(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記電子ズームが行われ、かつ前記被写体の見失いが検出されたときに、前記縮小した画像と前記拡大した画像を合成して、前記表示部の前記表示画面上に表示するように、前記表示画面の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮影機器。
前記表示制御部は、前記被写体の見失いが検出されると、前記ズーム範囲外の画像を含む、前記撮像素子の前記撮像範囲の全域の画像を、前記表示画面上に表示することを特徴とする請求項1に記載の撮影機器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
(構成)
本実施の形態の撮影機器は、レンズ交換可能な本体部2を含む、一眼式のデジタルカメラである。
図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。本体部2に装着されるレンズ3は、後述するようにズームレンズである。よって、本実施の形態に係るデジタルカメラは、ズーム可能なレンズを通った光を撮像素子において受光して被写体を撮影する撮影装置である。
【0013】
なお、以下の説明では、撮影機器は、一眼式のデジタルカメラであるとして説明するが、撮影機器は、いわゆるレンズ交換のできないカメラであってよく、例えば、レンズ一体型のカメラ、所謂コンパクトカメラ、等であってもよい。第2の実施の形態においても同様である。
【0014】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、いわゆるボディである本体部2と、交換レンズであるレンズ3とを有する。
まず、本体部2は、信号処理及び制御部11と、通信部12,13と、撮像部14と、モーション判定部15と、記録部16と、GPS部17と、表示部18と、方位判定部19と、操作判定部20と、時計部21とを含んで構成されている。これらの各部は、本体部2内の回路基板上に搭載されている。
【0015】
信号処理及び制御部11は、中央処理装置(以下、CPUとい)を含み、撮像部14からの画像信号に対して、所定の信号処理、例えば、色信号生成処理、マトリックス変換処理、その他各種のデジタル処理を行う。信号処理及び制御部11は、画像信号及び音声信号の記録に際して、符号化処理を施して圧縮した画像情報及び音声情報を出力することもできるようになっている。また、信号処理及び制御部11は、記録部16からの画像情報及び音声情報を復号化して、画像信号及び音声信号を得ることができるようになっている。画像信号は、動画像信号も含む。
【0016】
信号処理及び制御部11のCPUが、デジタルカメラ1の全体の動作の制御を行うと共に、後述する被写体の見失い時の対応処理を実行する。CPUが実行するソフトウエアプログラムは、図示しないROMに記憶されている。
また、信号処理及び制御部11は、範囲制御部11aと、表示制御部11bとを含む。範囲制御部11a及び表示制御部11bは、CPUにより実行されるソフトウエアプログラムでもよいし、ハードウエア回路でもよい。
【0017】
範囲制御部11aは、電子ズームと光学ズームのそれぞれの動作範囲を制御する。電子ズームと光学ズームのそれぞれの動作範囲については、後述する。
表示制御部11bは、表示部18に表示する画像の表示内容及び表示形態を制御する処理部である。表示制御部11bは、後述するような、切り出し処理、拡大及び縮小処理、合成処理等を行う。
通信部12は、レンズ3の通信部32(後述)との各種データ通信を行う回路である。
【0018】
通信部13は、外部機器と接続するための回路、及び無線通信機能を有してインターネット等の通信回線を介するデータ通信を行うための回路を含む。例えば、デジタルカメラ1は、インターネット上の各種サーバから各種情報を取得することができるので、GPS部17で取得した位置情報及び/又は方位判定部19で取得した方位情報を利用した各種データ処理サービスのサービス結果を得ることができる。
【0019】
撮像部14は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子により構成されている。レンズ3からの被写体の光学像は、撮像部14を構成する撮像素子の撮像面に結像するようになっている。この撮像部14は、信号処理及び制御部11によって駆動制御される。信号処理及び制御部11は、撮像部14に撮像素子の駆動信号を出力すると共に、撮像素子が光学像を光電変換して得た画像信号を取り込む。
【0020】
モーション判定部15は、加速度センサ等を含み、デジタルカメラ1すなわち本体部2の動きを判定する。
記録部16は、信号処理及び制御部11からの画像情報及び音声情報を図示しない記録媒体に記録する回路である。なお、記録部16は、例えばカードインターフェースを採用することができ、記録部16は、メモリカード等に画像情報及び音声情報等を記録可能である。また、記録部16は、記録媒体に記録された画像情報及び音声情報を読み出して信号処理及び制御部11に供給することができる。
