特許第5705305号(P5705305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705305
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】廃電子機器から有価金属を回収する方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20150402BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20150402BHJP
   B02C 13/09 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   B09B3/00 ZZAB
   B09B5/00 C
   B02C13/09 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-506922(P2013-506922)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(86)【国際出願番号】JP2011057832
(87)【国際公開番号】WO2012131906
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231327
【氏名又は名称】日本磁力選鉱株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】菊川 剛
(72)【発明者】
【氏名】原田 幹雄
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−029923(JP,A)
【文献】 特開2000−294919(JP,A)
【文献】 特開平08−010633(JP,A)
【文献】 特開平07−246382(JP,A)
【文献】 特開2005−066515(JP,A)
【文献】 特開2003−126783(JP,A)
【文献】 特開2006−142129(JP,A)
【文献】 特開2001−025679(JP,A)
【文献】 特開2000−301131(JP,A)
【文献】 特開平10−057927(JP,A)
【文献】 特開平09−324222(JP,A)
【文献】 特開平08−309328(JP,A)
【文献】 特開平07−251154(JP,A)
【文献】 特開2002−153856(JP,A)
【文献】 特開平09−194959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00− 5/00
C22B 1/00−61/00
B02C 13/00−13/31
B02C 18/00−18/44
B02C 9/00−11/08
B02C 19/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃式破砕機を用いて廃電子機器を破砕することにより、この廃電子機器に含まれるプリント基板とこのプリント基板以外の素材とに分離する基板分離工程と、
この基板分離工程にて分離されたプリント基板を、回転型衝撃破砕機を用いてこのプリント基板に搭載された部品をこのプリント基板から剥ぎ取ることにより、このプリント基板に搭載された部品とこの部品以外とに分離する部品分離工程と、
この部品分離工程において分離された部品から有価金属を回収する回収工程とを含む廃電子機器から有価金属を回収する方法であって、
上記回転型衝撃破砕機は、一方に原料搬入部を、他方に原料搬出部を有するドラム本体と、このドラム本体の胴板内周に、それぞれが隙間を有し、この胴板内周に対して鈍角(α)傾斜状態で取付けられた複数の反撥板と、このドラム本体の内方にそれぞれが隙間を有して配置され、その外周には複数の打撃板がこの外周に対して鈍角(β)傾斜して均等に取付けられ、この打撃板の取付け方向に高速回転し、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータとを有し、上記ドラム本体は上記ロータと同一方向に低速回転し、上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介して上記ドラム本体に取付けられているとともに、上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬出側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられており、
