特許第5707002号(P5707002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5707002タイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5707002
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】タイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20150402BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20150402BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20150402BHJP
【FI】
   B29C33/02
   B29C35/02
   B29L30:00
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-527418(P2014-527418)
(86)(22)【出願日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】JP2013063644
【審査請求日】2014年6月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145002
【氏名又は名称】株式会社市丸技研
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(72)【発明者】
【氏名】堤 和徳
(72)【発明者】
【氏名】市丸 寛展
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−117743(JP,A)
【文献】 特開2012−219967(JP,A)
【文献】 特開2011−112205(JP,A)
【文献】 特開平10−165876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/02−33/04,
35/02−35/04
F15B 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡縮自在なブラダを挟持可能なクランプ部と、
該クランプ部の下方に配置されると共に、中空状に形成された厚肉のシリンダと、
該シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能であると共に、上端が前記クランプ部に取り付けられたセンターポストロッドと、
前記シリンダの内周面と外周面の間の領域に設けられ、同シリンダの底面側に貫通する開口部が形成された孔部に配置されると共に、磁性を検知可能なセンサー部と、
前記センターポストロッドに取り付けられた磁性を帯びた磁石部とを備える
タイヤ加硫機の直動機構。
【請求項2】
前記磁石部はリング状の形状であり、かつ、前記センターポストロッドの外周面に取り付けられた
請求項1に記載のタイヤ加硫機の直動機構。
【請求項3】
前記シリンダの下端に接すると共に、同シリンダを鉛直方向に移動せしめる昇降手段を備える
請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫機の直動機構。
【請求項4】
前記センターポストロッドが円周方向に回転不可能に固定され、かつ、前記磁石部は同センターポストロッドの前記センサー部の近傍に取り付けられた
請求項1または請求項3に記載のタイヤ加硫機の直動機構。
【請求項5】
前記磁石部は前記センターポストロッドの外周面に複数取り付けられると共に、隣接した前記磁石部同士が一定間隔を有する
請求項1または請求項3に記載のタイヤ加硫機の直動機構。
【請求項6】
拡縮自在なブラダと、
該ブラダを挟持可能なクランプ部と、
該クランプ部の下方に配置され中空状の形状であると共に、内周面と外周面との間に鉛直方向に位置し、かつ、底面側に開口された孔部を有する厚肉のシリンダと、
該シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能であると共に、上端が前記クランプ部に取り付けられたセンターポストロッドと、
前記シリンダの前記孔部に配置され、かつ、磁性を検知可能なセンサー部と、
前記センターポストロッドに取り付けられた磁性を帯びた磁石部とを備える
