【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、衝撃式破砕機を用いて廃電子機器を破砕することにより、この廃電子機器に含まれるプリント基板とこのプリント基板以外の素材とに分離する基板分離工程と、この基板分離工程にて分離されたプリント基板を、回転型衝撃破砕機を用いて
このプリント基板に搭載された部品をこのプリント基板から剥ぎ取ることにより、このプリント基板に搭載された部品とこの部品以外とに分離する部品分離工程と、この部品分離工程において分離された部品から有価金属を回収する回収工程とを含む廃電子機器から有価金属を回収する方法であって、上記回転型衝撃破砕機は、一方に原料搬入部を、他方に原料搬出部を有するドラム本体と、このドラム本体の胴板内周に、それぞれが隙間を有し、この胴板内周に対して鈍角(α)傾斜状態で取付けられた複数の反撥板と、このドラム本体の内方にそれぞれが隙間を有して配置され、その外周には複数の打撃板がこの外周に対して鈍角(β)傾斜して均等に取付けられ、この打撃板の取付け方向に高速回転し、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータとを有し、上記ドラム本体は上記ロータと同一方向に低速回転し、上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介して上記ドラム本体に取付けられているとともに、上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬出側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられており、上記ドラム本体を10〜30rpmの低速で、上記ロータを1000〜2000rpmの高速で同一方向に回転させる廃電子機器から有価金属を回収する方法である。
「回転型衝撃破砕機を用いて
このプリント基板に搭載された部品をこのプリント基板から剥ぎ取ることにより、このプリント基板に搭載された部品とこの部品以外とに分離する」とは、プラスチック、金属の大部分を破砕することなく、搭載部品をプリント基板から剥ぎ取ることを意味する。
なお、衝撃式破砕機には、ハンマーシュレッダなどのハンマー式破砕機が含まれるが、一軸せん断破砕機、二軸せん断破砕機は含まれない。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、廃電子機器(廃家電製品を含む)を衝撃式破砕機に投入する。その後、廃電子機器はそのケーシングなどが破砕されて、金属片、プラスチック片、プリント基板の破砕片(破砕された基板だが搭載部品と未だ一体化された破砕片)等に破砕される。これらの破砕片のサイズは10〜50mm程度とされる。そして、これらの破砕片に対して分級、篩い分けにより篩い網目上に所定サイズ以上の破砕片が残される。この残された破砕片は、上記プリント基板の破砕片を含むこととなる。なお、篩い下は、例えばプリント基板から剥離された一部の搭載部品が含まれることがある。これらは貴金属濃縮物として回収する。
次に、篩の網目上の破砕片(貴金属が未だ濃縮されているとはいえない素材群)を回転型衝撃式破砕機に投入し、これをさらに破砕する。その破砕品を分級することにより、搭載部品付きのプリント基板からプリント基板の破砕片と搭載部品とを分離する。そして、この篩分けにより、貴金属類濃縮物(半導体チップ、コンデンサーなどの搭載部品)が有価金属類として回収されるともに、非濃縮物であるその他の金属片、プラスチック片(基板片を含む)は、例えば次工程にて磁力選別される。
磁力選別工程では、磁着物と非磁着物とに分離選別される。磁着物である鉄・ステンレス材は回収される。非磁着物は、さらに次の工程における渦電流選別機においてプラスチックと非鉄金属類とに分離される。
【0009】
上記衝撃式破砕機は、ハンマーシュレッダを含むことができる。ハンマーシュレッダとしては、例えばドラム本体のケーシング内に水平に設置され、複数の打撃板を備えた回転可能なロータと、ケーシング内部に配設した衝突板と、排出部に設けられたロストルとを備えたものが
知られている。
また、上記回転型衝撃破砕機は、ドラム本体内にロータを回転自在に支持し、ロータ外周に打撃板を形成し、ドラム内周に反撥板を有する。そして、例えばこのドラム本体を
10〜30rpmの低速で、ロータを
1000〜2000rpmの高速で同一方向に回転させる。その理由は、ロータの回転速度が500rpm未満になると選択破砕性が無くなり、プリント基板表面の部品を剥ぎ取る効率が悪くなるからである。4000rpmを越えると、過破砕となり、篩い分けによって回収する貴金属類濃縮物の貴金属含有率が低くなってしまうからである。この結果として、プリント基板にハンダその他で固着・搭載された各部品は、プリント基板から剥離されることとなる。
【0010】
上記回転型衝撃破砕機は、一方に原料搬入部を、他方に原料搬出部を有し、胴板内周には複数の反撥板が隙間を有し、この胴板内周に対して鈍角(α)傾斜状態で取付けられたドラム本体と、このドラム本体の内側に隙間を有して配置され、外周には複数の打撃板がこの外周に対して鈍角(β)傾斜して均等に取付けられ、上記打撃板取付け方向に高速回転するロータとを有する回転型衝撃破砕機において、上記ドラム本体は上記ロータと同一方向に低速回転し、上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介して上記ドラム本体に取付けられていると共に、上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を
原料搬出側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が
