(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各キャビティ領域が前記キャビティ領域内に対称軸を画定し、各キャビティ位置が、各個々のキャビティ領域中の前記機能的キャビティ位置の厳密に半分が前記対称軸の各側に配置されることを除き、互換的に構成可能である、請求項2に記載の射出成形システム。
前記キャビティプレート(210)に連結されている少なくとも1つのモジュールキャビティ領域プレート(300)を更に備え、各モジュールキャビティ領域プレートが、モジュールアセンブリとして前記互換性のあるマルチゲート供給システムのうちの1つ及び前記キャビティ領域のうちの1つを統合し、前記モジュールアセンブリが、単一ユニットとして、前記キャビテーションシステムへ挿入可能であり、かつ前記キャビテーションシステムから取り外し可能である、請求項2に記載の射出成形システム。
前記キャビティプレートがZ個のキャビティ領域を画定し、前記Z個のキャビティ領域の各々が等しい数C個のキャビティ位置を備え、各キャビティ位置が等しい数F個の機能的キャビティ位置を備え、Zが2〜30の整数であり、Cが2〜12の整数であり、Fが1〜Cの整数であり、前記射出成形システムの単一サイクルの間に成形部品を生産するように動作可能な成形型キャビティの数が、設備の一新又はいかなる標準部品の取替えを伴わずに、2〜CまでZの整数倍として拡張可能なように構成されている、請求項2に記載の射出成形システム。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書は、本発明を詳細に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と併せてなされる以下の説明から、更に十分に理解されると考える。
【
図1】拡張性のある射出成形システム全体に対する、拡張性のある面数システム及び拡張性のあるキャビテーションシステムの位置関係の詳細を指摘する拡張性のある射出成形システムの例を示す。
【
図2】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムを図示する。
【
図3A】
図2に示される拡張性のある面数システムの第1の構成を図示する。
【
図3B】
図2に示される拡張性のある面数システムの第2の構成を図示する。
【
図3C】
図2に示される拡張性のある面数システムの第3の構成を図示する。
【
図3D】
図2に示される拡張性のある面数システムの第4の構成を図示する。
【
図4A】単一の成形型キャビティの構成部品を図示する。
【
図4B】積み重ねられた成形型キャビティの構成部品を図示する。
【
図5】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムの更なる例を図示する。
【
図6A】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムの更なる例を図示する。
【
図6B】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムの更なる例を図示する。
【
図6C】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムの更なる例を図示する。
【
図6D】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のある面数システムの更なる例を図示する。
【
図7】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの構成部品の一般的な描写。
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図8】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの成形面部品の平面図。
【
図9】
図8に示される成形面部品に対応する、マニホルド構成例の斜視図。
【
図10】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの例とマニホルドの一級ドロップとの間の接続性の立体配置図。
【
図11A】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11B】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11C】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11D】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11E】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11F】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11G】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図11H】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの構成例。
【
図12】本明細書において記載される実施形態による、モジュールキャビティ領域アセンブリと成形面との間の相互接続性の分解図。
【
図13】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの2つの個々のキャビティ領域の相互接続性の平面図。
【
図14】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムのキャビティ面上のキャビティ位置の構成例を図示する。
【
図15】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの一部として、成形面対上のキャビティ及びコア位置の構成例を図示する。
【
図16】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの一部として、成形面対上のキャビティ及びコア位置の構成例を図示する。
【
図17】本明細書において記載される実施形態による、互換性のあるマルチゲート供給システムの2つの構成例の互換性を図示する。
【
図18】本明細書において記載される実施形態による、拡張性のあるキャビテーションシステムの一部として、成形面対上のキャビティ及びコア位置の構成例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の特徴及び利益は、特定の実施形態を時折参照して本明細書に記載されるだろう。しかし、本発明が異なる形態で実施されてもよく、本明細書において記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底され、完全な物であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。
【0019】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において説明に使用される用語は、単に特定の実施形態を記載するためであり、限定されるものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、同様に複数形を含むものとする。
【0020】
本特許において明示的に定義されない用語は、それらの単純又は通常の広義の意味で解釈される。「用語XがYを意味する...」と類似した表現がかかる用語を組み込む場合に限り、本特許において用語が明示的に定義されたと考えられる。特に指示がない限り、明示的に定義された用語Xが、提供された定義Yに従って定義されると理解されるだろう。
【0021】
特許請求の範囲外の本特許のいかなる項における記載も、特許請求の範囲内のいかなる用語の意味の限定を暗示するものとして解釈されない。特許請求の範囲外の用語の参照が、用語の単一の意味とだけ一致する場合でも、用語が特許請求の範囲内で詳述されたとき、用語が単一の意味に限定されるということは意図及び暗示されない。そのような例においては、特許請求の範囲外の単一の意味の使用は、明確化の目的だけを意図している。
【0022】
請求項の限定が、いかなる構造の詳述も伴わずに、その語の「意味」及び機能を詳述することによって定義されるものでない限り、請求項の限定の範囲が、米国特許法第35条112節第6段落の適用に従って解釈されることは意図しない。
【0023】
