特許第5705870号(P5705870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5705870バッテリ絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定装置、及び製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705870
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】バッテリ絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定装置、及び製品
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/18 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   G01R27/18
【請求項の数】26
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-539973(P2012-539973)
(86)(22)【出願日】2010年11月16日
(65)【公表番号】特表2013-511719(P2013-511719A)
(43)【公表日】2013年4月4日
(86)【国際出願番号】US2010056861
(87)【国際公開番号】WO2011062907
(87)【国際公開日】20110526
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】12/622,134
(32)【優先日】2009年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308014684
【氏名又は名称】ヴァレンス テクノロジー インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】VALENCE TECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100173152
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 智
(72)【発明者】
【氏名】クライン アロン
【審査官】 藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−273287(JP,A)
【文献】 特開昭54−079688(JP,A)
【文献】 特開平06−308185(JP,A)
【文献】 特開2003−066090(JP,A)
【文献】 特開2007−327856(JP,A)
【文献】 特開2007−240426(JP,A)
【文献】 特開2007−240300(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0013382(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/00−27/32
G01R 31/02−31/06
H02H 3/08−3/253
B60L 1/00−3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの端子間の電圧を測定するステップ;
グラウンド基準に対する前記バッテリの第1端子の電圧を測定するステップ;
前記グラウンド基準に対する前記バッテリの第2端子の電圧を測定するステップ;及び前記バッテリの端子間、前記第1端子及び第2端子の電圧を使用して、前記グラウンド基準に対する前記バッテリの絶縁抵抗を測定するステップ;
を含み、
前記第1端子の電圧測定は、前記第2端子とグラウンド基準とに接続された電圧測定に用いる電圧計の内部抵抗による測定誤差が許容される抵抗値の既知抵抗に基づいて測定され、前記第2端子の電圧測定は、前記第1端子とグラウンド基準とに接続された前記既知抵抗に基づいて測定されることを特徴とするバッテリ絶縁抵抗測定方法。
【請求項2】
前記絶縁抵抗の測定は、さらに、前記既知抵抗を使用して測定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッテリの絶縁抵抗の測定は、バッテリのグラウンド基準に対する第1及び第2端子のうちの少なくとも1つの絶縁抵抗を測定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2端子のうちの少なくとも1つの絶縁抵抗の測定は、前記バッテリ、第1端子及び第2端子の電圧を使用して測定することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁抵抗の測定は、グラウンド基準に対する各第1及び第2端子の絶縁抵抗を測定することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記絶縁抵抗の測定は、さらに、グラウンド基準に対する第1及び第2端子の絶縁抵抗と並列等価抵抗を測定することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記全ての測定は、処理回路を使用して測定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
