特許第5706116号(P5706116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気通信システム株式会社の特許一覧

特許5706116シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法
<>
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000002
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000003
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000004
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000005
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000006
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000007
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000008
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000009
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000010
  • 特許5706116-シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706116
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】シリアル伝送バックプレーンを用いた通信装置およびその接続管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/14 20060101AFI20150402BHJP
【FI】
   G06F13/14 320F
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-198496(P2010-198496)
(22)【出願日】2010年9月6日
(65)【公開番号】特開2012-58796(P2012-58796A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−213994(JP,A)
【文献】 特開2006−221526(JP,A)
【文献】 特開2008−041027(JP,A)
【文献】 特開2007−193547(JP,A)
【文献】 特開2005−301488(JP,A)
【文献】 特開2001−159946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置であって、
各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、
各スロットに搭載されたボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、
を有し、
前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、
前記管理手段が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換える、ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置における接続管理方法であって、
前記通信装置は、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンを有し、
各スロットに搭載されたボードからボード種別およびシリアル信号種別を含む確認情報を取得することで、各ボードに関する管理テーブルを生成し、
前記管理テーブルを用いて前記複数のスロットに搭載されたボードを所望の接続形態に設定するための設定情報を各ボードへ送信し、
前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、
前記設定情報が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換える、ことを特徴とする接続管理方法。
【請求項4】
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする請求項に記載の接続管理方法。
【請求項5】
複数ポートを有するスロットを複数個配列し、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、各スロットに搭載されたスイッチボードあるいはノードボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、を有する通信装置に搭載されるノードボードであって、
前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、
前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを複数種別のシリアル信号の1つに接続するシリアル信号選択手段と、
を有し、
前記管理手段が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記シリアル信号選択手段を制御してシリアル信号種別を切り換える、ことを特徴とするノードボード。
【請求項6】
前記スイッチボードが、前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを他のポートと接続するシリアル信号スイッチ手段と、を有することを特徴とする請求項5に記載のノードボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はATCA(Advanced Telecom Computing Architecture)などの規格に準拠した通信装置に係り、特にこのような通信装置のバックプレーンの接続形態および搭載したボードの接続管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ATCAなどに規定されているように、シリアルインタフェースをバックプレーンとして有する通信装置では、バックプレーンの接続形態としてスター型とフルメッシュ型が存在する。フルメッシュ型は全てのボードが相互接続された接続形態であり、本来スイッチボードを必要としないが、各ノードボードの設計が容易ではないために一般的には使用されていない。これに対して、スター型はスイッチボードを介して複数のノードボードが接続された接続形態であり、一般的に採用されている。
