(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、ベースマシンに作業アタッチメントが取り付けられた解体機等の作業機械が種々提案されている。例えば、特許文献1記載のように、高層建造物の解体に使用される超ロングアタッチメント付きの解体機では、長尺の作業アタッチメント4を折り畳んだ状態で収納または輸送を行うことができるようになっている。
【0003】
この解体機は、
図8に示すように、ベースマシン3と、その前部に装着された作業アタッチメント4とから構成される。ベースマシン3は、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に垂直軸まわりに旋回自在に搭載された上部旋回体2とから成る。
【0004】
作業アタッチメント4は、ベースマシン3(上部旋回体2)に起伏自在に取り付けられたブーム5と、作業範囲の拡大を目的としてこのブーム5の先端に水平軸まわりに回動可能に取り付けられた短尺のインターブーム6と、このインターブーム6の先端に水平軸まわりに回動可能に取り付けられたアーム7と、このアーム7の先端に取り付けられた作業装置8(図例ではニブラと称される圧砕装置を示す)とを具備する。
【0005】
ブーム5は、メインブーム5aと、その上段側に着脱自在に連結されたフロントブーム5bとからなる。解体機を輸送する場合には、ベースマシン3と作業アタッチメント4とに分解されて輸送される。このとき、メインブーム5aは、ベースマシン3に取り付けられた状態で輸送される。
【0006】
なお、フロントブーム5bは、通常、複数段のブーム体を着脱自在に連結して構成されるが、ここでは図の簡略化のため単一のものとして示す。
【0007】
また、作業アタッチメント4を作動させるシリンダ(油圧シリンダ)として、ブーム5(アタッチメント全体)を起伏させるブームシリンダ9と、インターブーム6を作動させるインターブームシリンダ10と、アーム7を作動させるアームシリンダ11、それに作業装置8を作動させる作業装置シリンダ12が設けられている。
【0008】
インターブーム、アーム両シリンダ10,11は、それぞれアタッチメント腹面側(すなわち、ベースマシン3の前方(矢印Fの方向)を向く側)においてブーム5(フロントブーム5b)とインターブーム6との間、インターブーム6とアーム7との間に設けられている。
【0009】
作業装置シリンダ12は、作業アタッチメント4を伸長して立ち上げた状態における当該作業アタッチメント4の背面側(すなわち、ベースマシン3の後方(矢印Rの方向)を向く側)であって、アーム7の先端側に取り付けられている。
【0010】
このような超ロングアタッチメント付きの解体機を分解するときは、
図8の実線部分及び
図9に示すように作業アタッチメント4を、インターブーム6を境としてブーム5が上側、アーム7が下側となる三つ折れ状態に折り畳んで地上に置き、前記のようにベースマシン3とメインブーム5aの組と、メインブーム5aを除く作業アタッチメント4の組とに切り離して輸送する。作業アタッチメント4の組は、組全体が折り畳み姿勢のまま輸送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、作業装置アタッチメント4が折り畳み姿勢の状態では、作業装置シリンダ12がアーム7の下側に位置しているので、アタッチメント4を折り畳んだ状態で地面等に直接置けば、作業装置シリンダ12が損傷するおそれがある。そのため、従来では、アーム7の下側に突出するブラケット13を設け、当該ブラケット13を着地させることでアーム7を地面等から浮かした状態で作業アタッチメント4を地面等に置くようにしている。そのため、アタッチメント4を折り畳んだ状態で地面等に置いたときのアタッチメント4の高さH1が高くなるという問題がある。
【0013】
また、この高さH1を低くするために、アタッチメント4が折り畳み姿勢の状態において、作業装置シリンダ12を当該アーム7の上側を向く面に取り付けることにより、アーム7の下側を向く面を平坦にして、この平坦面を地面に直接置くことが可能な構造についても考えられる。しかし、その場合、作業装置シリンダ12のアーム7に対する位置が従来の作業機械と大きく異なるので、解体機の操作方法が大きく変更されてしまい、解体時の作業性に影響を与えるおそれがある。
【0014】
しかも、作業装置シリンダ12を当該アーム7の上側を向く面に取り付ければ、アタッチメント4が折り畳み姿勢の状態において、アーム7とブーム5bとの間を近づけて配置することが難しいという問題がある。
【0015】
また、アタッチメント4の折り畳み姿勢において、アーム7とブーム5bとの間に作業装置シリンダ12を収容するスペースを確保するために、ブーム5bをアーム7の延びる方向に対して上方へ傾斜した状態で取り付けざるを得なくなり、折り畳み状態のアタッチメントの高さが高くなる。さらに、ブーム5bの全体の高さが一定でないので、搬送性やメンテナンス作業性の点で好ましくない。
