(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不活性気体供給路が、不活性気体を前記複数の区画の夫々に分岐供給する区画用供給部分と、前記区画用供給部分にて前記区画に供給された不活性気体を当該区画における前記複数の収納部の夫々に分岐供給する収納部用供給部分とを備えて構成され、
前記区画用供給部分と前記複数の収納部用供給部分との接続箇所の夫々に設けられて前記収納部用供給部分における不活性気体の圧力を調整する圧力調整手段が設けられ、
前記区画用供給状態検出手段として、前記複数の収納部用供給部分の夫々における不活性気体の圧力を検出する圧力検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記圧力検出手段の検出情報に基づいて、前記圧力調整手段にて調整された圧力に対して前記圧力検出手段にて異常な圧力が検出されている場合は、その異常な圧力が検出された前記区画用供給部分に対応する前記区画に属する前記収納部の全てを前記禁止収納部として管理するように構成されている請求項2記載の物品保管設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の物品保管設備では、不活性気体供給路の破損や不活性気体供給路の途中に設けられた圧力調整弁等の機器が故障したことにより、収納部に適切に不活性気体を供給することができなくなったとしても、その不活性気体を適切に供給することができない収納部に搬送容器を収納した状態が継続することとなる。そのため、収納部に適切に不活性気体を供給することができなくなった場合に、外気が搬送容器内に流入する等により搬送容器内の環境が悪化することで搬送容器内の基板に不具合が生じる場合があった。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、収納部に対して適切に不活性気体を供給できなくなった場合でもその収納部に収納されている搬送容器内の基板に不具合が生じることを未然に防ぐことができる物品保管設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる物品保管設備は、基板を密閉状態で収容する搬送容器を収納自在な複数の収納部と、前記複数の収納部に対して前記搬送容器を搬送自在な搬送装置と、前記複数の収納部の夫々に不活性気体を供給する不活性気体供給路と、前記不活性気体供給路にて前記収納部に供給された不活性気体を当該収納部に収納された前記搬送容器の内部に吐出する吐出部と、前記搬送装置の作動を制御する制御手段とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記不活性気体供給路における前記複数の収納部に対する不活性気体の供給状態を検出する供給状態検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記供給状態検出手段の検出情報に基づいて、不活性気体が適切に供給されている許可収納部と不活性気体が適切に供給されていない禁止収納部とに区別し
て前記複数の収納部を管理し、不活性気体の供給状態の変化により前記許可収納部から前記禁止収納部に切り換わった前記収納部に収納されている前記搬送容器を前記許可収納部として管理されている前記収納部に搬送する退避用搬送処理を実行するように構成されている点にある。
【0008】
すなわち、制御手段による複数の収納部の管理は、供給状態検出手段の検出情報に基づいて管理されており、不活性気体が適切に供給されている収納部については許可収納部として管理され、不活性気体が適切に供給されていない収納部については禁止収納部として管理されている。そのため、搬送容器を収納部に収納するときに許可収納部を選択して収納することで、収納した搬送容器内に不活性気体を適切に供給することができる。
そして、不活性気体供給路の破損や不活性気体供給路の途中に設けられた圧力調整弁等の機器が故障し、収納部に供給される不活性気体が適正供給量より減少する、又は、収納部に全く不活性気体が供給されなくなる事態が発生した場合に、当該収納部が許可収納部から禁止収納部に切り換わる。
許可収納部から禁止収納部に切り換わった収納部に搬送容器が収納されている場合は、制御手段は退避用搬送処理を実行して、禁止収納部に切り換わった収納部に収納されている搬送容器を、許可収納部として管理されている他の収納部に搬送させる。
【0009】
このように退避用搬送処理を実行して、搬送容器を許可収納部として管理されている収納部に搬送することで、その収納部には不活性気体が適切に供給されているため、搬送容器内に不活性気体を供給することができる。このように、収納部に対して適切に不活性気体を供給できなくなった場合でもその収納部に収納されている搬送容器内の基板に不具合が生じることを未然に防ぐことができる。
【0010】
本発明にかかる物品保管設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記複数の収納部が、複数の区画に区分けされ、前記供給状態検出手段として、前記複数の区画の夫々に対する不活性気体の供給状態を検出する区画用供給状態検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記区画用供給状態検出手段の検出情報に基づいて、不活性気体が適切に供給されていない前記区画に属する前記収納部の全てを前記禁止収納部として管理するように構成されている点にある。
【0011】
