(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706614
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】交流駆動型の発光素子
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20150402BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20150402BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20150402BHJP
【FI】
H01L33/00 H
H01L33/00 J
H01L33/00 210
H01L33/00 440
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-537066(P2009-537066)
(86)(22)【出願日】2007年9月5日
(65)【公表番号】特表2010-510651(P2010-510651A)
(43)【公表日】2010年4月2日
(86)【国際出願番号】KR2007004268
(87)【国際公開番号】WO2008062941
(87)【国際公開日】20080529
【審査請求日】2010年7月8日
【審判番号】不服2014-5665(P2014-5665/J1)
【審判請求日】2014年3月26日
(31)【優先権主張番号】10-2006-0114553
(32)【優先日】2006年11月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ダェ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】カル ダェ ソン
【合議体】
【審判長】
吉野 公夫
【審判官】
山村 浩
【審判官】
星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2004/023568(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/098545(WO,A1)
【文献】
特開2005−064412(JP,A)
【文献】
特開2006−179672(JP,A)
【文献】
特開2002−016290(JP,A)
【文献】
特開2006−286935(JP,A)
【文献】
特開平08−137429(JP,A)
【文献】
特開昭62−075697(JP,A)
【文献】
特開平07−273371(JP,A)
【文献】
特開2000−098941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板、第2の基板、第3の基板及び第4の基板と、
前記基板上に各々配置され、複数の発光セルが直列に接続されすくなくとも2つの基板上に配置された発光セルは異なる波長を放出する直列アレイと、
前記第1の基板上の直列アレイと前記第2の基板上の直列アレイとを電気的に接続し、前記第3の基板上の直列アレイと前記第4の基板上の直列アレイとを電気的に接続する第1の接続手段と、
を備え、
前記第1の接続手段によって、前記第1の基板上の直列アレイと前記第2の基板上の直列アレイが接続され、また、前記第3の基板上の直列アレイと前記第4の基板上の直列アレイが接続され、2つのアレイ群が形成され、
さらに、互いに逆並列で接続された前記アレイ群内における対応する第1の接続手段を電気的に接続する少なくとも1つの第2の接続手段をさらに有し、
前記2つのアレイ群が、互いに逆並列で接続されて動作し、
動作時に、逆方向電圧が印加された前記アレイ群内における特定のアレイに過電圧が印加されることを防止することを特徴とする交流駆動型の発光素子。
【請求項2】
前記基板上に各々配置され、前記直列アレイの両端に各々電気的に接続されたボンディングパッドをさらに有し、前記第1の接続手段は、前記ボンディングパッドを接続することを特徴とする請求項1に記載の交流駆動型の発光素子。
【請求項3】
前記第1の接続手段は、前記ボンディングパッドを直接接続するボンディングワイヤであることを特徴とする請求項2に記載の交流駆動型の発光素子。
【請求項4】