【0021】
GPS部17は、GPSシステムからの信号を受信して、カメラ1の位置情報を取得する回路である。
表示部18は、液晶表示器(LCD)等の表示デバイスにより構成され、撮影画像を表示するだけでなく、後述する被写体の見失い時に被写体の方向をユーザが判るようにアシストするためのアシスト画像を表示するユニットである。さらに、表示部18は、記録部16からの再生画像が信号処理及び制御部11から供給されて、これらの画像表示を行うことができる。また、表示部18は信号処理及び制御部11により制御されて、デジタルカメラ1の操作を行うためのメニュー表示等を表示することもできるようになっている。
【0022】
方位判定部19は、地磁気センサ等を含み、デジタルカメラ1のレンズ3の向いている方向である方位を判定するためのセンサを含む。
操作判定部20は、本体部2に設けられた各種スイッチ、タッチパネル等への操作信号を入力して、ユーザの種々の操作内容を判定する回路である。操作判定部18は、ユーザによる各種釦操作に応じた操作内容を示す操作信号を発生させて、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。信号処理及び制御部11は、操作信号に基づいて、各部を制御する。
【0023】
時計部21は、信号処理及び制御部11が用いる時間情報を発生する。時間情報は、例えば、撮影画像の整理用に用いられる。
次にレンズ3について説明する。レンズ3は、ズームレンズ部31と、通信部32と、駆動部33と、操作部34とを含んで構成されている。
【0024】
ズームレンズ部31は、ズームレンズ光学系を有しており、かつ駆動部33に駆動されることにより被写体の像を合焦させるオートフォーカス機能を備えている。
通信部32は、本体部2の通信部12との通信を行う回路である。レンズ3が本体部2に装着されると、それぞれに設けられた複数の切片あるいは複数のピンが接触して、通信部12と13間で信号の送受信が可能となる。通信部32は、レンズ3に関する情報を本体部2へ送信することができる。
【0025】
レンズ3は、交換レンズであるので、種々のレンズが、本体部2には装着可能である。装着可能な複数のレンズは、ズーム倍率、焦点距離、明るさ(F値)等の情報が互いに異なっている。
【0026】
駆動部33は、通信部32を介して受信した制御データに基づき、ズームレンズ部31の絞り、焦点、画角(あるいはズーム位置)等を制御するために、ズームレンズ部31を駆動する回路である。ズームレンズ部31のズーム位置、合焦状態、および絞りは、図示しない検出部によって検出され、その検出されたズームレンズ部31のズーム位置等は通信部34を介して本体部2へ送信される。
【0027】
操作部34は、レンズ3のズームリングあるいはズームスイッチからなるズーム操作部であり、操作部34を操作することによって、ユーザは、レンズ3のズーム位置を変更することができる。
なお、レンズ3が操作部を有しないで、本体部2の操作部への操作に応じて出力される制御信号に基づいて、ズーム位置が制御されるデジタルカメラもある。その場合は、レンズ3の操作部は、本体部2に設けられて、上述した操作判定部20に入力されたズーム位置情報が、レンズ3へ伝達される。
【0028】
従って、デジタルカメラ1は、主に信号処理及び制御部11、記録部16及び表示部18により、撮像部14からの撮像信号に基づく動画像及び静止画についての表示及び記録に関する処理が可能である。即ち、信号処理及び制御部11は、撮像部14からの撮像信号に所定の信号処理を施して動画像の映像信号を生成すると共に、この映像信号を表示部18に出力して表示する。また、信号処理及び制御部11は、生成した映像信号を圧縮して記録部16に与える。記録部16は、信号処理及び制御部11からの映像信号を図示しない記録媒体に記録すると共に、記録媒体に記録されている映像信号を読み出して信号処理及び制御部11に出力することができる。信号処理及び制御部11は記録部16からの映像信号を復号化して、本体表示部19に与えて表示させることができる。
(被写体の見失いの例)
次に、被写体を見失う場合について説明する。
図2と
図3は、ユーザPが、カメラであるデジタルカメラ1を把持しながら、被写体の一例として、遠くに飛んでいる鳥Bを撮影する場合を説明するための図である。
図2は、ユーザPがレンズ3をズーミングしていない状態を説明するための図である。
【0029】
図2に示すように、ユーザPがデジタルカメラ1を手に持って鳥Bを撮影しようとするとき、ユーザPは表示部18の表示画面18aを見ながら、デジタルカメラ1のレンズ3の向きを調整する。レンズ3は、まだズーミングされておらず、望遠状態にはない。
図2では、点線の枠が、撮像部14により撮像されている撮像範囲IPAを示す。実線の枠で示した表示部18の表示画面18a上には、鳥画像BIが画面全体に対して小さく表示されている。
