特許第5706228号(P5706228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5706228エレベータ機器の点検用作業台
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706228
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】エレベータ機器の点検用作業台
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20150402BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   B66B5/00 D
   B66B7/00 F
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-106490(P2011-106490)
(22)【出願日】2011年5月11日
(65)【公開番号】特開2012-236679(P2012-236679A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大黒屋 篤
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 俊彰
(72)【発明者】
【氏名】中島 康人
(72)【発明者】
【氏名】西江 聡
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−112873(JP,A)
【文献】 特開2009−184792(JP,A)
【文献】 特開2003−81560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00
B66B 7/00
E04G 1/00−7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路の壁面に設けられたエレベータ機器の点検用作業台において、
前記エレベータ機器の下方に位置する昇降路の壁面に設けたベース部と、
このベース部の下部に取り付けた第1の支点軸と、この第1の支点軸にその軸周りに回動可能に取り付けた第1の作業床と、
前記ベース部の上部に着脱可能に設けた第2の支点軸と、この第2の支点軸によって前記第1の作業床に連結され、前記第2の支点軸の軸周りに回動可能な第2の作業床と、
前記ベース部に回動可能に取り付けられ、前記第1の作業床及び前記第2の作業床の一方をその床面が水平となるように支持する第3の支点軸とを備えたことを特徴とするエレベータ機器の点検用作業台。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ機器の点検用作業台において、
前記ベース部を、前記第1の作業床を前記昇降路の壁面に沿って吊持し、前記第2の作業床を前記昇降路のピット床に当接させる高さ位置に設けたことを特徴とするエレベータ機器の点検用作業台。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベータ機器の点検用作業台において、
前記ベース部を、前記第1の作業床と前記第2の作業床を前記昇降路の壁面に沿って吊持する高さ位置に設けたことを特徴とするエレベータ機器の点検用作業台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレベータ機器の点検用作業台において、
前記第1の作業床を前記第3の支点軸で水平に支持させた際に、前記昇降路の壁面から遠い側に位置する前記第1の作業床の端部、前記第2の作業床を前記第3の支点軸で水平に支持させた際に、前記昇降路の壁面から遠い側に位置する前記第2の作業床の端部のそれぞれに固定される作業手摺を備えたことを特徴とするエレベータ機器の点検用作業台。
【請求項5】
請求項4に記載のエレベータ機器の点検用作業台において、
前記第1の作業床の端部に固定される作業手摺と、前記第2の作業床の端部に固定される作業手摺とが、同一の作業手摺から成ることを特徴とするエレベータ機器の点検用作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降路内に設置されるエレベータ機器の保守点検作業に活用されるエレベータ機器の点検用作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの昇降路内のピット床に降りた点検作業者の手の届かない範囲に設置されたエレベータ機器を保守点検する場合には、点検作業者の足場を確保する点検用作業台が必要になる。昨今、昇降路内の省スペース化の影響もあって、昇降路の壁面の高さ方向に沿ってエレベータ機器を配置したエレベータが増加して来ている。このようなエレベータにあっては、点検作業者が乗り込む作業床の高さ位置を変えて、エレベータ機器の保守点検作業を行うことが必要になる。
【0003】
