【実施例】
【0048】
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
【0049】
(実施例1)
基材11として厚さ50μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層12を形成した。
【0050】
該離型層12面へ、下記の紫外線硬化型組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し、80℃で乾燥させて、続けて、該塗布面にホログラムを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、エンボスを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させて、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13とした。
【0051】
・<紫外線硬化型組成物(A)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部
アクリル系樹脂1(イナート樹脂、DEGALAN M345、
エボニック ローム社製) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
次に、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした。
【0052】
次に、この印刷層15面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、接着層19を形成して、基材11/剥離層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/印刷層15/接着層19の層構成からなるインモールド用転写箔である転写箔(A)を得た。
【0053】
(実施例2)
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層において、エンボスとしてホログラムエンボス(以後、ホログラムと略記する)を用いた。
実施例1において、該離型層12面へ、紫外線硬化型組成物(A)をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し、80℃で乾燥させて、続けて、該塗布面にホログラムを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、ホログラムを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させて、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20とした以外は、実施例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(B)を得た。
【0054】
(実施例3)
実施例2において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20面へ、下記のプライマー層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層14とし、次に、プライマー層14面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした以外は、実施例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(C)を得た。
【0055】
・<プライマー層組成物(A)>
アクリル系樹脂2(三井化学社製、商品名オレスターQ164) 20部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
【0056】
(実施例4)
実施例3において、印刷層15面へ、プライマー層組成物(A)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層16とし、次に、プライマー層16面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、下記のプライマー層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、実施例3と同様に接着層19を積層してインモールド用転写箔である転写箔(D)を得た。
【0057】
・<プライマー層組成物(B)>
ポリエステル系樹脂(東洋紡社製、商品名バイロン200) 10部
塩化ゴム系樹脂(日本製紙ケミカル社製、商品名スーパークロンC) 10部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
【0058】
(実施例5)
実施例4において、反射層17を酸化チタンの蒸着により形成した反射層17とした以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(E)を得た
【0059】
(実施例6)
実施例4において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(A−1)用いたこと以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(F)を得た。
【0060】
・<紫外線硬化型組成物(A−1)>
紫外線硬化型組成物(A)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で6.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(A−1)とした。
【0061】
(実施例7)
実施例4において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(A−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(G)を得た。
【0062】
・<紫外線硬化型組成物(A−2)>
紫外線硬化型組成物(A)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で3.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(A−2)とした。
【0063】
(
参考実施例8)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(H)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(B)>
ポリエステルアクリレート(ダイセル・サイテック社製、商品名EBECRYL
1830、Mw=1,500) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0064】
(実施例9)
実施例2において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(I)を得た。
【0065】
・<紫外線硬化型組成物(C)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 24部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 16部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 0.8部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0066】
(実施例10)
実施例9において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20面へ、プライマー層組成物(A)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層14とし、次に、プライマー層14面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした以外は、実施例9と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(J)を得た。
【0067】
(実施例11)
実施例9において、プライマー層16面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、プライマー層組成物(B)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、実施例9と同様に接着層19を積層してインモールド用転写箔である転写箔(K)を得た。
【0068】
(実施例12)
実施例11において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(C−1)用いたこと以外は、実施例11と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(L)を得た。
【0069】
・<紫外線硬化型組成物(C−1)>
紫外線硬化型組成物(C)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で3.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(C−1)とした。
【0070】
(実施例13)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(M)を得た。
【0071】
・<紫外線硬化型組成物(D)>
ウレタンアクリレートB(Miwon社製、商品名Miramer PU610、
ウレタンアクリレート、Mw=1,800) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0072】
(実施例14)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(N)を得た。
【0073】
・<紫外線硬化型組成物(E)>
ウレタンアクリレートC(Miwon社製、商品名Miramer SC2152、 ウレタンアクリレート、Mw=20,787)32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0074】
(実施例15)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(O)を得た。
【0075】
