(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出空間部の少なくとも一部は、前記シート排出口から排出されるシートを受けるシート積載部と、前記装置本体の前記シート排出口側の端部とで形成されていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
前記排出空間部の少なくとも一部は、前記シート排出口から排出されるシートを受けるシート積載部と、前記第1ユニットの前記シート排出口側の端部に設けられた第1凹部と、前記第2ユニットの前記シート排出口側の端部に設けられた第2凹部とで挟まれて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート搬送装置。
前記装置本体は、前記シート搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段を備え、前記搬送手段は、前記シート搬送路に沿って複数配置されるローラ対を有する一方、開状態での前記第1ユニット及び前記第2ユニットの対向する端部の間隔は、隣接するローラ対のローラ対間隔と同等かそれよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
前記係合手段は、前記凹形状部から突出して設けられたフック形状部を有し、前記フック形状部と前記処理ユニットとの係合により前記処理ユニットを保持するものであり、前記フック形状部の先端面には凹溝が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明のシート処理装置にかかる本実施形態を示す画像読取装置の断面を示した概略図である。
図2及び
図3は、本実施形態の画像読取装置を開状態とした状態を示す断面図である。
図4は、
図2に示した画像読取装置の上面図(
図2の矢印F方向から見た図)である。
【0012】
図1に示すように、画像読取装置には、原稿等のシート1の読取機能を備えた装置本体と、シート材搬送路の給紙口5aに給紙されるシート1を積載する給紙トレイ2と、シート搬送路の排紙口5bから排紙されたシート1を積載する排紙トレイ10とが設けられている。
【0013】
装置本体に設けられるシート搬送路100には、給送手段の一部を構成するフィードローラ3、フィードローラ3と対向する位置に設けられた分離手段の一部を構成するリタードローラ4、搬送手段の一部を構成する搬送ローラ対6、及び排紙ローラ対9が配置されている。なお、排紙ローラ対9は、搬送手段の一部としてもよいし排出手段の一部としてもよい。
【0014】
搬送ローラ対6と排紙ローラ対9との間には、密着型イメージセンサ(CIS:コンタクトイメージセンサ)等からなる上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8が配設されている。下部読取ユニット8は、搬送ローラ対6により搬送されるシート1の表面の画像を読み取り、上部読取ユニット7は、搬送ローラ対6により搬送されるシート1の裏面の画像を読み取るものである。
【0016】
まず、ユーザは、シート1の下端部を、装置本体の給紙口5aからフィードローラ3及びリタードローラ4に突き当たるまで挿入する。
【0017】
シート1が装置本体に挿入された後、画像読取装置に接続されたPC等から読取動作開始の命令が出されると、装置内の各ローラ類が回転し始め、シート1の搬送が開始される。
【0018】
初めに、フィードローラ3がシート1を引き込む方向に回転を始める。同時に、リタードローラ4にも駆動が伝達されるが、リタードローラ4はシート1を引き込む方向とは逆方向に駆動しようとする。
【0019】
なお、リタードローラ4の内部にはトルクリミッタが設けられており、フィードローラ3とリタードローラ4のニップ部に複数枚のシート1が挿入した場合は、フィードローラ3と接していない2枚目以降のシート1がリタードローラ4により押し戻されるが、前述したニップ部にシート1が1枚のみとなると、そのシート1の搬送に合わせてリタードローラ4はフィードローラ3と連れ回りを開始する。これによりシート1は1枚ずつ分離され、搬送ローラ対6に送られる。
【0020】
搬送ローラ対6に送られたシート1は、一定の速度で上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8へと搬送される。上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8は、搬送されるシート1の表裏の画像情報を各々読み取り、図示しないインタフェースを介して、PC側へと画像データの転送を開始する。
【0021】
