特許第5705479号(P5705479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705479
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】携帯端末機及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20150402BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   H04B1/16 R
   H04M1/00 H
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-184777(P2010-184777)
(22)【出願日】2010年8月20日
(65)【公開番号】特開2011-45077(P2011-45077A)
(43)【公開日】2011年3月3日
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0077724
(32)【優先日】2009年8月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0105953
(32)【優先日】2009年11月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】具 孝 先
(72)【発明者】
【氏名】金 志 和
(72)【発明者】
【氏名】朴 珍 成
(72)【発明者】
【氏名】李 孝 貞
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/010833(WO,A1)
【文献】 特表2001−506458(JP,A)
【文献】 特開2006−254193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシーバ一体型スピーカを含む携帯端末機において、
前記レシーバ一体型スピーカによって出力されるオーディオ信号を復号するオーディオ処理部と、
前記オーディオ処理部の出力モードを確認する制御部と、
前記レシーバ一体型スピーカと前記オーディオ処理部との間に位置し、前記出力モードがレシーバモードの場合に活性化され、所定の出力範囲を超えるオーディオ信号を除去し、前記出力モードがスピーカモードの場合に不活性化される音響ショック防止回路と、を有し、
前記制御部は、通話実行中に通話モードが変更されたか否かを確認し、前記通話モードの変更によって前記音響ショック防止回路の活性化状態を維持又は変更することを特徴とする携帯端末機。
【請求項2】
前記オーディオ処理部は、
前記レシーバモードによるオーディオ信号を出力するレシーバ出力端子と、
前記スピーカモードによるオーディオ信号を出力するスピーカ出力端子と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項3】
前記音響ショック防止回路は、
前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第1ダイオードと、
前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第2ダイオードと、
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの他方側と一方側が接続され、前記レシーバ一体型スピーカの負のスピーカ端子(−)と他方側が連結され、前記制御部の制御によってオン又はオフされる第1スイッチと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項4】
前記所定の出力範囲は、バイアス電圧値Vbに前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を加えた値に該当する第1基準値と、前記バイアス電圧値Vbから前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を引いた値に該当する第2基準値との間の範囲を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項5】
前記制御部は、前記レシーバモードの場合、前記第1スイッチをオンとし、前記スピーカモードの場合、前記第1スイッチをオフとすることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項6】
前記音響ショック防止回路は、前記制御部の制御によって前記レシーバ出力端子と前記スピーカ出力端子をスイッチングする第2スイッチを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項7】
前記制御部は、
前記出力モードがレシーバモードの場合、前記第1スイッチをオンにし、前記レシーバ出力端子と前記各々のスピーカ端子が接続されるように前記第2スイッチをスイッチングし、
前記出力モードがスピーカモードの場合、前記第1スイッチをオフにし、前記スピーカ出力端子と前記各々のスピーカ端子が接続されるように前記第2スイッチをスイッチングすることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末機。
【請求項8】
前記音響ショック防止回路は、
前記制御部の制御信号によって前記レシーバ出力端子と前記スピーカ出力端子とをスイッチングする第2スイッチと、
前記オーディオ処理部と前記第2スイッチとの間に位置し、前記レシーバ出力端子の間に並列接続される第1ダイオードと、
前記オーディオ処理部と前記第2スイッチとの間に位置し、前記レシーバ出力端子の間に並列接続される第2ダイオードと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項9】
前記所定の出力範囲は、バイアス電圧値Vbに前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を加えた値に該当する第1基準値と、前記バイアス電圧値Vbから前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を引いた値に該当する第2基準値との間の範囲を有することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末機。
【請求項10】
前記音響ショック防止回路は、
前記レシーバ出力端子のうち正のレシーバ出力端子に直列接続される第1抵抗と、
前記レシーバ出力端子のうち負のレシーバ出力端子に直列接続される第2抵抗と、を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項11】
前記音響ショック防止回路は、
前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第1ダイオード及び第2ダイオードと、
