(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
印刷インクは、意図した市場への適用および望ましい特性によって要求される厳しい性能要件に従って一般に配合される。特定のインクは、オフィスプリンティング用に配合されていても大量印刷用に配合されていても、ストレス条件下で頑丈でかつ耐久性がある画像を形成することが期待される。
【0003】
典型的な圧電式インクジェット印刷装置の設計において、画像は、インクジェットヘッドが、基材(画像受容部材または中間転写部材)が4〜6回転する間(付加的な動き)に適切に着色されたインクを噴射することによって付着される。すなわち、各回転の間に基材に対してプリントヘッドの小さな平行移動が存在する。このやり方によってプリントヘッドの設計が単純化され、小さな移動によって良好な液滴の位置決めが確保される。ジェット作動温度において、液体インクの液滴が印刷装置から噴射され、そのインク滴が記録基材の表面と、直接または中間の加熱された転写ベルトもしくはドラムを介して接触するとそれらは素早く固化して固化したインク滴の所定のパターンを形成する。
【0004】
インクジェットプリンタで一般に使用されるホットメルトインクは、クリスタリンワックス等のワックスベースのインクビヒクルを有する。そのような固体のインクジェットインクは、色鮮やかなカラー画像を提供する。従来のインクシステムにおいて、クリスタリンワックスインクは、約120℃〜140℃で温度の転写部材、例えば、アルミニウムドラム上に噴射される。そのワックスベースのインクは、そのような高温に加熱して転写部材への効率的で適切な噴射のためにそれらの粘度を低下させる。その転写部材は、約60℃であり、そのためワックスは十分に冷却して固化するか結晶化する。その転写部材が記録媒体(例えば紙など)上で回転すると、ワックスベースのインクを含む画像が紙に押し付けられる。
【0005】
しかしながら、クリスタリンワックスの使用は、従来の固体インクに使用する印刷プロセスに対しては制限を与える。例えば、プリントヘッドは印刷プロセス中120℃超で保たれ、多数の問題を引き起こし得る。インクビヒクル中で分子状に溶解している染料は、しばしば、この高温において望ましくない相互作用の影響を受けやすく、不十分なインク性能、例えば、光による光酸化(耐光性の劣化をもたらす)、熱劣化(例えば、蛍光染料はインクが120℃より高温に加熱されたとき蛍光発光を失う可能性がある)、紙またはその他の基材中へのインクからの染料拡散(不十分な画質および透き通しを引き起こす)、画像と接触する他の溶媒中への染料の浸出(不十分な耐水/耐溶剤性を引き起こす)を引き起こす。さらに、プリントヘッドが冷却され、再加温されるとき、結果として生じるインクの収縮および膨張は、最適なプリントヘッド性能を獲得するためのパージサイクルを必要とする。最終の印刷画像の高められた機械的ロバスト性も望まれる。
【0006】
ColorQube(商標)9200シリーズ固体インクなどの従来のインク組成物が成功裏に使用されているが、圧電式インクジェット印刷プロセスにより印刷することができる新しいタイプの相変化インクに対する必要性が存在する。その上、より低温においておよびより低エネルギ消費で処理することができ、改良されたロバスト性、改良された噴射の信頼性および許容度、ならびに改良された染み込み性を有しており、低圧で固定させることができるインク組成物に対する必要性が存在する。加えて、望ましくは噴射温度で低粘度値を示し、改良されたルックアンドフィール(look and feel)特性を有する画像を発生し、改良された硬度および靭性特性を有する画像を発生し、多数の通常使用される基材に適している相変化インク組成物に対する必要性が存在する。
【0007】
その上、そのようなインク中で使用される有毒な、またはさもなければ有害な化合物の移動、蒸発または抽出は確実に減少または排除されることが望ましい。そのようなインクが特定の用途(例えば、食品包装および直接紙にする印刷)において使用されるときは、環境、健康および安全性の要求事項を満たすために、画像から移行または転移する可能性のある未反応モノマの存在量を減少または除去することが望ましい。
【0008】
米国特許第6,896,937号は、着色剤、重合性モノマおよび0.5〜1.5重量%の芳香族ケトン光開始剤、2〜10重量%のアミン相乗剤、芳香族ケトン光開始剤とは異なる、α開裂を受けることができる3〜8重量%の第2の光開始剤、ならびに0.5〜1.5重量%の光増感剤を含む放射線硬化性ホットメルトインク組成物を開示している。米国特許第6,896,937号は、また、液体の硬化性インク組成物および液体の希釈剤を含む組成物も開示しており、これらのインクは室温で固体ではない。さらに、米国特許第7,322,688号は、硬化性インクをインクジェット印刷する方法を開示しているが、これらのインクはカチオン性光開始システムによって重合されている。
【0009】
しかしながら、上記の参考文献の従来の硬化性インクビヒクルは、本開示のエトキシル化オクチルフェノール誘導体は含有しておらず、希釈剤を含有している。上記の刊行物に従って配合したインクの硬化した硬度は、硬化速度が本開示のインクの硬化速度の半分未満の約100であると共に、66未満であることも見出された。
【発明を実施するための形態】
【0014】
該成分は、約20℃〜約25℃の第1の温度において固体またはペーストであり、約40℃〜約100℃の第2の温度において液体組成物を形成することができ、該成分の少なくとも約99%、または約99.5%が液状であり、約40℃〜約100℃、または約70℃〜約100℃の範囲内の第2の温度に加熱されたとき熱分解して他の生成物になることはない。複数の実施形態において、該成分は、約20℃〜約25℃の第1の温度において固体またはペーストであり、該成分は約70℃〜約100℃の第2の温度において液体組成物を形成し、該成分の少なくとも99.9%、または約99.99%が液状であり、約70℃〜約100℃、または約75℃〜約95℃の範囲内の第2の温度に加熱されたとき熱分解して他の生成物になることはない。従って、該インクは、約70℃〜約100℃または約75℃〜約95℃の範囲内の温度において噴射させることができる。これらのインクのロバスト性は、高効率でそれらを光化学的に硬化することによって独立して調節されて(効率は、配合物の化学および光開始システムの反応性に依存する)、優れた耐スミア(smear)性および他の固体インク(例えば約67の硬度を示すColorQube(商標)9200シリーズの固体インク)より大きい硬化後の硬度を有する画像を形成する。用語の高効率の硬化プロセスとは、光開始剤がUV光の照射直後にほぼ瞬間的な硬化反応を始動させ、照射の数秒以内に完全に重合したインクを生じる硬化プロセスを指す。
【0015】
硬化性固体インクは、硬化性成分を含む。本明細書に開示されているその成分は、室温(約20℃〜約25℃)で固体である任意の適当な硬化性モノマ、オリゴマ、またはプレポリマを含み得る。適当な材料の例としては、相変化インクキャリアとしての使用に適するラジカル硬化性モノマ化合物、またはアクリレートおよびメタクリレートモノマ化合物が挙げられる。複数の実施形態において、その少なくとも1つのモノマ、オリゴマ、またはプレポリマは、アクリレートモノマ、メタクリレートモノマ、多官能アクリレートモノマ、多官能メタクリレートモノマ、またはこれらの混合物もしくは組合せである。
【0016】
比較的非極性の固体のアクリレートおよびメタクリレートモノマの具体例としては、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレートなど、ならびにこれらの混合物および組合せが挙げられる。
【0017】
