特許第5705356号(P5705356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5705356
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】医療用器具の付属装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20150402BHJP
   A61B 18/20 20060101ALN20150402BHJP
【FI】
   A61B17/39
   !A61B17/36 350
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-115649(P2014-115649)
(22)【出願日】2014年6月4日
【審査請求日】2014年6月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503287580
【氏名又は名称】都筑 俊寛
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(73)【特許権者】
【識別番号】514140481
【氏名又は名称】株式会社ORI−ENTメディカル
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】都筑 俊寛
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0076411(US,A1)
【文献】 国際公開第2004/054626(WO,A2)
【文献】 国際公開第2002/089722(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3165077(JP,U)
【文献】 実開平08−000945(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
A61B 18/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル部を有する嘴管と、この嘴管を医療用器具に着脱自在に装着するためのばねバサミを具備し、このばねバサミは、挟着板とばね材を具備し、前記挟着板の開閉支軸として前記嘴管を兼用したことを特徴とする医療用器具の付属装置。
【請求項2】
ばねバサミを構成する2個の挟着板の途中に設けた支軸片を互いに重ね合わせ、これらの支軸片に形成した軸孔に嘴管を遊嵌したことを特徴とする請求項1記載の医療用器具の付属装置。
【請求項3】
医療用器具は、医療用ピンセットであり、この医療用ピンセットのアーム部にばねバサミで嘴管を装着し、嘴管の先端部付近に、前記医療用ピンセットのアーム部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の医療用器具の付属装置。
【請求項4】
ばね材は、U字形の板ばねからなり、2個の挟着板を支軸兼用の嘴管を支点として拡開する力で軸孔内で嘴管を保持するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の医療用器具の付属装置。
【請求項5】
嘴管は、ノズル部と反対側の端部に切換え弁を介して本管を設け、前記切換え弁に開閉自在の枝管を設けてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の医療用器具の付属装置。
【請求項6】
医療用器具は、レーザファイバプローブであり、このレーザファイバプローブの握り部にばねバサミで嘴管を装着し、嘴管の先端部付近に、前記レーザファイバプローブの先端部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の医療用器具の付属装置。
【請求項7】
医療用器具は、剥離ピックであり、この剥離ピックの握り部にばねバサミで嘴管を装着し、この嘴管の基端部から先端部の内部に、気体又は液体の通過する空隙をもってレーザファイバ挿入し、前記嘴管の先端部付近に、前記レーザファイバの先端部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の医療用器具の付属装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用器具に装着する付属装置で、さらに詳しくは、止血のための双極電気ピンセットその他の医療用器具の先端部に臨ませて嘴管を取り付け、患部に気体又は液体を噴射したり、患部から血液や体液を吸引したりするときに使用される医療用器具の付属装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から医療用ピンセットに装着する付属装置は、種々提案されている。
例えば、図10の医療用ピンセット10は、先端の2本の先端電極11の間に高周波電流を流して患部の止血や切開するためのもので、アーム部13の内側に嘴管12を固定的に取り付け、この嘴管12の先端部から生理食塩水をミスト状にして噴射するものである(引用文献1)。
また、アーム部13の内側に嘴管12を着脱自在に取り付け、医療用ピンセット10を冷却したり、ピンセット本体と付属部品とを別々に洗浄可能にしたものが知られている(引用文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−201948号公報