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの他方側と一方側が接続され、バイアス電源が他方側に接続され、前記制御部の制御によってオン又はオフされる第1スイッチと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項12】
レシーバ一体型スピーカによって出力されるオーディオ信号を復号するオーディオ処理部と、前記オーディオ処理部の出力モードを確認する制御部と、前記レシーバ一体型スピーカと前記オーディオ処理部との間に位置し、前記出力モードがレシーバモードの場合に活性化され、所定の出力範囲を超えるオーディオ信号を除去し、前記出力モードがスピーカモードの場合に不活性化され前記所定の出力範囲のオーディオ信号のみを通過させる音響ショック防止回路を含み、前記オーディオ処理部は、前記レシーバモードによるオーディオ信号を出力するレシーバ出力端子と、前記スピーカモードによるオーディオ信号を出力するスピーカ出力端子とを含み、前記音響ショック防止回路は、前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第1ダイオードと、前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に他方側が並列接続される第2ダイオードと、前記第1ダイオードの他方側及び前記第2ダイオードの一方側接続され前記レシーバ一体型スピーカの負のスピーカ端子(−)他方側が連結され、前記制御部の制御によってオン又はオフされる第1スイッチと、を含む携帯端末機の運用方法において、
オーディオ信号の出力要請時にオーディオ処理部の出力モードを確認する工程と、
前記出力モードに対応して前記音響ショック防止回路の活性化の可否を制御する工程と、を有し、
通話実行中に通話モードが変更されたか否かを確認する工程と、
前記通話モードの変更時に変更された通話モードによって前記音響ショック防止回路を活性化又は不活性化状態に変更する工程と、を更に有することを特徴とする携帯端末機の運用方法。
【請求項13】
前記出力モードは、音声通話を行うレシーバモードと、
画像通話モード、スピーカフォン通話モード、及び音声ファイル再生モードの内の少なくとも1つを含むスピーカモードと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の携帯端末機の運用方法。
【請求項14】
レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第1ダイオードと、前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に他方側が並列接続される第2ダイオードと、前記第1ダイオードの他方側及び前記第2ダイオードの一方側に接続されて前記レシーバ一体型スピーカの負のスピーカ端子(−)に他方側が連結される、制御部の制御によってオン又はオフされる第1スイッチと、を含んで所定の出力範囲のオーディオ信号のみを通過させる音響ショック防止回路を含む携帯端末機の運用方法において、
オーディオ信号の出力要請時にオーディオ処理部の出力モードを確認する工程と、
前記出力モードに対応して前記音響ショック防止回路の活性化の可否を制御する工程と、を有し、
前記所定の出力範囲は、バイアス電圧値Vbに前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を加えた値に該当する第1基準値と、前記バイアス電圧値Vbから前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの順方向電圧値Vfの半分を引いた値に該当する第2基準値との間の範囲を有することを特徴とする携帯端末機の運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機に関し、特に音響ショックを防止することができる音響ショック防止回路を含む携帯端末機及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の急速な発展に伴い、音声通話及びメッセージ伝送機能、ビデオ通話、電子手帳機能、デジタルマルチメディア放送(Digital Multimedia Broadcasting:DMB)視聴、インターネット機能などのように様々な機能を提供する携帯端末機が開発されている。
【0003】
このために、携帯端末機は、カメラモジュール、アンテナ、照度センサー、近接センサー、放送視聴用アンテナ、無線LANなど多様な部品を実装している。また、携帯端末機は、一般的に通話音を出力するレシーバと、ベル音、MP3などを出力するスピーカを各々備えている。
【0004】
一方、近年、携帯端末機は、デザイン、サイズ、コストなどの制約要素に起因して小型化及びスリム化しつつある傾向にある。このような傾向によって小型化及びスリム化された携帯端末機は、レシーバとスピーカを別々に実装するための空間が不足している。これにより、レシーバ機能を含むスピーカ(以下、レシーバ一体型スピーカという)を実装する携帯端末機が増加している。
【0005】
このような携帯端末機は、一般的に、音声通話時にスピーカを耳に隣接した状態で通話を行うので、音声通話時にレシーバ一体型スピーカの出力レベルをソフトウェア的に制限している。しかし、レシーバ一体型スピーカを有する携帯端末機は、通信網の異常動作、オーディオゲイン(Gain)の誤動作などに起因して音響ショック(Acoustic Shock)が発生することがある。
【0006】
このような音響ショックの発生時、急に大きな音量によってユーザが驚いたり、不快感を感じたりすることになる。また、携帯端末機を耳に隣接した状態で音響ショックが発生した場合、聴覚機能の損傷を引き起こす可能性もある。これにより、レシーバ一体型スピーカを含む携帯端末機において音声通話中に発生する音響ショックを防止することができる方案が要求されているという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来のレシーバ一体型スピーカを有する携帯端末機における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、音声通話中に発生する音響ショックを防止することができる音響ショック防止回路を含む携帯端末機及びその運用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による携帯端末機は、レシーバ一体型スピーカを含む携帯端末機において、前記レシーバ一体型スピーカによって出力されるオーディオ信号を復号するオーディオ処理部と、前記オーディオ処理部の出力モードを確認する制御部と、前記レシーバ一体型スピーカと前記オーディオ処理部との間に位置し、前記出力モードがレシーバモードの場合に活性化され、所定の出力範囲を超えるオーディオ信号を除去し、前記出力モードがスピーカモードの場合に不活性化される音響ショック防止回路とを有し、前記制御部は、通話実行中に通話モードが変更されたか否かを確認し、前記通話モードの変更によって前記音響ショック防止回路の活性化状態を維持又は変更することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による携帯端末機の運用方法は、レシーバ一体型スピーカによって出力