(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705304
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクスデバイスおよびオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20150402BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20150402BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20150402BHJP
【FI】
H01L33/00 422
H01L33/00 410
H01L33/00 432
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-506569(P2013-506569)
(86)(22)【出願日】2011年4月11日
(65)【公表番号】特表2013-526047(P2013-526047A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2011055621
(87)【国際公開番号】WO2011134777
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2012年11月27日
(31)【優先権主張番号】102010028407.6
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘアベアト ブルナー
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−クリストフ ガルマイアー
(72)【発明者】
【氏名】スィモン イェレビチ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン プロイス
(72)【発明者】
【氏名】ハンスイェルク シェル
【審査官】
村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−306151(JP,A)
【文献】
特開2009−182307(JP,A)
【文献】
特開2009−218274(JP,A)
【文献】
特開2001−223285(JP,A)
【文献】
特開2010−140942(JP,A)
【文献】
特開2008−047569(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/048064(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/118104(WO,A1)
【文献】
特開2008−277592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクスデバイスであって:
・オプトエレクトロニクス半導体チップ(104)を有しており、当該オプトエレクトロニクス半導体チップ(104)はコンタクト面(106)と、対向するビーム取り出し面(108)とを有しており、
・チップ担体(102)を有しており、当該チップ担体(102)の上には前記半導体チップ(104)が自身のコンタクト面(106)を介して被着されており、
・ビーム変換部材(110)を有しており、当該ビーム変換部材(110)は前記ビーム取り出し面(108)上に被着されており、
・反射性の注封材料(112)を有しており、当該注封材料(112)は前記チップ担体(102)上に被着されており、前記半導体チップ(104)と前記ビーム変換部材(110)とを側方で包囲しており、当該注封材料(112)は前記半導体チップ(104)および前記ビーム変換部材(110)と直接的に接触しており、
当該注封材料(112)は実質的に、前記ビーム変換部材(110)の上方縁部と同一平面を成しており、前記ビーム変換部材(110)の上面に前記注封材料(112)は存在しておらず、
前記ビーム変換部材(110)は、前記ビーム取り出し面(108)から、前記ビーム変換部材(110)の上面に向かって拡張している、
ことを特徴とする、オプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項2】
前記半導体チップ(104)は前記チップ担体(102)を介して電気的に接触接続されている、請求項1記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項3】
前記半導体チップ(104)は自身のビーム取り出し面(108)を介して電気的に接触接続されている、請求項1または2記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項4】