バッテリの第2端子と車両のグラウンド基準との間に既知抵抗を接続してグラウンド基準に対するバッテリの第1端子の電圧を測定するステップ;
前記バッテリの第1端子とグラウンド基準との間に前記既知抵抗を接続してグラウンド基準に対する前記バッテリの第2端子の電圧を測定するステップ;及び
前記第1端子の電圧と第2端子の電圧を使用して、グラウンド基準に対する前記バッテリの絶縁抵抗を測定するステップ;
を含み、
前記第1端子の電圧測定は、前記第2端子とグラウンド基準とに接続された電圧測定に用いる電圧計の内部抵抗による測定誤差が許容される抵抗値の既知抵抗に基づいて測定され、前記第2端子の電圧測定は、前記第1端子とグラウンド基準とに接続された前記既知抵抗に基づいて測定されることを特徴とする絶縁抵抗測定方法。
【請求項9】
前記バッテリの絶縁抵抗測定は、さらに、前記バッテリの電圧を使用して測定することを含む請求項に記載の方法。
【請求項10】
グラウンド基準に対するバッテリの第1端子の絶縁抵抗を測定するステップ;
前記グラウンド基準に対する前記バッテリの第2端子の絶縁抵抗を測定するステップ;及び
前記グラウンド基準に対する第1及び第2端子の絶縁抵抗を使用して、前記バッテリの絶縁抵抗を測定するステップ;を含み、
前記第1端子の絶縁抵抗の測定は、前記第2端子とグラウンド基準とに接続された電圧測定に用いる電圧計の内部抵抗による測定誤差が許容される抵抗値の既知抵抗に基づいて測定され、前記第2端子の絶縁抵抗の測定は、前記第1端子とグラウンド基準とに接続された前記既知抵抗に基づいて測定されることを特徴とする絶縁抵抗測定方法。
【請求項11】
前記バッテリの絶縁抵抗測定は、前記グラウンド基準に対する第1及び第2端子の絶縁抵抗と並列等価抵抗を測定することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
バッテリの端子間の電圧にアクセスしグラウンド基準に対する前記バッテリの第1端子の電圧にアクセスし、前記グラウンド基準に対するバッテリの第2端子の電圧にアクセスし、さらに、前記グラウンド基準に対する前記バッテリの前記第1端子の絶縁抵抗を、前バッテリの端子間の電圧と、前記グラウンド基準に対する前記第1端子の電圧と、
前記グラウンド基準に対する前記第2端子の電圧を使用して測定するように構成された処理回路と、を備え、
前記第1端子の電圧測定は、前記第2端子と前記グラウンド基準とに接続された電圧測定に用いる電圧計の内部抵抗による測定誤差が許容される抵抗値の既知抵抗に基づいて測定され、前記第2端子の電圧測定は、前記第1端子と前記グラウンド基準とに接続された前記既知抵抗に基づいて測定されることを特徴とする絶縁抵抗測定装置。
【請求項13】
前記処理回路は、前記グラウンド基準に対する第2端子の絶縁抵抗を測定するように構成された請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記処理回路は、前記グラウンド基準に対するバッテリの絶縁抵抗を、前記第1及び第2端子の絶縁抵抗を使用して測定するように構成された請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記処理回路は、前記第1及び第2端子の絶縁抵抗と並列の等価抵抗からなる前記バッテリの絶縁抵抗を測定するように構成された請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記処理回路は、前記バッテリの電圧にアクセスするために、前記グラウンド基準に対するバッテリの第1及び第2端子の電圧を加算するように構成された請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記処理回路は、既知抵抗を前記第2端子とグラウンド基準に接続して前記第1端子の電圧にアクセスし、さらに、前記既知抵抗を前記第1端子とグラウンド基準に接続して前記第2端子の電圧にアクセスするように構成された請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記処理回路は、絶縁抵抗を測定するために前記既知抵抗を使用するように構成された請求項17に記載の装置。
【請求項19】
第2端子の電圧にアクセスする間、前記既知抵抗を前記第1端子に接続し、前記第1端子の電圧にアクセスする間、前記既知抵抗を前記第2端子に接続するように構成された既知抵抗回路をさらに備えた請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記処理回路は、車両の処理回路からなり、さらに前記処理回路は、車両のシャーシグラウンドを構成するグラウンド基準に対して前記第1端子の絶縁抵抗を測定するように構成されている請求項12に記載の装置。