【0003】
このように複数のボードを着脱可能に搭載した通信装置では、システム設定や構成情報の管理の複雑化、機能実装の煩雑化などを避けるために、種々の管理方法が提案されている(たとえば、特許文献1、2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−277033号公報
【特許文献2】特開2010−003056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した通信装置において、スイッチボードやノードボードの搭載位置や搭載数に制約されることなく自由に装置構成をしたい場合や、バックプレーンで使用するイーサネット(登録商標、以下Etherと記す。)やPCI−Expressなどのシリアル伝送方式をポートレベルで使用したい場合には、次のような課題があった。
【0006】
まず、フルメッシュ型のバックプレーンでは、各ノードボード間の接続を意識して使用する必要があるために同じノードボードを使用しづらい。また、スター型のバックプレーンでは、スイッチボードとノードボードの搭載位置は固定となり自由な構成をとることが出来ない。また、フルメッシュ型でスイッチボードを搭載した場合を考えても、搭載位置に関しては自由になりうるが、スイッチボードとノードボードでバックプレーンに使用するシリアル伝送方式は同じでなければ、同様に使用するポートを意識する必要があり、搭載するノードボードは統一できないことになる。
【0007】
このように、これまでの通信装置では、スイッチボードとノードボードの搭載位置は固定であり自由な位置に搭載することができない。また、インタフェース単位(ベース、ファブリック)でシリアル信号を扱っているので、ポート単位で異なるシリアル信号を使用することができない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、スイッチボードとノードボードの搭載位置を固定せずに実装することができ、かつポート単位で接続管理が可能となる通信装置およびその接続管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による通信装置は、複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置であって、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、各スロットに搭載されたボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、を有し、前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、前記管理手段が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換える、することを特徴とする。
【0010】
本発明による接続管理方法は、複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置における接続管理方法であって、前記通信装置は、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンを有し、各スロットに搭載されたボードからボード種別およびシリアル信号種別を含む確認情報を取得することで、各ボードに関する管理テーブルを生成し、前記管理テーブルを用いて前記複数のスロットに搭載されたボードを所望の接続形態に設定するための設定情報を各ボードへ送信し、前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、前記設定情報が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換える、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によるノードボードは、複数ポートを有するスロットを複数個配列し、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、各スロットに搭載されたスイッチボードあるいはノードボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、を有する通信装置に搭載されるノードボードであって、前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを複数種別のシリアル信号の1つに接続するシリアル信号選択手段と、を有し、前記管理手段が、前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定し、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記シリアル信号選択手段を制御してシリアル信号種別を切り換える、ことを特徴とする。
【0012】
なお、スイッチボードは、前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを他のポートと接続するシリアル信号スイッチ手段と、を有することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、スイッチボードとノードボードの搭載位置を固定せずに実装することができ、かつポート単位で接続管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による通信装置の概略的構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態によるノードボードの機能的構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態によるスイッチボードの機能的構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態による通信装置のバックプレーン接続形態を一般的に示す模式的ブロック図である。
図5】本実施形態による通信装置のバックプレーン接続形態の一例を示す模式的ブロック図である。
図6】本発明の一実施例による通信装置のバックプレーン接続形態を示す模式的ブロック図である。
図7】本実施例による通信装置のボード接続管理方法の一例を示す模式的ブロック図である。
図8】本実施例による通信装置のボード接続管理方法の一例を示すシーケンス図である。