非極性液体アクリレートおよびメタクリレートモノマの具体例としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ブチルアクリレートなど、ならびにこれらの混合物および組合せが挙げられる。複数の実施形態において、本明細書における放射線硬化性固体インク組成物は、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ブチルアクリレート、またはこれらの混合物もしくは組合せからなる群から選択される非極性液体アクリレートまたはメタクリレートモノマである少なくとも1つのモノマ、オリゴマ、またはプレポリマをさらに含む。
【0018】
加えて、多官能アクリレートおよびメタクリレートのモノマおよびオリゴマを相変化インクキャリア中に、反応性希釈剤としておよび硬化画像の架橋密度を増すことができる材料として含めて、それによって硬化画像の靭性を高めることができる。適当な多官能アクリレートおよびメタクリレートモノマおよびオリゴマの例としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,2−エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカノールジアクリレート、1,12−ドデカノールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート(Sartomer Co. Inc.からSR9003(登録商標)として入手可能)、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アミン変性ポリエーテルアクリレート(PO83F(登録商標)、LR8869(登録商標)、および/またはLR8889(登録商標)として全てBASF Corporationから入手可能)、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(Sartomer Co. Inc.からSR494(登録商標)として入手可能)など、ならびにこれらの混合物および組合せが挙げられる。
【0019】
該モノマ、オリゴマ、プレポリマ、反応性希釈剤、またはそれらの組合せは、任意の適当な量で存在させることができる。複数の実施形態において、該モノマ、オリゴマ、プレポリマ、反応性希釈剤、またはそれらの組合せは、該硬化性固体インク組成物の総重量に基づいて、約1〜約80重量%、または約30〜約70重量%、または約35〜約60重量%の量で存在する。
【0020】
これらの硬化性成分としては、モノマおよび硬化性ワックス、例えば、約78℃の融点を有するジメタノールジアクリレートシクロヘキサン二官能モノマ(CD−406、Sartomer社)、約50℃〜約55℃の範囲の融点を有するイソシアヌレートトリアクリレート三官能モノマ(SR−368、Sartomer社)、18、20、および22個の炭素原子の混合物を有し、約55℃の融点を有するアクリル酸エステル(CD587、Sartomer社)、および22、23、および24個の炭素原子の混合物を有し、融点が約50℃〜約60℃の範囲であるUNILIN350(ヒドロキシル末端ポリエチレンワックス、Baker Petrolite社)に基づくアクリレート変性もしくはメタクリレート変性ワックスが挙げられる。硬化性成分は、米国特許出願第12/642,538号の中に見出すことができる。
【0021】
本明細書における硬化性ワックスは、フリーラジカル重合によって硬化可能な任意の適当な硬化性ワックスであり得る。例としては、硬化性の基により官能化されているものが挙げられる。その硬化性の基としては、アクリレート、メタクリレート、アルケン、ビニル、およびアリルエーテルを挙げることができる。複数の実施形態において、該放射線硬化性固体インク組成物は、少なくとも1つの硬化性ワックスを含有し、その少なくとも1つの硬化性ワックスは、アクリレート、メタクリレート、アルケン、ビニル、またはアリルエーテル官能基を含有する。これらのワックスは、変換できる官能基、またはカルボン酸もしくはヒドロキシルを備えているワックスの反応によって合成することができる。
【0022】
硬化性の基により官能化することができるヒドロキシル末端のポリエチレンワックスの適切な例としては、鎖長(n)の混合物が存在し、選択される実施形態における平均鎖長が約16〜約50の範囲内である構造CH
3−(CH
2)
n−CH
2OHと、同様の平均鎖長の線状の低分子量ポリエチレンとを有する炭素鎖の混合物が挙げられる。そのようなワックスの適切な例としては、Mn(数平均分子量)がそれぞれ375、460、550および700g/モルにほぼ等しいUNILIN(登録商標)350、UNILIN(登録商標)425、UNILIN(登録商標)550およびUNILIN(登録商標)700が挙げられ、Baker−Petrolite社から市販されている。2,2−ジアルキル−1−エタノールとみなされるGuerbetアルコールも適切である。Guerbetアルコールとしては、16〜36個の炭素を含有するもの(Jarchem Industries Inc.、Newark、NJ)が挙げられる。複数の実施形態において、PRIPOL(登録商標)2033が選択され、PRIPOL(登録商標)2033は、式
【化1】
の異性体、ならびに不飽和および環状基を含むことができるその他の分枝異性体を含むC−36ダイマージオール混合物である(Uniqema社、New Castle、DE)。C36ダイマージオールに関するさらなる情報は、カークオスマー(Kirk−Othmer)のEncyclopedia of Chemical Technology、8巻、第4版(1992年)223〜237頁、「ダイマー酸(Dimer Acids)」に開示されている。これらのアルコールは、UV硬化性部分を備えたカルボン酸と反応して反応性エステルを形成することができる。これらの酸の例としてはSigma−Aldrich Co.から入手できるアクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。具体的な硬化性モノマとしては、アクリレートのUNILIN(登録商標)350、UNILIN(登録商標)425、UNILIN(登録商標)550およびUNILIN(登録商標)700が挙げられる。
【0023】
硬化性の基により官能化することができるカルボン酸末端のポリエチレンワックスの適切な例としては、鎖長(n)の混合物が存在し、選択される実施形態における平均鎖長が約16〜約50の範囲内である構造CH
3−(CH
2)
n−COOHと、同様の平均鎖長の線状の低分子量ポリエチレンとを有する炭素鎖の混合物が挙げられる。そのようなワックスの適切な例としては、Mnがそれぞれほぼ390、475、565および720g/モルに等しいUNICID(登録商標)350、UNICID(登録商標)425、UNICID(登録商標)550およびUNICID(登録商標)700が挙げられる。他の適切なワックスは、構造CH
3−(CH
2)
n−COOHを有しており、n=14、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、31、32、33のものである。2,2−ジアルキルエタノール酸とみなされるGuerbet酸も適切な化合物である。選択されるGuerbet酸としては、16〜36個の炭素を含有するものが挙げられる。PRIPOL(登録商標)1009(式
【化2】
の異性体、ならびにその他の不飽和および環状基を含むことができる分枝異性体を含むC−36ダイマー酸混合物、Uniqema社、New Castle、DEから入手可能)も使用することができる。これらのカルボン酸は、UV硬化性部分を備えたアルコールと反応して反応性エステルを形成することができる。これらのアルコールの例としては、Sigma−Aldrich Co.からの2−アリルオキシエタノール、