いずれの用語も、本発明に不可欠なものとして記載されていない限りは、本発明に不可欠なものではないことが意図される。更に、「好ましくは」、「概して」、「一般的に」、及び「典型的に」という用語は、請求される発明の範囲を限定する、又は一定の特徴が請求される発明の構造又は機能にとって重大、不可欠、又は更には重要であることを暗示するものでない。むしろこれらの用語は、本発明の特定の実施形態の中で使用されてもよい又は使用されなくてもよい代替的又は追加的特長を強調することだけを意図している。
【0024】
量に対して、「実質的に」という用語の使用は、定量的な比較、値、寸法、又は他の表現が固有の不確実性の度合いを有すると考慮し、意図されるものである。この意味で、「実質的に」とは、量を測定又は決定する固有の誤差内に値を包含するために、量の範囲を広げる。「実質的に」という用語はまた、定量的表現が、問題となる対象物の基本的機能に変化をもたらすことなく、記載の基準から変動する度合いを表すためにも利用される。
【0025】
特に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用される量を表す全ての数は、全ての場合において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、特に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載の数値的性質は、本発明の実施形態において得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。本発明の広い範囲を示している数値範囲及びパラメータは近似値であるけれども、具体的な実施例を示している数値は、できる限り正確に報告されている。当業者は、いかなる数値も、値を確定するために使用される測定技術に起因する一定の誤差を本質的に包含することを理解するだろう。
【0026】
本明細書において、「キャビティ」及び「コア」という用語の記述は、対向する部品の対を単に区別する手段として意図され、「コア」として指定される部品が、「キャビティ」として指定される対応する部品にはめ込まれなければならないことを暗示しているとして解釈されるべきではない。むしろ、「コア」として記述される部品が、実際には、一般的に理解される意味に従う「キャビティ」であってもよいということが理解され、明白になるであろうが、但し、「キャビティ」として記述される対応する部品が、実際には、一般的に理解される意味に従う「コア」となる。そのような状況においては、いわゆるキャビティが、実際にはいわゆるコアの中にはめ込まれる場合がある。いかなる点においても、明確に記載されるか又はそのように推定することが明らかに誤りでない限り、以下の説明文中の「キャビティ」という用語は全ての場合、「コア」という用語に置き換えられてもよく、「コア」という語は全ての場合、「キャビティ」という用語に置き換えられてもよい。
【0027】
図1を参照すると、拡張性のある射出成形システム1の例示的実施形態が図示されている。拡張性のある射出成形システム1が、成形プレス10のA側20上にA側壁25及び成形プレス10のB側30上にB側壁35を有する成形プレス10を備える。B側30がA側20の反対側にある。拡張性のある射出成形システム1が、成形プレス10に連結された射出ユニット45を備える、少なくとも1つの配送システム40を更に備える。拡張性のある射出成形システム1が、2つの配送システム40を有して示されるが、拡張性のある射出成形システム1が、2つの配送システム40に限定されたものではなく、ユーザーのニーズに応じて拡張性のある射出成形システム1の拡張性に対する潜在能力を増加させるために、1つの配送システム40だけ又は3つ以上の配送システムを有してもよい。射出ユニット45が、溶融材料47を射出ユニット45と流体連通状態にあるマニホルド50へ配送するために動作可能である。射出ユニット45が、高圧で溶融材料47をマニホルド50へ配送してもよい。成形プレス10の動作中、少なくとも1つの成形面対60が、成形面対60のキャビティ面62と、対向するコア面64とを一緒に押し固める。
【0028】
成形型キャビティアセンブリ80の共通する特徴を強調する詳細図が
図4Aに示される。
図4Aに示される成形型キャビティアセンブリ80が、拡張性のある射出成形システムの実施形態をいかなる特定の成形型形状又は構成にも限定するという意図を伴わずに、以下で更に詳細が記載される成形型キャビティの共通の特徴を示すためだけに選択される。成形型キャビティが、当業者に既知の多くの構成に従って構成されてもよいということが理解されるだろう。成形型キャビティアセンブリ80が、キャビティプレート70及びコアプレート75を備えてもよい。キャビティインサート90がキャビティプレート70に付着され、コアインサート95がコアプレート75に付着される。キャビティプレート70が、成形される部品の片側の表面輪郭に対応する凹みを画定する表面を有するキャビティ面62を有する。コアプレート75が、部品の反対側の表面輪郭に対応する突起を画定する表面を有するコア面64を有する。キャビティプレート70とコアプレート75とが一緒に押し固められるときに、1つ以上の案内ピン82が、反対のプレート上にある1つ以上の対応する案内穴84中にスライドするように、成形型キャビティアセンブリ80が、プレートのうちの1つに付着される1つ以上の案内ピン82を備えてもよい。成形型キャビティアセンブリ80が、キャビティプレート70又はコアプレート75上の開口部(示されていない)を通じて配送システム(示されていない)と流体連通状態にあってよい。
【0029】
図1を振り返って参照すると、拡張性のある射出成形システム1が、拡張性のある面数システム100及び拡張性のあるキャビテーションシステム200からなる群から選択される少なくとも1つの拡張性のあるシステムを更に備える。
【0030】
本明細書において使用されるところの、任意の所与の射出成形システムに対する「面数」という用語は、部品を生産するための継続成形工程の間にいかなる段階又はサイクルでも動作する成形面の対の数を指す。システムの面数が、例えば、「片面」、「両面」、「6面」、又は更には「複数面」のような用語を使用して表されてもよい。具体的には、成形面の一定の対が、継続射出成形工程のいくつかのサイクルの間に「非作動」として、指定される場合及び他のサイクルの間に「作動」として指定される場合、射出成形システムの面数が、射出成形システム内に実際に存在する成形面の対の数を超えてもよい。
【0031】
本明細書において使用されるところの、「拡張性のある面数システム」という用語は、取り替える必要性又は著しく設備を一新する必要性又は射出成形装置の標準部品を再構成する必要性を伴わずに、1から成形面対の数に及ぶ面数で動作するために選択的に構成可能である2つ以上の成形面対を備えるシステムを指す。本明細書において使用されるところの、「選択的に構成可能な」とは、成形サイクルの間に作動状態である成形面の数が、成形装置上の様々な部品を作動化又は非作動化することなどにより、簡潔な方法で成形装置の操作者によって選択され得ることを意味する。以下で更に詳細が記載されるとおり、拡張性のある面数システム100が、部品を生産するために作動状態である成形面対60の数に対する拡張性のある射出成形システム1に一次元の拡張性を付与する。このため、拡張性のある面数システム100が、2つの配送システム40の間の全ての成形面対60に関して
図1に示される。
【0032】
本明細書において使用されるところの、「拡張性のあるキャビテーションシステム」とは、画定されるキャビティ位置の数を有する少なくとも1つの個々の成形面対中に組み込まれるシステムを指し、それによって、取り替える必要性又は著しく設備を一新する必要性又は射出成形装置の標準部品を再構成する必要性を伴わずに、個々の成形面対の1から最大キャビテーションまでのいかなる数の部品をも生産するために、個々の成形面対が独立してかつ互換的に構成可能である。本明細書において使用されるところの、「独立してかつ互換的に構成可能」とは、いずれかの他の特定のキャビティ位置が機能的であるか非機能的であるかを顧慮せずに、継続射出成形工程の過程において生産される部品の数を増減させるために、1つ以上のキャビティが非作動状態から作動状態へ、又は作動状態から非作動状態へ変更されてもよいことを意味する。
【0033】
拡張性のあるキャビテーションシステム200が拡張性のある射出成形システム1に二次元の拡張性を付与するが、それは成形面対60それ自身に対するものである。拡張性のあるキャビテーションシステム200が、厳密に1つの配送システムと流体連通状態にある成形面の単一の対へ又は成形面の全ての対へ拡張性を付与し得る。同様に、拡張性のある射出成形システム1が、拡張性のある面数システム100及び1つ以上の拡張性のあるキャビテーションシステム200の両方を備えてもよい。拡張性のある射出成形システム1が、拡張性のある射出成形システム1内に存在する配送システム40の数までの、ある数の拡張性のあるキャビテーションシステムを備えてもよい。
【0034】