タイヤ加硫機の中心機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構に関する。詳しくは、ブラダ伸長高さやシェーピング高さの位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なタイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構に係るものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤの製造では、予め完成品に近い形に成形されたグリーンタイヤがモールドに入れられ加圧及び加熱される。この際、モールド内に設けられたブラダを膨張させ、グリーンタイヤの内面に密接させて加硫が行われる。
【0003】
また、タイヤ加硫機には、昇降用のシリンダと連結させたノックアウトレバーを流体圧シリンダの底部に設け、これを介して流体圧シリンダを昇降させるビードリフト機構を備えたタイプが存在し、最も多く使用されている。このタイプのタイヤ加硫機では、ノックアウトレバーで流体圧シリンダを上昇させ、加硫成形後のタイヤの取り外しを行う。
【0004】
また、加硫工程では、タイヤ加硫機の中心機構を液圧シリンダ等の動力源により駆動させ、所定の高さに位置させる必要がある。この高さ位置とは、1つ目がタイヤ加硫機へのグリーンタイヤの取り付け時のブラダの最大伸長位置、2つ目がシェーピング時の高さ位置である。
【0005】
また、ブラダの最大伸長位置は、サイズが異なるブラダの種類に応じて、また、シェーピング時の高さは加硫されるタイヤのサイズに応じて、それぞれの位置が決まる。
【0006】
こうしたなか、ブラダの伸長高さやシェーピング高さ等の位置制御が行えるタイヤ加硫機の中心機構が存在し、例えば、特許文献1に記載の中心機構が提案されている。
【0007】
ここで、特許文献1には、図5に示すような中心機構100が記載されている。中心機構100は、ブラダ101と、流体圧シリンダ102と、ピストン103を備えている。また、中心機構100は、ピストン103に付けられたマグネット104と、ピストン103の底面から挿入されたセンサー棒105を有し、流体圧シリンダ102の底部にセンサー本体106が配置されている。
【0008】
また、中心機構100は、センサー本体106の位置検出情報に基づき、流体圧シリンダ102を昇降作動させる制御手段107を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000―117743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された中心機構は、センサー本体が流体圧シリンダの底部中心に配置されている。ビードリフト機構を備えたタイヤ加硫機においては、センサー本体の体積分、中心機構のストロークが制限されて短くなってしまう。ストロークが短くなると、使用可能なブラダのサイズが制限されることになり、タイヤの種類によっては加硫できなくなるという問題があった。
【0011】
また、中心機構のストロークを確保するために、ノックアウトレバーやレバー接続部分の構造を変更することも考えられるが、既存のサイズで設計されたビードリフト機構の設備が使用できなくなってしまい、装置を汎用的に使用することが難しくなってしまう。また、中心機構のストロークを確保した分、全体の構造が大きくなってしまい、装置をコンパクト化できないという欠点が生じてしまう。
【0012】
また、特許文献1に記載された中心機構は、センサーがノックアウトレバーの上部に配置されるという構造上、センサーの交換を容易に行うことができず、中心機構の位置決めを制御する位置検出機能を良好に保つことが難しくなる。
【0013】
また、センサーが流体圧シリンダの内部に配置されることから、耐圧性能を有する硬いロッド状のものを使用することが求められ、使用可能なセンサーの種類が限定されるという不都合も生じていた。
【0014】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、ブラダ伸長高さやシェーピング高さの位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なタイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明のタイヤ加硫機の直動機構は、拡縮自在なブラダを挟持可能なクランプ部と、該クランプ部の下方に配置されると共に、中空状に形成されたシリンダと、該シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能であると共に、上端が前記クランプ部に取り付けられたセンターポストロッドと、前記シリンダの中空の領域と外周面の間の領域の一部に底面が外部に開口して形成された孔部に配置されると共に、磁性を検知可能なセンサー部と、前記センターポストロッドに取り付けられた磁性を帯びた磁石部とを備える。
【0016】
ここで、拡縮自在なブラダを挟持可能なクランプ部によって、タイヤの加硫を行うブラダを挟持することができる。即ち、ブラダを挟持して、直動機構の動きに連動させることが可能となる。
【0017】