図9】(A)は図8における装置管理部への確認情報の一例を示す模式図、(B)は図7における装置管理部からの設定情報の一例を示す模式図である。
図10】(A)は図8における装置管理部のシリアル信号種別の管理テーブルの一例を示す模式図、(B)は図8における装置管理部のスロット位置とボード種別の管理テーブルの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によれば、バックプレーンの接続形態をフルメッシュ構成としてポートの接続方法を定義し、スイッチボードとノードボードの搭載位置を固定することなく実装可能となる。さらに、ノードボードにシリアル信号セレクタ機能を実装することで、ポート単位で異なるシリアル信号を使用することができる。以下、本発明の一実施形態による通信装置の構成及び動作について詳細に説明する。
【0016】
1.一実施形態
1.1)構成
図1に示すように、本実施形態による通信装置10は、ボードを着脱可能に搭載するn個のスロット#1−#nが所定の筐体に配列され、各スロットがn個のシリアルポート#1−#nを有する。さらに、通信装置10は、スロット間の信号接続を行うシリアル伝送方式のバックプレーン11と、バックプレーン11の接続形態および搭載されたボードを管理する装置管理部12とを有する。シリアル伝送方式としては、たとえばEtherやPCI−Expressなどである。装置管理部12には、後述する管理テーブル13が設けられている。スロットに搭載されるノードボードおよびスイッチボードの構成は次の通りである。
【0017】
図2にはスロットに搭載されるノードボード100のインタフェース部の構成が図示され、その他の内部回路は省略されている。ノードボード100には、スロット側のポートとそれぞれ対応したn個のシリアルポート#1−#nと、シリアル信号セレクタ101と、ボード管理部102とが設けられている。ボード管理部102は、I2CバスやPCIバスなどの制御バスによりシリアル信号セレクタ101および装置管理部12に接続されている。装置管理部12は、後述するようにボード管理部102との間でインタフェース情報をやりとりし、ボード管理部102はシリアル信号セレクタ101にインタフェースの接続指示を出す。シリアル信号セレクタ101は、ボード管理部102の制御に従って、複数の異なる方式のシリアル信号A1−Amとポート#1−#nとの間の接続を選択する。
【0018】
図3にはスロットに搭載されるスイッチボード200のインタフェース部の構成が図示され、その他の内部回路は省略されている。スイッチボード200には、シリアル信号スイッチ201、ボード管理部202およびn個のシリアルポート#1−#nとが設けられている。ボード管理部202は、I2CバスやPCIバスなどの制御バスによりシリアル信号スイッチ201および装置管理部12に接続されている。装置管理部12は、後述するようにボード管理部202との間でインタフェース情報をやりとりし、ボード管理部202はシリアル信号スイッチ201にインタフェースの接続指示を出す。シリアル信号スイッチ201は、ボード管理部202の制御に従って、ポート#1−#nの入力データのスイッチングを行う。
【0019】
1.2)バックプレーン接続形態
以下、本実施形態によるバックプレーン11の接続形態について図4および図5を参照しながら説明する。ここでは、1ポート単位でスロット間接続が行われる場合を例示する。
【0020】
図4に一般的に示すように、スロットSL#iに着目すると、当該スロットと同じ番号のポート#iが未使用ポートに設定され、当該スロットのポート#i以外の各ポートと当該ポートと同じ番号のスロットにおけるポート#iとが接続される。言い換えれば、スロットSL#iのポート#i以外の全てのポートは、他の全てのスロットのポート#iにそれぞれ1対1で接続される。すなわち、i,jを1以上n以下の任意の整数でi≠jとすれば、バックプレーン11は、スロットSL#iのポート#jをスロットSL#jのポート#iに接続するという規則に従って構成される。
【0021】
図4に従えば、たとえばスロットSL#iのポート#i+1はスロットSL#i+1のポート#iと接続し、スロットSL#iのポート#i+2はスロットSL#i+2のポート#iと接続し、スロットSL#iのポート#i−1はスロットSL#i−1のポート#iと接続する。以下同様である。この接続規則に従うことにより、自スロットから見ると他スロットのポートはすべて同じポート番号と接続されていることになる。
【0022】
図5は、nポート、nスロットの通信装置10におけるバックプレーン11の接続例を示す。
【0023】
1.3)効果
このように接続することで、バックプレーン11は、全てのスロットのボードをポート単位で接続するフルメッシュ構造を有するので、スイッチボードおよびノードボードを搭載するスロット位置を固定する必要がなくなる。
【0024】
さらに、上述したようにノードボードの各ポートがシリアル信号セレクタ101により異なるシリアル伝送方式を選択できるので、スロット番号SL#iにスイッチボードを搭載した場合、他のスロットに搭載したノードボードの同一ポート#iで当該スイッチボードが使用するシリアル伝送方式に統一することができる。
【0025】
したがって、スイッチボードやノードボードの搭載位置や搭載数に制約されることなく自由に装置構成を行うことができ、さらにバックプレーン11で使用するEtherやPCI−Expressなどのシリアル伝送方式をポートレベルで選択することが可能となる。
【0026】
2.実施例
2.1)構成
本発明の一実施例による通信装置として、4スロット、4ポートの構成を図6および図7に示す。図6は具体的な接続を示した例である。自スロット番号に対応したポート番号は未使用ポートとし、その他の自スロットのポートはポート番号に対応した他スロットにおける自スロット番号に対応したポート番号に接続されている。たとえばスロット#3を例にとれば、そのポート#3は自スロットの番号#3に対応するので未使用ポート(斜線ポート)となり、ポート#1はスロット#1のポート#3との間で接続301が形成され、ポート#2はスロット#2のポート#3との間で接続302が形成され、ポート#4はスロット#4のポート#3との間で接続303が形成されている。
【0027】
図6に示すバックプレーン11の接続形態において、図7に示すように、スロット#1にノードボード100aを、スロット#2にノードボード100bを、スロット#3にスイッチボード200aを、スロット#4にスイッチボード200bを、それぞれ搭載したものとする。
【0028】