【請求項21】
処理回路に処理を行わせるように設定されたプログラムを有する媒体を備えた製品であって:
第1端子の第1の電圧を測定するステップ;
第2端子の第1の電圧を測定するステップ;
前記第1及び第2端子の前記第1の電圧を使用してバッテリの電圧を測定するステップ;
抵抗を前記第2端子に接続して前記第1端子の第2の電圧を測定するステップ;
前記抵抗を前記第1端子に接続して前記第2端子の第2の電圧を測定するステップ;及び
前記バッテリの絶縁抵抗を前記バッテリの電圧と前記第1及び第2端子の前記第2の電圧を使用して測定するステップ;を実行すること、
前記第1端子の電圧測定は、前記第2端子とグラウンド基準とに接続された電圧測定に用いる電圧計の内部抵抗による測定誤差が許容される抵抗値の既知抵抗に基づいて測定され、前記第2端子の電圧測定は、前記第1端子とグラウンド基準とに接続された前記既知抵抗に基づいて測定されることを特徴とする製品。
【請求項22】
前記バッテリの電圧測定は、前記第1及び第2端子の前記第1の電圧を加算する処理を含む請求項21に記載の製品。
【請求項23】
前記処理回路は、車両の処理回路からなり、前記第1及び第2の電圧並びに前記絶縁抵抗の測定は、車両のシャーシグラウンドを構成するグラウンド基準に対する前記第1及び第2の電圧並びに前記絶縁抵抗の測定である請求項21に記載の製品。
【請求項24】
前記絶縁抵抗の測定は、前記第1及び第2端子のうち、少なくとも1つの絶縁抵抗の測定を含む請求項21に記載の製品。
【請求項25】
前記絶縁抵抗の測定は、前記第1及び第2端子の両方の絶縁抵抗の測定を含む請求項24に記載の製品。
【請求項26】
前記絶縁抵抗の測定は、前記バッテリの絶縁抵抗を前記第1及び第2端子の前記絶縁抵抗を使用した測定を含む請求項25に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定方法、絶縁抵抗測定装置、及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ駆動式及びハイブリッド自動車を含む電気自動車(電動輸送機器、電気駆動式車両)は、最近、燃料コストの上昇及びより厳しい自動車排出ガス規制などの複数の要因により人気が上昇した。ある電気自動車は、乗員に危険が及ぶほどの相当量の電気エネルギーを利用する可能性がある。そこで、車両のバッテリのシャーシに対する絶縁抵抗を測定するための方法が提供された。
【0003】
絶縁抵抗測定のための1つの従来の方法は、ECE324補則99規則第100号附則4(ECE 324 Addendum 99 regulation No 100, Annex 4)によって定義されている。この方法は、バッテリがテストのために完全充電されていること、及び利用する電圧計は、DC電圧を測定し、内部抵抗が10Mオームを越えることを明示している。
【0004】
さらにこの方法は、測定が2つのステップで実行されることを規定していて、第1のステップではバッテリの正(+)端子(V'1)と負(−)端子(V1)の各々の電圧が車両のシャーシグラウンドに対して測定される。この方法は、V'1は常にシャーシに対して正であり、V1は常にシャーシに対して負であると仮定されるので、電圧の絶対値を測定すると規定している。
【0005】
第2のステップでは、V1>V'1のとき、500オームN(OhmsN)の抵抗(Ro)が負端子からシャーシグラウンドまでの間に挿入され、所定のシャーシから負端子までの電圧が測定される。或いは、V'1>V1のとき、抵抗が正端子からグラウンドまでの間に挿入され、正端子から所定のシャーシグラウンドまでの電圧が測定される。
【0006】
絶縁抵抗は、V1がV'1より大きいとき、Ri = (V1 - V2) / V2 x Ro により演算される。そうでないとき、絶縁抵抗は、Ri = (V'1 - V2) / V2 x Ro により演算される。
【0007】
この方法のモデリングは、100kオームと900kオームのテスト用の絶縁抵抗成分がそれぞれシャーシから正と負の端子の間に接続され、600Vのバッテリと500オーム/Vで300kオームの(抵抗)ROを使用するとき、3.372%の誤差(エラー)を示す。さらに、(抵抗)ROが500オーム/Vを越えると、この方法の誤差は増加する。例えば、480kオームの(抵抗)ROが使用されるとき、誤差は4.929%になる。最後に、内部抵抗が10Mオームより小さい電圧計は、誤差が著しく増えてしまう。この方法の中で規定された固有の不正確さ及びインピーダンス値の感度の不正確さは、誤差の一部の原因であると考えられている。
【0008】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、改善された正確さで、そしてより少ない制約で絶縁抵抗を測定できる装置及び方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