されるオーディオ信号を復号するオーディオ処理部と、前記オーディオ処理部の出力モードを確認する制御部と、前記レシーバ一体型スピーカと前記オーディオ処理部との間に位置し、前記出力モードがレシーバモードの場合に活性化され、所定の出力範囲を超えるオーディオ信号を除去し、前記出力モードがスピーカモードの場合に不活性化され前記所定の出力範囲のオーディオ信号のみを通過させる音響ショック防止回路を含み、前記オーディオ処理部は、前記レシーバモードによるオーディオ信号を出力するレシーバ出力端子と、前記スピーカモードによるオーディオ信号を出力するスピーカ出力端子とを含み、前記音響ショック防止回路は、前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に一方側が並列接続される第1ダイオードと、前記レシーバ一体型スピーカの正のスピーカ端子(+)に他方側が並列接続される第2ダイオードと、前記第1ダイオードの他方側と前記第2ダイオード一方側とが接続され、前記レシーバ一体型スピーカの負のスピーカ端子(−)と他方側が連結され、前記制御部の制御によってオン又はオフされる第1スイッチとを含む携帯端末機の運用方法において、オーディオ信号の出力要請時にオーディオ処理部の出力モードを確認する工程と、前記出力モードに対応して前記音響ショック防止回路の活性化の可否を制御する工程とを有し、通話実行中に通話モードが変更されたか否かを確認する工程と、前記通話モードの変更時に変更された通話モードによって前記音響ショック防止回路を活性化又は不活性化状態に変更する工程と、を更に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る携帯端末機及びその運用方法によれば、音声通話中にオーディオ信号の出力範囲を制限することができ、音響ショックを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による携帯端末機の概略的な構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態による音響ショック防止回路の構成を示す図である。
図3】本発明の第2の実施形態による音響ショック防止回路の構成を示す図である。
図4】本発明の第3の実施形態による音響ショック防止回路の構成を示す図である。
図5】本発明の第4の実施形態による音響ショック防止回路の構成を示す図である。
図6】本発明の実施形態によるオーディオ信号出力を示すグラフである。
図7】本発明の実施形態によるオーディオ信号出力を示すグラフである。
図8】本発明の実施形態による携帯端末機の運用方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る携帯端末機及びその運用方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
この際、添付の図面において同一の構成要素は、できるだけ同一の符号で示している。
また、本発明の要旨を不明にする公知の機能及び構成に関する詳細な説明は省略する。
一方、本明細書及び図面に開示した本発明の実施形態は、本発明の技術内容を容易に説明し、本発明の理解を助けるために特定の例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態以外にも、本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に自明である。
【0014】
以下、「レシーバモード」とは、ユーザが携帯端末機を耳に隣接した状態で通話を行う一般的な音声通話モードを意味する。
以下、「スピーカモード」とは、ユーザが携帯端末機を耳に隣接しない状態、例えば携帯端末機を一定の距離だけ離隔して通話を行うスピーカフォン通話モード、音声ファイル(例えば、MP3)再生モード、画像通話モードなどを意味する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による携帯端末機100の構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態による携帯端末機100は、制御部110、保存部120、入力部140、無線通信部150、表示部130、オーディオ処理部160、音響ショック防止回路170、及びレシーバ一体型スピーカ180を含む。
【0016】
このような構成を有する本発明の実施形態による携帯端末機100は、オーディオ処理部160とレシーバ一体型スピーカ180との間のオーディオ信号伝送経路に、レシーバモード時に活性化され、オーディオ信号の出力レベルを制限する音響ショック防止回路170が追加され、通信網異常、ゲイン誤動作などに起因して発生する音響ショックを防止することを特徴とする。以下、各構成についてさらに詳しく説明する。
【0017】
前記入力部140は、数字または多様な文字情報が入力され、各種機能の設定及び携帯端末機100の機能制御のための入力キー及び機能キーを含む。例えば、入力部140は、通話要請のための通話キー、画像通話キー、通話終了キー、オーディオ信号の出力ボリュームを調整することができるボリュームキー、スピーカモードで音声通話を行うようにするスピーカフォンモード切替キーなどを含むことができる。
【0018】
このような入力部140は、前記携帯端末機100の提供形態によってタッチパッド、タッチスクリーン、一般的なキー配列のキーパッド、クワーティ方式のキーパッド、ドボラックキーパッド(Dvorak keypad)及び特定の機能を行うように設定された機能キーなどのような入力手段のうちいずれか1つ、またはこれらの組み合わせで形成することができる。
【0019】
表示部130は、携帯端末機100の機能によって発生する画面データ、ユーザの入力イベント、操作及びキー操作などの状態情報及び携帯端末機100の機能設定情報などを出力する。例えば、表示部130は、ブーティング画面、待機画面、メニュー画面、画像通話画面などを出力することができる。このような表示部130は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diodes:OLED)などで形成することができる。一方、表示部130がタッチスクリーン方式で具現された場合、表示部130は、入力部140として動作することができる。
【0020】
無線通信部150は、制御部110の制御によって通話機能に必要な音声信号及びデータ通信に必要なデータを送信及び受信する。このような無線通信部150は、アンテナから受信する信号と制御部110から送信される信号を分離する送受信分離部(図示せず)、制御部110から伝達された送信信号の周波数を上昇変換し、これを増幅する送信部(図示せず)と、受信信号を低雑音声幅し、周波数を下降変換する受信部(図示せず)を含むことができる。
【0021】
保存部120は、本発明による携帯端末機100のオペレーションシステム(OS)、その他のオプション機能、例えば、音再生機能、イメージまたは動画再生機能、放送信号受信などに必要なアプリケーションプログラムを含めて、ユーザデータなどを保存する。特に、本発明の実施形態による保存部120は、制御部110の制御によってレシーバモード時に音響ショック防止回路170を活性化し、スピーカモードまたは待機状態で音響ショック防止回路170を不活性化するように制御するアプリケーションプログラムを含む。