図2を参照すると、拡張性のある面数システムの例示的実施形態が図示されている。
図2の拡張性のある面数システムは、単一中間部の拡張性のある面数システム101として構成される。単一中間部の拡張性のある面数システム101が、A側壁25に連結され、A側マニホルド115Aと流体連通状態にあるA側射出ユニット(示されていない)を有するA側配送システムを備える。A側及びB側配送システムがB側壁35に連結され、B側マニホルド115Bと流体連通状態にあるB側射出ユニット(示されていない)を有する。A側成形プレート120が、A側マニホルド115Aに直接連結され、成形プレス10のB側壁35に面するA側成形面を画定する。A側及びB側成形面125が、B側マニホルドに直接連結され、成形プレス10のA側壁25に面するB側成形面を画定する。
【0035】
各拡張性のある面数システムが、A側成形面120とB側成形面125との間に位置付けられる少なくとも1つの中間部アセンブリを備え、少なくとも1つの中間部アセンブリが回転可能な中間部アセンブリ130を備える。
図2を参照すると、単一中間部の拡張性のある面数システム101において、回転可能な中間部アセンブリ130がA側成形面120とB側成形面125との間に配置され、回転軸135の周りを回転動作可能である。回転軸135がA側成形面120と平行である。以下で更に詳細が記載されるとおり、回転可能な中間部アセンブリ130が少なくとも2対の平行な成形面を備える。平行な成形面の各対が、A側に対向する成形面及びB側に対向する成形面を備える。
図2の回転可能な中間部アセンブリ130上に、平行な成形面の対が、(1)第1のA側に対向する成形面140及び第1のB側に対向する成形面145からなる第1の対、並びに(2)第2のA側に対向する成形面150及び第2のB側に対向する成形面155からなる第2の対として示される。以下で更に詳細が記載されるとおり、各成形面が、非作動状態又は作動状態であってもよい1つ以上のキャビティ位置又はコア位置を備える。作動キャビティ位置がキャビティプレートで占有されてもよく、作動コア位置がコアプレートで占有されてもよい。例えば、第1のA側に対向する成形面140が、成形面中にはめ込まれたキャビティプレート70を有して示され、12個のキャビティ位置を表す。同様に、第2のB側に対向する成形面155が、成形面中にはめ込まれたコアプレート75を有して示され、12個のコア位置を表す。
図2に示される回転可能な中間部アセンブリ130が、厳密に2対の平行な面を有し、直方体又は立方体として構成されるが、六角柱又は八角柱のような他の幾何学的な立体が使用され得るということが考えられる。
【0036】
拡張性のある面数システム100を備える拡張性のある射出成形システム1が、少なくとも4つの構成において選択的に構成可能であり得る。例えば、単一中間部の拡張性のある面数システム101が、
図3A〜3Dに示される4つの構成において選択的に構成可能である。
図3Aは、片側固定中間部構成170を図示する。
図3Bは、両側固定中間部構成175を図示する。
図3Cは、片側振動中間部構成180を図示する。
図3Dは、両側振動中間部構成185を図示する。
【0037】
本明細書において使用されるところの、「作動成形面」という用語は、成形面が隣接した対向する成形面に平行であることと、コア面又はキャビティ面にそれぞれ適用できるように、成形面及び隣接した対向する成形面の両方が、1つ以上のコアインサート又はキャビティインサートで装備されることと、成形サイクルの間に成形される部品を形成するために、溶融材料が成形面と、噛み合う成形面との間に形成されるキャビティ中に射出されることと、を意味する。本明細書において使用されるところの、「非作動成形面」という用語は、以下のうちの少なくとも1つである成形面を指す:(1)例えば、全てがプラグ若しくは当該技術分野において既知の任意の他のデバイスで満たされるキャビティ位置を有する成形面のような、成形される部品の生産が可能ないかなるコアインサート及びキャビティインサートも装備されない成形面、又は(2)成形する部品に資する特徴を有さないが、成形プレスを適切なバランス若しくは圧力に維持した状態に保つブランクプレート、又は(3)1つ以上の成形型キャビティを形成するために対向する成形面と噛み合う1つ以上のコアインサート若しくはキャビティインサートを有するが、動作可能な配送システムと流体連通状態にある成形型キャビティが1つもない成形面、又は(4)隣接した対向する成形面と平行でない成形面。「作動成形面」及び「非作動成形面」という両方の用語は、単一成形サイクルに対して又は複数の成形サイクルを備える継続成形工程に対して使用されてもよい。継続成形工程の間に成形面が「作動」状態であり、それによって、成形面が、継続成形工程における少なくとも1つの成形サイクルの間に作動成形面である場合、たとえ成形面が、継続成形工程の全ての成形サイクルの間に作動成形面でない場合であっても、継続成形工程の間に射出成形システムの面数に考慮される。
【0038】
図3Aに示される片側固定中間部構成170においては、単一中間部の拡張性のある面数システム101が片面システムとして動作する。A側射出ユニット110Aが、A側マニホルド115A及びA側成形面120中へ材料を供給するために動作可能である。B側射出ユニット110Bが遮断される。回転可能な中間部アセンブリ130は、全ての成形工程の間に固定が保持される。同様に、回転可能な中間部アセンブリ130上のA側成形面120及び第1のA側に対向する成形面140だけが作動成形面である。B側成形面125、第1のB側に対向する成形面145、第2のA側に対向する成形面150、及び第2のB側に対向する成形面155の各々が非作動成形面である。
【0039】
図3Bに示される両側固定中間部構成175においては、単一中間部の拡張性のある面数システム101が両面システムとして動作する。ここで、A側射出ユニット110A及びB側射出ユニット110Bの両方が動作可能である。A側射出ユニット110Aが、A側マニホルド115A及びA側成形面120中へ材料を供給するために動作可能である。B側射出ユニット110Bが、B側マニホルド115B及びB側成形面125中へ材料を供給するために動作可能である。回転可能な中間部アセンブリ130は、全ての成形工程の間に固定が保持される。したがって、回転可能な中間部アセンブリ130上のA側成形面120及び第1のA側に対向する成形面140が作動成形面であり、回転可能な中間部アセンブリ130上のB側成形面125及び第1のB側に対向する成形面145が作動成形面である。
【0040】
図3Cに示される片側振動中間部構成180においては、単一中間部の拡張性のある面数システム101も両面システムとして動作するが、成形サイクルの間で振動する回転可能な中間部アセンブリ130の利点を伴う。回転可能な中間部アセンブリ130の振動は以下で更に詳細が記載される。片側振動中間部構成180においては、A側射出ユニット110Aが、A側マニホルド115A及びA側成形面120中へ材料を供給するために動作可能であるが、B側射出ユニット110Bは遮断される。交代性の第1の成形サイクル及び第2の成形サイクルを備える継続成形工程の間、A側成形面120が常に作動成形面である。回転可能な中間部アセンブリ130上の第1のA側に対向する成形面140が、第1の成形サイクルの間に作動成形面であり、第2の成形サイクルの間に非作動成形面である。第2のA側に対向する成形面150が、第1の成形サイクルの間に非作動成形面であり、第2の成形サイクルの間に作動成形面である。第1の成形サイクルにおいては、A側成形面120と第1のA側に対向する成形面140との間に部品が生産される。そこで、回転可能な中間部アセンブリ130が第1の方向へ回転される。次いで、第2の成形サイクルにおいては、A側成形面120と第2のA側に対向する成形面150との間に部品が生産される。回転可能な中間部アセンブリ130が第1の方向と反対である第2の方向へ回転され、別の第1の成形サイクルが開始可能である。全ての継続成形工程の間、B側成形面125、第1のB側に対向する成形面145、及び第2のB側に対向する成形面155の各々が非作動成形面である。
【0041】
