(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5708249
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】ヒートポンプ給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20060101AFI20150409BHJP
F25B 47/02 20060101ALI20150409BHJP
F25B 30/02 20060101ALI20150409BHJP
F24H 1/18 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
F24H1/00 611N
F25B47/02 530Q
F25B30/02 F
F24H1/18 503Z
F25B47/02 570M
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-118622(P2011-118622)
(22)【出願日】2011年5月27日
(65)【公開番号】特開2012-247116(P2012-247116A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】片山 真吾
【審査官】
正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3737357(JP,B2)
【文献】
特開2005−121283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 1/18
F25B 30/02
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、凝縮熱交換器と、減圧手段と、蒸発熱交換器とを冷媒循環配管で順に接続した冷媒循環回路と、給水ポンプにより前記凝縮熱交換器に入水させた水を前記圧縮機から吐出された冷媒で熱交換加熱して出湯させる給湯回路とを備えたヒートポンプ給湯装置において、
前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出温度を検出する吐出温度検出手段と、
前記蒸発熱交換器での冷媒の温度を検出する蒸発熱交換器温度検出手段と、
前記凝縮熱交換器において冷媒との熱交換加熱により水を目標沸き上げ温度まで加熱するように制御する通常運転制御手段と、
前記蒸発熱交換器を対象にして除霜運転制御を実行する除霜運転制御手段と
を備え、
前記除霜運転制御手段は、前記吐出温度検出手段により検出される吐出温度から前記目標沸き上げ温度を減じた差温が設定差温以下であること、前記吐出温度検出手段により検出される吐出温度の温度変化が低下傾向にあること、かつ、前記蒸発熱交換器温度検出手段により検出される蒸発熱交換器温度が設定温度以下まで低下していること、の除霜運転開始条件の成立によって、通常運転制御手段による通常運転制御から切り換えて除霜運転制御を開始するように構成されている、
ことを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯装置に関し、特に除霜運転の開始タイミングの適正化を図ることにより、湯水を加熱するための通常運転時間の増大化及びそれに伴う効率化を図り得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機、凝縮熱交換器、減圧手段及び蒸発熱交換器を冷媒循環配管で順に接続した冷媒循環回路と、給水ポンプにより前記凝縮熱交換器に給水した水を前記圧縮機により圧縮された高圧冷媒で目標沸き上げ温度まで熱交換加熱して給湯に利用する給湯回路とを備えたヒートポンプ給湯装置が知られている。かかるヒートポンプ給湯装置では、通常、外気温が低い時期には蒸発熱交換器に着霜してしまい、熱交換し得なくなるため、蒸発熱交換器に着いた霜を溶かすための除霜運転を行う必要がある。このような除霜運転は、通常は、外気温や蒸発熱交換器の温度が一定条件を満たすことにより開始されることになる(例えば特許文献1参照)。例えば、外気温が一定温度以下の低温状態にあり、かつ、蒸発熱交換器の温度が着霜状態の発生を示すような所定温度以下に下がったこと等の着霜運転開始条件が成立すれば開始されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3737357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の除霜運転開始条件の成立により除霜運転を実行させると、凝縮熱交換器においてまだ十分に給水を目標沸き上げ温度にまで熱交換加熱し得る状況にあったとしても、除霜運転の開始によって給水に対する沸き上げが不能となってしまい、効率の低下を招くことにもなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、除霜運転開始タイミングの適正化を図ることで、水を沸き上げる通常運転時間のより増大化を図って効率化を図り得るヒートポンプ給