【0016】
本発明は上記の問題を解消するためになされたものであり、折り畳み状態の作業アタッチメントの高さを低くすることが可能であり、かつ、解体時の作業性への影響を抑えることが可能な作業機械を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の作業機械は、ベースマシンに作業アタッチメントが取り付けられた作業機械であって、前記作業アタッチメントは、前記ベースマシンに起伏自在に取り付けられたブームと、前記ブームの先端に水平軸まわりに回動自在に取り付けられたインターブームと、前記インターブームの先端に水平軸まわりに回動自在に取り付けられたアームと、前記アームの先端に取り付けられた作業装置と、前記作業アタッチメントの腹面側で、かつ、前記ブームとインターブームとの間に設けられてインターブームを回動させるインターブームシリンダと、前記作業アタッチメントの腹面側で、かつ、前記インターブームとアームとの間に設けられてアームを作動させるアームシリンダと、前記作業アタッチメントの背面側であって、前記アームの先端側に取り付けられた作業装置シリンダと、を備えており、前記作業アタッチメントは、前記インターブームを境として前記ブームが上側、アームが下側となる三つ折れ式に折り畳んだアタッチメント折り畳み姿勢になることが可能であり、前記ブームは、その先端側において、前記アタッチメント折り畳み姿勢において当該ブームの下側であって前記ブームの根元側へ行くにつれて下方へ傾斜するブーム側斜面を有しており、前記インターブームシリンダは、前記ブーム側斜面と前記インターブームとの間に取り付けられ、前記アームは、その根元側において、アタッチメント折り畳み姿勢において当該アームの上側であって前記アームの先端側へ行くにつれて上方へ傾斜するアーム側斜面を有しており、前記アームシリンダは、前記アーム側斜面と前記インターブームとの間に取り付けられ、前記アームは、前記アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向く面において、作業アタッチメントが載置される載置面に当接可能な平坦なアーム当接面と、当該アーム当接面よりも当該アームの先端側に位置し、前記載置面から離れる方向に延びる取付面をそれぞれ有しており、前記作業装置シリンダは、前記アーム当接面が前記載置面に当接したときに前記載置面に接触しないように、前記取付面に取り付けられており、前記ブームにおける前記アタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くブーム上面は、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときに前記ブーム側斜面および前記アーム側斜面よりも前記アーム当接面と平行に近く、または平行になるように、形成されている、ことを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、作業アタッチメントは、インターブームを境としてブームが上側、アームが下側となる三つ折れ式に折り畳んだアタッチメント折り畳み姿勢になることが可能であり、アームは、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向く面において、作業アタッチメントが載置される載置面に当接可能な平坦なアーム当接面と、当該アーム当接面よりも当該アームの先端側に位置し、載置面から離れる方向に延びる取付面とをそれぞれ有している。この取付面には、作業装置シリンダが、アーム当接面が載置面に当接したときに地面や床面などの載置面に接触しないように取り付けられている。これにより、アタッチメントが折り畳み姿勢になったときに、作業装置シリンダが占める空間が小さくなり、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さを低くすることが可能である。それとともにアタッチメントを安定した状態で所定の地面または床面などに載置することが可能である。しかも、作業装置シリンダのアームに対する取付位置が従来の作業機械と同じであるので、作業機械の操作方法の変更が不要であり、作業性への影響を抑えることが可能である。
【0019】
さらに、インターブームシリンダは、ブーム先端側に形成されたブーム側斜面とインターブームとの間に取り付けられ、アームシリンダは、アーム根元側に形成されたアーム側斜面とインターブームとの間に取り付けられているので、アタッチメント折り畳み姿勢のときには、インターブームシリンダおよびアームシリンダは、ブーム側斜面とアーム側斜面との間に収容される。そして、ブームのアタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くブーム上面は、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面および前記アーム側斜面よりもアーム当接面と平行に近く、または平行になる。これにより、ブーム上面がアーム当接面に対して傾斜している場合と比較して、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さを低くすることが可能である。
