【実施例】
【0037】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の経路探索装置を実施した場合の一例について説明する。
【0038】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。
図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317と、を備えている。各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0039】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、誘導ルート探索プログラム、マップマッチング処理プログラム、区間登録プログラム、リルート抑制プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0040】
データ更新プログラムは地図データを更新させる際に、リルートを抑制する区間(以下、「リルート抑制区間」とする)に関する情報は更新させなくてもよい。また、データ更新プログラムは、更新された地図データに、リルート抑制区間に関する情報を関連付けて記録させてもよい。
【0041】
誘導ルート探索プログラムは、目的地点までの誘導ルート(誘導経路)を探索させる。また、誘導ルート探索プログラムは、車両の現在地点が誘導ルートから外れた場合、現在地点から目的地点までの新たな誘導ルートを再探索(リルート)させる。
【0042】
区間登録プログラムは、リルート抑制区間を登録させる。区間登録プログラムは、詳細は後述するが、利用者からリルート抑制区間の登録を受け付ける。
【0043】
マップマッチング処理プログラムは、車両の現在地点の位置情報と、後述する磁気ディスク305または光ディスク307に記録された地図データに基づいて、車両が実際に位置している可能性の高い道路上の位置を特定させる。これによって、車両の実際の現在地点と、地図上の現在地点との誤差を修正させる。また、マップマッチング処理プログラムは、地図情報における車両が実際に位置している可能性の高い道路上の位置に車両の現在地点をあらわすマークを表示させてもよい。
【0044】
リルート抑制プログラムは、マップマッチング処理プログラムによって特定された車両の現在地点が、誘導ルート探索プログラムによって探索された誘導ルートから外れていると判断された場合でも、車両の現在地点が区間登録プログラムによって登録されたリルート抑制区間である場合、誘導ルート探索プログラムによるリルートを抑制させる。すなわち、リルート抑制プログラムは、車両が誘導経路から外れても、外れた地点がリルート抑制区間内の場合、誘導ルートのリルートをおこなわせない。
【0045】
また、リルート抑制プログラムは、リルートを抑制させている間、マップマッチング処理プログラムによるマップマッチング処理を抑制してもよい。このようにすることで、たとえばリルート抑制区間が、地図データに登録されていない道の場合に、誤った道にマップマッチングされることを防ぐことができる。
【0046】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0047】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0048】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データ、機能データが挙げられる。また、地図データにリルート抑制区間に関する情報が関連付けて記録されていてもよい。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0049】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0050】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0051】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0052】
リルート抑制区間に関する情報は、区間登録プログラムによって登録されたリルート抑制区間に関する情報である。リルート抑制区間に関する情報は、具体的には、地図データに関連付けられたリルート抑制開始地点と、リルート抑制解除地点との2地点間に関する情報である。すなわち、リルート抑制開始地点の位置情報と、リルート抑制解除地点の位置情報と、が1組となった情報である。
【0053】
なお、ナビゲーション装置300は、図示を省略するが、フラッシュメモリを備えていてもよい。フラッシュメモリは、書き換え自在な不揮発性半導体メモリであり、CPU301の制御にしたがってデータの読み取り/書き込みをおこなう。フラッシュメモリには、たとえば、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリなどを用いることができる。フラッシュメモリに記録される情報の一例としては、上述した地図データや機能データやリルート抑制区間に関する情報などが挙げられる。また、フラッシュメモリは、ROM302としての機能を有していてもよい。すなわち、フラッシュメモリは、上述の各プログラムを記録していてもよい。
【0054】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0055】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0056】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0057】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU301によって算出される。
【0058】
ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0059】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0060】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F314は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0061】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0062】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0063】