上記ドラム本体を10〜30rpmの低速で、上記ロータを1000〜2000rpmの高速で同一方向に回転させる廃電子機器から有価金属を回収する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は廃電子機器から有価金属を回収する方法、詳しくは廃棄された通信用機器等の廃電子機器のプリント基板から搭載部品を回収することにより有価金属を回収する廃電子機器から有価金属を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃プリント基板、廃電子機器から貴金属(有価金属)を回収する方法として、例えばプリント基板を含む樹脂類を焼却または熱分解などにより灰または炭としてこれらに貴金属を濃縮し、この灰または炭から貴金属を回収する方法が知られていた。
しかしながら、この方法によれば、焼却または熱分解の過程においてダイオキシン、塩化水素、臭化水素などの有毒ガスが発生する。このため、これら有毒ガスの処理費用
が嵩み全体として回収が高コスト化するという課題を有していた。
また、プリント基板の表面をエッチャントを使用してエッチングすることにより金属を回収する方法も知られている。
しかしながら、この回収法にあっては、水処理費用が高いという課題を有することとなる。
さらに、特許文献1に記載の方法にあっては、基板を含む機器に対してせん断破砕を行い、さらにこれを粉砕することで基板を0.8mm以下のサイズの小片に破砕した後、渦電流選別または静電選別により貴金属を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許第3369234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の回収方法にあっても、破砕片のサイズが小さいためその処理量を落とさざるを得ない。また、静電選別処理前に破砕片の乾燥を行う必要がある。このため、その処理費用が高騰化するという課題を有していた。
【0005】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、廃電子機器本体を破砕してプリント基板をこの廃電子機器本体から分離する際に要する外力と、このプリント基板を破砕してプリント基板から搭載部品を分離する際に要する外力とは、その大きさが異なることに着目した。そして、2種類の衝撃破砕機を用いた物理的破砕処理のみで、簡易に低廉に搭載部品を選別することが可能となることを知見してこの発明を完成させた。
【0006】
この発明は、その処理費用を低廉化することができる廃電子機器から有価金属を回収する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、衝撃式破砕機を用いて廃電子機器を破砕することにより、この廃電子機器に含まれるプリント基板とこのプリント基板以外の素材とに分離する基板分離工程と、この基板分離工程にて分離されたプリント基板を、回転型衝撃破砕機を用いてこのプリント基板に搭載された部品をこのプリント基板から剥ぎ取ることにより、このプリント基板に搭載された部品とこの部品以外とに分離する部品分離工程と、この部品分離工程において分離された部品から有価金属を回収する回収工程とを含む廃電子機器から有価金属を回収する方法であって、上記回転型衝撃破砕機は、一方に原料搬入部を、他方に原料搬出部を有するドラム本体と、このドラム本体の胴板内周に、それぞれが隙間を有し、この胴板内周に対して鈍角(α)傾斜状態で取付けられた複数の反撥板と、このドラム本体の内方にそれぞれが隙間を有して配置され、その外周には複数の打撃板がこの外周に対して鈍角(β)傾斜して均等に取付けられ、この打撃板の取付け方向に高速回転し、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータとを有し、上記ドラム本体は上記ロータと同一方向に低速回転し、上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介して上記ドラム本体に取付けられているとともに、上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬出側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられており、上記ドラム本体を10〜30rpmの低速で、上記ロータを1000〜2000rpmの高速で同一方向に回転させる廃電子機器から有価金属を回収する方法である。
「回転型衝撃破砕機を用いてこのプリント基板に搭載された部品をこのプリント基板から剥ぎ取ることにより、このプリント基板に搭載された部品とこの部品以外とに分離する」とは、プラスチック、金属の大部分を破砕することなく、搭載部品をプリント基板から剥ぎ取ることを意味する。