【0020】
また、前記作業アタッチメントが前記アタッチメント折り畳み姿勢になったときには、アタッチメント側面から見て、前記インターブームシリンダおよび前記アームシリンダが互いに交差するのが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、作業アタッチメントがアタッチメント折り畳み姿勢になったときには、アタッチメント側面から見て、インターブームシリンダおよびアームシリンダが互いに交差しているので、アタッチメント折り畳み姿勢において、インターブームシリンダおよびアームシリンダが占める空間が小さくなり、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さを低くすることが可能である。
【0022】
さらに、前記ブームは、その根元側において、前記アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向くブーム側対向面を有し、前記アームは、その先端側において、前記アタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くアーム側対向面を有し、前記ブーム側対向面および前記アーム側対向面は、前記アタッチメント折り畳み姿勢のときにおいて、互いに対向しており、前記ブーム側対向面は、前記アタッチメント折り畳み姿勢のときに前記ブーム側斜面および前記アーム側斜面よりも、前記アーム側対向面と平行に近く、または平行になるように、形成されているのが好ましい。
【0023】
かかる構成によれば、ブーム根元側に形成されたブーム側対向面は、アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面およびアーム側斜面よりも、アーム先端側に形成されたアーム側対向面と平行に近く、または平行になるので、互いに向かい合うブーム側対向面およびアーム側対向面の間隔を小さくすることが可能であり、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さをさらに低くすることが可能である。
【0024】
さらに、前記アタッチメント折り畳み姿勢における前記作業アタッチメントの重心は、前記アーム当接面の上に位置するのが好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、折り畳み姿勢時の作業アタッチメントの重心がアーム当接面の上に位置しているので、折り畳み姿勢時の作業アタッチメントをより安定した状態で所定の地面または床面に載置することが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、折り畳み状態の作業アタッチメントの高さを低くすることができるとともに解体時の作業性への影響を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の実施形態では、本発明の作業機械の一実施形態として、背景技術の説明に合わせて超ロングアタッチメント付き解体機を適用対象としている。
【0029】
本実施形態の解体機は、
図1〜4に示されるように、ベースマシン23と、作業アタッチメント24とから構成されている。ベースマシン23は、クローラ式の下部走行体21と、この下部走行体21上に垂直軸まわりに旋回自在に搭載された上部旋回体22とによって構成されている。作業アタッチメント24は、ベースマシン23の前部に取り付けられている。
【0030】
作業アタッチメント24は、ベースマシン23(上部旋回体22)に起伏自在に取り付けられたブーム25(メインブーム25aとフロントブーム25bとインサートブーム25cとから成る)と、このフロントブーム25bの先端部25b0に上下方向に回動可能に取り付けられた短尺のインターブーム26と、このインターブーム26の先端に対して後端部27hが上下方向に回動可能に取り付けられたアーム27と、このアーム27の先端部に取り付けられたニブラ(
図8の符号8参照)などの作業装置(図示せず)とを具備している。
【0031】
作業アタッチメント24を作動させるシリンダとして、ブーム25(アタッチメント全体)を起伏させるブームシリンダ29と、インターブーム26を作動させるインターブームシリンダ30と、アーム27を作動させるアームシリンダ31と、作業装置(図示せず)を作動させる作業装置シリンダ32とが設けられている。
【0032】
さらに、インターブームシリンダ、アーム両シリンダ30,31は、それぞれアタッチメントの腹面側(すなわち、