【特許文献2】特開2000−201947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療用ピンセット10の大きさや形状には、切開、凝固、剥離などの患部の処置方法によって、また、胸部用、扁桃用、頭頸部用、眼瞼用などの患部の処置する部位によって、さらにメーカーによって異なる多数種類が存在する。
特許文献1に記載したピンセットアーム部分に固定的に嘴管12などの付属装置を形成する方法では、多数種類の医療用ピンセット毎に、付属装置のついているものとついていないもの2種類の医療用ピンセットを用意することが必要になる。
また、嘴管などの付属装置にも、気体の吸引と噴射の違い、液体の吸引と噴射の違い、患部の部位に対する嘴管の指向方法の違い、嘴管の管径の違いなどにも適合させようとすると、さらに何十種類もの医療用ピンセットを用意しなければならないという問題があった。
また、特許文献2に記載した嘴管などの付属装置を着脱自在に取り付けたものでは、ピンセット本体と分離して洗浄できるという利点はあるが、ピンセットアームの内側に取り付けるものであるから、このピンセットアームの形状の異なるものには装着することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、タイプの異なる多くの種類の医療用器具に、着脱自在に取り付けることのできる嘴管としての医療用器具の付属装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、嘴管12のノズル部15を医療用器具としての医療用ピンセット10の先端部に臨ませて装着し、このノズル部15から噴射又は吸引する医療用ピンセットの付属装置において、前記嘴管12を医療用ピンセット10のアーム部13に着脱自在に装着するためのばねバサミ23であって、このばねバサミ23は、挟着板25とばね材26を具備し、前記挟着板25の開閉支軸として前記嘴管12を兼用したことを特徴とする医療用ピンセットの付属装置である。
ばねバサミ23は、2個の挟着板25の途中に設けた支軸片27を互いに重ね合わせ、これらの支軸片27に形成した軸孔28に嘴管12を遊嵌したことを特徴とする。
【0007】
嘴管12の先端部付近に、アーム部13に遊嵌して嘴管12のノズル部15の位置保持をするノズル保持リング33を設けたことを特徴とする。
また、ばね材26は、U字形の板ばねからなり、2個の挟着板25を支軸兼用の嘴管12を支点として拡開する力で軸孔28内で嘴管12を保持する。
嘴管12は、ノズル部15と反対側の端部に切換え弁16を介して本管21を設け、前記切換え弁16に開閉自在の枝管22を設ける。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ノズル部を有する嘴管と、この嘴管を医療用器具に着脱自在に装着するためのばねバサミを具備し、このばねバサミは、挟着板とばね材を具備し、前記挟着板の開閉支軸として前記嘴管を兼用したので、医療用器具が医療用ピンセットに限らず、手術用メス、鉗子その他の細長い医療用機器に取り付けて使用することができる。また、メーカーによって異なる形状であっても簡単に装着して使用できる。さらに、嘴管の中に極細の光ファイバーを通してレーザ照射用とし、嘴管の中から冷気を噴射したり、煙が発生した場合には、吸煙や排煙をすることもできる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、ばねバサミを構成する2個の挟着板の途中に設けた支軸片を互いに重ね合わせ、これらの支軸片に形成した軸孔に嘴管を遊嵌したので、ばねバサミの中で嘴管を移動させることにより、ノズル部の位置を前後の方向に調整ができる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、医療用器具は、医療用ピンセットであり、この医療用ピンセットのアーム部にばねバサミで嘴管を装着し、嘴管の先端部付近に、前記医療用ピンセットのアーム部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたので、ばねバサミの中で嘴管を回動させることにより、ノズル部の位置を左右、上下のいずれの方向にも位置調整ができる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、ばね材は、U字形の板ばねからなり、2個の挟着板を支軸兼用の嘴管を支点として拡開する力で軸孔内で嘴管を保持するようにしたので、少ない部品点数で確実に嘴管を保持でき、また、組み立ても簡便である。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、嘴管は、ノズル部と反対側の端部に切換え弁を介して本管を設け、前記切換え弁に開閉自在の枝管を設けたので、ノズルからの噴射や吸引を片手で操作することができる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、医療用器具は、レーザファイバプローブであり、このレーザファイバプローブの握り部にばねバサミで嘴管を装着し、嘴管の先端部付近に、前記レーザファイバプローブの先端部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたので、レーザファイバプローブを用いた手術等において、嘴管の中に極細の光ファイバーを通してレーザ照射用とし、嘴管の中から冷気を噴射したり、煙が発生した場合には、吸煙や排煙をすることができる。