上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8を通過したシート1は、排紙ローラ対9へと送られる。排紙ローラ対9は、排紙口5bからシート1を排紙トレイ10上に排出し、一連の読取動作は終了となる。この動作を繰り返して、複数枚のシート1の読取動作が行なわれる。
【0022】
11aは上部読取ユニット7に繋がれたフラットケーブル、11bは下部読取ユニット8に繋がれたフラットケーブルである。フラットケーブル11a及びフラットケーブル11bは、フレキシブルプリント配線基板等からなる配線基板12に接続されている。
【0023】
配線基板12は、CPU、ROM、RAM等を有し、CPUがROMに格納されるプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置全体を制御する。
【0024】
上部読取ユニット7、下部読取ユニット8によって読み取られたシート1の画像データは、フラットケーブル11a、11bを伝い配線基板12へと伝達される。
【0025】
配線基板12は、フラットケーブル11a、11bを介して入力された画像データに対して画像処理等を行なった後に、外部接続されたPC等へと画像データの転送を行なう。
【0026】
上部読取ユニット7は、上部フレーム13に設けられた、シート搬送方向に直交する方向の断面略コ字状の凹形状の上部読取ユニット嵌込部15に着脱自在に配置される。同様に、下部読取ユニット8は、下部フレーム14に設けられた、シート搬送方向に直交する方向の断面略コ字状の凹形状の下部読取ユニット嵌込部16に着脱自在に配置される。
【0027】
フラットケーブル11aは、上部読取ユニット7の背面部と、上部フレーム13に設けられた上部読取ユニット嵌込部15の底面との間に設けられた上部ケーブル配置スペース17aに配置される。同様に、フラットケーブル11bは、下部読取ユニット8の背面部と、下部フレーム14に設けられた下部読取ユニット嵌込部16の底面との間に設けられた下部ケーブル配置スペース17bに配置される。
【0028】
18aは装置本体から突出して設けられたフック形状部で、上部読取ユニット7を、上部フレーム13に係合する。同様に、18bは装置本体から突出して設けられたフック形状部で、下部読取ユニット8を、下部フレーム14に係合する。なお、フック形状部18a、18bは、搬送路側から係合(ロック)の解除作業が可能な構成となっている。
【0029】
また、シート1を搬送するシート搬送路100にて発生した紙詰まりを除去できるように、画像読取装置本体は、第1ユニット及び第2ユニットの端部同士を開閉自在に接続したものから構成されている。例えば、本実施形態では、第1ユニットを構成する上部ユニット20と第2ユニットを構成する下部ユニット21に分かれている。また、上部ユニット21は、
図2及び
図3に示すように、下部ユニット20に対してヒンジ30にて矢印Eのように回動自在(開閉自在)に係合されて連結されている。ここで、画像読取装置の開状態は、
図2に示す状態としてもよいし、
図3に示す状態まで開くようにしてもよい。そして、上部ユニット20は、下部ユニット21の上に装置本体の上方(例えば後方上部)から装置本体の下方(例えば前方下部)側に向かって延びるシート搬送路100を形成するように搭載されている。このシート搬送路100は、本実施形態のように直線的に形成された経路であってもよいし、途中で屈曲した経路であってもよい。前者の場合は、紙などのシート又は原稿からカード等のような比較的厚手の媒体であっても種類に関係なくスムーズに搬送できる。後者の場合には、直線的に搬送路を形成する場合と比べて、搬送路を屈曲させているので画像読取装置(装置本体)の小型化、特に奥行きの寸法を小さくすることができる。本実施形態では第1ユニットを上部ユニット20とし、第2ユニットを下部ユニット21としたが、勿論これを逆転させて、第1ユニットを下部ユニット、第2ユニットを上部ユニットとしてもよい。
【0030】
なお、
図1では、上部ユニット20に上部読取ユニット7と下部ユニット21に下部読取ユニット8が配置された構成を示したが、上部ユニット20と下部ユニット21のいずれか一方のみに読取ユニットが配置されている構成であってもよい。この構成の場合、上部ユニット20と下部ユニット21のいずれか一方のみに凹形状の読取ユニット嵌込部やフック形状部が設けられているものとする。
【0031】
以下、
図2及び
図3を参照して、上部ユニット20の開口角について説明する。
【0032】
上部ユニット20は、ヒンジ30の支点で排紙トレイ10側に所定の角度まで開口可能である。なお、本実施形態では、
