(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706648
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】充放電制御回路及びバッテリ装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20150402BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20150402BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20150402BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
H02J7/00 H
H02J7/00 S
H02J7/10 B
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-201123(P2010-201123)
(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公開番号】特開2012-60763(P2012-60763A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(72)【発明者】
【氏名】桜井 敦司
(72)【発明者】
【氏名】小池 智幸
(72)【発明者】
【氏名】佐野 和亮
(72)【発明者】
【氏名】前谷 文彦
【審査官】
早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−079354(JP,A)
【文献】
特開2007−068390(JP,A)
【文献】
特開2001−352683(JP,A)
【文献】
特開平10−225007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H01M10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の第一電源端子と第一外部端子の間に設けられた一つの双方向導通型電界効果トランジスタによって、二次電池の充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記二次電池の両端に接続され、前記二次電池の電圧を監視する制御回路と、
第一の端子と、前記二次電池の第二電源端子に接続された第二の端子を有し、前記制御回路の出力により前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートを制御するスイッチ回路と、を備え、
前記スイッチ回路の第一の端子が前記双方向導通型電界効果トランジスタのバックゲートに接続され、前記スイッチ回路の第一の端子の電圧を前記二次電池の第一電源端子と前記第一外部端子の電圧のいずれか低いほうにすることを特徴とする充放電制御回路。
【請求項2】
前記スイッチ回路は、
ゲートが前記制御回路の出力に接続され、ドレインが前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記スイッチ回路の第二の端子に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、
ゲートが前記制御回路の出力に接続され、ドレインが前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記スイッチ回路の第一の端子に接続されたNチャネルMOSトランジスタで構成され、
前記スイッチ回路の第一の端子が前記双方向導通型電界効果トランジスタのバックゲートに接続されたことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御回路。
【請求項3】
前記制御回路は、
負極電源端子が前記スイッチ回路の第一の端子に接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載の充放電制御回路。
【請求項4】
二次電池の第二電源端子と第二外部端子の間に設けられた一つの双方向導通型電界効果トランジスタによって、二次電池の充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記二次電池の両端に接続され、前記二次電池の電圧を監視する制御回路と、
第一の端子と、前記二次電池の第一電源端子に接続された第二の端子を有し、前記制御回路の出力により前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートを制御するスイッチ回路と、を備え、
前記スイッチ回路の第一の端子が前記双方向導通型電界効果トランジスタのバックゲートに接続され、前記スイッチ回路の第一の端子の電圧を前記二次電池の第二電源端子と前記第二外部端子の電圧のいずれか高いほうにすることを特徴とする充放電制御回路。
【請求項5】
前記スイッチ回路は、
ゲートが前記制御回路の出力に接続され、ドレインが前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記スイッチ回路の第一の端子に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、
ゲートが前記制御回路の出力に接続され、ドレインが前記双方向導通型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記スイッチ回路の第二の端子に接続されたNチャネルMOSトランジスタで構成され、
前記スイッチ回路の第一の端子が前記双方向導通型電界効果トランジスタのバックゲートに接続されたことを特徴とする請求項4に記載の充放電制御回路。
【請求項6】
前記制御回路は、
