(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
日本では昔から畳が使われている。伝統的な畳は、わら製畳床にイ草の織物を巻き込んで形成されている。
また、畳と同様な構造からなる床材として、芯材と芯材上に設けられたクッション材とクッション材上に設けられた表装材と、を有し、前記芯材の周側面に表装材が巻き込まれている床材も知られている。このような床材は、畳と同様に、部屋の床面全体に敷き詰められるほか、床面の一部分に敷き詰めることができる。
前記床材を施工する場合、施工場所に合わせて床材を切断する必要が生じる場合がある。
しかしながら、前記床材の芯材は、MDF板などが使用されているので、カッターナイフを用いて手で切断することができない。従って、前記床材を切断するときには、電動丸鋸などを用いて切断しなければならず、床材を手作業で簡単に切断することができない。
【0003】
この点、カッターナイフを用いて手で切断できる床材として、木質基板の裏面に多数本のスリットが形成された床材が知られている(特許文献1及び2)。
このようなスリットが形成された床材においては、カッターナイフを用いてスリットに沿って深い切り込みを形成することにより、その切り込み部分において容易に切断できる。
しかしながら、この床材においてはスリットの形成部分に従って容易に切断できるが、スリットが形成されていない部分においては容易に切断できない。つまり、床材の切断箇所がスリットの形成位置に限定されるので、床材を所望の位置で容易に切断できないという問題点がある。さらに、芯材に多数本のスリットを形成しなければならないため、床材の製造コストが増加する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の床材の層構成]
図1において、本発明の床材1は、芯材2と、芯材2の表面側に設けられたクッション材3と、クッション材3の表面側に設けられた表装材4と、を有する。さらに、芯材2の裏面側には、必要に応じて、下地層5が設けられている。
床材1は、通常、平面視四角形状に形成される。もっとも、床材1の平面視形状は、四角形状に限定されるわけではない。
【0013】
クッション材3は、芯材2の表面に載置されている。必要に応じて、クッション材3の裏面の全体又は一部分が、芯材2の表面に接着剤を用いて接着されていてもよい。表装材4は、クッション材3の表面に載置されている。必要に応じて、表装材4の裏面の全体又は一部分が、クッション材3の表面に接着剤を用いて接着されていてもよい。
表装材4の四方の下端部4aは、芯材2の裏面の四方辺部2aに取り付けられている。従って、表装材4は、クッション材3の表面だけでなく、クッション材3の周側面及び芯材2の周側面までも被覆している。表装材4の各下端部4aを芯材2の裏面の四方辺部2aに取り付ける方法としては、接着剤を用いた接着、又は、鋲などの固定具を用いた止着などが挙げられる。
【0014】
下地層5は、例えば、芯材2の裏面に貼り付けられた第1層51と、前記第1層51の下面に貼り合わされた第2層52と、を有する。第2層52の裏面は、施工面(床面)に接地する面であるので、第2層52は、防滑性又は吸着性を有することが好ましい。
【0015】
[芯材]
上記芯材は、床材の形状を維持するための層であるため、剛直性を有する。
本発明の床材の芯材は、曲げ強度が1〜50N/mm
2で且つタイプCデュロメータ硬度が6〜75である。かかる芯材は、床材としての剛直性を有しつつ、カッターナイフのような切断刃を用いて手で切断できる。
芯材の曲げ強度は、好ましくは1〜40N/mm
2であり、芯材のタイプCデュロメータ硬度は、好ましくは6〜50である。
このような曲げ強度を有する芯材は、床材としての良好な剛直性を有し、さらに、適度に変形することによって施工面に存する不陸を吸収できる。
【0016】
ここで、上記曲げ強度は、JIS K 7221−2:2006に準拠して測定された値をいう。具体的には、下記実施例の測定方法の通りである。
上記タイプCデュロメータ硬度は、JIS K 7312に準拠し、高さ2.54mmの半球形圧子を855gで押し込み、押し込み深さ0mmを100とし且つ押し込み深さ2.54mmを0として評価される値をいう。具体的には、下記実施例の測定方法の通りである。
【0017】
芯材の形成材料は、芯材が上記曲げ強度及びデュロメータ硬度の範囲から外れないことを条件として特に限定されない。芯材の形成材料としては、例えば、不織布ボード、発泡体などが挙げられる。不織布ボードなどを所定形状に切断することにより、本発明の芯材が得られる。
不織布ボードの繊維は、特に限定されず、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。前記繊維の太さは、1〜60デニールが好ましく、前記繊維の長さは、10〜200mmが好ましい。不織布ボードの密度は、特に限定されないが、0.1〜1g/cm
3が好ましい。このような不織布ボードを使用することにより、カッターナイフで容易に切断できる芯材を形成できる。
【0018】