【0030】
図3は、ユーザPがレンズ3をズーミングして鳥Bを撮影する場合を説明するための図である。
図3に示すように、ユーザPは、レンズ3の光軸を鳥Bに向けてズーミングして、表示画面18a上に鳥画像BIが拡大表示された状態で撮影釦を押すことにより、鳥Bを撮影したい、とする。
図3において、点線の枠が、ユーザPがズーミングしているズーム範囲ZAを示す。
【0031】
しかし、ユーザPには、鳥Bを狭い画角内の略中心に位置させて、実線の枠で示した表示画面18a上に鳥画像BIが表示されるように、デジタルカメラ1の向きを調整することは容易でない。例えば、ユーザPは、
図3において、点線で示す枠NZAの範囲を撮影するような方向に、デジタルカメラ1を向けてしまう場合がある。
【0032】
鳥Bがレンズ3の狭い画角内に入らない場合、鳥画像BIが表示画面18a内から消失するため、ユーザは、所望のフレーミングができず、ユーザは、再び鳥Bを見ながら、デジタルカメラ1のレンズ3の向きを調整しようとする、あるいは表示画面18aを頼りにして、表示画面18aを見ながら鳥画像BIが表示されるまで、デジタルカメラ1のレンズ3の向きを種々変えるかもしれない。
【0033】
そこで、本実施の形態のデジタルカメラ1は、このようなユーザPが被写体を見失ったときに、撮像部14により撮像されている、ズーム範囲ZAよりも広い撮像範囲IPA内の画像を、アシスト画像として表示部18に表示させて、被写体が存在する方向を、ユーザPが認識できるようになっている。すなわち、デジタルカメラ1は、ユーザが被写体を見失った場合には、ズーム画像から、撮像範囲IPA内の画像に切り替えて、表示部18に表示し、ユーザが被写体を見失わなくなると、ズーム画像を表示部18に表示するように表示切り替えを行う。
【0034】
さらに、ズーム範囲ZAに対応する撮像部14の撮像素子上の画素領域は、実際に撮影画像として記録される画像が所定の画質以上を有するように制限される。すなわち、デジタルカメラ1において、所定の広角から所定の画質が維持できる所定のズーム域までは優先的に電子ズームによりズーミングを行い、その所定のズーム域を超えると、光学ズームによりズーミングを行うようにしている。
【0035】
すなわち、デジタルカメラ1は、ズーム操作がされると、所定の画質が維持できる所定のズーム位置までは電子ズームを優先させ、その所定のズーム位置を超えると光学ズームを行い、かつ、ズーミングが行われている場合にユーザPが被写体を見失ったときは、ズーム範囲ZAよりも広い撮像範囲IPAの画像を表示部18に表示するようにした。
【0036】
図4は、ズーミングして被写体を見失った場合における表示部18の表示画面18aの表示画像の変化を説明するための図である。
ズーミングが行われると、撮像部14が撮像している撮像範囲IPA内において、ユーザがズーミングをしているズーム範囲ZAの画像が、表示画面18a上に表示される。しかし、ユーザが被写体を見失って、デジタルカメラ1を上下左右の方向に動かしたり、撮像部14の所定の中央部の色が変化したり、急速な広角側へのズーム操作が行われたり、等の所定の動きを検出あるいは所定の操作が行われたことを検出すると、ズーム範囲ZAよりも広い範囲(撮像部14で撮像している撮像範囲IPA)が、所定の時間(例えば2秒)の間、表示画面18a上に表示される。
【0037】
ユーザのズーム操作により表示画面18a上には、ズーム範囲ZAが表示されているが、デジタルカメラ1の向きが被写体の位置から外れると、
図4においてC1で示すように、表示画面18a上には、被写体の画像(鳥画像BI)は、表示されない。
しかし、デジタルカメラ1は、ユーザが被写体を見失ったことを検出すると、
図4においてC2で示すようなアシスト画像を、表示画面18a上に表示するように、ズーム範囲ZAの画像表示から、撮像範囲IPAの画像表示に切り替わる。
【0038】
切り替わった画像は、ズーム範囲ZAよりも広い撮像範囲IPAの画像なので、鳥画像BIが含まれている場合がある。
図4の場合、鳥画像BIが撮像範囲IPA内に含まれているので、ユーザは、鳥画像BIを見て、デジタルカメラ1の方向(言い換えるとレンズ3の方向)を、矢印Aで示す鳥画像BIの方向に変えることができる。さらに、その撮像範囲IPAには、ズーム範囲ZAを示す枠ZFも重畳して表示される。
【0039】
よって、ユーザは、ズーミングをして被写体を見失ったときに、アシスト画像により、被写体の存在する方向を認識でき、かつ所定の画質以上で、被写体の撮影をすることができる。
なお、ユーザが被写体を見失ったときに、表示される撮像範囲IPAの画像中に、ズーム範囲ZAを示す枠ZFを表示しないようにしてもよい。
【0040】
図5は、ズーム操作における電子ズームと光学ズームの動作範囲を示す模式的な図である。
