(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記製造されたコンクリートのスランプを測定することにより前記コンシステンシーの評価を行い、前記スランプの測定値が小さくなるほど、冷風への水分添加量を増加させる、請求項1又は請求項2記載のコンクリートの製造方法。
前記製造されたコンクリートのスランプを測定することにより前記コンシステンシーの評価を行い、前記スランプの測定値が小さくなるほど、冷風の風量を減少させる、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のコンクリートの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるコンクリート製造システムの概略構成を示す。
コンクリート製造システム1は、主に、バッチャプラント2、冷風用配管3、冷風装置4、及び散水装置5により構成される。
【0019】
バッチャプラント2は、基礎架台21上にコンクリートの製造工程に対応させた装置を複数階の階層構造として積み上げてなる。
最上階は、分配シュート22を備えた受材ブロック23である。この受材ブロック23では、地上の骨材ヤード(図示せず)から搬送装置24(例えばベルトコンベア)を介して送られてくる各種骨材を分配シュート22によって分配し、下位の貯蔵ブロック25に設けられた貯蔵ビン26へ骨材の種類毎に投入している。ここで、本実施形態では、G1の骨材(粒径150〜80mm)、G2の骨材(粒径80〜40mm)、G3の骨材(粒径40〜20mm)、G4の骨材(粒径20〜5mm)、及びSの骨材(粒径5mm以下)の5種類の骨材を用いてコンクリートを製造している。また、G1〜G4の骨材が粗骨材に対応する一方、Sの骨材が細骨材に対応する。
【0020】
5種類の骨材の各々に対応して各別に設けられた貯蔵ビン26には、それぞれに、冷風用配管3が接続されており、冷風装置4からの冷風が冷風用配管3を介して各貯蔵ビン26内に供給されるようになっている。
【0021】
貯蔵ビン26では、分配シュート22より供給された骨材が滞留している。
貯蔵ブロック25には、骨材用の貯蔵ビン26の他、セメントサイロ(図示せず)から空気で圧送されてくるセメントを貯蔵する貯蔵ビン(図示せず)、冷水装置(図示せず)から水ポンプ(図示せず)によって送り込まれる水(例えば、6℃程度)を貯蔵する貯蔵ビン(図示せず)、及び、混和材を貯蔵する貯蔵ビン(図示せず)も設けられている。
【0022】
貯蔵ブロック25の下位には計量ブロック27が設けられている。この計量ブロック27には、各貯蔵ビン毎に対応する計量ビンが設けられている。骨材については、5種類の骨材の各々に対応して各別に計量ビン28が設けられている。
【0023】
計量ブロック27の下位には、混練ブロック29が設けられている。この混練ブロック29には、各計量ビンで計量されて払い出された各材料を混練するミキサ30が設けられている。
【0024】
混練ブロック29の下位の基礎架台21の上部には、ミキサ30から排出されるコンクリートを一時貯留するコンクリートホッパ31が設けられている。コンクリートホッパ31にて一時貯留されたコンクリートは、コンクリートホッパ31の下部に設けられた排出用ダンパ(図示せず)の開閉によって、適宜排出される。
【0025】
冷風装置4は、外気を取り込んで冷却して冷風を生成し、この冷風を、冷風用配管3を介して、散水装置5に送る。
冷風装置4は、チラーユニット41と、クーリングタワー42と、送風機43とを含んで構成される。
【0026】
チラーユニット41は、図示しない冷媒回路を備える。この冷媒回路は、冷媒が充填された閉回路を構成しており、図示しない圧縮機、放熱器、膨張弁、及び蒸発器を備えている。この冷媒回路では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われている。そして、蒸発器にて外気の熱を吸熱することにより、外気を冷却する。
【0027】
クーリングタワー42は、上述の放熱器からの熱を外部に放出するための装置である。
送風機43は、チラーユニット41の蒸発器によって冷却された空気(冷風)を冷風用配管3を介して散水装置5に送る。ここで、冷風の風量調整は、例えば、送風機43の運転回転数を調整することによって実現され得る。
【0028】