なお、衝撃式破砕機には、ハンマーシュレッダなどのハンマー式破砕機が含まれるが、一軸せん断破砕機、二軸せん断破砕機は含まれない。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、廃電子機器(廃家電製品を含む)を衝撃式破砕機に投入する。その後、廃電子機器はそのケーシングなどが破砕されて、金属片、プラスチック片、プリント基板の破砕片(破砕された基板だが搭載部品と未だ一体化された破砕片)等に破砕される。これらの破砕片のサイズは10〜50mm程度とされる。そして、これらの破砕片に対して分級、篩い分けにより篩い網目上に所定サイズ以上の破砕片が残される。この残された破砕片は、上記プリント基板の破砕片を含むこととなる。なお、篩い下は、例えばプリント基板から剥離された一部の搭載部品が含まれることがある。これらは貴金属濃縮物として回収する。
次に、篩の網目上の破砕片(貴金属が未だ濃縮されているとはいえない素材群)を回転型衝撃式破砕機に投入し、これをさらに破砕する。その破砕品を分級することにより、搭載部品付きのプリント基板からプリント基板の破砕片と搭載部品とを分離する。そして、この篩分けにより、貴金属類濃縮物(半導体チップ、コンデンサーなどの搭載部品)が有価金属類として回収されるともに、非濃縮物であるその他の金属片、プラスチック片(基板片を含む)は、例えば次工程にて磁力選別される。
磁力選別工程では、磁着物と非磁着物とに分離選別される。磁着物である鉄・ステンレス材は回収される。非磁着物は、さらに次の工程における渦電流選別機においてプラスチックと非鉄金属類とに分離される。
【0009】
上記衝撃式破砕機は、ハンマーシュレッダを含むことができる。ハンマーシュレッダとしては、例えばドラム本体のケーシング内に水平に設置され、複数の打撃板を備えた回転可能なロータと、ケーシング内部に配設した衝突板と、排出部に設けられたロストルとを備えたものが知られている。
また、上記回転型衝撃破砕機は、ドラム本体内にロータを回転自在に支持し、ロータ外周に打撃板を形成し、ドラム内周に反撥板を有する。そして、例えばこのドラム本体を10〜30rpmの低速で、ロータを1000〜2000rpmの高速で同一方向に回転させる。その理由は、ロータの回転速度が500rpm未満になると選択破砕性が無くなり、プリント基板表面の部品を剥ぎ取る効率が悪くなるからである。4000rpmを越えると、過破砕となり、篩い分けによって回収する貴金属類濃縮物の貴金属含有率が低くなってしまうからである。この結果として、プリント基板にハンダその他で固着・搭載された各部品は、プリント基板から剥離されることとなる。
【0010】
上記回転型衝撃破砕機は、一方に原料搬入部を、他方に原料搬出部を有し、胴板内周には複数の反撥板が隙間を有し、この胴板内周に対して鈍角(α)傾斜状態で取付けられたドラム本体と、このドラム本体の内側に隙間を有して配置され、外周には複数の打撃板がこの外周に対して鈍角(β)傾斜して均等に取付けられ、上記打撃板取付け方向に高速回転するロータとを有する回転型衝撃破砕機において、上記ドラム本体は上記ロータと同一方向に低速回転し、上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介して上記ドラム本体に取付けられていると共に、上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬出側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられている。
【0011】
上記ドラム本体の低速回転とは10〜30rpmをいう。このドラム本体を低速回転としているのは、高速回転にすると遠心力が大きくなって原料搬送部の原料が落下せずにドラム本体と一緒に回転するからである。しかしながら、ドラム本体の速度が余り遅すぎると破砕に時間がかかり過ぎることとなる。
また、上記ロータの高速回転とは1000〜2000rpmをいう。このロータを高速回転させるのは、原料が打撃板に当たる回数や、この打撃板によって跳ね上げられたり、飛翔した原料が反撥板に当たる回数を多くすることにより、破砕効率を高めるためである。
【0012】
上記原料搬出部は、上記ドラム本体の他方の閉塞端板の内側周囲に貫通して形成された複数の孔と、上記他方の閉塞端板の内側で隣り合う上記孔の中間に半径方向に対して傾斜状態で設けられた第2の案内羽根とから構成されている。
【0013】
回転型衝撃破砕機において、上記仕切り板は上記反撥板よりも内側に突出している。
この反撥板は上記ドラム本体の内周に95度〜130度の角度で取付けられ、上記打撃板は上記ロータの外周に115度〜155度の角度で取付けられている。このような角度で取り付けることにより、強い衝撃力で原料を細かく粉砕することができるからである。
上記打撃板及び/又は上記反撥板は、原料を搬入側に反撥飛翔する角度にやや傾斜している。
上記打撃板は、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。これらの打撃板は同一半径上に並接されている。