図8に示されるようにアタッチメントを伸長して立ち上げた状態におけるベースマシン3の前方(矢印Fの方向)を向く側)においてブーム25(フロントブーム25b)とインターブーム26との間、インターブーム26とアーム27との間に後述する取付ピン40a〜40dによって回動自在に連結されている。また、作業装置シリンダ32は、作業アタッチメント24の背面側(すなわち、
図8に示されるようにアタッチメントを伸長して立ち上げた状態におけるベースマシン3の後方(矢印Rの方向)を向く側)であって、アーム27の先端側に取り付けられている。
【0033】
また、
図1〜2に示されるように、作業アタッチメント24の折り畳み輸送時には、同アタッチメント24を、インターブーム26を境としてブーム25bが上側、アーム27が下側となる三つ折れ状態に折り畳んで地上に置き、ベースマシン23とメインブーム25aの組と、メインブーム25aおよびインサートブーム25cを除く作業アタッチメント24aの組と、インサートブーム25cとに切り離して輸送し、輸送後には、同じ状態で組み立てられる。
【0034】
上記の構成は、
図8〜9に示される公知技術の解体機とほぼ同じである。
【0035】
ただし、本実施形態の解体機では、
図1〜2に示されるように、
(a)アタッチメント折り畳み姿勢において、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が交差して配置される点、および、
(b)作業装置シリンダ32が、アタッチメント折り畳み姿勢においてアーム27下側を向く面においてアーム当接面27bよりも上方に延びるアーム取付面27cに取り付けられている点、
(c)アタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くブーム上面25b2が、ブーム側斜面25b4およびアーム側斜面27eよりもアーム当接面27bと平行に近く、または平行になる点
で異なる。以下、これらの点について、さらに詳しく説明する。
【0036】
図3及び
図4に示されるように、2本のインターブームシリンダ30は、インターブーム26の幅方向に互いに離間して、後述する第1取付ピン40aによってインターブーム26に連結されている。また、1本のアームシリンダ31は、
図5に示されるように、2本のインターブームシリンダ30によって挟まれた位置で、後述する第2取付ピン40bによってインターブーム26の突出部26a(
図3参照)に連結されている。
【0037】
図1〜4に示されるように、第1取付ピン40aは、インターブームシリンダ30の一方の端部30aをインターブーム26に水平軸回りに回動自在に連結する。第1取付ピン40aは、水平方向に移動してインターブーム26の前方寄り(
図3の左側)の位置に抜き差しできるように取り付けられる。
【0038】
第2取付ピン40bは、アームシリンダ31の一方の端部31aをインターブーム26の後方寄り(
図3の右側)の位置から下方に突出する突出部26aに水平軸回りに回動自在に連結する。第2取付ピン40bは、水平方向に移動してインターブーム26の後方寄りで、かつ、第1取付ピン40aよりも下方の位置に抜き差しできるように取り付けられる。
【0039】
第3取付ピン40cは、インターブームシリンダ30の他方の端部30bをフロントブーム25bの周面から突出する取付部25b1に水平軸回りに回動自在に連結する。第3取付ピン40cは、水平方向に移動してフロントブーム25bに抜き差しできるように取り付けられる。
図2に示されるように、フロントブーム25bは、その先端側において、アタッチメント折り畳み姿勢において当該フロントブーム25bにおいてフロントブーム25bの根元側(
図2の右側)へ行くにつれて下方へ傾斜するブーム側斜面25b4を有している。取付部25b1は、ブーム側斜面25b4から下方に突出するように設けられている。このような構成により、インターブームシリンダ30は、フロントブーム側斜面25b4とインターブーム26との間に取り付けられている。
【0040】
第4取付ピン40dは、アームシリンダ31の他方の端部31bをアーム27の周面から突出する取付部27aに水平軸回りに回動自在に連結する。第4取付ピン40dは、水平方向に移動してアーム27に抜き差しできるように取り付けられる。
図2に示されるように、アーム27は、その根元側において、アタッチメント折り畳み姿勢において当該アーム27の上側であってアーム27の先端27g側(
図2の右側)へ行くにつれて上方へ傾斜するアーム側斜面27eを有している。取付部27aは、アーム側斜面27eから上方へ突出するように設けられている。このような構成により、アームシリンダ31は、アーム側斜面27eとインターブーム26との間に取り付けられている。
【0041】