散水装置5は、図示しない貯水槽、噴霧水用配管、及び、スプレーノズルを備える。貯水槽は、噴霧水用配管を介して、スプレーノズルに接続されている。また、貯水槽とスプレーノズルとの間の噴霧水用配管には、水ポンプ(図示せず)が設置されている。
【0029】
貯水槽に貯留された冷水(例えば6℃程度)は、噴霧水用配管及び水ポンプを介して、スプレーノズルから冷風にミスト噴射される。すなわち、散水装置5では、冷水のミストを冷風に噴霧することにより、冷風に水分を添加する。ここで、冷風への水分添加量(噴霧水量)の調整は、例えば、噴霧水用配管に設置された水ポンプの運転回転数を調整することによって実現され得る。
【0030】
散水装置5にて水分が添加された冷風は、冷風用配管3を介して、貯蔵ビン26に供給されて、貯蔵ビン26内の骨材を冷却する。
次に、コンクリート製造システム1を用いたコンクリートの製造方法について以下説明する。
【0031】
まず、貯蔵ビン26内に骨材を供給するに先立って、骨材をサンプリングし、その表面水率を測定する。ここで、表面水率とは、湿潤状態における表面水の水量(骨材の表面に付着している水量)を表乾状態(表面乾燥飽水状態)の骨材の質量で除した比率を意味する。
【0032】
この後、表面水率の測定値に基づいて、混合時の水量(計量ビンにて計量される水量)を設定する。具体的には、表面水率の測定値に対応する骨材の表面水量を設計水量より差し引いて、これを混合時の水量とする。すなわち、設計水量となるように、表面水率の測定値に基づいて、混合時の水量が調整される。
【0033】
表面水率が測定された骨材は、貯蔵ビン26内に供給されて、一定時間滞留する。
一方、冷風装置4では、外気を冷却して冷風を生成する。
冷風装置4で生成された冷風は、冷風用配管3を介して、散水装置5に送られる。
【0034】
散水装置5では、冷風にミストが噴霧されることにより、冷風に水分が添加される。
散水装置5にて水分が添加された冷風は、冷風用配管3を介して、貯蔵ビン26内の骨材に吹きかけられて、これにより、骨材が冷却される。
【0035】
貯蔵ビン26からの骨材は、現場配合に基づいて計量ビン27にて計量されて、ミキサ30に供給される。また、図示しない貯蔵ビンからのセメント、水及び混和材が、現場配合に基づいて、図示しない計量ビンにて各別に計量されて、ミキサ30に供給される。尚、現場配合の詳細については、後述する実施例にて説明する。
【0036】
ミキサ30では、骨材、セメント、水、及び混和材が混練される。
このようにして製造されたコンクリートは、コンクリートホッパ31の図示しない排出用ダンパより適宜排出される。
【0037】
排出されたコンクリートについては、そのコンシステンシーが評価される。
コンシステンシーの評価法としては、例えば、JIS A 1101に規定されたスランプ試験や、JSCE−F 507−2007に規定された標準VC試験を用いることができる。本実施形態では、コンシステンシーの評価法としてスランプ試験を用いた場合を例にとって以下説明する。
【0038】
製造されたコンクリートのスランプをスランプ試験で測定し、この測定結果に基づいて、散水装置5で噴霧されるミストの噴霧量(換言すれば、冷風に添加される水分添加量)と、冷風装置4から貯蔵ビン26に供給される冷風の風量とを調整する。
【0039】
一般に、表面水率の測定値に基づいて、粗骨材(G1〜G4)、細骨材(S)、水の配合を調整した現場配合で、所定のミキサで所定時間混合したコンクリートは事前に試験練りなどにより計画した設計のコンクリートと同様のコンシステンシーを示す。具体的には、コンシステンシーの評価をスランプ試験により評価する場合、例えば、試験練りをした時に計画した設計のスランプ値が8cmであれば、概ね一定の範囲(例えば、8cm±2.5cm)に収束すること(換言すれば、許容範囲内に収まること)が実証されている。
【0040】
従って、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より小さくなっている場合には、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材が乾燥して、骨材の表面水量にばらつきが生じている可能性が高いので、散水装置5にて冷風への水分添加量を増加させる。また、この場合には、スランプの測定値が小さくなるほど、冷風への水分添加量を増加させる。これにより、骨材の局所的な乾燥が抑制されるので、骨材の表面水量のばらつきが抑制される。ここで、所定値とは、コンクリートのコンシステンシーの許容範囲に対応する値であり、予め設定されている。