【0022】
オーディオ処理部160は、オーディオ信号を前記レシーバ一体型スピーカ180に伝送するか、またはマイク(MIC)から入力されるオーディオ信号を制御部110に伝送する機能を行う。すなわち、オーディオ処理部160は、マイク(MIC)から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、制御部110に伝送するか、またはデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、レシーバ一体型スピーカ180を通じて出力する。
【0023】
このために、オーディオ処理部160は、ボコーダ(vocoder)(図示せず)を含むことができる。また、オーディオ処理部160は、保存部120に予め保存されたキー入力音、機能実行による効果音、音声ファイル(例えば、MP3再生音)などを出力することができる。このために、オーディオ処理部は、コーデック(codec)(図示せず)を含むことができる。
【0024】
オーディオ処理部160は、出力モード、すなわちレシーバモード又はスピーカモードによってオーディオ信号経路を変更することができる。このために、オーディオ処理部160は、レシーバモード時に活性化されるレシーバ出力端子(図示せず)と、スピーカモード時に活性化されるスピーカ出力端子(図示せず)を含むことができる。すなわち、オーディオ処理部160は、レシーバモード時にレシーバ出力端子(図示せず)を通じてオーディオ信号(以下、レシーバ信号という)を出力し、スピーカモード時にスピーカ出力端子(図示せず)を通じてオーディオ信号(以下、スピーカ信号という)を出力することができる。
【0025】
この時、レシーバ信号の最大出力レベルは、ユーザが通話中に不快感を感じないように相対的に低電力(例えば、50mW)に設定されることができる。一方、スピーカ信号の最大出力レベルは、相対的に高電力(例えば、800mW)に設定されることができる。このような最大出力レベル値は、一例であって、本発明を限定するものではない。
【0026】
音響ショック防止回路170は、オーディオ処理部160とレシーバ一体型スピーカ180との間に位置し、所定の範囲の信号のみを通過させることができる。このような音響ショック防止回路170は、制御部110の制御のもとにレシーバモード時に活性化され、スピーカモード時に不活性化される。すなわち音響ショック防止回路170は、レシーバモード時に活性化され、レシーバ一体型スピーカ180に伝送されるオーディオ信号のレベルを制限することができる。音響ショック防止回路170に関する詳細な説明は、図2図5を参照して後述する。
【0027】
レシーバ一体型スピーカ180は、オーディオ信号を出力するための装置である。すなわち、レシーバ一体型スピーカ180は、オーディオ処理部160から伝送されたオーディオ信号(レシーバ信号、スピーカ信号を含む)を出力することができる。例えば、レシーバ一体型スピーカ180は、制御部110の制御のもとに通話要請の受信時に所定のベル音を出力することができる。または、レシーバ一体型スピーカ180は、音声通話時に受信される相手の音声、すなわち受話音を出力することができる。このようなレシーバ一体型スピーカ180は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に自明なので、詳細な説明を省略する。
【0028】
制御部110は、本発明による携帯端末機100の全般的な動作及び内部ブロック間の信号フローを制御する。特に、本発明の実施形態による制御部110は、オーディオ処理部160の出力モードによって音響ショック防止回路170の活性化の可否を制御する。
出力モードは、音響ショック防止回路170が活性化されるレシーバモードと、音響ショック防止回路170が不活性化されるスピーカモードを含むことができる。
【0029】
制御部110は、音声通話の要請を受信または送信する場合、音響ショック防止回路170を活性化してレシーバモードを活性化し、画像通話要請を受信するか、送信する場合、音響ショック防止回路170を不活性化し、スピーカモードを活性化することができる。
【0030】
また、制御部110は、音声通話実行中に通話モードが変更されたか否かを確認し、音響ショック防止回路170の活性化の可否を制御することができる。例えば、制御部110は、レシーバモードで通話実行中にスピーカフォン機能が活性化される場合、音響ショック防止回路170を不活性化する。
【0031】
これとは反対に、ユーザがスピーカフォン通話実行中にスピーカフォン機能を解除、すなわちレシーバモードに通話モードを変更すると、制御部110は、音響ショック防止回路170を活性化する。また、制御部110は通話が終了した場合、音響ショック防止回路170をデフォルト状態、すなわち不活性化状態になるように制御する。
【0032】
一方、図示してはいないが、携帯端末機100は、イメージまたは動画撮影のためのカメラモジュール、近距離無線通信のための近距離通信モジュール、放送受信のための放送受信モジュール、MP3モジュールのようなデジタル音源再生モジュール及びインターネットネットワークと通信してインターネット機能を実行するインターネット通信モジュールなどの付加機能を有する構成要素を選択的にさらに含むことができる。
【0033】
このような構成要素は、デジタル機器のコンバージェンス(convergence)傾向に伴い、変形が非常に多様なので、すべて列挙することはできないが、本発明による携帯端末機100は、上述した構成要素と同等な水準の構成要素をさらに含むことができる。
【0034】
以上では、本発明の実施形態による携帯端末機100の構成を概略的に説明した。
以下では、様々な形態の音響ショック防止回路170を含む携帯端末機について説明する。
【0035】
図2は、本発明の第1の実施形態による音響ショック防止回路170の構成を示す図である。
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による音響ショック防止回路170は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2及び第1スイッチSW1を含む。
【0036】
第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2は、順方向電圧Vf以上の電圧が印加される場合、所定の一方の方向だけに電流が流れ、反対方向には電流が流れない。第1スイッチSW1は、制御部110の制御信号(SW_C)によって活性化(ON)または不活性化(OFF)され、経路を形成するか、遮断する。
【0037】
第1抵抗R1及び第2抵抗R2は、レシーバ一体型スピーカ180のスピーカ端子(+)、(−)と、オーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)とのインピーダンスマッチングのためのものであって、インピーダンスマッチングが不必要な場合に省略可能である。
【0038】