好ましい実施形態について、以下の添付図面を参照して説明する。
図1】1つの実施形態に係る電気駆動式車両を示した図である。
図2】1つの実施形態に係る絶縁抵抗測定装置の機能ブロック図である。
図3】1つの実施形態に係るモニタ回路の機能ブロック図である。
図4図4A及び図4Bがどのように組み立てられるかを説明する配置図である。
図4A】組み立てられた1つの実施形態に係るモニタ回路の機能ブロック図である。
図4B】組み立てられた1つの実施形態に係るモニタ回路の機能ブロック図である。
図5】1つの実施形態に係る絶縁抵抗を測定する方法をフローチャートで示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の本開示内容は、「科学の進歩及び有用な技術を促進するため」の米国特許法の憲法上の目的の増進のために提示される(第1条第8項)。
【0011】
以下説明するように、いくつかの実施形態は、グラウンド基準に対する絶縁抵抗を測定する装置及び方法を提供する。装置及び方法のいくつかの実施形態は、バッテリのグラウンド基準に対する絶縁抵抗を測定するために使用されてもよい。以下に示した一つの実施形態は、バッテリの各正と負の端子のグラウンド基準に対する絶縁抵抗が測定されてもよい。
【0012】
以下説明する符号12を付したバッテリは、単独のバッテリ、または択一的に選択される、複数のバッテリを有し、正と負の端子(第1端子と第2端子)が交互に直列接続、及び/又は並列接続されたバッテリスタックまたはシステムを含み、正と負のスタックまたはシステムと呼ばれる場合がある。バッテリ12の正と負の端子(第1端子と第2端子)は、1つの実施形態では、複数のバッテリを含むバッテリスタックまたはシステムのスタック端子を指すことがある。バッテリスタックの配列において、正と負のスタック端子は、異なるバッテリシステムのバッテリ端子の場合がある。バッテリスタック及び各スタック端子のグラウンド基準に対する絶縁抵抗を測定するいくつかの実施形態について説明する。
【0013】
以下説明する1つの実施形態では、バッテリが車両に搭載され、そして、車両のグラウンド基準(例えば、シャーシグラウンドまたは他の接地でもよい)に対して、バッテリの端子、及び/又はバッテリ自体の絶縁抵抗が測定され得る。例えば車両は、バッテリを使う自動車、海洋車両(船舶)または他の車両を含む。さらに、本発明の実施形態は、車両とは別のバッテリの負荷をかけるタイプの装置において、バッテリの絶縁抵抗に関する情報を測定する装置に適用され得る。本発明の他の実施形態について以下説明する。
【0014】
図1を参照して、トラックに適用された電気駆動式車両10の実施形態について説明する。電気駆動式車両10は、バッテリ12とモータ14を含む。バッテリ12は、動力モータ14や他の負荷へ十分な容量を有する、例えばリチウムイオンバッテリのような充電式の牽引用蓄電池でもよい。上記のように、バッテリ12は、1個のバッテリまたは複数のバッテリ(すなわち、バッテリスタック)でもよい。1つの実施形態において、バッテリ12は、600VDC(直流600V)を供給するために配置された複数のセルからなってもよい。モータ14は、車両10を推進するために電気エネルギーを消費する電気モータまたはいくつかの実施形態ではハイブリッドモータである。
【0015】
図2を参照すると、絶縁抵抗測定装置11の1つの実施形態が示されている。図示された実施形態は、モニタ回路16、処理回路18及びユーザインタフェース20を含んでいる。他の実施形態は、より多い、少ない及び/又は他の構成要素を含むことが可能である。
【0016】
1つの実施形態において、絶縁抵抗測定装置11は、車両10に適用可能であり、回路16、18とユーザインタフェース20は車両10の構成要素であってもよい。さらに具体的な実施形態では、バッテリ12の絶縁抵抗及び/又はバッテリ12(すなわち、単一つのバッテリで構成されたバッテリ12の正と負の端子、或いはバッテリスタックまたはシステムからなるバッテリ12の正と負のスタック端子)の各正と負の端子を含むバッテリ12自体の絶縁抵抗を測るように絶縁抵抗測定装置11が構成され、バッテリ12自体の等価な絶縁抵抗のみを測定するよりも有用である。装置11が車両10に搭載される実施形態において、装置11は、例えば車両10のシャーシグラウンドのようなグラウンド基準に対して、バッテリ12の絶縁抵抗を測定することができる。装置11は、異なる実施態様で使用されてもよく、さらに他の回路及び/又は他の実施形態において他のグラウンド基準に対する絶縁抵抗を測定するのに使用されてもよい。
【0017】
1つの実施形態において、モニタ回路16は、絶縁抵抗が測定される回路に接続してモニタするように構成される。図示の構成において、モニタ回路16は、バッテリ12を監視するようにバッテリ12に接続される。さらに、モニタ回路16は、車両10のシャーシグラウンドのようなグラウンド基準に接続してもよい。モニタ回路16の一つの実施形態について、図3及び図4を参照して以下に説明する。