このようなことから従来、特許文献1に、昇降路内に設置される昇降はしごと、この昇降はしごの底部をピット床に固定する昇降はしご固定腕と、ピット床に立設され、ピットの壁面に沿って上下方向に延設され、昇降はしごを保持する長尺の固定支柱と、昇降はしごに選択的に着脱される多数の作業床とを備え、昇降はしごに着脱させる作業床の数を変えることによって、点検作業者が乗り込む作業床の高さ位置を変えることができるようにした制御盤点検台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−182351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に示される従来技術は、昇降路内のピット床上に制御盤点検台を設置する構成にしてあることから、このように制御盤点検台を設置している状態にあっては、エレベータの乗かごを昇降させることができない。すなわち、このように制御盤点検台を設置している状態にあって乗かごを昇降させると、乗かごが制御盤点検台に干渉する虞がある。したがって、乗かごを昇降させる必要が生じたときには、昇降路内から制御盤点検台を一旦撤去し、その後必要に応じて再び制御盤点検台を昇降路内に設置する大掛かりな制御盤点検台の取り付け、取り外し作業が必要になる。このために、従来技術にあっては、昇降路内に設置されるエレベータ機器の保守点検作業の能率が低下しやすい。
【0006】
なお、従来技術は、昇降はしごの底部をピット床に固定する昇降はしご固定腕と、ピット床に立設され、ピットの壁面に沿って延設される長尺の固定支柱と、昇降はしごに着脱される比較的多くの作業床を備えていることから、全体が大型の構造物となり、これに伴って製作コストが高くなりやすい。
【0007】
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、作業床の高さ位置を変更可能であるとともに、乗かごの昇降に際して容易に対応させることができるエレベータ機器の点検用作業台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台は、昇降路の壁面に設けられたエレベータ機器の点検用作業台において、前記エレベータ機器の下方に位置する昇降路の壁面に設けたベース部と、このベース部の下部に取り付けた第1の支点軸と、この第1の支点軸にその軸周りに回動可能に取り付けた第1の作業床と、前記ベース部の上部に着脱可能に設けた第2の支点軸と、この第2の支点軸によって前記第1の作業床に連結され、前記第2の支点軸の軸周りに回動可能な第2の作業床と、前記ベース部に回動可能に取り付けられ、前記第1の作業床及び前記第2の作業床の一方をその床面が水平となるように支持する第3の支点軸とを備えたことを特徴としている。
【0009】
このように構成した本発明は、エレベータ機器の高所部の保守点検作業に際しては、第1の作業床を昇降路の壁面に近づくように、第1の支点軸の軸周りに回動させて、この第1作業床を昇降路の壁面に沿うように配置し、この第1の作業床に連結された第2の作業床が取り付けられる第2の支点軸をベース部の上部に装着させる。この状態において、ベース部に取り付けられた第3の支点軸によって、床面が水平となるように第2の作業床を支持させる。この状態において点検作業者は、公知の昇降用タラップや脚立等の昇降設備をピット床に立設し、この昇降設備を介して第2の作業床に乗り込む。このように高い位置に保持された第2の作業床を利用して、点検作業者はエレベータ機器の高所部の保守点検作業を行うことができる。
【0010】
また、エレベータ機器の低所部の保守点検作業に際しては、第2の作業床が取り付けられる第2の支点軸をベース部の上部から離脱させ、第1の作業床を昇降路の壁面から離れるように、ベース部の下部に取り付けた第1の支点軸の軸周りに回動させて昇降路内において横方向に展開させ、ベース部に取り付けられた第3の支点軸によって、床面が水平となるように第1の作業床を支持させる。この状態において点検作業者は、公知の昇降用タラップや脚立等の昇降設備をピット床に立設し、この昇降設備を介して第1の作業床に乗り込む。このように前述の場合よりも低い位置に保持された第1の作業床を利用して、点検作業者はエレベータ機器の低所部の保守点検作業を行うことができる。
【0011】
例えば、このようなエレベータ機器の保守点検作業中に、乗かごを昇降させる必要が生じた際には、前述したエレベータ機器の低所部の保守点検作業を可能にする配置形態から第3の支点軸による第1の作業床の支持を解いた形態に変化させることが行われる。これにより、第3の支点軸がベース部から昇降路の壁面に沿って垂下するとともに、第1の作業床が、ベース部の下部に取り付けた第1の支点軸に吊持されて、この第1の支点軸から昇降路の壁面に沿って垂下し、さらに第1の作業床に連結された第2の作業床が第1の作業床からピット床方向に垂れ下がる。したがって、第1の作業床と第2の作業床を、乗かごの昇降に支障を生じない位置まで退避させることができる。
【0012】
すなわち本発明は、作業床の高さ位置を変更可能であるとともに、乗かごの昇降に際して容易に対応させることができる。また本発明は、ピット床に作業床等を固定する部材を備えることがなく、ベース部は第1の作業床と第2の作業床の高さ位置を規定するに足る程度の比較的短い長さ寸法を有するものであればよく、また作業床は、第1の作業床と第2の作業床の2つの作業床で済むことから、全体構造の小型化を実現させることができる。
【0013】
また本発明は、前記発明において、前記ベース部を、前記第1の作業床を前記昇降路の壁面に沿って吊持し、前記第2の作業床を前記昇降路のピット床に当接させる高さ位置に設けたことを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記発明において、前記ベース部を、前記第1の作業床と前記第2の作業床を前記昇降路の壁面に沿って吊持する高さ位置に設けたことを特徴としている。