図5において、横軸は、ズーム操作量を示し、縦軸は、レンズ3のズーム位置を示す。レンズ3の最大画角時(最大広角時)を0として、ユーザが操作部34を操作して、レンズ3のズーミングを行っていくと、最大広角状態(0)からズーム操作量Z1までのズーム域ZM1内では、電子ズームのみが働く。すなわち、ズーム操作量Z1におけるレンズ3の所定のズーム位置ZP1までは、電子ズームが優先して動作する。
【0041】
ズーム操作量Z1に対応する所定のズーム位置ZP1は、撮像部14の撮像素子の性能に基づき予め決定される。ズーム位置ZP1までの電子ズームされた画像は、所定の画質以上となるように、ズーム操作量Z1すなわちズーム位置ZP1は、決定される。
図5において、実線は、電子ズームの動作を示す。
【0042】
CPUは、レンズ3の焦点距離情報を通信部12,32を介して受信し、かつ撮像部14の撮像素子における所定の画質を維持できる領域情報とから、
図5に示すズーム位置ZP1とズーム操作量Z1を決定する。ズーム操作量Z1は、電子ズームによる限界操作量であり、ズーム位置ZP1は、電子ズームによる限界ズーム位置である。
【0043】
例えば、撮像素子の撮像領域の1/4までは電子ズーム機能を利用して撮影しても、撮影して得られた画像は、所定の画質以上を有しているとすれば、所定のズーム位置ZP1は、撮像素子の撮像領域の1/4に対応する位置として設定される。
【0044】
よって、ユーザが広角側から望遠側にズーミングすると、最大広角状態(0)からズーム操作量Z1までのズーム域ZM1内では、ズーミングは、電子ズームにより行われる。すなわち、撮像部14により撮像されている撮像範囲IPA内から電子ズーミングされた画像が切り出されて、表示部18の表示画面18a上に表示される。
【0045】
ズーム操作量がZ1を超えると、電子ズームのズーム位置ZP1は固定され、レンズ3内のレンズの動きによる光学ズームが開始される。ズーム操作量Z1の位置では、光学ズームによるズーミングは、行われておらず、ズーム操作量がZ1を超えると、ズーム操作量に応じて、ズーム位置が増加する。
【0046】
図5において、一点鎖線で示す線が光学ズームの動作を示す。すなわち、ズーム操作量がズーム域ZM1を超えたズーム域ZM2では、電子ズーミングは、ズーム位置ZP1で固定され、ズーム操作がさらに行われても動作しないように制限される。一方、ズーム域ZM2では、ズーム操作量に応じて、光学ズームが行われることによってズーム位置が増加するように変化する。ズーム域ZM2では、ズーム位置は、
図5において点線で示すように、電子ズームと光学ズームを合わせた位置となる。
【0047】
表示部18に表示される画像が、ズーム範囲ZAの画像から、撮像範囲IPAの画像に変化するということは、表示部に表示される画像のズーム位置が、
図5において、あるズーム位置に対応する点P1の位置から、電子ズームのズーム分だけ下がった点P2の位置へ変化するということに対応する。
図5に示すズーム域に対応した電子ズームと光学ズームの動作範囲の制御は、信号処理及び制御部11の範囲制御部11aにより行われる。
【0048】
次に、表示部18の表示画面18aに表示される表示画像について説明する。
図6は、撮像部14の撮像素子の撮像範囲とズーム範囲を説明するための図である。なお、表示画面18aへの画像表示は、信号処理及び制御部11の表示制御部11bが行う。
図6では、撮像範囲IPAの中央部の面積が1/4程度の部分が、所定の画質が維持できる撮影範囲限界範囲あるいは撮影範囲限界領域として示されている。
【0049】
電子ズームが開始されると、撮像部14が撮像している撮像範囲IPAに対して、ズーム範囲ZAの画像が切り出されて、表示画面18a上に表示される。すなわち、
図6において斜線で示す周囲画像範囲PAは表示画面18a上に表示されない。撮影釦が操作すなわち押されれば、ズーム範囲ZAの画像が、記録部16の記録媒体に記録される。そして、通常は、ズーム範囲ZAの周囲の周囲画像範囲PAの画像は、表示画面18aには表示されない。
【0050】
電子ズームは、撮像範囲IPAから撮影範囲限界範囲までは行われるが、撮影範囲限界範囲内までは、行われない。
しかし、後述するように、ユーザPが被写体である鳥を見失ったことが検出されると、表示画面18aには、アシスト画像として、撮像範囲IPAの画像(すなわちズーム範囲ZAの画像と周囲画像範囲PAの画像)が表示される。言い換えると、周囲画像範囲PAは、見失い時の表示専用部分である。
【0051】
なお、周囲画像範囲PAの画像(以下、周囲画像という)PAPを縮小して、表示画面18a上に表示するようにしてもよい。
図7は、表示部18の表示画面18aに表示されたアシスト画像の例を示す図である。
図7に示すように、撮像範囲IPAの画像の内、周囲画像範囲PAの周囲画像PAPは圧縮して縮小表示され、その内側にズーム範囲ZAのズーム画像ZAPが拡大表示される。
【0052】