【0018】
1つの実施形態において、処理回路18は、データを処理し、データ・アクセスと記憶装置をコントロールし、命令を出し、他の所望のオペレーションをコントロールするように構成される。例えば、処理回路18は、測定回路26からのデータ(例えば、電圧)にアクセスしてもよく、図3及び5に関して以下説明する既知抵抗回路22及び不平衡回路24の動作をコントロールしてもよい。処理回路18は、バッテリ12、及び/又はグラウンド基準に対するバッテリ12の端子の絶縁抵抗を測定するために、アクセスしたデータを使うことができる。また処理回路18は、ユーザーに絶縁抵抗情報を伝達し、及び/又は測定した絶縁抵抗に基づく他の適切な処理を実行することもできる。1つの具体例を示すと、処理回路18は、絶縁抵抗が一または複数のしきい値(例えば、500オーム/V)以下に落ちた場合、それはバッテリが十分に絶縁されない、潜在的に安全でない状態を示し、車両10またはバッテリ12の性能が不十分な絶縁のために減損し、及び/又は、絶縁材料(例えば、車両のボディ)が腐食を受けるおそれがあるので、人間が認識できる警報を出す、及び/又はシャットダウンコマンドを実行することができる。
【0019】
処理回路18は、少なくとも1つの実施形態において、適切な媒体により提供される望ましいプログラミングを実行する回路から構成してもよい。例えば、処理回路18は、1個または1個以上のプロセッサ、及び/又は他の実行可能命令を実行するように構成された構造、例えばソフトウエア、及び/又はハードウエア回路を含んでもよい。処理回路18の典型的な実施形態は、ハードウエアロジック、PGA、FPGA、ASIC、状態機械、及び/又は他の構造のみまたは他の構造とプロセッサとの組み合わせを含んでいる。処理回路18のこれらの例は例示であり、他の構成も可能である。
【0020】
いくつかの実施形態において、処理回路18は、記憶回路を内蔵することができ、または装置11の外部記憶回路(図示せず)にアクセスしてもよい。記憶回路は、プログラミング(例えば実行可能コードまたは指示(例えば、ソフトウェアやファームウェア))、電子データ、データベース、または、他のデジタル情報などを記憶するように構成され、また、プロセッサが使用可能な媒体を含んでいてもよい。プロセッサ使用可能媒体は、コンピュータ・プログラム製品、或いはプログラミング、データ、及び/又はデジタル情報を包含し、記憶または保持できるどのようなコンピュータプログラムまたは製品であってもよい。例えば、プロセッサ使用可能媒体は、物理的な媒体、例えば電子媒体、磁気媒体、光学媒体、電磁気媒体、赤外線媒体または半導体媒体のいずれであってもよい。プロセッサ使用可能媒体のいくつかの更に具体的な例としては、携帯用の磁気コンピュータ・ディスケット、フロッピー(登録商標)ディスケット、ジップディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又は例えばプログラミング、データまたは他のデジタル情報を記憶できる他の製品を含むが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態または態様は、前述した適切な記憶回路に記憶され、前述の処理回路18を適切に制御するように構成されたプログラミングによって実施することができる。例えば、プログラミングは、適切な媒体中に含まれ、例えば、製品内に具体化されて提供される。
【0022】
ユーザインタフェース20は、ユーザーから入力(例えば、触覚型の入力、音声指示など)を受け取るのと同様に、ユーザーにデータを伝達して(例えば、ユーザーの観察のためにデータを示して、ユーザーに聞こえるようにデータを伝えて)ユーザーと対話するように構成される。1つの実施形態において、ユーザインタフェース20は、車両10の運転者情報表示画面に適用されてもよく、他の実施形態は、測定された絶縁抵抗に基づいてユーザーへの警告(例えば、絶縁抵抗が一つ以上の安全しきい値以下に落ちたときに、車両10の乗客に警告)を発するようにしてもよい。
【0023】
図3を参照して、モニタ回路16の1つの実施形態についてより詳細に説明する。既に説明した通り、図示した構成において、モニタ回路16は、既知抵抗回路22、不平衡回路24及び測定回路26を含んでいる。他の実施形態は、より多い、少ない及び/又は他の構成要素を含むことが可能である。
【0024】
既知抵抗回路22は、モニタしている対象装置(例えば、バッテリ12)および一つの実施形態中のシャーシグラウンドと対象装置の端子との間の既知抵抗ROが選択的に接続され、切り離されるように構成される。例えば、既知抵抗回路22は、バッテリ12の絶縁抵抗を測定するために処理回路18の管理下で、異なる時間的瞬間に、バッテリ12の正端子と車両10のシャーシグラウンドとの間及びバッテリ12の負端子と車両10のシャーシグラウンドとの間に既知抵抗RO(例えば、678kオーム)を選択的に接続することができる。
【0025】