前記第1の接続手段は、パッケージのリード電極を含むことを特徴とする請求項2に記載の交流駆動型の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に関し、より詳しくは、交流電源に直接接続して駆動される交流駆動型の発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)系発光ダイオードが開発された以来、GaN系LEDは、LED技術を相当程度変化させており、現在、フルカラーLED表示素子、LED交通信号機、白色LED等、様々な用途に用いられている。最近、高効率白色LEDは、蛍光ランプを代替するものとして期待されており、特に、白色LEDの効率は、通常の蛍光ランプの効率とほぼ同水準に達している。
【0003】
一般に、発光ダイオードは、順方向電流により光を放出し、直流電流の供給を必要とする。したがって、発光ダイオードは、交流電源に直接接続して使用する場合、電流の方向に応じてオン・オフを繰り返し、その結果、連続的に光を放出せず、逆方向電流により破損しやすいという問題点があった。
【0004】
このような発光ダイオードの問題点を解決して、高電圧交流電源に直接接続して使用可能な発光ダイオードが、特許文献1に「発光成分を有する発光素子」(LIGHT-EMITTING DEVICE HAVING LIGHT-EMITTING ELEMENTS)という題目で、酒井等(Sakai et. al.)により開示されている。
【0005】
前記特許文献1によると、LED(発光セル)がサファイア基板のような単一の絶縁性基板上に二次元的に直列接続され、LEDアレイを形成する。このような二つのLEDアレイが、前記サファイア基板上にて逆並列で接続される。その結果、交流電源機構により直接駆動される単一チップ発光素子が提供される。
【0006】
しかしながら、前記単一チップ発光素子において、直列接続された発光セルのいずれか一つの不良や配線の断線または短絡は、デバイスの交流動作を不可能にするチップ不良に繋がってしまう。特に、前記単一チップが高電圧、例えば、一般家庭用として用いられる110Vまたは220Vの交流電源で駆動されるため、数十個の発光セル及びこれらを直列接続及び逆並列接続する配線を含む場合、単一チップ上に形成された多数の発光セル及び配線により、チップ不良を起こしやすい。
【0007】
また、同一の基板上において、多数の発光セルが直列及び逆並列接続されることにより、発光セルを接続する配線間で短絡発生の可能性が増加し、発光セルをパターニングする工程が複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開番号WO2004/023568(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、単一基板上に形成される発光セル及び配線の数を適切に減少させることができる交流駆動型の発光素子を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、単一基板上に形成された発光セルのパターニング及び配線接続工程を単純化させることができる交流駆動型の発光素子を提供することにある。
【0011】
本発明が解決しようとするまた他の技術的課題は、交流電源によって逆方向電圧が印加されたアレイ内における発光セルへの過電圧の印加を防止することができる交流駆動型の発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を解決するため、本発明の一態様による交流駆動型の発光素子は、少なくとも4つの基板を有する。複数個の発光セルが直列接続された直列アレイが、前記基板上に各々配置される。一方、第1の接続手段が前記基板のうち、異なる基板上の直列アレイを電気的に接続する。前記第1の接続手段によって、各々少なくとも2つの直列アレイが互いに直列接続された、少なくとも2つのアレイ群が形成される。前記少なくとも2つのアレイ群は、互いに逆並列で接続されて動作する。これにより、単一基板上に形成される発光セルの数を減少させることができる交流駆動型の発光素子を提供することができる。また、単一基板上に形成される発光セルを全て直列接続させ、発光セルのパターニング工程及び配線形成工程を単純化することができる。
【0013】
一方、少なくとも1つの第2の接続手段が、互いに逆並列で接続された前記アレイ群内における対応する第1の接続手段を電気的に接続することができる。前記第2の接続手段は、動作時、逆方向電圧が印加されたアレイ群内における特定のアレイに過電圧が印加されることを防止する。これにより、逆方向電圧が印加されたアレイ内の発光セルを保護することができる。
【0014】
一方、ボンディングパッドが、前記基板上に各々配置されてもよい。前記ボンディングパッドは、前記直列アレイの両端に各々電気的に接続され、前記第1の接続手段は、前記ボンディングパッドを接続することにより、直列アレイを直列で接続する。
【0015】