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、医療用器具は、剥離ピックであり、この剥離ピックの握り部にばねバサミで嘴管を装着し、この嘴管の基端部から先端部の内部に、気体又は液体の通過する空隙をもってレーザファイバ挿入し、前記嘴管の先端部付近に、前記レーザファイバの先端部を遊嵌して嘴管のノズル部の位置保持をするノズル保持リングを設けたので、剥離ピックによる医療の処置と、レーザファイバによる医療処置とをすることができるとともに、この嘴管の内部の空隙を気体又は液体の通過させて患部における血液等を噴射したり、消毒したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による医療用器具の付属装置を医療用ピンセットに装着した一実施例を示す斜視図である。
図2図1における医療用ピンセットの一部を切り欠いた正面図である。
図3図2におけるばねバサミ23のA−A線拡大断面図である。
図4】本発明におけるばねバサミ23の分解斜視図である。
図5】本発明に使用した切換え弁16の一部切り欠いた正面図である。
図6】ノズル部15の位置調整の説明図である。
図7】細ノズル部15aの例を示す一部切り欠いた正面図である。
図8】本発明による医療用器具の付属装置を医療用レーザファイバプローブに装着した一実施例を示す正面図である。
図9】本発明による医療用器具の付属装置を医療用剥離ピックに装着した一実施例を示す正面図である。
図10】従来の医療用ピンセット10の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、嘴管12のノズル部15を医療用器具としての医療用ピンセット10の先端部に臨ませて装着し、このノズル部15から噴射又は吸引する医療用ピンセットの付属装置において、前記嘴管12を医療用ピンセット10のアーム部13に着脱自在に装着するためのばねバサミ23であって、このばねバサミ23は、挟着板25とばね材26を具備し、前記挟着板25の開閉支軸として前記嘴管12を兼用する。
【0017】
ばねバサミ23は、2個の挟着板25の途中に設けた支軸片27を互いに重ね合わせ、これらの支軸片27に形成した軸孔28に嘴管12を遊嵌して構成する。
【0018】
嘴管12の先端部付近に、アーム部13に遊嵌して嘴管12のノズル部15の位置保持をするノズル保持リング33を設ける。
【0019】
ばね材26は、U字形の板ばねからなり、2個の挟着板25を支軸兼用の嘴管12を支点として拡開する力で軸孔28内で嘴管12を保持する。
【0020】
嘴管12は、ノズル部15と反対側の端部に切換え弁16を介して本管21を設け、前記切換え弁16に開閉自在の枝管22を設ける。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1として、医療用器具が双極電気の医療用ピンセットである場合を例とする。
図1において、10は、医療用器具としての双極電気の医療用ピンセットである。この医療用ピンセット10は、本体部17の基端部に2個の接続端子18が設けられ、この本体部17の先端側に、前記接続端子18に連続する2個のアーム部13が伸び、このアーム部13の先端部は、先端電極11となっている。前記アーム部13の本体部17側には、プラスチック、ゴム等で被覆された握り部14が構成されている。
【0022】
前記医療用ピンセット10のアーム部13には、ばねバサミ23によって嘴管12が着脱自在に取り付けられる。この嘴管12は、細い金属、プラスチックなどの管からなり、先端部がノズル部15となって患部に気体や液体を噴射したり、患部から血液や体液を吸引したりする。この嘴管12の基端部に、前記ばねバサミ23が設けられ、前記嘴管12がばねバサミ23の開閉用支軸を兼用している。このばねバサミ23は、図3及び図4に示すように、左右の挟着板25aと25bが向かい合い、これらの間にU字形のばね材26が介在されている。このばね材26は、その両端部のばね孔29に、前記挟着板25aと25bの上端部に切り起こしたばね保持片30aと30bを差し込み折曲して取り付けられている。前記挟着板25aと25bには、略中間部の両側に支軸片27aと27bが内側向きに折曲形成され、これらの支軸片27aと27bには、略中央に軸孔28aと28bが穿設されている。この軸孔28aと28bは、前記嘴管12が遊嵌されるように嘴管12の直径よりやや大きな孔となっている。前記ばね材26は、コイルばねであってもよい。
【0023】
前記ばねバサミ23の組み立ては、挟着板25aと25bの間にばね材26を固着し、このばね材26をばね力に抗して縮めて支軸片27aと27bの軸孔28aと28bを一致させ、嘴管12を差し込む。すると、図3に示すように、嘴管12を支点として洗濯バサミのように爪31aと31bが圧接し、他端のつまみ35aと35bを外側に開く。前記嘴管12におけるノズル部15の反対端部は、カプラ19にねじ32のねじ込みや溶接により固着される。前記嘴管12のノズル部15の付近には、前記先端電極11よりやや大きな内径のノズル保持リング33が設けられる。
【0024】