1つの実施形態において、不平衡回路24は、モニタされている対象装置の端子に不平衡抵抗を選択的に接続及び切り離すように構成される。車両10のバッテリ12がモニタされている実施形態について説明すると、不平衡回路24は、バッテリ12の正と負の端子とシャーシグラウンドとの間に異なる抵抗を接続してもよい。1つの実施形態において、処理回路18は、以下に詳細を説明するように、測定動作の間、不平衡抵抗と端子の選択的な組み合わせをコントロールする。
【0026】
1つの実施形態によれば、測定回路26は、モニタしている対象装置の電気特性をモニタするように構成される。例えば、測定回路26は、バッテリ12の電気特性にアクセスするために、モニタしているバッテリ12の端子の電気エネルギーに条件をつけて、処理回路18に条件つきの電気エネルギーを出力することができる。一例を挙げると、処理回路18は、1つの実施形態では、測定回路26を使ってバッテリ12の正と負の端子にアクセスしてシャーシグラウンドに対する電圧をモニタするように構成される。1つの実施形態において、測定回路26は、条件つきの出力を処理回路18に送るために、図4Bで示したように端子に関して演算増幅器電圧を分圧する約15.33Mオームと15.39Mオームの抵抗を含む。これらの演算増幅器抵抗は、正と負の端子及びグラウンドの各々に関して電圧降下させて電圧測定を可能にする電圧計の抵抗器と呼ばれることもある。
【0027】
バッテリ12の絶縁抵抗を車両10のシャーシグラウンドに対して測定する1つの実施形態について説明する。処理回路18は、最初に、シャーシグラウンドに対するバッテリ12の正と負の端子の電圧を測定する(すなわち、V'1はシャーシに対するバッテリ12の正端子の電圧、そして、V1はシャーシに対するバッテリの負端子の電圧である)。電圧V'1とV1は、バッテリ12(Vbat)の電圧を供給するために合計される。
【0028】
1つの実施形態において、不平衡回路24は、V'1とV1を測定している間、正と負の端子のそれぞれに不平衡抵抗を接続するために利用される。他の実施形態において、不平衡回路24は、省略されるか、さもなければV'1とV1を測定している間、利用されなくてもよい。
【0029】
不平衡回路24が利用される1つの実施形態において、不平衡回路24は、VIとV1が等しくないことを保証するためにV'1とV1が測定されている間、正及び負の端子とシャーシグラウンドの間に不平衡抵抗を接続する。1つの実施形態において、3Mオームの抵抗が正端子とシャーシの間に接続され、そして、2.5Mオームの抵抗が負端子とシャーシの間に接続される。強制的不平衡で絶縁抵抗のバランスが保たれるならば、V'1はV1より高い。しかし、正端子の絶縁抵抗が負端子の絶縁抵抗よりかなり低ければ、V1はV'1より大きいことがある。
【0030】
1つの実施形態において、既知抵抗回路22は、電圧V'1とV1を測定している間、処理回路18により使用不能にされ、そして、既知抵抗ROは端子に接続されない。さらに、処理回路18は、1つの実施形態において、電圧V'1とV1を測定している間、不平衡回路24が不平衡抵抗を正と負の端子に接続するのを許可する。処理回路18は、1つの実施形態において、電圧V'1とV1を測定するために、測定回路26の出力を処理する。
【0031】
1つの実施形態において、処理回路18は、V'1とV1を測定した後、バッテリ12の正と負の端子から不平衡抵抗を外すために、不平衡回路24(存在し、以前に許可されているならば)を無効にする。さらに、1つの実施形態において、処理回路18は、既知抵抗回路22を異なる時間的瞬間に制御して既知抵抗ROをバッテリ12の正と負の端子の各々に接続して、バッテリ12の正と負の端子について再び電圧を測定する。もう一つの具体例において処理回路18は、既知抵抗回路22を異なる時間的瞬間に制御して既知抵抗ROを、モニタされているバッテリ12の端子と反対側の1つと接続して、バッテリ12の正と負の端子について電圧を測定する。より詳しく説明すると、既知抵抗ROは、正端子(Vpos)の電圧を測定している間、バッテリ12の負端子とシャーシグラウンドに第1接続されていて、その後、既知抵抗ROは、負端子(Vneg)の電圧を測定している間、バッテリ12の正端子とシャーシグラウンドに第2接続されている。
【0032】
したがって、処理回路18は、既知抵抗ROを備えたバッテリ12の正と負の端子の電圧(すなわち、VposとVneg)に関する情報と同様に、既知抵抗ROの無いバッテリ12の正と負の端子の電圧(すなわち、V'1とV1)及びバッテリ12の電圧(すなわち、Vbat)に関する情報を持っている。処理回路18は、バッテリ12の正と負の端子の絶縁抵抗及びバッテリ12の絶縁抵抗を測定するために、これらの電圧とキルヒホッフの電圧則(第二法則)を利用できる。
【0033】
1つの実施形態において、処理回路18は、バッテリ12の正端子(Ripos)の絶縁抵抗を方程式1により、バッテリ12の負端子(Rineg)の絶縁抵抗を方程式2により測定することができる。これらの方程式は、演算増幅器抵抗を考慮しない1つの実施形態の理想的なケースである。
