特許第5706770号(P5706770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5706770
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20150402BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20150402BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20150402BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20150402BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150402BHJP
【FI】
   F21S8/02 410
   F21S8/04 100
   F21V7/00 320
   F21V7/00 510
   F21V7/04
   F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-140814(P2011-140814)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-8577(P2013-8577A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】宮原 栄二
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−058213(JP,U)
【文献】 特開2010−080313(JP,A)
【文献】 特開2010−146806(JP,A)
【文献】 特開平03−250501(JP,A)
【文献】 特開平10−340610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 99/00
F21S 2/00,8/02,8/04
F21V 7/00−7/22
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個の光源と、
内面が各前記光源の光を反射する収納凹部を有して各前記光源をそれぞれ前記収納凹部内に保持するとともに前記収納凹部の開口を下方へ向けて天井に固定される器具本体とを備え、
各前記光源は、それぞれ、円柱形状の本体部と、前記本体部の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金とを有し、
各前記光源の前記本体部の外周面のうち、軸周りの所定角度のみ光が出射する発光部であり、残りの所定角度は光が出射しない非発光部であって、
前記器具本体において、前記光源よりも上側であって鉛直下方から見て前記光源に重ならない位置には、前記光源の光を通過させる窓穴が、各前記光源に対して少なくとも1個ずつ設けられていて、
各前記光源は、それぞれ、前記発光部の光軸を、鉛直下方に対し、対応する前記窓穴に近づけるような向きに傾けて保持されていて、
2個の前記光源は、前記本体部の軸方向を水平方向に向けて互いに平行とし、水平方向であって前記本体部の軸方向に直交する方向である並列方向に並べて前記器具本体に保持されていて、
前記窓穴は、鉛直下方から見て2個の前記光源を挟む両側にそれぞれ設けられ、
前記光源に挟まれて各前記光源の光をそれぞれ下方に反射する断面V字形状であって各前記光源よりも下方に突出する反射板を有し、
前記発光部と前記非発光部との境界を結ぶ平面が前記反射板の頂点を通る向きで各前記光源がそれぞれ保持されていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記器具本体は、前記窓穴から出射した光をより水平方向に近い向きに反射する天井用反射部を有することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記窓穴は、前記本体部の軸方向に沿った方向に並べて複数個設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
各前記窓穴はそれぞれ長円形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記器具本体において前記光源の軸方向に直交する方向から見て前記口金に重なる位置には前記窓穴が設けられていないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、直管形の蛍光灯を点灯させる照明器具であって、蛍光灯の光を反射する器具本体に窓穴が設けられていて、器具本体で反射された光と窓穴を通った光との一方を直接照明として用いて他方を間接照明として用いるようにした照明器具が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年、直管形の蛍光灯の代替として、発光ダイオードを用いた光源が提供されている(例えば、特許文献2参照)。上記の光源は、直管形の蛍光灯と同様の寸法形状に形成された円柱形状の本体部及び口金を有し、この本体部に、一面(以下、「実装面」と呼ぶ。)に複数個の発光ダイオードが実装された平板状のプリント配線板が収納されたものである。プリント配線板は本体部の軸方向に平行とされ、発光ダイオードは軸方向に沿って並べて実装される。