図7は、例として、2倍ズームされている状態で周囲画像PAPも含む画像が表示されている状態を示す。表示画面18aの横方向の半分を1としたときに、周囲画像PAPの横方向の長さは、1/4であることが示されている。すなわち、周囲画像PAPを縮小し、ズーム画像ZAPを拡大し、かつ、その2つの画像を、表示画面18aに収まるように、すなわち表示画面18aのサイズと略一致するように、それぞれの比率を変更して合成して、アシスト画像が生成される。
【0053】
周囲画像PAPは、縮小されても、
図7に示すように鳥画像BIが表示画面18a上に表示されるので、ユーザPは、レンズ3の光軸を向ける方向を知ることができる。また、ズーム画像ZAPも、
図6におけるズーム範囲ZAの周囲画像範囲PAに対する比率よりも、大きな比率で表示画面18a上に表示されるので、ユーザは、撮影画像を認識し易い。
(処理)
次に、デジタルカメラ1の撮影時の処理を説明する。
図8は、デジタルカメラ1の撮影時の処理の流れの例を示すフローチャートである。
図8の処理は、信号処理及び制御部11のCPUが実行する。
図8の処理プログラムは、信号処理及び制御部11内のROM(図示せず)に記憶されている。また、
図8は、限界ズーム位置ZP1が、レンズ3の倍率として設定されている例であり、倍率が2倍までは電子ズームが動作する場合である。
【0054】
デジタルカメラ1の電源がオンにされているときに、CPUは、ユーザにより撮影モードが設定されているか否かを判定する(S1)。撮影モードでないとき(S1:NO)は、その他のモードの処理、例えば再生モードの処理、が実行される。
【0055】
撮影モードであるとき(S1:YES)、CPUは、レンズ3の焦点距離などの各種データを取得し(S2)、アシストモードであるか否かを判定する(S3)。このアシストモードは、ズーミング時に、上述した被写体を見失ったときにアシスト画面の表示を行うモードであり、デジタルカメラ1がユーザによって、アシストモードに設定されているか否かが判定される。アシストモードの設定は、デジタルカメラ1の本体部2に対する所定の操作により行われる。本体部2の操作部と操作判定部20が、所定のモードとしてのアシストモードを設定するモード設定部を構成する。
【0056】
デジタルカメラ1がアシストモードに設定されていない場合、CPUは、ズーム操作がされたか否かを判定する(S4)。ズーム操作がされたときは(S4:YES)、CPUは、光学ズーム制御操作を実行し(S5)、全域表示を行う(S6)。全域表示は、撮像部14の撮像素子で撮像して得られた撮像範囲IPAの全域の画像を表示部18の表示画面18a上に表示することである。ズーム操作がされていないときは(S4:NO)、CPUは、全域表示を行う(S6)。
【0057】
次に、撮影釦が押されたか否かが判定され(S7)、撮影釦が押されたとき(S7:YES)、CPUは、撮像範囲の画像を記憶し(S8)、処理は、S1へ戻る。また、撮影釦が押されないとき(S7:NO)、処理は、S1へ戻る。
【0058】
デジタルカメラ1がアシストモードに設定されている場合(S3:YES)、CPUは、ズーム操作がされたか否かを判定する(S9)。ズーム操作では、CPUは、撮像部14の撮像素子における所定の画質を維持できる領域から決定されたズーム域ZM1とZM2のそれぞれに応じて、電子ズームと光学ズームの動作を制御する。
【0059】
ズーム操作がされると(S9:YES)、CPUは、ズーム操作により、レンズ3の倍率が2倍までであるか否かを判定し(S10)、倍率が2倍までであれば、ズーム操作量に応じた電子ズームを行う(S11)。レンズ3の倍率が2倍まであるか否かの判定は、
図5において、ズーム操作量が、ズーム域ZM1の範囲内であるか否かの判定に対応する。
【0060】
倍率が2倍を超えると、CPUは、電子ズームを固定し(S12)、ズーム操作量に応じた光学ズーム制御操作を実行する(S13)。倍率が2倍を超えた場合は、
図5において、ズーム操作量が、ズーム域ZM2の範囲内である場合に対応する。S9〜S13の処理は、範囲制御部11aにより実行される。よって、S9〜S13の処理は、レンズ3に対するズーム操作に応じて、所定のズーム域内では電子ズームを行い、所定のズーム域を超えると光学ズームを行うようにズーム制御を行うズーム制御部を構成する。
【0061】
S11及びS13の処理の後、CPUは、ユーザが被写体を見失ったか否かを判定する(S14)。この判定方法は、後述する。
見失わなければ(S14:NO)、CPUは、選択域画像を表示、すなわちズーム範囲ZAの画像を表示する(S15)。しかし、見失ったとき(S14:YES)、CPUは、全域表示、すなわち撮像範囲IPAの画像を、所定の期間、ここでは2秒間、表示する(S16)。そして、S15及びS16の後、処理は、S7に移行する。S14〜S16の処理は、表示制御部11bにより実行される。よって、S14〜S16の処理は、被写体の見失いが検出されると、撮像素子の撮像範囲中のズーム範囲外の画像を表示部18の表示画面18a上に表示するように、表示画面18aの表示を制御する表示制御部を構成する。
【0062】
