特許第5707411号(P5707411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5707411眼鏡用バー、及び当該眼鏡用バーを備えている眼鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5707411
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】眼鏡用バー、及び当該眼鏡用バーを備えている眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/20 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
   G02C5/20
【請求項の数】16
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-534809(P2012-534809)
(86)(22)【出願日】2010年10月15日
(65)【公表番号】特表2013-508768(P2013-508768A)
(43)【公表日】2013年3月7日
(86)【国際出願番号】IB2010054676
(87)【国際公開番号】WO2011048533
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2013年5月16日
(31)【優先権主張番号】MI2009A001846
(32)【優先日】2009年10月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512106388
【氏名又は名称】プラダ・エッセア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】パトリツィオ・ベルテッリ
【審査官】 後藤 亮治
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−290417(JP,A)
【文献】 特開平07−084224(JP,A)
【文献】 実開昭61−140320(JP,U)
【文献】 特表2001−503870(JP,A)
【文献】 米国特許第05652635(US,A)
【文献】 西独国特許出願公開第03521296(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/00 − 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長部材(1)を備えている眼鏡用バーであって、前記細長部材(1)が、利用者の耳の上に配置されるように適合している後端部(1a)と、長手方向ピン(5)と一体化されているヒンジ部材(10)を介して眼鏡の前方部分に接続されるように適合している前端部(1b)とを有している、前記眼鏡用バーにおいて、
長手方向ピン(5)を前記細長部材(1)の前記前端部(1b)に形成されている長手方向穴に及び追加部材(2,3,4)に形成されている長手方向穴に挿入することによって、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)が1つ以上の前記追加部材(2,3,4)により延長されており、
1つ以上の横方向部材(7)が、1つ以上の前記追加部材(3)に、前記長手方向ピン(5)に、及び、前記追加部材(2,3,4)の側面に配置されている長手方向舌片(6)に形成されている横方向穴に挿入されており、
1つ以上の前記横方向部材(7)が、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)に形成されている横方向穴に、前記長手方向ピン(5)に形成されている横方向穴に、及び、前記長手方向舌片(6)に形成されている横方向穴に挿入されており、
1つ以上の図形記号(9)が、1つ以上の前記追加部材(2,3)の側面に付されており、
1つ以上の前記追加部材(2,3)の前記側面が、前記長手方向舌片(6)に面している側面の反対側に位置していることを特徴とする眼鏡用バー。
【請求項2】
前記追加部材(2,3,4)が、後方の追加部材(2)と中間の追加部材(3)と前方の追加部材(4)であることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用バー。
【請求項3】
2つ以上の前記追加部材(2,3)が、同一の形状且つ同一の大きさとされることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡用バー。
【請求項4】
1つ以上の前記追加部材(2,3,4)の外周形状が、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)の周囲形状と、及び/又は、隣接している前記追加部材(3,4)の隣接している端部それぞれの外周形状と同一とされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項5】
1つ以上の前記追加部材(2,3,4)の端部には、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)に及び/又は隣接している前記追加部材(2,3)の隣接している端部それぞれに形成されている、対応する垂直方向台座(1c,2b,3b)に挿入されるように適合している垂直方向突出部(2a,3a,4a)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項6】
前記垂直方向突出部(2a,3a,4a)と前記垂直方向台座(1c,2b,3b)とが、直方体の形状とされることを特徴とする請求項5に記載の眼鏡用バー。
【請求項7】