図1〜2に示されるように、作業アタッチメント24が、インターブーム26を境としてフロントブーム25bが上側、アーム27が下側となる三つ折れ式に折り畳んだアタッチメント折り畳み姿勢になったときには、アタッチメント側面から見て、第2取付ピン40bが第1取付ピン40aよりも上側になるように配置されるとともに、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が互いに交差して配置される。
【0042】
また、
図2に示されるように、アーム27は、アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向く面において、アタッチメントが載置される載置面G(例えば、地面や床面)に当接可能な平坦なアーム当接面27bと、当該アーム当接面27bよりも当該アーム27の先端27g側に位置し、載置面Gから離れる方向に延びる取付面27cとをそれぞれ有している。
【0043】
取付面27cは、
図2および
図5〜7に示されるように、アーム27における先端27g側の部分において、アタッチメント折り畳み姿勢においてアーム当接面27bが形成されている部分よりもアーム27の先端27gへ行くにつれて上方向Bに傾斜するように形成されている。
【0044】
取付面27cには、作業装置シリンダ32が、アーム当接面27bが載置面Gに当接したときに載置面Gに接触しないように取り付けられている。具体的には、
図2に示されるように、作業装置シリンダ32の根元側端部は、取付面27cに取り付けられたブラケット27fに水平軸回りに回転自在に連結されている。ブラケット27fの下端は、アタッチメント折り畳み姿勢においてアーム当接面27bよりも上に位置しているので、ブラケット27fが地面等に当接するおそれがない。作業装置シリンダ32のシリンダ本体32aの先端部32bはリンクアーム33を介してアーム27の先端27g付近の部分にリンク結合している。すなわち、リンクアーム33の一方の端部は、リンクピン33aによって、作業装置シリンダ32のシリンダ本体32aの先端部32bに水平軸回りに回転自在に連結され、そして、同リンクアーム33の他方の端部は、リンクピン33bによって、アーム27の先端27g付近の部分に水平軸回りに回転自在に連結されている。作業装置シリンダ32のロッド32cは、シリンダ本体部の前後方向へ出没することが可能である。
【0045】
図2に示されるように、フロントブーム25bにおけるアタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くブーム上面25b2は、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面25b4およびアーム側斜面27eよりもアーム当接面27bと平行に近く、または平行になるように、形成されている。これにより、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さH2を全体的に低くすることが可能である。
【0046】
また、
図2に示されるように、フロントブーム25bは、その根元側(
図2の右側)において、アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向くブーム側対向面25b3を有している。一方、アーム27は、その先端27g側(
図2の右側)において、アタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くアーム側対向面27dを有している。ブーム側対向面25b3およびアーム側対向面27dは、アタッチメント折り畳み姿勢のときにおいて、互いに対向している。ブーム側対向面25b3は、アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面25b4およびアーム側斜面27eよりも、アーム側対向面27dと平行に近く、または平行になるように、形成されている。これにより、ブーム側対向面25b3およびアーム側対向面27dの間隔を従来より小さくすることが可能である。
【0047】
具体的には、アーム側対向面27dは、アームシリンダ31が連結された取付部27aが設けられたアーム側斜面27eよりもアーム27の先端側に位置している。また、ブーム側対向面25b3は、インターブームシリンダ30が連結された取付部25b1が設けられたブーム側斜面25b4よりもフロントブーム25bの根元側に位置している。そのため、アーム側斜面27e、ブーム側斜面25b4およびインターブーム26に囲まれた空間34に互いに交差するインターブームシリンダ30およびアームシリンダ31を収容した状態で、ブーム側対向面25b3およびアーム側対向面27dの間隔を小さくすることが可能である。
【0048】
また、
図2に示される作業アタッチメント24は、アタッチメント折り畳み姿勢における当該作業アタッチメント24の重心がアーム当接面27bの上に位置するように、製造されている。
【0049】