正極電源端子が前記スイッチ回路の第一の端子に接続されたことを特徴とする請求項4または5に記載の充放電制御回路。
【請求項7】
充放電が可能な二次電池と、
前記二次電池の第一電源端子と第一外部端子の間の充放電経路に設けられた、前記二次電池の充放電を制御する充放電制御スイッチである、一つの双方向導通型電界効果トランジスタと、
前記二次電池の電圧を監視し、前記充放電制御スイッチを開閉することによって前記二次電池の充放電を制御する請求項1から6のいずれかに記載の充放電制御回路と、
を備えたバッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の電圧や異常を検知する充放電制御回路及びバッテリ装置に関し、特に、1つの充放電制御MOSFETで制御することのできる充放電制御回路及びバッテリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図3に、従来の充放電制御回路を備えたバッテリ装置の回路図を示す。従来の充放電制御回路を備えたバッテリ装置は、2次電池101の負極側に、双方向に通電遮断可能なエンハンスメント型NチャネルMOSFET306を直列に接続される。端子120及び121には充電回路あるいは負荷が接続され、充放電電流はこの端子を通して2次電池101に供給あるいは放出される。制御回路102は2次電池101及びエンハンスメント型NチャネルMOSFET306の電圧を検出し、その値に応じてスイッチ301、304、305のオン、オフを制御する。エンハンスメント型NチャネルMOSFET306は、ゲート端子の電位が正のしきい値電圧以上ではドレイン端子とソース端子間は双方向に通電可能となり、ゲート端子の電位がしきい値電圧以下になるとドレイン端子とソース端子間はオフ状態となる。
【0003】
充電禁止状態ついて説明する。充電器を端子120、121間に接続するとエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsは正の値となる。制御回路102はVdsが正であることを検出し、スイッチ301をオンし、スイッチ305、304をオフする。これによりエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のゲート端子はソース端子より2次電池101の電圧分だけ高電位になり、エンハンスメント型NチャネルMOSFET306は通電状態となる。
【0004】
2次電池101が充電され電池電圧が設定上限値に達すると制御回路102はスイッチ301をオフ、スイッチ305、304をオンする。するとエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のゲート端子はソース端子と同電位となり、エンハンスメント型NチャネルMOSFET306はオフ状態となる。その結果充電電流は遮断され、2次電池101が過充電されるのを防止する。またこのときダイオード302は逆バイアスとなりスイッチ304及びスイッチ305を通って電流が流れるのを防止している。
【0005】
充電電流を遮断すると、内部抵抗による電圧降下が無くなるため、2次電池101の電圧は低下する。この電圧低下により再度充電が開始されるのを防止するため、充電禁止となった後は、2次電池101がある程度放電されて電圧が設定した値以下になるまで充電禁止状態を保持すると良い。充電禁止状態において端子120、121間に負荷が接続されるとVdsは正から負に切り替わる。制御回路102はVdsが負の場合は放電し、正の場合には充電電流を遮断するようにスイッチ301、304、305を制御すればよい。
【0006】
上記説明では充電停止時にはスイッチ304、305はともにオンとした。しかしスイッチ304はオフしても同様に充電停止可能である。スイッチ304のオン、オフに関わらず、スイッチ305がオンしているためゲート端子はソース端子と同電位となり、エンハンスメント型NチャネルMOSFET306はオフ状態となる。またダイオード302によりスイッチ304、305を通って流れる電流も遮断されるためである。
【0007】
但し上で説明した充電時、及び後で述べる放電時にはスイッチ304、305はともにオフである。そのため充電停止時にスイッチ304、305はともにオンとし、後で説明するように放電停止時にもスイッチ304、305はともにオンとすれば、2つのスイッチは常に同時にオンあるいはオフとなる。したがって、スイッチ304、305を独立して制御する必要がなく、制御回路の構成を簡単に出来る。
【0008】
次に放電禁止状態について説明する。負荷を端子120、121間に接続するとエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsは負の値となる。制御回路102はVdsが負であることを検出し、スイッチ301をオンし、スイッチ304、305をオフする。これによりエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のゲート端子はドレイン端子より2次電池101の電圧分だけ高電位になりエンハンスメント型NチャネルMOSFET306は通電状態となる。
【0009】
2次電池101の放電が進み電池電圧が設定下限値に達すると制御回路102はスイッチ301をオフ、スイッチ304、305をオンする。するとエンハンスメント型NチャネルMOSFET306のゲート端子はドレイン端子と同電位となりエンハンスメント型NチャネルMOSFET306はオフ状態となる。その結果放電電流は遮断され、2次電池101が過放電されるのを防止する。またこのときダイオード303は逆バイアスとなりスイッチ304及びスイッチ305を通って電流が流れるのを防止している。
【0010】
