特許第5705293号(P5705293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5705293コード変換装置、コード変換方法及びコード変換プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705293
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】コード変換装置、コード変換方法及びコード変換プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/22 20060101AFI20150402BHJP
   G06F 17/27 20060101ALI20150402BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALI20150402BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   G06F17/22 664
   G06F17/27 665
   G06Q50/22 100
   G06F17/30 170A
【請求項の数】7
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-235535(P2013-235535)
(22)【出願日】2013年11月14日
(62)【分割の表示】特願2009-108206(P2009-108206)の分割
【原出願日】2009年4月27日
(65)【公開番号】特開2014-63506(P2014-63506A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2013年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】396011831
【氏名又は名称】トランス・コスモス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500387629
【氏名又は名称】スカイライト コンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸作
(72)【発明者】
【氏名】清水 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高木 博俊
(72)【発明者】
【氏名】大山 哲生
(72)【発明者】
【氏名】森田 祐行
【審査官】 本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−210153(JP,A)
【文献】 特開2007−172187(JP,A)
【文献】 特開2005−107603(JP,A)
【文献】 特開2006−309585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/22
G06F 17/27
G06F 17/30
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得する取得部と、
前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードを設定し、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードを、前記検索キーワード及び前記補助検索キーワードの対に予め対応付けたコード化ルールテーブルを格納したテーブル記憶部と、
複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部と、
前記取得部によって取得した前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換部と
を備えることを特徴とするコード変換装置。
【請求項2】
前記コード化対象項目として、前記傷病者の傷病名が入力される傷病名項目、又は前記傷病者の手術名が入力される手術名項目のいずれかを選択させる項目選択部と、
前記補助項目として、少なくとも傷病の原因が入力される傷病原因項目、前記傷病が発生した身体の部位名が入力される部位項目、又は前記傷病により発症した合併症が入力される合併症項目、医師による所見が入力されるメモ項目のいずれかを選択させる補助項目選択部と
を備えることを特徴とする請求項1記載のコード変換装置。
【請求項3】
前記検索キーワードとして複数の任意の医療関連用語を設定させる検索キーワード設定部と、
前記補助検索キーワードとして複数の任意の前記療関連用語を設定させる補助検索キーワード設定部と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のコード変換装置。
【請求項4】
傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得部により取得する取得ステップと、
前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードが設定され、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードが、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けられたコード化ルールテーブルを用いて、前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致するか否かを判断すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致するか否かを、判断部によって判断する判断ステップと、
前記該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、コード変換部によって、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは、複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部を用いて、前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換ステップと
を備えることを特徴とするコード変換方法。
【請求項5】
前記取得ステップの前に、
前記コード化対象項目として、前記傷病者の傷病名が入力される傷病名項目、又は前記傷病者の手術名が入力される手術名項目のいずれかを、項目選択部によって選択させる項目選択ステップと、
前記補助項目として、少なくとも傷病の原因が入力される傷病原因項目、前記傷病が発生した身体の部位名が入力される部位項目、又は前記傷病により発症した合併症が入力される合併症項目、医師による所見が入力されるメモ項目のいずれかを、補助項目選択部によって選択させる補助項目選択ステップと
を備えることを特徴とする請求項4記載のコード変換方法。
【請求項6】
前記補助項目選択ステップの後に、
前記検索キーワードとして複数の任意の前記医療関連用語を、検索キーワード設定部によって設定させる検索キーワード設定ステップと、
前記補助検索キーワードとして複数の任意の前記医療関連用語を、補助検索キーワード設定部によって設定させる補助検索キーワード設定ステップと
を備えることを特徴とする請求項4又は5記載のコード変換方法。
【請求項7】
コンピュータに対して、
傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得部により取得する取得ステップと、
前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードが設定され、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードが、前記検索キーワード及び前記補助検索キーワードの対に予め対応付けられたコード化ルールテーブルを用いて、前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致するか否かを判断すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致するか否かを、判断部によって判断する判断ステップと、
前記該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、コード変換部によって、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは、複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部を用いて、前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換ステップと
を実行させるためのコード変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード変換装置、コード変換方法及びコード変換プログラムに関するものであり、例えば医師によって診断書に記入された傷病名や手術名等この他種々の医療関連用語を、生命保険会社や損害保険会社等の保険会社において用いられるコードに変換する際に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、保険会社では、医療機関より発行された診断書を基に、保険金の支払い査定を行っており、当該保険金の支払いを要求する被保険者の疾病動向を容易に分析するために、例えば世界保健機関(WHO)により定められ、かつ厚生労働省が推奨している「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD))」コード(以下、これを単にICDコードと呼ぶ)に傷病名を変換している。
【0003】