この場合、ノードボード100aのポート#4とノードボード100bのポート#4とがスイッチボード200bのポート#1とポート#2とにそれぞれ接続され、ノードボード100aのポート#3とノードボード100bのポート#3とがスイッチボード200aのポート#1とポート#2とにそれぞれ接続される構成となる。すなわち、スイッチボードのスロット番号(#3、#4)と、接続する各ノードボードのポート番号(#3、#4)とが同じになっている。また、スロット間を接続する必要のない場合は、後述するように、装置管理部12からの設定情報により接続304、305を論理的に未接続状態にすることも可能である。
【0029】
2.2)接続管理情報
以下、図8図10を参照しながら、装置管理部12および各ボードのボード管理部102,202の機能について説明する。ここでは、図7に示すように、ノードボード100a、100bとスイッチボード200a、200bとが搭載されているものとする。
【0030】
図8に示すように、各スイッチボード200のボード管理部202と各ノードボード100のボード管理部102とは、装置管理部12に対して確認情報401、402をそれぞれ送信する。また、装置管理部12は、これらの確認情報に応じて、各スイッチボード200のボード管理部202へ設定情報501を、各ノードボード100のボード管理部102へ設定情報502をそれぞれ送信する。
【0031】
図9(A)に示すように、スイッチボード200からの確認情報401にはボード種別とシリアル信号種別が含まれ、ノードボード100からの確認情報402にはボード種別と、各シリアル番号種別とそのポート数とが含まれる。
【0032】
図9(B)に示すように、装置管理部12から各スイッチボード200へ送信される設定情報501には当該スイッチボード200の各ポート番号とその接続可否情報とが含まれる。また、装置管理部12から各ノードボード100へ送信される設定情報502には当該ノードボード100の各ポート番号とそのシリアル信号種別情報とが含まれる。
【0033】
装置管理部12の管理テーブル13には、装置内のシリアル信号制御用管理テーブル13aと、スロット位置とボード種別の管理テーブル13bとが設けられている。図10(A)に示すように、管理テーブル13aには、各シリアル信号種別に対応したスロット番号=ポート番号が格納されている。図10(B)に示すように、管理テーブル13bには、各スロット番号とそれに対応するボード種別とが格納されている。なお、ボード種別は、スイッチボード、ノードボードあるいは未搭載である。装置管理部12はこのような管理テーブル13を用いて各ボードをポート単位で管理することができる。
【0034】
2.3)動作
図6に示すように、バックプレーン11は全スロットがフルメッシュ構成となるように既に述べた規則に従って接続される。すなわち、まず自スロット番号に対応したポート番号は未使用ポート(斜線を付したポート)とし、他のポートについては各ポート番号に対応したスロット番号に接続するが、接続先スロットのポート番号は自スロットの番号と同じ箇所にする。このルールに従ってバックプレーン11のシリアルポートを接続する。
【0035】
図7は、このバックプレーン11を持った通信装置10のスロット#3、#4にスイッチボード200a、200bを、スロット#1、#2にノードボード100a、100bをそれぞれ搭載した場合を示す。スイッチボード200a、200bのシリアル信号インタフェースは同じシリアル信号でも良いし、異なるシリアル信号でも良い。
【0036】
図7では、スロット#3に搭載されたスイッチボード200aは各ノードボードのポート#3と接続され、スロット#4に搭載されたスイッチボード200bは各ノードボードのポート#4と接続される構成となる。スイッチボードを搭載するスロット番号とノードボードを搭載するスロットのポート番号の番号は同じ番号であるから、スイッチボード単位で使用するシリアル信号を選択でき、ノードボード100a、100bとしては同じシリアル信号インタフェースを同ポートに持ったノードボードを使用することができる。シリアル信号はSERDES信号とし、具体例を挙げるとEtherやPCI−Expressなどがある。
【0037】
次に図2図3図9および図10を用いて、スイッチボード200とノードボード100のインタフェースを装置管理部12が整合する処理について説明する。
【0038】
装置管理部12と各ボード管理部102、202とのインタフェースはEtherやI2Cなどの制御信号とする。ノードボード100およびスイッチボード200が通信装置10に実装されたとき、各ボードのボード管理部102、202は図9(A)に示すような自ボードの確認情報を装置管理部12へ送信する。
【0039】
スイッチボード200のボード管理部202は、図9(A)に示すように、ボード種別(この場合スイッチボード)とシリアル信号種別(例:Ether、PCI−Expressなど)とからなる確認情報401を装置管理部12へ送付する。
【0040】
ノードボード100のボード管理部102は、図9(A)に示すように、ボード種別と、各シリアル信号種別(例:Ether、PCI−Expressなど)と、そのポート数(1ポート、2ポートなど)とからなる確認情報402を装置管理部12へ送付する。
【0041】
装置管理部12ではスイッチボード200およびノードボード100から受け取った確認情報401,402を元に、図10(B)に示すスロット番号とボード種別とを関連付けて管理するテーブル13bと、図10(A)に示すシリアル信号種別とスロット番号(=ポート番号)を関連付けて管理するテーブル13aとを作成する。
【0042】
管理テーブル13に格納された管理情報を元に、装置管理部12は、図9(B)に示すポート番号と接続可否情報とからなる設定情報501を各スイッチボードへ送付する。具体的にはノードボード100が搭載されているスロット位置のポート番号は接続可の情報を、スイッチボード200が搭載されているスロットのポート番号には接続不可の情報を送付する。また、各ノードボード100に対しては、図9(B)に示すポート番号とシリアル信号種別情報とからなる設定情報502を送付する。
【0043】
スイッチボード200のボード管理部202は、装置管理部12から設定情報501を受信すると、そのポート番号と接続可否情報に基づき、シリアル信号スイッチ201に対して各ポート(#1−#4)をオープンにするかクローズにするかを示す指示を出す。それによりノードボード100に接続されているポートのみオープンする。ノードボード100のボード管理部101は、装置管理部12から設定情報502を受信すると、そのポート番号とシリアル信号種別情報に基づき、シリアル信号セレクタ101に指示を出して、対応するシリアル信号とポート番号(#1−#4)とを接続する。
【0044】
