(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706622
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】一時的文書取扱い方法、複数の一時的文書取扱い方法、及びコンピュータ読取り可能記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20150402BHJP
B41J 29/26 20060101ALI20150402BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20150402BHJP
B41J 2/475 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
B41J29/38 Z
B41J29/26 B
G03G21/00 574
B41J2/475 E
B41J2/475 R
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-45127(P2010-45127)
(22)【出願日】2010年3月2日
(65)【公開番号】特開2010-214948(P2010-214948A)
(43)【公開日】2010年9月30日
【審査請求日】2013年2月28日
(31)【優先権主張番号】12/404,482
(32)【優先日】2009年3月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ.ルーフ
【審査官】
牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−034127(JP,A)
【文献】
特開平07−287487(JP,A)
【文献】
特開2008−310325(JP,A)
【文献】
特開平11−249511(JP,A)
【文献】
特開2002−331696(JP,A)
【文献】
特開2007−072467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 2/475
B41J 29/26
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多目的装置による、紫外線に露光することによりパターンが形成されるとともに赤外線に露光されることにより前記パターンが消去される光発色性材料が塗膜された、一時的文書媒体の取扱い方法であって、
消去シーケンス開始時間を受け取り、
前記消去シーケンス開始時間のための時間を監視し、
前記消去シーケンス開始時間又はそれ以降、前記パターンが形成された前記一時的文書媒体に赤外線を照射する一時的文書消去シーケンスを開始すること、を含み、
前記一時的文書消去シーケンスが、
消去可能な前記パターンを含む一時的文書媒体を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、
ユーザ割り込みの有無を判断し、
A)前記ユーザ割り込みが無い場合には、
前記一時的文書媒体から前記パターンを消去して、パターンが消去された一時的文書媒体を提供し、
第2の格納領域へ前記パターンが消去された一時的文書媒体を移動させ、
B)前記ユーザ割り込みがある場合には、
前記一時的文書媒体を前記消去領域から前記第1の格納領域へ戻すとともに、前記多目的装置を印刷モードで作動させること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の格納領域から前記一時的文書媒体を移動させることが、消去予定の複数の一時的文書媒体を受け取る用紙トレイから前記一時的文書媒体を取り除くことを含み、
前記第2の格納領域へ前記パターンが消去された一時的文書媒体を移動させることが、次の一時的文書の画像形成のために使用される用紙を受け取る用紙トレイへ、前記パターンが消去された一時的文書媒体を置くことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも第1の機能と第2の消去機能を提供する多目的装置を用いて、紫外線に露光することによりパターンが形成されるとともに赤外線に露光されることにより前記パターンが消去される光発色性材料が塗膜された、複数の一時的文書媒体を取扱う方法であって、
前記方法が、
消去予定の前記複数の一時的文書媒体を第1の格納トレイに置き、
消去シーケンス開始時間を入力し、