上記反撥板は、原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に並接されている。
上記原料供給部にはスクリューフィーダ(電磁フィーダ、振動フィーダ、ベルトフィーダなどでも良い)が備えられている。
上記ドラム本体は、上記ロータと同一方向に低速回転する。上記反撥板は他面が原料搬送部を形成する断面フ字状の反撥板取付け部材を介してこのドラム本体に取付けられている。上記原料搬送部を軸方向に区分し持ち上げる原料を原料搬入側に徐々に搬送するスパイラル状の仕切り板が設けられている。原料供給部から送られたドラム本体の原料搬送部の原料は、ある高さになると、原料搬送部から落下する。
落下した原料の大部分は高速で回転しているロータの打撃板に当たり破砕される。
そして、ロータで破砕された原料は跳ねて一部はドラム本体の反撥板に当たり、一部は原料搬送部に落ちる。
上記反撥板により破砕された原料の一部は、再びロータの打撃板に当たりさらに細かく破砕され、一部は原料搬送部に落ちる。
これを何回も繰り返しながら徐々に原料搬出部に移動していく。
この破砕の過程で発生する粉塵は集塵フードから排出され、別置きの集塵機で回収される。
上記原料搬出部は、上記ドラム本体の他方の閉塞端板の内側周囲に形成された複数の孔と、この孔の中間に半径方向に対して傾斜状態で設けられた第2の案内羽根と、からなる。第2の案内羽根に掻き揚げられた原料は閉塞端板の複数の孔から一定量ずつ排出される。
上記仕切り板は上記反撥板よりも内側に突出している。原料搬送部で持ち上げ落下させて打撃板に当たらないで落下する原料は、スパイラル状の仕切り板により原料搬入側に押し戻される。
上記反撥板は上記ドラム本体の内周に95度〜130度の角度で取付けられている。上記打撃板は上記ロータの外周に115度〜155度の角度で取付けられている。原料は反撥板又は打撃板に、この反撥板又は打撃板の垂直方向への大きな力で当たり細かく破砕される。
上記打撃板及び/又は上記反撥板は、原料を搬入側に反撥飛翔する角度にやや傾斜している。衝撃破砕された原料は原料搬入側に反撥飛翔する。
そのため、原料が搬出側へ移動するのを遅くして、滞留時間を長くし、破砕を十分に行うようにする。
そして、打撃板及び/又は反撥板の傾斜角度の調整により、原料の滞留時間の調整ができる。
上記打撃板は原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。上記反撥板は同一半径上に並接されている。ロータの原料搬入側の周速は遅いため、打撃板の衝撃力は弱い。しかしながら、ロータの原料搬出側の周速は速いため、打撃板の衝撃力は強い。
したがって、原料搬入側の周速の遅い打撃板で比較的大きな原料を破砕する。破砕された原料は徐々に速くなる周速による強い衝撃で、さらに細かく破砕される。
上記打撃板は原料搬入側から原料搬出側に徐々に拡径するロータ本体に取付けられている。ロータの原料搬入側の周速は遅いため、打撃板の衝撃力は弱い。ロータの原料搬出側の周速は速いため、打撃板の衝撃力は強い。
また、上記反撥板は原料搬出側に徐々に拡大する半径上に並接されている。ドラム本体の原料搬入側の周速は遅いため、反撥板の衝撃力は弱い。ドラム本体の原料搬出側の周速は速いため、反撥板の衝撃力は強い。
したがって、原料搬入側の周速の遅い打撃板及び反撥板で比較的大きな原料を破砕する。そして、小さく砕かれた原料を徐々に速くなる周速を有する打撃板及び反撥板による強い衝撃で、さらに細かく破砕する。
上記原料供給部は、例えばスクリューフィーダ(電磁フィーダ、振動フィーダ、ベルトフィーダなどでも可)を備えているので、原料を定量的にドラム本体に送ることができる。
【0014】
例えば衝撃式破砕機としてハンマーシュレッダを用いると、機器本体のケーシングなどから効率よくプリント基板を分離することができる。
そして、回転型衝撃破砕機は、打撃板を有し高速回転するロータと、反撥板を有し低速回転するドラム本体とを有するため、プリント基板から搭載部品を有効に剥離することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、破砕という物理的な処理のみで廃電子機器からプリント基板に搭載された部品である有価金属類を回収することができる。よって、きわめて効率よく、低コストで有価金属類を回収することができる。特に、回転型衝撃破砕機を用いることにより、被破砕物であるプリント基板のドラム本体内での滞留時間を短縮することができる。数多くの衝撃によりプリント基板に対する破砕(剥離)を均一に行うことができる。その結果、プリント基板(裁断されたプリント基板片を含む)からその搭載部品を効率よく剥離・回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施例1に係る有価金属の回収方法のフローチャートである。
図2】この発明の実施例1に係る有価金属の回収方法において用いられる回転型衝撃破砕機の側面断面図である。