すなわち、区画用供給状態検出手段にて、区画の単位で不活性気体が適切に供給されているか否かを検出することができるため、制御手段による複数の収納部の管理は、不活性気体が適切に供給されていない区画に属する収納部については禁止収納部として管理される。
【0012】
よって、例えば、供給状態検出手段にて複数の収納部の全てを一纏まりで不活性気体の供給状態を検出した場合は、制御手段にて、不活性気体が適切に供給されない場合は複数の収納部の全てが禁止収納部として管理されてしまうが、区画用供給状態検出手段にて、区画の単位で複数の収納部に対する不活性気体の供給状態を検出することで、制御手段にて、不活性気体が適切に供給されていない区画に属する収納部のみを禁止収納部として管理することができる。
そのため、不活性気体が適切に供給されなくなったとしても、それが一部の区画にのみ影響するものであれば、その影響のあった区画に属する収納部のみを禁止収納部として管理し、影響のない区画に属する収納部は許可収納部として管理することができるので、複数の収納部の全てが禁止収納部として管理されることを防止することができる。
【0013】
本発明にかかる物品保管設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記不活性気体供給路が、不活性気体を前記複数の区画の夫々に分岐供給する区画用供給部分と、前記区画用供給部分にて前記区画に供給された不活性気体を当該区画における前記複数の収納部の夫々に分岐供給する収納部用供給部分とを備えて構成され、前記区画用供給部分と前記複数の収納部用供給部分との接続箇所の夫々に設けられて前記収納部用供給部分における不活性気体の圧力を調整する圧力調整手段が設けられ、前記区画用供給状態検出手段として、前記複数の収納部用供給部分の夫々における不活性気体の圧力を検出する圧力検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記圧力検出手段の検出情報に基づいて、前記圧力調整手段にて調整された圧力に対して前記圧力検出手段にて異常な圧力が検出されている場合は、その異常な圧力が検出された前記区画用供給部分に対応する前記区画に属する前記収納部の全てを前記禁止収納部として管理するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、区画用供給部分と収納部用供給部分との接続箇所に設けられた圧力調整手段に故障が生じ、圧力調整手段にて調整された圧力に対して圧力検出手段にて異常な圧力が検出された場合は、その圧力調整手段を介して不活性気体が供給されている収納部に対して適切に不活性気体が供給されていないとして、その異常な圧力が検出された区画用供給部分に対応する区画に属する収納部の全てが禁止収納部として管理される。
そして、圧力調整手段に異常が生じたために、収納部に不活性気体を適切に供給することができなくなった場合は、その収納部が許可収納部から禁止収納部に切り換わるため、退避用搬送処理が実行されて、管理状態が禁止収納部に切り換わった収納部に収納されている搬送容器が、許可収納部として管理されている他の収納部に搬送されるため、収納部に収納されている搬送容器内の基板に不具合が生じることを未然に防ぐことができる。
【0015】
本発明にかかる物品保管設備の第4特徴構成は、第2又は第3特徴構成において、前記不活性気体供給路が、不活性気体を前記複数の収納部の夫々に分岐供給する収納部用供給部分を備えて構成され、前記収納部用供給部分と前記吐出部との接続箇所の夫々に設けられて前記吐出部に供給される不活性気体の流量を調整する流量調整手段と、前記制御手段及び前記区画に属する複数の前記流量調整手段の間の通信を中継する中継手段とが設けられ、前記区画用供給状態検出手段として、前記中継手段を介して前記流量調整手段の作動を制御し、前記中継手段の異常を検出する中継異常検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記中継異常検出手段の検出情報に基づいて、前記中継異常検出手段にて異常が検出された前記中継手段に対応する前記区画に属する前記収納部の全てを前記禁止収納部として管理するように構成されている点にある。
【0016】
すなわち、制御手段と流量調整手段との通信を中継する中継手段に異常が生じていることが中継異常検出手段にて検出された場合は、中継手段を介して通信している流量調整手段にて適切に流量が調整されておらず当該流量調整手段を介して不活性気体が供給されている収納部に対して適切に不活性気体が供給されていないとして、その異常な圧力が検出された区画用供給部分に対応する区画に属する収納部の全てを禁止収納部として管理される。
そして、中継手段に異常が生じたために、収納部に不活性気体を適切に供給することができなくなった場合は、通流異常検出手段にて検出されて、その収納部が許可収納部から禁止収納部に切り換わる。これにより、退避用搬送処理が実行されて、管理状態が禁止収納部に切り換わった収納部に収納されている搬送容器が、許可収納部として管理されている他の収納部に搬送されるため、収納部に収納されている搬送容器内の基板に不具合が生じることを未然に防ぐことができる。
【0017】