前記消去シーケンス開始時間へ到達する前に、前記多目的装置を第1のモードにして、前記第1の機能を提供し、
消去シーケンス開始時間のための時間を監視し、
消去シーケンス開始時間又はそれ以降、前記多目的装置を第2のモードにして、前記パターンが形成された前記一時的文書に赤外線を照射する消去シーケンスを開始する第2の消去機能を実行する
ことを含み、
前記消去シーケンスが、
消去可能な前記パターンを含む一時的文書媒体を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、
ユーザ割り込みの有無を判断し、
A)前記ユーザ割り込みが無い場合には、
前記一時的文書媒体から前記パターンを消去して、パターンが消去された一時的文書媒体を提供し、
前記パターンが消去された一時的文書媒体を第2の格納領域へ移動させ、
B)前記ユーザ割り込みがある場合には、
前記一時的文書媒体を前記消去領域から前記第1の格納領域へ戻すとともに、前記多目的装置を第1のモードにして、前記第1の機能を提供すること、
ことを含む、
方法。
【請求項4】
少なくとも第1の機能及び第2の消去機能を提供する多目的装置を用いて紫外線に露光することによりパターンが形成されるとともに赤外線に露光されることにより前記パターンが消去される光発色性材料が塗膜された、複数の一時的文書媒体を取扱う方法をプロセッサに実行させるための命令を記憶しているコンピュータ読取り可能格納媒体であって、
前記複数の一時的文書媒体取扱い方法が、
前記パターンが形成された前記一時的文書媒体に赤外線を照射する消去シーケンス開始時間のための時間を監視すること、及び
前記消去シーケンス開始時間又はそれ以降、一時的文書消去シーケンスを開始することを含み、
前記一時的文書消去シーケンスが、
消去可能な前記パターンを含む一時的文書媒体を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、
ユーザ割り込みの有無を判断し、
A)前記ユーザ割り込みが無い場合には、
前記一時的文書媒体から前記パターンを消去して、パターンが消去された一時的文書媒体を提供し、
前記パターンが消去された一時的文書を第2の格納領域へ移動させ、
B)前記ユーザ割り込みがある場合には、
前記一時的文書媒体を前記消去領域から前記第1の格納領域へ戻すとともに、前記多目的装置に前記第1の機能を提供させること、
を含む、
コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、印刷及び画像形成装置の分野に係り、より詳細には、印刷媒体へ情報を画像形成し、前に画像形成された情報を印刷媒体から消去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を一種類以上の印刷媒体へ載せるコンピュータプリンタ、複写機などの印刷装置はしっかりと確立されている反面、消去可能な画像を印刷媒体へ印刷する装置は、十分に確立されていない。容易く消去できる画像を提供するために、様々なマーキング組成が提供されているが、画像を完全に消去するためには、画像(情報)を10秒以内で熱に曝すか又は可視光へ露光する必要がある。しかしながら、このような組成は、周囲光に露光されると、3日程度で褪色するという欠点があった。他の消去可能な画像マーキング組成としては、なかなか消えない画像を印刷することができ、画像の耐用寿命も数週間から数ヶ月に及ぶものが提供されているが、このような組成は、画像を容易く消去できない上に完全に消去するまでに約2分(通常、殆どの用途にとって極端に長いとみなされる)を要するという欠点があった。
【0003】
インク不使用の消去可能な画像形成組成は、例えば、アルコキシ変成ジチエニレテンなどの光発色性材料を含む。この材料は、パターン化されたUV(紫外線)を用いて媒体上へパターン画像を形成することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/206136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の消去可能な画像印刷プロセスにおいて発生した「画像寿命(対)消去困難さ」という矛盾した問題を解決することができる書き換え可能(リライタブル)な印刷組成の出現は、化学組成を印刷媒体上へ印刷して画像(情報)を消去することによって発生する他の問題も解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様は、一時的文書の取扱い方法であって、この方法が、消去シーケンス開始時間を受け、消去シーケンス開始時間を決定するために時間を監視し、消去シーケンス開始時間又はそれ以降、一時的文書消去シーケンスを開始することを含み、この一時的文書の消去シーケンスが、消去可能な画像形成されたパターンを含む一時的文書を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、一時的文書から消去可能な画像形成されたパターンを消去して、消去された一時的文書を提供し、第2の格納領域へ消去された一時的文書を移動させることを含む一時的文書取扱い方法である。