また、前記発泡体の主成分は、特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が挙げられる。発泡体の発泡倍率は、10〜50倍が好ましく、20〜40倍がより好ましい。発泡倍率が大きすぎると床材に荷重が加わったときに沈み込みが大きくなって使用感が悪くなり、一方、発泡倍率が小さすぎると、芯材が上記曲げ強度及びデュロメータ硬度の範囲から外れ、カッターナイフで容易に切断できなくなる場合がある。
【0019】
芯材は、2種以上の複合構造でもよい。例えば、芯材は、上記不織布ボードと発泡体が貼り合わされた複合体、不織布ボードと発泡体が貼り合わされたものに更に合成樹脂フィルムが貼り合わされた複合体、不織布ボード又は発泡体に合成樹脂フィルムが貼り合わされた複合体などでもよい。
【0020】
なお、芯材の厚みは、芯材が上記曲げ強度の範囲から外れないことを条件として特に限定されないが、例えば、1〜20mmであり、好ましくは2〜10mmである。
【0021】
[クッション材]
クッション材は、使用感を向上させる層である。つまり、表装材上に載った使用者の荷重によってクッション材が少し凹むので、床材の使用感が向上する。
クッション材の形成材料は、適度な弾性を有していれば特に限定されず、例えば、合成樹脂製発泡体、各種の不織布などが挙げられる。クッション材を形成する発泡体の主成分としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリエチレン、アクリル樹脂などが挙げられ、その発泡倍率としては、2〜50倍が好ましい。クッション材を形成する不織布としては、各種の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維などが挙げられる。
このような形成材料からなるクッション材自体は、カッターナイフを用いて手で容易に切断可能である。
【0022】
クッション材は、例えば、反発弾性率が20〜55%程度が好ましい。このような反発弾性率を有するクッション材は、使用感を向上させ得る、適度な弾性を有する。ただし、前記反発弾性率は、JIS K 6400−3に準拠して測定された値をいう。
クッション材の厚みは、特に限定されないが、2〜10mmが好ましい。クッション材の厚みが余りに厚いと、床材に荷重が加わったときに沈み込みが大きくなり過ぎて使用感が悪くなる上、カッターナイフで切断し難くなり、一方、余りに薄いと殆ど沈み込まず使用感の向上が期待できない。
【0023】
[表装材]
表装材は、床材の表面のデザインを構成すると共に、使用者が直に接触する層である。
表装材の形成材料は、特に限定されず、例えば、畳表、織物、編物、不織布、タフト生地、合成樹脂シートから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
畳表としては、例えば、イ草畳表、イ草を模倣した人工イ草畳表(合成樹脂、無機材料などから形成されたイ草似の繊維からなる畳表)などが挙げられる。織物としては、天然繊維又は合成繊維を織り込んだ模様生地又は無模様生地が挙げられ、必要に応じて、薄いシート(薄い紙など)が貼り合わされていてもよい。編物としては、天然繊維又は合成繊維を編み込んだ模様生地又は無模様生地が挙げられ、必要に応じて、薄いシート(薄い紙など)が貼り合わされていてもよい。不織布としては、天然繊維又は合成繊維からなる不織布生地が挙げられ、必要に応じて、模様が印刷されていたり、或いは、薄いシート(薄い紙など)が貼り合わされていてもよい。
このような形成材料からなる表装材自体は、カッターナイフを用いて手で容易に切断可能ある。
【0024】
表装材の引裂き強度は、特に限定されないが、5N/1.5cm以上が好ましく、10N/1.5cm以上がより好ましい。このような強度の表装材は、良好な耐久性を有する。
表装材の厚みは、特に限定されないが、0.1〜5mmが好ましく、0.1〜2mmがより好ましい。表装材の厚みが余りに厚いとカッターナイフで容易に切断できないおそれがあり、一方、余りに薄いと表装材の耐久性が低くなる。
【0025】
[下地層]
下地層は、施工面の不陸を吸収し、さらに、施工後の床材の位置ずれを防止するための層である。
下地層の形成材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂製発泡体、不織布などが挙げられる。下地層が第1層と第2層を有する場合には、例えば、第1層として合成樹脂製発泡シートを用い、第2層として不織布を用いることができ、或いは、第1層として不織布を用い、第2層として合成樹脂製発泡シートを用いることができる。
【0026】
また、第2層として、防滑性を有する素材(例えば、ポリ塩化ビニルやポリ酢酸ビニルなどの樹脂、又は、発泡樹脂など)を不織布に含浸又は不織布の裏面に付着させたものを用いてもよい。このような防滑性を有する第2層は、施工後の床材の位置ずれを効果的に防止できる。
さらに、第2層として、吸着性を有する層を用いてもよい。吸着性を有する第2層としては、例えば、複数の微細な穴が開口された柔軟な発泡体(合成樹脂製発泡体など)などが挙げられる。このような発泡体は、床材を施工面に施工したときに、微細な穴から空気が逃げる。従って、この発泡体から形成された第2層は、その吸盤機能により施工面に対して吸着力を発揮し、施工後の化粧床材の位置ずれを効果的に防止できる。