図3Dに示される両側振動中間部構成185においては、成形サイクルの間で振動する回転可能な中間部アセンブリ130の追加された利点を有する4面システムとして、単一中間部の拡張性のある面数システム101が動作する。両側振動中間部構成185の面数が4つであり、なぜなら、いかなる1つのサイクルの間も、2つの成形面対だけが部品を生産するために使用されるにもかかわらず、継続成形工程中、継続成形工程の1つ以上の成形サイクルの間に4つの一意的な成形面対が作動状態であるからである。ここで、A側射出ユニット110A及びB側射出ユニット110Bの両方が動作可能である。A側射出ユニット110Aが、A側マニホルド115A及びA側成形面120中へ材料を供給するために動作可能である。B側射出ユニット110Bが、B側マニホルド115B及びB側成形面125中へ材料を供給するために動作可能である。交代性の第1の成形サイクル及び第2の成形サイクルを備える継続成形工程の間、A側成形面120及びB側成形面125の両方が常に作動成形面である。第1の成形サイクルにおいては、第1のA側に対向する成形面140及び第1のB側に対向する成形面145が作動成形面であるが、第2のA側に対向する成形面150及び第2のB側に対向する成形面155が非作動成形面である。したがって、第1の成形サイクルにおいては、A側成形面120と第1のA側に対向する成形面140との間、及びB側成形面125と第1のB側に対向する成形面145との間にも部品が生産される。そこで、回転可能な中間部アセンブリ130が第1の方向へ回転される。第2の成形サイクルにおいては、第2のA側に対向する成形面150及び第2のB側に対向する成形面155が作動成形面であるが、第1のA側に対向する成形面140及び第1のB側に対向する成形面145が非作動成形面である。したがって、第2の成形サイクルにおいては、A側成形面120と第2のA側に対向する成形面150との間、及びB側成形面125と第2のB側に対向する成形面155との間にも部品が生産される。回転可能な中間部アセンブリ130が第1の方向と反対である第2の方向へ回転され、別の第1の成形サイクルが開始可能である。
【0042】
単一中間部の拡張性のある面数システム101の4つの構成の可用性は、成形工程を出力ニーズに合わせることである。例えば、片側固定中間部構成170が単位時間あたりの最低の生産量を有し、需要が例外的に高くないときに、製品開発の初期段階の間に適切であり得る。両側固定中間部構成175が、所与の特定期間中に2倍の数の部品を生産し、同時に2つの異なる部品を生産する柔軟性も可能にする。
【0043】
片側振動中間部構成180及び両側振動中間部構成185中の回転可能な中間部アセンブリ130の振動が、回転可能な中間部アセンブリが固定されるそれぞれの構成の面数を2倍にすることによって、部品の生産量を更に増加させる。特に、実現される利点は、減少されるサイクル時間の利点である。典型的に射出成形工程においては、成形プレスが開かれ、部品が突き出される。突き出しは数秒かかる場合があり、別のバッチの部品を生産することがあるために、突き出しは、成形型が閉じられる前に完了されなければならない。しかし、回転可能な中間部アセンブリ130が振動するときに、突き出し工程が、A側成形面120及びB側成形面125に垂直の1つ以上の成形面上で起こることがある。それによって、第1のバッチの部品の突き出しが、A側成形面120及びB側成形面125と平行な面の閉じられたキャビティ中への第2のバッチの溶融材料の射出と同時に起こる。1サイクルあたり数秒だけ節約される場合であっても、数千を超えて繰り返されるサイクルの総費用便益は相当なものになる。
【0044】
更なる例示的実施形態においては、拡張性のある面数システム100が、例えば、成形面の積み重ねられた構成を有する追加の成形面又は追加の回転可能な中間部アセンブリを備えてもよい。積み重ねられた成形型キャビティアセンブリ160の例が
図4Bに示される。積み重ねられた成形型キャビティアセンブリ160においては、第1の成形面162が、第1のコアインサート167Aを伴うコアプレートとして構成され、第2の成形面163も、第2のコアインサート167Bを伴うコアプレートとして構成される。第1の成形面162と第2の成形面163との間に、中間部2面アセンブリ165がある。中間部2面アセンブリ165がA側に対向する中間部面164及びB側に対向する中間部面166を有し、両方がキャビティプレートとして構成される。中間部アセンブリ開口部168が、A側に対向する中間部面164とB側に対向する中間部面166との間に流体連通を提供するように、中間部2面アセンブリを通じて延在する。成形プレスが閉じられたときに、溶融材料が、2個の離れたキャビティを満たすために、供給ゲート54及び中間部アセンブリ開口部168を通じてマニホルド50から供給される。次いで、成形プレスが開かれたときに、第1の部品169A及び第2の部品169Bが、2個の離れたキャビティから突き出される。
【0045】
積み重ねられた成形型キャビティアセンブリ160が、成形型キャビティアセンブリあたり2個の部品を配送するための構成として示されるが、積み重ねられた成形型キャビティアセンブリが、例えば、3個の部品、5個の部品、及び更に10個の部品など、実用設計の制約内で、成形型キャビティアセンブリあたりいかなる数の部品を配送するために構成されてもよいということが当業者に理解されるだろう。第1の成形面162と第2の成形面163との間に、更なる2面中間部アセンブリを追加することによって(各々が1つ以上の中間部アセンブリ開口部168を有する)、追加の部品が形成されてもよい。
【0046】
更なる例示的実施形態においては、
図5に示されるとおり、拡張性のある面数システム100が、二重中間部の面拡張性のあるシステム102として構成されてもよい。二重中間部の面拡張性のあるシステム102が、A側成形面120とB側成形面125との間に、A側回転可能な中間部アセンブリ130AとB側回転可能な中間部アセンブリ130Bとを備える。A側マニホルド115AがA側成形面120に溶融材料を供給し、B側マニホルド115BがB側成形面125に溶融材料を供給する。
【0047】
示されるとおり、二重中間部の面拡張性のあるシステム102が4つの最大面数で動作するように構成されてもよい。しかし、A側回転可能な中間部アセンブリ130A、B側回転可能な中間部アセンブリ、又は両方を通じて又はそれらの周りに流体連通を確立させるために動作可能である接続を追加することによって、二重中間部の面拡張性のあるシステム102が6つの最大面数で動作するように構成されてもよい。6面システムは、総数6対の成形面に対して、第1のサイクル中に成形面の3つの第1の対から3個の部品を同時に形成し、次いで、第2のサイクル中に成形面の3つの第2の対から3個の部品を同時に形成すると考えられる。6面構成が採用されるときに、B側壁35をA側壁25に対して押すことによってもたらされる成形プレス10の各閉鎖の間、A側成形面120が、A側回転可能な中間部アセンブリ130Aの第1のA側に対向する成形面140Aと噛み合い、B側成形面125が、B側回転可能な中間部アセンブリ130Bの第1のB側に対向する成形面145Bと噛み合い、かつA側回転可能な中間部アセンブリ130Aの第2のB側に対向する成形面155Aが、B側回転可能な中間部アセンブリ130Bの第1のA側に対向する成形面140Bと噛み合う。二重中間部の面拡張性のあるシステム102の面数は、B側射出ユニットを選択的に作動化又は非作動化すること、中間部アセンブリの1つ又は両方を選択的に回転又は固定を保持すること、あるいは2つの中間部アセンブリの間のいかなる流体連通を選択的に接続する又は未接続にすることなどのように、構成を選ぶことによって拡張性がある。最小で、二重中間部の面拡張性のあるシステム102が、片側固定中間部構成、両側固定中間部構成、片側振動中間部構成、及び両側振動中間部構成という、単一中間部の面拡張性のあるシステム101(
図2)の4つの構成を備える。
【0048】
拡張性のある面数システムの更なる例示的実施形態が
図6A〜6Dに示される。
図6Aは、回転可能な中間部アセンブリ130及び1つの中間部2面アセンブリ165を有する二重中間部の面拡張性のあるシステム103を示す。A側に対向する中間部面164及びB側に対向する中間部面166の、2つの面の追加を通じて、中間部2面アセンブリ165は、任意のシステムの最大の潜在的面数を1つ増加させる。同様に、二重中間部の面拡張性のあるシステム103が5つまでの面数で動作するように構成されてもよい。面数は、例えば射出ユニットのうちの1つを選択的に作動化又は非作動化にすることより、あるいは回転可能な中間部アセンブリ130を選択的に回転又は固定を保持することによりなど、構成を選択することによって拡張性がある。それによって、(1)Aがオン/Bがオン/5つの面数が振動する、(2)Aがオン/Bがオン/3つの面数を固定する、(3)Aがオン/Bがオフ/4つの面数が振動する、(4)Aがオン/Bがオフ/2つの面数を固定する、(5)Aがオン/Bがオフ/2つの面数が振動する、及び(6)Aがオン/Bがオフ/1つの面数を固定する、という6つの構成が可能である。これら6つの構成の各々が、上で定義される4つの構成のうちの厳密に1つに属する。すなわち、(4)及び(6)が片側固定中間部構成、(2)が両側固定中間部構成、(3)及び(5)が片側振動中間部構成、並びに(1)が両側振動中間部構成である。
【0049】