【0041】
また、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より小さくなっている場合には、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材が乾燥して、骨材の表面水量にばらつきが生じている可能性が高いので、冷風装置4にて冷風の風量を減少させる。また、この場合には、スランプの測定値が小さくなるほど、冷風の風量を減少させる。これにより、骨材の局所的な乾燥が抑制されるので、骨材の表面水量のばらつきが抑制される。
【0042】
尚、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より小さくなっている場合には、冷風への水分添加量の増加と冷風の風量の減少とを組み合わせて実施する他、これらのいずれか一方を実施してもよい。
【0043】
一方、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より大きくなっている場合には、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材の水分が過多となり、骨材の表面水量にばらつきが生じている可能性が高いので、散水装置5にて冷風への水分添加量を減少させる。また、この場合には、スランプの測定値が大きくなるほど、冷風への水分添加量を減少させる。これにより、骨材の局所的な水分過多が抑制されるので、骨材の表面水量のばらつきが抑制される。
【0044】
また、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より大きくなっている場合には、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材の水分が過多となり、骨材の表面水量にばらつきが生じている可能性が高いので、冷風装置4にて冷風の風量を増加させる。また、この場合には、スランプの測定値が大きくなるほど、冷風の風量を増加させる。これにより、骨材の局所的な水分過多が抑制されるので、骨材の表面水量のばらつきが抑制される。
【0045】
尚、製造されたコンクリートのスランプの測定値がばらつき、且つ全体として所定値より大きくなっている場合には、冷風への水分添加量の減少と冷風の風量の増加とを組み合わせて実施する他、これらのいずれか一方を実施してもよい。
【0046】
尚、水分添加量・風量の調整は外気温・湿度の影響を受けるものと考えられるが、かならずしも時間毎、日毎に調整が必要なものではない。例えば、月毎や季節毎の比較的長い期間毎に調整すれば十分な場合もある。
【0047】
〔実施例〕
次に、上述のコンクリートの製造方法を適用した実施例について説明する。
本実施例では、バッチャプラント2の仕様・能力は以下のようであった。
ミキサ容量:6m
3
ミキサ台数:1台
混練サイクルタイム:2min
作業効率:0.9
混練能力:6m
3×1台×60min/h÷2min×0.9=162m
3/h
骨材G1〜G4用の貯蔵ビンの容量:各20m
3
表1は、本実施例におけるコンクリートの設計配合を示す。
【0048】
【表1】
本実施例では、ダム建設で用いられるA配合(外部配合)のコンクリートと、B配合(内部配合)のコンクリートとの2種類のコンクリートについて、上述のコンクリートの製造方法を適用した。
【0049】
表1において、水結合材比とは、水と結合材との重量比である。ここで、結合材とは、主にセメントからなる硬化材を意味する。
また、細骨材率とは、骨材全体に占める細骨材の容積割合である。
【0050】
また、空気量とは、コンクリート内に含まれる空気量を意味する。
また、水、結合材、細骨材及び粗骨材の単位体積量とは、それぞれ、コンクリート1m
3あたりの重量(設計重量)を意味する。
【0051】
また、表1には記載されていないが、コンクリートには混和材を入れた。
コンクリート製造時に、まず、貯蔵ビン26内に骨材を供給するに先立って、骨材をサンプリングし、その表面水率を測定した。この測定結果は、以下のとおりであった。
【0052】
粗骨材G1:0.0%
粗骨材G2:0.3%
粗骨材G3:0.5%
粗骨材G4:1.0%
細骨材S:4.0%