前記長手方向舌片(6)が、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)の側面に及び1つ以上の前記追加部材(2,3,4)の側面に形成されている長手方向台座内に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項8】
前記長手方向台座が、垂直方向突出部(2a,3a,4a)及び垂直方向台座(1c,2b,3b)の同一側に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の眼鏡用バー。
【請求項9】
1つ以上の前記横方向部材(7)が、前記長手方向ピン(5)に形成されている横方向穴に、前記長手方向舌片(6)に形成されている横方向穴に、前記細長部材(1)の前記前端部(1b)に形成されている横方向穴に、及び、前記追加部材に形成されている横方向穴に挿入されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項10】
前記追加部材が、中間の追加部材(3)であることを特徴とする請求項9に記載の眼鏡用バー。
【請求項11】
前記横方向部材(7)が、前記長手方向ピン(5)の横方向穴(8)に螺入されているネジであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項12】
前記図形記号(9)が、垂直方向突出部(2a,3a,4a)及び垂直方向台座(1c,2b,3b)の反対側の側面に付されていることを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項13】
前記ヒンジ部材(10)が、前記細長部材(1)の反対側に位置する前記追加部材(4)に形成されている長手方向ノッチ(11)を貫通して突出していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項14】
1つ以上の前記図形記号(9)が、英数字記号とされることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の眼鏡用バー。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の眼鏡用バーに接続されている少なくとも1つの前方部分を備えていることを特徴とする眼鏡。
【請求項16】
前記眼鏡用バーの前記ヒンジ部材(10)が、前記眼鏡の前記前方部分に固定されている相補的なヒンジ部材と結合されていることを特徴とする請求項15に記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡用バー、及び当該眼鏡用バーを備えている眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の眼鏡用バーは、利用者の耳の上に配置するように適合されている後端部と眼鏡の前方部分に接続するように適合されている前端部とを有している、細長部材を備えている。一般に、前端部の外側には、工場で永続的な態様で印された図形記号、例えば製造業者の商標が形成されている。利用者又は小売業者は、眼鏡をカスタマイズするために、1つ又は両方のバーに図形記号を接着する場合がある。しかしながら、このようなカスタマイズは、結論として、工場でカスタマイズされた眼鏡と比較して、特に接着された図形記号の美感、配置、及び機械的抵抗に関して必ずしも完全ではない。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4には、1つ以上の追加部材に形成されている長手方向穴に挿入されている、長手方向ピンを備えている眼鏡用バーが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2に開示される眼鏡用バーでは、2つのネジが、前方の追加部材に、長手方向ピンに、及びヒンジ部材を備えている長手方向舌片に形成されている横方向穴に挿入されている。追加部材は、バーを延長するために及びバーに可撓性を付与するために利用されるが、その結果として、バーの剛性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5652635号明細書
【特許文献2】独国特許第3521296号明細書
【特許文献3】独国特許第515774号明細書
【特許文献4】米国特許第6652093号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、上述の欠点を有しない眼鏡、すなわち、簡便な方法でカスタマイズ可能とされ、これにより最適な結果を得ると共に高い剛性を維持する眼鏡を提供することである。当該目的は、請求項1及び12それぞれに記載されている主要な特徴を有している眼鏡用バー及び眼鏡によって達成される。一方、他の特徴については、残りの請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明におけるバーは、1つ以上の追加部材に、好ましくは3つの追加部材に挿入されている長手方向ピンと組み合わせられた長手方向舌片を備えている機械的システムによって、当該バーを備えている眼鏡に対して、美的な喜びを付与するための簡便且つ急速なカスタマイズを可能とする。従って、1つ以上の追加部材の色、形状、及び/若しくは大きさを変更し、及び/又は、工場において1つ以上の図形記号を1つ以上の追加部材に事前に印すことができる。
【0008】
本発明の一の実施態様では、2つ以上の追加部材が、略同一の形状及び略同一な大きさを有しているので、相違する図形記号が付された追加部材を相互交換することによって、カスタマイズの実現性を多様化することができる。
【0009】
