特許第5706382号(P5706382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5706382無線LAN親機のリモート判別方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706382
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】無線LAN親機のリモート判別方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/26 20090101AFI20150402BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20150402BHJP
【FI】
   H04W8/26 110
   H04W84/12
【請求項の数】22
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-201135(P2012-201135)
(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-57232(P2014-57232A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2014年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲也
【審査官】 重田 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−198571(JP,A)
【文献】 特開2010−219753(JP,A)
【文献】 特開2005−286941(JP,A)
【文献】 特開2011−244358(JP,A)
【文献】 特開2011−199408(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/081460(WO,A1)
【文献】 特開2004−128613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して無線LANの親機を判別する方法であって、
前記ネットワークに接続されたサーバが前記親機の固有情報を予め登録し、
前記無線LANの端末が前記親機から光学的読み取り方法で取得した認識判定情報と前記親機との無線接続により取得した当該親機の認識判定情報とが一致した場合に、前記親機の固有情報を前記サーバへ通知し、
前記サーバが前記登録された固有情報と前記端末から通知された固有情報との一致/不一致を判定する、
ことを特徴とする無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項2】
前記光学的読み取り方法は、前記親機に添付された二次元バーコード情報の読み取りであることを特徴とする請求項に記載の無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項3】
前記親機の固有情報は前記親機の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであることを特徴とする請求項1または2に記載の無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項4】
前記認識判定情報は前記親機のベーシックサービスセット識別子(BSSID)あるいは前記親機のサービスセット識別子(SSID)であることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項5】
前記端末は、
前記端末が光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致すれば前記MACアドレスを前記サーバへの通知し、
前記端末が光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致しなければ、前記端末が光学的読み取り方法で取得したSSIDと前記親機との無線接続により取得したSSIDとを比較し、それらが一致した場合に前記MACアドレスを前記サーバへの通知する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項6】
前記端末は、特定の通信事業者のネットワークで利用可能な携帯端末であることを特徴とする請求項1−のいずれか1項に記載の無線LAN親機のリモート判別方法。
【請求項7】
ネットワークを介して無線LANの親機を判別するシステムであって、
前記ネットワークに接続されたサーバが前記親機の固有情報を予め登録し、
前記無線LANの端末が前記親機から光学的読み取り方法で取得した認識判定情報と前記親機との無線接続により取得した当該親機の認識判定情報とが一致した場合に、当該親機の固有情報を前記サーバへ通知し、
前記サーバが前記登録された固有情報と前記端末から通知された固有情報との一致/不一致を判定する、
ことを特徴とする無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項8】
前記光学的読み取り方法は、前記親機に添付された二次元バーコード情報の読み取りであることを特徴とする請求項に記載の無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項9】
前記親機の固有情報は前記親機の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであることを特徴とする請求項7または8に記載の無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項10】
