【実施例】
【0036】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
(製造例1)高分子分散剤製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液250g(純分200g)、イオン交換水529gを仕込み、65℃に加温しながら窒素置換した。これに、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の5重量%水溶液20gを加え、攪拌下で重合を行った。自己発熱により温度は上昇し、80℃にて1時間重合反応させて高分子分散剤を得た。
得られた高分子分散剤の粘度は、不揮発分を20重量%に調整した後、25℃に調整しビスメトロン粘度計(芝浦システム(株)製)を用いて測定した。(以下、粘度は同様の方法で測定した値である。)
【0038】
(製造例2)高分子分散剤製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液249.99g(純分199.992g;99.995モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.008g(0.005モル%)、イオン交換水529.7gを仕込み、50℃に加温しながら窒素置換した。これに、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の1.5重量%水溶液20gを加え、攪拌下で重合を行った。自己発熱により温度は上昇し、80℃にて1時間重合反応させて高分子分散剤を得た。
【0039】
(製造例3)高分子分散剤製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80%重量水溶液215.63g(純分172.5g;69.85モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.1966g(0.1モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム0.1g(0.05モル%)、アクリルアミド27.2g(30モル%)、イオン交換水536.47gを仕込み、60℃に加温しながら窒素置換した。これに、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で重合を行った。自己発熱により温度は上昇し、80℃にて1時間重合反応させて高分子分散剤を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
表中、(b1)〜(b4)の数字はモル%、粘度は25℃での測定値を表し、各化合物(単量体等)略号の記載については下記の化合物を表すものとする。
DMAEA−Q:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
SMAS:メタリルスルホン酸ナトリウム
AM:アクリルアミド
【0042】
(実施例1)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1049.25gに溶解した。これに、アクリルアミド282.17g(85モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80%水溶液101.73g(純分81.384g;9モル%)、イタコン酸36.45g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合反応を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0043】
(実施例2)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1017.95gに溶解した。これに、アクリルアミド215.15g(79モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物の75重量%水溶液206.6g(純分154.95g;15モル%)、イタコン酸29.9g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0044】
(実施例3)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261.01g(82モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸34.95g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
(実施例4)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例2で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1049.25gに溶解した。これに、アクリルアミド282.17g(85モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液101.73g(純分81.384g;9モル%)、イタコン酸36.45g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液が得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0046】
(実施例5)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例2で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1017.95gに溶解した。これに、アクリルアミド215.15g(79モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物の75重量%水溶液206.6g(純分154.95g;15モル%)、イタコン酸29.9g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
(実施例6)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例2で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261.01g(82モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸34.95g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0048】
(実施例7)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1049.25gに溶解した。これに、アクリルアミド282.17g(85モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液101.73g(純分81.384g;9モル%)、イタコン酸36.45g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0049】
(実施例8)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1017.95gに溶解した。これに、アクリルアミド215.15g(79モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物の75重量%水溶液206.6g(純分154.95g;15モル%)、イタコン酸29.9g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0050】
(実施例9)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261.01g(82モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸34.95g(6モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
(実施例10)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1049.25gに溶解した。これに、アクリルアミド282.16g(84.998モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液101.73g(純分81.384g;9モル%)、イタコン酸36.45g(6モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.0144g(0.002モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0052】
(実施例11)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1017.95gに溶解した。これに、アクリルアミド215.14g(78.998モル%)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物の75重量%水溶液206.6g(純分154.95g;15モル%)、イタコン酸29.9g(6モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.0118g(0.002モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0053】
(実施例12)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261g(81.998モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸34.95g(6モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.0138g(0.002モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
