応する支柱118へ延びる。
【0055】
鉢の締結具96は概して円筒状であり、係合部材を鉢に固定するために、鉢の締結具がスナップまたは摩擦嵌め係合で支柱を係合することが可能となるように、支柱118に相当する寸法を含む。係合部材が鉢に固定されると、ドレープ17は、その中にドレープ状の入れ物を形成するために、係合部材を覆って鉢内に配置されてもよい。ドレープ17は、
図8用の上記ドレープ(例えば、ウェルおよびチャネル固定部材なし)に実質的に類似してもよい。係合部材が無菌フィールドの外(例えば、ドレープの真下)に配置されるため、各使用のために起動部材を無菌化する必要はない。
【0056】
係合部材90はさらに、ドレープ17に取り付けられてもよい。この場合、ドレープ17の複数部分は、ウェル被覆部材92および/またはアーム94に取り付けられてもよく、それによって、アーム間で集合的に画定される領域に、ドレープ状の入れ物を形成する。係合部材および形成されたドレープ状の入れ物は、ドレープを鉢に固定するように、鉢の支柱118を係合する鉢の締結具96付きの鉢の中に配置される。ウェル被覆部材は、ウェル14による穿刺からドレープを保護し、係合部材90はさらに、流体加温システムを覆うドレープの配向または整列を示すように機能してもよい。係合部材は、任意の従来の技術または他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)によって、ドレープの中へ取り付けられるか、または統合されてもよい。係合部材は、好ましくは、非無菌ドレープ面に取り付けられる。しかしながら、係合部材は、無菌および非無菌ドレープ面の任意の組み合わせ(例えば、対向する無菌および非無菌ドレープ面に取り付けられ、ドレープを介して互いに連結される、酷似した構成要素等)に取り付けられる、複数の構成要素を含んでもよい。
【0057】
操作では、係合部材90は、鉢の支柱118を係合する鉢の締結具96によって、鉢4に固定されてもよい。係合部材が鉢に固定されると、ドレープ17は、その中でドレープ状の入れ物を形成するように、係合部材を覆って鉢内に配置されてもよい。ドレープ17に取り付けられている係合部材90の場合、係合部材および形成されたドレープ状の入れ物は、ドレープを鉢に固定するように、対応する鉢の支柱118を係合する鉢の締結具96付きの鉢の中に配置される。無菌流体は、流体加温システム100(
図1)によって加温されるように、ドレープ状の入れ物内に配置される。鉢4は、加熱器12が鉢およびドレープ状の入れ物を加熱することが可能となるように、上記の通り、リミットスイッチ6、7を起動させる一方で、熱電対16は、無菌流体の温度を測定するように、ウェル14の中で受け取られる。
【0058】
上記ドレープ17はさらに、鉢の輪郭に合致するように曲線を付けて作られた、事前に形成された入れ物部分を含んでもよい。事前に形成された入れ物部分は通常、穿刺に耐え、入れ物部分が容器の形を維持することが可能となるように、ドレープの残り部分よりも厚い。単なる一例として、入れ物部分は、およそ10ミリから16ミリの厚さを有する、重い規格のポリエチレン/イオノマー樹脂の混合物から成ってもよい。混合物におけるイオノマー樹脂の割合は、おおよそ40%から70%の範囲である。この場合、事前に形成された入れ物部分は、上記と実質的には同様にウェル固定部材70、チャネル固定部材72、ウェル被覆部材82、および/または係合部材90を含む。上記ドレープ17は、ただ一回の使用後使い捨てるように設計され、かつ事前に無菌化され、保管中にその無菌状態を保つように事前に包装されて提供される。
【0059】
上に説明し図表に示した実施形態は、取り外し可能な鉢を採用する熱処理システムにおいて、医療溶液を加温するための方法および装置を実装する多くの手段のうちの幾つかのみを表すことは、理解されるであろう。
【0060】
流体加温システムは、ドレープおよび/または起動部材とともに使用するための任意の組み合わせにおいて、任意の量の加熱ならびに/あるいは冷却する容器および/または鉢を含んでもよい。ドレープおよび起動部材は、任意の量、形、または大きさの容器とともに利用されてもよい。ドレープおよび起動部材は、任意の量、形、または大きさの取り外し可能な鉢とともに利用されてもよく、任意の量、形、または大きさの構造(例えば、熱電対ウェル、整列チャネル等)のうち任意の量を含んでいてもよく、任意の場所に配置されてもよい。ドレープおよび起動部材は、任意のタイプの無菌培地または他の物質を、任意の望ましい温度(好ましくは、おおよそ60°F−160°Fの範囲の温度等、本体温度周辺(例えば、本体温度より上、同一、または下)まで)にまで熱処理するように、任意の従来のあるいは他の加熱および/または冷蔵ユニットを含んでもよい、任意のタイプの熱処理システムとともに利用されてもよい。
【0061】
ドレープおよび起動部材は、任意の従来のまたは他の温度センサデバイス(例えば、赤外線、RTD等)によって実装され、容器および/または取り外し可能な鉢上あるいは近接するいずれかの場所か、もしくはシステム内かに配置される、熱電対または温度センサとともに利用されてもよい。
【0062】
ドレープは、任意の大きさまたは形から成ってもよく、任意の好適な厚さ(例えば、流体の温度を熱的に処理および/または測定する熱転写用等)を含んでもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。ドレープは、好ましくは、ドレープを介する制御の処置を容易にするように、透明または半透明であり、しかしながら、これらのドレープは、任意の度合いの透明度(例えば、不透明を含む)を有してもよい。ドレープは、対応するシステム容器または鉢内で、ドレープ状の入れ物として機能するドレープの任意の部分とともに、任意の方法で操作されてもよい。ドレープは、熱処理システムの容器および/または鉢の任意の量あるいはタイプ内で、ドレープ状の入れ物を収容ならびに形成するのに十分な大きさから成ってもよい。
【0063】
ドレープおよび起動部材は、任意のタイプのアクチュエータ付きの、任意の従来のまたは他のリミットスイッチとともに利用されてもよい。起動部材48は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、リミットスイッチを起動させるのに十分な任意の重量を有してもよい。基部は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、一方基部の開口部は、温度センサを受け取る、任意の量、形、または大きさから成ってもよい。被覆部材は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。起動部材および対応する構成要素(例えば、基部、被覆部材等)は、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の望ましい場所で、ドレープに取り付けられてもよい。