本発明にかかる物品保管設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記供給状態検出手段として、前記複数の収納部の夫々に対する不活性気体の供給状態を検出する収納部用供給状態検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記収納部用供給状態検出手段の検出情報に基づいて、不活性気体が適切に供給されていない前記収納部を前記禁止収納部として管理するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、収納部用供給状態検出手段にて、収納部の単位で不活性気体が適切に供給されているか否かを検出することができるため、制御手段による複数の収納部の管理は、不活性気体が適切に供給されていない収納部については許可収納部として管理され、不活性気体が適切に供給されていない収納部については禁止収納部として管理されている。
【0019】
よって、収納部用供給状態検出手段にて、収納部の単位で複数の収納部に対する不活性気体の供給状態を検出することで、制御手段にて、不活性気体が適切に供給されていない収納部のみを禁止収納部として管理することができる。
そのため、不活性気体が適切に供給されなくなったとしても、それが一部の収納部にのみ影響するものであれば、その影響のあった収納部のみを禁止収納部として管理し、影響のない収納部は許可収納部として管理することができるので、必要以上に収納部が禁止収納部として管理されることを防止することができる。
【0020】
本発明にかかる物品保管設備の第6特徴構成は、第5特徴構成において、前記複数の収納部が、複数の区画に区分けされ、前記供給状態検出手段として、前記収納部用供給状態検出手段に加えて、前記複数の区画の夫々に対する不活性気体の供給状態を検出する区画用供給状態検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記区画用供給状態検出手段の検出情報に基づいて、不活性気体が適切に供給されていない前記区画に属する前記収納部の全てを前記禁止収納部として管理し、前記退避用搬送処理として、前記収納部用供給状態検出手段により不活性気体が適切に供給されていないことが検出されている前記収納部に収納されている前記搬送容器を優先的に前記許可収納部へ搬送するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、収納部用供給状態検出手段にて、収納部の単位で不活性気体が適切に供給されているか否かを検出することができ、また、区画用供給状態検出手段にて、区画の単位で不活性気体が適切に供給されているか否かを検出することができる。
そして、制御手段が、区画用供給状態検出手段に基づいて、不活性気体が適切に供給されていない区画に属する収納部について禁止収納部として管理したとしても、収納部用供給状態検出手段にて、当該区画に属する収納部について適切に不活性気体が供給されている状態が検出される場合が考えられる。
【0022】
そのため、区画用供給状態検出手段に基づいて、不活性気体が適切に供給されていない区画に属する収納部について禁止収納部として管理した場合は、当該区画に属する収納部に収納されている搬送容器を、不活性気体が適切に供給されている他の区画に属する収納部に搬送することとなるが、このとき、収納部用供給状態検出手段にて不活性気体が適切に供給されていないことが検出されている収納部については、不活性気体が適切に供給されていることが検出されている収納部よりも優先的に搬送容器を搬送する。そのため、不活性気体が適切に供給されなくなった可能性が高い収納部に収納されている搬送容器を早期に許可収納部に搬送することで、基板に不具合が生じることを抑制することができる。
【0023】
本発明にかかる物品保管設備の第7特徴構成は、第5又は第6特徴構成において、前記不活性気体供給路が、不活性気体を前記複数の収納部の夫々に供給する収納部用供給部分を備えて構成され、前記収納部用供給部分と前記吐出部との接続箇所の夫々に設けられて前記吐出部に供給される不活性気体の流量を調整自在な通流調整手段が設けられ、前記収納部用供給状態検出手段として、前記通流調整手段の異常を検出する通流異常検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記通流異常検出手段の検出情報に基づいて、前記通流異常検出手段にて異常が検出された前記通流調整手段を介して不活性気体が供給される前記収納部を前記禁止収納部として管理するように構成されている点にある。
【0024】
すなわち、収納部用供給部分と吐出部との接続箇所に設けられた通流調整手段に異常が生じ、その異常が通流異常検出手段にて検出された場合は、その通流調整手段を介して不活性気体が供給されている収納部に対して適切に不活性気体が供給されていないとして、その異常が検出された通流調整手段に対応する収納部が禁止収納部として管理される。
そして、通流調整手段に異常が生じたために、収納部に不活性気体を適切に供給することができなくなった場合は、その収納部が許可収納部から禁止収納部に切り換わるため、退避用搬送処理が実行されて、禁止収納部に切り換わった収納部に収納されている搬送容器が、許可収納部として管理されている他の収納部に搬送されるため、収納部に収納されている搬送容器内の基板に不具合が生じることを未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明をパージ機能付きの物品保管設備に適用した場合の実施形態を図面に基づいて説明する。
(全体構成)
物品保管設備は、
図1及び