前記少なくとも4つの基板は、単一のパッケージ内に実装されてもよい。この際、前記第1の接続手段は、前記ボンディングパッドを直接接続するボンディングワイヤであってもよい。
【0016】
一方、前記少なくとも4つの基板は、異なるパッケージ内に各々実装されてもよい。この際、前記基板上のボンディングパッドは、パッケージ内のリード電極に電気的に接続され、前記パッケージのリード電極が互いに電気的に接続され、直列接続されたアレイ群を形成することができる。ここで、前記ボンディングパッドは、様々な方式でパッケージのリード電極に接続されることができ、例えば、ボンディングワイヤを介して接続することができる。
【0017】
1つのパッケージ内に実装される前記基板の数は、多様であってもよい。例えば、1つのパッケージ内に1つの基板が実装され、このようなパッケージが少なくとも4つ以上接続され、交流駆動型の発光素子を構成することができる。また、1つのパッケージ内に2つ以上の基板が実装され、直列接続されたアレイ群を形成し、このようなパッケージが互いに接続され、交流駆動型の発光素子を構成することができる。また、1つのパッケージ内に2つ以上の基板が実装されて逆並列接続され、このようなパッケージが互いに接続され、直列アレイが互いに直列接続されたアレイ群を有する交流駆動型の発光素子を構成することもできる。
【0018】
上記の技術的課題を解決するため、本発明の他の態様による交流駆動型の発光素子は、少なくとも2つの基板を有する。互いに逆並列で接続された第1及び第2の直列アレイが、前記基板上に各々配置される。前記直列アレイは、複数個の発光セルが直列接続されて形成される。一方、第1の接続手段が、異なる基板上の直列アレイを互いに電気的に接続し、少なくとも2つのアレイ群を形成する。また、第2の接続手段が前記基板上に各々形成され、逆並列で接続された前記第1及び第2の直列アレイ間において、対応する発光セルを電気的に接続する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によると、発光セルの直列アレイを有する複数の単一チップを用いるので、単一基板上に形成される発光セル及び配線の数を適切に減少させることができる。したがって、製造工程上のチップ不良率を減少させることができ、製造費用を低減することができる。また、単一基板上に形成された発光セルは、逆並列接続される必要がないので、単一基板上に形成された発光セルのパターニング及び配線接続工程を単純化させることができる。また、アレイ群を互いに接続する第2の接続手段を採用することにより、逆方向電圧が印加されたアレイ内の発光セルへの過電圧の印加を防止することができる交流駆動型の発光素子を提供することができる。これに加えて、複数の単一チップを用いるので、異なる発光波長の光を放出する単一チップを配置し、多様な波長の光を放出する交流駆動型の発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る発光セルの直列アレイを説明するための概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態で用いられる発光セルを説明するための部分断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態で用いられる発光セルを説明するための部分断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る交流駆動型の発光素子を説明するための概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る交流駆動型の発光素子を説明するための概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態で用いられるパッケージを説明するための断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る発光セルの直列アレイを説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面に基づき、本発明の実施形態について詳述する。以下に紹介される実施形態は、本発明の思想を当業者に充分伝達するために、例として提供されるものである。したがって、本発明は、後述する実施形態に限定されず、他の形態に具体化され得る。なお、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、便宜のために誇張して表現されることもある。明細書の全体にわたって、同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る発光セルの直列アレイを説明するための概略図である。ここで、前記直列アレイは、単一チップ50内に配置される。