【化3】
Sartomer Company,Inc.からのSR495B(登録商標)、The Dow Chemical CompanyからのTONE(登録商標)M−101(R=H、n
avg=1)、TONE(登録商標)M−100(R=H、n
avg=2)およびTONE(登録商標)M−201(R=Me、n
avg=1)、
【化4】
ならびに、Sartomer Company,Inc.からのCD572(登録商標)(R=H、n=10)およびSR604(登録商標)(R=Me、n=4)が挙げられる。
【0024】
複数の実施形態において、該硬化性ワックスは、約50〜約60℃の融点を有する硬化性アクリレートワックスである。その硬化性ワックスは、Unilin(登録商標)350アクリレートであり得る。Unilin350アクリレート硬化性ワックスの合成は、米国特許第7,559,639号に記載されている。
【0025】
該硬化性固体インク組成物は、硬化性オリゴマをさらに含むことができる。例としては、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、アクリル化エポキシ、ウレタンアクリレート、およびペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。アクリル化オリゴマの例としては、アクリル化ポリエステルオリゴマ、または、CN2255(登録商標)、CN2256(登録商標)(Sartomer Co.)、アクリル化ウレタンオリゴマ、アクリル化エポキシオリゴマ、または、CN2204(登録商標)、CN110(登録商標)(Sartomer Co.)など、ならびにこれらの混合物および組合せが挙げられる。
【0026】
該放射線硬化性固体インク組成物は、約45〜約80℃の融点を有する少なくとも1つのモノマ、オリゴマ、またはプレポリマを含むことができる。
【0027】
該硬化性オリゴマは、任意の適切な量で、すなわち硬化性固体インク組成物の総重量に基づく重量で、約0.1〜約15%または約0.5〜約10%、または約1〜約5%存在させることができる。
【0028】
複数の実施形態において、開示されている該硬化性固体インクは、該インクの約5%〜約50%、または約20%〜約40%、または約25%〜約40%の範囲の量で存在する非硬化性成分も含む。
【0029】
該非硬化性成分としては、該非硬化性ワックスが均一にインク組成物のその他の成分と混合するように、インク組成物中に溶解し、かつ/または噴射温度(これは約70℃〜約100℃の範囲であり得る)より約5℃〜約10℃低い融点を有するエトキシル化オクチルフェノール誘導体を含む非硬化性ワックスが挙げられる。その上、該エトキシル化オクチルフェノール誘導体の重量平均分子量(MW)は、約600〜約5000g/モルの範囲である。用語の「エトキシル化オクチルフェノール誘導体」は、下記のスキーム1に示されているものも指し、以下に例示する方法を用いて調製することができる。
【0031】
誘導体A:
【化6】
誘導体B:
【化7】
誘導体C:
【化8】
誘導体D:
【化9】
【0032】
上記の誘導体A、B、CおよびDに対する式において、Rは、炭素数が18〜48、あるいは24〜34または28〜30の範囲である炭化水素鎖である。複数の実施形態において、上記の誘導体A、B、CおよびDに対する式において、Rは、CH
3−(CH
2)
n−であり、ただし、nは、17と47の間の整数、またはnは、23と33の間の整数、またはnは、27もしくは29のいずれかである。複数の実施形態において、該エトキシル化オクチルフェノール誘導体は、誘導体A、B、CまたはDに対する上記の式(ただし、RはCH
3−(CH
2)
n−である)の1つ以上、または2つ、または3つ、または4つのエトキシル化オクチルフェノール誘導体の混合物であり得、その混合物中に存在する該誘導体は、一連の整数値のnのものである。例えば、該エトキシル化オクチルフェノール誘導体混合物は、その主成分(用語「主成分」は、最も高い比率で存在する成分を指す)として、誘導体A、B、CまたはDに対する式であって、RがCH
3−(CH
2)
n−であり、nが17と47の間の整数であるか、nが23と33の間の整数であるか、nが27または29のいずれかである式の分子を含むことができる。その上、該混合物中に存在する分子の分布を構成する(RがCH
3−(CH
2)
n−である上式の誘導体の)nに対する整数値の範囲の幅は、同様に変化することができ、その結果、誘導体分子の該混合物は、17(CH
3−(CH
2)
17−)から47(CH
3−(CH
2)
47−)までの範囲、または23(CH
3−(CH
2)
23−)から33(CH
3−(CH
2)
33−)までの範囲または27(CH
3−(CH
2)
27−)から29(CH
3−(CH
2)
29−)までの範囲のnの整数値を有する分子によって構成される。
【0033】
エトキシル化オクチルフェノール誘導体に対する反応物は、オクチルフェノールエトキシレートに基づくTritonおよびIgepal CAシリーズ、またはIgepal CA−210、Igepal CA−420、Igepal CA−510、Igepal CA−620、Igepal CA−630、Igepal CA−720、Igepal CA−887、Igepal CA−890、Igepal CA−897、ならびにIgepal COシリーズ(ノニルフェノールエトキシル化に基づく)またはジノニルフェノールエトキシレートに基づくIgepal CO210、CO520、CO630、CO720、CO890、およびIgepal DM970から選択することができる。
【0034】
該エトキシル化オクチルフェノール誘導体は、特定の反応性成分の、エトキシル化オクチルフェノール、直鎖アルコールと、ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートとを混合することによって調製することができる。これらの反応性成分としては、28または30個の炭素を有する直鎖アルコール(Unilin425);エトキシル化オクチルフェノール、または、IGEPAL CA−210、IGEPAL CA−420、IGEPAL CA−520、IGEPAL CA−620、IGEPAL CA−630、およびIGEPAL CA−720(エトキシル化オクチルフェノール、IGEPAL、Rhodia社);芳香族、脂肪族、脂環式および/または(シクロ)脂肪族ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを含むジイソシアネートおよびポリイソシアネートを挙げることができる。適切な脂肪族ジイソシアネートまたはポリイソシアネートは、直鎖または分枝アルキル部分に3〜16個の炭素原子または4〜12個の炭素原子を有することができ、適切な脂環式または(シクロ)脂肪族ジイソシアネートは、シクロアルキル部分に4〜18個の炭素原子または6〜15個の炭素原子を有することができる。用語「(シクロ)脂肪族ジイソシアネート」とは、環部分および脂肪族部分に同時に結合しているNCO基(またはイソホロンジイソシアネート)を指し、脂環式ジイソシアネートとしては、脂環式の環に直接結合しているNCO基のみを含有するものまたはH
12MDIが挙げられる。
【0035】
適切なジイソシアネートおよびポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジイソシアナートジシクロヘキシルメタン(H
12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TM−HDI)、2−メチルペンタンジイソシアネート(MPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、フェニレン1,3−および1,4−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート(2,4−TDI)、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、モノマのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とオリゴマのジフェニルメタンジイソシアネート(ポリマMDI)の混合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリイソシアナートトルエン、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、エチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロピルシクロヘキサンジイソシアネート、メチルジエチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、ノナントリイソシアネートまたは4−イソシアナートメチルオクタン1,8−ジイソシアネート(TIN)、デカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、ウンデカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、ドデカンジイソシアネートおよびトリイソシアネート、4−メチルシクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、3(4)−イソシアナートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、2−イソシアナートプロピルシクロヘキシルイソシアネート、メチレンビス−(シクロヘキシル)2,4’−ジイソシアネート、1,4−ジイソシアナート−4−メチルペンタン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
該硬化性固体インク組成物は、該インクの硬化性モノマおよび硬化性ワックスを含めた硬化性成分の重合を開始する光開始剤を含む。その開始剤は、好ましくは室温で固体であり、噴射温度における該組成物中に溶解する。複数の実施形態において、該開始剤は紫外線放射により活性化される光開始剤である。
【0037】
該開始剤は、ラジカル開始剤である。例としては、ケトンまたはベンジルケトン、モノマのヒドロキシルケトン、ポリマのヒドロキシルケトン、およびα−アミノケトン;アシルホスフィンオキシド、メタロセン、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、または2,4,6−トリメチルベンゾフェノンおよび4−メチルベンゾフェノン;ならびにチオキサンテノン、または2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オンが挙げられる。特定的なケトンは、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンである。特定の実施形態において、該インクは、α−アミノケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンを含有する。
【0038】
該硬化性固体インク組成物は、相乗剤(synergist)なしの3成分光開始剤系を含むことができる。米国特許第6,896,937号は、着色剤、重合性モノマおよび0.5〜1.5重量%の芳香族ケトン光開始剤、2〜10重量%のアミン相乗剤、3〜8重量%の芳香族ケトン光開始剤とは異なる、α開裂を受けることができる第2の光開始剤、ならびに0.5〜1.5重量%の光増感剤を含む光開始システムを含む放射線硬化性ホットメルトインク組成物を開示している。米国特許第6,896,937号は、また、液体の硬化性インク組成物および液体の希釈剤を含む組成物も開示しており、これらのインクは室温で固体ではない。米国特許第7,322,688号は、インクがカチオン性光開始システムによって重合される硬化性インクをインクジェット印刷する方法を開示している。本硬化性固体インク組成物は、硬化性モノマおよび硬化性ワックスを含む該インクの硬化性成分の重合を開始する光開始剤を含むことができる。1実施形態において、その開始剤は、室温で固体であり、噴射温度において該組成物中に溶解する。特定の実施形態において、その開始剤は紫外線放射で活性化される光開始剤である。
【0039】
複数の実施形態において、該開始剤は、ラジカル開始剤である。例としては、ケトンまたはベンジルケトン、モノマのヒドロキシルケトン、ポリマのヒドロキシルケトン、およびα−アミノケトン;アシルホスフィンオキシド、メタロセン、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、または2,4,6−トリメチルベンゾフェノンおよび4−メチルベンゾフェノン;ならびにチオキサンテノン、または2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オンが挙げられる。典型的なケトンは、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンである。1実施形態において、該インクは、α−アミノケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンおよび2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オンを含有する。特定の実施形態において、該光開始剤は、2−イソプロピルチオキサントンおよび2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、またはこれらの混合物もしくは組合せを含む。
【0040】
開示されている硬化性固体インクは、また、光開始剤、または、α−ヒドロキシケトン光開始剤(α−ヒドロキシケトン光開始剤のIRGACURE184、IRGACURE500、DAROCUR1173、およびIRGACURE2959、Ciba Special Chemicals社が挙げられる)、α−アミノケトン光開始剤(α−アミノケトン光開始剤のIRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE907、およびIRGACURE1300、Ciba Special Chemicals社が挙げられる)、およびビスアシルホスフィン光開始剤(ビスアシルホスフィン光開始剤のIRGACURE819、IRGACURE819DW、およびIRGACURE2022、Ciba Special Chemicals社が挙げられる)も含むことができる。その他の例としては、モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルビフェニルホスフィンオキシド(BASF社により商標名Lucirin TPOのもとで製造されている);エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(BASF社、Lucirin TPO−L);モノ−およびビス−アシルホスフィン光開始剤(IRGACURE1700、IRGACURE1800、IRGACURE1850、およびDAROCUR4265、Ciba Specialty Chemicals社など)、ならびにベンジルジメチル−ケタール光開始剤(またはIRGACURE651、Ciba Specialty Chemicals社)が挙げられる。光開始剤は、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、またはそれらの混合物または組み合わせである。