図2に示すように、基板Wを密閉状態で収容する搬送容器50(以下、容器50と略称する)を収納自在な収納部10Sを上下左右に並設した保管棚10と、複数の収納部10S及び入出庫コンベヤCVに対して容器50を搬送自在な搬送装置としてのスタッカークレーン20とを備えた自動倉庫にて構成されている。尚、本実施形態では、基板Wを半導体ウェハーとし、その半導体ウェハーを収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を容器50として保管している。
【0027】
(容器50の構成)
図4に示すように、容器50は、基板Wを出し入れするための開口を備えたケーシング51と、ケーシング51の開口を閉じる着脱自在な蓋体とを備えて構成されている。
図1,
図2及び
図4に示すように、ケーシング51の上面には、ホイスト式の搬送車Dにより把持されるトップフランジ52が形成され、ケーシング51の底部には、後述の如く、不活性気体としての窒素ガスを注入するために給気口51i及び排気口51oが設けられている。図示は省略するが、給気口51iには注入側開閉弁が設けられ、排気口51oには、排出側開閉弁が設けられている。
つまり、容器50は、基板Wを収容した状態で蓋体にて開口を閉じ、給気口51i及び排気口51oの夫々の開閉弁が閉じ状態となることで、基板Wを密閉状態で収容するようになっている。
【0028】
注入側開閉弁は、スプリング等の付勢手段によって閉方向に付勢されて、給気口51iに供給される窒素ガスの吐出圧力が大気圧よりも設定値高い設定開弁圧力以上となると、その圧力によって開き操作されるように構成されている。
また、排出側開閉弁は、スプリング等の付勢手段によって閉方向に付勢されて、容器50内部の圧力が大気圧よりも設定値高い設定開弁圧力以上となると、その圧力によって開き操作されるように構成されている。
【0029】
(スタッカークレーン20の構成)
図1に示すように、スタッカークレーン20は、保管棚10の前面側の床部に設けられた走行レールに沿って走行移動自在な走行台車21と、その走行台車21に立設されたマスト22と、マスト22の上端に設けられて図示しない上部ガイドレールと係合する上部枠23と、上記マスト22に案内される状態で昇降移動自在な昇降台24とを備えて構成されている。
【0030】
昇降台24には、収納部10Sや入出庫コンベヤCVに対して容器50を移載する移載装置25が装備されている。
そして、スタッカークレーン20は、走行台車21の走行移動、昇降台24の昇降移動及び移載装置25の移載作動により、入出庫コンベヤCV上の容器50を収納部10Sに搬送する入庫作業、収納部10Sの容器50を入出庫コンベヤCV上に搬送する出庫作業、及び、収納部10Sの容器50を他の収納部10Sに搬送する退避作業とを実行するように構成されている。
【0031】
(収納部10Sの構成)
図2に示すように、保管棚10には、上下方向に収納部10Sが8段並設され、左右方向に収納部10Sが9列(
図2には4列のみ図示している)並設されており、収納部10Sが72箇所に設けられている。そして、
図5に示すように、上下方向に並設された4段、左右方向に並設された3列の計12箇所の収納部10Sを1つの区画CHとして、72箇所の収納部10Sが6つの区画CHのいずれか1つに属するように区分けされている。このように、保管棚10に設けられた複数の収納部10Sが、複数の区画CHに区分けされている。
【0032】
図3に示すように、複数の収納部10Sの夫々には、容器50を載置支持する載置支持部10aが備えられており、収納部10Sは、載置支持部10aに載置支持した状態で容器50を収納するようになっている。
また、載置支持部10aには、容器50の下面部に形成された被係合部(図示せず)に係合して当該容器50を規定位置に位置決めするための3個の位置決め突起10bと、容器50が載置支持部10a上に載置されているか否か(つまり、容器50が収納部10Sに収納されたか否か)を検出する2個の在荷センサ10zとが設けられている。
【0033】
また、
図3及び
図4に示すように、載置支持部10aには、収納部10Sに収納された容器50の内部に不活性気体としての窒素ガスを供給する吐出部としての吐出ノズル10iと、容器50の内部から排出された気体を通流する排出用通気体10oとが設けられている。
図4に示すように、吐出ノズル10iは、載置支持部10a上の規定位置に容器50が載置された状態で、その容器50の下面部に備えられた給気口51iに嵌合される箇所に設けられ、排出用通気体10oは、載置支持部10a上の規定位置に容器50が載置された状態で、その容器50の下面部に備えられた排気口51oに嵌合される箇所に設けられている。
【0034】
つまり、容器50が収納部10Sに収納されて載置支持部10aに載置されると、位置決め突起10bにて規定位置に位置決めされて、吐出ノズル10iが給気口51iに嵌合状態に接続され、且つ、排出用通気体10oが排気口51oに嵌合状態に接続される。
そして、容器50が載置支持部10aに載置支持された状態において、吐出ノズル10iから大気圧よりも設定値以上高い圧力の窒素ガスを吐出させることにより、容器50の給気口51iより窒素ガスを容器50の内部に注入し、容器50の排気口51oより容器内の気体を外部に排出させるように構成されている。
【0035】
(窒素ガスの供給構成)
図5及び
図6に示すように、物品保管設備には、複数の収納部10Sに窒素ガスを供給する不活性気体供給路としての窒素ガス供給路60が設けられている。次に、この窒素ガス供給路60について説明する。尚、
図5は、区画CHの夫々に対して窒素ガスを供給する構成を示す図であり、
図6は、収納部10Sの夫々に対して窒素ガスを供給する構成を示す図である。尚、