図6Bは、第2の2面中間部アセンブリ165Bが、回転可能な中間部アセンブリ130の、第1の2面中間部アセンブリ165Aと反対側にあるような、回転可能な中間部アセンブリ130、第1の2面中間部アセンブリ165A、及び第2の2面中間部アセンブリ165Bを有する三重中間部の拡張性のある面数システム104を示す。三重中間部の拡張性のある面数システム104は、6つまでの面数で動作するように構成されてもよい。
【0050】
図6Cは、第2の2面中間部アセンブリ165Bが、回転可能な中間部アセンブリ130の、第1の2面中間部アセンブリ165Aと同じ側にあるような、回転可能な中間部アセンブリ130、第1の2面中間部アセンブリ165A、及び第2の2面中間部アセンブリ165Bを有する三重中間部の拡張性のある面数システム105を示す。三重中間部の拡張性のある面数システム105も、6つまでの面数で動作するように構成されてもよい。しかし、A側射出ユニット110Aの非作動化は、回転可能な中間部アセンブリ130の回転状態に応じて面数を1つ又は2つまで減少させるが、B側射出ユニット110Bの非作動化は、回転可能な中間部アセンブリ130の回転状態に応じて面数を3つ又は4つまで減少させる。
【0051】
図6Dは、A側回転可能な中間部アセンブリ130A、B側回転可能な中間部アセンブリ130B、並びにA側射出ユニット110A及びB側射出ユニット110Bに加えて中心射出ユニット110Cを有する三重中間部の拡張性のある面数システム106を示す。中心射出ユニット110Cが、例えば、A側射出ユニット110A又はB側射出ユニット110Bと流体連通状態にない1つ又は2つのマニホルド(示されていない)を通じて、溶融材料をA側中心成形面111及びB側中心成形面112へ供給するように構成されてもよい。更に、中心射出ユニット110Cが、成形プレスが開く又は閉じるときに、成形プレスを伴って動くように構成されてもよい。示されるとおり、三重中間部の拡張性のある面数システム106は、8つまでの面数で動作するように構成されてもよい。
【0052】
上で記載される拡張性のある面数システムの実施形態の多くの変形及び修正を有するということが当業者に明白だろう。上で記載される特定の実施形態が、拡張性のある面数システムをいかなる特定の構成にも限定するという意図を伴わずに、多くの可能性を説明するものとする。
【0053】
図1を振り返って参照すると、拡張性のある射出成形システム1の少なくとも1つの拡張性のあるシステムが、拡張性のあるキャビテーションシステム200を備えてもよい。拡張性のあるキャビテーションシステム200の例示的実施形態が、拡張性のあるキャビテーションシステム構成201の第1の例として、
図7に図示される。拡張性のあるキャビテーションシステム構成201の第1の例が、いかなる拡張性のあるキャビテーションシステムにも共通の多数の部品を説明するものとされる最小形態で示され、拡張性のあるキャビテーションシステムをいかなる特定の機械的な又は幾何学的な構成にも限定するものとされない。現在の説明を考慮すれば、追加の拡張性のある構成が、複雑性の様々な度合いを有することが可能であるということが当業者によく理解されるだろう。
【0054】
拡張性のあるキャビテーションシステム構成201の第1の例が、第1の成形面220上に画定される少なくとも2つの非重複のキャビティ領域を有するキャビティプレート210を備える。限定されない例として、キャビティプレート210が4個のキャビティ領域230、230A、230B、及び230Cを有し、長方形であるキャビティプレート210上に長方形のように配列する。生産要件及び成形サイクルあたり生産される部品の寸法に応じるが、キャビティプレート210が、例えば、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、2個〜24個、2個〜30個、又は技術的に実行可能なキャビティ領域230の任意の数を有してもよい。キャビティ領域230A、230B、及び230Cに対する説明が、具体的には
図7に図示されるキャビティ領域の特定のニュアンスを例示するものであるのに対して、キャビティ領域230に対する本明細書の説明は、広くは全てのキャビティ領域に適用されることに注意されたい。
【0055】
各キャビティ領域230は、その中に画定される複数のキャビティ位置240を有し、各キャビティ位置240が、機能的キャビティ位置242(明らかな楕円によって表される)又は非機能的キャビティ位置244(卵型によって表される)のいずれかとして独立してかつ互換的に構成可能である。
【0056】
本明細書において使用されるところの、「キャビティ位置」という用語は、成形型キャビティに好適な物理的な位置を指し、物理的な位置に存在する構造を考慮するいかなるものも暗示しない。
【0057】
本明細書において使用されるところの、「機能的キャビティ位置」という用語は、キャビティ位置が、例えば、キャビティインサートのような構成部品によって占有され、構成部品がマニホルドと流体連通状態にあるということを意味する。「非機能的キャビティ位置」という用語は、キャビティ位置が以下の説明文のうちの1つ以上を満たすということを意味する。(1)キャビティインサート又は成形される部品の生産ができる任意の他の構成部品によって占有されない、(2)ブランクプレート、ゴムプラグ、又は空隙のような、特徴のない部品によって占有される、あるいは(3)キャビティインサート又は成形される部品の生産ができる他の構成部品によって占有されるが、物理的接続が存在しないか又は物理的接続が存在するが、弁又は他の作動方法によって遮断される物理的接続のような、オフ状態のために作動されないか、いずれかの理由で、構成部品がマニホルドと流体連通状態にない。
【0058】
「コア位置」、「機能的コア位置」、及び「非機能的コア位置」という用語は、それらのそれぞれの相手部品と同様に使用される。
【0059】
既に上で提供された定義を考慮すると、「独立してかつ互換的に構成可能である」という用語は、必要な又は所望の操作者の特定の要件に応じて、各キャビティ位置240又は各コア位置270が、機能的又は非機能的に再構成可能であるということを暗示し、具体的には生産量を考慮して、例えば、取替え、著しい設備の一新、又はマニホルド50若しくは成形プレス10(
図1参照)の任意の標準部品の著しい再構成を伴わない。
【0060】
第1の成形面220上の少なくとも1つのキャビティ位置240が、任意の部品を生産するために、いかなる所与の成形サイクルの間も、機能的キャビティ位置242として構成されなければならないということが理解されるだろう。好ましくは、各キャビティ領域230中の少なくとも1つのキャビティ位置240が機能的キャビティ位置242として構成されてもよい。更に好ましくは、各キャビティ領域230が、いかなる所与の成形サイクルの間も、他の全てのキャビティ領域と同じ数の、機能的キャビティ位置242として構成されるキャビティ位置240を備えてもよい。また更に好ましくは、キャビティ位置240が、各キャビティ領域230中、第1の成形面220を渡って全体、又は最も好ましくは、各キャビティ領域230中及び第1の成形面220を渡って全体の両方で、溶融材料の均衡が取れた流量をもたらす形で、機能的キャビティ位置242として構成されてもよい。
図7は、いかなるこれらの選好をも例示するものではないが、それらの意味が当業者に明白であることに注意されたい。「均衡の取れた流量」という用語は、当該技術分野において周知の定義に一貫して使用され、それによって、溶融材料の質量に従って、溶融材料が流量ベクトルを画定する方向に流動し、全ての溶融材料の流量ベクトルが合計0になる又は技術的に実行可能な範囲まで0に近くなる。例えば、第1の成形面220中、第1の成形面220上のキャビティ領域230の配列中、各キャビティ領域230のキャビティ位置240の配列中、又はこれらの任意の組み合わせ中へも、工学対称によって、均衡の取れた流量が達成されてもよい。
【0061】
拡張性のあるキャビテーションシステム構成201の第1の例が、コアプレート250を更に備え、それにおける第2の成形面260上に画定される複数のコア位置270を有する。キャビティプレート210上のキャビティ位置240と同様に、機能的コア位置272(明らかな楕円によって表される)又は非機能的コア位置274(卵型によって表される)のいずれかとして各コア位置270が互換的に構成可能である。コア位置270が、キャビティプレート210及びコアプレート250からなる成形プレートの動作対を生産するように構成される。キャビティ位置240とコア位置270との間、機能的キャビティ位置242と機能的コア位置272との間、及び非機能的キャビティ位置244と非機能的コア位置274との間の各関係が、1対1対応として記述されてもよい。本明細書において使用されるところの、「1対1対応」という用語は、第1の位置の群の全ての部材が第2の位置の群の厳密に1つの部材と整列すること、及び第2の位置の群の全ての部材が、第1の位置の群の厳密に1つの部材と整列することを意味する。したがって、成形プレスが閉じられるときに、コア位置270は、第1の成形面220が、少なくとも第2の成形面260の一部分に直接接触する、各キャビティ位置240が対向するコア位置270と整列する、各コア位置270が対向するキャビティ位置240と整列する、各非機能的キャビティ位置244が対向する非機能的コア位置274と整列する、かつ各機能的キャビティ位置242が対向する機能的コア位置272と整列する、ように整列される。したがって、1つの機能的キャビティ位置242及び1つの機能的コア位置272からなる全てのそれぞれの位置の対の間に、成形サイクルの間に成形部品の生産ができる個々の成形型キャビティが形成される。