【0004】
上記の光源においては、本体部のうち、プリント配線版の実装面を向けられた側のみが光が出射する発光部となり、プリント配線板の反対面(非実装面)が向けられた側は光が出射しない非発光部となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2897317号公報
【特許文献2】実用新案登録第3156292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光源が収納される収納凹部が下側に開口して該収納凹部の底面(つまり光源の上側)に窓穴が設けられた器具本体を有する照明器具を想定する。このような照明器具では、収納凹部の内面で反射された光が直接照明として用いられ、窓穴を通過した光が天井面に照射されて間接照明として用いられる。
【0007】
上記のような照明器具に上記の光源が用いられた場合であって、各光源の発光部がそれぞれ鉛直下方に向けられた場合、窓穴に入射する光が比較的に少なくなることにより、天井面の照度が比較的に低くなる。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、天井面の照度を高くすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明器具は、個の光源と、内面が各前記光源の光を反射する収納凹部を有して各前記光源をそれぞれ前記収納凹部内に保持するとともに前記収納凹部の開口を下方へ向けて天井に固定される器具本体とを備え、各前記光源は、それぞれ、円柱形状の本体部と、前記本体部の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金とを有し、各前記光源の前記本体部の外周面のうち、軸周りの所定角度のみ光が出射する発光部であり、残りの所定角度は光が出射しない非発光部であって、前記器具本体において、前記光源よりも上側であって鉛直下方から見て前記光源に重ならない位置には、前記光源の光を通過させる窓穴が、各前記光源に対して少なくとも1個ずつ設けられていて、各前記光源は、それぞれ、前記発光部の光軸を、鉛直下方に対し、対応する前記窓穴に近づけるような向きに傾けて保持されていて、2個の前記光源は、前記本体部の軸方向を水平方向に向けて互いに平行とし、水平方向であって前記本体部の軸方向に直交する方向である並列方向に並べて前記器具本体に保持されていて、前記窓穴は、鉛直下方から見て2個の前記光源を挟む両側にそれぞれ設けられ、前記光源に挟まれて各前記光源の光をそれぞれ下方に反射する断面V字形状であって各前記光源よりも下方に突出する反射板を有し、前記発光部と前記非発光部との境界を結ぶ平面が前記反射板の頂点を通る向きで各前記光源がそれぞれ保持されていることを特徴とする。
【0011】
また、上記の照明器具において、前記器具本体は、前記窓穴から出射した光をより水平方向に近い向きに反射する天井用反射部を有することが望ましい。
【0012】
さらに、上記の照明器具において、前記窓穴は、前記本体部の軸方向に沿った方向に並べて複数個設けられていることが望ましい。
【0013】
また、上記の照明器具において、各前記窓穴はそれぞれ長円形状であってもよい。
【0014】
さらに、上記の照明器具において、前記器具本体において前記光源の軸方向に直交する方向から見て前記口金に重なる位置には前記窓穴が設けられていないことが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発光部が鉛直下方に向けられる場合に比べ、窓穴に入射する光が多くなることで、天井面の照度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
図2】同上を示す斜視図である。
図3】同上を示す分解斜視図である。
図4】(a)〜(c)はそれぞれ同上を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
図5】同上の比較例を示す説明図である。
図6】同上の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
本実施形態は、図1図4に示すように、直管形の2本の光源1と、各光源1をそれぞれ保持するとともに天井(図示せず)に対して固定される器具本体2とを備える。
【0019】
各光源1は、それぞれ、円柱形状の本体部11と、本体部11の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金14とを有する。
【0020】
器具本体2は収納凹部20を有しており、この収納凹部20内に各光源1をそれぞれ収納及び保持し、収納凹部20の開口を下方に向けて天井に固定される。本実施形態では、収納凹部20の開口面は、器具本体2が天井に固定された状態では水平とされる平面である。収納凹部20は、水平な断面での断面形状が長方形状となっており、内面が例えば白色であって光源1の光を反射する。また、収納凹部20の内周面のうち、長手方向の両端には、それぞれ、光源1の1個ずつの口金14が接続されるソケット3が2個ずつ、短手方向に並べて保持されている。各光源1は、それぞれ、各口金14がソケット3に接続されることにより、軸方向を互いに平行として上記の長手方向(すなわち水平方向)に向け、上記の短手方向(すなわち水平方向であって軸方向に直交する方向。以下、「並列方向」と呼ぶ。)に並んで保持される。