設けられている。
【0011】
上記ドラム本体の低速回転とは
10〜30rpmをいう。このドラム本体を低速回転としているのは、高速回転にすると遠心力が大きくなって原料搬送部の原料が落下せずにドラム本体と一緒に回転するからである。しかしながら、ドラム本体の速度が余り遅すぎると破砕に時間がかかり過ぎることとなる。
また、上記ロータの高速回転とは
1000〜2000rpmをいう。このロータを高速回転させるのは、原料が打撃板に当たる回数や、この打撃板によって跳ね上げられたり、飛翔した原料が反撥板に当たる回数を多くすることにより、破砕効率を高めるためである。
【0012】
上記原料搬出部は、上記ドラム本体の他方の閉塞端板の内側周囲に貫通して形成された複数の孔と、上記他方の閉塞端板の内側で隣り合う上記孔の中間に半径方向に対して傾斜状態で設けられた第2の案内羽根とから構成されている。
【0013】
回転型衝撃破砕機において、上記仕切り板は上記反撥板よりも内側に突出している。
この反撥板は上記ドラム本体の内周に95度〜130度の角度で取付けられ、上記打撃板は上記ロータの外周に115度〜155度の角度で取付けられている。このような角度で取り付けることにより、強い衝撃力で原料を細かく粉砕することができるからである。
上記打撃板及び/又は上記反撥板は、原料を搬入側に反撥飛翔する角度にやや傾斜している。
上記打撃板は、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。これらの打撃板は同一半径上に並接されている。
上記反撥板は、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に並接されている。
上記原料供給部にはスクリューフィーダ(電磁フィーダ、振動フィーダ、ベルトフィーダなどでも良い)が備えられている。
上記ドラム本体は、上記ロータと同一方向に低速回転する。上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介してこのドラム本体に取付けられている。上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬入側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられている。原料供給部から送られたドラム本体の原料搬送部の原料は、ある高さになると、原料搬送部から落下する。
落下した原料の大部分は高速で回転しているロータの打撃板に当たり破砕される。
そして、ロータで破砕された原料は跳ねて一部はドラム本体の反撥板に当たり、一部は原料搬送部に落ちる。
上記反撥板により破砕された原料の一部は、再びロータの打撃板に当たりさらに細かく破砕され、一部は原料搬送部に落ちる。
これを何回も繰り返しながら徐々に原料搬出部に移動していく。
この破砕の過程で発生する粉塵は集塵フードから排出され、別置きの集塵機で回収される。
上記原料搬出部は、上記ドラム本体の他方の閉塞端板の内側周囲に形成された複数の孔と、この孔の中間に半径方向に対して傾斜状態で設けられた第2の案内羽根と、からなる。第2の案内羽根に掻き揚げられた原料は閉塞端板の複数の孔から一定量ずつ排出される。
上記仕切り板は上記反撥板よりも内側に突出している。原料搬送部で持ち上げ落下させて打撃板に当たらないで落下する原料は、スパイラル状の仕切り板により原料搬入側に押し戻される。
上記反撥板は上記ドラム本体の内周に95度〜130度の角度で取付けられている。上記打撃板は上記ロータの外周に115度〜155度の角度で取付けられている。原料は反撥板又は打撃板に、この反撥板又は打撃板の垂直方向への大きな力で当たり細かく破砕される。
上記打撃板及び/又は上記反撥板は、原料を搬入側に反撥飛翔する角度にやや傾斜している。衝撃破砕された原料は原料搬入側に反撥飛翔する。
そのため、原料が搬出側へ移動するのを遅くして、滞留時間を長くし、破砕を十分に行うようにする。
そして、打撃板及び/又は反撥板の傾斜角度の調整により、原料の滞留時間の調整ができる。
上記打撃板は原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。上記反撥板は同一半径上に並接されている。ロータの原料搬入側の周速は遅いため、打撃板の衝撃力は弱い。しかしながら、ロータの原料搬出側の周速は速いため、打撃板の衝撃力は強い。
したがって、原料搬入側の周速の遅い打撃板で比較的大きな原料を破砕する。破砕された原料は徐々に速くなる周速による強い衝撃で、さらに細かく破砕される。
上記打撃板は原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。ロータの原料搬入側の周速は遅いため、打撃板の衝撃力は弱い。ロータの原料搬出側の周速は速いため、打撃板の衝撃力は強い。
また、上記反撥板は原料搬出側に徐々に拡大する半径上に並接されている。ドラム本体の原料搬入側の周速は遅いため、反撥板の衝撃力は弱い。ドラム本体の原料搬出側の周速は速いため、反撥板の衝撃力は強い。
したがって、原料搬入側の周速の遅い打撃板及び反撥板で比較的大きな原料を破砕する。そして、小さく砕かれた原料を徐々に速くなる周速を有する打撃板及び反撥板による強い衝撃で、さらに細かく破砕する。
上記原料供給部は、例えばスクリューフィーダ(電磁フィーダ、振動フィーダ、ベルトフィーダなどでも可)を備えているので、原料を定量的にドラム本体に送ることができる。
【0014】
例えば衝撃式破砕機としてハンマーシュレッダを用いると、機器本体のケーシングなどから効率よくプリント基板を分離することができる。
そして、回転型衝撃破砕機は、打撃板を有し高速回転するロータと、反撥板を有し低速回転するドラム本体とを有するため、プリント基板から搭載部品を有効に剥離することができる。