図2に示すように、タッチパネル方式の操作パネル99が上部ユニット20の前面に設けられている。このような上部ユニット20は、下部ユニット21に対する開状態で、上部ユニット20の重心がヒンジ30の支点(上部ユニット20と下部ユニット21との接続部)より排紙トレイ10側(シート搬送方向の下流側)となり(上部ユニット20がヒンジ30の支点より排紙トレイ10側に傾いた状態となり)、画像読取装置全体の重心がヒンジ30の支点より給紙トレイ2側(シート搬送方向の上流側)となる範囲の角度となるように構成されている。この構成により、
図2では、上部ユニット20が開状態で上部ユニット20と下部ユニット21との接続部における開口側の角度が略直角となる例を示している。
【0033】
なお、
図4では、タッチパネル方式の操作パネルを設けない例を示しているが、このような構成の場合、上部ユニット20の重量は、
図2の上部ユニットと比較して小さくなる。このため、上部ユニット20の開状態において装置全体の重心を給紙トレイ2側となるようにすることで、下部ユニット21に対する上部ユニット20の開口角を鈍角、すなわち、90度以上としても、装置全体が転倒してしまうことがなく、上部ユニット20をより大きく開くことができる。
【0034】
このように、上部ユニット20の開口角を構成することにより、上部ユニット20を排紙トレイ10側に傾いた状態まで大きく開いて、例えば、シートのジャム除去作業や、上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8の清掃作業や取り外し作業等を容易にすることができる。また、上部ユニット20を排紙トレイ10側に大きく開いても、画像読取装置全体の重心はヒンジ30の支点より給紙トレイ2側となるので、画像読取装置が排紙トレイ10側に転倒してしまうといったトラブルを有効に防止できる。
【0035】
本実施形態のような画像読取装置においては、給紙トレイからシートを1枚ずつ分離しながら各読取ユニット7,8に向かって搬送する構成となっている。このため、各読取ユニット7,8の上流側においては、例えば、シート挿入口近傍にシートの有無を検知するシート検知センサや、分離給送機構、あるいは分離給送されるシートの到達及び通過を検知して各読取ユニット7,8での読取開始のタイミングを図るためのレジストセンサ等が数多く配置される。このため、装置の小型化や設置の省スペース化を図るためには、各読取ユニット7,8が搬送路の下流側、すなわち、上部ユニット20と下部ユニット21との接続部近傍の排紙口5b側に配置されることになる。本実施形態のように、上部ユニット20及び下部ユニット21の開状態において各読取ユニット7,8が装置内部の比較的狭い部分(角部分)に配置されるような構成であっても、上部ユニット20及び下部ユニット21が大きく拡開する構成としたことで、メンテナンス時において、装置内部から各読取ユニット7,8を容易に着脱することができる。
【0036】
ここで、本実施形態の画像読取装置は、
図2及び
図3に示すように、上部ユニット20が下部ユニット21に対して大きく拡開する構成となっているので、上述した上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8は上部ユニット20と下部ユニット21との間から比較的取り外し易くなっている。これら上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8の取り外し作業を考慮すると、上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8は、シート搬送路100の下流側であるシート排出口(排紙口5b)側からなるべくその上流側のシート給送口(給紙口5a)側に配置することが好ましい。開状態の上部ユニット20及び下部ユニット21においては、その上方側の方が、上部ユニット20と下部ユニット21との間隔が広くなるため、上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8の取り外し作業スペースを十分に確保できるからである。
【0037】
そして、本実施形態では、このように上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8を給紙口5a側に配置することで排紙口5b側に生まれるスペースを有効利用するため、
図4に示すように、シート1の排紙口5b近傍に排紙空間部(排出空間部)200が設けられている。
【0038】