【0007】
本発明の一実施態様は、少なくとも第1の機能と第2の消去機能を提供する多目的装置を用いて複数の一時的文書を取扱う方法であって、この方法が、消去予定の複数の文書を第1の格納トレイに置き、消去シーケンス開始時間を入力し、消去シーケンス開始時間へ到達する前に、多目的装置を第1のモードにして、第1の機能を提供し、消去シーケンス開始時間のための時間を監視し、消去シーケンス開始時間又はそれ以降、多目的装置を第2のモードにして、消去シーケンスを開始する第2の消去機能を実行することを含み、消去シーケンスが、消去可能な画像形成されたパターンを含む一時的文書を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、一時的文書から消去可能な画像形成されたパターンを消去して、消去された一時的文書を提供し、消去された一時的文書を第2の格納領域へ移動させることを含む、複数の一時的文書取扱い方法である。
【0008】
本発明の一実施態様は、少なくとも第1の機能及び第2の消去機能を提供する多目的装置を用いて複数の一時的文書を取扱う方法をプロセッサに実行させるための命令を記憶しているコンピュータ読取り可能格納媒体であって、複数の一時的文書取扱い方法が、消去シーケンス開始時間のための時間を監視すること、及び消去シーケンス開始時間又はそれ以降、一時的文書消去シーケンスを開始することを含み、この一時的文書消去シーケンスが、消去可能な画像形成されたパターンを含む一時的文書を第1の格納領域から消去領域へ移動させ、一時的文書から消去可能な画像形成されたパターンを消去して、消去された一時的文書を提供し、消去された一時的文書を第2の格納領域へ移動させることを含む、
コンピュータ読取り可能記憶媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ページ上の塗膜内に画像を書き込み、この塗膜から画像を消去することを可能にする光発色性塗膜が施された一時的文書を示す斜視図である。
【
図2】例えば、
図1に示すページを複数枚取り扱う装置の一実施形態を示す断面図である。
【
図3】
図2の構造を有する装置の走査ヘッド及び駆動アセンブリを示す平面図である。
【
図4】予定された期間内で文書を消去する第1の実施形態を示す図である。
【
図5】予定された期間内で文書を消去する第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に詳細に記載されるように、本発明の様々な実施形態によれば、本発明の方法は、例えば、文書プリンタ、スキャナ、消去装置などの多目的装置が使用される可能性が低い時期の一回以上の期間において開始され終了される自動文書消去サイクルを含む。光発色性材料から画像を消去するための消去サイクルは、極めて長い時間、即ち、走査サイクル又は印刷サイクルより長い時間を要する。このため、消去サイクルは、業務時間外などの閑散時に自動的に行われ、結果的に、オフィス機器への利用度が増加していると考えられる。ユーザは、装置が不使用になる時期情報を一回(又はそれ以上)入力することができる。多目的装置は時間を自動的に監視し、指定された時刻がやってきたら、文書消去サイクルを開始する。消去サイクル中、ユーザ「割り込み」があれば、消去サイクルは停止するか又は遅延し、消去中の文書はいずれも、後から消去できるように、「消去予定」トレイへ戻され、多目的装置は、通常の印刷モードに戻る。ユーザ「割り込み」が検出されて「消去予定トレイ」が取り付けられた場合、各用紙が順に消去され、消去後、用紙は「消去後ページ格納領域」へ搬送される。
【0011】