【0041】
開示されている硬化性固体インクは、また、着色剤も含むことができる。顔料、染料、顔料と染料の混合物、複数顔料の混合物、複数染料の混合物などを含めた任意の所望のまたは有効な着色剤を、その着色剤が該インクビヒクル中に溶解または分散できることを条件として採用することができる。着色剤は、例えば、非可視着色剤、赤外線検出可能着色剤、または紫外線検出可能着色剤である。
【0042】
顔料も固体(または相変化)インク用の適切な着色剤である。
【0043】
着色剤は、該固体(または相変化)インク中に、所望の色または色相を得るための任意の所望のまたは有効な量、例えば、少なくとも該インクの約0.1重量パーセント、または少なくとも該インクの約0.2重量パーセント、または該インクの約25重量パーセント以下、または該インクの15重量パーセント未満、または該インクの約8重量パーセント以下で存在させることができる。
【0044】
カラー印刷用の固体(または相変化)インクは、固体(または相変化)インクに適合する着色剤と組み合わせた固体(または相変化)インクキャリア組成物を一般に含む。一連の着色された固体(または相変化)インクは、インクキャリア組成物を適合する減法混色の原色着色剤(subtractive primary colorant)と組み合わせることによって形成することができる。該減法混色の原色で着色した固体(または相変化)インクは、4成分の染料、すなわち、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを含み得る。これらの減法混色の原色で着色したインクは、単一染料または染料の混合物を用いて形成することができる。例えば、マゼンタは、ソルベントレッド染料の混合物を用いることによって得ることができ、またはコンポジットブラックは、いくつかの染料を混合することによって得ることができる。米国特許第4,889,560号、米国特許第4,889,761号、および米国特許第5,372,852号は、採用される減法混色の原色着色剤は、カラーインデックス(C.I.)の溶剤(solvent)染料、分散染料、変性した酸性および直接染料、ならびに塩基性染料の種類からの染料を含むことができることを教示している。該着色剤は、米国特許第5,221,335号に開示されているように顔料を含めることもできる。米国特許第5,621,022号は、特定の種類の高分子色素(polymeric dye)の固体(または相変化)インク組成物中での使用を開示している。
【0045】
複数の実施形態のインクは、従来の添加剤をさらに包含させて、そのような従来の添加剤と関係がある既知の機能性を利用することができる。そのような添加剤としては、殺生剤、消泡剤、スリップおよび均染剤、可塑剤、顔料分散剤、粘度調整剤、酸化防止剤、吸収剤等を挙げることができる。
【0046】
インク中の任意の酸化防止剤は、画像を酸化から保護することができ、同様にインク容器中で加熱された融液として存在する間のインク成分を酸化から保護することもできる。適切な酸化防止剤の例としては、(1)N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)(IRGANOX1098、Ciba−Geigy Corporationから入手可能)、(2)2,2−ビス(4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル)プロパン(TOPANOL−205、ICI America Corporationから入手可能)、(3)トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート(CYANOX1790、41,322−4、LTDP、Aldrich D12,840−6)、(4)2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスホナイト(ETHANOX−398、Ethyl Corporationから入手可能)、(5)テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホナイト(ALDRICH 46,852−5、硬度値90)、(6)ペンタエリスリトールテトラステアレート(TCI America #PO739)、(7)トリブチルアンモニウム次亜リン酸塩(Aldrich 42,009−3)、(8)2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール(Aldrich 25,106−2)、(9)2,4−ジ−t−ブチル−6−(4−メトキシベンジル)フェノール(Aldrich 23,008−1)、(10)4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール(Aldrich 34,951−8)、(11)4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール(Aldrich B6,420−2)、(12)4−ブロモ−2−ニトロフェノール(Aldrich 30,987−7)、(13)4−(ジエチルアミノメチル)−2,5−ジメチルフェノール(Aldrich 14,668−4)、(14)3−ジメチルアミノフェノール(Aldrich D14,400−2)、(15)2−アミノ−4−t−アミルフェノール(Aldrich 41,258−9)、(16)2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール(Aldrich 22,752−8)、(17)2,2’−メチレンジフェノール(Aldrich B4,680−8)、(18)5−(ジエチルアミノ)−2−ニトロソフェノール(Aldrich 26,951−4)、(19)2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノール(Aldrich 28,435−1)、(20)2,6−ジブロモフルオロフェノール(Aldrich 26,003−7)、(21)α−トリフルオロ−o−クレゾール(Aldrich 21,979−7)、(22)2−ブロモ−4−フルオロフェノール(Aldrich 30,246−5)、(23)4−フルオロフェノール(Aldrich F1,320−7)、(24)4−クロロフェニル−2−クロロ−1,1,2−トリ−フルオロエチルスルホン(Aldrich 13,823−1)、(25)3,4−ジフルオロフェニル酢酸(Aldrich 29,043−2)、(26)3−フルオロフェニル酢酸(Aldrich 24,804−5)、(27)3,5−ジフルオロフェニル酢酸(Aldrich 29,044−0)、(28)2−フルオロフェニル酢酸(Aldrich 20,894−9)、(29)2,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸(Aldrich 32,527−9)、(30)エチル−2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェノキシ)プロピオネート(Aldrich 25,074−0)、(31)テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホナイト(Aldrich 46,852−5)、(32)4−t−アミルフェノール(Aldrich 15,384−2)、(33)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェネチルアルコール(Aldrich 43,071−4)、NAUGARD76、NAUGARD445、NAUGARD512、およびNAUGARD524(Uniroyal Chemical Company製)など、ならびにこれらの混合物が挙げられる。その酸化防止剤は、存在する場合、インク中に任意の所望のまたは有効な量、または、該インクの約0.25パーセント〜約10重量パーセントまたは該インクの約1パーセント〜約5重量パーセントの量で存在させることができる。