【0023】
図1を参照すると、前記単一チップ50は、基板51を含む。基板51は、絶縁基板であっても、または上面に絶縁層を有する導電性基板であってもよい。前記基板51上に複数個の発光セル58が配置される。前記発光セルは、配線によって互いに直列接続され、直列アレイ61を形成する。前記直列アレイ61の両端部にボンディングパッド71が配置されてもよい。前記ボンディングパッド71は、前記直列アレイ61の両端部に各々電気的に接続される。
【0024】
本発明の実施形態において、前記単一チップ50内の発光セルは、単一基板上において全て直列接続されてもよい。したがって、単一基板上に発光セル58を形成する工程及び前記発光セル58を接続する配線を形成する工程が、従来の技術に比べて単純化する。
【0025】
図2及び
図3は、前記発光セルを説明するための部分断面図である。ここで、
図2は、エアブリッジ工程で形成された配線によって発光セルが直列接続されたものを説明するための部分断面図であり、
図3は、ステップカバー工程で形成された配線によって発光セルが直列接続されたものを説明するための部分断面図である。
【0026】
図2を参照すると、基板51上に複数の発光セル58が互いに離隔して配置される。前記発光セル58の各々は、第1の導電型下部半導体層55、活性層57及び第2の導電型上部半導体層59を有する。前記活性層57は、単一量子井戸または多重量子井戸で形成してもよく、要求される発光波長に応じて、その物質及び組成が選択される。例えば、前記活性層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成されてもよい。一方、前記下部及び上部半導体層55、59は、前記活性層57に比べてバンドギャップの大きな物質で形成されてもよく、窒化ガリウム系化合物半導体で形成されてもよい。
【0027】
一方、前記下部半導体層55と前記基板51との間にバッファ層53が介されてもよい。バッファ層53は、基板51と下部半導体層55の格子不整合を緩和させるために採用される。前記バッファ層53は、図示のように、互いに離隔して形成してもよいが、これに限定されず、バッファ層53が絶縁性であり、または抵抗の大きな物質で形成された場合、互いに連続的に形成されてもよい。
【0028】
前記上部半導体層59は、図示のように、前記下部半導体層55の一部領域の上部に配置され、前記活性層は、上部半導体層59と下部半導体層55との間に配置される。また、前記上部半導体層59上に透明電極層61が配置されてもよい。前記透明電極層61は、インジウムスズ酸化物(ITO)膜またはNi/Au等の物質で形成されてもよい。
【0029】
一方、配線67が前記発光セル58を互いに電気的に接続する。前記配線67は、1つの発光セルの下部半導体層55と、それに隣接した他の発光セルの透明電極層61を接続する。前記配線は、図示のように、前記透明電極層61上に形成された電極パッド64と、前記下部半導体層55の露出した領域上に形成された電極パッド65とを接続することができる。ここで、前記配線67は、エアブリッジ工程で形成されたものであり、接触部を除いた部分は、基板51及び発光セル58から物理的に離れている。前記配線67によって、単一基板51上において発光セルが直列接続された直列アレイ61(
図1)が形成される。
【0030】
図3を参照すると、前記発光セル58を接続する配線は、ステップカバー工程で形成されてもよい。すなわち、配線87を接触させるための部分を除いた、前記発光セルの全層及び基板51は、絶縁層85で覆われる。また、前記配線87が前記絶縁層85上でパターニングされ、前記発光セル58を互いに電気的に接続する。
【0031】
例えば、前記絶縁層85は、前記電極パッド64、65を露出させる開口部を有し、前記配線87は、前記開口部を通じて、隣接した発光セルの電極パッド64、65を互いに接続して、発光セルを直列に接続する。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態に係る交流駆動型の発光素子を説明するための概略図である。
【0033】
図4を参照すると、前記交流駆動型の発光素子は、4つの単一チップ50a、50b、50c、50dを有する。前記各単一チップ50a、50b、50c、50dは、
図1を参照して説明した単一チップ50と同一の構成要素を有し、便宜上、各構成要素の参照番号にa、b、c、dを付けている。
【0034】