このように診断書に手書きされた傷病名を該当するICDコードに変換する作業は、医療関連用語を理解した作業者が各診断書の内容を目視確認してゆき、当該診断書に記載された傷病名に該当する最適なICDコードを選択することにより行われている。このため、例えば一日に何百万件も送られてくる診断書を作業者が一つ一つ内容を目視確認して、該当するICDコードに変換してゆく場合には、作業者にとって作業負担が大きく、またICDコードへの変換を迅速に行い難いという問題があった。そして、特に保険金の支払い査定を受けるためには、所定機関に対して所定期日までにICDコードに変換した書類を提出する必要があることから、一段と迅速にICDコードへの変換処理が望まれている。
【0004】
このような問題を解決するために、傷病名を表わす文字列の入力操作を行う病名入力操作部と、文字列をコード化するコード化部とを備えた病名コード化支援装置が考えられている(例えば特許文献1参照)。実際上、この病名コード化支援装置は、主となる傷病名及び修飾語の各語句と、ICDコードとが対応付けられてなるコードマスタを参照し、病名入力操作部により入力された傷病名を、当該コードマスタに格納された主となる傷病名及び修飾語に分割して、分割された傷病名及び修飾語それぞれを自動的にコード変換し得るようになされている。
【0005】
これにより、病名コード化支援装置では、作業者が診断書の内容を目視確認して傷病名を一つ一つ該当するICDコードに変換する手間を省いて作業者の負担軽減を図ることができると共に、該当する傷病名を自動的にコード化してゆくことから、作業者が個別に診断書を一つ一つコード変換してゆく場合に比べて迅速なコード変換処理を実現し得るようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−220167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、診断書に記入される傷病名の表記方法は、個々の医師の裁量に任されていることから、診断書には、患者の病態や病状を一段と正確に表現できる様々な修飾語を併記した傷病名や、世界保健機関が定めた標準表記の傷病名を略した傷病名等、ICDコードに予め対応付けられた傷病名(以下、これを標準傷病名と呼ぶ)とは完全に一致していない傷病名が記入され得る。
【0008】
従って、かかる構成からなる病名コード化支援装置では、ICDコードに予め対応付けられた標準傷病名と完全一致していない語形からなる傷病名が、診断書に記入されていると、たとえ記入された傷病名が標準傷病名の語形と一部が一致していたとしても、コードマスタに格納された標準傷病名を基に、診断書に記入された傷病名を所定のICDコードに変換し得ないという問題があった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、入力語を該当する所定のコードに従来よりも高い確率で変換し得るコード変換装置、コード変換方法及びコード変換プログラムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明の請求項1のコード変換装置は、傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得する取得部と、前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードを設定し、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードを、前記検索キーワード及び前記補助検索キーワードの対に予め対応付けたコード化ルールテーブルを格納したテーブル記憶部と、複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部と、前記取得部によって取得した前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換部とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2のコード変換装置は、前記コード化対象項目として、前記傷病者の傷病名が入力される傷病名項目、又は前記傷病者の手術名が入力される手術名項目のいずれかを選択させる項目選択部と、前記補助項目として、少なくとも傷病の原因が入力される傷病原因項目、前記傷病が発生した身体の部位名が入力される部位項目、又は前記傷病により発症した合併症が入力される合併症項目、医師による所見が入力されるメモ項目のいずれかを選択させる補助項目選択部とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3のコード変換装置は、前記検索キーワードとして複数の任意の医療関連用語を設定させる検索キーワード設定部と、前記補助検索キーワードとして複数の任意の前記医療関連用語を設定させる補助検索キーワード設定部とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項4のコード変換方法は、傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得部により取得する取得ステップと、前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードが設定され、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードが、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けられたコード化ルールテーブルを用いて、前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致するか否かを判断すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致するか否かを、判断部によって判断する判断ステップと、前記該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、コード変換部によって、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは、複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部を用いて、前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項5のコード変換方法は、前記取得ステップの前に、前記コード化対象項目として、前記傷病者の傷病名が入力される傷病名項目、又は前記傷病者の手術名が入力される手術名項目のいずれかを、項目選択部によって選択させる項目選択ステップと、前記補助項目として、少なくとも傷病の原因が入力される傷病原因項目、前記傷病が発生した身体の部位名が入力される部位項目、又は前記傷病により発症した合併症が入力される合併症項目、医師による所見が入力されるメモ項目のいずれかを、補助項目選択部によって選択させる補助項目選択ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項6のコード変換方法は、前記補助項目選択ステップの後に、前記検索キーワードとして複数の任意の医療関連用語を、検索キーワード設定部によって設定させる検索キーワード設定ステップと、前記補助検索キーワードとして複数の任意の前記医療関連用語を、補助検索キーワード設定部によって設定させる補助検索キーワード設定ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項7のコード変換プログラムは、コンピュータに対して、傷病者毎に作成され、前記傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データを取得部により取得する取得ステップと、前記医療関連書類データの複数の前記項目の中からコード化対象項目と、補助項目とが予め選択されており、前記コード化対象項目に対して設定された所定の検索キーワードに対応付けて、前記補助項目に所定の補助検索キーワードが設定され、前記検索キーワードと前記補助検索キーワードとの組み合わせから推測できるコードが、前記検索キーワード及び前記補助検索キーワードの対に予め対応付けられたコード化ルールテーブルを用いて、前記医療関連書類データの前記コード化対象項目に該当する該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致するか否かを判断すると共に、前記補助項目に該当する補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致するか否かを、判断部によって判断する判断ステップと、前記該当項目の入力語の一部又は全部が、前記検索キーワードと一致すると共に、前記補助該当項目の入力語の一部又は全部が、該検索キーワードに対応付けた前記補助検索キーワードと一致すると、コード変換部によって、該検索キーワード及び該補助検索キーワードの対に予め対応付けた前記コードに、前記該当項目の入力語を変換し、一致しないときは、複数の標準名が記憶されていると共に、前記標準名毎に固有の前記コードが対応付けて記憶されているマスタ記憶部を用いて、前記マスタ記憶部に記憶された全ての標準名と、前記取得部で取得した前記入力語との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど前記入力語と語形が近似していると判断し、前記マスタ記憶部に記憶された他の全ての標準名の中で前記入力語とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定するコード変換ステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1のコード変換装置、請求項4のコード変換方法及び請求項7のコード変換プログラムによれば、医療関連書類データにおいて仮に入力語だけでは所定のコードを推測し得ない入力語のみが該当項目にあっても、コード化ルールテーブルに基づいて、該当項目の入力語と補助該当項目の入力語との関係から、当該項目の入力語が意図する所定のコードを推測することができ、かくして入力語を該当する所定のコードに従来よりも高い確率で変換し得る。また、入力語がコード化ルールテーブルを基にコード変換できなかったとき、スコアリング処理を実行して、オペレータは入力語と同じであると推測される標準名をランキング表の中から容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コード変換システムの全体構成を示す概略図である。