【0047】
該インクは、場合によって、UV吸収剤を含有することもできる。その任意のUV吸収剤は、主として発生した画像をUV劣化から保護する。適切なUV吸収剤の具体例としては、(1)2−ブロモ−2’,4−ジメトキシアセトフェノン(Aldrich 19,948−6)、(2)2−ブロモ−2’,5’−ジメトキシアセトフェノン(Aldrich 10,458−2)、(3)2−ブロモ−3’−ニトロアセトフェノン(Aldrich 34,421−4)、(4)2−ブロモ−4’−ニトロアセトフェノン(Aldrich 24,561−5)、(5)3’,5’−ジアセトキシアセトフェノン(Aldrich 11,738−2)、(6)2−フェニルスルホニルアセトフェノン(Aldrich 34,150−3)、(7)3’−アミノアセトフェノン(Aldrich 13,935−1)、(8)4’−アミノアセトフェノン(Aldrich A3,800−2)、(9)1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル(Aldrich 46,752−9)、(10)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール(Aldrich 42,274−6)、(11)1,1−(1,2−エタン−ジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)(Goodrich Chemicals社から市販)、(12)2,2,4−トリメチル−1,2−ヒドロキノリン(Mobay Chemical社から市販)(13)2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、(14)2−ドデシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)スクシンイミド(Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、Wis.社から市販)、(15)2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル/β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキソスピロ(5,5)−ウンデカン)ジエチル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(Fairmount社から市販)、(16)N−(p−エトキシカルボニルフェニル)−N’−エチル−N’−フェニルホルマジン(Givaudan社から市販)、(17)6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(Monsanto Chemicals社から市販)、(18)2,4,6−トリス−(N−1,4−ジメチルペンチル−4−フェニレンジアミノ)−1,3,5−トリアジン(Uniroyal社から市販)、(19)2−ドデシル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)スクシンイミド(Aldrich Chemical Co.社から市販)、(20)N−(1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−2−ドデシルスクシンイミド(Aldrich Chemical Co.社から市販)、(21)(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル/β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキソ−スピロ−(5,5)ウンデカン)ジエチル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(Fairmount社から市販)、(22)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(Fairmount社から市販)、(23)ニッケルジブチルジチオカルバメート(FerroからUV−Chek AM−105として市販)、(24)2−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン(Aldrich 10,515−5)、(25)2’−アミノ−4’,5’−ジメトキシアセトフェノン(Aldrich 32,922−3)、(26)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン(Aldrich 40,564−7)、(27)4’−ベンジルオキシ−2’−ヒドロキシ−3’−メチルアセトフェノン(Aldrich 29,884−0)、(28)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(Aldrich 16,032−6)、(29)5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Aldrich C4,470−2)、(30)4’−ピペラジノアセトフェノン(Aldrich 13,646−8)、(31)4’−ピペリジノアセトフェノン(Aldrich 11,972−5)、(32)2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(Aldrich A4,556−4)、(33)3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−オクチルカルバゾール(Aldrich 46,073−7)など、ならびにこれらの混合物が挙げられる。任意のUV吸収剤は、存在する場合、インク中に任意の所望量または有効量、または、インクの約1パーセント〜約10重量パーセント、またはインクの約3パーセント〜約5重量パーセントの量で存在させることができる。
【0048】
該インクは、場合によって粘度調整剤を含有することもできる。適切な粘度調整剤の例としては、脂肪族ケトン、またはステアロンなどが挙げられる。任意の粘度調整剤は、存在する場合、インク中に任意の所望量または有効量、1実施形態においては、インクの少なくとも約0.1重量パーセントの量、別の実施形態においてはインクの少なくとも約1重量パーセントの量、さらに別の実施形態においてはインクの少なくとも約10重量パーセントの量、別の実施形態においては、インクの約30重量パーセント以下の量、さらに別の実施形態においてはインクの約15重量パーセント以下の量で存在する。
【0049】
その他の任意の添加剤としては粘着性付与剤、または、水素化アビエチン(ロジン)酸のグリセロールエステルのFORAL(登録商標)85(Hercules社から市販)、ヒドロアビエチン(ロジン)酸のペンタエリスリトールエステルのFORAL(登録商標)105(Hercules社から市販)、フタル酸のヒドロアビエチン(ロジン)アルコールエステルのCELLOLYN(登録商標)21(Hercules社から市販)、水素化アビエチン(ロジン)酸のトリグリセリドのARAKAWA KE−311樹脂(荒川化学工業株式会社から市販)、合成ポリテルペン樹脂のNEVTAC(登録商標)2300、NEVIAC(登録商標)100、およびNEVRAC(登録商標)80(Neville Chemical Company社から市販)、変性合成ポリテルペン樹脂のWINGTACK(登録商標)86(Goodyear社から市販)などを挙げることができる。