【0062】
拡張性のあるキャビテーションシステム構成201の第1の例、複数の互換性のあるマルチゲート供給システム280を備える。厳密に1つの互換性のあるマルチゲート供給システム280が、少なくとも1つの機能的キャビティ位置242をその中に有する各動作可能なキャビティ領域230A(及び230C)に配置される。したがって、動作不能なキャビティ領域230B中に、機能的キャビティ位置242としてキャビティ位置240が構成されない場合(すなわち、動作不能なキャビティ領域230B中の全てのキャビティ位置240が非機能的キャビティ位置244として構成される場合)、所与の動作不能なキャビティ領域230B中に、互換性のあるマルチゲート供給システムが存在してもよいが、存在する必要がない場合がある(
図7に示されるとおり)。好ましくは、互換性のあるマルチゲート供給システム280の数が、第1の成形面220上に画定されるキャビティ領域230の数に等しい。任意の所与の互換性のあるマルチゲート供給システム280が配置されるキャビティ領域230が、所与の互換性のあるマルチゲート供給システム280の「関連付けられるキャビティ領域230C」として、本明細書において見なされるものとする。
【0063】
各互換性のあるマルチゲート供給システム280が、供給システム本体290、及び供給システム本体と流体連通状態にあり、関連付けられるキャビティ領域230Cの機能的キャビティ位置の数を超える、関連付けられるキャビティ領域230C内のキャビティ位置240の総数までの、ある数の個々の供給ゲート282を備えてもよい。
図7の限定されない例においては、互換性のあるマルチゲート供給システムが4つの個々の供給ゲート282を有して示され、関連付けられるキャビティ領域230C中のキャビティ位置240に数の上では等しい。この場合においては、別の方法としては互換性のあるマルチゲート供給システムが、3つの個々の供給ゲート282(すなわち、関連付けられるキャビティ領域230C中の機能的キャビティ位置242の数)を有する代わりの供給システムに置き換えられることが可能であるが、3つより少ない又は4つを超える個々の供給ゲート282を有する代わりの供給システムに置き換えられることは可能でない。関連付けられるキャビティ領域230Cの各機能的キャビティ位置242が、個々の供給ゲート282のうちの厳密に1つに連結される。逆に言えば、各個々の供給ゲート282が、関連付けられるキャビティ領域230Cの厳密に1つの機能的キャビティ位置242に連結される。この意味で、「連結される」とは、成形プレスの動作の間に物理的接続が存在するが、流体連通が必ずしも確立されないことを意味する。成形サイクルの間に流体連通が、個々の供給ゲート282とその機能的キャビティ位置242との間で、例えば、機能的キャビティ位置242を一時的に無効にさせることを意図する作動方法によって、意図的に断たれ得る又は不通にされ得るということが考えられる。例えば、機能的キャビティ位置242中に挿入される成形型部品が、何らかの形で欠陥があるが、システム中のバランスを維持するために又は保守を達成するのに必要な停止時間を避けるために置き換えられないときに、未加工の材料を洗うことを避けるために、機能的キャビティ位置242を一時的に無効にすることが望ましい場合がある。同様に、障害物などによって流体連通が意図せずに不通になることがある。
【0064】
各互換性のあるマルチゲート供給システム280が、一級ドロップ55(
図8及び
図9参照)を通じてマニホルド50(
図1参照)と流体連通状態にあり、少なくとも2つのキャビティ領域230(
図7)から選択される厳密に1つの関連付けられるキャビティ領域230Cに一意的に指定される。詳細を有する
図8を参照すると、第1の成形面220が露出されるが、キャビティ領域230、キャビティ位置240、又は互換性のあるマルチゲート供給システム280のいずれをも有さない状態で、キャビティプレート210が示される。第1の成形面220と、第1の成形面220の反対側にあるキャビティプレート210のマニホルド面側上のマニホルド50(破線として示される)との間の流体連通の点として、一級ドロップ55がキャビティプレート210中に画定される。マニホルド50と射出ユニット45(
図1)との間の流体連通の点から表す、射出ユニット連結具57も破線で示される。
【0065】
各マニホルド50が、一級ドロップ55の数及び位置に応じて指定される。第1の成形面220に適合するように合わせられた対応するマニホルド51が、限定されない例として、
図9に示される。対応するマニホルドが、射出ユニット45(
図1)からマニホルドの横軸部分52へ溶融材料を運ぶ射出ユニット連結具57を備え、そこで溶融材料が2つの反対の方向へ流動し始める。マニホルドの横軸部分52がマニホルドアーム部分53に流れ込み、それが溶融材料の流量を2つの各流量経路に更に分ける。溶融材料は、次いで、4つの一級ドロップ55の各々を通じて、対応するマニホルド51の外へ流動する。各一級ドロップ55が、厳密に1つの互換性のあるマルチゲート供給システム280に流動的に連結される。射出成形マニホルドの設計が複雑な工学の課題であり、本明細書において例として使用される第1の成形面220中のような簡潔な構成に対しても、マニホルドの多くの構成が可能であるということが理解されるだろう。マニホルド50の実際の構成は、決して重要ではない。むしろ、マニホルド50の要件は、ある数の互換性のあるマルチゲート供給システム280に、等しい数の一級ドロップ55を通じて、流動的に接続するということだけである。
【0066】
互換性のあるマルチゲート供給システム280の流体連通が、
図10に概して図示される。
図10に示される互換性のあるマルチゲート供給システム280は、単に物理的な相互関係を説明するものと意図され、互換性のあるマルチゲート供給システム280を、示されるいかなる特定の構成にも限定するものとして意図されない。いくつかの実施形態においては、互換性のあるマルチゲート供給システム280が、供給システム本体290、及び一級ドロップ55でマニホルド50に連結されるのに動作可能であるマニホルド連結具285を備えてもよい。例えば、マニホルド連結具285が一級ドロップ55中にスライド自在に挿入可能であってもよく、又は一級ドロップ55がマニホルド連結具285中にスライド自在に挿入可能であるように、一級ドロップ55の内径より大きな内径を有してもよい。別の方法としては、マニホルド連結具285及び一級ドロップ55が、固定搭載を達成するために、好適に設置されたねじ付き接続(示されていない)を有してもよい。とにかく、互換性のあるマルチゲート供給システム280に対する「互換性のある」という用語は、マニホルド連結具285と一級ドロップ55との間の物理的接続が永久的でなく、好ましくは、接続が切断及び再接続しやすいことを必要とする。個々の供給ゲート282が供給システム本体と流体連通状態にあり、
図10に概して図示される。個々の供給ゲート282が、当該技術分野において既知の任意の型の供給ゲートであってもよく、熱ゲート、弁ゲート、エッジゲート、及び拡張性のあるキャビテーションシステム中に採用される互換性のあるマルチゲート供給システム280と連結されるのに好適である任意のゲートが挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0067】
拡張性のあるキャビテーションシステム中の互換性のあるマルチゲート供給システム280が、任意の数の構成を有してもよい。いくつかの実施形態においては、互換性のあるマルチゲート供給システム280が、第1の成形面220上の確立された一連のキャビティ領域230内に、取り外し可能なユニットとして構成されてもよい。他の実施形態においては、キャビティ領域プレートによって表わされるキャビティ領域がモジュールアセンブリとして完全になるように、互換性のあるマルチゲート供給システムが、キャビティ領域プレートに統合されてもよい。モジュールアセンブリが、1つの成形面対によって生産が可能な部品の数に対するだけでなく、1つの成形面対によって生産が可能な部品の型にも変更を可能にする。モジュールアセンブリを考慮した適用可能な戦略は、The Procter & Gamble Companyに譲渡された米国特許出願第2008/0003321に開示され、その公開は、本明細書において参照することによってその全体が本出願に組み込まれる。