図3図2におけるA−A線矢視断面図である。
図4】この発明の一実施例に係る回転型衝撃破砕機におけるロータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の一実施例を図面を参照して具体的に説明する。
【実施例】
【0018】
この発明の一実施例に係る有価金属の回収方法を説明する。図1のフローチャートで示すように、まず、1次破砕工程(基板分離工程)では、たとえば、廃棄された携帯電話等のようなプリント基板を内蔵する電子機器または廃棄されたプリント基板は、ハンマーシュレッダに投入される。そして、この電子機器またはこのプリント基板が、このハンマーシュレッダにより破砕される。このため、そのケーシングなどとプリント基板とは分離される(S101)。このとき、プリント基板は細断されるが、大部分の細片には搭載部品は未だ搭載された状態となる。
そして、この破砕され単体分離されたケーシング片(金属片、プラスチック片)、プリント基板片などは、分級され(S102)、10mm以上の基板片などは非濃縮物(S103)として分離され、次の2次破砕工程(S105)に進む。一方、10mm未満の部品は貴金属類濃縮物と判断されて回収される(S104)。
2次破砕工程(S105;部品分離工程)にあっては、例えば10mm以上の大きさの破砕片(非濃縮物)が後述する回転型衝撃破砕機(RIM)に投入される。そして、特にプリント基板の表面に搭載・固着された搭載部品、例えばコンデンサ、半導体チップ類はプリント基板から剥離される。
この剥離された搭載部品は10mm以下のサイズとされ、次の分級工程(S106)にて篩下となり、貴金属類濃縮物として回収される(S104;回収工程)。
分級工程(S106)において篩上とされた破砕片は非濃縮物とされ(S107)、磁力選別工程(S108)に送られる。この磁力選別工程においては、非磁着物(S109)と、鉄・ステンレスなどの磁着物(S110)とに分離される。非磁着物は、次の渦電流選別機(S111)において、プラスチック(S112)と、非鉄金属類(S113)とに分離される。
以上の工程を経て貴金属類濃縮物(チップ、コンデンサなど)とその他の非濃縮物である磁着物、非鉄金属類、プラスチックはそれぞれ分離され、回収されることとなる(その他の廃棄物は発生しない)。なお、貴金属類濃縮物は、所定方法を用いてさらに各元素別にその分離・回収などが行われることとなる。
なお、上記2次破砕工程での回転型衝撃破砕機によれば、選択破砕性に優れている。よって、プリント基板から分離された搭載部品以外のプラスチック、金属は、細かく破砕されることなくそのままの形状で残留する。
なお、この回転型衝撃破砕機(RIM)を用いた場合、概ね95%以上の搭載部品をプリント基板から剥ぎ取ることができる。よって、濃縮物の貴金属類の回収率は95%以上となる。このため、回収品位は、元鉱と比較して約2〜5倍となる。
【0019】
上記ハンマーシュレッダとしては、以下の機種を使用し、以下の運転条件の下に所定時間運転することにより、原材料である廃電子機器(例えば携帯電話、ゲーム機など)からプリント基板を分離することとなる。すなわち、ラサ工業株式会社製破砕機(型番:HS−750R)を用いて、これに小型家電製品を350kg投入し、ロータの周速を50m/s、ロストル開口50mmの条件で25分間運転する。
ここで、2次破砕工程において使用される回転型衝撃破砕機の一例について説明する。
図2図4に示すように、この発明の一実施例に係る回転型衝撃破砕機10は、低速回転する筒状のドラム本体11と、このドラム本体11の内部にこのドラム本体11と同心円状でかつドラム本体11とは所定の隙間を有して配置されて高速回転するロータ12とを備えている。また、この回転型衝撃破砕機10は、上記ドラム本体11に原料を供給するスクリューフィーダ13を備えた原料供給部14と、集塵フード15とをも有している。
【0020】
上記ドラム本体11は、図2に示すように、内周に複数の断面フ字状の反撥板取付け部材16が間隔を有して被固定面17が角α(95度〜130度)になるように取り付けられている。この被固定面17には耐磨耗性に優れた反撥板18が着脱可能に設けられている。
これらの反撥板18間にこれら反撥板18よりも内側に向かって突出する仕切り板19が、投入された原料を搬出側に徐々に搬送するようにスパイラル状に取り付けられている。これらの反撥板取付け部材16及び仕切り板19により囲まれた部分は原料搬送部20を形成している。
したがって、原料搬送部20で上部に持ち上げられた原料は落下すると搬出側に近い原料搬送部20に入る。
また、上記ドラム本体11の搬入側には原料搬入部20aが設けられている。この原料搬入部20aの閉塞端板21の内側には12枚の第1の案内羽根23が傾斜して取り付けられている。それぞれの隣合う第1の案内羽根23間には孔24が形成されている。