カメラ317は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ317によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、カメラ317は、赤外線カメラ機能を有しており、赤外線カメラ機能を用いて撮影された映像情報に基づいて車両内部に存在する物体の表面温度の分布を相対的に比較することができる。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0064】
図1に示した経路探索装置100が備える出力部101と、登録部102と、記録媒体103と、制御部104と、選択部105と、取得部106と、経路判断部107と、区間判断部108と、探索部109と、受付部110とは、
図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0065】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている経路探索プログラムを実行することにより、
図1に示した経路探索装置100が備える機能を、
図2に示した経路探索処理の処理手順で実行することができる。
【0066】
(誘導ルート探索処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置300の処理の内容について説明する。
図4は、ナビゲーション装置の誘導ルート探索処理の内容を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、まず、誘導ルート探索プログラムが実行されることにより、誘導ルートが設定されるまで待機する(ステップS401:Noのループ)。ステップS401において誘導ルートが設定された場合(ステップS401:Yes)、車両の現在地点の位置情報を取得する(ステップS402)。
【0067】
つぎに、ステップS402において取得された車両の現在地点に基づいて、車両が目的地点に到達したか否かを判断する(ステップS403)。ステップS403において目的地点に到達していない場合(ステップS403:No)、ステップS402において取得された車両の現在地点が、ステップS401において設定された誘導ルートを外れたか否かを判断する(ステップS404)。ステップS404において誘導ルートを外れていないと判断された場合(ステップS404:No)、ステップS402に戻り以降の処理を繰り返しおこなう。
【0068】
そして、ステップS404において誘導ルートを外れたと判断された場合(ステップS404:Yes)、ステップS402において取得された車両の現在地点が、区間登録プログラムによって登録されたリルート抑制区間内か否かを判断する(ステップS405)。ステップS405においてリルート抑制区間内であると判断された場合(ステップS405:Yes)、リルート抑制プログラムを実行してリルートを抑制する(ステップS406)。
【0069】
つぎに、リルート抑制プログラムを解除する解除ボタンの入力を受け付けたか否かを判断して(ステップS407)、解除のボタンの入力を受け付けていない場合(ステップS407:No)、ステップS405に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0070】
一方、ステップS405においてリルート抑制区間内ではないと判断された場合(ステップS405:No)、ステップS407において解除ボタンの入力を受け付けた場合(ステップS407:Yes)、誘導ルート探索プログラムを実行して、ステップS402において取得された車両の現在地点に基づいて、目的地点までの誘導ルートのリルートをおこなう(ステップS408)。そして、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0071】
そして、以上の処理を繰り返しおこない、ステップS403において車両が目的地点に到達したと判断された場合(ステップS403:Yes)、誘導ルート探索プログラムを停止して、一連の処理を終了する。
【0072】
なお、
図4のフローチャートにおいては、リルート抑制区間が複数区間登録され、かつ利用者が所望するリルート抑制区間の選択を受け付けている場合、ステップS405において、利用者が所望するリルート抑制区間のみに対して、車両の現在地点がリルート抑制区間内か否かを判断してもよい。この場合、登録されたリルート抑制区間のうち、利用者が所望しないリルート抑制区間に関しては、車両の現在地点がこれらのリルート抑制区間内であっても、誘導ルートから外れている場合には、誘導ルートのリルートをおこなうこととする。
【0073】
(リルート抑制区間登録処理の内容)
つぎに、ナビゲーション装置300のリルート抑制区間登録処理について説明する。
図5は、ナビゲーション装置におけるリルート抑制区間登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5においては、たとえば車両が走行中にリルート抑制区間を登録する処理の内容について説明する。
【0074】
図5のフローチャートにおいて、まず、車両の現在地点の位置情報の取得を開始する(ステップS501)。なお、
図5のフローチャートにおいては、車両の現在地点の位置情報を、常に取得するようにしてもよい。そして、リルート抑制区間を登録するための登録ボタンが押下されるまで待機する(ステップS502:Noのループ)。ステップS502において登録ボタンが押下されたと判断された場合(ステップS502:Yes)、登録ボタンが押下されたときの車両の現在地点を第1地点として取得する(ステップS503)。このとき、目的地点までの誘導ルートが設定されているか否かを判断する(ステップS504)。
【0075】
ステップS504において誘導ルートが設定されていると判断された場合(ステップS504:Yes)、車両の現在地点が誘導ルートを外れているか否かに関わらず、リルート抑制プログラムを実行して、誘導ルートのリルートを抑制する(ステップS505)。そして、登録ボタンが再度押下されるまで待機する(ステップS506:Noのループ)。一方、ステップS504において誘導ルートが設定されていないと判断された場合(ステップS504:No)、リルート抑制プログラムを実行せずに、そのままステップS506に進む。