なお、上述した例では、装着される全ての交換レンズに対して、倍率が2倍までは電子ズームのみが動作するが、装着されたレンズに応じて、電子ズームのみが動作する倍率を変更するようにしてもよい。例えば、比較的広角なズームレンズと比較的望遠のズームレンズとにおいて、電子ズームが動作する範囲を異なるようにしてもよい。例えば、広角なズームレンズの場合は、被写体を見失う確率は低いので、倍率が2倍までは電子ズームが動作するようにし、望遠のズームレンズの場合は、被写体を見失う確率は比較的高くなるので、倍率が3倍までは電子ズームが動作するようにしてもよい。
その場合は、S10で判定される倍率が、比較的広角なズームレンズと比較的望遠のズームレンズでは異なり、かつ、比較的広角なズームレンズと比較的望遠のズームレンズとにおいて、保証される画質のレベルが異なる。
【0063】
図9は、
図8のS14の見失い判定の処理の流れの例を示すフローチャートである。まず、CPUは、モーション判定部15の加速度センサの出力に基づいて、上下方向あるいは左右方向に所定値以上の動きがあったか否か、すなわち上下左右方向のモーションがあったか否かを判定する(S21)。S21は、撮影機器の動きを判定するモーション判定部を構成する。
【0064】
上下左右方向のモーションがなかった場合(S21:NO)、撮像部14の撮像素子により得られた画像の中の中央部の色彩に変化があったか否かが判定される(S22)。S22は、撮像素子の撮像範囲IPAの画像の中心部の色彩の変化を検出する色彩変化検出部を構成する。
【0065】
そして、中央部の色彩に変化がなかった場合(S22:NO)、操作部34に対するユーザによるワイド側へのズーム操作が、所定量以上の急速なズーム操作であるか否かが判定される(S23)。
ユーザによるワイド側へのズーム操作が急速なズーム操作でない場合(S23:NO)、CPUは、ユーザが被写体を見失ったとは判定しない(S24)。しかし、S21、S22、S23のいずれかでYESであったときは、CPUは、ユーザが被写体を見失ったと判定する(S25)。
【0066】
ここで、S16の全域表示における周囲画像範囲PAの周囲画像PAPの縮小方法の例について説明する。
図10は、周囲画像範囲PAの周囲画像PAPの縮小方法の例を説明するための図である。
図10に示すS16の処理は、表示制御部11bにより実行される。
【0067】
まず、CPUは、
図10のD1は、撮像素子の撮像範囲IPAにおけるズーム範囲ZAと、その周囲の周囲画像範囲PAを示す。周囲画像範囲PAは、8つの領域R1〜R8に分割される。
図10の例は、ズーム範囲ZAは、撮像範囲IPAの1/4とする。
【0068】
図10のD2に示すように、4隅の分割領域(R1,R3,R6,R8で示す領域)は、縦方向と横方向のそれぞれにおいて、1/2に縮小される。また、上下の分割領域(R2,R7で示す領域)は、上下方向には1/2に縮小し、左右方向には、D1におけるR1とR2を合わせた横方向の長さL1を、ズーム範囲ZAの横方向の長さL2で割った数値(ここの例では、1.5)で拡大する。さらに、左右の分割領域(R4,R5で示す領域)は、上下方向には、1.5倍に拡大し、左右方向には、1/2に縮小する。
D3は、以上のようにして周辺画像PAPが縮小表示された状態を示す。D3では、ズーム範囲ZAはそのままの大きさであるので、ズーム画像ZAPを、D4に示すように、拡大する。
【0069】
その結果、表示画面18a上には、D4に示すようなアシスト画像が表示されるので、ユーザPは、周辺画像PAP内の被写体の画像を確認することができる。
【0070】
なお、周辺画像範囲PAの周辺画像PAPの縮小方法は、以上
図10で説明した方法に限られない。例えば、上述した
図10の場合は、上限左右方向において、所定の倍率で単純に縮小及び拡大しているが、周辺画像PAPの周辺にいくほど、変形比率を変えるようにしてもよい。例えば、周辺部までの距離に応じて、縮小あるいは拡大の比率を変更する等である。
【0071】
上述したように、本実施の形態に係る撮影装置は、ユーザが被写体を見失ったときにズーム範囲外を確認可能とする見失い対応機能を有し、かつ本実施の形態に係る撮影装置によれば、撮影画像の画質の劣化を防止しつつ、言い換えれば所定の画質を維持しつつ、被写体の撮影ができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
(構成)
第2の実施の形態に係る撮影装置は、被写体として「月」を撮影する月撮影モードを有する。第2の実施の形態に係る撮影装置の構成は、第1の実施の形態で説明した撮影装置の構成と略同じであるので、以下、第2の実施の形態に係る撮影装置において、第1の実施の形態の撮影装置と異なる構成を、主として説明する。
被写体としての「月」は、濃淡のコントラストが高いのは、輪郭部だけであるので、月画像の輪郭部以外の部分は、コントラストを抑えてノイズ除去処理が可能となる。すなわち、撮像素子からの撮像画像からの切り出し部分を小さく(すなわち大きくズーミング)しても、比較的綺麗な画像が得られるので、被写体としての「月」は、電子ズームを有効利用する本実施の形態に相応しい被写体ということができる。