【0068】
取り外し可能なユニットである互換性のあるマルチゲート供給システム280の構成の限定されない例が、
図11A〜11Hに示される。互換性のあるマルチゲート供給システム280の各々が、ある数の個々の供給ゲート282及びマニホルド連結具285(破線で示される)を供給システム本体の下方に備える。全ての個々の供給ゲート282が供給システム本体の中心点から外側に向かって延在するように、供給システム本体が放射状であってもよく、あるいは少なくとも1つの又は更には全ての個々の供給ゲート282が、供給システム本体の中心点から外側に向かって延在しないように、供給システム本体が放射状でなくてもよい。
図11A〜11Gが放射状供給システム本体の例を説明し、
図11Hが非放射状供給システム本体の例を説明する。
【0069】
放射状供給システム本体の限定されない例として、
図11Aに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が4ゲート円形供給システム本体291を備える。放射状供給システム本体の更なる限定されない例として、
図11Bに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が5ゲート円形供給システム本体292を備える。放射状供給システム本体の更なる限定されない例として、
図11Cに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が6ゲート円形供給システム本体293を備える。放射状供給システム本体の更なる限定されない例として、
図11Dに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が8ゲート円形供給システム本体294を備える。
【0070】
放射状供給システム本体は、円形であること又は更には丸みがあることを必要としない。非円形放射状供給システム本体の限定されない例として、
図11Eに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が4ゲート正方形供給システム本体295を備える。非円形放射状供給システム本体の更なる限定されない例として、
図11Fに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が3ゲート三角形供給システム本体296を備える。非円形放射状供給システム本体の更なる限定されない例として、
図11Gに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が4ゲート十字形供給システム本体297を備える。
【0071】
非放射状供給システム本体の限定されない例として、
図11Hに示される互換性のあるマルチゲート供給システム280が8ゲート両側方形供給システム本体298を備える。個々の供給ゲートの全てがマニホルド連結具285の中心から外側に向かって指し示される
図11A〜11Gの他の例と対照的に、8ゲート両側方形供給システム本体298においては、個々の供給ゲート282が、2つの対向する方向だけに指し示されている。
【0072】
図12を参照すると、モジュールキャビティ領域プレート300の分解図が示される。モジュールキャビティ領域プレート300が、キャビティ位置240及び互換性のあるマルチゲート供給システム280を統合し、その供給システム本体290及び個々の供給ゲート282が目視できる。互換性のあるマルチゲート供給システム280が任意の好適な方法で構成されてもよく、例えば、上記
図11A〜11Hにおいて記載される例のようにしてもよく、
図12に示されるキャビティ位置240の数は実例であって限定とするわけではない。別の方法としては、互換性のあるマルチゲート供給システムが、既知の又は開発される任意の内部マニホルドシステムとして構成されてもよく、それによって供給システム本体290は必要とされないが、むしろ様々な導管が、溶融材料の流量を機能的キャビティ位置と同数の流れに分けるために採用される。モジュールキャビティ領域プレート300が、第1の成形面220中の一級ドロップ55に連結されているところが示される。図示されるとおり、第1の成形面220が4つのモジュールキャビティ領域プレート300に対応する。たとえそうであっても、これは実例であって限定とするわけではない。第1の成形面220が、技術的に実行可能な範囲で、任意の数のモジュールキャビティ領域プレート300に対応するように構成されることが可能であり、2個〜20個、2個〜24個、2個〜30個、又は更には2個〜100個のように、2個〜20を超える個数までにしてもよい。機能的キャビティ位置242としてキャビティ位置240を構成するために、キャビティ位置240へのキャビティインサート90の挿入も、
図12に図示される。同様に、非機能的キャビティ位置244としてキャビティ位置240を構成するために、ブランクインサート92がキャビティ位置240中に挿入される。キャビティインサート90の形状及びキャビティ位置240の形状それら自体が、単に説明として図示され、限定とするわけではない。
【0073】
図13が、
図12に示される同じ基本的な相互関係の平面図を示す。ここで、モジュールキャビティ領域プレート300がキャビティプレート210中に備え付けられる。供給システム本体290及び個々の供給ゲート292を備える、互換性のあるマルチゲート供給システム280が、モジュールキャビティ領域プレート300中に示される。マニホルド連結具285が、簡潔な挿入によって、マニホルド50の一級ドロップ55に連結される。マニホルド50の射出ユニット連結具57がマニホルド50の底部に示される。コアプレート250は、各々のモジュールキャビティ領域プレート300におけるキャビティ位置240に対応する、コアインサート95を装備した状態で示される。
【0074】
上述のとおり、拡張性のあるキャビテーションシステム200において、キャビティ位置240の位置及び互換性のあるマルチゲート供給システム280の位置が実質上無制限である。具体的だが限定されないそのような構成の4つの例が
図14〜17に示される。
【0075】
例示的実施形態として
図14に示されるキャビティプレート210が、8個のキャビティ領域230を有する第1の成形面220を有する。各キャビティ領域230は、第1の成形面220上に画定されるが、第1の成形面220と一体化してもよく、又は例えば上述のモジュールキャビティ領域プレートを通じて、第1の成形面220上に搭載されてもよい。各キャビティ領域230が、8ゲート円形供給システム本体294に付着される8つの個々の供給ゲート282を備える互換性のあるマルチゲート供給システム280に装備される。
【0076】
図15を参照すると、
図14のキャビティプレート210が再現され、コアプレート250を含む拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例の一部として示される。ここでは、各キャビティ領域230中の厳密に4つのキャビティ位置240が機能的キャビティ位置242として構成され、各キャビティ領域230中の厳密に4つのキャビティ位置240が非機能的キャビティ位置244として構成される。コア位置270が、機能的コア位置272及び非機能的コア位置274として、対応して構成される。したがって、第1の成形面220が第2の成形面260に対して押されるときに、成形型キャビティを機能的キャビティ位置242と、対向する機能的コア位置272との間に画定するために、各キャビティ位置240が対向するコア位置270と整列し、各コア位置270が対向するキャビティ位置240と整列し、各非機能的キャビティ位置244が対向する非機能的コア位置274と整列し、かつ各機能的キャビティ位置242が対向する機能的コア位置272と整列する。更に、本例においては、機能的キャビティ位置242の同一の数が、各キャビティ領域230中に示される。更に、本例においては、均衡のとれた流量が各キャビティ領域230中に及び第1の成形面220の表面全体を渡って両方に確立されるように、機能的キャビティ位置242が位置される。各キャビティ領域230中の均衡のとれた流量が領域対称軸235から明らかであり、第1の成形面を渡る均衡のとれた流量が面対称軸225から明らかである。
【0077】
拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例が、拡張性のあるキャビテーションシステムの拡張可能性の態様を説明するために、広くは、使用されてもよい。拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例のキャビティプレート210が、例えば、各々が8個のキャビティ位置240を有する8個のキャビティ領域230を有し、8×8=64個の最大キャビテーションが示される。6×8行列が単に1つの例であるということが理解されるだろう。示されていない代替的例においては、キャビティプレートが相当により多くのキャビティ領域及び各キャビティ領域中にはめ込めるだけ多くのキャビティ位置を有してもよく、例えば、各々が4個のキャビティ位置を有する20個のキャビティ領域(80個の最大キャビテーション)、各々が12個のキャビティ位置を有する10個のキャビティ領域(120個の最大キャビテーション)、又は更には各々が20個のキャビティ位置を有する20個のキャビティ領域(400個の最大キャビテーション)などであってよい。
【0078】
拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例を振り返って参照すると、各キャビティ位置240が、独立してかつ互換的に構成可能であるため、理論的には、拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例のキャビティプレート210及びコアプレート250を使用して、1〜48の任意の数の部品が生産され得る。しかし、実際に、均衡のとれた流量を促進するために、各キャビティ領域230が機能的キャビティ位置242と同一の数を有するように、キャビティ位置240を構成することが好ましい場合がある。同様に、好ましい実施形態における、拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例の動作キャビテーションが、各互換性のあるマルチゲート供給システム280上の1〜個々の供給ゲート282の数までの、キャビティ領域230の数の整数倍として拡張される場合がある。拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例として、本例が8個、16個、24個、32個、40個、48個、56個、及び
図15に示されている32個の動作キャビテーションを有する64個の動作キャビテーションの選択肢を提供する。
【0079】
この形において拡張性のあるキャビテーションシステムを拡張する能力が、拡張性のある射出成形システムに価値を付与し得、それは、キャビティインサート及びコアインサートを設備することが60%までの成形プレートの組み立て費用を示し得るためである。これは未加工の材料及び労働費を含み、多くの例において、労働費の方が、より大きな投資となる。一方では、48個のような最大キャビテーションを有する拡張性のあるキャビテーションシステムを有する拡張性のある射出成形システムへの投資が、先行技術である24個のキャビティ成形型を単に購入し、生産増加に対するニーズを待つことを超える費用を初期に示し得る。他方では、拡張性のあるキャビテーションシステムを伴って、十分なキャビティインサート及びコアインサートの購入は、それらが必要とされるまで不必要であり、ひとたび生産ニーズが2倍になり、48個のキャビティ成形型の生産量が必要となれば、新しい成形プレスのような重複する標準部品への資本予算配分を無駄にすることが不必要となるだろう。更に、一連の新しい24個のキャビティインサートが必要とされる場合であっても、24個の動作キャビテーション〜48個の動作キャビテーションまで、拡張性のあるキャビテーションシステム構成202の第2の例の再構成が、完全に新しい射出成形システムを注文し最適化するよりも、著しく速い。
【0080】
図16を参照すると、拡張性のあるキャビテーションシステム構成203の第3の例が図示される。ここでは、第1の成形面220上の各キャビティ領域230が4個のキャビティ位置を有する。各互換性のあるマルチゲート供給システムが4ゲート正方形供給システム本体295を備え、最大キャビテーションは32個である。4ゲート正方形供給システム本体295が、広くは、拡張性のあるキャビテーションシステムの更なる多用途性を説明する。偶然にではなく、
図16及び
図11Eに示される4ゲート正方形供給システム本体295中の個々の供給ゲートの位置が、
図14及び
図11Dに示される8ゲート円形供給システム本体294の8つの個々の供給ゲート282のうちの厳密に4つと正確に整列し得る。本関係が、
図17を参照して更に検討される。したがって、単に示される特定の配列に限定されないが、任意の4ゲートキャビテーション310Aにおけるような、4ゲート正方形供給システム本体295が、1つ、2つ、3つ、又は4つの動作可能な供給ゲートで動作され得る。幾何学的に、4ゲートキャビテーション310Aの各々が、8ゲートキャビテーション310Bのうちの1つに相当する。当然、4ゲートシステムは不可能であるが、高キャパシティー8ゲートキャビテーション315のうちの1つにおいて、8ゲートシステムも動作可能である。したがって、そのように配列されるキャビティ位置を有する拡張性のあるキャビテーションシステムにおいては、一定のキャビティ位置を非作動化するだけでなく、第1の数と異なるが、
図17に説明されるもののような対応する幾何学的な関係を有する個々のキャビティ位置の第2の数を有する第2の互換性のあるマルチ供給ゲート供給システムに対する個々のキャビティ位置の第1の数を有する第1の互換性のあるマルチ供給ゲート供給システムを単に交換することによって、キャビテーションが拡張されることがある。
【0081】
図18を参照すると、拡張性のあるキャビテーションシステム構成204の第4の例が図示される。ここでは、拡張性のあるキャビテーションシステム構成204の第4の例における32個の最大キャビテーションに対して、各キャビティ領域230が4つのキャビティ位置を有する。キャビティ位置240及びコア位置270が、そのような形状又は他の例で示される円形に限定するという意図を伴わずに、他の例示的実施形態と異なる形状として示される。キャビティ位置は、4ゲート両側方形供給システム本体299を備える供給システムを通じて溶融材料が供給される。
【0082】
上で記載されるいかなる拡張性のあるキャビテーションシステムも、定位置に拡張性のある面数システムをすでに有する拡張性のある射出成形システム中に組み込まれることがある。例えば、拡張性のある面数システムが、片面構成、2つの両面構成、及び4面構成を含む4つの構成中で動作可能であり得、そこで成形面の各対が32個の最大キャビテーションを有する。拡張性のあるキャビテーションシステムが、A側成形面、B側成形面、又はその両方を通じて拡張性のある面数システム中に構成され得る。例えば、8個のキャビティ領域を有する拡張性のあるキャビテーションシステムが挙げられ、各キャビティ領域が4つのキャビティ位置を有する。
【0083】
簡潔性のためであって限定とするわけではなく、機能的キャビティ位置の数が各キャビティ領域中で同じである場合、成形面の各対上の拡張性のあるキャビテーションが、8個、16個、24個、又は32個のキャビテーションで動作可能である。厳密に1つのそのような拡張性のあるキャビテーションシステムがA側成形面上だけに採用される場合、射出成形システムが、1面システムにおいて、8個、16個、24個、又は32個の各成形サイクルの間に動作可能なキャビテーション、あるいは2面又は4面システムにおいて、40個、48個、56個、又は64個の各サイクルの間に動作可能なキャビテーションを含む選択肢を有することになる。本拡張性のある射出成形システムにおいては、動作スピード、それゆえ、単位時間あたりの生産量が、回転可能な中間部アセンブリが振動される又は固定が保持されるかに応じて増減し得る。
【0084】
拡張性のあるキャビテーションシステムが、拡張性のある面数システムを有する拡張性のある射出成形システム中のA側成形面上及びB側成形面上の両方に採用される場合、各成形サイクルの間に拡張性のある射出成形システムが、1面システムにおいて、8個、16個、24個、又は32個の動作可能なキャビテーション、あるいは2面又は4面システムにおいて、8個、16個、24個、32個、50個、48個、56個、又は64個の動作可能なキャビテーションを含む選択肢を有することになる。本拡張性のある射出成形システムにおいても、動作スピード、それゆえ、単位時間あたりの生産量が、回転可能な中間部アセンブリが振動される又は固定が保持されるかに応じて増減し得る。同様に、操作者が、十分に使用される二次元の拡張可能性を有するだろう。標準部品並びに8個のキャビティインサート及びコアインサートへの初期出資を伴って、本システムは、本来、非機能的として指定されるキャビティ位置を満たすために必要とされる、追加のコアインサート及びキャビティインサートを購入することだけによって、その本来の生産量の8倍まで操作者によって拡張可能である。
【0085】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0086】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。