【0050】
その粘着性付与剤は、該インクの少なくとも約0.1重量パーセント、別の実施形態においては該インクの少なくとも約5重量パーセント、さらに別の実施形態においては該インクの少なくとも約10重量パーセント、さらに別の実施形態においては該インクの約50重量パーセント以下の量で存在させることができるが、その量はこれらの範囲外でもあり得る。粘着剤、またはVERSAMID(登録商標)757、759、もしくは744(Henkel社から市販)は、1実施形態において、該インクの少なくとも約0.1重量パーセント、別の実施形態においては該インクの少なくとも約1重量パーセント、さらに別の実施形態においては該インクの少なくとも約5重量パーセント、別の実施形態においては該インクの約50重量パーセント以下、さらに別の実施形態においては該インクの約10重量パーセント以下の量で存在させることができるが、その量はこれらの範囲外でもあり得る。
【0051】
該インクは、任意の可塑剤、またはUNIPLEX(登録商標)250(Uniplex社から市販)、Monsanto社から商標名SANTICIZER(登録商標)のもとで市販されているフタル酸エステル可塑剤、またはジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、アルキルベンジルフタレート(SANTICIZER(登録商標)278)、トリフェニルホスフェート(Monsanto社から市販)、トリブトキシエチルホスフェートのKP−140(登録商標)(FMC Corporation社から市販)、ジシクロヘキシルフタレートのMORFLEX(登録商標)150(Morflex Chemical Company Inc.社から市販)、トリメリット酸トリオクチル(Eastman Kodak Co.社から市販)などを含むことができる。
【0052】
該可塑剤は、該インクの少なくとも約0.1重量パーセント、または該インクの少なくとも約1重量パーセント、または該インクの少なくとも約2重量パーセントの量で、ただし、該インクの約15重量パーセント以下の量で存在させることができる。
【0053】
印刷画像は、本明細書に記載のインクを用いて、該インクをインクジェット装置、例えば、サーマルインクジェット装置、音響インクジェット装置または圧電式インクジェット装置に組み込み、溶融インクの液滴が、基材、または紙もしくは透明材料上に画像として認識することができるパターンで噴射されることを同時に引き起こすことによって発生させることができる。該インクは、一般には、任意の適切な供給装置によって該インクを噴射させるためのインクジェットヘッドの噴射チャネルおよびオリフィスに接続されている少なくとも1つの容器中に包含される。該インクジェットヘッドは、噴射手順において、任意の適切な方法によって該インクの噴射温度に加熱することができる。相変化インクを含有する容器(1つ以上)は、該インクを加熱するための加熱素子を含むこともできる。該相変化インクは、従って、固体の状態から噴射のための溶融状態に変換される。インクジェット装置、または噴射チャネル、オリフィスなどのコンポーネントを説明するために使用される「少なくとも1つ」または「1つ以上」とは、1〜約200万、または約1000〜約150万または約10,000〜約100万のインクジェット装置中に含まれている任意のかかるコンポーネントを指す。インクジェット装置またはインクジェットヘッド、容器、供給装置などのその他のコンポーネントを説明するために使用される「少なくとも1つ」または「1つ以上」とは、1〜約15、または1〜約8または1〜約4個のインクジェット装置に含まれている任意のかかるコンポーネントを指す。
【0054】
該インクは、適切な基材上に噴射させて画像を形成することができる。普通紙、またはXEROX(登録商標)4024紙、XEROX(登録商標)Image Series紙、Courtland 4024 DP紙、罫線入りノート用紙、ボンド紙、シリカコート紙またはシャープカンパニ(Sharp Company)のシリカコート紙、ジュージョウ(JuJo)紙、HAMMERMILL LASERPRINT(登録商標)紙等、光沢コート紙またはXEROX(登録商標)Digital Color Gloss、Sappi Warren PapersのLUSTROGLOSS(登録商標)など、紙、透明材料、編地(fabric)、織物製品、プラスチック、ポリマフィルム、無機基材または金属、セラミック、および木材などを含む任意の適切な基材または記録シートを採用することができる。
【0055】
該組成物は、要素の任意の組合せを、それがこの開示によって包含される物理的性質を満たす限りは含有することができる。該組成物を形成するために使用することができるコンポーネントは、米国特許第6,906,118号に開示されている。
【0056】
該インク組成物は、また、該インクが使用されるプリンタのタイプに依存し得るその他の材料を場合によって含有することもできる。例えば、該キャリア組成物はダイレクトプリンティング様式または間接もしくはオフセット印刷転写システムのいずれかで使用されるように一般には設計される。
【0057】
該インク組成物は、任意の望ましいまたは適切な方法によって調製することができる。固体インク組成物の場合、該インク成分は、適切な容器に単純に一緒に加え、加熱し、撹拌しながら一緒に混合して均一なインク組成物を用意し、次いで型の中で冷却して適合するプリンタカートリッジにそのまま装填されるインクスティックを提供することができる。
【0058】
硬化性固体インクを、100℃から室温(約20℃〜約25℃)まで冷却した際の収縮率は、約0.1%〜約5%の範囲、または3%未満であり得る。硬化性固体インクの硬化後の硬度は、約70〜約95の範囲であり得る。硬化性固体インクの粘度は、約90℃の温度において約12未満、または約5〜約12の範囲であり得る。硬化性固体インクにおいて、非硬化性成分に対する硬化性成分の重量比は、約0.95〜約0.5の範囲であり得る。硬化性固体インクは40℃以下の温度で固体となり得る。
【0059】
本明細書に開示されている主題を、以下の実施例により次にさらに説明する。全ての部および百分率は、別段の断りのない限り重量による。
【実施例】
【0060】
硬化性固体インク組成物のための「エトキシル化オクチルフェノール誘導体」を調製するための方法は、本明細書と共に同時に出願されている題名が「安定な顔料着色された硬化性固体インクを調製するためのプロセス(Process For Preparing Stable Pigmented Curable Solid Inks)」である米国特許出願にも開示されている。
【0061】
撹拌磁石を備えた250mLのフラスコに、予め融解した70gのIGEPAL CA210(MW=261)と80.0gのUnilin425(OH価95.3、MW=589)との混合物を入れた。そのフラスコを、温度計を備えた140℃のオイルバスにセットし、加熱し撹拌した。約5分後、30gのIPDI(MW=222)を加え、続いて3滴のFascat4202触媒を加えた。発熱が観察された。約1.5時間後、反応生成物についてのIRスペクトルを得て、イソシアネートのピーク(約2230cm
−1)は見られなかった。その内容物をアルミニウム製容器に注ぎ、そのまま冷却して凝固させた。
【0062】
撹拌磁石を備えた250mLのフラスコに、予め融解した29.9gのIGEPAL CA210(OH価214.92、MW=261)と67.9gのUnilin425(OH価95.3、MW=589)との混合物を入れた。そのフラスコを、温度計を備えた140℃のオイルバスにセットし、加熱/撹拌した。約5分後、30gのジシクロヘキシルメタン−4,4’ジイソシアネート(H