・<紫外線硬化型組成物(F)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部
塩酢ビ系樹脂(日信化学社製、商品名ソルバインTAO) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0076】
(実施例16)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(P)を得た。
【0077】
・<紫外線硬化型組成物(G)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部
CAB系樹脂(セルロースアセテートブチレート、イーストマン社製、
商品名CAB−381−20) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0078】
(
参考実施例17)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(Q)を得た。
【0079】
・<紫外線硬化型組成物(H)>
ウレタンアクリレートD(新中村工業社製、商品名U−4HA、
ウレタンアクリレート、MW=600) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0080】
(
参考実施例18)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(R)を得た。
【0081】
・<紫外線硬化型組成物(I)>
ウレタンアクリレートE(根上工業社製、商品名UN−905、
ウレタンアクリレート、Mw=120,000)32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0082】
(実施例19)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(S)を得た。
【0083】
・<紫外線硬化型組成物(J)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 16部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 24部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 0.6部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0084】
(比較例1)
構成は、実施例に示した単層である「ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20」を、ハードコート層21とホログラム層22の2層に分離したもので、基材11/離型層12/ハードコート層21/プライマー層14/印刷層15/プライマー層16/ホログラム層22/プライマー層23/反射層17/プライマー層18/接着層19とした。ハードコート層21の紫外線硬化型組成物およびホログラム層22の紫外線硬化型組成物は下記とし、プライマー層14、16、23はプライマー層組成物(A)を用い、プライマー層18はプライマー層組成物(B)を用い、プライマー層23面にアルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、印刷層15および接着層19は実施例1と同様の組成物を用い、また各層の塗布・乾燥条件は実施例1〜18における各層に応じた条件と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(T)を得た。
【0085】
・<ハードコート層21の紫外線硬化型組成物(K)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 28部
ウレタンアクリレートF(日本合成化学社製、商品名紫光6300B、
ウレタンアクリレート、Mw=3700) 4部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
IPA−ST−L(日産化学社製、商品名) 11部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0086】
・<ホログラム層22の紫外線硬化型組成物(L)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 28部
ウレタンアクリレートF(日本合成化学社製、商品名紫光6300B、
ウレタンアクリレート、Mw=3700) 4部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.3部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
【0087】
(比較例2)
比較例1において、基材11/離型層12/ハードコート層21/ホログラム層22/プライマー層14/印刷層15/接着層19としたこと以外は、比較例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(U)を得た。
【0088】
(比較例3)
比較例2において、基材11/離型層12/ハードコート層21/ホログラム層22/プライマー層14/反射層17/プライマー層18/印刷層15/接着層19とし、プライマー層14面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、プライマー層組成物(B)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、比較例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(V)を得た。
【0089】
(評価方法)
1.タック感の評価
各実施例および比較例において、基材上に離型層およびハードコート層を兼ね備えたエンボス層を積層した後、半硬化における該ハードコート層を兼ね備えたエンボス層のタック感を指触によって評価した。評価基準は、1が最もタック感を有するべたべたの状態、5は粘着性が全くない状態であり、この間を5段階に分けた相対点数で評価した。
5;粘着性が全くない状態
4;若干の粘着性はあるが、使用上問題ない状態。
3;粘着性はあるが、使用できる状態。
2;可成りタック感があり、べたつきのある状態。
1;完全にタック感があり、使用困難な状態。
実用レベルは3以上である。
【0090】
2.成形性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;外観上異常なし
○;3次元形状部または200%延伸部の一部に軽微な艶変化またはクラックがある が実用上問題なし
△;3次元形状部または200%延伸部の大部分で軽微な艶変化またはクラック発生
×;延伸部分全体に著しい艶変化またはクラック発生
実用レベルは○以上である。
【0091】
3.耐摩耗性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、テーバー摩耗試験機(テスター産業株式会社製)によって評価した。評価は、該テーバー摩耗試験機によって、成形樹脂が露出したか否かで行った。
○;露出しなかった
△;わずかに露出したが実用上問題なし
×;露出した
実用レベルは△以上である。
【0092】
その他の試験条件等は以下のとおりであった。
試験方法:ISO9352およびJIS K7204に準拠
磨耗輪:CS−10
荷重:500g
【0093】
4.硬度
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に従い荷重500gの鉛筆引掻き試験機によって評価した。JIS K 5600に準拠して鉛筆硬度を測定した。実用レベルはH以上である。
【0094】
5.耐擦傷性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、底部に10mm×10mmの範囲でスチールウールを貼り付けた300gのおもりで30回擦り、外観を観察し、以下の基準で評価した。
○;変化無し
△;細かいキズ有り
×;大きなキズ有り
実用レベルは△以上である。
【0095】
6.密着性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に記載された方法で基盤目セロハンテープ剥離試験を行った。結果は、全100マスの基盤目セロハンテープ(分母)に対して剥離しなかった数(分子)で評価した。
実用レベルは85/100以上である。
【0096】
7.意匠性
意匠性は目視および回折効率により評価した。目視による意匠性は、成形品へ転写されたエンボスを目視で観察し、塗膜のプリズム効果が大きく、見る角度によって虹色に変化する光輝性、美粧性、立体的な美感性等も含めた意匠性で評価を行った。また、回折効率による意匠性は、回折格子の回折率を相対的に評価し、実施例2を基準(100%)とした。ホログラム性が高いほど、高い回折効率を示す。
・目視判定基準
◎ :上記意匠性が顕著に認められ、深み感もある。
◎−○:上記意匠性が顕著に認められる。
○ :上記意匠性が認められる
× :上記意匠性が認められない。
実用レベルは○以上である。
・回折効率測定:光源;半導体レーザー;キコー技研 MLX標準コリメートレーザー
電圧DC4.8〜6.5V・平行光時ビーム径拡大6mm
効率;反射光強度/入射光強度*100(%)
・回折効率判定基準:
○:回折効率90%以上
△:回折効率70%以上〜90%未満
×:回折効率70%未満
実用レベルは△以上である。
【0097】
実施例および比較例の処方および評価結果をまとめて、それぞれ、表1および表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
実施例では、インモールド用転写箔10がハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有することで、該転写箔を用いた射出成形品100の意匠性が際立って向上しており、十分に明るい光輝性を有し、意匠性に優れるものであり、特に、インモールド用転写箔10がハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有することが好ましい。また、射出成形品100の最表面のハードコート性は十分な耐久性を有していた。
【0101】
比較例では、インモールド用転写箔10がハードコート層とエンボス層を異なる層として有するため、該転写箔を用いた射出成形品の意匠性は劣ることから、本発明においてハードコート層を兼ね備えたエンボス層とした効果が示された。