図6には、上下に並ぶ2つの区画CHに対する部分のみを示している。
【0036】
図5及び
図6に示すように、窒素ガス供給路60は、メイン供給部分61と、メイン供給部分61にて供給された窒素ガスを複数の区画CHの夫々に分岐供給する区画用供給部分62と、区画用供給部分62にて区画CHに供給された窒素ガスを当該区画CHにおける複数の収納部10Sの夫々に分岐供給する収納部用供給部分63とを備えて構成されている。
【0037】
図5に示すように、区画用供給部分62は、メイン供給部分61に接続された上流区画用供給部62aと、上流区画用供給部62aから分岐する複数の下流区画用供給部62bとを備えて構成されている。上流区画用供給部62aには、区画CHの数と同じ6経路の下流区画用供給部62bが接続されている。
尚、上流区画用供給部62aは、メイン供給部分61と同じ配管サイズとなっており、下流区画用供給部62bは、上流区画用供給部62aより細い配管サイズとなっている。
【0038】
図6に示すように、収納部用供給部分63は、区画CHの数と同じ6経路設けられており、その夫々が、区画用供給部分62に接続された上流収納部用供給部63aと、上流収納部用供給部63aから分岐する中流収納部用供給部63bと、中流収納部用供給部63bから分岐する下流収納部用供給部63cとを備えて構成されている。上流収納部用供給部63aには、区画CHにおける収納部10Sの段数と同じ3経路の中流収納部用供給部63bが接続されており、中流収納部用供給部63bには、区画CHにおける収納部10Sの列数と同じ4経路の下流収納部用供給部63cが接続されている。
尚、上流収納部用供給部63a及び中流収納部用供給部63bは、下流区画用供給部62bと同じ配管サイズとなっており、下流収納部用供給部63cは、上流収納部用供給部63a及び中流収納部用供給部63bより細い配管サイズとなっている。
【0039】
図5に示すように、メイン供給部分61と区画用供給部分62との接続箇所には、メイン供給部分61から区画用供給部分62に窒素ガスが通流可能な開き状態と通流不能な閉じ状態とに切換自在なメインバルブ65が設けられている。このメインバルブ65を操作することにより、保管棚10の単位で窒素ガスを供給する状態と供給しない状態とに切り換え自在に構成されている。
【0040】
図5及び
図6に示すように、区画用供給部分62と複数の収納部用供給部分63との接続箇所の夫々には、区画用供給部分62から収納部用供給部分63に窒素ガスが通流可能な開き状態と通流不能な閉じ状態とに切換自在な区画用バルブ66と、区画用供給部分62から収納部用供給部分63に通流する窒素ガスの通流量を調整することにより収納部用供給部分63における窒素ガスの圧力を調整する圧力調整手段としての圧力調整用バルブ67と、収納部用供給部分63における窒素ガスの圧力を検出する圧力検出手段としての圧力検出センサ68とが設けられている。そして、区画用バルブ66を操作することで、区画CHの単位で窒素ガスを供給する状態と供給しない状態とに切り換え自在に構成されている。
【0041】
図6に示すように、収納部用供給部分63と吐出ノズル10iとの接続箇所には、収納部用供給部分63から吐出ノズル10iに窒素ガスが通流可能な開き状態と通流不能な閉じ状態とに切換自在な収納部用バルブ69と、マスフローコントローラ40とが設けられている。そして、収納部用バルブ69を操作することで、収納部10Sの単位で窒素ガスを供給する状態と供給しない状態とに切り換え自在に構成されている。
マスフローコントローラ40には、収納部用供給部分63から吐出ノズル10iに供給される窒素ガスの通流量を調整する流量調整用バルブ70と、収納部用供給部分63から吐出ノズル10iに通流する窒素ガスの流量を検出する流量検出センサ71との機能が備えられている。つまり、マスフローコントローラ40(流量調整用バルブ70)が、吐出ノズル10iに供給される窒素ガスの流量を調整する通流調整手段に相当する。
【0042】
図6に示すように、複数の収納部用供給部分63の2つを組として、組となる2つの収納部用供給部分63同士を連通させる状態で、バイパス部分72が設けられている。
このバイパス部分72は、上下方向に隣接する2つの区画CHに属する収納部用供給部分63同士を連通させる状態で設けられており、6つの区画CHに対して3経路設けられている。
また、バイパス部分72には、バイパス部分72を窒素ガスが通流可能な開き状態と通流不能な閉じ状態とに切り換え自在なバイパス用切換弁73が設けられている。
尚、バイパス部分72は、上流収納部用供給部63a等と同じ配管サイズとなっている。
【0043】
(制御構成)
図7に示すように、制御手段Hは、保管棚10における容器50の在庫状態等を管理するとともに、図外の上位コントローラからの入庫指令及び出庫指令に基づいてスタッカークレーン20の作動を制御するように構成されている。
説明を加えると、制御手段Hは、上位コントローラから入庫指令が指令されると、在庫状態に基づいて、容器50が収納されていない空の収納部10Sの1つを収納対象の収納部10Sとして選択し、容器50を入出庫コンベヤCVから収納対象の収納部10Sに搬送するべくスタッカークレーン20の作動を制御する入庫搬送処理を実行する。また、制御手段Hは、上位コントローラから出庫指令が指令されると、在庫状態に基づいて、出庫対象の容器50をそれが収納されている収納部10Sから入出庫コンベヤCV上に搬送するべくスタッカークレーン20の作動を制御する出庫搬送処理を実行するように構成されている。