また、クランプ部の下方に配置されると共に、中空状に形成されたシリンダと、シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能なセンターポストロッドによって、シリンダの内部に鉛直方向に駆動する構造を設けることができる。即ち、直動機構が所定の高さに位置するための構造とすることができる。
【0018】
また、鉛直方向に移動可能であると共に、上端がクランプ部に取り付けられたセンターポストロッドによって、クランプ部を鉛直方向に移動させることができる。即ち、ブラダを鉛直方向に伸長させることが可能となる。
【0019】
また、センサー部が、シリンダの中空の領域と外周面の間の領域の一部に形成された孔部に配置されたことによって、シリンダの外周近傍にセンサーを配置することができる。即ち、センターポストロッドのストロークがセンサーの存在により制限されず、サイズの異なる複数のブラダを使用可能となる。
【0020】
また、センサー部が、シリンダの中空の領域と外周面の間の領域の一部に底面が外部に開口して形成された孔部に配置されたことによって、耐圧性能を有するセンサー以外のセンサーも使用することができる。即ち、センサーがシリンダの駆動力となる水圧等の影響を受けにくくなり、例えば、柔軟性のあるセンサーを配置することも可能となる。
【0021】
また、センサー部が、シリンダの中空の領域と外周面の間の領域の一部に底面が外部に開口して形成された孔部に配置されたことによって、シリンダの底面からセンサーを挿入または排出することが可能となる。即ち、センサーの設置や取り換えが容易になる。
【0022】
また、磁性を検知可能なセンサー部によって、磁力を有する部材との相互作用で位置検出が可能となる。
【0023】
また、磁性を検知可能なセンサー部と、センターポストロッドに取り付けられた磁性を帯びた磁石部によって、センターポストロッドの高さ位置を検出可能となる。
【0024】
また、磁石部がリング状の形状であり、かつ、センターポストロッドの外周面に取り付けられた場合には、磁石部は常にセンサー部の近傍に位置することになる。即ち、センターポストロッドが円周方向に回転する構造であっても、その位置を正確に検出することが可能となる。
【0025】
また、シリンダの下端に接すると共に、シリンダを鉛直方向に移動せしめる昇降手段を備える場合には、シリンダ自体を駆動させ、上下に昇降させることが可能となる。即ち、ビードリフト機構を設けて、加硫成形後のタイヤの取り外しを容易に行うことができる。
【0026】
また、センターポストロッドが円周方向に回転不可能に固定され、かつ、磁石部がセンターポストロッドのセンサー部の近傍に取り付けられた場合には、センターポストロッドの一部に磁石部を取り付けるだけで、その位置を正確に検出することが可能になる。
【0027】
また、磁石部はセンターポストロッドの外周面に複数取り付けられると共に、隣接した磁石部同士が一定間隔を有する場合には、位置検出に必要となる磁石の量を減らすことが可能となる。
【0028】
また、上記の目的を達成するために、本発明のタイヤ加硫機の中心機構は、拡縮自在なブラダと、該ブラダを挟持可能なクランプ部と、該クランプ部の下方に配置され中空状の形状であると共に、底面が外部に開口され、かつ、鉛直方向に形成された孔部を有するシリンダと、該シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能であると共に、上端が前記クランプ部に取り付けられたセンターポストロッドと、前記シリンダの前記孔部に配置され、かつ、磁性を検知可能なセンサー部と、前記センターポストロッドに取り付けられた磁性を帯びた磁石部とを備える。
【0029】
ここで、拡縮自在なブラダによって、タイヤに加硫することができる。即ち、ブラダをグリーンタイヤの内周に密接させて、膨張させることで、タイヤを加硫成形することが可能となる。
【0030】
また、クランプ部の下方に配置されると共に、中空状に形成されたシリンダと、シリンダの中空の領域に配置され、かつ、鉛直方向に移動可能なセンターポストロッドによって、シリンダの内部に鉛直方向に駆動する構造を設けることができる。即ち、直動機構が所定の高さに位置するための構造とすることができる。
【0031】
また、センサー部が、シリンダの中空の領域と外周面の間の領域の一部に形成された孔部に配置されたことによって、シリンダの外周近傍にセンサーを配置することができる。即ち、センターポストロッドのストロークがセンサーの存在により制限されず、サイズの異なる複数のブラダを使用可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係るタイヤ加硫機の直動機構は、ブラダ伸長高さやシェーピング高さ等の位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なものとなっている。