図1は、上記したように、例えば、再印刷可能な化学組成14が塗膜された用紙12などの印刷媒体10を示す。化学組成は、従来のインクより短い時間で消去することができる長時間持続画像を提供することができる。用紙全体への画像印刷は、レンズシステムを用いたマスク又はレチクルパターンに光を透過させることによる露光によって実行することができ、又は、画像は、例えば、コンピュータ制御型のUVレーザを使用するタイプのライトペンなどを用いて、連続的に書き込むこともできるし、印刷することもできる。画像の消去は、可視光、熱、及びIR(赤外線)放射の一つ以上を含む単一露光を用いて実行することができるが、他の消去方法も想定できる。簡単にするために、以下に説明される本発明の実施形態は、赤外線放射露光によって印加される熱による消去について述べているが、本発明のさまざまな実施形態の範囲を逸脱しないかぎり、代替又はこれ以外の消去方法も想定可能であることが理解されよう。
【0012】
塗膜された媒体(本明細書において、媒体上に印刷される画像の一時的な性質から、「一時的文書(transient document)」と称される)の取扱いは、塗膜を紫外線に露光して画像を媒体上に印刷し、印刷された媒体を赤外線へ露光して印刷された画像の消去を実行することが要求される。組成が塗膜された媒体を紫外線に露光して画像を印刷する印刷装置と、赤外線に組成を露光して画像を消去する別体の消去装置が、印刷媒体の処理中に効果的に使用される。
【0013】
図2及び
図3は、多目的装置の実施形態の一例を示す。多目的装置は、例えば、機器費用を削減し、空間利用に関する要求条件を緩和する点において、単一目的の装置よりも好ましい。一実施形態において、装置は、化学的に塗膜された用紙にパターンを画像形成するためにUV光源などの印刷源を含むことができる。また、装置は、消去源、例えば、可視光源と、液晶バルブ(液晶ハロゲンヒータ)などの赤外線光源を介して供給される熱の少なくとも一つを更に含むことができる。また、装置は、先に印刷された文書を走査するために、光発色性材料を画像形成しない又は消去もしない波長を有する第3の光源を使用することができる。次に、装置は、複写された文書を電子形態で記憶することもできるし、電子文書の電子コピーを電子メールで送信することもできるし、及び/又は、文書のコピーを印刷するために印刷源を使用することもできる。他の可能な機能としては、統合型のファクシミリを使用することもできる。
【0014】
図2及び
図3の装置は、以下の要素:走査光源22、スキャナイメージャ光検出器24、及び消去源26を含む走査ヘッド20と、給紙トレイ28、36と、「複写予定」トレイ30及び「消去予定」トレイ32と、消去後用紙出力トレイ34と、ガラス又は液晶走査窓38と、印刷済みページ出力トレイ40と、「複写予定」ページ挟みローラ42と、自動文書フィーダ(ADF)ローラ44、46と、駆動ベルト48及びローラ50と、「消去予定」用紙挟みローラ52、走査ヘッド駆動ベルト54、摺動レール56、駆動ベルトローラ58と、を含む。
【0015】
様々な実施形態において、印刷された(印刷済み)材料の消去は、多目的装置の非使用期間に最良の条件で実行される。これによって、画像走査及び/又は露光用の機器は、全く中断されずに、使用される。従って、多目的装置の非使用期間に、印刷済み文書を自動的に消去し、消去された用紙を再利用するために印刷トレイ又は「消去後用紙トレイ」へ戻すことが可能な消去プロセスのための方法を提供する。
【0016】
図4の本発明の第1の実施形態は、装置の使用可能性が低い期間に多目的プリンタ及び/又は消去装置を用いて一枚以上の印刷媒体(以下「複数ページ」と称する)を消去するための自動消去サイクルを示す。自動消去サイクルがスタートし(ステップ60)、ユーザは、自動消去サイクルがスタートされる特定の日付又は自動消去機能が実行可能とされる時間範囲を入力する(又は予定をたてる)(ステップ62)。複数の開始時間又は複数の時間範囲を入力することができることが理解されよう。他の実施形態において、ユーザは装置の最終使用時刻から経時する特定の遅延長さを入力でき、消去サイクルは指定された装置非動作期間を経た後に開始される。いずれにしろ、日付又は遅延時間は自動的に監視され(ステップ64)、装置は、指定時間又は遅延時間に到達するまで、一時的文書印刷モードで連続動作する(ステップ66)。
【0017】
指定時間又は遅延時間に達すると、消去シーケンスモードが開始し(ステップ68)、用紙が「消去予定」トレイから取り除かれ、用紙の消去が開始される。
【0018】
ユーザが消去中に消去シーケンスを中断する場合(ステップ70)、消去中の用紙はいずれも「消去予定」トレイへ押し戻され(ステップ72)、装置は、通常の一時的文書印刷モードで連続動作し(ステップ66)、サイクルが終了する(ステップ74)。「サイクル終了」(ステップ74)は、現行サイクルを示し、シーケンスは、非使用期間後又は次に予定されている開始時刻又は遅延時間に再開される。