前記ビーム取り出し面(108)は導体接続部(302)を介して前記チップ担体(102)と電気的に接触接続されている、請求項3記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項5】
前記導体接続部(302)は前記注封材料(112)内に埋設されている、請求項4記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項6】
前記導体接続部(302)はボンディングワイヤーを含んでいる、請求項4または5記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項7】
前記ビーム取り出し面(108)上の前記ボンディングワイヤーの垂直延在部(304)は、前記ビーム取り出し面(108)上の前記ビーム変換部材(110)の高さよりも低い、請求項6記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項8】
前記ビーム取り出し面(108)上の、前記ボンディングワイヤーの垂直延在部(304)は、20〜200μmの範囲内にあり、例えば40μmである、請求項6または7記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項9】
前記注封材料(112)はシリコーンを含んでいる、請求項1から8までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項10】
前記注封材料(112)は分散された散乱粒子を含んでいる、請求項1から9までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項11】
前記散乱粒子は二酸化チタンを含んでいる、請求項10記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項12】
前記ビーム変換部材(110)上に被着されている光学素子(402)、殊にレンズを備えている、請求項1から11までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項13】
前記ビーム変換部材(110)はストップエッジ(202)を、前記注封材料(112)に対する濡れ境界として有している、請求項1から12までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項14】
前記ビーム変換部材(110)は円錐状、殊に台状の形を有している、請求項1から13までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項15】
前記ビーム変換部材(110)を被着した後に、前記注封材料(112)を注入によって入れる、
ことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載されているオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法。
【請求項16】
前記注封材料(112)を圧縮成形によって入れる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記注封材料を、前記チップ担体(102)内に設けられている開口部(600)を通じて入れる、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクスデバイスおよびオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法に関する。
【0002】
オプトエレクトロニクスデバイスでは、放射されたビームが、所望の用途に応じて取り出される。ここで重要なのは、オプトエレクトロニクスデバイスによって散乱光が放出されるか否か、またはビームが1つの方向に配向されるべきか否かである。多くの用途では、ビームをできるだけフォーカシングして、1つの方向に放出することが重要である。これは例えば、自動車の投光器やフラッシュ等の放射器で重要である。光導波路(LWL)内に放射ビームを入力する際にも、ビームの正確なフォーカシングが望ましい。これによって散乱または吸収による損失が回避される。
【0003】
本発明の課題は、良好に区画された光円錐がオプトエレクトロニクスデバイスの取り出し面から放出されて、放出が有利な主方向で行われる、オプトエレクトロニクスデバイスないしはオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法を提供することである。
【0004】
上述の課題は、請求項1に記載されたオプトエレクトロニクスデバイス並びに、請求項13に記載された、オプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法によって解決される。
【0005】