本発明の他の実施態様では、追加部材と細長部材の前端部とが、好ましくはバーの内側に配置されている垂直方向突出部と対応する垂直方向台座とを備えているので、垂直方向突出部と垂直方向台座とが機械的結合され、追加部材と細長部材との間の光路が保護され、これにより、同時にバーの剛性及び美観が改善される。
【0010】
本発明のさらなる実施態様では、長手方向舌片が、好ましくはバーの内側に形成されている長手方向台座内に配置されており、1つ以上の横方向部材が、長手方向ピンに、長手方向舌片に、及び/又はバーの他の部材に形成されている横方向穴に挿入されており、これにより、バーの剛性が高められる。好ましくは、横方向部材は長手方向ピンに螺合されているネジであり、これにより同一の簡便さでバーを組立及び分解可能となる。
【0011】
ヒンジ部材は長手方向ピンと一体化されている。従って、バーを眼鏡の前方部分に接続しているヒンジ部材がバーのすべての部材に接続するので、バーの剛性がさらに高められる。
【0012】
本発明におけるバーのさらなる利点及び特徴については、添付図面と共に実施例に関する以下の詳細且つ非限定的な説明を参照することによって、当業者であれば理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】バーの外側の側面図である。
図2図1に表わすバーの内側の側面図である。
図3図1に表わすバーの底面図である。
図4図1に表わすバーの分解斜視図である。
図5図1に表わすバーの分解底面図である。
図6図1の断面VI−VIの部分的な拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図6に表わすように、本発明におけるバーは、既知の手法によって、利用者の耳の上に配置するように適合されている、例えば下方に向かって湾曲している後端部1aと、例えばヒンジ部材によって眼鏡の前方部分に接続するように適合されている、例えば直線状に延在している前端部1bと、を有している細長部材1を備えている。
【0015】
細長部材1の前端部1bは、細長部材1の前端部1bに及び追加部材2,3,4に形成されている長手方向穴に挿入されている(図2において破線で表わす)少なくとも1つの長手方向ピン5を利用することによって、1つ以上の追加部材を介して、好ましくは後方の追加部材2、中間の追加部材3、及び前方の追加部材4を介して延長されている。2つ以上の追加部材が、特に後方の追加部材2と中間の追加部材3とが、略同一の形状及び略同一の大きさを有している。1つ以上の追加部材2,3,4の端部における周囲形状は、細長部材1の前端部1bの周囲形状と、及び/又は、隣り合う追加部材3,4の隣り合う端部それぞれの周囲形状と略同一であり、特に略四角状に形成されている。長手方向ピン5の外側形状と、細長部材1及び追加部材2,3,4の長手方向穴の内側形状とが、長手方向ピン5と細長部材1及び追加部材2,3,4との間で相互に回転することを防止するために略四角状に形成されている。長手方向ピン5の先端と細長部材1の長手方向穴の内側端部とが丸められている。
【0016】
1つ以上の追加部材2,3,4の端部には、細長部材1の前端部1bに及び/又は隣り合う追加部材2,3の隣り合う端部にそれぞれ形成されている、対応する垂直方向台座1c,2b,3bに挿入されるように適合している垂直方向突出部2a,3a,4aが形成されている。垂直方向突出部2a,3a,4aと垂直方向台座1c,2b,3bとが、好ましくは略直方体状の形態とされ、特にバーの内側に配置されている。
【0017】
長手方向舌片6は、細長部材1の前端部1bの一方の側面に及び1つ以上の追加部材2,3,4の一方の側面に、特に垂直方向突出部2a,3a,4a及び垂直方向台座1c,2b,3bの同一側に、すなわちバーの内側に形成されている長手方向台座に配置されている。1つ以上の横方向部材7が、長手方向ピン5に、長手方向舌片6に、細長部材1の前端部1bに、及び/又は1つ以上の追加部材2,3,4に、特に中間の追加部材3に形成されている横方向穴に挿入されている。好ましくは、横方向部材7は、長手方向ピン5の、ネジ部が形成された横方向穴8に螺入されているネジである。特に英数字記号である1つ以上の図形記号9は、細長部材1の前端部1b及び/又は1つ以上の追加部材2,3,4の一方の側面に、特に垂直方向突出部2a,3a,4a及び垂直方向台座1c,2b,4の反対側の側面に、すなわちバーの外側に、言い換えれば長手方向舌片6に面した側面の反対側の側面に付されている。
【0018】
ヒンジ部材10は、長手方向ピン5と一体になっており、細長部材1に対向している追加部材に、すなわち、前方の追加部材4に形成されている長手方向ノッチ11を貫通して突出している。ヒンジ部材10は、例えばピンを介して、眼鏡の前方部分に固定されている相補的なヒンジ部材に結合されている。
【0019】
当該実施例では、追加部材2,3,4が略直方体状の形態とされるが、他の実施例では、略プリズム状、略プリズム台状、円柱状、又は円錐台状の形態とされる。本明細書では、眼鏡との用語は、眼鏡、サングラス、及びこれらに類するものを意味することは明白である。
【0020】
当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなく、既に説明及び図解した実施例に対して変更及び/又は追加することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 細長部材
1a 後端部
1b 前端部
1c 垂直方向台座
2 後方の追加部材
2a 垂直方向突出部
2b 垂直方向台座
3 中間の追加部材
3a 垂直方向突出部
3b 垂直方向台座
4 前方の追加部材
4a 垂直方向突出部
5 長手方向ピン
6 長手方向舌片
7 横方向部材
8 横方向穴
9 図形記号
10 ヒンジ部材
11 長手方向ノッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6