下地層の厚みは、特に限定されないが、切断性を考慮すると、0.5〜5mmが好ましい。
【0027】
上記構成からなる本発明の床材は、カッターナイフのような切断刃を用いて、手で切断できる。また、本発明の床材においては、従来のこの種の床材のようなスリット(容易に切断するためのスリット)を形成する必要性がない。従って、本発明の床材は、製造コストが安価である上、所望の位置において人力で容易に切断できる。
【0028】
[床材の使用例]
本発明の床材1は、住宅の下地などのような、所望の場所に施工される。
図2及び
図3は、乾式二重床上に床材を施工する一例を示している。
乾式二重床9は、次のような構造からなる。基礎下地91上の束92の上に支柱93が立設されている。この支柱93は、所定間隔を開けて複数配置されている。この支柱93の上端部には、固定部材94が設けられている。各固定部材94の上には、化粧パーティクルボード95(例えば、500mm角、厚み25mm)が載せられ、該パーティクルボード95はビス止めにて固定部材94に固定されている。このパーティクルボード95と基礎下地91の間は、床下空間96を有する。この床下空間96に、電気通信用配線や給排水用管などの設備(図示せず)を設けることが可能である。
【0029】
このパーティクルボード95の上に、床材1を敷設する。
具体的な施工方法としては、まず最初に床材1を載せる施工面(パーティクルボード95)に、墨(位置決め用の目印線)を引き、その墨に沿って床材1を軽く置く。床材1を位置合わせした後、この上から押さえて敷設し、これを順次繰り返していく。
図3に示すように、隣接するパーティクルボード95の接合部95aを覆うように、床材1を位置合わせして敷設することが好ましい。また、床材1は、二重床9の中央部から敷設し、壁面97の方に順次床材1を敷設することが好ましい。壁面97に接する床材1については、必要に応じて、壁面97の形状に合わせて切断した後、敷設される。
床材1は、パーティクルボード95上に並べて載せていくだけでよい。もっとも、着脱可能な固定具を用いてパーティクルボード95に床材1を固定してもよい。
【0030】
また、床材1の施工に際して、パーティクルボード95に下地処理(パーティクルボード95にフィルムを貼付、或いは、パーティクルボード95に下地処理剤の塗布など)を行ってもよい。このような下地処理を行うことにより、床材1の施工後、その表面を平滑にできる。
【0031】
パーティクルボード95に着脱可能な床材1は、その上から容易に取り外すことができる。前記パーティクルボード95は、ビスを外せば簡単に取り外すことができる。また、従って、床下空間96にアクセスでき、床下空間96に設けられた設備のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、床材1が下地層5を有する場合、施工後の床材1の位置ズレを防止できる。特に、アクリル樹脂系の発泡樹脂を有する下地層5が設けられた床材1は、位置ズレ防止効果に優れ、且つ、メンテナンスの際に施工場所(パーティクルボード95上など)から容易に引き剥がすことができる。
本発明の床材1は、容易に切断でき、更に、目地隠蔽性及び不陸吸収性に優れているので、二重床9へ容易に施工できる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0033】
[曲げ強度の測定方法]
芯材の曲げ強度は、JIS K 7221−2:2006に準拠して測定した。
【0034】
[タイプCデュロメータ硬度の測定方法]
芯材のタイプCデュロメータ硬度は、次のような手順で測定した。
JIS K 7312に準拠し、試験片に対して高さ2.54mmの半球形圧子を855gで押し込み、その押し込み深さが0mmのときを100とし且つその押し込み深さが2.54mmのときを0として評価した。
【0035】
[実施例1]
(表装材の準備)
太さ250デニールの紙糸を縦糸とし、太さ300デニールの麻糸を横糸とした織物(平織り)の裏面に、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて、ポリエチレンコート紙(坪量90g/m
2)を貼り付けた。なお、前記コート紙の、ポリエチレン処理面とは反対側の面を、前記織物の裏面に貼り付けた。得られたコート紙付き織物の表面に、フッ素樹脂を極薄くコーティングした。このようにして得られたコート紙付き織物を、表装材とした。この表装材は、カッターナイフで容易に切断できた。
【0036】
(クッション材の準備)
厚み5mmの発泡チップポリウレタンシートを、クッション材とした。この発泡ポリウレタンシートの発泡倍率は、5倍であり、発泡チップポリウレタンシートの反発弾性率は、約25%であった。このクッション材は、カッターナイフで容易に切断できた。
【0037】
(芯材の準備)