図2】高速処理モード、中間処理モード及び高精度処理モードを示すフローチャートである。
図3】診断書の各項目を示す概略図である。
図4】コード化ルールの概略の説明に供する概略図である。
図5】コード変換装置の回路構成を示すブロック図である。
図6】コード化ルールテーブルの構成を示す概略図である。
図7】設定画面の構成を示す概略図である。
図8】コード化対象項目及び補助項目の組み合わせを示す概略図である。
図9】コード変換処理手順を示すフローチャートである。
図10】スコアリング処理手順を示すフローチャートである。
図11】平準化頻出度算出処理手順を示すフローチャートである。
図12】入力傷病名及び標準傷病名の1文字からなる各文字の一致数を算出する際 の説明に供する概略図である。
図13】入力傷病名及び標準傷病名の2文字からなる各文字列の一致数を算出する 際の説明に供する概略図である。
図14】他の実施の形態によるコード化対象項目、第1の補助項目及び第2の補助 項目の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
【0020】
(1)本発明によるコード変換システムの全体構成
図1において、1はコード変換システムを示し、診断書の入力作業を行う作業者が操作する入力装置2と、オペレータが操作するコード変換装置3と、保健会社が管理する管理装置4とがネットワーク5を介して相互に接続された構成を有する。入力装置2は、テキストデータによる入力処理を行うためのプログラムが搭載された一般的なパーソナルコンピュータであり、例えば保険会社から受け取った紙媒体からなる診断書に記入されている文章が、作業者により操作部を介してテキストデータとして入力されると、これを診断書データとしてコード変換装置3へ送信し得るようになされている。
【0021】
コード変換装置3は、入力装置2からネットワーク5を介して診断書データを取り込むと、コード変換処理を実行することにより、診断書データを基に得られた入力傷病名を、該当するICD−10コード(世界保健機構(WHO)により定められた「疾病及び関係保健問題の国際統計分類第10回修正」(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, Tenth Revision)コード)に変換し、これをコード化済データとして管理装置4に送信し得るようになされている。かくして、保険会社は、管理装置4に記憶されたコード化済データを基に、保険金の支払いを要求する各被保険者の疾病動向を、ICD−10コードに基づいて容易に分析し得るようになされている。
【0022】
実際上、コード変換装置3は、コード変換処理を実行する際、操作部からのオペレータの指示内容に応じて、図2に示すように、高速処理モードM1、中間処理モードM2及び高精度処理モードM3のうちいずれか1つを選択し得るようになされている。
【0023】
(1−1)高速処理モード
コード変換装置3は、高速処理モードM1時、入力装置2において作業者により入力作業が行われることで得られた診断書データを、ネットワーク5を介して取り込むと(ステップSP1a)、本発明によるルールベースコード化処理(ステップSP2a)を実行し得るようになされている。
【0024】
ここで図3に示すように、入力装置2において作業者により入力作業が行われる診断書7には、項目として、例えば傷病者の氏名や職業、性別、生年月日が記入される個人情報項目8と、傷病特定項目9(後述する)と、被保険者の既往症及び持病が記入される既往症・持病項目10と、被保険者が以前通院していた医師名や科名等が記入される前医項目11と、初診から終診又は現時点までの診断期間が記入される診療期間項目12と、入院した期間が記入される入院期間項目13と、退院した理由や退院時の被保険者の病状等が記入される退院理由状況項目14と、傷病メモ項目15(後述する)と、被保険者に行われた手術名が記入される手術名項目16と、手術に対する医師の所見が記入される手術メモ項目17とが設けられている。
【0025】
診断書の傷病特定項目9は、入院又は障害の原因となった傷病名が記入される傷病名項目19と、傷病の原因が記入される傷病原因項目20と、傷病が発生した身体部位が記入される部位項目21と、傷病により発症した合併症が記入される合併症項目22とから構成されている。
【0026】
また、診断書7の傷病メモ項目15は、傷病から初診までの経緯及び初診時の医師の所見が記入される初診メモ項目24と、検査内容や検査結果、治療内容、経過等の症状の経過が記入される症状経過メモ項目25と、被保険者の既存の障害や当該障害が今回の傷病に及ぼした影響等が記入される既存障害メモ項目6とから構成されている。このように診断書7は、各項目毎に傷病者に関する属性情報が全く異なることから、当該項目毎に傷病者に関して得られる属性情報が異なり、必要な属性情報を項目別に瞬時に把握させ得るようになされている。
【0027】
そして、入力装置2には、作業者によって診断書7の各項目別に区分けされて記入された全ての文章が、操作部を介してテキストデータとして各項目別に区別されテキストデータとして入力され、これら項目毎に入力された入力語をまとめ診断書データを生成し、これをコード変換装置3に送出し得る。
【0028】
ここで本発明によるコード変換装置3は、診断書データに含まれる個人情報項目8や、傷病特定項目9、既往症・持病項目10等の複数の項目の中から、ICD−10コードへの変換の対象となるコード化対象項目と、補助項目との2項目がオペレータにより任意に選択されている。また、コード変換装置3には、コード化対象項目に選択された項目(該当項目)内の入力語に含まれているか否かの検索対象となる検索キーワードと、補助項目に選択された項目(補助該当項目)内の入力語に含まれているか否かの検索対象となる補助検索キーワードとが設定され、当該検索キーワード及び補助検索キーワードの対に所定のICD−10コードが対応付けられたコード化ルールテーブル(後述する)が予め記憶されている。
【0029】
具体的に、このコード化ルールテーブルには、例えばコード化対象項目として傷病名項目19が選択されていると共に、当該傷病名項目19の検索キーワードとして傷病名「○○」(例えば骨折)が設定されている。また、コード化ルールテーブルには、補助項目として部位項目21が選択されていると共に、検索キーワードの傷病名「○○」に対して当該部位項目21の補助検索キーワードとして部位名「××」(例えば大腿部)が設定されている。さらに、コード化ルールテーブルには、検索キーワードの傷病名「○○」(例えば骨折)と、補助検索キーワードの部位名「××」(例えば大腿部)とから連想される正式傷病名(例えば大腿骨骨折)を推測して、これら検索キーワードの傷病名「○○」と補助検索キーワードの部位名「××」との対に当該正式傷病名のICD−10コード(例えばコード「9999」)が対応付けられている。
【0030】
そして、コード変換装置3は、入力装置2から診断書データを取り込むと、ルールベースコード化処理として、コード化ルールテーブルを用いて、図4に示すように、診断書データにおいて診断書7のコード化対象項目として選択された傷病名項目19(該当項目)の入力傷病名に、傷病名「○○」という検索キーワードが含まれているか否かを判断すると共に、当該診断書データにおいて診断書7の補助項目として選択された部位項目21(補助該当項目)の入力部位名に、部位名「××」という補助検索キーワードが含まれているか否かを判断する。
【0031】
その結果、コード変換装置3は、診断書データの傷病名項目19の入力傷病名に検索キーワードの傷病名「○○」(骨折)が含まれ、かつ診断書データの部位項目21の入力部位名に補助検索キーワードの部位名「××」(大腿部)が含まれていると判断すると、傷病名「○○」(骨折)及び部位名「××」(大腿部)から推測される正式傷病名として予め設定しておいた正式傷病名(大腿骨骨折)のICD−10コード(この場合コード「9999」)に、傷病名項目19の入力傷病名を変換し得るようになされている。
【0032】
このようにコード変換装置3は、診断書データにおけるコード化対象項目たる傷病名項目19の入力傷病名「骨折」だけでは「大腿骨骨折」のICD−10コードに変換できないものの、当該傷病名項目19とは別に補助項目とした部位項目21の入力部位名「大腿部」も考慮し、これら傷病名項目19の入力傷病名「骨折」と、部位項目21の入力部位名「大腿部」との両者から当該入力傷病名「骨折」が正式傷病名「大腿骨骨折」を意味するであろうと推測し、当該正式傷病名「大腿骨骨折」を示すICD−10コードに入力傷病名[骨折]を変換し得るようになされている。
【0033】
そして、図2に示すように、この高速処理モードM1時、コード変換装置は、このようなルールベースコード化処理のみを実行することにより、入力傷病名を所定のICD−10コードに変換したコード化済データを迅速に生成し、これを管理装置4に送信(データ出力)し得るようになされている(ステップSP3a)。
【0034】
(1−2)中間処理モード
コード変換装置3は、中間処理モードM2時、入力装置2から診断書データを取り込むと(ステップSP1b)、表記ゆれ修正処理(ステップSP2b)及び形態素解析処理(ステップSP3b)を実行した後、上述したルールベースコード化処理(ステップSP4b)を実行し得る。
【0035】
また、コード変換装置3は、ルールベースコード化処理においてコード変換し得なかった入力傷病名に対して単純突合処理(ステップSP5b)を実行し、これらルールベースコード化処理及び単純突合処理によって得られたコード化済データを管理装置4に送信(データ出力)し得るようになされている(ステップSP6b)。
【0036】
実際上、コード変換装置3は、ステップSP2bにおける表記ゆれ修正処理として、各診断書データのゆらぎ語(例えば平仮名表記「皮ふ」や拗音の小文字表記「ウィルス」)を標準語(例えば漢字表記「皮膚」や拗音の大文字表記「ウイルス」)に変換した後、ステップSP3bにおける形態素解析処理として、診断書データの入力語を日本語の名詞、動詞及び形容詞等の各品詞に分解する。因みに、ここで「ゆらぎ語」とは、例えばカタカナ表記や、平仮名表記、拗音の小文字表記、仮名遣い等に違いがあり不統一な表記からなる語句をいい、標準語とは、ゆらぎ語と同じ意味を持つ語句であり、当該ゆらぎ語を統一させるための語句をいう。