12MDI、MW=262)を加え、続いて3滴のFascat4202触媒を加えた。発熱が観察された。約1.5時間後、反応生成物についてのIRスペクトルを得て、イソシアネートのピーク(約2230cm
−1)は見られなかった。その内容物をアルミニウム製容器に注ぎ、そのまま冷却して凝固させた。
【0063】
撹拌磁石を備えた250mLのフラスコに、予め融解した46.6gのIGEPAL CA210(OH価214.92、MW=261)と105.7gのUnilin425(MW=589)との混合物を入れた。そのフラスコを、温度計を備えた140℃のオイルバスにセットし、加熱/撹拌した。約5分後、30gのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、MW=168)を加え、続いて3滴のFascat4202触媒を加えた。発熱が観察された。約1.5時間後、反応生成物についてのIRスペクトルを得て、イソシアネートのピーク(約2230cm
−1)は見られなかった。その内容物をアルミニウム製容器に注ぎ、そのまま冷却して凝固させた。
【0064】
撹拌磁石を備えた250mLのフラスコに、予め融解した37.3gのIGEPAL CA210(OH価214.92、MW=261)と84.6gのUnilin425(MW=589)との混合物を入れた。そのフラスコを、温度計を備えた140℃のオイルバスにセットし、加熱/撹拌した。約5分後、30gのトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI、MW=210)を加え、続いて3滴のFascat4202触媒を加えた。発熱が観察された。約1.5時間後、反応生成物についてのIRスペクトル測定を行い、イソシアネートのピーク(約2230cm
−1)は見られなかった。その内容物をアルミニウム製容器に注ぎ、そのまま冷却して凝固させた。
【0065】
無色の硬化性固体インク(「実施例1」および「実施例2」と表示されている)を、Clariant社から入手でき、約89℃のドロップ融点(drop melting point)を有するエステルワックスのLicowax−KFOにより配合した硬化性固体インク(「比較例」)と共に、表1に示すように配合した。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示されている配合物は、次の方法を用いて調製した。30mLの琥珀色のガラスビンに、表1に示されている成分を、次の:CD406、SR368、CD587、Unilin350アクリレート、Licowax KFOまたは誘導体A、Irgacure819、Irgacure184、Irgacure379およびIrgacure907の順序で加え、合計10gのインクを得た。この10gの混合物に、撹拌棒を加え、その混合物をVariomag反応ブロックにセットした。その混合物を、それぞれ少なくとも20分間または混合物が均一に見えるまで約90℃および300RPMで加熱し、撹拌した。温度を約5分間100℃に上げた。その混合物を90℃に戻し、そのまま90分間撹拌し続けた。
【0068】
表2に示されているように、硬化前または初期の硬度、硬化速度(初期傾斜)、硬化後の硬度(最終硬度)、粘度および体積収縮のデータを実施例1および2ならびに比較例について測定した。
【0069】
インクビヒクル候補の硬化前および硬化後の硬度は、Model 476 Standを利用し、標準の1Kgの負荷によるPTCデュロメーターモデルPS6400−0−29001により得た。市販されている固体インク(ColorQube(商標)9200シリーズの固体インク)の硬度は、
図1に示されているように67と測定された。硬化性固体インクの硬化後の硬度は、約40〜約90、または約70〜約90、または約75〜約85の範囲であり得る。
【0070】
硬化速度は、硬度対UV光照射の変化を測定することによって得た。Dバルブを備えたFusion UV Systems Inc.社のLighthammerを使用してビヒクルに照射し、特定の露光時間の後に硬度を測定した。硬度対硬化速度(秒/フィート)のプロットをインクビヒクルについての初期硬化速度を得るために使用した。
【0071】
【表2】
【0072】
表2において、硬度と硬化速度のデータは、硬度対露光時間のプロットから次の式:y=m
1+m
2・(1−exp(−m
3・x))、初期硬度(硬化前の硬度)=m
1、初期傾斜(硬化速度)=m
2・m
3、最終硬度(硬化後の硬度)=m
1+m
2を用いて得た。
【0073】
該インクの硬化速度は、比較例よりも50%を超える改良である200より大きく、硬化後の硬度は比較例より高い高さであることが見出された。硬化性固体インクの硬化速度(ft/s)は約50〜約400、約100〜約300、または約150〜約300の範囲であり得る。
【0074】
加えて、実施例1および2の硬化性固体インクは、低濃度のクリスタリンワックスを含有するために、噴射温度から冷却する際の収縮率が比較例と比べて約50%減少したことがわかった。収縮率は、約6.7mLの溶融インクを、直径が35mL(mm)と高さが7mL(mm)の銅の型に注ぐことによって測定した。そのインクを最低限12時間冷却したままにし、固化したインクと型の直径からy方向とx方向(高さ)における収縮率が同じであると仮定してその収縮率を測定した。該硬化性固体インクに対する噴射温度から室温(約20℃〜約25℃)まで冷却した際の収縮率は、約0.1%〜約8%、または約0.5%〜約5%、または約0.5%〜約3%の範囲であり得る。これは、他の硬化性固体インクに付随する流れ維持サイクルの大幅な改善または除去さえも可能にする。その上、
図2および3に示されているように、該硬化性固体インクの粘度は、約40℃〜約100℃の範囲の温度において約8cps〜約10
7cps、約10〜約10
7cpsの範囲であり得る。
【0075】
該硬化性固体インク組成物中に存在するエトキシル化オクチルフェノール誘導体の量に関する印刷品質を評価するために、異なる量のエトキシル化オクチルフェノール誘導体−IPDI−Unilin425樹脂(誘導体A)を含有する2つのさらなる試料(実験例3および4)を配合した。実施例1について記載されている配合物(表1に示されている)の約120gを用意した。さらに、Blue Olefin Dye24316をその配合物に加えた。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
実験例3と4のインクを、PIJプリントヘッドを使用する改良型Phaser8400固定治具により印刷した(紙に直接の様式)。その色インクは、普通紙およびコート紙(4200(登録商標)、Xerox Digital Color Xpressions(登録商標)およびXerox Digital Color Elite Gloss(登録商標)紙)の両方に、ドラム(紙)の温度を3つの異なる設定点、35℃、40℃および45℃に維持して95℃で印刷した。
【0079】
紙に直接印刷した画像は、Dバルブを備えたFusion UV Systems Inc.社のLighthammerにより32フィート/分で硬化させた。その硬化画像は、スミアリング(smear)せず、良好な引掻抵抗を有しており、引掻抵抗は、基材を約40〜約45℃であるより高い温度に設定したときに著しく改善された。実施例4は、実施例3を上回る改良された印刷品質を示した。
【0080】
従って、該硬化性固体インクは、市販の樹脂を用いて配合した固体の相変化インクおよび硬化性固体インクと関連する取扱い、安全性、および印刷品質の利点を保有する。また一方、該硬化性固体インクは、優れた性能、または改良された硬化速度、室温(約20℃〜約25℃)に冷却した際の低い収縮、紙に直接印刷することの容易化、固体インクと比較して優れた硬度、スミアリングしないこと、および優れた引掻抵抗を提供する。