発光セル58a、58b、58c、58dは、単一基板51a、51b、51c、51d上で、各々直列接続された直列アレイ61a、61b、61c、61dを構成する。一方、前記直列アレイ61a、61b、61c、61dの両端部には、各々ボンディングパッド71a、71b、71c、71dが電気的に接続されてもよい。
【0035】
一方、2つの直列アレイ61a、61bが互いに直列に接続され、アレイ群81aを形成し、他の2つの直列アレイ61c、61dが互いに直列に接続され、アレイ群81bを形成する。前記直列アレイは、第1の接続手段73a、73bによって直列に接続される。
【0036】
前記第1の接続手段73aは、各々ボンディングパッド71a、71bを直接接続するボンディングワイヤであってもよく、また、前記第1の接続手段73bは、ボンディングパッド71c、71dを直接接続するボンディングワイヤであってもよい。しかしながら、前記第1の接続手段73a、73bが、ボンディングパッドを直接接続するボンディングワイヤに限定されるものではなく、パッケージのリード電極または印刷回路基板の回路パターン等を含む多様な接続手段であってもよい。
【0037】
一方、前記アレイ群81a、81bは、互いに逆並列で接続されて動作する。すなわち、アレイ群81aのアノードとアレイ群81bのカソードが、共通してターミナル端子に接続され、アレイ群81aのカソードとアレイ群81bのアノードが、共通してターミナル端子に接続される。例えば、図示のように、前記アレイ群81a、81bは、互いに逆並列で接続されるように、アレイ群81aの両端にあるボンディングパッド71a、71bと、アレイ群81bの両端にあるボンディングパッド71c、71dとを、互いに共通ターミナル端子に接続してもよい。これにより、前記ターミナル端子に交流電源を接続し、前記4つの単一チップ50a、50b、50c、50dを駆動することができ、交流電源の位相変化に応じて、アレイ群81a、81bが交互に動作する。
【0038】
一方、第2の接続手段75が、アレイ群81a、81bを互いに電気的に接続することができる。前記第2の接続手段75は、図示のように、アレイ61a、61b間のボンディングパッド71aと、アレイ61c、61d間のボンディングパッド71dとを互いに接続してもよいが、これに限定されず、ボンディングパッド71aと71c及び/またはボンディングパッド71bと71dを接続してもよく、ボンディングパッド71bと71dを接続してもよい。また、前記第2の接続手段75は、第1の接続手段73aと73bを直接接続してもよい。このような第2の接続手段75の接続によって、前記第1の接続手段が互いに電気的に接続される。
【0039】
前記第2の接続手段75は、第1の接続手段73a、73bと同様に、ボンディングパッドを直接接続するボンディングワイヤであってもよく、また、リード電極や印刷回路基板の導電パターンを含む接続手段であってもよい。
【0040】
交流電源によって電圧が印加された場合、アレイ群81a、81bの一方に順方向電圧が印加され、他方のアレイ群に逆方向電圧が印加される。逆方向電圧が印加されたアレイ群は、発光セルに均一な電圧が印加されず、特定の発光セルに局部的に過電圧が印加されることがあり得る。前記第2の接続手段75は、順方向電圧が印加されたアレイ群内における直列アレイ間の電位を用いて、逆方向電圧が印加されたアレイ群内における直列アレイ間の電位を制御する。したがって、逆方向電圧が印加されたアレイ群のうち、特定のアレイに過電圧が印加されることを防止し、発光セルを保護することができる。
【0041】
一方、前記単一チップ50a、50b、50c、50d内の発光セル58a、58b、58c、58dは、全て同一の発光波長の光を放出するように形成されてもよいが、これに限定されず、異なる波長の光を放出するように形成されてもよい。したがって、本発明の実施形態によると、単一波長の光を放出する交流駆動型の発光素子のみならず、多様な波長の光を放出する交流駆動型の発光素子が提供され得る。
【0042】
一方、本実施形態において、2つの単一チップ内のアレイが互いに直列接続されてアレイ群を形成することについて説明しているが、アレイ群は、より多くの直列アレイで形成されてもよい。
図5は、本発明の他の実施形態に係る交流駆動型の発光素子を説明するための概略図であって、3つ以上の直列アレイを含むアレイ群を説明するための概略図である。
【0043】
図5を参照すると、本実施形態に係る交流駆動型の発光素子は、単一チップの数を除いては、
図4を参照して説明した発光ダイオードと同一である。すなわち、本実施形態において、3つの単一チップが直列に接続されて1つのアレイ群を形成し、他の3つの単一チップが直列に接続されて他のアレイ群を形成する。これらのアレイ群は、互いに逆並列で接続される。