また、本発明に係るタイヤ加硫機の中心機構は、ブラダ伸長高さやシェーピング高さ等の位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構の一例を示す概略図である。
図2】従来のタイヤ加硫機の中心機構の一例を示す概略図である。
図3】タイヤ加硫機の中心機構の実施形態(1)を示す概略図(a)及びその部分拡大図(b)である。
図4】タイヤ加硫機の中心機構の実施形態(2)を示す概略図である。
図5】従来のタイヤ加硫機の中心機構を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、タイヤ加硫機の中心機構に関する本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構の一例を示す概略図である。図2は、従来のタイヤ加硫機の中心機構の一例を示す概略図である。
【0035】
ここで、図1に示すように、本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構の一例である水圧駆動中心機構1は、バグヘッド2と、水圧シリンダ3とを備えている。
【0036】
また、水圧駆動中心機構1は、内部に流体を供給することで拡縮可能なブラダ(図示せず)を備えている。
【0037】
また、バグヘッド2は、加硫媒体の供給口と排出口を有し、水圧駆動中心機構1の上部に配置されている。また、水圧シリンダ3はバグヘッド2の下部に固定されている。
【0038】
また、水圧シリンダ3は、シリンダチューブ4と、その中心の領域に水圧で昇降可能なセンターポストロッド5を有している。また、センターポストロッド5の先端側には、ブラダを挟持するためのブラダクランプリング(図示せず)が取り付けられている。
【0039】
センターポストロッド5が昇降することで、ブラダの伸長状態及び水圧駆動中心機構1の高さ位置が変わり、所望の高さに位置することが可能となる。また、センターポストロッド5の底部側には、駆動のための水圧を受ける円筒状のピストン6が取り付けられている。
【0040】
また、シリンダチューブ4は厚肉に形成され、外周面近傍にセンサー用孔部7が設けられている。センサー用孔部7はシリンダチューブ4の底面側に貫通しており、耐熱性及び柔軟性のあるリニアセンサー8が挿入されている。
【0041】
また、円筒状のピストン6の外周面に沿って、リング状のマグネット9が取り付けられている。このマグネット9の位置に応じて、レシーブコイルを内蔵したリニアセンサー本体10が発生するパルス電圧を検出して、センターポストロッド5の位置検出が可能となっている。パルス電圧は、リニアセンサー本体10を通して検出機構によりアナログ信号に変換して出力される。
【0042】
また、シリンダチューブ4は、外周面近傍にセンターポストロッド5の駆動に用いる水の水路用孔部11を有している。また、シリンダチューブ4の底部には、ノックアウトレバーと着脱可能なアーム部12が設けられている。また、アーム部12を介してシリンダ等の駆動源と連結したノックアウトレバー(図示せず)が配置されている。
【0043】
また、水圧シリンダ3には、ノックアウトレバーを介して水圧シリンダ3が昇降する際の動きをガイドするシリンダガイド13が設けられている。
【0044】
ここで、水圧駆動中心機構1に利用可能なブラダの種類は特に限定されるものではない。タイヤの種類やサイズに応じて存在する既存の複数のブラダに取り付けて、水圧駆動中心機構1を使用することが可能である。
【0045】
また、センサーの種類は限定されるものではなく、センサー用孔部7に挿通可能なものであれば充分である。
【0046】
また、必ずしも、リニアセンサー8が耐熱性のあるものである必要はない。但し、過酷な温度環境可で高精度な位置検出能を維持できる点から、リニアセンサー8が耐熱性のあるものであることが好ましい。
【0047】
また、必ずしも、マグネット9が、ピストン6に取り付けられたリング状のものである必要はない。但し、センターポストロッド5が円周方向に回転しても、高精度な位置検出が可能となる点から、マグネット9が、ピストン6に取り付けられたリング状のものであることが好ましい。
【0048】
また、必ずしも、シリンダチューブ4が水路用孔部11を有する必要はない。但し、水圧シリンダ3の駆動用の水の経路を、別の部材を取り付けて設ける必要がなくなり、水圧駆動中心機構1を小型化できる点から、シリンダチューブ4が水路用孔部11を有することが好ましい。
【0049】
また、ここでは、水圧駆動式の中心機構を例に挙げているが、必ずしも、センターポストロッド5が水圧により昇降可能なものに限定される必要はない。例えば、油圧式シリンダを採用することもでき、センターポストロッド5が昇降可能な構成になっていれば充分である。
【0050】
以下、本発明を適用したタイヤ加硫機の直動機構及びタイヤ加硫機の中心機構の使用形態について説明し、本発明の理解に供する。