【0044】
制御手段Hは、プログラマブルロジックコントローラPに窒素ガスの供給量や窒素ガスを供給する収納部10Sを示す供給情報を送信して、区画用バルブ66、収納部用バルブ69及び流量調整用バルブ70(マスフローコントローラ40)の作動を制御するように構成されている。次に、この区画用バルブ66、収納部用バルブ69及び流量調整用バルブ70の作動を制御する制御構成について説明する。
ちなみに、圧力調整用バルブ67及びバイパス用切換弁73は、手動により操作されるように構成されている。
【0045】
制御手段Hには、プログラマブルロジックコントローラPとIO拡張モジュールAが通信自在に通信線にて接続されている。
プログラマブルロジックコントローラPには、区画CHに属する12台のマスフローコントローラ40が6区画分、計72台のマスフローコントローラ40が接続されている。
【0046】
IO拡張モジュールAは、複数の区画CHの夫々に対応して設けられており、区画CHの数と同じ6台設けられている。IO拡張モジュールAには、対応する区画CHに属する在荷センサ10z、圧力検出センサ68、及び、マニホールド74が接続されている。
在荷センサ10zは、上述の如く各収納部10Sに対して2個設けられており、1つの区画CHに対して24個設けられている。この24個の在荷センサ10zがIO拡張モジュールAに接続されている。
また、圧力検出センサ68及びマニホールド74は、複数の区画CHの夫々に対応して設けられており、1個の圧力検出センサ68と1個のマニホールド74とがIO拡張モジュールAに接続されている。ちなみに、マニホールド74は、対応する区画CHに属する1個の区画用バルブ66と12個の収納部用バルブ69を切換自在に構成されている。
【0047】
そして、プログラマブルロジックコントローラPは、制御手段Hからの供給情報に基づいて、IO拡張モジュールAを介してマニホールド74に指令情報を送信するように構成されている。マニホールド74は指令情報に基づいて作動し、窒素ガスを供給する供給対象の収納部10Sに対して窒素ガスを供給するように構成されている。
また、プログラマブルロジックコントローラPは、制御手段Hからの供給情報に基づいて、マスフローコントローラ40に指令情報を送信するように構成されている。マスフローコントローラ40は、指令情報に応じた流量とするべく流量調整用バルブ70を作動させて、吐出ノズル10iから吐出する窒素ガスの流量を調整するように構成されている。
【0048】
マスフローコントローラ40は、流量調整用バルブ70に異常が生じる等により流量検出センサ71にて検出する流量が指令情報に応じた流量に達しない状態が設定時間の間継続した場合には、通流異常信号をプログラマブルロジックコントローラPに出力するように構成されている。その通流異常信号はプログラマブルロジックコントローラPから制御手段Hに送信される。
尚、マスフローコントローラ40が、流量調整用バルブ70(マスフローコントローラ40)の異常を検出する通流異常検出手段に相当し、複数の収納部10Sの夫々に対する窒素ガスの供給状態を検出する収納部用供給状態検出手段S2、及び、複数の収納部10Sに対する窒素ガスの供給状態を検出する供給状態検出手段Sにも相当する。
【0049】
IO拡張モジュールAは、プログラマブルロジックコントローラPからの指令情報に対して返答信号を出力するように構成されている。プログラマブルロジックコントローラPは、指令情報に対してIO拡張モジュールAから返答信号がない場合、IO異常信号を制御手段Hに送信するように構成されている。
尚、プログラマブルロジックコントローラPが、IO拡張モジュールAの異常を検出する中継異常検出手段に相当し、複数の区画CHの夫々に対する窒素ガスの供給状態を検出する区画用供給状態検出手段S1、及び、複数の収納部10Sに対する窒素ガスの供給状態を検出する供給状態検出手段Sにも相当する。
【0050】
マニホールド74は、プログラマブルロジックコントローラPからの指令情報に対して返答信号を出力するように構成されている。プログラマブルロジックコントローラPは、指令情報に対してマニホールド74から返答信号がない場合、流量異常信号を制御手段Hに送信するように構成されている。
尚、マニホールド74と収納部用バルブ69とで流量調整手段が構成されており、IO拡張モジュールAが、制御手段Hと区画CHに属する複数の流量調整手段との通信を中継する中継手段に相当する。
【0051】
圧力検出センサ68は、検出情報をプログラマブルロジックコントローラPに出力するように構成されており、プログラマブルロジックコントローラPは、圧力検出センサ68にて検出された圧力が、指令情報に応じた圧力に対して設定圧力以上の乖離があった場合には、圧力異常信号を制御手段Hに対して送信するように構成されている。
尚、圧力検出センサ68が、複数の区画CHの夫々に対する窒素ガスの供給状態を検出する区画用供給状態検出手段S1、及び、複数の収納部10Sに対する窒素ガスの供給状態を検出する供給状態検出手段Sに相当する。
【0052】
制御手段Hは、供給状態検出手段Sの検出情報に基づいて、窒素ガスが適切に供給されている許可収納部と窒素ガスが適切に供給されていない禁止収納部とに区別して複数の収納部10Sを管理し、窒素ガスの供給状態の変化により許可収納部から禁止収納部に切り換わった収納部10Sに収納されている容器50を許可収納部に搬送する退避用搬送処理を実行するように構成されている。
【0053】
制御手段Hによる複数の収納部10Sの管理について説明を加える。尚、