【0076】
つぎに、ステップS506において登録ボタンが再度押下されたと判断された場合(ステップS506:Yes)、登録ボタンが再度押下されたときの車両の現在地点を第2地点として取得する(ステップS507)。つぎに、ステップS503において取得された第1地点から、ステップS507において取得された第2地点までの区間の、リルート抑制区間への登録を受け付けたか否かを判断する(ステップS508)。ステップS508においてリルート抑制区間への登録を受け付けない場合(ステップS508:No)、ステップS502に戻り以降の処理を繰り返しおこなう。
【0077】
そして、ステップS508においてリルート抑制区間への登録を受け付けた場合(ステップS508:Yes)、第1地点から第2地点までをリルート抑制区間に登録して(ステップS509)、一連の処理を終了する。
【0078】
なお、
図5のフローチャートにおいては、ステップS503およびステップS507において、登録ボタンが押下されたときの車両の現在地点を第1地点および第2地点として取得しているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、車両が走行しているか否かに関わらず、あらかじめ車両の現在地点以外を第1地点および第2地点として取得してもよい。すなわち、車両の現在地点以外でも、地図データ上において利用者に地点が指定されれば、この指定された地点を第1地点および第2地点として取得してもよい。また、第1地点と第2地点との地点間ではなく、所定のエリアをリルート抑制区間として登録してもよい。具体的には、たとえば地図データ上において利用者の操作により囲まれた領域を、リルート抑制区間として登録してもよい。
【0079】
また、
図5のフローチャートにおいては、登録されたリルート抑制区間を、磁気ディスク305や光ディスク307の地図データとは異なる領域に記録し、地図データと関連付けてもよい。そして、地図データが更新された場合、地図データのみを更新し、リルート抑制区間を更新せず、更新された地図データに再度リルート抑制区間を関連付けてもよい。
【0080】
(表示内容の一例)
つぎに、ナビゲーション装置300のディスプレイ313に表示される表示内容の一例について説明する。
図6は、表示内容の一例について示す説明図である。
図6に示すように、ディスプレイ313には、地図データ601に重畳して、車両の現在地点602と、誘導ルート603とが表示されている。また、ディスプレイ313には、リルート抑制プログラムが実行中か否かを示すリルート抑制表示604と、リルート抑制を解除するか否かの指示を利用者から受け付ける解除ボタン605が表示されていてもよい。
【0081】
誘導ルート603は、たとえば、ノードA、ノードB、ノードC、ノードDをこの順に通り、目的地点であるノードEに到達する経路である。ここで、たとえばノードBを第1地点とし、ノードGを第2地点とするリルート抑制区間が登録されていることとする。このとき、車両がノードBから誘導ルート603を外れると、ノードBはリルート抑制区間であるため、誘導ルートのリルートを抑制する。そして、リルート抑制表示604には、たとえば「リルート抑制中」という表示がなされ、解除ボタン605が表示される。
【0082】
車両がノードGに到達するまで、または解除ボタン605が押下されるまでリルートの抑制を続けて、車両がノードGに到達したら、または解除ボタン605が押下されたらリルートを開始する。ここで、たとえば車両がノードGに到達した場合に、図中点線で示すような、ノードG、ノードIをこの順に通る新たな誘導ルート606が探索される。
【0083】
つぎに、たとえばリルート抑制区間を登録する処理について説明する。具体的には、たとえば車両が走行中にノードBからノードGまでの区間をリルート抑制区間として登録する方法について説明する。たとえば車両の現在地点がノードBであるときに、利用者から登録ボタンの入力を受け付けた場合、ノードBを第1地点として取得する。そして、誘導ルートのリルートを抑制して、たとえば車両の現在地点がノードGであるときに、利用者から再度登録ボタンの入力を受け付けた場合、ノードGを第2地点として取得して、誘導ルートのリルートを開始する。そして、ノードBからノードGまでの区間をリルート抑制区間として登録する。
【0084】
(リルート抑制区間に関する情報のデータ構成)
つぎに、本実施例にかかるナビゲーション装置300に記録されるリルート抑制区間に関する情報のデータ構成について説明する。
図7は、ナビゲーション装置に記録されるリルート抑制区間に関する情報のデータ構成を示す説明図である。
図7において、リルート抑制区間に関する情報700は、複数のリルート抑制区間データ701によって構成されている。また、それぞれのリルート抑制区間データ701は、ノードリストデータ710によって構成されている。ノードリストデータ710は、複数のノードID711によって構成されている。ノードID711は、位置座標などの各ノードに固有の情報である。ノードリストデータ710に書き込まれたノードID711間、もしくはノードID711によって囲まれた領域が、リルート抑制区間となる。
【0085】
上述したように、実施例のナビゲーション装置300によれば、車両が誘導ルートを外れた場合に、誘導ルートをリルートするが、誘導ルートを外れていても、車両の現在地点がリルート抑制区間の場合、誘導ルートのリルートを抑制することができる。これによって、利用者は、地図データに登録されていない道や、自身が熟知している道を通過するときには、誘導ルートを外れても誘導ルートのリルートをさせないことができる。したがって、誘導ルートに紛らわされることなく、リルートの案内による煩わしさを感じずに、安全に車両を運転することができる。また、利用者は、あらかじめ地図データ上の2地点を指定したり、エリアを囲ったりすることで、簡単にリルート抑制区間を登録することができる。さらに、利用者は、車両で走行中にリルートを抑制したい開始地点と終了地点を指定することで、簡単にリルート抑制区間を登録することができる。
【0086】
以上説明したように、本発明の経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体によれば、誘導経路の再探索を抑制することができる。
【0087】
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。