【0051】
タイヤの加硫工程及びタイヤの取り外しにおける中心機構の動きは以下のようになっている。
【0052】
まず、加硫前のグリーンタイヤをブラダに挿入するため、水圧シリンダ3を駆動させ、センターポストロッド5を最大伸長状態にする。ブラダクランプリングを介してブラダが伸長し、バキュームにより収縮させることでブラダの半径が小さくなる。これにより、タイヤをブラダの外側に配置することが可能となる。
【0053】
この際、センターポストロッド5の位置は、リニアセンサー8及びマグネット9の相対位置により検出され、最大伸長位置に位置するように駆動させることが可能となる。
【0054】
次に、グリーンタイヤを把持したローダが下降し、グリーンタイヤをブラダの外側に配置する。また、タイヤサイズに対応したシェーピング高さの位置にくるとローダが停止する。
【0055】
続いて、水圧シリンダ3によりセンターポストロッド5を下降させ、同時に蒸気やガス等のシェーピング用低圧ガスをブラダ内部に投入し、ブラダを膨張させていく。ブラダは膨張しながら、センターポストロッド5がシェーピングを行うための中間位置に位置する。
【0056】
シェーピングの工程では、ブラダを膨張させることで、グリーンタイヤの内周面にブラダの外周面を密着させて、タイヤとブラダの間の空気抜きを行う。センターポストロッド5を中心位置に位置させることで、ブラダを膨張させやすくすることができる。
【0057】
この際、センターポストロッド5の位置は、リニアセンサー8及びマグネット9の相対位置により検出され、シェーピングのための中間位置に位置するように駆動させることが可能となる。
【0058】
次に、グリーンタイヤを外側から型締めするモールドが内部に配置された加硫機のコンテナが下降し、センターポストロッド5を押し下げていく。また、膨張したグリーンタイヤが上下左右からモールドにより覆われる。
【0059】
ブラダの内部に高温高圧の蒸気やガスが投入され、ブラダを介してグリーンタイヤがモールドに押し付けられる。また、ブラダやコンテナからの熱によってタイヤが加硫成形される。
【0060】
タイヤの加硫成形後は、ブラダ内部を減圧した後に、タイヤからモールドを外していく。水圧シリンダ3の底部に配置されたノックアウトレバーを介して水圧シリンダ3が上昇することでセンターポストロッド5の位置が上昇する。これにより、タイヤ取り外しに用いるタイヤアンローダの爪をタイヤの下に挿し入れることが可能となる。
【0061】
続いて、センターポストロッド5を上昇させながら、ブラダ内部をバキュームにより負圧にしてブラダを収縮させる。また、ノックアウトレバーを下降させ、加硫済みのタイヤをタイヤアンローダで取り出す。
【0062】
以上までが、本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構によるタイヤの加硫工程及びタイヤの取り外しの流れである。
【0063】
このように、水圧駆動中心機構1では、水圧シリンダ3によりセンターポストロッド5の高さ位置を変更し、所望の高さに位置させることができる。また、位置検出機構としてリニアセンサー8及びマグネット9を用いて、高さ位置を検出可能となっている。
【0064】
また、シリンダチューブ4が厚肉に形成され、水圧シリンダ3の外周面近傍にセンサー用孔部7が設けられているため、このセンサー用孔部7にリニアセンサー8を配置することができる。
【0065】
リニアセンサー8が、センターポストロッド5の鉛直方向の移動直線上に位置していないことから、水圧駆動中心機構1のストロークが制限されない。即ち、サイズの異なる複数のブラダを使用可能となり、それに応じて、加硫可能なタイヤの適用範囲を広げることができる。
【0066】
また、シリンダチュー4を厚肉に形成したことから、センサー用孔部7に配置するセンサーを圧力等から充分に保護することができる。これにより、センサーが耐圧性能を有するものに限定されず、使用可能なセンサーの選択の幅を増やすことができる。
【0067】
また、センサー用孔部7のリニアセンサー8の挿入部分及びリニアセンサー本体10の取り付け位置に他の部材が取り付けられておらず、リニアセンサー8やリニアセンサー本体10の交換を容易に行うことができる。これにより、水圧駆動中心機構1の位置検出機能の保守性を向上させることが可能となる。
【0068】
また、リング状のマグネット9を用いることで、リニアセンサー8とマグネット9の位置を近接させた構造にすることができる。これにより、センターポストロッド5が円周方向に回転する構造であっても、常に、リニアセンサー8とマグネット9は近接しており、マグネット9の磁力が弱まることがない。即ち、位置検出能を高精度に保つことができる。
【0069】
また、ノックアウトレバーを介したビードリフト機構と併用することができるため、従来の中心機構に利用していた既存のビードリフト機構の設備をそのまま用いてタイヤの取り外しを行うことが可能となる。