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、圧縮機と、凝縮熱交換器と、減圧手段と、蒸発熱交換器とを冷媒循環配管で順に接続した冷媒循環回路と、給水ポンプにより前記凝縮熱交換器に入水させた水を前記圧縮機から吐出された冷媒で熱交換加熱して出湯させる給湯回路とを備えたヒートポンプ給湯装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出温度を検出する吐出温度検出手段と、前記蒸発熱交換器での冷媒の温度を検出する蒸発熱交換器温度検出手段と、前記凝縮熱交換器において冷媒との熱交換加熱により水を目標沸き上げ温度まで加熱するように制御する通常運転制御手段と、前記蒸発熱交換器を対象にして除霜運転制御を実行する除霜運転制御手段とを備えることとする。そして、前記除霜運転制御手段として、前記吐出温度検出手段により検出される吐出温度から前記目標沸き上げ温度を減じた差温が設定差温以下であること、前記吐出温度検出手段により検出される吐出温度の温度変化が低下傾向にあること、かつ、前記蒸発熱交換器温度検出手段により検出される蒸発熱交換器温度が設定温度以下まで低下していること、の除霜運転開始条件の成立によって、通常運転制御手段による通常運転制御から切り換えて除霜運転制御を開始する構成とした(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、蒸発熱交換器に着霜しだすと、圧縮機からの吐出温度は徐々に低下し、給水ポンプの循環流量を下げても目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を確保することが困難となるため、目標沸き上げ温度に比して吐出温度との相対温度差が設定差温以下になれば、通常運転による熱交換加熱はもはや得られないものとして、除霜運転を開始させることを基本としつつも、検出吐出温度の変化傾向が低下傾向であること、及び、検出される蒸発熱交換器温度が設定温度以下であることを加重条件とすることで、単に相対温度差のみで判定した場合に、通常運転の開始段階等において設定差温以下の状態が発生するおそれや、現実には着霜していない状態でも条件成立のおそれを排除し得ることになる。以上より、除霜運転開始タイミングの適正化を図ることが可能となり、着霜時期であっても通常運転制御により目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を維持し得る通常運転の実行時間をより増大させ得る一方、除霜運転の実行頻度がより少なくなり、ヒートポンプ給湯装置の運転の効率化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
以上、説明したように、本発明のヒートポンプ給湯装置によれば、圧縮機からの冷媒の吐出温度が低下して目標沸き上げ温度との相対温度差が設定差温以下になって目標沸き上げ温度への熱交換加熱を担保できないというような条件成立により除霜運転を開始させることを基本としつつも、検出吐出温度の変化傾向が低下傾向であること、及び、検出される蒸発熱交換器温度が設定温度以下であることを加重条件とすることで、単に相対温度差のみで判定した場合に、通常運転の開始段階等において設定差温以下の状態が発生するおそれや、現実には着霜していない状態でも条件成立のおそれを排除することができるようになる。このため、除霜運転開始タイミングの適正化を図ることができ、着霜時期であっても通常運転制御で目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を維持し得る通常運転の実行時間をより増大させることができる一方、除霜運転の実行頻度をより少なくすることができる。これにより、ヒートポンプ給湯装置の運転の効率化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯装置の模式図である。
【
図2】
図1のヒートポンプ給湯装置における制御ブロック図である。
【
図3】
図2の除霜運転の開始判定及び除霜運転制御に係る制御フローチャートである。
【
図4】ある外気温・入水温度・目標沸き上げ温度の組み合わせ条件下で本実施形態の除霜運転の開始判定及び除霜運転制御を適用した場合の吐出温度,沸き上げ温度及び蒸発熱交換器出口温度の変化と、除霜運転切換とについて試験した結果の一例を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯装置を示す。このヒートポンプ給湯装置は、冷媒循環回路1と給湯回路2とを組み合わせたものであり、冷凍サイクルを利用して給湯回路2の水を熱交換加熱し得るようになっている。冷媒循環回路1は圧縮機11と、凝縮熱交換器(凝縮器)12と、減圧手段としての膨張弁13と、蒸発熱交換器(蒸発器)14とを冷媒循環配管15で順に接続したものである。冷媒循環回路1に循環させる冷媒としては、プロパン等のHC系冷媒や、CO2などの適宜のものを採用することができる。又、給湯回路2は、貯湯タンク21と、貯湯タンク21内に貯留された湯水を前記凝縮熱交換器との間で循環させる水循環配管22と、貯湯タンク21の底部から水を前記凝縮熱交換器12へ圧送し、加熱後に凝縮熱交換器12から貯湯タンク21の頂部へと導く給水ポンプ23とを備えて構成されている。そして、これら冷媒循環回路1と給湯回路2とがコントローラ3により作動制御されて、凝縮熱交換器12において水が目標沸き上げ温度に加熱されて貯湯タンク21に貯湯されるようになっている。目標沸き上げ温度はリモコン31に直接に入力設定されるか、あるいは、リモコン31に入力された設定出湯温度に基づいて設定される。