【0037】
また、コード変換装置3は、ステップSP5bにおける単純突合処理として、予め記憶された傷病名マスタの標準傷病名を、ルールベースコード化処理でコード変換し得なかった品詞に対して突き合わせてゆき、診断書データの各品詞が標準傷病名と一致するか否かを判断する。その結果、診断書データの品詞が傷病名マスタの標準傷病名のいずれかと一致した場合には、一致した標準傷病名に予め対応付けられたICD−10コードに変換し得るようになされている。
【0038】
このようにコード変換装置3では、中間処理モードM2が選択されると、高速処理モードM1時の各処理に加えて、表記ゆれ修正処理、形態素解析処理及び単純突合処理を更に実行することにより、その分だけ高速処理モードM1時に比べて処理速度が遅くなるものの、その一方でコード変換する精度を向上させ得るようになされている。
【0039】
(1−3)高精度処理モード
これに対してコード変換装置3は、高精度処理モードM3時、入力装置2から診断書データを取り込むと(ステップSP1c)、表記ゆれ修正処理(ステップSP2c)、形態素解析処理(ステップSP3c)及び上述したルールベースコード化処理(ステップSP4c)を実行した後、単純突合処理(ステップSP5c)を実行し得る。
【0040】
これに加えてコード変換装置3は、高精度処理モードM3時、ルールベースコード化処理及び単純突合処理によってコード変換し得なかった入力傷病名に対して、更にスコアリング処理(ステップSP6c)を実行することにより、当該入力傷病名と同じである可能性が高い標準傷病名を推測し、この推測結果に基づいて、所定数に限定した標準傷病名を、該当する可能性の高い順に羅列表示したランキング表を表示部を介してオペレータに対し呈示し得るようになされている。
【0041】
これによりコード変換装置3は、入力傷病名と同じである可能性が高いとして選定された所定数の標準傷病名の中からのみ、オペレータが入力傷病名と同じであろうと推測した標準傷病名を選択させることができ、かくしてオペレータが傷病名マスタの膨大な数の標準傷病名の中から入力傷病名に該当するであろう標準傷病名を選択する負担を軽減し得るようになされている。
【0042】
コード変換装置3は、オペレータによって標準傷病名が選択されると、当該標準傷病名に対応付けたICD−10コードに入力傷病名を変換し、これらルールベースコード化処理、単純突合処理又はスコアリング処理によって得られたコード化済データを管理装置に送信(データ出力)し得るようになされている(ステップSP7c)。
【0043】
(2)コード変換装置の構成
図5に示すように、コード変換装置3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなるマイクロコンピュータ構成の制御部31と、各種情報を表示し得る表示部32と、各種命令を入力し得る操作部33と、表記ゆれ処理部34と、形態素解析部35と、インターネット等のネットワーク5に接続された取得部としてのネットワークインターフェイス36と、コード変換処理を実行するコード変換部37と、スコアリング処理を実行するスコアリング処理部38と、表記ゆれデータベース39と、診断書データや設定画面のデータ等の各種情報を記憶する統括記憶部40と、コード変換用データベース41とがバス42を介して相互に接続された構成を有する。
【0044】
制御部31は、ROMに予め格納されている基本プログラムや、表記ゆれ変換処理プログラム、形態素解析プログラム、コード化ルール処理プログラム、スコアリング処理プログラム等の各種プログラムをRAMにロードして立ち上げることにより、コード変換装置3における各種機能を統括的に制御して、表記ゆれデータベース39と、統括記憶部40と、コード変換用データベース41とに記憶された各データを用いて診断書データをコード変換し得るようになされている。
【0045】
また、表記ゆれデータベース39には、カタカナ表記や、平仮名表記、拗音が小文字表記、仮名遣い等のゆらぎ語と、その標準語とが対応付けられた表記ゆらぎ辞書が格納されている。表記ゆらぎ辞書は、例えば平仮名表記されたゆらぎ語「皮ふ」に対して、漢字表記された標準語「皮膚」が対応付けられており、また拗音が小文字表記されたゆらぎ語「ウィルス」に対して、拗音が大文字表記された標準語「ウイルス」が対応付けられて記憶されている。
【0046】
コード変換用データベース41には、記憶部としての傷病名マスタデータベース43と、テーブル記憶部としてのコード化ルールデータベース44とが設けられており、傷病名マスタデータベース43に傷病名マスタが予め記憶されている。傷病名マスタには、複数の標準傷病名が記憶されていると共に、各標準傷病名毎にそれぞれ固有のICD−10コードが対応付けられて記憶されている。因みに、この場合、傷病名マスタは、例えば標準傷病名「肺がん」に対してICD−10コード「11111」が対応付けられ、標準傷病名「胃がん」に対してICD−10コード「22222」が対応付けられている。
【0047】
かかる構成に加えて、コード化ルールデータベース44には、図6に示すように、コード化対象項目46として傷病名項目19が選択されていると共に、補助項目47として部位項目21が選択されているコード化ルールテーブル50が格納されている。このコード化ルールテーブル50には、傷病名項目19に複数の検索キーワード51が設定され、各検索キーワード51に対応付けて部位項目21に補助検索キーワード52が設定されており、これら検索キーワード51及び補助検索キーワード52の対毎に所定のICD−10コード53が対応付けられている。
【0048】
実際上、このコード化ルールテーブル50には、傷病名項目19に検索キーワード51として傷病名「××××」が設定されていると共に、当該検索キーワード51の傷病名「××××」に対応付けて補助項目47の補助検索キーワード52として部位名「○○○○」が設定され、これら検索キーワード51の傷病名「××××」及び補助検索キーワード52の部位名「○○○○」の対にICD−10コード53として「B001」が設定されている。
【0049】
また、コード化ルールテーブル50には、検索キーワード51として傷病名「×○×○」が設定されていると共に、この検索キーワード51の傷病名「×○×○」に対応付けて補助項目47の補助検索キーワード52として部位名「□□□□」が設定され、これら検索キーワード51の傷病名「×○×○」及び補助検索キーワード52の部位名「□□□□」の対にICD−10コード53として「B011」が設定されている。
【0050】
さらに、コード化ルールテーブル50には、検索キーワード51として傷病名「○○××」が設定されていると共に、この検索キーワード51の傷病名「○○××」に対応付けて補助項目47の補助検索キーワード52として部位名「△△△△」が設定され、これら検索キーワード51の傷病名「○○××」及び補助検索キーワード52の部位名「△△△△」の対にICD−10コード53として「B111」が設定されている。
【0051】
ここで、このようなコード化ルールテーブル50は、コード変換装置3において表示部32に表示される設定画面を介してコード化対象項目46や、補助項目47、検索キーワード51、補助検索キーワード52及びICD−10コード53が設定されることにより作成され得る。
【0052】
具体的に言うと、コード変換装置3の制御部31は、項目選択部、補助項目選択部、検索キーワード設定部及び補助検索キーワードとしての操作部33を介してオペレータにより表示部32に設定画面を表示するよう指示されると、総合記憶部39から設定画面のデータを読み出して表示部32に送る。表示部32は、送られてくる設定画面のデータに基づいて、図に示すような設定画面60を表示するようになされている。
【0053】
この設定画面60には、コード変換処理を実行する書類名や、所定コードに変換される入力語等の基本情報を設定するための「コード化ルール見出」領域61と、コード化対象項目46及び補助項目47等を設定するための「コード化ルール条件」領域62と、所定コードに対応付けられている正式名称や、そのコード等を設定するための「コード化ルール処理」領域63とが設けられている。
【0054】
具体的に「コード化ルール見出」領域61は、所定コードが本来対応付けられている正式名称が入力されるテキストボックスたるコード化ルール名称欄64と、当該コード化ルール名称欄64に入力された入力語の分野(「傷病」名又は「手術」名)を選択するためのプルダウン方式のコード体系欄65と、入院・手術等診断書や死亡診断書等の診断書の種類を選択するためのプルダウン方式の帳票種別欄66と、帳票種別欄66で選択した書類内の項目の中からコード化対象項目46を選択するためのプルダウン方式のコード化対象項目欄67とから構成されている。
【0055】
この実施の形態の場合、図7では、「コード化ルール見出」欄61において、コード化ルール名称欄64に正式傷病名「大腿骨骨折」がオペレータにより入力されていると共に、コード体系欄65で「傷病」がユーザに選択されている。また、この「コード化ルール見出」欄61では、帳票種別欄66において診断書7を示す「入院・手術等診断書」がオペレータにより選択されていると共に、コード化対象項目欄67にコード化対象項目46として傷病名項目19を示す「入院(手術)等の契機となった傷病名」がオペレータにより選択されている一例が示されている。
【0056】
また、「コード化ルール条件」領域62には、上述した「コード化ルール見出」欄61のコード化対象項目欄67と同様に、「1」欄69にコード化対象項目46を選択するためのプルダウン方式のコード化対象項目設定欄70が設けられている。コード化対象項目設定欄70には、検索キーワード51を入力するためのテキストボックスからなる検索語欄71と、プルダウン方式からなる場所条件欄72と、テキストボックスからなる場所条件用語句欄73と、完全一致又は一部一致を選択するためのプルダウン方式からなる一致条件欄74とが設けられている。
【0057】