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態の解体機では、作業アタッチメント24は、インターブーム26を境としてブーム25bが上側、アーム27が下側となる三つ折れ式に折り畳んだアタッチメント折り畳み姿勢になることが可能であり、アーム27は、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときに下側を向く面において、アタッチメントが載置される載置面G(地面や床面など)に当接可能な平坦なアーム当接面27bと、当該アーム当接面27bよりも当該アーム27の先端27g側に位置し、載置面Gから離れる方向に延びる取付面27cとをそれぞれ有している。この取付面27cには、作業装置シリンダ32が、アーム当接面27bが載置面Gに当接したときに載置面Gに接触しないように取り付けられている。これにより、アタッチメント24が折り畳み姿勢になったときに、作業装置シリンダ32が占める空間が小さくなり、折り畳み姿勢時のアタッチメント24の高さを低くすることが可能である。それとともにアタッチメント24を安定した状態で所定の地面または床面などの載置面Gに載置することが可能である。
【0050】
しかも、作業装置シリンダ32のアーム27に対する取付位置が従来の解体機と同じであるので、解体機の操作方法の変更が不要であり、作業性への影響を抑えることが可能である。
【0051】
さらに、インターブームシリンダ30は、フロントブーム25bの先端側に形成されたブーム側斜面25b4とインターブーム26との間に取り付けられ、アームシリンダ31は、アーム27の根元側に形成されたアーム側斜面27eとインターブーム26との間に取り付けられているので、アタッチメント24の折り畳み姿勢のときには、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31は、互いに交差した状態で、ブーム側斜面25b4とアーム側斜面27eとの間に収容される。そして、ブーム27におけるアタッチメント折り畳み姿勢のときに上側を向くブーム上面25b2は、当該アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面25b4およびアーム側斜面27eよりもアーム当接面27bと平行に近く、または平行になる。これにより、ブーム上面25b2がアーム当接面27bに対して傾斜している場合と比較して、折り畳み姿勢時のアタッチメントの高さを全体的に低くすることが可能である。
【0052】
(2)
また、本実施形態の解体機では、作業アタッチメント24がアタッチメント折り畳み姿勢になったときには、アタッチメント側面から見て、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が互いに交差しているので、アタッチメント24が折り畳み姿勢になったときに、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が占める空間が小さくなり、折り畳み姿勢時のアタッチメント24の高さを低くすることが可能である。
【0053】
(3)
また、本実施形態の解体機では、フロントブーム25bの根元側に形成されたブーム側対向面25b3は、アタッチメント折り畳み姿勢のときにブーム側斜面25b4およびアーム側斜面27eよりも、アーム27の先端27g側に形成されたアーム側対向面27dと平行に近く、または平行になるので、互いに向かい合うブーム側対向面25b3およびアーム側対向面27dの間隔を小さくすることが可能であり、折り畳み姿勢時のアタッチメント24の高さをさらに低くすることが可能である。
【0054】
また、アタッチメント折り畳み姿勢のときにアタッチメント全体の高さが一定であるので、搬送性、メンテナンス作業性の両面で有効である。
【0055】
(4)
また、本実施形態の解体機では、折り畳み姿勢時の作業アタッチメント24の重心がアーム当接面27bの上に位置しているので、折り畳み姿勢時の作業アタッチメント24をより安定した状態で所定の地面または床面に載置することが可能である。
【0056】
(変形例)
(A)
以上の実施形態では、本発明の作業機械の一例として解体機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アタッチメント先端にマグネットを取り付けたリフマグ機等の他の作業機械にも広く適用することができる。
【0057】
(B)
また、上記の実施形態では、作業アタッチメント24がアタッチメント折り畳み姿勢になったときに、アタッチメント側面から見てインターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が互いに交差する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターブームシリンダ30およびアームシリンダ31が互いに交差しない構成、例えば、両シリンダ30,31が同位相(アタッチメント折り畳み姿勢で上から見てアタッチメント幅方向の同じ位置)に配置されていてもよい。