【0012】
圧縮機11は電動モータにより作動され、その回転数を作動制御量としてコントローラ3により作動制御されるようになっている。回転数は、コントローラ3から与える運転周波数を変更することで変更制御される。より高圧に圧縮するには回転数を上げ、より低圧にするには回転数を下げることになる。この圧縮機11で圧縮されることで高温気相状態の冷媒が圧縮機11から冷媒循環配管15に吐出され、その吐出温度が吐出温度センサ16により検出されて検出吐出温度がコントローラ3に出力されることになる。
【0013】
凝縮熱交換器12は、冷媒循環配管15の一部が内部に通される一方、逆方向から水循環配管22の一部が内部に通されて、両者間で熱交換するようになっている。すなわち、冷媒循環配管15に圧縮機11から吐出された高温気相状態の冷媒と、給水ポンプ23により貯湯タンク21の底部から供給された水とが熱交換され、水が熱交換加熱により湯となり、その熱交換により熱が奪われた冷媒は凝縮して液相に相変化する。
【0014】
膨張弁13は凝縮熱交換器12で液相状態になった冷媒を減圧するものである。この膨張弁13は、その開度を作動制御量としてコントローラ3により作動制御される。
【0015】
蒸発熱交換器14は、その回転作動により外気を送風するファン14aを備え、この外気と、膨張弁13により減圧された冷媒とを熱交換させることで、冷媒を蒸発させて気相状態に変換するようになっている。この蒸発熱交換器14を出た直後の冷媒温度が蒸発熱交換器温度として蒸発熱交換器出口温度センサ17により検出され、検出された蒸発熱交換器出口温度がコントローラ3に出力されることになる。この蒸発熱交換器出口温度センサ17が蒸発熱交換器温度検出手段を構成する。そして、蒸発熱交換器14での熱交換器により気相状態になった冷媒が再び前記の圧縮機11において圧縮されて高温気相状態になる。
【0016】
又、前記の圧縮機11から吐出されて凝縮熱交換器12に入る前の冷媒を、凝縮熱交換器12及び膨張弁13をバイパスさせて蒸発熱交換器14に対し直接に供給するバイパス路18が配設されている。バイパス路18にはバイパス弁19が介装され、このバイパス弁19は通常運転時には閉状態にされる一方、後述の除霜運転時には開変換制御することで、圧縮機11から吐出された冷媒を直接に蒸発熱交換器14に供給し得るようになっている。
【0017】
一方、給湯回路2では、給水ポンプ23の作動により貯湯タンク21内の水が凝縮熱交換器12に圧送される際に、凝縮熱交換器12の入口前で入水温度センサ24により熱交換加熱前の入水温度が検出され、この検出入水温度がコントローラ3に出力されるようになっている。又、凝縮熱交換器12を通過することで熱交換加熱されて出湯した際に、凝縮熱交換器12の出口側で出湯温度センサ25により沸き上げ温度が検出され、この検出沸き上げ温度がコントローラ3に出力されるようになっている。併せて、外気温が外気温センサ26により検出されて、コントローラ3に出力されるようになっている。凝縮熱交換器12で加熱された湯は貯湯タンク21の頂部側に戻されて貯留され、以後の給湯に利用されることになる。給湯により貯湯タンク21内の湯水量が減れば、その分だけ給水されるようになっている。
【0018】
以上のヒートポンプ給湯装置の作動制御は、MPUやメモリ等を備えたコントローラ3により実行されるようになっている。コントローラ3は、
図2に示すように、目標沸き上げ温度を目標温度として凝縮熱交換器12により給湯回路2側の水を加熱するように制御する通常運転制御手段32と、除霜運転開始条件の成立により蒸発熱交換器14を対象にして着霜を溶かすように制御する除霜運転制御手段33とを備えている。
【0019】
通常運転制御手段32は、例えば、現在の運転時点での外気温センサ26による検出外気温、入水温度センサ24による検出入水温度、吐出温度センサ16による検出吐出温度や、目標沸き上げ温度等に基づいて、出湯温度センサ25による検出沸き上げ温度が目標沸き上げ温度になるように圧縮機11の回転数を変更制御したり、膨張弁13の開度を変更制御したり、あるいは、給水ポンプ23の循環流量を変更制御したり、するようになっている。
【0020】
除霜運転制御手段33は、除霜運転開始条件が成立するか否かを監視し、除霜運転開始条件が成立すれば除霜運転制御を開始し、通常運転への復帰条件が成立すれば、通常運転制御手段32による通常運転制御に復帰させるための復帰制御を実行するようになっている。以下、
図3のフローチャートを参照しつつ、除霜運転制御手段33による除霜運転制御等について説明する。
【0021】