この表面水率の測定値に基づいて、混合時の水量を設定し、これを現場配合とした。この現場配合を表2に示す。
【0053】
【表2】
表2に示す現場配合では、表面水率の測定値に対応する骨材の表面水量を設計水量より差し引いて、これを混合時の水量とした。具体的には、A配合のコンクリートに関しては、骨材全体での表面水量(30kg/m
3)を設計水量(124kg/m
3(表1参照))より差し引いて、これを混合時の水量(94kg/m
3)とした。また、B配合のコンクリートに関しては、骨材全体での表面水量(34kg/m
3)を設計水量(115kg/m
3(表1参照))より差し引いて、これを混合時の水量(81kg/m
3)とした。
【0054】
また、現場配合では、細骨材及び粗骨材の単位体積量について、それぞれ、表面水量分を設計重量に上乗せした。
表2に示す現場配合で、コンクリート製造システム1にて、B配合のコンクリートを製造した。
【0055】
ここで、冷風装置4の仕様・能力は、以下のようであった。
チラーユニット:270,000kcal/h 37kW×2台
クーリングタワー:2台
送風機:55kW×1台
また、冷風用配管3は円形断面を有する鋼管であり、その直径は700〜1000mmであった。
また、散水装置5では、噴射されるミスト径の平均値が50μm程度であった。
【0056】
まず、気温32℃、湿度50%の条件下で、コンクリート製造システム1にて、冷風装置4及び散水装置5を不使用として(すなわち、冷風による骨材の冷却を行わないで)、B配合のコンクリートを製造した。
【0057】
この場合のコンクリート温度の推定結果(ヒートバランスシート)を表3に示す。
【表3】
ここで、表3において、貯蔵ビン26内の細骨材及び粗骨材の温度は、赤外線温度計で測定された。同様に、貯蔵ビン内のセメント及び水についても、各々の温度が周知の温度測定手段により測定された。
【0058】
貯蔵ビン26内の細骨材及び粗骨材の温度は、それぞれ、30.0℃であった。
貯蔵ビン内の結合材の温度は、40.0℃であった。
貯蔵ビン内の水温は、6.0℃であった。
【0059】
この条件下で、ヒートバランスシートによりコンクリート温度を推定すると、27.2℃であった。
一方、実測したコンクリート温度は、29.0℃であった。
【0060】
従って、コンクリート温度については、ヒートバランスシートを用いた推定値のほうが実測値よりも低くなっていた。
次に、気温32℃、湿度50%の条件下で、コンクリート製造システム1にて、冷風装置4を使用し、かつ、散水装置5を不使用として(すなわち、冷風に水分を添加しない状態で冷風による骨材の冷却を行って)、B配合のコンクリートを製造した。ここで、冷風装置4から貯蔵ビン26内に送られる冷風の風量は400m
3/minであり、冷風の温度は10℃であった。
【0061】
この場合のコンクリート温度の推定結果(ヒートバランスシート)を表4に示す。
【表4】
貯蔵ビン26内の細骨材については、冷風装置4からの冷風により冷却されて、その温度が24.0℃であった。
【0062】
貯蔵ビン26内の粗骨材については、冷風装置4からの冷風により冷却されて、その温度が23.0℃であった。
貯蔵ビン内の結合材の温度は、40.0℃であった。
【0063】
貯蔵ビン内の水温は、6.0℃であった。
この条件下で、ヒートバランスシートによりコンクリート温度を推定すると、22.0℃であった。
【0064】
一方、実測したコンクリート温度は、23.5℃であった。
従って、冷風装置4を使用することにより、コンクリート温度の推定値では、5.2℃低下し、実測値では、5.5℃低下した。
【0065】
この後、スランプ試験にてコンクリートのスランプを測定することによりコンシステンシーの評価を行った。具体的には、製造されたコンクリートのスランプの測定値が、B配合のコンクリートのスランプの許容範囲である3cm±1.5cmに入っているか否かを確認することで、コンシステンシーの評価を行った。ここで、この例における上記所定値は、B配合のコンクリートのスランプの許容範囲である3cm±1.5cmに対応している。
【0066】
スランプ試験の結果、スランプの測定値が1cmであり、上記所定値である3cm±1.5cmを下回った。従って、貯蔵ビン26内で冷風の通り道となった一部の骨材が乾燥して、骨材の表面水量にばらつきが生じている可能性が高い。
【0067】