具体的には、上部ユニット20は、上述したように、ヒンジ30の支点で排紙トレイ10側に所定の角度まで開口可能となっている。このような上部ユニット20の排紙口5b側の端部側には、下部ユニット21との間で排紙空間部200が画成されている。この排紙空間部200は、開状態の上部ユニット20及び下部ユニット21の排紙口5b側の端部間で開口するが、当該開口の大きさ(幅寸法)は、シート搬送路100に沿って複数配置される、隣接するローラ対の最小ピッチ、例えば、搬送ローラ対6と排紙ローラ対9とのローラ対間隔と同等かそれよりも大きくするのが好ましい。ここで、搬送できるシートの長さはローラ間隔(ローラピッチ)によって決まり、最小サイズのシートに対する排紙口5b近傍でのジャム処理等の際には、最小サイズのシートを確実に取り除くことが求められる。このため、このような最小サイズのシートを素早く取り除くためのメンテナンスの作業空間を確保するため、開状態の上部ユニット20及び下部ユニット21の間隔(即ち、開状態での排紙空間部200の開口の幅寸法)はローラ対間隔と同等若しくはそれよりも大きな寸法とするのが好ましい。これにより、ユーザによる排出口5b近傍へのアクセスが容易となり、メンテナンス時の作業効率を向上することができる。
【0039】
なお、上部ユニット20及び下部ユニット21の開状態での排紙空間部200の大きさは、上記の場合に限定されず、例えば、閉状態の上部ユニット20及び下部ユニット21の間隔を基準としてこれより大きくしてもよい。シート搬送路100で詰まるシートはシート搬送路100内で形状変形することが多く、このシート搬送路100の断面形状よりも大きく開口するように排紙空間部200を形成することでメンテナンスの作業空間を十分に確保できるからである。なお、排紙空間部200の長手方向の寸法は、搬送するシート1の幅寸法より大きくなるようにする。メンテナンスで必要な作業空間は、基本的に排紙空間部200の幅寸法(シート排出方向の寸法)によって決まる。
【0040】
また、本実施形態の排紙空間部200の少なくとも一部は、上部ユニット20及び下部ユニット21の排紙口5bの端部間で規定されるが、上部ユニット20の排紙口5b側の端部には、例えば、本実施形態では、シート1の排紙口5bの幅寸法と同等かそれよりも大きい幅寸法の第1凹部201が設けられている。また、下部ユニット21の排紙口5b側の端部には、シート1の排紙口5bの幅寸法と同等かそれよりも大きい幅寸法の第2凹部202が設けられている。即ち、第2凹部202は、上部ユニット20の第1凹部201に対向して設けられている。これにより、排紙空間部200の少なくとも一部は、第1凹部201及び第2凹部202によって画成され、メンテナンスに十分な作業空間を確保することができる。
【0041】
なお、この第2凹部202の底部は、
図5に示すように、下部ユニット21の排紙口5b側の端部から突設された突出部203により構成されている。この突出部は、第2凹部202の底板となり、且つ上記排紙空間部200の一部を画成する部分となる。また、第2凹部202の幅方向両側は、下部ユニット21の幅方向両側にそれぞれ突出する一対のフランジ部204で構成されている。即ち、排紙空間部200は、下部ユニット21から突設された突出部203、フランジ部204と、下部ユニット21の排出口5a側の端部21aとで囲まれた空間となる。また、このような突出部203は、一対のフランジ部204を相互に連結し、且つ下部ユニット21と一体的に設けられている。これにより、下部ユニット21における所望の剛性を確保するという役割もある。
【0042】
ここで、このような排紙空間部200は、上部ユニット20及び下部ユニット21が閉状態の場合、排紙口5bから広がった空間を形成し、突出部203は排紙トレイの一部を兼ねた構成、即ち、排出積載部となる。具体的には、排紙トレイ10の排紙口5b側の端部10aと突出部203とで、シート1の排紙エリアを連続的に形成する。このとき、上部ユニット20の下端部側から排紙空間部200へのアクセスも容易であり、例えば、名刺やカードのような搬送方向に短い形状のシート(原稿)を排紙した際であっても、上部ユニット20が閉状態のまま、排紙口5b近傍にアクセスすることが可能となる。また、本実施形態では、突出部203を下部ユニット21の底側に設け、突出部203から排紙口5bまで略垂直な壁部を形成している。これにより、カード等の厚手のシート(原稿)が排紙口5bから排出されても、突出部203が排出積載部となるため、排出されたカードを確実に受けることができる。なお、上述した突出部203を設けず、排紙トレイ10の端部10aの幅方向中央部(排紙口5bに対向する部分)を凸部とし、この凸部を下部ユニット21の一対のフランジ部204の間に配置し、凸部によって排紙空間部200の底を形成するようにしてもよい。
【0043】