前記親機の認識判定情報は前記親機のベーシックサービスセット識別子(BSSID)あるいは前記親機のサービスセット識別子(SSID)であることを特徴とする請求項7または8に記載の無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項11】
前記端末は、
前記端末が光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致すれば前記MACアドレスを前記サーバへの通知し、
前記端末が光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致しなければ、前記端末が光学的読み取り方法で取得したSSIDと前記親機との無線接続により取得したSSIDとを比較し、それらが一致した場合に前記光学的読み取り方法で取得したMACアドレスを前記サーバへの通知する、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項12】
前記端末は、特定の通信事業者のネットワークで利用可能な携帯端末であることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載の無線LAN親機のリモート判別システム。
【請求項13】
ネットワークを介して無線LANの親機を判別するサーバを有するリモート判別システムにおける前記無線LANの端末装置であって、
前記親機に添付された当該親機の認識判定情報を取得する第1取得手段と、
前記親機との無線接続により当該親機の認識判定情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得された認識判定情報と前記第2取得手段により取得された認識判定情報とが一致した場合に当該親機の固有情報を前記サーバへ通知する親機判定手段と、
を有することを特徴とする無線LANの端末装置。
【請求項14】
前記第1取得手段は、光学的読み取り方法で前記親機に添付された固有情報を取得することを特徴とする請求項13に記載の無線LANの端末装置。
【請求項15】
前記光学的読み取り方法は、前記親機に添付された二次元バーコード情報の読み取りであることを特徴とする請求項14に記載の無線LANの端末装置。
【請求項16】
前記親機の固有情報は前記親機の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであることを特徴とする請求項1315のいずれか1項に記載の無線LANの端末装置。
【請求項17】
前記親機の認識判定情報は前記親機のベーシックサービスセット識別子(BSSID)あるいは前記親機のサービスセット識別子(SSID)であることを特徴とする請求項1315のいずれか1項に記載の無線LANの端末装置。
【請求項18】
前記親機判定手段は、光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致すれば前記MACアドレスを前記サーバへの通知し、光学的読み取り方法で取得したMACアドレスと前記親機との無線接続により取得したMACアドレスとが一致しなければ、光学的読み取り方法で取得したSSIDと前記親機との無線接続により取得したSSIDとを比較し、それらが一致した場合に前記光学的読み取り方法で取得したMACアドレスを前記サーバへの通知する、ことを特徴とする請求項1315のいずれか1項に記載の無線LANの端末装置。
【請求項19】
特定の通信事業者のネットワークで利用可能な携帯端末であることを特徴とする請求項1318のいずれか1項に記載の無線LANの端末装置。
【請求項20】
ネットワークを介して無線LANの親機を判別するサーバを有するリモート判別システムにおける前記無線LANの端末装置の制御方法であって、
前記親機に添付された当該親機の認識判定情報を取得し、
前記親機との無線接続により当該親機の認識判定情報を取得し、
前記第1取得手段により取得された認識判定情報と前記第2取得手段により取得された認識判定情報とが一致した場合に当該親機の固有情報を前記サーバへ通知する、
ことを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項21】
光学的読み取り方法で前記親機に添付された認識判定情報を取得することを特徴とする請求項20に記載の端末装置の制御方法。
【請求項22】
前記親機に添付された二次元バーコード情報を読み取ることで前記認識判定情報を取得することを特徴とする請求項21に記載の端末装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザ側に設置された無線LAN(Local Area Network)の親機をリモート判別する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LANの普及に伴い、携帯電話機や無線通信機能を有するモバイルコンピュータ等の携帯端末を無線LAN経由でインターネットに接続することが日常的に行われている。これに対して、ユーザ宅あるいはオフィス内に設置された無線LANの親機(無線ルータあるいは無線アクセスポイント)は、インターネットに常時接続されているにも拘わらず、実際に携帯端末が接続してデータ送受信を行う時間は相対的に短く、ユーザ側無線LANの利用率は低いと言わざるを得ない。
【0003】