まず、音響ショック防止回路170に含まれた各構成の接続関係を説明すると、第1抵抗R1の一方側は、オーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)に接続され、第1抵抗R1の他方側は、オーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2の一方側(例えば、第1ダイオードD1のカソード及び第2ダイオードD2のアノード)、及びレシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)に接続される。
【0039】
この時、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2の他方側(例えば、第1ダイオードD1のアノード及び第2ダイオードD2のカソード)は、第1スイッチSW1の一方側に接続される。また、第2抵抗R2の一方側は、オーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)に接続され、第2抵抗R2の他側は、オーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)、第1スイッチSW1の他側、及びレシーバ一体型スピーカ180の負のスピーカ端子(−)に接続される。第1スイッチSW1の制御端子(図示せず)は、制御部110に接続される。
【0040】
制御部110は、レシーバモード時にオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御し、第1スイッチSW1を活性化する。このために、制御部110は、第1スイッチSW1を活性化する活性化信号を第1スイッチSW1の制御端子(図示せず)に伝送する。
【0041】
第1スイッチSW1が活性化される場合、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2は、レシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)と負のスピーカ端子(−)との間に並列して接続される。この場合、音響ショック防止回路170は、オーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)から出力されるオーディオ信号の出力レベルを制限することができる。出力レベルの制限に関する説明は、図6及び図7を参照して後述する。
【0042】
また、制御部110は、スピーカモード時にオーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK+)、(SPK−)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御し、第1スイッチSW1を不活性化する。このために、制御部110は、第1スイッチSW1を不活性化する不活性化信号を第1スイッチSW1の制御端子(図示せず)に伝送する。第1スイッチSW1が不活性化される場合、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2は、レシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)と負のスピーカ端子(−)の間の接続が遮断され、オーディオ処理部160のスピーカ出力端子(
SPK+)、(SPK−)から出力されるオーディオ信号の出力レベルを制限しない。
【0043】
このように、本発明の第1の実施形態による音響ショック防止回路170は、レシーバモード時にオーディオ信号の出力レベルを制限することができる。これにより、本発明は、レシーバモードでゲイン誤動作などに起因して発生する音響ショックを防止することができる。
【0044】
図3は、本発明の第2の実施形態による音響ショック防止回路170の構成を示す図である。
図3を参照すると、本発明の第2の実施形態による音響ショック防止回路170は、第1の実施形態と同様の構成を有し、オーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)とオーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)、及びオーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)とオーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)を制御信号(SW_C)によってスイッチングする第2スイッチSW2をさらに含む。ここで、第2スイッチSW2を除いた残りの構成は、第1の実施形態と同様の機能を実行する。したがって、これに関する詳細な説明は省略する。
【0045】
第2スイッチSW2は、上述したように、オーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK+)、(SPK−)、及びオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)を制御信号(SW_C)によってスイッチングすることができる。すなわち、第2スイッチSW2は、スピーカ信号とレシーバ信号を制御部110の制御のもとにスイッチングする。このために、第2スイッチSW2は、4つの入力端子(Pa)、(Pb)、(Pc)、(Pd)と2つの出力端子(OUT1)、(OUT2)、及び制御端子(図示せず)を含む。
【0046】
さらに詳しく説明すると、第2スイッチSW2は、オーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)に接続される第1入力端子(Pa)、オーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)に接続される第2入力端子(Pc)、オーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)に接続される第3入力端子(Pb)、オーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)に接続される第4入力端子(Pd)、第1入力端子Paと第3入力端子Pbのいずれか1つに接続される第1出力端子(OUT1)、第2入力端子(Pc)と第4入力端子(Pd)のいずれか1つに接続される第2出力端子(OUT2)、制御信号(SW_C)が入力される制御端子(図示せず)を含む。
【0047】
制御部110は、レシーバモード時にオーディオ信号がオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)を通じて出力されるようにオーディオ処理部160を制御する。また、制御部110は、第1入力端子(Pa)と第1出力端子(OUT1)が接続され、第2入力端子(Pc)と第2出力端子(OUT2)が接続されるように第2スイッチSW2を制御する。また、制御部110は、第1スイッチSW1を活性化(ON)させることができる。第1スイッチSW1が活性化(ON)されれば、第1の実施形態で説明したように、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2によってオーディオ処理部160から出力されるオーディオ信号レシーバ信号の出力レベルが制限される。