前記カプラ19には、切換え弁16とカプラ20を介して空気源、薬液源、真空ポンプ、吸引機などに連結された本管21に連結される。前記切換え弁16は、図5に示すように、円筒形をなし、カプラ19側とカプラ20側を直線的に連通し、かつ、これらと直角方向に設けた枝管22と連通している。前記切換え弁16の内部には、3方弁体24が気密に、かつ、回動自在に3方弁体24が嵌合し、この3方弁体24には、外方に突出して切換え用の突片36が設けられている。
【0025】
以上のように構成された医療用ピンセットの付属装置の作用を説明する。
ばねバサミ23のつまみ35aと35bを軽く持ってノズル保持リング33に医療用ピンセット10の先端電極11を差し込む。
次いで、ばねバサミ23のつまみ35aと35bを強くつまんで爪31aと31bを開き、医療用ピンセット10のアーム部13におけるできるだけ平たい部分を挟みこんで医療用ピンセット10に固定する。
この状態でばねバサミ23のつまみ35aと35bをつまむと、嘴管12は、軸孔28aと28bの中で遊嵌状態になるので、嘴管12を前後に移動してノズル部15を先端電極11の適正位置に調整する。医療用ピンセット10の大きさ、形状の違い、使用目的に応じてばねバサミ23の軸孔28aと28b内で嘴管12を前後に移動する。
【0026】
ノズル部15の位置は、気体や液体を噴射するときは、患部の部位からやや離れた位置とし、ノズル部15から血液や体液を吸引するときは、出来るだけ患部の部位に近づけた位置とするなど自由に位置調整ができる。
図6に示すように、ノズル部15を先端電極11の上、下、右横、左横等の目的の位置に移動するときは、軸孔28aと28bの中で遊嵌状態にして嘴管12の基端部を回転すると、ノズル保持リング33が先端電極11に係止されてこの先端電極11を支点にして回動する。先端電極11の周りの目的位置に移動したら、つまみ35aと35bのつまみ力を解除すると、嘴管12は、軸孔28aと28bの間でばね材26のばね力で固着され、ノズル部15は、所定位置にセットされる。
【0027】
以上のようにして形状の異なった種々の医療用ピンセット10に、ばねバサミ23でセットし、図1に示すように、操作者34は、医療用ピンセット10と嘴管12の切換え弁16を片手で握るようにして持ち、先端電極11と11の間隔を調整して患部の部位を手術し、出血があったときは、枝管22を指でふさぐことにより、圧搾空気や洗浄液をノズル部15から噴射して一瞬で出血部位を除去又は洗浄し、止血処置の部位を鮮明に確認することができる。前記枝管22は、指で開閉し易い位置に切換え弁16を回して調整する。
【0028】
本管21から圧搾空気に代えて薬液、洗浄液などの液体を供給することもできる。また、本管21から空気を吸引すれば、ノズル部15から血液や体液などの吸引管としても使用できる。
図1では、医療用ピンセット10の右側のアーム部13に取り付けた場合を図示したが、左側のアーム部13に取り付けて使用することもできる。
【実施例2】
【0029】
前記実施例では、嘴管12が基端部からノズル部15まで同一径としたが、図7に示すように、嘴管12の先端に細ノズル部15aを取り付けて細型タイプとすることができる。
また、嘴管12は、直線のみならず、患部の部位に応じて湾曲したものとすることもできる。
【0030】
前記実施例では、嘴管12を医療用ピンセットに装着した場合について説明したが、手術用メス、鉗子、レーザを照射するファイバー用プローブその他の細長い医療用機器に取り付けて使用することができる。
具体的には、図8に示すように、嘴管12をばねバサミ23で、レーザファイバープローブ37の握り部14に装着し、レーザファイバ37の先端部に嘴管12のノズル部15を臨ませ、レーザ手術時の患部に嘴管の中から冷気を噴射したり、煙が発生した場合には、吸煙や排煙をする。
また、図9に示すように、嘴管12の中に、レーザ光を発射する軟性で極細(例えば、400〜600ミクロン)のレーザファイバ37を通し、嘴管12は、剥離ピック38の握り部14に装着し、レーザファイバ37で患部を処置したり、剥離ピック38で粘膜剥離処置したりする。このとき、嘴管12の中の空隙から冷気を送ったりすることができる。レーザ照射によって発生した煙を除去するために、嘴管12を吸引管又は排気管として利用することもできる。
【符号の説明】
【0031】
10…医療用ピンセット、11…先端電極、12…嘴管、13…アーム部、14…握り部、15…ノズル部、16…切換え弁、17…本体部、18…接続端子、19…カプラ、20…カプラ、21…本管、22…枝管、23…ばねバサミ、24…3方弁体、25…挟着板、26…ばね材、27…支軸片、28…軸孔、29…ばね孔、30…ばね保持片、31…爪、32…ねじ、33…ノズル保持リング、34…操作者、35…つまみ、36…突片、37…レーザファイバ、38…剥離ピック。
【要約】
【課題】タイプの異なる多くの種類の医療用ピンセットに、着脱自在に取り付けることのできる嘴管としての医療用器具の付属装置を提供すること。
【解決手段】ノズル部15を有する嘴管12と、この嘴管12を医療用ピンセット10のアーム部13に着脱自在に装着するためのばねバサミ23とからなり、このばねバサミ23は、2個の挟着板25と1個のばね材26を具備し、前記挟着板25の開閉支軸として前記嘴管12を兼用し、前記2個の挟着板25の途中に設けた支軸片27を互いに重ね合わせ、これらの支軸片27に形成した軸孔28に嘴管12を遊嵌する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10