そこで、たとえば特許文献1に開示されたネットワークシステムでは、ユーザ側無線LANの低利用率が回線利用料を割高にするという観点から、加入者宅内の無線LANを第三者にも開放し、第三者による無線LAN利用に応じて加入者の回線利用料を減額するというインセンティブを設けた。これにより、無線LANの設置数を増加させ、無線LANの利便性を更に促進させようというわけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−312088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された加入者回線利用料を減額するシステムでは、ユーザにとって無線LAN利用の誘因にはなり得ても、実際にどの無線LAN親機が設置され無線設定されているかを直接確認することができない。このために、無線LAN親機の設置に関する詳細な基礎データを得ることができず、利用率向上のための有効な対策を困難にしている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、無線LAN親機が設置され無線設定されているかを個別に確認することを可能にする、無線LAN親機のリモート判別方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるリモート判別方法は、ネットワークを介して無線LANの親機を判別する方法であって、前記ネットワークに接続されたサーバが前記親機の固有情報を予め登録し、前記無線LANの端末が前記親機から光学的読み取り方法で取得した認識判定情報と前記親機との無線接続により取得した当該親機の認識判定情報とが一致した場合に、前記親機の固有情報を前記サーバへ通知し、前記サーバが前記登録された固有情報と前記端末から通知された固有情報との一致/不一致を判定する、ことを特徴とする。
本発明によるリモート判別システムは、ネットワークを介して無線LANの親機を判別するシステムであって、前記ネットワークに接続されたサーバが前記親機の固有情報を予め登録し、前記無線LANの端末が前記親機から光学的読み取り方法で取得した認識判定情報と前記親機との無線接続により取得した当該親機の認識判定情報とが一致した場合に、当該親機の固有情報を前記サーバへ通知し、前記サーバが前記登録された固有情報と前記端末から通知された固有情報との一致/不一致を判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無線LAN親機が設置され無線設定されているかを個別に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本発明の第1実施形態によるリモート判別システムの概略的構成および動作を示すネットワーク図である。
図2図2は本発明の第2実施形態によるリモート判別システムの動作を示すシーケンス図である。
図3図3は本発明の第1実施例によるリモート判別システムの無線端末および無線親機の機能構成を示すブロック図である。
図4図4図3に示すシステムにおける親機認識動作の第1例を示すシーケンス図である。
図5図5図3に示すシステムにおける親機認識動作の第2例を示すシーケンス図である。
図6図6図3に示すシステムにおける親機認識動作の第3例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態によれば、サーバが無線LANの親機の固有情報を登録しておき、当該無線LANの端末が当該親機を認識することで固有情報をサーバへ通知する。これにより、サーバは登録固有情報と通知固有情報との一致/不一致を判定することができ、無線LAN親機が設置され無線設定されているかを個別に確認することが可能となる。特に、無線LANの端末は、無線通信以外の方法で取得した親機の認識判定情報と当該親機との無線接続により取得した認識判定情報とを比較することで当該親機を認識する。認識判定情報が一致した場合のみ当該親機の固有情報をサーバへ通知することで、端末でチェックされた固有情報のみをサーバへ通知することができる。これにより、サーバの検索範囲を限定して検索負荷を軽減し、さらにネットワークトラフィックを低減することができる。以下、本発明の実施形態および実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態によるリモート判別システムによれば、無線LANの端末が無線LANの親機を認識して当該親機の固有情報をサーバへ通知し、サーバが事前に登録された固有情報と端末から通知された固有情報との一致/不一致を判定する。
【0012】
1.1)システム構成
図1に示すように、本実施形態によるリモート判別システムは、無線LANを構成する無線親機10および無線端末11と、無線親機10が接続するインターネット等のIPネットワーク12と、IPネットワーク12に接続する突き合わせサーバ13およびそのデータベース13aと、からなる。
【0013】
無線親機10はIPネットワーク12に接続した無線ルータあるいは無線アクセスポイントなどであり、無線親機10が制御する無線ゾーン内にある複数の無線端末との間で無線通信を行うことができる。無線端末11は無線親機10の子機として動作しうる携帯電話機あるいはモバイルコンピュータ等の携帯端末である。たとえば、無線端末11として機能する携帯端末を持っているユーザが無線親機10を購入して自宅に設置することで、所有する携帯端末を無線親機10を通してインターネットに接続することが可能となる。
【0014】
突き合わせサーバ13は、無線親機10の固有情報をデータベース13aに予め登録しておく。ここで、固有情報は、無線親機10を特定できる固有コードであり、たとえば無線親機10の媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)アドレスを利用することができる。突き合わせサーバ13は、無線端末11から無線親機10の固有情報が通知されると、データベース13aの登録固有情報を検索し、当該固有情報を持つ無線親機10を判別することができる。
【0015】
1.2)動作
図1において、まず、突き合わせサーバ13は、無線親機10の製造者あるいは配送サービス提供者等から当該無線親機10の固有情報(MACアドレスなどの固有コード)を受け取り、データベース13aに予め登録しておく(動作S1)。
【0016】