【0048】
また、制御部110は、スピーカモード時にオーディオ信号がオーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK+)、(SPK−)を通じて出力されるようにオーディオ処理部160を制御し、第3入力端子(Pb)と第1出力端子(OUT1)が接続され、第4入力端子(Pd)と第2出力端子(OUT2)が接続されるように第2スイッチSW2を制御する。また、制御部110は、第1スイッチSW1を不活性化(OFF)させる。第1スイッチSW1が不活性化(OFF)されれば、第1の実施形態で説明したように、オーディオ処理部160から出力されるオーディオ信号スピーカ信号の出力レベルが制限されない。
【0049】
一方、図3では、第2スイッチSW2が第1スイッチSW1と同一の制御信号(SW_C)を用いて一緒に制御されるものと図示したが、本発明は、これに限定されない。すなわち第2スイッチSW2は、別途の制御信号を用いて制御されてもよい。
【0050】
図4は、本発明の第3の実施形態による音響ショック防止回路170の構成を示す図である。
図4を参照すると、本発明の第3の実施形態による音響ショック防止回路170は、オーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)の間に並列接続される第1ダイオードD1と、オーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)の間に並列接続される第2ダイオードD2と、制御信号(SW_C)によってオーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK+)、(SPK−)とオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)をスイッチングする第2スイッチSW2とを含む。
【0051】
制御部110は、レシーバモード時にオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御する。また、制御部110は、第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)と第2スイッチSW2の第1入力端子(Pa)が接続され、第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)と第2スイッチSW2の第2入力端子(Pc)が接続されるように第2スイッチSW2を制御する。
【0052】
すなわちレシーバモード時にオーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)から出力される正のオーディオ信号は、オーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)、オーディオ処理部160の正のレシーバ出力端子(RCV+)に直列接続される第1抵抗R1、第1抵抗R1に並列接続される第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2に接続される第2スイッチSW2の第1入力端子(Pa)、第2スイッチSW2の第1入力端子(Pa)に接続される第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)、第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)に接続されるレシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)を含む第1経路を通じて出力される。
【0053】
また、オーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)から出力される負のオーディオ信号は、オーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)、オーディオ処理部160の負のレシーバ出力端子(RCV−)に直列接続される第2抵抗R2、第2抵抗R2に並列接続される第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2に接続される第2スイッチSW2の第2入力端子(Pc)、第2スイッチSW2の第2入力端子(Pc)に接続される第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)、第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)に接続されるレシーバ一体型スピーカ180の負のスピーカ端子(−)を含む第2経路を通じて出力される。
【0054】
一方、制御部110は、スピーカモード時にオーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK+)、(SPK−)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御し、第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)と第2スイッチSW2の第3入力端子(Pb)が接続され、第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)と第2スイッチSW2の第4入力端子(Pd)が接続されるように第2スイッチSW2を制御する。
【0055】
すなわちスピーカモード時にオーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)から出力される正のオーディオ信号は、オーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)、オーディオ処理部160の正のスピーカ出力端子(SPK+)に接続される第2スイッチSW2の第3入力端子(Pb)、第2スイッチSW2の第3入力端子(Pb)に接続される第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)、第2スイッチSW2の第1出力端子(OUT1)に接続されるレシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)を含む第3経路を通じて出力される。
【0056】
また、オーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)から出力される負のオーディオ信号は、オーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)、オーディオ処理部160の負のスピーカ出力端子(SPK−)に接続される第2スイッチSW2の第4入力端子(Pd)、第2スイッチSW2の第4入力端子(Pd)に接続される第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)、第2スイッチSW2の第2出力端子(OUT2)に接続されるレシーバ一体型スピーカ180の負のスピーカ端子(−)を含む第4経路を通じて出力される。