図8(a)は、区画CHに属する全ての収納部10Sに窒素ガスが適切に供給されている区画CHを示し、
図8(b)は、区画CHに属する全ての収納部10Sに窒素ガスが適切に供給されていない区画CHを示し、
図8(c)は、区画CHに属する一部の収納部10Sに窒素ガスが適切に供給されていない区画CHを例示している。そして、
図8において、故障が生じた機器(
図8(b)では圧力調整バルブ)及び禁止収納部として管理されている収納部10Sについてはグレー色で示している。
【0054】
制御手段Hは、圧力検出センサ68の検出情報に基づいて、圧力調整用バルブ67にて調整された圧力に対して圧力検出センサ68にて異常な圧力が検出され、プログラマブルロジックコントローラPから圧力異常信号が送信された場合は、その異常な圧力が検出された区画用供給部分62に対応する区画CHに属する収納部10Sの全てを禁止収納部として管理するように構成されている。(
図8(b)参照)
また、同様に、制御手段Hは、プログラマブルロジックコントローラPの検出情報(IO異常信号、流量異常信号)に基づいて、プログラマブルロジックコントローラPにて異常が検出されたIO拡張モジュールA又はマニホールド74に対応する区画CHに属する収納部10Sの全てを禁止収納部として管理するように構成されている。
【0055】
そして、制御手段Hが、プログラマブルロジックコントローラPの検出情報(通流異常信号)に基づいて、プログラマブルロジックコントローラPにて異常が検出されたマスフローコントローラ40を介して窒素ガスが供給される収納部10Sを禁止収納部として管理するように構成されている。(
図8(c)参照)
【0056】
このように、制御手段Hは、区画用供給状態検出手段S1の検出情報に基づいて、窒素ガスが適切に供給されている区画CHに属する収納部10Sの全てを許可収納部として管理し、収納部用供給状態検出手段S2の検出情報に基づいて、窒素ガスが適切に供給されていない収納部10Sを禁止収納部として管理するように構成されている。そして、禁止収納部として管理されていない収納部10Sを、許可収納部として管理するように構成されている。
【0057】
次に、制御手段Hによる退避用搬送処理について説明する。
図10に示すように、制御手段Hは、供給状態検出手段Sにて複数の収納部10Sに対する不活性気体の供給状態が変化したことが検出されると、その変化に基づいて収納部10Sの管理状態を切り換えるように構成されている。つまり、制御手段Hは、許可収納部として管理している収納部10Sについて、圧力異常信号、通流異常信号、流量異常信号及びIO異常信号のいずれかの異常信号が送信されると、当該収納部10Sの管理状態を禁止収納部に切り換え、禁止収納部として管理している収納部10Sについて、いずれの異常信号も送信されなくなると、当該収納部10Sの管理状態を許可収納部に切り換えるように構成されている。
【0058】
そして、制御手段Hは、在庫状態に基づいて、窒素ガスの供給状態の変化により管理状態が切り換えられた収納部10Sに容器50が収納されている場合、退避用搬送処理を実行して、管理状態が禁止収納部に切り換えられた収納部10Sに収納されている容器50を、許可収納部として管理されている収納部10Sに搬送するようになっている。
ちなみに、禁止収納部として管理されている収納部10Sについては、入庫搬送処理を実行するときに搬入対象の収納部10Sとして選択せず、禁止収納部として管理されている収納部10Sには容器50を収納しないようになっている。
【0059】
具体的には、例えば、
図8(a)に示すように、区画CHに属する収納部10Sが許可収納部として管理されている場合において、圧力調整用バルブ67が故障することで圧力検出センサ68にて異常な圧力が検出され、制御手段Hに圧力異常信号が送信された場合は、
図8(b)に示すように、区画CHに属する収納部10Sの全てが禁止収納部として管理されることとなる。このような場合は、区画CHに属する収納部10Sに収納されている容器50の全てを、他の区画CHにおける許容収納部として管理されている収納部10Sに搬送される。
【0060】
このように退避用搬送処理を実行して、容器50を許可収納部として管理されている収納部10Sに搬送することで、その収納部10Sには不活性気体が適切に供給されているため、容器50内に不活性気体を供給することができる。そのため、収納部10Sに対して適切に不活性気体を供給できなくなった場合でもその収納部10Sに収納されている容器50内の基板Wに不具合が生じることを未然に防ぐことができる。
【0061】
そして、退避用搬送処理により、区画CHに属する収納部10Sに収納されている容器50の全てを他の区画CHに搬送するにあたり、収納部用供給状態検出手段S2により窒素ガスが適切に供給されていないことが検出されている収納部10Sと、収納部用供給状態検出手段S2により窒素ガスが適切に供給されていることが検出されている収納部10Sとがある場合、前者の収納部10Sに収納されている容器50を優先的に許可収納部として管理されている収納部10Sに搬送するように構成されている。
【0062】
制御手段Hは、複数の収納部10Sの管理状態や異常が生じた機器を示す情報を表示するべくモニター75の作動を制御するように構成されている。
また、モニター75には、退避用搬送処理が終了した後、バイパス用切換弁73の操作手順等の案内表示が表示される。
作業者は、モニター75の表示内容と窒素ガス供給路60の状態及びその途中に設けられた機器の状態から判断して、バイパス用切換弁73を手動操作できるようになっている。