ユーザが無線親機10を自宅に設置してIPネットワーク12に接続し、無線端末11を無線親機10に無線接続すると、無線端末11は無線親機10の認識判定情報により当該無線親機10を認識し(動作S2)、認識が成立した場合に、当該親機の固有情報を突き合わせサーバ13へ通知する(動作S3)。なお、認識判定情報は、無線親機10の認識が可能となる特定情報であればよく、親機の固有情報をそのまま使用することもできる。突き合わせサーバ13は、無線端末11から無線親機10の固有情報が通知されると、データベース13aの登録固有情報を検索し、一致する登録固有情報がヒットすれば、当該固有情報を持つ正規の無線親機10がユーザ側で設置されたことを認識する。
【0017】
1.3)効果
本発明の第1実施形態によれば、無線端末11が無線親機10を認識して固有情報を突き合わせサーバ13へ通知し、突き合わせサーバ13が事前に登録された固有情報と無線端末11から通知された固有情報との一致/不一致を判定することで、無線親機10が設置され無線設定されているかを個別に確認することが可能となる。
【0018】
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態によれば、無線LANの端末において、無線通信以外の方法で取得した親機の認識判定情報と当該親機との無線接続により取得した当該親機の認識判定情報とを比較し、一致した場合のみ当該親機の固有情報をサーバへ通知し、サーバが登録固有情報と通知固有情報との一致/不一致を判定する。このように、無線LAN端末で検証済みの固有情報のみをサーバへ通知するので、サーバの検索負荷を軽減することができ、さらにネットワークトラフィックを抑制することができる。
【0019】
2.1)システム構成
第2実施形態によるシステム構成は図1に示すとおりであるから説明は省略するが、無線端末11と無線親機10との間の認識判定情報チェック動作が異なっている。
【0020】
2.2)動作
図2に示すように、まず、突き合わせサーバ13は、無線親機10の製造者あるいは配送サービス提供者等から当該無線親機10の固有情報(MACアドレスなどの固有コード)を受け取り、データベース13aに予め登録しておく(動作S20)。
【0021】
ユーザは、無線親機10を自宅に設置してIPネットワーク12に接続し、無線親機10に添付された親機の認識判定情報/固有情報を含む親機情報を無線通信以外の方法(手動や後述する二次元バーコードなどの光学的読み取り方法)により入力する(動作S21)。この親機情報の入力により無線親機10および無線端末11の無線設定手順を開始することが望ましい。たとえば、無線端末11がスマートフォン等の携帯電話機であれば、当該携帯電話機のキャリア経由で自動設定アプリをダウンロードし、親機情報を入力することで、自動設定アプリが起動して無線親機10および無線端末11の無線接続設定が自動的に実行される(動作S22)。この無線設定の過程で無線端末11は無線親機10の認識判定情報を取得する(動作S23)。
【0022】
無線端末11は、動作S21において無線通信以外の方法で取得した認識判定情報と、動作S23において無線接続により取得した認識判定情報とを比較し、一致した時のみ、当該無線親機10の固有情報を突き合わせサーバ13へ通知する(動作S25)。突き合わせサーバは、無線端末11から無線親機10の固有情報が通知されると、通知された固有情報を用いてデータベース13aを検索し、登録された固有情報がヒットすれば、当該固有情報を持つ正規の無線親機10がユーザ側で設置されたことを認識する(動作S26)。
【0023】
2.3)効果
本発明の第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、次の効果を奏する。すなわち、無線端末11で検証済みの固有情報のみを突き合わせサーバ13へ通知するので、登録されていない固有情報の検索という不要な動作を回避することができ、突き合わせサーバ13の検索負荷を軽減することができる。さらに、無線端末11で検証済みの固有情報のみを送信するのでIPネットワーク12の負荷も軽減できる。
【0024】
3.第1実施例
本発明の第1実施例による無線端末には二次元バーコードリーダ機能が設けられ、無線親機本体あるいは同梱のシートに当該無線親機の認識判定情報/固有情報を含む二次元バーコード情報が印刷されているものとする。さらに、二次元バーコード情報には、ダウンロードした自動設定アプリを起動する情報も含まれているものとする。
【0025】
図3において、本実施例による無線親機10は、無線LAN端末と無線通信を行う無線通信部101、IPネットワーク12あるいはホームゲートウェイとの通信を行うネットワーク通信部102、各種プロトコル処理を行うプロトコル処理部103、自局の認識判定情報/固有情報を格納する認識判定情報格納部104、および、親機の動作を制御するための制御部105を有する。なお、プロトコル処理部103および制御部105の機能はコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)上でプログラムを実行することにより実現することもできる。
【0026】
また、本実施例による無線端末11は、加入している通信事業者の基地局(図示せず。)および無線親機10と無線通信を行う無線通信部111、携帯端末あるいは無線LAN端末として機能するためのプロトコル処理を含むプロトコル処理部112、二次元バーコード情報読取部113、親機判定部114、および、携帯端末および無線LAN端末としての機能制御を行う制御部115を有する。二次元バーコード読取部113は、無線親機10の固有情報を含む二次元バーコード情報10aを図示しないカメラ機能を用いて読み取り、その中に含まれる無線親機10の認識判定情報を復号し、自動無線設定アプリを起動する。なお、プロトコル処理部112、親機判定部114および制御部115はコンピュータ(CPU)上でプログラムを実行することにより実現することもできる。
【0027】
4.親機認識動作