【0015】
また本発明は、前記発明において、前記第1の作業床を前記第3の支点軸で水平に支持させた際に、前記昇降路の壁面から遠い側に位置する前記第1の作業床の端部、前記第2の作業床を前記第3の支点軸で水平に支持させた際に、前記昇降路の壁面から遠い側に位置する前記第2の作業床の端部のそれぞれに固定される作業手摺を備えたことを特徴としている。
【0016】
また本発明は、前記発明において、前記第1の作業床の端部に固定される作業手摺と、前記第2の作業床の端部に固定される作業手摺とが、同一の作業手摺から成ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、エレベータ機器の下方に位置する昇降路の壁面に設けたベース部と、このベース部の下部に取り付けた第1の支点軸と、この第1の支点軸にその軸周りに回動可能に取り付けた第1の作業床と、ベース部の下部よりも上方に位置するベース部の上部に着脱可能に設けた第2の支点軸と、第1の作業床に連結され、第2の支点軸にその軸周りに回動可能に取り付けた第2の作業床と、ベース部に取り付けられ、第1の作業床及び第2の作業床の一方をその床面が水平となるように支持する第3の支点軸とを備えた構成にしてある。この構成により本発明は、エレベータ機器の高所部の保守点検作業を第2の作業床を介して行わせ、また、エレベータ機器の低所部の保守点検作業を第1の作業床を介して行わせることができる。
【0018】
また本発明は、乗かごの昇降に際しては、第1の作業床及び第2の作業床を乗かごの昇降に支障を生じない位置まで退避させることができる。すなわち本発明は、作業床の高さ位置を変更可能であるとともに、乗かごの昇降に際して容易に対応させることができる。これにより本発明は、従来に比べて保守点検作業の能率を向上させることができる。また本発明は、全体構造の小型化を実現させることができ、従来よりも製作コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台の一実施形態を示す図で、エレベータ機器の高所部を点検する際の設置状態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台の一実施形態を示す図で、エレベータ機器の低所部を点検する際の設置状態を示す斜視図である。
図3図1に示す状態から作業手摺を除いた状態を示す側面図である。
図4図2に示す状態から作業手摺を除いた状態を示す側面図である。
図5】エレベータの乗かごが昇降する際における本実施形態の退避形態を示す側面図である。
図6図5に示すように本実施形態が退避した形態におけるエレベータの乗かごの昇降状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台の一実施形態を示す図で、エレベータ機器の高所部を点検する際の設置状態を示す斜視図、図2は本発明に係るエレベータ機器の点検用作業台の一実施形態を示す図で、エレベータ機器の低所部を点検する際の設置状態を示す斜視図、図3図1に示す状態から作業手摺を除いた状態を示す側面図、図4図2に示す状態から作業手摺を除いた状態を示す側面図である。また、図5はエレベータの乗かごが昇降する際における本実施形態の退避形態を示す側面図、図6図5に示すように本実施形態が退避した形態におけるエレベータの乗かごの昇降状態を示す側面図である。
【0022】
図1〜4に示すように、本実施形態に係るエレベータ機器の点検作業台は、昇降路1の壁面に設けられたエレベータ機器2の下方に配置されるベース部3を備えている。このペース部3は昇降路1の壁面に設けてある。
【0023】
また本実施形態は、ベース部3の下部に取り付けられた第1の支点軸51と、この第1の支点軸51にその軸周りに回動可能に取り付けられた第1の作業床41とを備えている。この第1の作業床41は、図2に示すように、エレベータ機器2の低所部22の保守点検作業に活用される。
【0024】
また本実施形態は、ベース部3の上部に着脱可能に設けた第2の支点軸52と、第1の作業床41の連結部411a,411bに適合する連結部421a,421bを有し、これらの連結部411a,411b、及び連結部421a,421bに挿入される前述の第2支点軸52によって第1の作業床41に連結され、第2の支点軸52の軸周りに回動可能な第2の作業床42とを備えている。この第2の作業床42は、図1に示すように、エレベータ機器2の高所部21の保守点検作業に活用される。
【0025】
また本実施形態は、ベース部3に回動可能に取り付けられ、図2に示すように、第1作業床41に設けた支持部412に係脱し、第1の作業床41をその床面が水平となるように支持可能であるとともに、図1に示すように、第2の作業床42をその床面が水平となるように支持可能な第3の支点軸6を備えている。この第3の支点軸6は、例えば平面視コ字形状となっている。
【0026】
前述したベース部3は、例えば図5に示すように、第1の作業床41を昇降路1の壁面に沿って吊持し、第2の作業床42を昇降路1のピット床9に当接させる高さ位置に設けてある。
【0027】