まず、ステップS1〜S3により除霜運転開始条件が成立するか否かの判定を行う。すなわち、検出吐出温度から目標沸き上げ温度を減じた差温が設定差温α(例えばα=6℃)以下であること(ステップS1でYES)、そのときの検出吐出温度の変化傾向が低下傾向(温度変化が下り勾配)であること(ステップS2でYES)、そして、検出される蒸発熱交換器出口温度が設定温度β(例えば−6℃〜−7℃)以下であること(ステップS3でYES)の3条件が全て満足することで、除霜運転開始条件の成立と判定する。1つでも満足しなければ(ステップS1〜S3のいずれかでNO)、除霜運転開始条件は不成立と判定して、条件成立か否かの判定を繰り返す。
【0022】
第1条件である、検出吐出温度から目標沸き上げ温度を減じた差温が設定差温α以下であることを条件にした理由は次の通りである。すなわち、通常は吐出温度が低下してきても、給水ポンプ23による循環流量を小流量側に変更制御することで、目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を実現させるようにしているものの、蒸発熱交換器14に着霜しだすと、圧縮機11からの吐出温度は徐々に低下し、前記の循環流量を下げても目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を確保することが困難となる。このため、目標沸き上げ温度に比して吐出温度との相対温度差が一定限度(設定差温α)より小さくなれば、通常運転による熱交換加熱はもはや得られないとして、除霜運転を開始させることとした。しかしながら、単に相対温度差のみで判定すると、通常運転の開始段階等においては設定差温α以下になっている場合も考えられる上に、現実には着霜していない状態でも条件成立のおそれが考えられる。これを排除するために、検出吐出温度の変化傾向が低下傾向(温度変化が下り勾配)であること(第2条件)、及び、検出される蒸発熱交換器出口温度が設定温度β以下であること(第3条件)を条件として加重したものである。
【0023】
前記の除霜運転開始条件(ステップS1〜S3が全てYES)が成立すれば、除霜運転制御を開始する(ステップS4)。除霜運転制御としては、例えばバイパス弁19を開変換制御して圧縮機11から吐出される圧縮後の冷媒を直接に蒸発熱交換器14に導入し、蒸発熱交換器14の着霜を溶かすようにする。あるいは、バイパス弁19を開変換制御する代わりに膨張弁13の開度をより大きく開くようにすることで除霜運転制御を行うようにしてもよい。
【0024】
そして、除霜運転の開始後は蒸発熱交換器出口温度の変化を監視し、検出される蒸発熱交換器出口温度が所定の復帰判定温度(例えば8℃〜10℃)まで上昇し、その状態が一定時間継続することという復帰条件が成立すれば(ステップS5でYES)、前記の除霜運転制御を終了して通常運転への復帰制御を開始する(ステップS6)。この復帰制御としては、除霜運転制御の開始直前の運転状態にそのまま復帰させるのではなくて、より早期に通常運転に復帰させるために、特に給水ポンプ23による作動循環流量を除霜運転制御の開始直前の循環流量値よりも小さい循環流量値で通常運転を開始させるようにする。すなわち、凝縮熱交換器12への水の供給を除霜運転制御の開始直前の運転状態よりも小流量にすることで、圧縮機11からの冷媒の吐出温度の上昇をより早め、冷媒の吐出温度を早期に上昇させた段階で循環流量を元の通常運転状態のそれまで上げるようにする。これにより、除霜運転開始前の通常運転時の循環流量にいきなり復帰させると、沸き上げ温度が目標沸き上げ温度までに到達せず、沸き上げ温度の上昇に時間を要するところ、前記の如くより小さい循環流量で復帰させることで、早期に沸き上げ温度を上昇させて目標沸き上げ温度に熱交換加熱し得る状態に早期に復帰させることができるようになる。
【0025】
図4は、ある外気温・入水温度のときに90℃の目標沸き上げ温度に設定し、本実施形態による除霜運転制御(設定差温α=6℃、設定温度β=−7℃、復帰判定温度=8℃)を適用した場合の、吐出温度,沸き上げ温度及び蒸発熱交換器出口温度の各検出値の変化と、通常運転・除霜運転の切換とについて試験した結果を示す関係図である。これによれば、通常運転時間53分に対し除霜運転時間5分という割合で運転切換が繰り返される結果となり、除霜運転の頻度がより少なくなって通常運転の時間がより長く確保することができている。
【0026】
以上の除霜運転制御によれば、除霜運転開始タイミングの適正化を図ることができ、着霜時期であっても通常運転制御により目標沸き上げ温度までの熱交換加熱を維持し得る通常運転の実行時間をより増大させることができる一方、除霜運転の実行頻度がより少なくなり、ヒートポンプ給湯装置の運転の効率化を図ることができるようになる。
【符号の説明】
【0027】
1 冷媒循環回路
2 給湯回路
11 圧縮機
12 凝縮熱交換器
13 膨張弁(減圧手段)
14 蒸発熱交換器
15 冷媒循環配管
16 吐出温度センサ(吐出温度検出手段)
17 蒸発熱交換器出口温度センサ(蒸発熱交換器温度検出手段)
23 給水ポンプ
32 通常運転制御手段
33 除霜運転制御手段