【0057】
本発明の第3の実施形態のように、スイッチを利用してレシーバ信号経路とスピーカ信号経路を分離する場合、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なって第1スイッチSW1を省略することができる。
【0058】
以上では、図2図4を参照してオーディオ処理部160が差動(Differential)出力を支援する場合の音響ショック防止回路170の構成について説明した。
以下では、図5を参照してオーディオ処理部160がシングル(Single)出力を支援する場合の音響ショック防止回路170の構成について説明する。
【0059】
図5は、本発明の第4の実施形態による音響ショック防止回路170の構成を示す図である。
詳細な説明に先立って、説明の便宜のために、図2図4で説明された構成に関する詳細な説明は省略する。
図5を参照すると、本発明の第4の実施形態による音響ショック防止回路170は、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、及び第1スイッチSW1を含む。
【0060】
まず、音響ショック防止回路170に含まれた各構成の接続関係を説明すると、
第1抵抗R1の一方側は、オーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV)に接続され、第1抵抗R1の他方側は、オーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK)、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2の一方側(例えば、第1ダイオードD1のカソード及び第2ダイオードD2のアノード)、及びレシーバ一体型スピーカ180の正のスピーカ端子(+)に接続される。
【0061】
この時、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の他方側(例えば、第1ダイオードD1のアノード及び第2ダイオードD2のカソード)は、第1スイッチSW1の一方側に接続され、第1スイッチSW1の他方側には、バイアス電圧Vbが供給される。第1スイッチSW1の制御端子(図示せず)は、制御部110のGPIO端子に接続されることができる。
【0062】
制御部110は、レシーバモード時にオーディオ処理部160のレシーバ出力端子(RCV)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御し、第1スイッチSW1を活性化する。この時、レシーバ出力端子(RCV)から出力されるオーディオ信号の出力レベルは、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2によって物理的に制限される。
【0063】
一方、制御部110は、スピーカモード時にオーディオ処理部160のスピーカ出力端子(SPK)を通じてオーディオ信号を出力するようにオーディオ処理部160を制御し、第1スイッチSW1を不活性化する。この時、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2は、回路的にオープン(OPEN)状態になるので、スピーカ出力端子(SPK)を通じて出力されるオーディオ信号の出力レベルは制限されない。
【0064】
図6及び図7は、本発明の実施形態によるオーディオ信号出力を示すグラフである。
図1図7を参照すると、本発明の実施形態による音響ショック防止回路170は、所定の出力範囲のオーディオ信号のみを出力することができる。
【0065】
すなわち、オーディオ処理部160が、図6に示すように、所定の出力範囲、すなわち第1基準電圧V1と第2基準電圧V2との中に含まれるオーディオ信号のみを出力する場合、音響ショック防止回路170は、元の音響信号をそのままレシーバ一体型スピーカ180に伝送することができる。
【0066】
一方、オーディオ処理部160が、図7に示すように、通信網異常、ゲイン誤動作などを起因として所定の第1基準電圧V1と第2基準電圧V2との中を超えるオーディオ信号を出力する場合、音響ショック防止回路170は、第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2を超えるオーディオ信号部分を除去し、第1基準電圧V1と第2基準電圧V2との中に含まれたオーディオ信号のみをレシーバ一体型スピーカ180に伝送する。これにより、本発明は、音声通話中にゲイン誤動作、通信網異常などを起因して発生する音響ショックを防止することができる。
【0067】
図2図4に示したように、オーディオ処理部160が差動出力を支援する場合、第1基準電圧V1は、バイアス電圧VbにダイオードD1、D2の順方向電圧Vfの1/2を加えた値になり、第2基準電圧V2は、バイアス電圧VbからダイオードD1、D2の順方向電圧Vfの1/2を引いた値になるのが好ましい。すなわち、第1基準電圧V1は、下記の式1で表され、第2基準電圧V2は、下記の式2で表すことができる。
第1基準電圧 V1=Vb+Vf/2 ………… 式1
第2基準電圧 V2=Vb−Vf/2 ………… 式2
【0068】
したがって、音響ショック防止回路170に含まれるダイオードD1、D2は、レシーバモード時に出力されるオーディオ信号、例えば、受話音の最大出力レベルを考慮して選択することが好ましい。
例えば、レシーバモード時に出力されるオーディオ信号の最大出力レベルがバイアス電圧Vbを基準にして+0.3V〜−0.3Vの範囲を有するように設定された場合、本発明の第1〜第3の実施形態による音響ショック防止回路170に含まれるダイオードD1、D2の順方向電圧は、0.6V以上であることが好ましい。
一方、ダイオードD1、D2の順方向電圧が大きい場合、音響ショックを防止することができないので、過度に大きい順方向電圧を有するダイオードは避けることが好ましい。例えば、音響ショック防止回路170は、約0.7Vの順方向電圧を有するダイオードを含むことが好ましい。
【0069】
一方、図5に示したように、オーディオ処理部160がシングル出力を支援する場合、第1基準電圧V1は、下記の式3で表現され、第2基準電圧V2は、下記の式4で表現される。
第1基準電圧 V1=Vb+Vf ………… 式3
第2基準電圧 V2=Vb−Vf ………… 式4
【0070】
レシーバモード時に出力されるオーディオ信号の最大出力レベルがバイアス電圧Vbを基準にして+0.3V〜−0.3Vの範囲を有するように設定され、オーディオ処理部160がシングル出力の場合、本発明の第4の実施形態による音響ショック防止回路170に含まれるダイオードD1、D2の順方向電圧Vfは、0.3V以上を有しなければならない。例えば、音響ショック防止回路170は、約0.4Vの順方向電圧を有するダイオードを含むことが好ましい。
【0071】
以上では、本発明の多様な実施形態による音響ショック防止回路170を含む携帯端末機100について説明した。
以下では、本発明の実施形態による携帯端末機100の運用方法について説明する。