以下、二次元バーコード情報10aを用いた無線親機10の認識動作について、無線親機10のMACアドレスを取得できる場合と、MACアドレスを取得しないで他の手段により親機を認識する場合を例示して説明する。以下、図4図7において図2に示す動作と同等の動作には同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
4.1)MACアドレスを取得できる場合(第1例)
無線親機10がルータ動作を行う場合には、たとえばDHCPプロトコルを用いて、あるいは無線親機10のベーシックサービスセット識別子BSSID(Basic Service Set Identifier)から無線親機10のMACアドレスを容易に取得できる。
【0029】
図4において、無線端末11の二次元バーコード読取部113は二次元バーコード情報10aを読み取り、制御部115は読み取られた親機MACアドレスを入力し(動作S21)、無線親機10および無線端末11の無線接続設定を実行する(動作S22)。続いて、プロトコル処理部112によるDHCPプロトコル処理により、あるいは制御部115が無線親機10からのBSSID(通常、MACアドレスと同じ。)の通知により、無線親機10のMACアドレスを取得する(動作S23)。親機判定部114は、二次元バーコード情報10aの親機MACアドレスとDHCPプロトコルにより取得された親機MACアドレスとを認識判定情報として比較し、その一致/不一致を判定する(動作S24)。そして、一致した時のみ、制御部115は、親機MACアドレスを突き合わせサーバ13へ通知する(動作S25)。
【0030】
4.2)MACアドレスを取得できない場合(第2例)
無線親機10のルータ機能がオフとなり、アクセスポイントモードで動作している場合には、無線親機10のIPアドレスが確実に分からないためにMACアドレスを取得できない場合がある。この場合には、無線親機10のサービスセット識別子SSID(Service Set Identifier)を使用して無線親機10を認識する。SSIDは、無線親機10の動作モードに依存せずに(すなわち、WAN型回線種別に依存せずに)判別が可能である。
【0031】
図5に示すように、アクセスポイント動作をする無線親機10がホームゲートウェイ10bを介してIPネットワーク12に接続しているものとする。この場合、上述したように、無線端末11の二次元バーコード読取部113は二次元バーコード情報10aを読み取り、制御部115は読み取られた親機のMACアドレスおよびSSIDを入力し(動作S21)、無線親機10および無線端末11の無線接続設定を実行する(動作S22)。続いて、無線親機10からSSIDを取得すると(動作S23)、親機判定部114は、二次元バーコード情報10aの親機SSIDと無線接続により取得された親機SSIDとを認識判定情報として比較し、その一致/不一致を判定する(動作S24)。そして、一致した時のみ、制御部115は、親機MACアドレスを突き合わせサーバ13へ通知する(動作S25)。
【0032】
4.3)ハイブリッド方式(第3例)
上述した第1例および第2例を無線端末11に組み込むことにより、無線親機10がルータ動作している場合にはMACアドレスを用いて親機認識を行い、アクセスポイント動作している場合にはSSIDを用いて親機認識を行う。ただし、二次元バーコードの親機固有情報には、親機のMACアドレス(BSSID)とSSIDの両方が含まれているものとする。
【0033】
図6において、無線端末11の二次元バーコード読取部113は二次元バーコード情報10aを読み取り、制御部115は読み取られた親機MACアドレスおよびSSIDを入力する(動作S31)。そして、上述したように無線接続設定の後、可能であれば、無線親機10からMACアドレス(BSSID)を取得する(動作S32)。親機判定部114は、上述した第1例のように、二次元バーコード情報10aの親機MACアドレスとDHCPプロトコルにより取得された親機MACアドレスとが一致すれば(動作S33;YES)、親機MACアドレスを突き合わせサーバ13へ通知する(動作S34)。一致しなければ(動作S33;NO)、制御部115は、無線親機10からSSIDを取得し(動作S35)、続いて、親機判定部114は二次元バーコード情報10aの親機SSIDと無線接続により取得された親機SSIDとを比較し(動作S36)、一致した時のみ二次元バーコード情報10aの親機MACアドレスを突き合わせサーバ13へ通知する(動作S34)。
【0034】
4.4)その他の方式
親機認識動作は、上述した第1例〜第3例の他に、無線端末11から無線親機10へPing要求を行い、その応答から無線親機10のMACアドレスを取得することも可能である。Ping方式は無線親機10がルータ動作モードでもアクセスポイント動作モードでも利用可能である。
【0035】
また、UPnP(Universal Plug and Play)を用いて無線LANの機器を検索してMACアドレスを取得する方式もある。UPnP方式も、無線親機10がルータ動作モードでもアクセスポイント動作モードでも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は無線LANの親機および端末からなるシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 無線親機
10a 二次元バーコード
10b ホームゲートウェイ
11 無線端末
12 IPネットワーク
13 突き合わせサーバ
13a データベース
101 無線通信部
102 ネットワーク通信部
103 プロトコル処理部
104 固有情報格納部
105 制御部
111 無線通信部
112 プロトコル処理部
113 二次元バーコード読取部
114 親機判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6