【0063】
そして、図示はしないがバイパス用切換弁73の切り換え状態を検出する切換状態検出手段としての切換状態検出センサが設けられており、制御手段Hは、区画用供給状態検出手段S1の検出情報と切換状態検出センサの検出情報とに基づいて、窒素ガスが適切に供給されておらず且つ当該区画CHの収納部用供給部分63に連通されているバイパス部分72が窒素ガスを通流不能な区画CHに属する収納部10Sを禁止収納部として管理するように構成されている。
【0064】
つまり、例えば、
図9(a)に示すように、上側の区画CHに対応する圧力調整用バルブ67が故障することで制御手段Hに圧力異常信号が送信された場合は、その区画CHに属する収納部10Sの全てが禁止収納部として管理されることとなる。このような状態で、この区画CHに接続されているバイパス部分72に設けられたバイパス用切換弁73を開き状態に切り換え操作することで、
図9(b)バイパス部分72にて接続されている適切に窒素ガスが供給されている区画CHから窒素ガスが供給されるようになっている。
そして、バイパス用切換弁73が開き操作されることで禁止収納部として管理されている収納部10Sが許可収納部として管理されることになる。よって、容器搬入処理にて収納対象の収納部10Sとして選択されて搬入された容器50が収納可能となるとともに、他の収納部10Sの管理状態が禁止収納部に切り換わった場合に、その収納部10Sに収納されている容器50を受け入れできるようになる。
尚、制御手段Hは、区画用供給状態検出手段S1の検出情報と切換状態検出センサの検出情報とに基づいて、バイパス用切換弁73が開き操作された場合は、窒素ガスが適切に供給されていない区画CHに属する区画用バルブ66を閉じ状態に切り換えるべく、区画用バルブ66の作動を制御してもよい。
【0065】
このように、バイパス用切換弁73を閉じ状態に切り換えることで、区画CHの単位で収納部10Sに供給される窒素ガスの流量を各別に調整することができながら、窒素ガス供給路60の破損や機器等が故障し、収納部10Sに供給される不活性気体が適正供給量より減少する、又は、収納部10Sに全く不活性気体が供給されなくなるなった場合に、バイパス用切換弁73を開き状態に切り換えることで、窒素ガスが適切に供給されている区画CHの収納部用供給部分63から、窒素ガスが適切に供給されていない区画CHの収納部用供給部分63に、不活性気体を流動させることができる。
【0066】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、供給状態検出手段Sとして、区画用供給状態検出手段S1と収納部用供給状態検出手段S2とを設けたが、区画用供給状態検出手段S1と収納部用供給状態検出手段S2とのうちのいずれか一方のみを設けてもよい。なお、収納部用供給状態検出手段S2のみを設ける場合、複数の収納部10Sを複数の区画CHに区分けしなくてもよい。
【0067】
(2)上記実施形態では、区画用供給状態検出手段S1として、圧力検出手段と中継異常検出手段とを設けたが、圧力検出手段と中継異常検出手段とのいずれか一方のみを設けてもよく、また、区画用供給状態検出手段S1として、収納部用供給部分63に通流する不活性気体の流量を検出する検出手段等、他の検出手段を設けてもよい。
【0068】
(3)上記実施形態では、収納部用供給状態検出手段S2として、通流異常検出手段を設けたが、収納部用供給状態検出手段S2として、吐出部に供給される不活性気体の圧力を検出する検出手段等の、他の検出手段を設けてもよい。
【0069】
(4)上記実施形態では、不活性気体供給路を、メイン供給部分61と区画用供給部分62と収納部用供給部分63とを備えて構成したが、不活性気体供給路を、メイン供給部分61と、そのメイン供給部分61に接続された収納部用供給部分63とを備えて構成してもよい。また、不活性気体供給路を、区画用供給部分62と収納部用供給部分63とを備えて構成して、区画用供給部分62の夫々に対して不活性気体を供給する供給源を設けてもよい。
【0070】
(5)上記実施形態では、自動倉庫に1つの保管棚10を設け、その1つの保管棚10に設けられた収納部10Sを、許可収納部と禁止収納部とに区別して管理する収納部10Sとしたが、自動倉庫に対向する状態で一対の保管棚10を設け、その一対の保管棚10に設けられた収納部10Sを、許可収納部と禁止収納部とに区別して管理する収納部10Sとしてもよく、また、複数の自動倉庫を設け、複数の自動倉庫に設けられた収納部10Sを、許可収納部と禁止収納部とに区別して管理する収納部10Sとしてもよい。
また、自動倉庫の保管棚10に設けられた収納部10Sの一部を、許可収納部と禁止収納部とに区別して管理する収納部10Sとしてもよい。
また、天井搬送車(ホイスト式の搬送車D)の走行経路の側方又は下方に、天井搬送車の走行経路に沿って収納部10Sを複数設け、この天井搬送車の走行経路に沿って設けた収納部10Sを、許可収納部と禁止収納部とに区別して管理する収納部10Sとしてもよい。
【0071】
(6)上記実施形態では、基板Wを半導体ウェハーとし、搬送容器50をFOUPとする構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、基板Wをレチクルとし、搬送容器50をレチクル容器としてもよい。また、不活性気体を窒素ガスとしたが、不活性気体としては、窒素ガス以外にもアルゴンガス等、収容される基板Wに対して反応性の低い各種の気体を使用することができる。