また本実施形態は、図2に示すように、第1の作業床41を第3の支点軸6によって水平に支持させた際に、昇降路1の壁面から遠い側に位置する第1の作業床41の端部に設けた固定部413a,413bに固定される作業手摺7を備えている。この作業手摺7は、第1の作業床41の固定部413a,413bに対して着脱可能に形成されている。また本実施形態は、第2の作業床42を第3の支点軸6によって水平に支持させた際に、昇降路1の壁面から遠い側に位置する第2の作業床42の端部に設けた固定部423a,423bに固定される作業手摺7を備えている。この作業手摺7は、第2の作業床42の固定部423a,423bに対して着脱可能に形成されている。例えば、第1の作業床41の端部に固定される作業手摺7と、第2の作業床42の端部に固定される作業手摺7とは、同一の作業手摺から成っている。
【0028】
このように構成した本実施形態は、図1,3に示すように、エレベータ機器2の高所部21の保守点検作業に際しては、第1の作業床41を昇降路1に近づくように、第1の支点軸51の軸周りに回動させて、この第1の作業床41を昇降路1の壁面に沿うように配置し、この第1の作業床41に連結された第2の作業床42が取り付けられる第2の支点軸52をベース部3の上部に装着させる。この状態において、ベース部3に取り付けられた第3の支点軸6を第2作業床42の支持部422に係着させることによって、この第2の支点軸6で床面が水平となるように第2の作業床42を支持させる。また、第2の作業床42の固定部423a,423bを介して作業手摺7を立設状態に固定する。
【0029】
この状態において点検作業者8は、公知の昇降用タラップや脚立等の昇降設備をピット床9に立設し、この昇降設備を介して第2の作業床42に乗り込む。このように高い位置に保持された第2の作業床42を利用して、点検作業者8はエレベータ機器2の高所部21の保守点検作業を行うことができる。
【0030】
また、図2,4に示すように、エレベータ機器2の低所部22の保守点検作業に際しては、第1の作業床41を昇降路1の壁面から離れるように、第1の支点軸51の軸周りに回動させて、この第1の作業床41を昇降路1内において横方向に展開させ、ベース部3に取り付けられた第3の支点軸6によって、床面が水平となるように第1の作業床41を支持させる。このとき、第1の作業床41に連結される第2の作業床42は、第1の作業床41から垂下された状態となる。また、第1の作業床41の固定部413a,413bを介して作業手摺7を立設状態に固定する。
【0031】
この状態において点検作業者8は、公知の昇降用タラップや脚立等の昇降設備をピット床9に立設し、この昇降設備を介して第1の作業床41に乗り込む。このように低い位置に保持された第1の作業床41を利用して、点検作業者8はエレベータ機器2の低所部22の保守点検作業を行うことができる。
【0032】
例えば、このようなエレベータ機器2の保守点検作業中に、図6に示すように乗りかご10を昇降させる必要が生じた際には、前述した図2に示すエレベータ機器2の低所部22の保守点検作業を可能とする配置形態から第3の支点軸6による第1の作業床41の支持を解いた状態に変化させることが行われる。これにより図5に示すように、第3の支点軸6がベース部3から昇降路1の壁面に沿って垂下するとともに、第1の作業床41が、ベース部3の下部に取り付けた第1の支点軸51に吊持されて、この第1の支点軸51から昇降路1の壁面に沿って垂下し、さらに第1の作業床41に連結された第2の作業床42が第1の作業床41からピット床9方向に垂れさがり。ピット床9に当接した状態で保持される。このような退避形態とすることにより、図6に示すように、乗りかご10を本実施形態に係る点検用作業台に干渉することなく昇降させることができる。
【0033】
このように本実施形態は、作業床の高さ位置を変更可能であるとともに、乗りかご10の昇降に際して容易に対応させることができる。これにより、保守点検作業の能率を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態は、ピット床9に作業床等を固定する部材を備えることがなく、ベース部3は第1の作業床41と第2の作業床42の高さ位置を規定するに足る程度の比較的短い長さ寸法を有するものであればよく、また作業床は、第1の作業床41と第2の作業床42の2つの作業床で済むことから、全体構造の小型化を実現させることができる。これにより、製作コストを安くすることができる。
【0035】
また、作業手摺7を第1の作業床41と第2の作業床42とに兼用できるので、部材数を少なくすることができ、経済的である。
【0036】
なお、前述した実施形態では、ベース部3を、第1の作業床41を昇降路1の壁面に沿って吊持し、第2の作業床42を昇降路1のピット床9に当接させる高さ位置に設けてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、ベース部3を、第1の作業床41と第2の作業床42を昇降路1の壁面に沿って吊持する高さ位置に設けた構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 昇降路
2 エレベータ機器
21 高所部
22 低所部
3 ベース部
41 第1の作業床
411a 連結部
411b 連結部
412 支持部
413a 固定部
413b 固定部
42 第2の作業床
421a 連結部
421b 連結部
422 支持部
423a 固定部
423b 固定部
51 第1の支点軸
52 第2の支点軸
6 第3の支点軸
7 作業手摺
8 保守作業員
9 ピット床
10 乗かご
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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