図7の構成で説明すると、スイッチボードのボード管理部201は装置管理部12から設定情報501を受信するが、この設定情報501はポート#1:接続可、ポート#2:接続可、ポート#3:接続不可、ポート#4:接続不可という設定であり、この設定情報501に従ってシリアル信号スイッチ201へ指示を出す。この指示に従って、シリアル信号スイッチ201は、接続可のポート#1、#2をオープンに、接続不可のポート#3、#4はクローズにする。
【0045】
ノードボードのボード管理部101は装置管理部12から設定情報502を受信するが、この設定情報502はポート#3:シリアル信号A1、ポート#4:シリアル信号A2という設定であり、この設定情報502に従ってシリアル信号セレクタ101に指示を出す。この指示を受け取ったシリアル信号セレクタ101は、ポート#3をシリアル信号A1と接続し、ポート#4をシリアル信号A2と接続するように内部を構成する。これにより、スイッチボード200a、200bに合わせたシリアル信号をノードボード100a、100b側で選択することが可能となる。
【0046】
2.4)効果
本実施例によれば、スイッチボードの搭載位置が固定されないので、スイッチボードの実装枚数を増やすことが可能になる。また、各ボードの搭載位置が固定されないので、追加ボードをどこに実装しても良く、ノードボードやスイッチボードの追加が容易になる。
【0047】
3.他の実施例
上述した実施例では、スロット間の接続を1ポート単位での接続としているが、1ポートに限ることはなく、複数ポート単位での接続も可能である。その場合、シリアル信号種別はスロット間の接続単位で同じになる。
【0048】
4.付記
上述した実施形態の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
(付記1)
複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置であって、
各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、
各スロットに搭載されたボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【0050】
(付記2)
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0051】
(付記3)
前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、前記管理手段は前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定することを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
【0052】
(付記4)
前記管理手段は前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換えることを特徴とする付記3に記載の通信装置。
【0053】
(付記5)
複数ポートを有するスロットを複数個配列した通信装置における接続管理方法であって、
前記通信装置は、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンを有し、
各スロットに搭載されたボードからボード種別およびシリアル信号種別を含む確認情報を取得することで、各ボードに関する管理テーブルを生成し、
前記管理テーブルを用いて前記複数のスロットに搭載されたボードを所望の接続形態に設定するための設定情報を各ボードへ送信する、
ことを特徴とする接続管理方法。
【0054】
(付記6)
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする付記5に記載の接続管理方法。
【0055】
(付記7)
前記複数のスロットに少なくとも1個のスイッチボートと複数のノードボードとを搭載し、前記設定情報が前記スイッチボートの各ポートの接続状態を設定することを特徴とする付記5または6に記載の接続管理方法。
【0056】
(付記8)
前記設定情報が、前記ノードボートの各ポートのシリアル信号の種別を前記スイッチボートのシリアル伝送方式に整合させるように前記ノードボートのシリアル信号種別を切り換えることを特徴とする付記7に記載の接続管理方法。
【0057】
(付記9)
複数ポートを有するスロットを複数個配列し、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、各スロットに搭載されたボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、を有する通信装置に搭載されるノードボードであって、
前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、
前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを複数種別のシリアル信号の1つに接続するシリアル信号選択手段と、
を有することを特徴とするノードボード。
【0058】
(付記10)
複数ポートを有するスロットを複数個配列し、各スロットにおける各ポートを異なるスロットにそれぞれ対応付けてポート単位で接続したフルメッシュ接続構造を有するシリアル伝送バックプレーンと、各スロットに搭載されたボードの各ポートの接続状態を管理する管理手段と、を有する通信装置に搭載されるスイッチボードであって、
前記管理手段とインタフェース情報を送受信するためのボード管理手段と、
前記ボード管理手段により制御され、前記複数ポートの任意のポートを他のポートと接続するシリアル信号スイッチ手段と、
を有することを特徴とするスイッチボード。
【0059】
(付記11)
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする付記9に記載のノードボード。
【0060】
(付記12)
nを2以上の正整数とすると、n個のスロットの各々がn個のポートを有し、前記シリアル伝送バックプレーンは、任意のi番目のスロットの任意のj番目のポートがj番目のスロットのi番目のポートに接続された接続形態を有することを特徴とする付記10に記載のスイッチボード。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明はスイッチボードとノードボードで構成される通信装置に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 通信装置
11 バックプレーン
12 装置管理部
13 管理テーブル
100 ノードボード
101 シリアル信号セレクタ
102 ボード管理部
200 スイッチボード
201 シリアル信号スイッチ
202 ボード管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10