この骨材の表面水量のばらつきを抑制するために、冷風装置4と共に散水装置5を使用した。ここで、散水装置5から冷風に噴霧されるミストの量(噴霧水量)は10リットル/minであり、噴霧水の温度は6℃であった。
【0068】
ミストにより水分が添加された冷風を貯蔵ビン26内の骨材に供給すると、コンクリート温度の実測値は22.5℃に低下した。すなわち、冷風へのミスト噴霧により、コンクリートの冷却が促進された。
【0069】
また、冷風へのミスト噴霧を行いつつ製造されたコンクリートのスランプを測定すると、2〜4cmであった。すなわち、コンクリートのスランプ測定値が、B配合のコンクリートのスランプの許容範囲内となった。従って、貯蔵ビン26内の骨材の局所的な乾燥を緩和することにより骨材の表面水量のばらつきが抑制されてコンクリートの品質が安定化した。
以上は、B配合のコンクリートの製造についての説明であったが、A配合のコンクリートの製造についても同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
尚、特許文献1,2に記載された冷却方法は、いずれもコンクリート製造システムに骨材を搬送する前の貯蔵ビン(サイロ)において骨材を冷却する方法である。従来、コンクリートを製造するうえで骨材の表面水量の変動はコンクリートの品質の安定化を損なうことから、ミキサの直前において表面水量の変動に起因する冷却方法はあまり用いられていなかった。一方で、冷却された骨材は、その温度が外気温により再度上昇するので、混合する直前で骨材を冷却することが冷却効率の面で有利である。この点、本実施形態によれば、ミキサ30の直前において骨材を冷却することで優れた冷却効率が得られると共に、ミキサ30の直前で骨材を冷却することに起因する表面水量の変動を抑制してコンクリートの品質の安定化を図ることができる。
【0071】
本実施形態によれば、冷風装置4にて外気を冷却して冷風を生成し、この生成された冷風に散水装置5にて水分を添加し、この水分が添加された冷風を貯蔵ビン26内の骨材に吹きかけて骨材を冷却する。これにより、貯蔵ビン26内の骨材の冷却が、冷風に添加された水分の気化で促進されるので、製造されるコンクリートの温度を低減させることができる。
【0072】
また本実施形態によれば、製造されたコンクリートのコンシステンシーを評価し、この評価結果に基づいて、冷風への水分添加量及び/又は冷風の風量を調整する。これにより、貯蔵ビン26内の骨材の局所的な乾燥や水分過多を抑制することができるので、骨材の表面水量がばらつくことを抑制することができ、ひいては、製造されるコンクリートの品質を安定化させることができる。
【0073】
また本実施形態によれば、貯蔵ビン26内に骨材を供給するに先立って骨材の表面水率を測定し、この表面水率の測定値に基づいて、混合時の水量を調整する。これにより、設計配合に非常に近い状態でコンクリートの製造を行うことができるので、高品質のコンクリートを製造することができる。
【0074】
また本実施形態によれば、製造されたコンクリートのスランプを測定することによりコンシステンシーの評価を行い、スランプの測定値が小さくなるほど、冷風への水分添加量を増加させる。これにより、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材の乾燥を抑制することができるので、貯蔵ビン26内における骨材の表面水量のばらつきを低減することができる。
【0075】
また本実施形態によれば、製造されたコンクリートのスランプを測定することによりコンシステンシーの評価を行い、スランプの測定値が小さくなるほど、冷風の風量を減少させる。これにより、貯蔵ビン26内にて、冷風の通り道となった一部の骨材の乾燥を抑制することができるので、貯蔵ビン26内における骨材の表面水量のばらつきを低減することができる。
【0076】
尚、本実施形態では、コンシステンシーの評価法として、JIS A 1101に規定されたスランプ試験を用いて説明したが、コンシステンシーの評価法はこれに限らず、例えば、JSCE−F 507−2007に規定された標準VC試験を用いることができる。
【0077】
また、本実施形態では、コンシステンシーを定時的に評価しているが、この他、例えば、製造されたコンクリートの粘度を、粘度測定装置を用いて連続的に測定することにより、コンシステンシーを連続的に評価してもよい。また、ミキサ30の駆動電動機(図示せず)の電流値を測定することにより、コンシステンシーを評価してもよい。