さらに、上記ドラム本体11の搬出側には原料搬出部20bが設けられている。この原料搬出部20bの閉塞端板22の内側には8枚の第2の案内羽根25が傾斜して取り付けられている。それぞれの隣合う第2の案内羽根25間には孔26が形成されている。
上記ドラム本体11の外周の両側にはリング28が設けられている。それぞれのリング28は、対となるドラム受けローラ29上に載置されている。
ドラム本体11の外周中央には支持部材30を介して大径のスプロケット31が取り付けられている。ドラム本体11の下方にはこのスプロケット31とチェーンによって連結されているスプロケット32が回転軸33に設けられ、この回転軸33にはスプロケット34が取り付けられている。
そして、駆動モータ35によりスプロケット36を回転させ、チェーン37を介してスプロケット34を回転させてドラム本体11を低速回転(10〜30rpm程度、好ましくは20rpm程度)させる。なお、ドラム本体11は、上下に2分割でき、反撥板18等の取り替えが容易にできるようになっている。
【0021】
上記ロータ12は、図2及び図4に示すように、その両側を架台38に取り付けられた軸受け39で保持されている回転軸40に装着されている。図3に示すように上記ロータ12の外周に打撃板取付け部材41の被固定面42が角β(115°〜155°)に傾斜されて同一間隔で取り付けらている。この被固定面42に耐磨耗性に優れた打撃板43が着脱可能に設けられている。上記回転軸40の排出側にはVプーリ44が取り付けられている。そして、駆動モータ45によりVプーリ44を回転させ、Vベルト46を介してVプーリ44を回転させてロータ12を上記ドラム本体11と同じ方向に高速回転(500〜4000rpm程度、好ましくは1000〜2000rpm程度)させるようになっている。
【0022】
上記原料供給部14は、投入側に設けられた上記ドラム本体11の孔24に原料を供給するスクリューフィーダ13を備えている。このスクリューフィーダ13の上部にはホッパー48が設けられている。そして、ホッパー48から投入された原料はスクリューフィーダ13により溜まり部49に送られるようになっている。
上記集塵フード15は、上記ドラム本体11の排出側に設けられている。破砕の際に発生する粉塵は、この集塵フード15から集塵機に送られて回収されるようになっている。
【0023】
この回転型衝撃破砕機10を使用して、1次破砕されて10mm以上の破砕片(原材料)にあってプリント基板からその搭載部品を分離する場合について説明する。
まず、ドラム本体11を20rpm程度、ロータ12を1000rpm程度で図3にて時計回り方向に回転させる。ホッパー48から投入された原材料はスクリューフィーダ13により溜まり部49に送られる。溜まり部49の原材料は後から送られてくる原材料により押されて回転しているドラム本体11の閉塞端板21の孔24から入る。
そして、第1の案内羽根23によって掻き揚げられた原材料がドラム本体11の原料搬送部20に入れられる。原料搬送部20の原材料はドラム本体11の回転速度に応じて持ち上げられ、ある高さにくると落下する。落下した原料の大部分は、高速回転しているロータ12の打撃板43に当たり、破砕されて飛ばされる。飛ばされた原材料は再び打撃板43に当たり、あるいはドラム本体11の反撥板18に当たることで、さらに破砕される。こうして破砕された原料は、落下して最初の原料搬送部20より搬入側の下部の原料搬送部20に一部が入り、大部分は下部の排出側に近い原料搬送部20に入る。仕切り板19は反撥板18より内側に突出しているため、原料の横方向への飛散が制御される。また、打撃板43に当たらなかった原材料は、スパイラル状の仕切り板19に沿って落下して原料搬入側の原料搬送部20に戻される。このような破砕を何度も繰り返しながら原材料は均一に破砕されてプリント基板から搭載部品が剥離され、徐々に排出側に送られる。
そして、ドラム本体11の排出側に達した原材料は、第2の案内羽根25により掻き揚げられて閉塞端板22の孔26より排出され、排出装置に送られる。なお、破砕時に発生する粉塵は、ロータ12の回転により発生する風と共にスパイラル状の仕切り板19に沿って排出側に吐き出される。この粉塵は、集塵フード15を経由して集塵機に送られて回収される。このようにして、連続的に破砕することでプリント基板から搭載部品を分離することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
この発明に係る廃電子機器から有価金属を回収する方法は、例えば廃電子機器のプリント基板から搭載部品であるチップ、コンデンサなどを回収する際にきわめて有用である。チップ、コンデンサなどからいわゆるレアメタルなどを回収することができる。
【符号の説明】
【0025】
10 回転型衝撃破砕機、
11 ドラム本体、
12 ロータ、
18 反撥板、
19 仕切り板、
43 打撃板。
図1
図2
図3
図4