【0072】
よって、上述したズーム範囲ZAを小さくして、「月」を見失ったときにだけ表示されるアシスト画像における周囲画像PAPの部分が比較的広くなるので、ユーザは「月」の位置を把握できる確率は高くなる。
図11は、ユーザPがレンズ3をズーミングしていない状態を説明するための図である。
【0073】
図11に示すように、ユーザPがデジタルカメラ1を手に持って月Mを撮影しようとするとき、ユーザPは表示部18の表示画面18aを見ながら、デジタルカメラ1のレンズ3の向きを調整する。レンズ3は、まだズーミングされておらず、望遠状態にはない。
図11では、点線の枠が、撮像部14により撮像されている撮像範囲IPAを示す。実線の枠で示した表示画面18a上には、月画像MIが画面全体に対して小さく表示されている。
【0074】
図12は、ユーザPがレンズ3をズーミングして月Mを撮影する場合を説明するための図である。
図12に示すように、ユーザPは、レンズ3の光軸を月Mに向けてズーミングして、表示画面18a上に月画像MIが拡大表示された状態で撮影釦を押すことにより、月Mを撮影したい、とする。
図12において、点線の枠が、ユーザPがズーミングしているズーム範囲ZAを示す。
【0075】
しかし、第1の実施の形態で説明したように、ユーザPにとっては、月Mを狭い画角内の略中心に位置させて、実線の枠で示した表示画面18a上に月画像MIが表示されるように、デジタルカメラ1の向きを調整することは容易でない。
【0076】
ここで、月の大きさと撮像素子の撮像面の大きさについて説明する。
図13と
図14は、撮像素子の撮像面上に形成される月の像の大きさを説明するための図である。
図13に示すように、月は約30分角(すなわち約0.5度)を有するので(
図13では、その半分の15分角が示されている)、月の像M’が、撮像素子の撮像面14aの撮像範囲IPAにおいて1/3の面積を占めるようにするためには、次の式(1)と(2)から、35mmフィルム(縦24mm)換算で、900mmの焦点距離Ftを有するレンズが必要となることが判る。
【0077】
Ft・tan(1/4度)=4mm ・・・式(1)
Ft=4mm/(tan(1/4度))=900mm ・・・式(2)
一般に900mm相当のレンズは大型であるので、小型の持ち運び易いカメラには、300mm程度の光学ズームしか搭載あるいは装着できない。
【0078】
しかし、2000万画素を有する撮像素子であれば、撮像範囲IPAの撮像面14aの撮像画面の1/9を切り取る3倍のズーミングを行っても、そのズーミングした画像で200万画素の画質が確保できるので、その画像は、ハイビジョンテレビでの表示も可能な画質を有することになる。
【0079】
図14は、300mmのレンズにおいて、1度の手ブレが発生した場合を説明するための図である。
図14に示すように、手でカメラを構えたときに、光軸Cに対して1度相当の手ブレが発生するが、300mmのレンズの画角が有れば、ユーザPは、900mmの画角では月Mを見失うことがあっても、上述した撮像範囲IPAの画像をアシスト画像として表示すれば、月画像MIがアシスト画像中に含まれるので、ユーザPが月Mを見失うことはない。
【0080】
図15は、アシスト画像に表示される画像を説明するための図である。
図14に示すように900mmのズーミング状態で月を見失った場合、点線で示す領域Eの範囲のアシスト画像が表示画面18a上に表示されるが、アシスト画像は、ズーム範囲ZA外に月画像MIを含む。
【0081】
図16は、本実施の形態に係るデジタルカメラに対する操作を説明するための図である。ユーザがデジタルカメラ1の操作部20Aに対して所定の操作を、例えば月撮影モード設定釦を押す等の操作を、行うことによって、デジタルカメラ1は月撮影モードに設定される。本体部2の操作部20Aと操作判定部20が、所定のモードとして、「月」を被写体として撮影する月撮影モードを、設定するモード設定部を構成する。
(処理)
次に、デジタルカメラ1の月撮影モード時の処理を説明する。
図17は、デジタルカメラ1の月撮影モード時の処理の流れの例を示すフローチャートである。
図17の処理は、信号処理及び制御部11のCPUが実行する。
図17の処理プログラムは、信号処理及び制御部11内のROM(図示せず)に記憶されている。
なお、
図17において、
図8と同様の処理については、同じ符号を付し、説明は簡単にして一部省略する。また、ここでは、上述したハイビジョン画像(HD)相当までを電子ズームの限界位置として、ズーム操作量あるいはズーム位置が設定されている場合を説明する。すなわち、
図5において、ズーム位置ZP1は、ハイビジョン画像(HD)相当のズーム位置に設定される。
【0082】