一方、上部ユニット20を下部ユニット21に対して開状態とした場合、排紙空間部200の一部は上部ユニット20の端部で覆われ、その一方で、排紙空間部200の上方側は、上部ユニット20と下部ユニット21との間で開口する。これにより、排紙口5b近傍へユーザのアクセスが容易となる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の画像読取装置では、下部ユニット21に対して上部ユニット20を開閉可能に設けつつ、上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8を給紙口5a側に設けて上部ユニット20及び下部ユニット21の排紙口5b近傍、具体的には、上部ユニット20の回転支点側端部近傍に排紙空間部200を設けるようにしたので、上部ユニット20及び下部ユニット21を開状態とした際に、排紙口5b近傍へのアクセスのための空間を十分に確保することができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0045】
具体的には、上述したように、上部ユニット20を排紙トレイ10側に傾いた状態まで大きく開いて、シートのジャム除去作業や、詳細は後述する上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8の清掃作業や取り外し作業の他、各種搬送ローラのメンテナンス作業等についても容易に行うことができる。また、上部ユニット20を排紙トレイ10側に大きく開いても、画像読取装置全体の重心はヒンジ30の支点より給紙トレイ2側となるので、画像読取装置が排紙トレイ10側にひっくり返ってしまうといったトラブルを防止できる。さらに、本実施形態では、上部ユニット20及び下部ユニット21の排紙口5b側の端部に各凹部201、202を設けて十分なスペースで排紙空間部200を設けているので、上部ユニット20及び下部ユニット21が閉状態の場合においても、上部ユニット20の下端部に指を掛け易く、装置本体を持ち運び易くなっている。
【0046】
ここで、
図7を参照して、本実施形態の画像読取装置における上部読取ユニット7及び下部読取ユニット8の取付構造例、及びそれらの取り外し方法について詳細に説明する。
図4に示すように、上部読取ユニット7に接続されるフラットケーブル11aは、上部ケーブル配置スペース17aに、上部読取ユニット7の主走査方向と略平行となるように配置される。
【0047】
同様に、フラットケーブル11bは、下部ケーブル配置スペース17bに、下部読取ユニット8の主走査方向と略平行となるように配置される。
【0048】
19aは、上部読取ユニット7とフラットケーブル11aとを接続するコネクタ部であり、上部読取ユニット7の背面に設けられている。同様に、19bは、下部読取ユニット8とフラットケーブル11bとを接続するコネクタ部であり、下部読取ユニット8の背面に設けられている。
【0049】
図7は、
図2及び
図3に示したように上部ユニット20を開口し、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8を上部フレーム13、下部フレーム14から取り外した状態を示す概略図である。
【0050】
図7に示すように、上部読取ユニット7は、上部フレーム13に設けられたフック形状部18aを矢印B方向に押し広げ、ロックを解除することで、
図2及び
図7に示すように、上部フレーム13から矢印C方向に容易に取り外すことができる。
【0051】
同様に、下部読取ユニット8も、下部フレーム14に設けられたフック形状部18bを矢印B方向に押し広げ、ロックを解除することで、
図2、
図3、及び
図7に示すように、下部フレーム14から矢印D方向に容易に取り外すことができる。
【0052】
また、フラットケーブル11aは、上部ケーブル配置スペース17aにはい回されて配置されることで、長さにある程度の余裕ができる。同様に、フラットケーブル11bも、下部ケーブル配置スペース17bにはい回されて配置されることで、長さにある程度の余裕ができる。このため、誤って上部読取ユニット7や下部読取ユニット8を勢い良く装置から取り外してしまっても、フラットケーブル11aに無理な負荷が加わることなく破損に至る心配がない。
【0053】
また、上部読取ユニット7にフラットケーブル11aが繋がれたままの状態で、上部読取ユニット嵌込部15から上部読取ユニット7をある程度の距離引き離すことができる。同様に、下部読取ユニット8にフラットケーブル11bが繋がれたままの状態で、下部読取ユニット嵌込部16から下部読取ユニット8をある程度の距離引き離すことができる。このため、上部読取ユニット7や下部読取ユニット8の背面に手が入れ易く、フラットケーブル11aやフラットケーブル11bの着脱作業が容易である。
【0054】