ここで、「コード化ルール条件」領域62は、場所条件欄72において例えば「前方」、「直前」、「直後」又は「後方」をプルダウン方式によって選択し得るようになされており、場所条件用語句欄73に入力された入力語が、検索キーワード51に対して場所条件欄72で選択した「前方」、「直前」、「直後」又は「後方」の位置にあるか否かの条件付けを行え得るようになされている。
【0058】
これに加えて「コード化ルール条件」領域62には、「2」欄76に補助項目47を選択するためのプルダウン方式の補助項目欄77が設けられており、当該補助項目欄77に対して、補助検索キーワード52を入力するためのテキストボックスからなる検索語欄78と、プルダウン方式からなる場所条件欄79と、テキストボックスからなる場所条件用語句欄80と、完全一致又は一部一致を選択するためのプルダウン方式からなる一致条件欄81とが設けられている。
【0059】
因みに、ここで完全一致とは、コード化対象項目46として設定された傷病名項目19の入力語の文字と、検索キーワード51の文字とが全て一致することをいい、一部一致とは、検索キーワード51の文字が、傷病名項目19の入力語に含まれていることをいう。
【0060】
また、「コード化ルール条件」領域62は、場所条件欄79において例えば「前方」、「直前」、「直後」又は「後方」をプルダウン方式によって選択し得るようになされており、場所条件用語句欄80に入力された入力語が、補助検索キーワード52に対して場所条件欄79で選択した「前方」、「直前」、「直後」又は「後方」の位置にあるか否かの条件付けを行え得るようになされている。「コード化ルール処理」領域63には、コード変換する情報を管理するための識別番号を入力するテキストボックスからなるコード化マスタコード欄82と、所定コードが入力されるコード値欄83と、「コード化ルール見出」領域61のコード化ルール名称欄64と同様に正式傷病名等の正式な入力語が入力される名称欄84とか設けられており、コード値欄83に例えばICD−10コード53が入力され得るようになされている。
【0061】
ここで、「コード化ルール条件」領域62のコード化対象項目設定欄70においてプルダウン方式により設定できるコード化対象項目46は、図8に示すように、例えば傷病名項目19及び手術名項目16(図3)等がある。そして、コード化対象項目設定欄70においてプルダウン方式によりコード化対象項目46として傷病名項目19が選択された場合には、補助項目欄77において、傷病原因項目20、合併症項目22、既往症・持病項目10、部位項目21、傷病メモ項目15、職業項目8a、医師の属する病院・診療科を示す病院・診療科項目(図示せず)及び医師名項目(図示せず)のうちいずれか1項目をプルダウン方式により補助項目47として設定し得る(図)。
【0062】
また、コード化対象項目設定欄70においてプルダウン方式によりコード化対象項目46として手術名項目16が選択された場合には、補助項目欄77において、手術契機傷病名項目16a、傷病原因項目16b、既往症・持病項目10、手術箇所項目16c及び手術メモ項目17のうちいずれか1項目をプルダウン方式により補助項目52として設定し得る(図)。
【0063】
制御部31は、操作部33を介して設定画面60において「コード化ルール見出」領域61、「コード化ルール条件」領域62及び「コード化ルール処理」領域63に設定された各内容をコード化ルールデータベース44に記憶し得るようになされている。
【0064】
(2−1)コード変換処理
次に、図2に示した高精度処理モードM3におけるステップSP4c、ステップSP5c及びステップSP6cのコード変換処理手順について、図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。因みに、ここでは、設定画面60において、コード化対象項目46として傷病名項目19が設定されていると共に、補助項目47として部位項目21が設定されており、場所条件欄72,79及び場所条件用語句欄73,80については共に設定されておらず、一致条件欄74,81において完全一致の条件が設定されている場合について以下説明する。
【0065】
この場合、コード変換部37は、コード変換処理を実行する診断書データを統括記憶部40から読み出すと共に、コード化対象項目46の傷病名項目19に入力された入力傷病名と、補助項目47の部位項目21に入力された入力部位名とを当該診断書データから読み出す。その後、コード変換部37は、図9に示すように、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1に移り、診断書データのコード化対象項目46に該当する傷病名項目19(以下、これを該当項目と呼ぶ)の入力傷病名が検索キーワード51と語形が一致しているか否かを判断する。ステップSP1において肯定結果が得られると、このことは該当項目の入力傷病名と、検索キーワード51との語形が完全一致したことを表しており、このときコード変換部37は次のステップSP2に移る。
【0066】
ステップSP2においてコード変換部37は、診断書データの補助項目47に該当する部位項目21(以下、これを補助該当項目と呼ぶ)の入力部位名が補助検索キーワード52と一致しているか否かを判断する。ステップSP2において肯定結果が得られると、このことは補助該当項目の入力部位名と、補助検索キーワード52との語形と完全一致したことを表しており、このときコード変換部37は次のステップSP3に移る。
【0067】
ステップSP3においてコード変換部37は、該当項目の入力傷病名(入力語)と一致した検索キーワード51と、補助該当項目の入力部位名(入力語)と一致した補助検索キーワード52との対に予め対応付けられた所定のICD−10コード53に、当該入力傷病名を変換したコード化済データを生成し、次のステップSP4へ移り、上述した処理を終了する。このようにしてコード変換部37は、コード化ルール処理として、ステップSP1、ステップSP2及びステップSP3までの処理を実行することにより、該当項目と、この該当項目とは異なる補助該当項目との2項目に区分けされて入力された各入力語を基に、該当項目の入力傷病名を所定のICD−10コード53に変換し得るようになされている。
【0068】
一方、上述したステップSP1において否定結果が得られると、このことは該当項目の入力傷病名と、検索キーワード51との語形が完全一致しなかったことを表しており、このときコード変換部37は、次のステップSP5に移る。
【0069】
また、上述したステップSP2において否定結果が得られると、このことは補助該当項目の入力部位名と、補助検索キーワード52との語形が完全一致しなかったことを表しており、このときコード変換部37は、次のステップSP5に移る。
【0070】
ステップSP5においてコード変換部37は、コード化データベース44から傷病名マスタを読み出して、当該傷病名マスタの各標準傷病名と、入力傷病名とを突き合わせる単純突合処理を実行し、これら傷病名マスタの複数の標準傷病名のうちいずれかの標準傷病名と、入力傷病名との語形が一致するか否かを判断する。
【0071】
ステップSP5において肯定結果が得られると、このことは傷病名マスタの複数の標準傷病名のうちいずれかの標準傷病名と、入力傷病名との語形が完全一致したことを表しており、コード変換部37は次のステップSP6に移る。
【0072】
ステップSP6において、コード変換部37は、傷病名マスタにおいて、入力傷病名と完全一致した標準傷病名に対応付けられたICD−10コードを読み出して、当該入力傷病名を当該ICD−10コードに変換したコード化済データを生成し、次のステップSP4に移り、上述した処理を終了する。
【0073】
これに対してステップSP5において否定結果が得られると、このことは傷病名マスタの標準傷病名のいずれかと、入力傷病名との語形が完全一致しなかったことを表しており、このときコード変換部37は次のサブルーチンSRT2に移り、後述するスコアリング処理を実行した後ステップSP4に移って上述した処理を終了する。
【0074】
(2−2)スコアリング処理
次に、スコアリング処理について説明する。実際上、スコアリング処理部38は、図10に示すように、サブルーチンSRT2の開始ステップから入ってステップSP10に移り、例えばm文字数の入力傷病名から、文字数単位が1文字からなる複数の文字と、文字数単位が2文字で隣接する2文字の組み合わせからなる複数の文字列と、文字数単位が3文字で隣接する3文字の組み合わせからなる複数の文字列と、…、文字数単位が(m−1)文字で隣接する(m−1)文字の組み合わせからなる複数の文字列と、文字数単位がm文字からなる文字列(すなわち入力傷病名そのもの)とをそれぞれ抽出し、次のステップSP11に移る。
【0075】
具体的には、例えば入力傷病名が5文字からなる「悪性腸腫瘍」である場合、当該「悪性腸腫瘍」を分解し、1文字からなる単語「悪」、単語「性」、単語「腸」、単語「腫」及び単語「瘍」と、隣接する2文字からなる単語「悪性」、単語「性腸」、単語「腸腫」及び単語「腫瘍」と、隣接する3文字からなる単語「悪性腸」、単語「性腸腫」及び単語「腸腫瘍」と、隣接する4文字からなる単語「悪性腸腫」及び単語「性腸腫瘍」と、5文字からなる単語「悪性腸腫瘍」とを抽出し得るようになされている。
【0076】
ステップSP11において、入力語抽出部、用語抽出部、一致数算出部、平準化頻出度算出部、決定部及び文字数差算出部としてのスコアリング処理部38は、次の数1に示す式に基づいて入力傷病名の最大頻出度を算出して、これをコード化ルールデータベース44に記憶し、次のステップSP12に移る。
【0077】
【数1】
【0078】
なお、式中のmは入力傷病名の全文字数を示す。
【0079】
具体的には、入力傷病名が5文字の「悪性腸腫瘍」である場合、上述した数1においてm=5となり、スコアリング処理部38によって、最大頻出度として、(5×1)+(4×2)+(3×3)+(2×4)+(1×5)=35が算出され得る。
【0080】