【0021】
また、収納凹部20の底面の中央には、一端が交流電源(図示せず)に接続されて天井面から引き出された給電線61の他端が挿通される電線挿通穴21が設けられている。収納凹部20の底面において、電線挿通穴21の側方には、上記の給電線61が接続される端子台41と、この端子台41と上記の給電線61とを介して上記の交流電源から電力を供給される駆動装置42とがそれぞれ固定されている。駆動装置42は、上記の交流電源から供給された交流電力を変換した直流電力を、ソケット3を介して各光源1に供給することで、各光源1を点灯させる。上記のような端子台41及び駆動装置42はそれぞれ周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0022】
さらに、収納凹部20の底面において電線挿通穴21に対して長手方向の両側には、それぞれ、一端が天井に固定されたスタッドボルト62の他端が挿通されるボルト挿通穴22が設けられている。器具本体2は、上記のスタッドボルト62が挿通されるワッシャ63及び上記のスタッドボルト62が螺合するナット64により支持される。
【0023】
また、軸方向に直交する断面での断面形状がV字形状であって光源1の光を反射する反射板5が、下方から見て端子台41と駆動装置42とをそれぞれ覆う形で器具本体2の下側に取り付けられている。反射板において並列方向の両端には、それぞれ、2個ずつの係止突起51が並列方向の外向きに突設されている。器具本体2の収納凹部20の底面において、上記の係止突起51の位置に対応する4箇所には、それぞれ、並列方向の内向きに開口した係止穴23が、例えばエンボス加工により形成されており、各係止突起51がそれぞれ係止穴23に係入することで、反射板5は器具本体2に結合している。ここにおいて、反射板5の下端は各光源1よりも下方に位置する。
【0024】
さらに、収納凹部20の底面において、鉛直下方から見て2本の光源1を並列方向において挟む両側には、それぞれ、光源1の光を天井面に出射させる4個ずつの窓穴24が、光源1の本体部11の軸方向に平行な方向(以下、単に「軸方向」と呼ぶ。)に並べて設けられている。各窓穴24は、それぞれ、軸方向に長い長円形状であって、軸方向での両端の内周面がそれぞれ断面半円形状の凹曲面となっている。窓穴24が設けられる範囲は、軸方向に直交する方向から見て光源1の口金14が窓穴24内に露出しない程度に狭くされている。上記のように窓穴24が軸方向に並べて複数個設けられていることにより、例えば上記4個ずつの窓穴24が連結されたような1個ずつの窓穴24が設けられる場合に比べ、機械的強度を高くすることができる。また、軸方向に直交する方向から見て光源1の口金14が窓穴24内に露出する場合に比べ、見栄えが改善される。
【0025】
ここで、光源1の本体部11は、透光性を有する材料からなる円筒の内側に、長方形平板状であって厚さ方向の一面(以下、「実装面」と呼ぶ。)に複数個の発光ダイオードが実装されたプリント配線板(図示せず)が、実装面を上記円筒の軸方向(つまり本体部11の軸方向)に平行として収納及び保持されたものである。これにより、光源1の本体部11の外周面のうち、上記の実装面が向けられた軸周り約180°の範囲は上記発光ダイオードの光が出射する発光部12となり、残りの軸周り約180°の範囲は上記発光ダイオードの光が出射しない非発光部13となっている。
【0026】
本実施形態では、各光源1は、対応する窓穴24(すなわち並列方向の外側の窓穴24)に光を入射させやすいように、発光部12の光軸面(対称面)を、鉛直下方ではなく、並列方向の外向き(つまり、対応する窓穴24に光軸面を近づける向き)に傾けた斜め下方に向けられている。
【0027】
具体的には、光源1の向きは、本体部11の外周面における発光部12と非発光部13との境界同士を結んだ平面が、反射板5の下端を通るような向きとされている。
【0028】
上記構成によれば、図5に示すように発光部12が鉛直下方に向けられる場合に比べ、図1に矢印A1で示すように窓穴24に入射する光が多くなることで、天井面の照度を高くすることができる。
【0029】
また、発光部12の光軸面と鉛直線とがなす角度を上記の例よりも大きくする場合に比べ、下方から見て非発光部13が目立ちにくい。
【0030】
さらに、図6に示すように、窓穴24の上側に、矢印A2で示すように窓穴24から出射した光源1の光を並列方向の外向きに反射する天井用反射部25を設けてもよい。このような天井用反射部25は、例えば曲げ起こしにより形成することができる。上記構成を採用すれば、天井面において下方から見て器具本体2に重ならない範囲の照度をより高くすることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 光源
2 器具本体
5 反射板
11 本体部
12 発光部
13 非発光部
14 口金
20 収納凹部
24 窓穴
25 天井用反射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6