オプトエレクトロニクスデバイスの発展形態および有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
例示的な実施形態
オプトエレクトロニクスデバイスの種々の実施形態は、オプトエレクトロニクス半導体チップを有している。これは、接触面と、この接触面に対向しているビーム取り出し面とを有している。オプトエレクトロニクスデバイスはチップ担体を有しており、このチップ担体上には半導体チップが、自身のコンタクト面を介して被着されている。半導体チップのこのビーム取り出し面上には、ビーム変換部材が被着されている。チップ担体上にはさらに、注封材料が被着されている。この注封材料は、半導体チップおよびビーム変換部材を側方で包囲している。注封材料は反射性の注封材料である。これは実質的に、ビーム変換部材の上方縁部と同一平面を成している。従って、ビーム変換部材の上面には、注封材料が設けられていない。
【0007】
半導体チップもビーム変換部材も側方で完全に反射性の注封材料によって包囲されている。これによって光は、ビーム変換部材の上面を介してのみ半導体チップから出射することができる。その他では半導体チップもビーム変換部材も、側方で注封材料によって包囲されている。また後方にはチップ担体が設けられており、チップ担体と注封材料によって散乱光が半導体チップ内ないしはビーム変換部材内に反射して戻される。ここでこの散乱光はビーム変換部材の上面を介して取り出される。これによって実質的に、ビーム変換部材の上面に対して垂直に延在するビーム取り出し方向が定められる。散乱ビームはビーム変換部材内に戻され、上面を介して取り出される。従って、全体として、オプトエレクトロニクスデバイスの高い効率が得られる。
【0008】
これに加えて、半導体チップおよびビーム変換部材が側方で注封材料によって包囲されていることによって、さらなるケーシングを設ける必要がなくなる。半導体チップおよびコンタクト面上に設けられている接続部材(例えば接着材またははんだ付け材料)が環境影響、殊に大気または湿気との接触から、既に、注封材料によって充分に保護される。
【0009】
別の利点は、ビーム変換部材の上面と注封材料との間の同一平面の終端によって得られる。オプトエレクトロニクスデバイスを容易に光学素子、例えば光導波路に取り付けることができる。なぜなら、これは上方に完全に平らな表面を有しているからである。つまり、良好に区画された移行部を、ビーム変換部材の上面の形態の取り出し面と、注封材料の形態の反射性の周辺領域との間に有しており、動作時に、良好に区画された光円錐がオプトエレクトロニクスデバイスの取り出し面から放出されるオプトエレクトロニクスデバイスが提供される。光導波路の入力面を、オプトエレクトロニクスデバイスの発光面の極めて近くに持ってくることができる。
【0010】
換言すれば、反射性の注封材料によって、側方反射器が提供される。これは半導体チップだけでなく、ビーム変換部材も包囲している。側面が完全に覆われていることによって、ビームは、オプトエレクトロニクスデバイスから、制限された空間角度で、ビーム変換部材の表面の垂線に対向する方向で取り出される。チップ担体等での側方における散乱または吸収による損失はほぼ回避される。
【0011】
種々の実施形態において、半導体チップは、チップ担体
を介して電気的に接触接続されている。ここで、例えばフリップチップの形態であるこの半導体チップは、pコンタクトもnコンタクトも、自身のコンタクト面上に有している。従って2つのコンタクトは、直接的に、チップ担体に接続される。これによって有利には、コンタクトをビーム取り出し面上に有していないオプトエレクトロニクスデバイスが提供される。従って、コンタクト部材または電気的な接続部によって暗くされることがなくなる。
【0012】
種々の実施形態において、半導体チップは、自身のビーム取り出し面
を介して電気的に接触接続されている。これは例えば、少なくとも1つのコンタクト、例えばnコンタクトがビーム取り出し面上に設けられている発光ダイオードの場合である。
【0013】
種々の実施形態では、ビーム取り出し面上の電気的なコンタクトが、導体接続部を介して電気的にチップ担体と接触接続されている。従って、オプトエレクトロニクスデバイスのケーシング後に、接続コンタクトは、チップ担体にのみ設けられている。
【0014】
種々の実施形態において、導体接続部は注封材料内に埋設されている。従って、導体接続部を腐食等から保護するために、さらなるケーシングまたは保護部材を設ける必要がなくなる。
【0015】
種々の実施形態において、導体接続部はボンディングワイヤーを有している。これによって、オプトエレクトロニクスデバイスに関連して既知の接触接続方法を用いることが可能になる。
【0016】