放電電流を遮断すると、内部抵抗による電圧降下が無くなるため、2次電池101の電圧は上昇する。この電圧上昇により再度放電が開始されるのを防止するため、放電禁止となった後は、2次電池101がある程度充電されて電圧が設定した値以上になるまで、放電禁止状態を保持すると良い。放電禁止状態において端子120、121間に充電回路が接続されるとVdsは負から正に切り替わる。制御回路102はVdsが正の場合は充電し、負の場合には放電電流を遮断するようにスイッチ301、304、305を制御すればよい。
【0011】
上記説明では放電停止時にはスイッチ304、305はともにオンとした。しかしスイッチ305はオフしても同様に放電停止可能である。スイッチ305のオン、オフに関わらず、スイッチ304がオンしているためゲート端子はドレイン端子と同電位となり、エンハンスメント型NチャネルMOSFET306はオフ状態となる。またダイオード303によりスイッチ305、304を通って流れる電流も遮断されるためである。
【0012】
但し放電停止時にスイッチ304、305はともにオンとすれば、前に説明したように2つのスイッチは常に同時にオンあるいはオフとなる。したがってスイッチ304、305を独立して制御する必要がなく、制御回路102の構成を簡単に出来る。
【0013】
エンハンスメント型NチャネルMOSFET306には内蔵のダイオード321、322が形成される。しかしこれらは逆方向に直列接続されており導通することはなく、上で説明した保護動作に影響することはない。
【0014】
エンハンスメント型NチャネルMOSFET306は横型構造でも縦型構造でもよい。横型構造とすればエンハンスメント型NチャネルMOSFET306と制御回路102を1個のICで構成することが容易である。従って従来IC1個とスイッチ2個で構成していた過充電・過放電保護回路をIC1個で構成できるため小型化,低コスト化を図ることが可能である。一方縦型構造とすれば横型構造に比較して低損失化を図ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2000-102182号公報(
図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら従来の技術では、素子数が多くレイアウト面積が大きいという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するために考案されたものであり、レイアウト面積を小さくできる充放電制御回路路及びバッテリ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従来の課題を解決するために、本発明の充放電制御回路を備えたバッテリ装置は以下のような構成とした。
【0018】
一つの双方向導通型電界効果トランジスタによって、二次電池の充放電を制御する充放電制御回路であって、前記二次電池の両端が接続され、前記二次電池の電圧を監視する制御回路と、第一の端子と第二の端子を有し、前記制御回路の出力により双方向導通型電界効果トランジスタのゲートを制御するスイッチ回路と、を備え、前記第一の端子が前記双方向導通型電界効果トランジスタのバックゲートに接続されたことを特徴とする充放電制御回路。
【発明の効果】
【0019】
本発明の充放電制御回路を備えたバッテリ装置によれば、使用する素子を減らすことでレイアウト面積を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第一の実施形態の充放電制御回路を備えたバッテリ装置の回路図である。
【
図2】第二の実施形態の充放電制御回路を備えたバッテリ装置の回路図である。
【
図3】従来の充放電制御回路を備えたバッテリ装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、第一の実施形態の充放電制御回路151を備えたバッテリ装置の回路図である。
本実施形態の充放電制御回路151を備えたバッテリ装置は、二次電池101と、制御回路102と、双方向導通型電界効果トランジスタ114と、充電器132または負荷131が接続される外部端子120及び121と、PMOSトランジスタ110と、NMOSトランジスタ111とを備えている。PMOSトランジスタ110とNMOSトランジスタ111と端子124(第二の端子)と端子125(第一の端子)でスイッチ回路152を構成している。
【0023】
二次電池101の両端は正極電源端子122と負極電源端子123に接続される。制御回路102は、正極電源として正極電源端子122に接続され、負極電源として端子125に接続され、出力はPMOSトランジスタ110のゲートとNMOSトランジスタ111のゲートに接続される。PMOSトランジスタ110は、ソースは端子124を介して正極電源端子122および外部端子120に接続され、ドレインはNMOSトランジスタ111のドレインに接続される。NMOSトランジスタ111は、ソースおよびバックゲートは端子125を介して双方向導通型電界効果トランジスタ114のバックゲートに接続され、ドレインは双方向導通型電界効果トランジスタ114のゲートに接続される。双方向導通型電界効果トランジスタ114は、ドレインは負極電源端子123に接続され、ソースは外部端子121に接続される。
【0024】
次に本実施形態の充放電制御回路151を備えたバッテリ装置の動作について説明する。
外部端子120、121に充電器132が接続され、制御回路102によって二次電池101が充放電可能状態である事を検出すると、制御回路102はLowを出力してPMOSトランジスタ110をオン、NMOSトランジスタ111をオフさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ114は、ゲート電極が正極電源端子122に接続されオン状態となる。こうして充放電が行われる。ここで制御回路102の負極電源は端子125に接続されるため、負極電源端子123および外部端子121の低い方の電圧をLowとして出力することができる。
【0025】