ステップSP12においてスコアリング処理部38は、傷病名マスタの複数の標準傷病名の中から任意に1つの標準傷病名を選択して読み出し、次のステップSP13に移る。ステップSP13においてスコアリング処理部38は、選択した例えばn文字数の標準傷病名から、文字数単位が1文字からなる複数の文字と、文字数単位が2文字で隣接する2文字の組み合わせからなる複数の文字列と、文字数単位が3文字で隣接する3文字の組み合わせからなる複数の文字列と、…、文字数単位が(n−1)文字で隣接する(n−1)文字の組み合わせからなる複数の文字列と、文字数単位がn文字からなる文字列(すなわち標準傷病名そのもの)とをそれぞれ抽出し、次のステップSP14に移る。
【0081】
具体的には、例えば標準傷病名が4文字からなる「小腸腫瘍」である場合、当該「小腸腫瘍」を分解し、1文字からなる単語「小」、単語「腸」、単語「腫」及び単語「瘍」と、隣接する2文字からなる単語「小腸」、単語「腸腫」及び単語「腫瘍」と、隣接する3文字からなる単語「小腸腫」及び単語「腸腫瘍」と、隣接する4文字からなる単語「小腸腫瘍」とを抽出し得るようになされている。
【0082】
ステップSP14においてスコアリング処理部38は、ステップSP10において入力傷病名から抽出した1文字からなる文字と、ステップSP13において標準傷病名から抽出した1文字からなる文字とを照合してゆき、入力傷病名から抽出した1文字の文字と、標準傷病名から抽出した1文字の文字とが全て不一致であるか否かを判断する。
【0083】
ステップSP14において否定結果が得られると、このことは入力傷病名から抽出した1文字からなる文字と、標準傷病名から抽出した1文字からなる文字とが少なくとも1単語以上一致していること、すなわち入力傷病名と標準傷病名とに共通する文字が存在し、入力傷病名が標準傷病名を示している可能性があることを示しており、このときスコアリング処理部38は次のサブルーチンSRT3に移る。
【0084】
サブルーチンSRT3においてスコアリング処理部38は、平準化頻出度算出処理を実行することにより、入力傷病名に対する標準傷病名の平準化頻出度を算出し、次のステップSP16に移る。実際上、スコアリング処理部38は、平準化頻出度算出処理として、図11に示すように、サブルーチンSRT3の開始ステップから入ってステップSP31に移り、入力傷病名から抽出した文字及び文字列と、標準傷病名から抽出した文字及び文字列とを同じ文字数単位毎に比較してゆき、入力傷病名の文字及び文字列と、標準傷病名の文字及び文字列とが一致した一致数を文字数単位毎に算出し、次のステップSP32に移る。
【0085】
すなわち、例えば入力傷病名を5文字からなる「悪性腸腫瘍」とし、標準傷病名を4文字からなる「小腸腫瘍」とした場合、スコアリング処理部38は、図12に示すように、入力傷病名の「悪性腸腫瘍」(図12において横に配置)から抽出した文字数単位が1文字からなる単語「悪」、単語「性」、単語「腸」、単語「腫」及び単語「瘍」と、標準傷病名の「小腸腫瘍」(図12において縦に配置)から抽出した文字数単位が1文字からなる単語「小」、単語「腸」、単語「腫」及び単語「瘍」とをそれぞれ対比し、入力傷病名及び標準傷病名の1文字からなる文字の一致数を算出する。この実施の形態の場合、スコアリング処理部38は、入力傷病名及び標準傷病名の1文字からなる文字のうち単語「腸」、単語「腫」及び単語「瘍」の3つの単語が一致していることから一致数として「3」を算出する。
【0086】
また、同様にしてスコアリング処理部38は、図13に示すように、入力傷病名の「悪性腸腫瘍」から抽出した文字数単位が2文字からなる単語「悪性」、単語「性腸」、単語「腸腫」及び単語「腫瘍」と、標準傷病名の「小腸腫瘍」から抽出した文字数単位が2文字からなる単語「小腸」、単語「腸腫」及び単語「腫瘍」とをそれぞれ対比し、入力傷病名及び標準傷病名の2文字からなる隣接する文字列の一致数を算出する。この実施の形態の場合、スコアリング処理部38は、入力傷病名及び標準傷病名の2文字からなる文字列のうち単語「腸腫」及び単語「腫瘍」の2つの文字列が一致していることから一致数として「2」を算出する。同様にしてスコアリング処理部38は、入力傷病名の「悪性腸腫瘍」と標準傷病名の「小腸腫瘍」とからそれぞれ抽出した文字及び文字列の一致数を文字数単位毎に算出し得るようになされている。
【0087】
ステップSP32においてスコアリング処理部38は、文字数単位毎に算出した一致数に対して当該文字数単位毎に予め設定した所定の重み付け係数を乗算して単語一致度を算出した後、これら文字数単位毎に算出した単語一致度を全て加算することにより、入力標準名に対する標準傷病名の頻出度を算出し、次のステップSP33に移る。
【0088】
この実施の形態の場合、スコアリング処理部38は、例えば1文字の文字数単位では重み付け係数として「1」を乗算し、2文字の文字数単位では重み付け係数として「2」を乗算し、3文字の文字数単位では重み付け係数として「3」を乗算し得るようになされており、当該文字数単位と同じ数値の重み付け係数を一致数に乗算し得るようになされている。
【0089】
すなわち、スコアリング処理部38は、(X1×1)+(X2×2)+(X3×3)…+(Xm×m)の式を用い、X1に文字数単位が1文字からなる文字における一致数を導入し、X2に文字数単位が2文字の文字列における一致数を導入し、X3に文字数単位が3文字の文字列における一致数を導入してゆき、入力傷病名の1文字からm文字までの各文字数単位での標準傷病名との一致数を導入して頻出度を算出し得るようになされている。因みに、Xmは文字数単位がm文字の文字列における一致数を示し、1、2、3…mは文字数が増えるに従って数値を増やしていった重み付け係数を示す。
【0090】
例えば入力傷病名を5文字からなる「悪性腸腫瘍」とし、標準傷病名を4文字からなる「小腸腫瘍」とした場合、スコアリング処理部38は、1文字からなる文字の一致数X1が「3」、2文字の文字列の一致数X2が「2」、3文字の文字列の一致数X3が「1」であることから、上記数式が(3×1)+(2×2)+(1×3)となり、頻出度として「10」を算出する。
【0091】
ステップSP33においてスコアリング処理部38は、ステップSP32により算出した頻出度を平準化した平準化頻出度を算出し、サブルーチンSRT3を終了して次のステップSP16に移る。ここでスコアリング処理部38により算出される平準化頻出度は、ステップSP32により算出した頻出度を、ステップSP11において算出した最大頻出度で除算し、「100」を乗算することにより算出され得る。この実施の形態の場合、スコアリング処理部38は、頻出度「10」を最大頻出度「35」で除算して「100」を乗算することにより平準化頻出度として「28.57」が算出され得る。
【0092】
次いで、図10に示すように、ステップSP16においてスコアリング処理部38は、他の標準傷病名について既に平準化頻出度が算出されているとき、既に算出されている他の標準傷病名の平準化頻出度と、新たに算出された平準化頻出度とを比較して、平準化頻出度の高い順にこれら標準傷病名を優先的に羅列させたランキング表を作成し、次のステップSP17に移る。このようにしてスコアリング処理部38は、平準化頻出度を基に標準傷病名のランキング順位を決定し得るようになされている。
【0093】
ステップSP17においてスコアリング処理部38は、他の標準傷病名の平準化頻出度と、サブルーチンSRT3において新たに算出した平準化頻出度を比較して、当該平準化頻出度が同じ数値であるか否かを判断する。
【0094】
ステップSP17において肯定結果が得られると、このことは他の標準傷病名の平準化頻出度と、サブルーチンSRT3において新たに算出した標準傷病名の平準化頻出度とが同じであることを表しており、このときスコアリング処理部38は次のステップSP18に移る。ステップSP18においてスコアリング処理部38は、入力傷病名の全文字数と、平準化頻出度が同じであった各標準傷病名の全文字数とをそれぞれ対比して、当該入力傷病名と各標準傷病名との文字数差を算出し、次のステップSP19に移る。
【0095】
ステップSP19においてスコアリング処理部38は、入力傷病名との文字数差が小さい標準傷病名を、当該入力傷病名との文字数差が大きい標準傷病名よりも上位の位置に優先的に配置したランキング表を作成し、次のステップSP20に移る。
【0096】
一方、上述したステップSP17において否定結果が得られると、このことは他の標準傷病名の平準化頻出度と、サブルーチンSRT3において新たに算出した標準傷病名の平準化頻出度とが異なることを表しており、このときスコアリング処理部38は次のステップSP20に移る。
【0097】
ステップSP20においてスコアリング処理部38は、ステップSP13において文字を抽出していない標準傷病名が傷病名マスタに存在しているか否かを判断する。ステップSP20において肯定結果が得られると、このことはステップSP13において文字を抽出していない標準傷病名が傷病名マスタに未だ存在していることを表しており、このときスコアリング処理部38は次のステップSP21に移る。
【0098】
ステップSP21においてスコアリング処理部38は、傷病名マスタの複数の標準傷病名のうち未だ文字が抽出されていない標準傷病名を選択し、再びステップSP13に移り、当該選択した標準傷病名から文字数単位毎に文字及び文字列を抽出して上述した処理を繰り返す。
【0099】
一方、上述したステップSP20において否定結果が得られると、このことはステップSP13において文字数単位毎に文字及び文字列を抽出していない標準傷病名が傷病名マスタに存在していないこと、すなわち傷病名マスタの全ての標準傷病名と、入力傷病名との文字及び文字列の対比が実行されたことを表しており、このときスコアリング処理部38は次のステップSP23に移り、スコアリング処理を終了する。
【0100】
また、上述したステップSP14において肯定結果が得られると、このことは入力傷病名から抽出した1文字からなる文字と、標準傷病名から抽出した1文字からなる文字とが全く一致していないこと、すなわち入力傷病名と標準傷病名とに共通する文字が全く存在せず、入力傷病名が標準傷病名を示している可能性が低いことを表しており、このときスコアリング処理部38は次のステップSP22に移る。
【0101】
ステップSP22においてスコアリング処理部38は、ステップSP14において、入力傷病名に対し1文字からなる文字を比較した標準傷病名を用いた平準化頻出度を算出する算出処理を中止し、次のステップSP20に移り、上述した処理を繰り返す。