また、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8の係合手段として、上部ユニット20及び下部ユニット21の断面略コ字上の凹形状部15、16側面にフック形状部18a、18bを設け、このフック形状部18a、18bと上部読取ユニット7、下部読取ユニット8との係合により上部読取ユニット7、下部読取ユニット8を上部ユニット20、下部ユニット21に保持する構成としたことで、画像読取ユニットの係合手段を簡素な構成で実現でき、コスト面、信頼性で有効である。
【0055】
また、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8には、情報信号線11a、11bとの着脱が自在なコネクタ部19a、19bを有する構成としたことで、上下部ユニットの凹形状部15、16の外側で情報信号線11a、11bの着脱作業が行なえるため、メンテナンス作業性が良いといった効果を奏する。
【0056】
また、情報信号線11a、11bを、フラットケーブルで構成するようにしたことで、画像読取ユニットの背面に情報信号線の配置スペースが大きくとれない場合でも、ケーブルを配置することが可能となる。
【0057】
なお、本実施形態の構成では、画像読取ユニットの交換作業で外装カバー類を取り外すような無駄な作業を必要とせず、また、広いメンテナンススペースを必要としないため、効率的なメンテナンス作業を行なうことができる。
【0058】
(他の実施形態)
以上、本発明を一実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの一実施形態に限定されるものではない。
【0059】
上述した一実施形態では、上部ユニット20に第1凹部201を設けると共に下部ユニット21に第2凹部を設け、これら第1凹部201及び第2凹部202とで排紙空間部200を形成した構造例について説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、上部ユニット又は下部ユニットのいずれか一方だけに凹部を設けてこれを排紙空間部としてもよい。
【0060】
また、上述した一実施形態では、特にフラットケーブル11a及び11bの収容方法については具体的に説明していないが、例えば、
図5に示すように各フラットケーブル11a及び11bを折り曲げて収容するようにしてもよい。
図7は、他の実施形態の画像読取装置の読取ユニット7及び下部読取ユニット8付近を
図1の矢印A方向から見た状態を示す概略断面図であり、
図4と同一のものには同一の符号を付してある。
【0061】
具体的には、
図8に示すように、他の実施形態では、上部ケーブル配置スペース17aに、上部読取ユニット7の主走査方向にフラットケーブル11aを配置し、一箇所の折り返し部を設けた構成である。同様に、下部ケーブル配置スペース17bにも、下部読取ユニット8の主走査方向にフラットケーブル11bを配置し、一箇所の折り返し部を設けた構成である。
【0062】
概略は、
図4に示した実施形態と同様であるが、フラットケーブル11a、11bの一箇所に折り返し部を設けることで、配線基板12と上部読取ユニット7、下部読取ユニット8間のフラットケーブル11a、11bの長さに更に余裕を持たせることができる。このため、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8交換時の取り回しが容易になり、より作業性が向上する。なお、
図8に示した例では、フラットケーブル11a、11bの折り返し部は一箇所であるが、折り返し部を複数箇所設けてもよい。また、
図8に示した例では、各フック形状部18a、18bの先端面に凹溝181を設けている。これにより、各読取ユニット7、8を取り外す際、ドライバ等の先端が細い工具を用いて、工具の先端を凹溝181に引っ掛けてフック形状部18a、18bを各読取ユニット7、8から離れる方向に簡単に弾性変形させることができるため、メンテナンス等の作業効率を向上できる。
【0063】
また、
図9は、他の実施形態の画像読取装置の読取ユニット7及び下部読取ユニット8付近を
図1の表面から見た状態を示す概略断面図であり、
図8と同一のものには同一の符号を付してある。
【0064】
図9に示すように、上述した
図8に示す実施形態では、上部ケーブル配置スペース17aに、上部読取ユニット7の副走査方向にフラットケーブル11aを配置し、一箇所の折り返し部を設けた構成である。22aは、フラットケーブル11aを上部読取ユニット嵌込部15の側面に形成した孔形状部で、フラットケーブル11aの折り返し部を格納する。
【0065】