種々の実施形態において、ビーム取り出し面上のボンディングワイヤーの垂直延在部は、ビーム取り出し面上のビーム変換部材の高さよりも低い。これによってボンディングワイヤーはあらゆる場合において、注封材料によって覆われる。なぜなら、注封材料はビーム変換部材の上方縁部と同一平面を成しているからである。ここでも、ボンディングワイヤーを保護するためのさらなるケーシングが省かれる。さらにこのようにして、オプトエレクトロニクスデバイスの高さを低減することができる。オプトエレクトロニクスデバイスの高さは単に、チップ担体の高さ、半導体チップの高さ、およびビーム変換部材の高さによって決まる。特別な技術、例えばスルーホールを用いることなく、オプトエレクトロニクスデバイスを格段に小さくすることかできる。
【0017】
種々の実施形態では、ビーム取り出し面上のボンディングワイヤーの垂直延在部は、20〜200μmのオーダーにあり、例えば40μmである。
【0018】
種々の実施形態において、注封材料はマトリクス材料、例えばシリコーンまたはエポキシ樹脂を有している。ここで、シリコーンの使用は特に有利である。なぜなら、シリコーンは容易に処理可能であり、シリコーンによって、半導体チップによって放射されたビームは妨害されないからである。
【0019】
種々の実施形態において、注封材料は分散された散乱粒子を有している。この散乱粒子によって、注封材料は反射性の注封材料になる。例えば散乱粒子は二酸化チタンを有している。別の散乱粒子、例えば酸化アルミニウムを含有する散乱粒子も可能である。
【0020】
種々の実施形態において、ビーム変換部材上に光学素子、例えばレンズまた光導波路が設けられている。この光学素子は、オプトエレクトロニクスデバイスの平らな表面上に極めて容易に被着および固定される。
【0021】
オプトエレクトロニクスデバイスの製造方法の種々の実施形態では、注封材料は、注入によって入れられる。ここで、注封材料を例えば圧縮成形によって入れることができる。これは殊に、注封材料を、チップ担体内に設けられている開口部を通じて入れることによって行われる。
【0022】
オプトエレクトロニクスデバイスおよびこの種のオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法の種々の実施例を以下で、図面に基づいて詳細に説明する。図面では、参照番号の最初の数字が、この参照番号が初め使用いられた図面を表している。全ての図面において同じ参照番号が同様の、または同じ作用を有する部材ないしは特性に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】オプトエレクトロニクスデバイスの第1の実施例の概略的な横断面図
【
図2】オプトエレクトロニクスデバイスの第2の実施例の概略的な横断面図
【
図3】オプトエレクトロニクスデバイスの第3の実施例の概略的な横断面図
【
図4】オプトエレクトロニクスデバイスの第4の実施例の概略的な横断面図
【
図5】オプトエレクトロニクスデバイスの製造方法の第1の実施例の概略図
【
図6】オプトエレクトロニクスデバイスの製造方法の第2の実施例の概略図
【実施例】
【0024】
オプトエレクトロニクスデバイスの実施例
図1は、オプトエレクトロニクスデバイスの第1の実施例の概略的な横断面図を示している。オプトエレクトロニクスデバイス100はチップ担体102を有している。このチップ担体はここでセラミック担体または半導体担体であり得る。このチップ担体の上には、オプトエレクトロニクス半導体チップ104が被着されている。このオプトエレクトロニクス半導体チップ104は、発光ダイオードまたは、ビームを放射するまたは吸収する他の光学素子である。オプトエレクトロニクス半導体チップ104は、例えば薄膜方法によって製造される。オプトエレクトロニクス半導体チップ104は、コンタクト面106を有している。このコンタクト面でもってオプトエレクトロニクス半導体チップ104はチップ担体102上に被着されており、このコンタクト面上にオプトエレクトロニクス半導体チップ104は少なくとも1つの電気的なコンタクトを有している。ここでこのコンタクト面上のさらなる電気的なコンタクトもチップ担体に接続させることが可能である。
【0025】
コンタクト面106に対向する面に、オプトエレクトロニクス半導体チップ104はビーム取り出し面108を有している。このビーム取り出し面108を介して、オプトエレクトロニクス半導体チップ104内で形成されたビームが取り出される。形成されたビームをできるだけ効率的に取り出すために、チップ担体102は例えば、反射性の表面を、コンタクト面106の領域内に有している。
【0026】
ビーム取り出し面108には、ビーム変換部材110が被着されている。このビーム変換部材110は、通常、蛍光を発する材料を有している。この材料内に、オプトエレクトロニクス半導体チップ104によって放射されたビームが少なくとも部分的に吸収される。このビームは、ビーム変換部材110内への蛍光を発する接合部を励起する。この結果、ビーム変換部材110から第2のビームが放射される。この第2のビームの波長は、オプトエレクトロニクス半導体チップ104からのビームの波長とは異なる。このようにして、オプトエレクトロニクスデバイス100は、幅広い周波数スペクトルにわたってビームを放射する。