【0070】
また、シリンダチューブ4の内部にリニアセンサー8が配置されたことで、シリンダガイド13を介した水圧シリンダ3の昇降を妨げないものとなっている。仮に、水圧シリンダ3の外部かつシリンダガイド13側にリニアセンサー8が配置されたとすれば、水圧シリンダ3の昇降を妨げ、水圧駆動中心機構1が使用しづらいものとなってしまう。
【0071】
また、前述したように、図2には従来のタイヤ加硫機の中心機構14を示しており、水圧駆動中心機構1と比較を行う。中心機構14では、リニアセンサー15が水圧シリンダ16の中心に配置され、リニアセンサー本体17は底部に配置されている。また、マグネット18はセンターポストロッド19の中心に配置されている。また、シリンダチューブ4の底部には、ノックアウトレバーと着脱可能なアーム部25が設けられている。
【0072】
このような中心機構14の構造では、リニアセンサー15が水圧シリンダ16の中心に配置されたことから、センターポストロッド19のストロークに制限され短くなってしまう。結果として、使用可能なブラダのサイズが限定され、タイヤの種類によっては加硫成形できなくなってしまう。
【0073】
また、リニアセンサー15が水圧シリンダ16の中心に配置されたことから、シリンダを駆動する水圧等の影響を受けやすくなる。そのため、位置検出機能を高精度なものにするために耐圧性かつ硬度のあるセンサーの種類を選択することが求められることになる。
【0074】
続いて、本発明のその他の実施形態について説明する。
図3は、タイヤ加硫機の中心機構の実施形態(1)を示す概略図(a)及びその部分拡大図(b)である。図4は、タイヤ加硫機の中心機構の実施形態(2)を示す概略図である。
【0075】
図3(a)に示すタイヤ加硫機の中心機構20は、センターポストロッド5に取り付けられたピストン6のリニアセンサー8側にマグネット21が取り付けられている。また、センターポストロッド5の底部からブラダ側に向けて固定部材22が挿入され、固定されている。なお、その他の部材の符号は、水圧駆動中心機構1と共通した符号を付している。
【0076】
中心機構20では、固定部材22によりセンターポストロッド5が固定されたことで、円周方向への回転が起こらず、リニアセンサー8に対して、常に、マグネット22が近接して位置することになる。これにより正確な位置検出が可能となる。なお、図3(b)は、固定部材22の周辺領域の部分拡大図である。
【0077】
また、図4に示すタイヤ加硫機の中心機構23は、センターポストロッド5に取り付けられたピストン6の外周面上に一定間隔を空けて複数のマグネット24が取り付けられている。なお、その他の部材の符号は、水圧駆動中心機構1と共通した符号を付している。
【0078】
中心機構23では、一定間隔を空けて複数のマグネット24が取り付けられたことで、センターポストロッド5が円周方向に回転した場合にも、リニアセンサー8の近傍にいずれかのマグネット24が近接して位置することになる。そのため、リング状のマグネットを使用せずとも、正確な位置検出が可能となる。また、位置検出に必要なマグネットの使用量を減らすことができる。
【0079】
以上のように、本発明を適用したタイヤ加硫機の直動機構はブラダ伸長高さやシェーピング高さの位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なものとなっている。
また、本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構はブラダ伸長高さやシェーピング高さの位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なものとなっている。
【符号の説明】
【0080】
1 水圧駆動中心機構
2 バグヘッド
3 水圧シリンダ
4 シリンダチューブ
5 センターポストロッド
6 ピストン
7 センサー用孔部
8 リニアセンサー
9 リング状のマグネット
10 リニアセンサー本体
11 水路用孔部
12 アーム部
13 シリンダガイド
14 中心機構
15 リニアセンサー
16 水圧シリンダ
17 リニアセンサー本体
18 マグネット
19 センターポストロッド
20 中心機構
21 マグネット
22 固定部材
23 中心機構
24 マグネット
25 アーム部
【要約】
ブラダ伸長高さやシェーピング高さ等の位置制御が充分に行え、サイズの異なるタイヤに対応可能なタイヤ加硫機の直動機構を提供する。本発明を適用したタイヤ加硫機の中心機構の一例である水圧駆動中心機構1は、バグヘッド2と、水圧シリンダ3とを備えている。また、シリンダチューブ4は厚肉に形成され、外周面近傍にセンサー用孔部7が設けられている。センサー用孔部7はシリンダチューブ4の底面側に貫通しており、耐熱性及び柔軟性のあるリニアセンサー8が挿入されている。
図1
図2
図3
図4
図5