Ripos = -[RO(Vbat − Vneg − Vpos)] / (Vbat − Vpos) 方程式1
Rineg = -[RO(Vbat − Vneg − Vpos)] / (Vbat − Vneg) 方程式2
【0034】
さらに、処理回路18は、バッテリ12の絶縁抵抗に関する情報を提供してもよい。1つの実施形態において、処理回路18は、バッテリ12の絶縁抵抗(Ribat)を測定するために、シャーシグラウンドに対してバッテリ12の正及び負の端子の並列等価抵抗を測定してもよい。もう一つの特定の実施形態において、処理回路18は、正及び負の端子の並列等価抵抗を方程式3により決定する。
Ribat = (Ripos x Rineg) / (Ripos + Rineg) 方程式3
【0035】
処理回路18は、それぞれのしきい値に対して、Ripos、Rineg、及び/又はRibatの値を一つ以上モニタしてもよく、Ripos、Rineg、及び/又はRibatのいずれかの値が、絶縁抵抗がそれぞれのしきい値以下に落ちたことを示すと、適切な処理を起こすことができる。例えば、処理回路18は、絶縁不良が生じたとき、警報を発し、或いはシャットダウン命令を出すことができる。いくつかの例では、下回ったしきい値に応じて、絶縁抵抗の低下、及び/又は車両安全などのパフォーマンスの欠如を示すために異なる警報を発生してもよい。
【0036】
1つの実施形態において、処理回路18は、装置11または他の要因の使用に応じて、異なる時間的瞬間に、絶縁抵抗をモニタしてもよい。車両10のバッテリ12がモニタされている1つの実施形態において、処理回路18は、車両10が不使用期間から使用開始された後に絶縁抵抗をモニタしてもよい。さらに、処理回路18は、使用開始後、使用している間(例えば、使用している間中)、望ましい間隔で絶縁抵抗のモニタを続けてもよい。
【0037】
図4Bを参照して以下に説明するように、測定回路26は、1つの実施形態において、低下した電圧信号により処理回路18が安全にアクセスできるように、正及び負の端子とシャーシグラウンドの間に演算増幅器抵抗を含んでいる。1つの実施形態において、これらの抵抗は、回路24の不平衡抵抗と回路22のRO抵抗の間に存在する。
【0038】
図4A−4Bは、モニタ回路16の構成例を示している。他の実施形態では他の構成も可能である。
【0039】
図示した実施形態おいて、既知抵抗回路22は、処理回路18からの制御信号IMCTL1とIMCTL0によって選択的に使用可能と使用不能にされる2つの直列抵抗列を含む。2つの直列抵抗列は、それぞれ678kオーム(3×226kオーム)の既知抵抗ROであって、正端子または負端子(すなわち、STACK+、STACK-)の一方とシャーシの間にそれぞれ接続されている。
【0040】
図示された不平衡回路24は、処理回路18からの制御信号INSU_SW_ENによって選択的に使用可能にされる2つの直列抵抗列を含んでもよい。図示した実施形態が使用可能にされたとき、不平衡回路24は、3Mオームの不平衡抵抗を正端子とシャーシグラウンドとの間に接続し、2.499Mオームの不平衡抵抗を負端子とシャーシグラウンドとの間に接続する。強制的不平衡において、正と負の端子の絶縁抵抗が平衡を保たれるとき、V'1は常にV1より高い。しかし、正端子からシャーシグラウンドまでの絶縁抵抗が負端子からシャーシグラウンドまでの絶縁抵抗より著しく低いならば、V1はV'1より大きいことがある。
【0041】
図示された測定回路26は、不平衡回路24の不平衡抵抗列と並列の15.39Mオームと15.33Mオームの2つの演算増幅器抵抗を含んでいる。下記のように1つの実施形態において、これらの抵抗は絶縁抵抗測定のために考慮され得る。1つの実施形態において、調整された出力INV1/STACK+とINV2/STACK-は、前述の正と負の端子の電圧を計算するために、処理回路18に提供され得る。
【0042】
以下に示すように、方程式1と方程式2は、図4A及び図4Bの配置による測定回路26のROpAmpPosとROpAmpNegの演算増幅器抵抗と方程式4と方程式5で修正され得る。
Ripos = -[R0 x ROpAmpPos x (Vbat − Vneg − Vpos)] /
[R0 x (Vbat − Vneg − Vpos) + ROpAmpPos x (Vbat − Vpos)] 方程式4
Rineg = -[R0 x ROpAmpNeg x (Vbat − Vneg − Vpos)] /
[R0 x (Vbat − Vneg − Vpos) + ROpAmpNeg x (Vbat − Vneg)] 方程式5
【0043】
1つの実施形態において、バッテリ12の並列等価抵抗は、例えば図4A−4Bを具体化するための方程式3、4及び5を使用して測定され得る。
【0044】
図5を参照して、図示された車両のバッテリとシャーシグラウンドとの間の絶縁抵抗を測定する1つの方法を説明する。1つの実施形態において、この方法は、処理回路18で実行され得る。他の方法は、より多い、少ない及び/又は、他の選択肢を含むことが可能である。