【0027】
チップ担体102上には、注封材料112が被着されている。この注封材料112はオプトエレクトロニクス半導体チップ104とビーム変換部材110とを側方で完全に包囲している。注封材料112はここで、ビーム変換部材110の上方縁部にまで達する。すなわち注封材料112は、この上方縁部と同一平面を成している。注封材料112は典型的にマトリクス材料を有している。これは例えばシリコーンまたはエポキシ樹脂である。マトリクス材料内には散乱粒子が分散されている。散乱粒子は典型的に二酸化チタン粒子または酸化アルミニウム粒子である。オプトエレクトロニクス半導体チップ104およびビーム変換部材110の側面は、注封材料112によって包囲されているので、オプトエレクトロニクス半導体チップ104またはビーム変換部材110の側方から放射された散乱ビームは反射して戻され、理想的には再びビーム変換部材110に達する。このビーム変換部材によって、散乱ビームは上面を介して取り出される。このようにして、ビームは、ビーム変換部材110の上面を介してのみ取り出され、シャープにフォーカシングされる。すなわち良好に区画された移行部が、ビーム変換部材110の上面によって表されている取り出し面と、注封材料112の縁部領域との間で得られる。従って、良好に区画された光円錐が、オプトエレクトロニクスデバイスの取り出し面から放出される。
【0028】
注封材料112は、ビーム変換部材110の上面と同一平面を成しているので、オプトエレクトロニクスデバイス100は特に平坦な表面を有している。付加的に、オプトエレクトロニクス半導体チップ104は完全にビーム変換部材110、チップ担体112および注封材料112によって包囲されている。従って、オプトエレクトロニクス半導体チップ104を保護するために、さらなるケーシングを設ける必要はない。従って全体的に、オプトエレクトロニクスデバイスを容易に製造することができる。これは、電子半導体チップ104からのビーム取り出しを形成する、またはオプトエレクトロニクス半導体チップ104を保護する特別なケーシングを設けるための事前に対策を講じる必要なく、さらなる使用に適している。
【0029】
図2は、オプトエレクトロニクスデバイスの第2の実施例の横断面の概略図を示している。オプトエレクトロニクスデバイス200はここで第1の実施例のオプトエレクトロニクスデバイス100と、ビーム変換部材110が特別な形状を有している、という点で異なっている。ここで、ビーム変換部材110にはストップエッジ202が設けられている。このストップエッジは、オプトエレクトロニクスデバイス200の製造時に、注封材料112を注ぐ際の側方の濡れに対する境界を形成するために用いられる。従って注封材料112は、ビーム変換部材110の上面と同一平面を成す。
【0030】
図示された第2の実施例では、ビーム変換部材110は円錐状の、すなわち台状の形状を有している。従ってストップエッジ202は、オプトエレクトロニクス半導体チップ104の表面から離れるように延在し、濡れ境界としての機能の他に、反射器の機能を満たしている。ストップエッジ202はここで、図示されているように、線形に延在することができる。同様に、ストップエッジ202の別の延在が存在していてもよい。これは例えば凹または凸状の延在である。
【0031】
オプトエレクトロニクスデバイス200は殊に、ストップエッジ202の形状によって、取り出されるビームのビーム経過がフォーカシングされ、ビーム変換部材110の表面の垂線の方向において延在する、という特性を示す。
【0032】
図3は、オプトエレクトロニクスデバイスの第3の実施例の横断面の概略図を示している。オプトエレクトロニクスデバイス300はここで第1の実施例のオプトエレクトロニクスデバイス100と、導体接続部302が設けられている、という点で異なっている。この導体接続部によって、チップ担体102へのビーム取り出し面108上の接触接続が形成される。導体接続部302はここで殊にボンディングワイヤーであり、その垂直延在部304は、ビーム取り出し面108上のビーム変換部材の高さを超えない。これによって、導体接続部302が完全に注封材料112によって包囲されることが保証される。垂直延在部304の典型的な大きさは、20〜200μmのオーダーにあり、殊に40μmである。
【0033】
図4は、オプトエレクトロニクスデバイスの第4の実施例の横断面の概略図を示している。オプトエレクトロニクスデバイス400はここで第3の実施例のオプトエレクトロニクスデバイス300と、ビーム変換部材上に、すなわち自身の表面上に直接、レンズの形態の光学素子402が被着されている、という点で異なっている。従って、取り出されたビームのさらなるビーム形成が行われる。光学素子402は、