太さ50デニール、長さ10〜100mmのポリプロピレン繊維と、太さ30デニール、長さ50〜150mmのガラス繊維とを、質量比1:1で混紗することにより得られた、厚み5mmの不織布ボードを準備した。この不織布ボードは、密度0.1g/cm
3であった。
この不織布ボードの裏面に、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて、厚み3mmの発泡ポリエチレンシート(発泡倍率20倍)を貼り付けた。このようにして得られた複合体を、芯材とした。
この芯材の曲げ強度及びタイプCデュロメータ硬度をそれぞれ測定したところ、表1の通りであった。
【0038】
(下地層の準備)
太さ100デニール、長さ40〜60mmのポリエステル繊維からなる不織布(100g/m
2)の裏面に、アクリル系の発泡樹脂を付着させることにより得られたものを、下地層とした。
【0039】
(床材の製造)
上記芯材の裏面(ポリエチレンシート側)に、ホットメルト接着剤を用いて、下地層の表面(不織布の表面側)を貼り合わせた。
また、芯材の表面(不織布ボード側)に、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて、クッション材を貼り合わせ、さらに、このクッション材の表面に、アクリル系エマルジョン接着剤を用いて、表装材の裏面(コート紙のPE処理面側)を貼り合わせた。
このようにして、縦×横=50cm×50cmの平面視四角形状で、
図1に示すような層構成の床材を作製した。
得られた床材を、住宅の一般下地構造である、根太組みの構造用合板上に施工した。
【0040】
[実施例2]
芯材を下記のようなものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。また、その床材を実施例1と同様の根太組みの構造用合板上に施工した。
(芯材)
独立気泡構造を有する発泡倍率10倍のポリプロピレン製発泡体にPE延伸シートを積層した発泡体(積水化学工業(株)製、商品名「ゼットロンT」)を用い、この発泡体の裏面に、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて、厚み3mmの発泡ポリエチレンシート(発泡倍率20倍)を貼り付けた。このようにして得られた複合体を、芯材とした。
この芯材の曲げ強度及びタイプCデュロメータ硬度をそれぞれ測定したところ、表1の通りであった。
【0041】
[比較例1]
密度0.50g/cm
3の中質繊維板(MDF)を芯材として使用したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。また、その床材を実施例1と同様の根太組みの構造用合板上に施工した。
比較例1で使用した芯材の曲げ強度及びタイプCデュロメータ硬度をそれぞれ測定したところ、表1の通りであった。
【0042】
[比較例2]
市販の構造用合板を芯材として使用したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。また、その床材を実施例1と同様の根太組みの構造用合板上に施工した。
比較例2で使用した芯材の曲げ強度及びタイプCデュロメータ硬度をそれぞれ測定したところ、表1の通りであった。
【0043】
[比較例3]
発泡倍率5倍、厚み5mmの発泡チップポリウレタンシートを芯材として使用したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。また、その床材を実施例1と同様の根太組みの構造用合板上に施工した。
比較例3で使用した芯材の曲げ強度及びタイプCデュロメータ硬度をそれぞれ測定したところ、表1の通りであった。ただし、曲げ強度は、1未満であることは確認できたが、その具体的な数値を測定できなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
[切断試験]
実施例1〜2及び比較例1〜3の床材を、市販のカッターナイフ(オルファ(株)製、商品名「NTカッター」)を用いて、手で2つに切断した。その切断時の強度を評価した。その結果を表1に示す。
表1の切断性(kg)は、荷重測定可能なカッターマット上に、縦×横=50cm×50cmの平面視四角形状の芯材を置き、45度の角度でカッター刃を押し当て、厚み方向に完全に切断するまでに要する力を測定した。
表1の定性評価は、切断時の手の感触であり、その評価は次の通りである。
◎:非常に容易に切断可能。
○:容易に切断可能。
×:1度で容易に切断できない。
【0046】
表1の通り、実施例1及び2の床材は、何れも手で容易に切断できた。一方、比較例1及び2の床材は、切断し難くかった。また、比較例3は、容易に手で切断できるものの、芯材の曲げ強度が1N/mm
2より小さいので、剛直性を有していない。
【0047】
[不陸発現性試験]
実施例1〜2及び比較例1〜3の床材を、
図4に示すように、2mmの段差がある施工面の該段差を覆うように敷き詰めた。その結果、実施例1及び2の床材は、隣接する床材の突き合わせ端部が綺麗に収まった。一方、比較例1及び2の床材は、段差に追従できず、隣接する床材の突き合わせ部に段差が生じた。比較例3の床材は、段差に追従し過ぎて、床材の表面に段差が生じた。