【0045】
処理(動作手順)A10において、処理回路は、不平衡回路が不平衡抵抗を正と負の端子のそれぞれに導入するのを可能にできる。図4A及び図4Bの例において、処理回路は、動作A10において、ハイ(高い)信号をINSU_SW_ENに出力し得る。他の実施形態は、不平衡抵抗が使われないか、上記のように存在しない。
【0046】
処理A12において、処理回路は、不平衡抵抗を正と負のバッテリ端子に接続させてV'1とVIを測定するために、正と負のバッテリ端子電圧にアクセスする。図4A及び図4Bのための1つの実施形態において、処理回路は、IMV1/STACK+の電圧にアクセスして、電圧を0.0039245244で割ってVIを測定(決定)し、IMV2/STACK-の電圧にアクセスして、電圧を0.003939987で割ってVIを測定(決定)する。
【0047】
処理A14において、処理回路は、不平衡回路を非作動にする。図4A及び図4Bの配列で、処理回路は、ロー(低)信号をINSU_SW_ENに出力することがある。
【0048】
処理A16において、処理回路は、1つの実施形態において、V'1とV1の合計によりバッテリ電圧を測定(決定)して、バッテリ電圧Vbatにアクセスする。
【0049】
処理A18において、処理回路は、既知抵抗回路が既知抵抗R0を正端子とシャーシグラウンドの間及び負端子とシャーシグラウンドの間に接続するのを許可し、そして、異なる時間的瞬間にVpos及びVnegを測定する。図4A及び図4Bの実施形態において、処理回路は、R0を負端子に接続させるためにハイ(高い)信号をIMCTL0に出力してもよく、しばらく待って、その後1MV1NSTACK+の電圧にアクセスし、電圧を0.0039245244で割って、正端子の電圧(Vpos)を測定(決定)する。その後、処理回路は、ロー(低い)信号をIMCTL0に出力してもよい。処理回路は、R0を正端子に接続させるためにハイ信号をIMCTL1に出力し、しばらく待ち、その後IMV2NSTACK-の電圧にアクセスし、電圧を0.003939987で割って、負端子の電圧(Vneg)を測定(決定)する。その後、処理回路は、ロー信号をIMCTL1に出力することができる。
【0050】
処理A20において、処理回路は、正と負の端子の適切な絶縁抵抗を方程式1、2、4または5により測定(演算)してもよい。
【0051】
処理A22において、処理回路は、バッテリの絶縁抵抗を決定してもよい。1つの実施形態において、処理回路は、バッテリの絶縁抵抗を測定するために、方程式3を使用してもよい。すでに説明したように1つの実施形態において、バッテリの絶縁抵抗は、正と負の端子のグラウンド基準に対する絶縁抵抗を並列にした抵抗と等価な抵抗である。
【0052】
ターミナルとバッテリ12の絶縁抵抗を測定する上記方程式及び方法は、上記従来方法に関係した必要条件(例えば、電圧計の内部抵抗と既知抵抗のインピーダンス値の必要条件)を有しない追加ユーティリティを有する上記従来方法と比較して、正確さが向上している。加えて、いくつかの開示の態様は、バッテリ12自体の絶縁抵抗の測定に加えて、シャーシグラウンドとバッテリの正と負の端子の各絶縁抵抗の測定方法を提供する。グランドに対する正と負の端子の各々の絶縁抵抗についての情報は、例えば、漏電電流の位置を測定するなどの、トラブルシューティングに役立つ場合がある。さらにまた、本開示の方法と装置は、上述の従来の方法と比較して、精度、正確さを向上させ、数学的なエラーを減少させることができる。
【0053】
以上説明したように、本発明は、電気自動車におけるバッテリの絶縁抵抗の測定に関して開示したが、本発明の応用、方法と装置は、絶縁抵抗を測定するよう求められる他の配置に適用できる。
【0054】
法律に従い、本発明を、構造的特徴及び方法的特徴に関して多かれ少なかれ特定の言語で説明してきた。しかしながら、本明細書に開示される手段が本発明に効果をもたらす好ましい形態を備えているため、本発明が図示して説明した特別な特徴に限定されないことは言うまでもない。したがって、本発明は、均等論に従って適切に解釈される添付の請求項の適切な範囲内において、その任意の形態で、或いは変形例で主張される。
【0055】
また、本明細書中の態様は、開示内容の例示的実施形態の構成、及び/又は動作における指針として示してきた。本出願人は、これらの記載された例示的実施形態を明確に開示された発明態様に加えてさらなる発明態様を含み、開示し、説明するものと考えている。例えば、さらなる発明態様は、例示的実施形態に記載される特徴よりも少ない、多い、及び/又は他の特徴を含んでいてもよい。より具体的な例において、本出願人は、明確に開示された方法ステップよりも少ない、多い、及び/又は他のステップを含む方法並びに明確に開示された構造よりも少ない、多い、及び/又は他の構造を含む装置を含み、開示し、説明するものと開示内容を考えている。
図1
図2
図3
図4
図4A
図4B
図5