【0102】
(3)動作及び効果
以上の構成において、コード変換装置3では、診断書データの複数の項目の中から例えば傷病名項目19をコード化対象項目46として予め設定しておくと共に、傷病名項目19に対して所定の傷病名を検索キーワード51として予め設定しておく。また、コード変換装置3では、診断書データの複数の項目の中からコード化対象項目46とは別に例えば部位項目21を補助項目47として予め設定しておくと共に、各検索キーワード51に対応付けて部位項目21に部位名を補助検索キーワード52として予め設定しておき、検索キーワード51と補助検索キーワード52との各組み合わせから推測できる正式傷病名のICD−10コード53を、検索キーワード51及び補助検索キーワード52の対毎に予め対応付けておく。
【0103】
すなわちコード変換装置3では、例えば検索キーワード51として傷病名「骨折」を設定しておくと共に、補助検索キーワード52として部位名「大腿部」を設定し、これら検索キーワード51の「骨折」と補助検索キーワード42の「大腿部」の組み合わせから推測できる正式傷病名「大腿骨骨折」のICD−10コード53を、当該検索キーワード51の「骨折」及び補助検索キーワード52の「大腿部」の対に予め対応付けおく。
【0104】
そして、コード変換装置3では、入力装置2から診断書データを取り込むと、当該診断書データから該当項目の入力傷病名と、補助該当項目の入力部位名とを抽出し、当該入力傷病名がコード化ルールデータベース44に記憶した検索キーワード51と一致するか否かを判断すると共に、当該入力部位名が当該検索キーワード51に対応付けた補助検索キーワード52と一致するか否かを判断する。
【0105】
その結果、コード変換装置3では、該当項目の入力傷病名が検索キーワード51と一致すると共に、補助該当項目の入力部位名が当該検索キーワード51と対応付けた補助検索キーワード52と一致すると、当該検索キーワード51及び補助検索キーワード52の対に予め対応付けたICD−10コード53に入力傷病名を変換する。
【0106】
ところで、従来のコード変換装置では、入力装置から取り込んだ診断書データにおいて仮に傷病名項目に入力傷病名として単に「骨折」とだけあると、そのままでは正式傷病名が不明であるため、当該入力傷病名をICD−10コードに変換することができなかった。
【0107】
これに対して本実施の形態によるコード変換装置3では、入力装置2から取り込んだ診断書データにおいて仮に該当項目に入力傷病名として単に「骨折」とだけあっても、補助該当項目に入力部位名「大腿部」とあれば、コード化ルールテーブル50に基づいて、当該入力傷病名「骨折」が正式傷病名「大腿骨骨折」を意図していると推測し、当該正式傷病名「大腿骨骨折」のICD−10コード53に入力傷病名を変換でき、かくして入力傷病名を該当する所定のICD−10コード53に従来よりも高い確率で変換し得る。
【0108】
また、コード変換装置3では、入力傷病名がコード化ルールデータベース44のコード化ルールテーブル50及び傷病名マスタデータベース43の傷病名マスタを基にICD−10コードに変換できなかったとき、スコアリング処理を実行する。
【0109】
コード変換装置3では、スコアリング処理として、診断書データの例えばm文字の入力傷病名を分解し、1文字からなる文字全てを入力傷病名から抽出すると共に、1文字から入力傷病名の全文字数までの各文字数単位(2文字、3文字、…m文字)毎に、当該文字数単位からなる隣接した各文字列全てを入力傷病名から抽出するまた、このコード変換装置3では、標準マスタから任意に選択された例えばn文字の標準傷病名を分解し、1文字からなる文字全てをこの標準傷病名から抽出すると共に、1文字から標準傷病名の全文字数までの各文字数単位(2文字、3文字、…n文字)毎に、当該文字数単位からなる隣接した各文字列全てを抽出する。
【0110】
コード変換装置3では、入力傷病名から抽出した複数の文字及び文字列と、標準傷病名から抽出した複数の文字及び文字列とを対比し、入力傷病名から抽出した複数の文字及び文字列に対して、標準傷病名から抽出した複数の文字及び文字列が一致している一致数を、各文字数単位毎に算出した後、文字数単位毎に異なる重み付け係数を各一致数に乗算することにより文字数単位毎に一致度合いを算出する。コード変換装置3では、算出した一致度合いを全て加算して頻出度を算出した後、頻出度を平準化して平準化頻出度を算出する。
【0111】
このようにしてコード変換装置3では、標準マスタに記憶された全ての標準傷病名と、入力傷病名との間で平準化頻出度を算出してゆき、当該平準化頻出度が高いほど入力傷病名と語形が近似していると判断し、標準マスタの他の全ての標準傷病名の中で入力傷病名とどの程度近似しているかを示すランキング順位を決定する。
【0112】
かくして、コード変換装置3では、ランキング順位に従って平準化頻出度が高い順に所定数の標準傷病名のみを羅列させたランキング表を作成した後、このランキング表を表示部32に表示して、オペレータに対して呈示する。この結果、オペレータは入力傷病名と同じであると推測される標準傷病名をランキング表の中から容易に選択することができる。
【0113】
これによりコード変換装置3では、オペレータが標準マスタに記憶された膨大な数の標準傷病名の中から入力傷病名と同じであると推測される標準傷病名を一つ一つ目視確認して検索する負担を軽減できる。また、コード変換装置3では、平準化頻出度に基づいて、診断書データの入力傷病名と同じであると推測される標準傷病名を客観的に選定して所定数まで限定できると共に、この限定した標準傷病名のみをオペレータに呈示することで、当該オペレータによる主観的な判断だけによる選択ミスを回避することができ、かくして入力傷病名を該当する所定のICD−10コード53に従来よりも高い確率で正確に変換し得る。
【0114】
また、コード変換装置3では、入力傷病名から抽出した複数の文字及び文字列と、標準傷病名から抽出した複数の文字及び文字列とを対比する際に、標準傷病名から抽出した1文字からなる文字が、入力傷病名から抽出した1文字からなる文字と不一致のとき、当該標準傷病名を基に頻出度を算出する算出処理を中止し、標準マスタの残りの他の標準傷病名と入力傷病名との対比を実行する。
【0115】
従って、コード変換装置3では、入力傷病名と全く異なる語形からなる標準傷病名を基に頻出度を算出する算出処理を中止する分だけその後の計算処理負担を軽減することができ、迅速にランキング表を作成して当該ランキング表をオペレータに対し呈示することができる。
【0116】
また、コード変換装置3では、仮に同じ平準化頻出度の標準傷病名が複数存在していても、入力傷病名との文字数差が小さい標準傷病名を、入力傷病名との文字数差が大きい標準傷病名よりも上位に配置したランキング表を作成する。これによりコード変換装置3では、仮に平準化頻出度が同じ標準傷病名が複数存在していても、入力傷病名と同じ意味内容を有する可能性がある文字数差の小さい標準傷病名をランキング表の上位に表示させることができる。
【0117】
以上の構成によれば、コード変換支援装置としてのコード変換装置3では、入力傷病名から抽出した複数の文字及び文字列と、標準傷病名から抽出した複数の文字及び文字列とが一致している一致数を各文字数単位毎に算出した後、この文字数単位毎に異なる重み付け係数を各一致数に乗算し、その算出結果を加算及び平準化して、得られた平準化頻出度を基に標準傷病名のランキング順位を決定するようにした。
【0118】
これにより、コード変換装置3では、平準化頻出度に基づいて入力傷病名が意図している可能性のある標準傷病名を客観的に選定し、ランキング順位を付した標準傷病名をオペレータに呈示することができるので、当該オペレータによる主観的な判断だけによる選択ミスを回避させつつ、入力傷病名に該当する可能性のあるICD−10コード53を容易に選択させることができ、かくして入力傷病名を該当する所定のICD−10コード53に従来よりも高い確率で変換し得る。
【0119】
また、診断書データの複数の項目の中から選定したコード化対象項目46に検索キーワード51を設定すると共に、検索キーワード51に対応付けて補助項目47に補助検索キーワード52を設定しておき、検索キーワード51と補助検索キーワード52との各組み合わせから推測できる正式傷病名のICD−10コード53を、検索キーワード51及び補助検索キーワード52の対毎に予め対応付けておくようにした。
【0120】
これにより、コード変換装置3では、仮に入力傷病名だけでは所定のICD−10コード53を推測し得ない入力傷病名のみが該当項目にあっても、コード化ルールテーブル50に基づいて、該当項目の入力傷病名と補助該当項目の入力部位名との関係から、当該項目の入力傷病名が意図する所定のICD−10コード53を推測することができ、かくして入力傷病名を該当する所定のICD−10コード53に従来よりも高い確率で変換し得る。
【0121】
(4)他の実施の形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、入力語として入力傷病名及び入力部位名だけでなく、入力手術名や入力傷病原因等この他種々の入力語を適用してもよい。また、医療関連用語として標準傷病名を適用したが、標準手術名等この他種々の医療関連用語を適用してもよい。
【0122】
なお、上述した実施の形態においては、傷病者毎に作成され、傷病者に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された医療関連書類データとして、傷病や手術に関する診断書4の内容が所定項目別に入力された診断書データを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、死亡に関する各種情報が区分けされて所定項目別に入力された死亡診断書データや、入院に関する各種情報が区分けされて項目別に入力された入院カルテデータ、外来に関する各種情報が区分けされて所定項目別に入力された外来カルテデータ、診療料金に関する各種情報が区分けされて所定項目別に入力された診療報酬明細書(レセプト)データ、妊婦に関する各種情報が区分けされて所定項目別に入力された母子手帳データ等この他種々の医療関連書類データを適用するようにしてもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、診断書7の傷病名項目19をコード化対象項目46とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、個人情報項目8、傷病特定項目9、既往症・持病項目10、前医項目11、診療期間項目12、入院期間項目13、退院理由状況項目14、傷病メモ項目15、手術名項目16、手術メモ項目17、傷病原因項目20、部位項目21、合併症項目22、初診メモ項目24、症状経過メモ項目25又は既存障害メモ項目16等この他種々の項目をコード化対象項目46としてもよい。