デジタルカメラ1の電源がオンにされているときに、CPUは、ユーザにより撮影モードが設定されているか否かを判定する(S1)。撮影モードでないとき(S1:NO)は、その他のモードの処理、例えば再生モードの処理、が実行される。
【0083】
撮影モードであるとき(S1:YES)、CPUは、レンズ3の各種データを取得し(S2)、月撮影モードであるか否かを判定する(S31)。この月撮影モードは、
図16で説明したように、デジタルカメラ1がユーザによって月撮影モードに設定されているか否かにより判定される。
【0084】
デジタルカメラ1が月撮影モードに設定されていない場合、CPUは、上述したS4からS8の処理を実行する。
デジタルカメラ1が月撮影モードに設定されている場合(S31:YES)、CPUは、ズームアップ操作がされたか否かを判定する(S32)。ズームアップ操作がされたときは(S32:YES)、CPUは、ズーミングが撮像部14の撮像素子の中央部のハイビジョン画像(HD)相当部の範囲内で行われているか否かを判定する(S33)。
【0085】
CPUは、ズーム操作により、ハイビジョン画像(HD)相当部の範囲内でズーミングが行われているときは(S33:YES)、ズーム操作量に応じた電子ズームを行う(S11)。ズーム操作により、ハイビジョン画像(HD)相当部の範囲を超えてズーミングが行われたときは(S33:NO)、CPUは、電子ズームを固定し(S12)、ズーム操作量に応じた光学ズーム制御操作を実行する(S13)。ズーム操作量が、ハイビジョン画像(HD)限界の位置ZP1を超える場合は、ズーム操作量が、ズーム域ZM2の範囲内である場合に対応する。
【0086】
S32〜S13の処理は、範囲制御部11aにより実行される。よって、S32〜S13の処理は、レンズ3に対するズーム操作に応じて、所定のズーム域内では電子ズームを行い、所定のズーム域を超えると光学ズームを行うようにズーム制御を行うズーム制御部を構成する。
【0087】
S11及びS13の処理の後、CPUは、ユーザが被写体を見失ったか否かを判定する(S14)。この判定方法は、上述した
図9に示した処理と同様である。「月」はコンラストが高いので、
図9におけるS22の処理(中央部の色彩の変化の有無の検出処理)が、特に有効に機能する。
【0088】
見失わなければ(S14:NO)、CPUは、選択域画像を表示、すなわちズーム範囲ZAの画像を表示する(S15)。しかし、見失ったときは(S14:YES)、CPUは、表示画面18aに表示される画像を、ズーム範囲ZAから、「月」がはみ出さない範囲の領域Eを拡大して、表示画面18a上に表示する(S24)。よって、S14〜S34の処理は、被写体の見失いが検出されると、撮像素子の撮像範囲中のズーム範囲外の画像を表示部18の表示画面18a上に表示するように、表示画面18aの表示を制御する表示制御部を構成する。
【0089】
「月」を見失った場合に、撮像範囲IPAの全域表示を行ってもよいが、本実施の形態では、「月」がはみ出さない範囲の領域Eが切り出され、その切り出した領域Eの画像が拡大されて、アシスト画像として表示される。よって、切り出した領域Eの画像は、「月」の画像を全部含む。なお、切り出した領域Eの画像は、「月」の画像を全部含なくてもよく、一部(例えば半分)を含むものでもよい。
【0090】
図15において点線で示すように、月画像MIがはみ出さない範囲Eの画像が、切り出されて表示画面18aの大きさまで拡大されて、表示画面18aに表示される。S24の処理は、信号処理及び制御部11内の表示制御部11bにより実行される。
【0091】
撮像範囲IPA中において「月」がはみ出さない範囲までの領域Eは、「月」は、背景とのコントラストが高いので、画像処理によって、撮像範囲IPAの中心から月画像MIがはみ出さない範囲を切り出すことができる。
【0092】
すなわち、「月」を見失っている間は、月画像MIがはみ出さない範囲Eの画像が大きさを連続的に変えながら表示されるので、ユーザは、「月」の位置を表示画面18aの真ん中に移動させるように、デジタルカメラ1Aの向きをスムーズに調整することができる。
【0093】
以上のように、本実施の形態に係る撮影機器によれば、「月」をズームして撮影する場合に、ユーザが「月」を見失ったときにズーム範囲外を確認可能とする見失い対応機能を有し、かつ本実施の形態に係る撮影装置によれば、月画像の画質の劣化を防止しつつ、言い換えれば所定の画質を維持しつつ、被写体の撮影ができる。
【0094】
以上のように、上述した2つの実施の形態に係る撮影機器によれば、ユーザが被写体を見失ったときの対応機能を有し、かつ撮影画像の画質の劣化を防止しつつ被写体の撮影ができる撮影機器を提供することができる。
特に、上述した2つの実施の形態に係る撮影機器によれば、ユーザは、被写体の方向、言い換えるとデジタルカメラを向ける方向を、直感的に認識させることができる。
【0095】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。