【0044】
一方、第2の接続手段95a、95bが、図示のように、アレイ群間において対応する第1の接続手段を互いに電気的に接続する。これにより、逆方向電圧が印加されたアレイ群内における特定のアレイへの過電圧の印加を防止し、発光セルを保護することができる。
【0045】
図6は、本発明の実施形態で用いられる単一チップ50を実装したパッケージを説明するための断面図である。ここで、凹状のパッケージ本体20を有する上方放射型発光素子パッケージを挙げて説明しているが、これに限定されず、全種のパッケージに適用され得る。
【0046】
図6を参照すると、パッケージ本体20の実装領域上に、
図1の単一チップ50が実装される。前記単一チップ50は、ボンディングワイヤ35によってパッケージのリード電極30に電気的に接続される。一方、前記単一チップ50は、エポキシまたはシリコンのようなモールド樹脂40で封止される。前記モールド樹脂40は、蛍光体を含有してもよい。
【0047】
本実施形態によると、1つの単一チップ50を実装したパッケージが提供される。このようなパッケージを互いに直列で接続し、単一チップ50が互いに直列に接続されたアレイ群を形成し、このようなアレイ群を互いに逆並列で接続することにより、交流電源で駆動され得る本発明による交流駆動型の発光素子が提供される。
【0048】
一方、複数の単一チップ50を1つのパッケージ内に実装してもよい。例えば、2つ以上の単一チップ50を1つのパッケージ内に実装して互いに直列接続し、このような2つのパッケージを互いに逆並列で接続することにより、本発明の交流駆動型の発光素子が提供される。
【0049】
前記パッケージは、リード電極を用いて、直列、並列、または逆並列で接続されてもよく、前記パッケージを実装する印刷回路基板上の導電性パターンを用いて接続されてもよい。
【0050】
一方、1つのパッケージ上に少なくとも4つの単一チップを実装し、これらをボンディングワイヤ等を用いて、
図4または
図5で説明したように、少なくとも2つのアレイ群を形成し、このようなアレイ群を互いに逆並列で接続することにより、単一のパッケージを用いた交流駆動型の発光素子が提供される。
【0051】
以上、基板上に1つの直列アレイを有する単一チップを用いた交流駆動型の発光素子について説明しているが、基板上に直列アレイが逆並列で接続された単一チップを用いて、交流駆動型の発光素子を構成してもよい。
図7は、単一基板上に逆並列で接続された直列アレイを有する単一チップ100を用いた交流駆動型の発光素子を説明するための概略図である。
【0052】
図7を参照すると、基板51上に、発光セル58が直列接続された2つの直列アレイ61a、61cが配置される。前記直列アレイ61a、61cは、ボンディングパッド71a、71b間で互いに逆並列で接続される。
【0053】
このような単一チップ100が、第1の接続手段によって互いに直列接続されることにより、少なくとも2つのアレイ群が形成される。前記第1の接続手段は、ボンディングパッドを直接接続するボンディングワイヤであってもよい。すなわち、前記単一チップをパッケージに実装し、前記単一チップをボンディングワイヤで接続することにより、アレイ群を形成することができる。また、上述したように、各々の単一チップ100をパッケージに実装し、前記パッケージを互いに直列接続することによりアレイ群を形成してもよく、単一チップとパッケージを用いて直列アレイ群を多様に形成してもよい。
【0054】
一方、同一の基板上に形成された前記アレイ61a、61c間において、対応する発光セル58は、第2の接続手段105によって電気的に接続される。前記第2の接続手段105は、逆方向電圧が印加されたアレイ内の発光セルに過電圧が印加されることを防止する。前記第2の接続手段105は、隣接した発光セル58が共有する第1の導電型下部半導体層であってもよく、これとは異なり、隣接した発光セルを接続するように基板上に形成された配線であってもよい。
【0055】
本実施形態によると、逆並列で接続された発光セルの直列アレイを有する単一チップ100を直接接続してアレイ群を形成することにより、単一基板上の直列アレイ内における発光セルの数を減少させることができる。
【符号の説明】
【0056】
20:パッケージ本体、30:リード電極、35:ボンディングワイヤ、51:基板、58,58a,58b,58c,58d:発光セル、61,61a,61b,61c,61d:直列アレイ、71,71a,71b,71c,71d:ボンディングパッド、73a,73b:第1の接続手段、75,95a,95b,105:第2の接続手段