外部端子120、121に充電器132が接続され、制御回路102によって二次電池101が充電禁止状態になった事を検出すると、制御回路102はHighを出力してPMOSトランジスタ110をオフ、NMOSトランジスタ111をオンさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ114は、ゲートが寄生ダイオード162、端子125、NMOSトランジスタ111を介して外部端子121にプルダウンされてオフ状態となる。こうして、充電電流は遮断され二次電池101が過充電となるのを防止する。
【0026】
外部端子120、121に負荷131が接続され、制御回路102によって二次電池101が放電禁止状態になった事を検出すると、制御回路102はHighを出力してPMOSトランジスタ110をオフ、NMOSトランジスタ111をオンさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ114は、ゲートが寄生ダイオード161、端子125、NMOSトランジスタ111を介して負極電源端子123にプルダウンされてオフ状態となる。こうして、放電電流は遮断され二次電池101が過放電となるのを防止する。
【0027】
なお、双方向導通型電界効果トランジスタ114は外付けで充放電制御回路151に接続しても良い。
【0028】
以上に説明したように、本実施形態の充放電制御回路151を備えたバッテリ装置によれば、使用する素子の少ない構成で二次電池101が充電禁止状態になったとき充電電流を遮断することができ、放電禁止状態になったとき放電電流を遮断することができる。
【実施例2】
【0029】
図2は、第二の実施形態の充放電制御回路251を備えたバッテリ装置の回路図である。
第二の実施形態の充放電制御回路251を備えたバッテリ装置は、二次電池101と、制御回路102と、双方向導通型電界効果トランジスタ214と、充電器132または負荷131が接続される外部端子120及び121と、PMOSトランジスタ210と、NMOSトランジスタ211とを備えている。PMOSトランジスタ210とNMOSトランジスタ211と端子124(第二の端子)と端子125(第一の端子)でスイッチ回路252を構成している。
【0030】
二次電池101の両端は正極電源端子122と負極電源端子123に接続される。制御回路102は正極電源として端子125に接続され、負極電源として負極電源端子123に接続され、出力はPMOSトランジスタ210のゲートとNMOSトランジスタ211のゲートに接続される。PMOSトランジスタ210は、ソースおよびバックゲートは端子125を介して双方向導通型電界効果トランジスタ214のバックゲートに接続され、ドレインはNMOSトランジスタ211のドレインに接続される。NMOSトランジスタ211は、ソースは端子124を介して負極電源端子123および外部端子121に接続され、ドレインは双方向導通型電界効果トランジスタ214のゲートに接続される。双方向導通型電界効果トランジスタ214は、ドレインは正極電源端子122に接続され、ソースは外部端子120に接続される。
【0031】
次に第二の実施形態の充放電制御回路251を備えたバッテリ装置の動作について説明する。
外部端子120、121に充電器132が接続され、制御回路102によって二次電池101が充放電可能状態である事を検出すると、制御回路102はHighを出力してPMOSトランジスタ210をオフ、NMOSトランジスタ211をオンさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ214は、ゲート電極が負極電源端子123に接続されオン状態となる。こうして充放電が行われる。ここで制御回路102の正極電源は端子125に接続されるため、正極電源端子122および外部端子120の高い方の電圧をHighとして出力することができる。
【0032】
外部端子120、121に充電器132が接続され、制御回路102によって二次電池101が充電禁止状態になった事を検出すると、制御回路102はLowを出力してPMOSトランジスタ210をオン、NMOSトランジスタ211をオフさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ214は、ゲートが寄生ダイオード262、端子125、PMOSトランジスタ210を介して外部端子120にプルアップされてオフ状態となる。こうして、充電電流は遮断され二次電池101が過充電となるのを防止する。
【0033】
外部端子120、121に負荷131が接続され、制御回路102によって二次電池101が放電禁止状態になった事を検出すると、制御回路102はLowを出力してPMOSトランジスタ210をオン、NMOSトランジスタ211をオフさせる。すると双方向導通型電界効果トランジスタ214は、ゲートが寄生ダイオード261、端子125、PMOSトランジスタ210を介して正極電源端子122にプルアップされてオフ状態となる。こうして、放電電流は遮断され二次電池101が過放電となるのを防止する。
【0034】
なお、双方向導通型電界効果トランジスタ214は外付けで充放電制御回路251に接続しても良い。
【0035】
以上に説明したように、第二の実施形態の充放電制御回路251を備えたバッテリ装置によれば、使用する素子の少ない構成で二次電池101が充電禁止状態になったとき充電電流を遮断することができ、放電禁止状態になったとき放電電流を遮断することができる。
【符号の説明】
【0036】
101 二次電池
102 制御回路
151、251 充放電制御回路
152、252 スイッチ回路
114、214 双方向導通型電界効果トランジスタ
120、121 外部端子
122 正極電源端子
123 負極電源端子
124、125 端子
131 負荷
132 充電器
161、162、261、262、321、322 寄生ダイオード
302、303 ダイオード