【0064】
プレートは、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。プレートチャネルは、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な場所で画定されてもよく、熱電対を受け取るのに好適な任意の長さから成っていてもよい。プレート開口部は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な場所で画定されてもよく、一方被覆部材は、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、任意の望ましい場所で、プレートに取り付けられてもよい。プレートは、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の望ましい場所で、ドレープに取り付けられてもよい。
【0065】
起動部材44は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、リミットスイッチを起動させるのに十分な任意の重量を有してもよい。本体は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、一方本体開口部は、温度センサを受け取る任意の量、形、大きさから成っていてもよい。センサ容器は、任意の量、形、または大きさから成っていてもよい。被覆部材は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。プレートは、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。プレートチャネルは、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な場所で画定されてもよく、熱電対を受け取るのに好適な任意の長さから成ってもよい。脚部は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。プレート開口部は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な場所で画定されてもよく、一方被覆部材は、任意の望ましい場所でプレートに取り付けられてもよい。センサ容器および構成要素(例えば、起動部材本体、被覆部材、脚部等)は、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、任意の望ましい場所で、プレートに取り付けられてもよい。さらに、センサ容器および構成要素(例えば、起動部材本体、被覆部材、プレート、脚部等)は、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の望ましい場所で、ドレープに取り付けられてもよい。
【0066】
ウェルおよびチャネル固定部材は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の望ましい場所で、ドレープに取り付けられてもよい。固定部材は、任意の好適な鉢部分(例えば、熱電対ウェル、整列チャネル等)を係合するように構成されてもよい。締結具は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の望ましい場所で、ドレープに取り付けられてもよい。締結具は、容器および/または鉢(例えば、支柱、周縁部等)の任意の部分を係合するように構成されてもよい。
【0067】
係合機構は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。ウェル被覆部材は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。アームは、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の構成(例えば、「S」タイプ、曲線、線形等)を含んでもよく、任意の好適な材料から構築されてもよい。鉢の締結具は、任意の量、形、または大きさから成ってもよく、任意の好適な材料から構築されてもよく、アーム上の任意の場所に配置されてもよい。鉢の締結具は、容器および/または鉢(例えば、支柱、周縁部等)の任意の部分を係合するように構成されてもよい。係合機構は、任意の従来のまたは他の技術(例えば、接着、熱溶接、RF等)により、無菌面および/または非無菌面上の任意の場所で、ドレープに取り付けられてもよい。
【0068】
用語「上面」、「底面」、「正面」、「背面」、「側面」、「高さ」、「長さ」、「幅」、「上部」、「下部」、「垂直」等は、単に参照のポイントを説明するために本願で使用され、本発明を任意の特定の配向または構成に制限しないことは、理解されるものとする。
【0069】
本発明のドレープおよび起動部材は、本願に記載される用途またはシステムに制限されるものではないが、医療用または他のアイテム(例えば、IVまたは他の医療溶液(例えば、血液、医薬品、または薬物等)、入れ物等)を熱処理するように、任意のタイプの熱処理システム用に利用されてもよい。
【0070】
前述の説明から、本発明により、取り外し可能な鉢を採用する熱処理システムにおいて、医療溶液を加温するための新規方法および装置が利用可能となり、ドレープおよび係合構造は、取り外し可能な鉢を使用することなく、または熱処理システムの使用中に鉢に対するドレープを係合することなく、熱処理でのドレープの使用を容易にするように提供されることは、理解されるであろう。
【0071】
取り外し可能な鉢を採用する熱処理システムにおいて、医療溶液を加温するための新しい改良された方法および装置の好ましい実施形態を記載してきたが、本願に記載の教授を考慮すると、他の修正、変形、および変更が、当業者に示唆されているであろうと信じられる。それゆえ、かかる変形、修正、および変更は、付属の請求項によって規定される通り、本発明の範囲内に該当すると信じられることは、理解されるものとする。