図4に示されているように、レンズであってよい。同様に、光学素子が光導波路であってもよい。従って、オプトエレクトロニクス半導体チップ104内で形成されたビームは完全に、光導波路内に入れられる。
【0034】
オプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法の実施例
図5aおよび
図5bは、オプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法の第1の実施例の概略図を示している。ここで、
図5aに示されているように、まずはチップ担体102が準備される。このチップ担体上には既に第1のオプトエレクトロニクス半導体チップ502と第2のオプトエレクトロニクス半導体チップ504とが被着されている。第1のオプトエレクトロニクス半導体チップ502と第2のオプトエレクトロニクス半導体チップ504とは、例えばアタッチメントによって、またはウェハレベルボンディングによって、チップ担体102上に固定される。第1のオプトエレクトロニクス半導体チップ502と第2のオプトエレクトロニクス半導体チップ504の上に、それぞれ1つのビーム変換部材が被着されている。理想的にはこのビーム変換部材は、
図2に関連して説明したように、ストップエッジを有している。図を見やすくするために、
図5aおよび後続の
図5bにおいてストップエッジの表示は省かれている。
【0035】
半導体チップをチップ担体102上に提供した後、チップ担体102全体が、注封材料112によって充填される。従って、半導体チップ502および504および注封材料112から成るマトリクスが生じる。これは
図5bに示されている。このマトリクスは、例えば、自動車の投光器またはフラッシュまたは別の用途に対する発光モジュールとして使用される。しかし同様に、注封材料112によって充填した後に、オプトエレクトロニクス半導体チップ502と504とを別個にすることが可能である。これによって、例えば
図1〜4に示されているような、個々のオプトエレクトロニクスデバイスが生じる。
【0036】
この方法は特に容易な方法である。しかしここでは、注封材料112がビーム変換部材の上面と同一平面を成すことが保証されなければならない。これは、ビーム変換部材が、
図2に示されているようなストップエッジを有することによって、特に有利に実現される。
【0037】
図6a〜
図6dは、オプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法の第2の実施例の概略図を示している。この方法は、いわゆる圧縮成形(compression molding)を用いている。このために、
図6aに示されているように、チップ担体102が準備される。この上には第1のオプトエレクトロニクス半導体チップ502と第2のオプトエレクトロニクス半導体チップ504とが、
図5aに関して示された方法と同様に、被着されている。チップ担体102は、開口部600を有している。これはチップ担体102を貫通している。
【0038】
第2のステップでは、半導体チップおよびチップ担体102上に金型602が被着される。チップ担体102はここで、金型602によって包囲される。従って内側領域には、開口部600を通じてのみアクセスすることができる。開口部600を介して、さらなるステップにおいては、
図6cに示されているように、注封材料112が入れられる。これは有利には圧力下での搬入によって行われる。ここで注封材料112内には散乱粒子、例えば二酸化チタンが分散されている。
【0039】
注封材料を硬化した後、金型602が除去される。従ってこれに続いて、マトリクスモジュールが提供される。これは
図6dに示されている。このマトリクスモジュールも、例えば、自動車用投光器またはモバイル用途でのフラッシュとしての用途に対する、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップを備えた照明としての使用に適している。しかし個別化を行い、これに続いて、
図1〜4に示されているような、個々のオプトエレクトロニクスデバイスを得ることも可能である。
【0040】
ここで当然ながら、製造方法の実施例を、オプトエレクトロニクスデバイスの第2の実施例または第3の実施例または第4の実施例が得られるように変更することもできる。
【0041】
最終確認
オプトエレクトロニクスデバイスおよびオプトエレクトロニクスデバイスの製造方法を、基礎となる考えを具体化するために、幾つかの実施例に基づいて記載した。ここでこれらの実施例は、特定の特徴の組み合わせに限定されない。幾つかの特徴および形態が特別な実施例または個々の実施例に関連してのみ記載されていたとしても、これらはそれぞれ他の実施例からの他の特徴と組み合わせ可能である。同様に、一般的な技術的教示が実現され続ける限り、実施例において、示された幾つかの特徴または特別な形態を省くまたは付加することもできる。