【0072】
図8は、本発明の実施形態による携帯端末機100の運用方法を示すフローチャートである。
詳細な説明に先立って、以下では、通話要請時に通話モードを確認し、音響ショック防止回路170を制御することを例にして説明する。
しかし、本発明は、これに限定されない。すなわち本発明は、通話要請以外にも、オーディオ処理部160が活性化され、オーディオ信号出力が要請されるすべての場合について、オーディオ処理部160の出力モードを確認し、出力モードに対応して音響ショック防止回路170の活性化の可否を制御することができる。
【0073】
図1図8を参照すると、制御部110は、ステップS401で待機状態である。この時、音響ショック防止回路170は、デフォルト状態である不活性化(OFF)状態である。
【0074】
次に、制御部110は、ステップS403で、通話要請があるか否かを確認する。ここで、通話要請は、通話要請の送信と通話要請の受信を含む。ステップS403で通話要請がない場合、制御部110は、ステップS413に進行し、当該機能を実行することができる。例えば、制御部110は、ユーザの要請に対応して音声再生機能、デジタルマルチメディア放送再生機能などを実行するか、または待機状態を維持することができる。
【0075】
一方、ステップS403で通話要請がある場合、制御部110は、ステップS405に進行し、ユーザが携帯端末機100を耳に近付けた状態で通話を行う音声通話モード、すなわちレシーバモードであるか否かを確認する。この時、レシーバモードである場合、制御部110は、ステップS407に進行し、第1スイッチSW1を活性化(ON)する。
言い換えれば、制御部110は、音響ショック防止回路170を活性化(ON)する。
【0076】
ここで、音響ショック防止回路170に関する詳細な説明は、上述したので省略する。
このように、レシーバモードが活性化している場合、本発明による携帯端末機100は、音響ショック防止回路170を用いてハードウェア的にオーディオ信号、例えば、受話音の最大出力レベルを制限し、音響ショックを防止することができる。特に、本発明は、従来、ソフトウェア的に出力レベルを制限する場合、誤動作に起因して発生する音響ショックをも防止することができる。
【0077】
一方、ステップS405で、レシーバモードではないと確認された場合、例えば、画像通話、スピーカフォン通話及び音声ファイル再生などを実行する場合、制御部110は、ステップS415に進行し、第1スイッチSW1を不活性化(OFF)し、音響ショック防止回路170を不活性化(OFF)する。すなわち制御部110は、待機状態と同様に、音響ショック防止回路170をデフォルト状態に維持するように制御する。
【0078】
次に、制御部110は、ステップS409で、通話が終了したか否かを確認する。
通話の終了は、所定の通話終了キー信号が感知された場合、フォルダ型端末機の場合でフォルダを閉められた場合、または、相手が通話終了した場合などである。
【0079】
ステップS409で通話が終了する場合、制御部110は、ステップS411に進行し、音響ショック防止回路170をデフォルト状態となるように制御する。すなわち制御部110は、音響ショック防止回路170が活性化された状態で通話の終了を感知すれば、音響ショック防止回路170を不活性化するように制御し、音響ショック防止回路170が不活性化された状態で通話の終了を感知すれば、不活性化状態を維持するように制御する。
【0080】
一方、ステップS409で通話が終了していない場合、制御部110は、ステップS417に進行し、通話モードが変更されたか否かを確認する。ステップS417で通話モードが変更されていなければ、制御部110は、ステップS409に戻り、通話モードが変更されていれば、ステップS405に戻る。この時、通話モードの変更は、音響ショック防止回路170の活性化または不活性化状態を変更することを意味する。
【0081】
例えば、音響ショック防止回路170が活性化されたレシーバモードで通話中にスピーカフォン機能を活性化する場合、制御部110は、音響ショック防止回路170を不活性化することができる。または、反対に、音響ショック防止回路170が不活性化されたスピーカフォン通話状態でスピーカフォン機能を解除する場合、制御部110は、通話モードをレシーバモードに変更し、音響ショック防止回路170を活性化させることができる。
【0082】
一方、以上では、携帯端末機の運用方法を第1の実施形態による音響ショック防止回路170を含む図2を基準にして説明した。
しかし、本発明は、これに限定されない。すなわち、図3及び図4のような場合、携帯端末機の運用方法は適宜変更することができる。
【0083】
例えば、レシーバモード時に活性化されるレシーバ出力端子(RCV+)、(RCV−)とスピーカモード時に活性化されるスピーカ端子(SPK+)、(SPK−)をスイッチングする第2スイッチSW2をさらに含む図3のような場合、制御部110は、オーディオ処理部160の出力モードによって第2スイッチSW2を制御する工程をさらに含む。
【0084】
一方、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2が第2スイッチSW2の前段に位置し、第1スイッチSW1が不要な図4のような場合、第1スイッチSW1を制御する工程は省略することができる。これは、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に自明なので、詳細な説明を省略する。
【0085】
以上説明したように、本発明による音響ショック防止回路を含む携帯端末機及びその運用方法は、レシーバモード(例えば、音声通話)時にオーディオ信号の出力レベルを音響ショック防止回路を用いてハードウェア的に制限し、通信網異常、ゲイン誤動作などに起因して発生する音響ショックを防止することができる。特に、本発明は、従来、ソフトウェア的にオーディオ信号の出力レベルを制限する場合、ソフトウェアのエラーまたは誤動作などに起因して発生する音響ショックをも防止することができる。
【0086】
一方、以上では、レシーバ信号の出力のみを制限するものを説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、第3の実施形態のような状態でスピーカ信号の最大出力レベルを制限しようとする場合、本発明による音響ショック防止回路をスピーカ信号経路に追加することもできる。すなわちレシーバ信号経路には、レシーバモード時に設定された最大出力範囲を超過するオーディオ信号を除去する第1音響ショック防止回路を追加し、スピーカ信号経路には、スピーカモード時に設定された最大出力範囲を超過するオーディオ信号を除去する第2音響ショック防止回路を追加することができる。
【0087】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
100 携帯端末機
110 制御部
120 保存部
130 表示部
140 入力部
150 無線通信部
160 オーディオ処理部
170 音響ショック防止回路
180 レシーバ一体型スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8