【0019】
用紙の消去が終了すると、「消去予定トレイ」が空っぽかどうかをチェックし(ステップ76)、トレイが未消去の用紙を含む場合、消去シーケンスを再開する(ステップ68)。
【0020】
方法について、さまざまな変形例及び実施形態が考案されるが、
図5は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態によれば、サイクルがスタートし(ステップ80)、ユーザは、消去シーケンスの開始時間、即ち、装置の最終使用時からの遅延時間を入力することができる(ステップ82)。開始時間は、開始時間に到達する前の通常印刷モードで動作している装置によって自動的に監視される(ステップ84)。開始時間に達したと判断した場合、「消去予定トレイ」が取り付けられたかどうかをチェックする(ステップ88)。「消去予定トレイ」が取り付けられていないと判断された場合、消去サイクルが終了し(ステップ90)、次の消去開始時間に達するまで(ステップ84)、装置は、通常印刷モードに戻る(ステップ86)。
【0021】
「消去予定トレイ」がチェックされ(ステップ88)、「消去予定トレイ」が取り付けられると、プロセスは、装置が使用中かどうか、あるいは、ユーザが消去サイクルを中断したかどうかを判断する(ステップ92)。装置が使用中又はユーザによる中断を受信した場合(ステップ92)、消去中のどの用紙も「消去予定」トレイへ戻され(ステップ94)、装置は、通常印刷モードに戻る(ステップ86)。ユーザによる割込みが検出されない場合、自動文書フィーダ(ADF)は、用紙が消去される消去源へ用紙を移動させる(ステップ96)。用紙が消去されると、空白となった用紙を、即時に再利用するために、「空白用紙トレイ」又は他の空白ページ格納領域へ移動する(ステップ98)。「消去予定」トレイが取り付けられたかどうかを再びチェックし(ステップ88)、サイクルを再開する。全ての用紙が消去され、トレイが取り付けられなければ、消去サイクルが終了し(ステップ90)、次の消去サイクル開始時間まで(ステップ84)、装置は、通常の印刷モードに戻る(ステップ86)。
【0022】
したがって、本発明の種々の実施の形態は、複数の一時的文書の取扱い方法をプロセスに実行させるための命令を含むコンピュータ読取り可能記憶媒体において実施されることができる必要な波長の光に露光させるように、一時的文書を好適に取り扱うことができる。コンピュータ読取り可能記憶媒体は、多目的装置印刷エンジンを構成するメモリ内に記憶することができ、又は、多目的装置は、複数のオフィスで使用される装置や印刷装置などの装置の大きなネットワークを構成するコンピュータ又はマイクロプロセッサによって制御することができる。様々な実施の形態は、重要ではない時間、例えば、業務時間外に一時的文書の消去を実行して、例えば、オフィス環境における装置の使用効率及び生産性を改良することができる。
【0023】
本発明の一つ以上の実施形態を含む多目的装置は、もはや入用でなくなり、消去される準備ができている一時的文書を格納する分離トレイ及び/又は仕分け器と、消去源(例えば、光源及び/又は加熱器)のスイッチを入れて、露光するための文書をロードする分離消去モードと、トレイへロードされるか又は書き込まれる準備ができている消去された用紙を格納するための出力トレイ及び/又は仕分け器と、を含むことができる。消去された用紙は、用紙を印刷中に直接給紙するためのトレイへ直接ロードすることができると考えられる。多目的装置は、自動消去モードを含み、用紙は、例えば、午前2時00分などの所定時刻に「消去予定トレイ」から給紙され自動的に消去される。
【0024】
熱だけ又は可視光と組み合わされた熱が消去のために使用される場合、光発色性材料の消去サイクルが極めて長い場合は特に、自動文書フィーダの断熱がエネルギー損失を最小限にすると考えられる。
【0025】
消去サイクル期間に多目的装置を使用することが望ましい場合、ボタン起動によるユーザ割込みモードを提供することもできる。異なるボタン又は割込み及び/又は再始トグルは、割込まれた消去サイクルに装置を戻すために使用することができる。
【0026】
一時的文書消去サイクル中のユーザ割込みをうまく処理するために、中断された消去用紙を「消去予定」トレイへ戻すことを可能にする経路を使用することができる。これによって、消去サイクルの中断が望まれた場合にユーザが一時的文書の完全な消去を待機する必要性がなくなる。
【符号の説明】
【0027】
10: 印刷媒体
12: 用紙
14: 化学組成