同様に、下部ケーブル配置スペース17bにも、下部読取ユニット8の副走査方向にフラットケーブル11bを配置し、一箇所の折り返し部を設けた構成である。22bは、フラットケーブル11bを下部読取ユニット嵌込部16の側面に形成した孔形状部で、フラットケーブル11bの折り返し部を格納する。
【0066】
なお、孔形状部22aを上部読取ユニット嵌込部15の底面に形成したり、孔形状部22bを下部読取ユニット嵌込部16の底面に形成する構成であってもよい。
【0067】
図8に示したように、他部品の配置などの都合で、上部ケーブル配置スペース17a、下部ケーブル配置スペース17bが上部読取ユニット7、下部読取ユニット8の主走査方向に大きくとれない場合、フラットケーブル11a、11bを上部読取ユニット嵌込部15、下部読取ユニット嵌込部16の側面にそれぞれ形成した孔形状部22a、22bにそれぞれ配置することで、フラットケーブル11a、11bの長さに余裕を持って配置することが可能なため、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
なお、
図9に示した例では、フラットケーブル11a、11bの折り返し部は一箇所であるが、折り返し部を複数箇所設けてもよい。
【0069】
また、これまで示した図中にあるように、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8とフラットケーブル11a、11bとを接続するコネクタ部19a、19bを、上部読取ユニット7,下部読取ユニット8の背面に設けることで、上部読取ユニット嵌込部15、及び下部読取ユニット嵌込部16の外側でフラットケーブル11a、11bの着脱作業が行なえるため、作業性が良い。
【0070】
また、本実施形態では、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8と配線基板12とを繋ぐ情報信号線に、フラットケーブルを使用した例で説明しているが、上部ケーブル配置スペース17a、下部ケーブル配置スペース17bが大きく取れない場合でも、フラットケーブルなら配置できる場合もあるため有効である。
【0071】
なお、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8と配線基板12とを繋ぐ情報信号線は、フラットケーブルでなくとも他のケーブルであってもよい。
【0072】
また、上部読取ユニット嵌込部15の底面、下部読取ユニット嵌込部16の底面にそれぞれ配線基板12に接続されたコネクタを設け、これらのコネクタと、上部読取ユニット7の背面に設けられたコネクタ部19a、下部読取ユニット8の背面に設けられたコネクタ部19bとをそれぞれ直接接続する構成であってもよい。
【0073】
また、上部読取ユニット嵌込部15の底面、下部読取ユニット嵌込部16の底面にそれぞれ配線基板12に接続された無線通信手段(例えば赤外線通信手段)を設け、また、上部読取ユニット7の背面、下部読取ユニット8の背面にそれぞれ無線通信手段(例えば赤外線通信手段)を設け、これらの無線通信手段を介して、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8と配線基板12とがそれぞれ通信可能な構成であってもよい。
【0074】
以上示したように構成とすることで、上部読取ユニット7、下部読取ユニット8の交換作業で外装カバー類を取り外すような無駄な作業を必要とせず、また、広いメンテナンススペースを必要としない画像読取装置を提供できる。また、上部ユニットを開口するだけで容易に画像読取ユニットの着脱が行なえるため、作業効率の高いメンテナンスが可能な画像読取装置を提供できる。
【0075】
以上のように、シートフィード型の画像読取装置において、画像読取ユニットの着脱性を改善することができる。
【0076】
なお、上記各実施形態では、本発明のシート処理装置の一例として画像読取装置(スキャナ)を示したが、画像読取装置(スキャナ)以外のシート処理装置に本発明を適用してもよい。シート搬送路内のシートに対して所定の処理を施す処理ユニットを備えるシート処理装置であればどのような装置であってもよい。例えば、本発明のシート処理装置を、シート搬送路内のシートに対して画像形成処理を施す画像形成ユニットを備えるプリンタとしてもよい。
【0077】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0078】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0079】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【0080】
なお、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。