【0124】
さらに、上述した実施の形態においては、コードとして、ICD−10コードを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コード化対象項目46とした各項目に応じて、例えば手術・処置の領域に付されたKコードや、日本臨床検査医学会が制定した臨床検査コードであるJLAC10コード、或いは細胞診・生理機能検査等に使用され、組織の詳細や、全血、血漿、血清、皮膚、骨、膣、肺及び小脳等の生体部位等を分類してコードを付した材料コード、蛍光抗体法や酵素抗体法、遠心分離法等の測定法を分類してコードを付した測定法コード、薬価単位に設定され、薬価調査が実施されるときに使用される薬価基準収載医薬品コード等この他種々のコードを適用するようにしてもよい。
【0125】
さらに、上述した実施の形態においては、診断書7の部位項目21を補助項目47とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、個人情報項目8、傷病特定項目9、既往症・持病項目10、前医項目11、診療期間項目12、入院期間項目13、退院理由状況項目14、傷病メモ項目15、手術名項目16、手術メモ項目17、傷病名項目19、傷病原因項目20、合併症項目22、初診メモ項目24、症状経過メモ項目25又は既存障害メモ項目6等この他種々の項目を補助項目47としてもよい。
【0126】
具体的にルールベースコード化処理においては、コード化対象項目46として手術名項目16を選択し、補助項目47として傷病名項目19を選択した場合、手術名項目16の検索キーワード51として手術名「腫瘍手術」を設定しておくと共に、補助検索キーワード52として傷病名「肺悪性腫瘍」を設定しておき、これら検索キーワード51の「腫瘍手術」と補助検索キーワード52の「肺悪性腫瘍」の組み合わせから推測できる正式手術名「肺悪性腫瘍手術」のKコードを、当該検索キーワード51の「腫瘍手術」及び補助検索キーワード52の「肺悪性腫瘍」の対に対応付けおく。
【0127】
これにより、コード変換装置3では、入力装置2から取り込んだ診断書データにおいて仮に該当項目に入力手術名として単に「腫瘍手術」とだけあっても、補助該当項目に入力傷病名として「肺悪性腫瘍」とあれば、コード化ルールテーブルに基づいて、当該入力手術名「腫瘍手術」が正式手術名「肺悪性腫瘍手術」を意図していると推測し、当該正式傷病名「肺悪性腫瘍手術」のKコードに入力手術名を変換でき、かくして入力手術名を該当する所定のKコードに従来よりも高い確率で変換し得る。
【0128】
また、他の実施の形態として、コード化対象項目46として傷病名項目19を選択し、補助項目47として個人情報項目8を選択した場合、傷病名項目19の検索キーワード51として傷病名「骨折」を設定しておき、個人情報項目8の補助検索キーワード52として職業名「△△」を設定しおき、これら検索キーワード51と補助検索キーワード52との組み合わせから推測できる正式傷病名(例えばその職業「△△」において特に多い傷病名)「××骨折」を対応付けて記憶することができる。
【0129】
これによりコード変換装置3では、入力装置2から取り込んだ診断書データにおいて仮に該当項目に入力手術名として単に「骨折」とだけあっても、補助該当項目に職業名として「△△」とあれば、コード化ルールテーブルに基づいて、当該入力手術名「骨折」が正式手術名「××骨折」を意図していると推測し、当該正式傷病名「××骨折」のICD−10コード53に入力手術名を変換でき、かくして入力手術名を該当する所定のICD−10コード53に従来よりも高い確率で変換し得る。
【0130】
さらに、上述した実施の形態においては、コード化対象項目46と補助項目47との合計2項目に基づいて入力語を所定コードに変換する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コード化対象項目46と、補助項目46として第1の補助項目及び第2の補助項目の合計3項目や、合計4項目等この他複数の補助項目に基づいて入力語を所定コードに変換するようにしてもよい。
【0131】
この場合、コード変換装置3は、図14に示すように、例えばコード化対象項目46として傷病名項目19を設定し、第1の補助項目91として傷病原因項目20(図3)を設定し、さらに第2の補助項目92として合併症項目22(図3)を設定し得る。また、コード変換装置3は、コード化対象項目46とした傷病名項目19に所定の検索キーワードを設定し、第1の補助項目91とした傷病原因項目20に第1の補助検索キーワードを設定し、第2の補助項目92とした合併症項目22に第2の補助検索キーワードを設定する。
【0132】
かくして、コード変換装置3では、コード化対象項目46とした傷病名項目19に該当する該当項目の入力傷病名が検索キーワードと一致すると共に、第1の補助項目91とした傷病原因項目20に該当する第1の補助該当項目の入力語が当該検索キーワードと対応付けた第1の補助検索キーワードと一致し、さらに第2の補助項目92とした合併症項目22に該当する第2の補助該当項目の入力語が当該検索キーワードと対応付けた第2の補助検索キーワードと一致すると、当該検索キーワード、第1の補助検索キーワード及び第2の補助検索キーワードの対に予め対応付けたICD−10コードに入力傷病名を変換し、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0133】
さらに、上述した実施の形態においては、補助項目47に1つの補助検索キーワード52を設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、補助項目47に2つや3つ等この複数の補助検索キーワードを設定するようにしてよい。この場合、コード変換装置3では、該当項目の入力語が検索キーワードと一致すると共に、補助該当項目の入力語が複数の補助検索キーワード全てと一致したとき、検索キーワードと複数の補助検索キーワードの対に対応付けた所定のコードに、該当項目の入力語を変換させることができる。
【0134】
さらに、上述した実施の形態においては、平準化頻出度として、ステップSP11において算出した最大頻出度で頻出度を除算し、「100」を乗算することにより算出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、本発明はこれに限らず、ステップSP11において算出した最大頻出度で頻出度を除算することにより平準化頻出度を算出するようにしても良い。
【0135】
さらに、上述した実施の形態においては、ランキング順位に従って平準化頻出度が高い順に所定数の標準傷病名のみを羅列させたランキング表を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、オペレータが所望する標準傷病名のランキング順位のみを表示部32に表示させたり、或いは入力傷病名と語形が近似していない平準化頻出度が低い所定数の標準傷病名のみを羅列させたランキング表を作成したりしてもよい。
【0136】
さらに、上述の実施の形態においては、ROMに予めコード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムを格納するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コンピュータにコード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムを他のコンピュータ等からダウンロードしたり、コード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムの格納された例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory )等のパッケージメディアでなるプログラム格納媒体を再生してコンピュータにインストールしても良い。
【0137】
また、コード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリや光磁気ディスク等のプログラム格納媒体を再生して当該コード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムをインストールしても良く、さらにコンピュータに半導体メモリのスロットを設け、当該スロットにコード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムが一時的若しくは永続的に格納された半導体メモリを装填してインストールしても良い。
【0138】
そして、これらのプログラム格納媒体にコード化ルール処理プログラム及びスコアリング処理プログラムを格納する手段としては、ローカルエリアネットワーク、ディジタル衛生放送等の優先及び無線通信媒体を利用しても良く、ルータやモデム等の各種通信インターフェースを介在させて格納するようにしても良い。
【符号の説明】
【0139】
3 コード変換装置(コード変換部)
33 操作部(項目選択部、補助項目選択部、検索キーワード設定部、補助検索キーワード設定部)
36 ネットワークインターフェイス(取得部)
43 マスタデータベース(マスタ記憶部)
44 コード化ルールデータベース(テーブル記憶部)
図1
図2
図3
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図11
図12
図13
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