(実施例13)水溶性重合体分散液の製造法
実施例1で得られた水溶性重合体の分散液と実施例2で得られた水溶性重合体の分散液を重量比1:1で混合した。
【0055】
(実施例14)水溶性重合体分散液の製造法
実施例7で得られた水溶性重合体の分散液と実施例8で得られた水溶性重合体の分散液を重量比1:1で混合した。
【0056】
(実施例15)水溶性重合体分散液の製造法
実施例10で得られた水溶性重合体の分散液と実施例11で得られた水溶性重合体の分散液を重量比1:1で混合した。
【0057】
(実施例16)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261.01g(82モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸17.47g(3モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加えた。3時間後、イタコン酸17.47g(3モル%)を加え攪拌下で21時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0058】
(実施例17)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1043.59gに溶解した。これに、アクリルアミド261.01g(82モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液130.05g(純分104.04g;12モル%)、イタコン酸17.47g(3モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加えた。3時間後、イタコン酸17.47g(3モル%)を加え攪拌下で21時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0059】
(比較例1)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1042.52gに溶解した。これに、アクリルアミド291.66g(88モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液135.42g(純分108.336g;12モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0060】
(比較例2)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1042.52gに溶解した。これに、アクリルアミド291.66g(88モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液135.42g(純分108.336g;12モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0061】
(比較例3)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有しない高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1037.14gに溶解した。これに、アクリルアミド270.13g(84.998モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液162.32g(純分129.856g;15モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.0138g(0.002モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0062】
(比較例4)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1037.14gに溶解した。これに、アクリルアミド270.13g(84.998モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液162.32g(純分129.856g;15モル%)、メチレンビスアクリルアミド0.0138g(0.002モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0063】
(比較例5)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1039.52gに溶解した。これに、アクリルアミド215g(73モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液150.42g(純分120.336g;15モル%)、イタコン酸64.67g(12モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0064】
(比較例6)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1039.52gに溶解した。これに、アクリルアミド215g(73モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液150.42g(純分120.336g;15モル%)、イタコン酸64.67g(12モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0065】
(比較例7)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例1で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1041.73gに溶解した。これに、アクリルアミド163.71g(60モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液139.35g(純分111.48g;15モル%)、イタコン酸124.81g(25モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0066】
(比較例8)水溶性重合体分散液の製造法
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた2リットルの五つ口のセパラブルフラスコ中に、製造例3で得られた分岐構造を有する高分子分散剤を110g、硫酸アンモニウム400gをイオン交換水1041.73gに溶解した。これに、アクリルアミド163.71g(60モル%)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80重量%水溶液139.35g(純分111.48g;15モル%)、イタコン酸124.81g(25モル%)を加え30℃に加温しながら窒素置換した。これに重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の2重量%水溶液20gを加え、攪拌下で24時間重合を行い、塩水溶液に分散した水溶性重合体の分散液を得た。得られた分散液の平均粒子径と粘度を測定し、さらに、分散液中の(A)成分および(B)成分の合計含有量を0.2重量%となるように水で希釈した後、希釈分散液の濁度を測定した。結果を表2に示す。
【0067】
実施例および比較例で得られた水溶性重合体分散液について、平均粒子径、粘度を測定した結果を表2および表3に示す。なお、各測定方法は、以下のとおりである。
(平均粒子径)
光学顕微鏡で観察(顕微鏡視野中の分散粒子を、任意に100個測定した平均値)することにより行った。
(粘度)
B型粘度を使用してJIS
K7117-1に従い、25℃における粘度を測定した。
(濁度)
脱イオン水で分散液中の(A)成分と前記(B)成分の合計含有量を0.2重量%に希釈後、希釈分散液が示したpH(25℃)から、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、希釈分散液のpHを8まで変化させ、そのpHが5〜8に変化する過程で、希釈分散液が示した濁度の最小値と最大値を測定し、濁度の範囲を求めた。
【0068】
【表2】
【0069】
表中の数字はモル%。粘度は不揮発分を20重量%に調整した場合の25℃での測定値。
なお、表2中の各化合物(単量体等)略号の記載については下記の化合物を表すものとする。
DMAEA−Q:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMAEA−BQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物
IA:イタコン酸
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
AM:アクリルアミド
【0070】
評価方法:
(評価例1〜17及び比較評価例1〜4)
段ボ−ル古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダ−ド・フリ−ネス(C.S.F)300mlに調整し、固形分濃度1.0重量%の紙料を得た。つぎに、紙料の固形分量に対し1.0重量%の硫酸バンドを添加してpH7.0のパルプスラリーを調製した。そして、実施例1から17および比較例1から8で得られた水溶性重合体分散液を水道水で重合体((A)+(B))の固形分濃度を0.05重量%に希釈して、水溶性重合体分散液の希釈液を調製した。つぎに、パルプスラリーに水溶性重合体分散液の希釈液を、パルプスラリー中の紙料の固形分量に対し0.05重量%添加し、タッピ・シートマシンにて脱水し、5kg/cm
2で2分間プレスして、坪量150g/m
2
の紙を得た。次いで、得られた紙を回転型乾燥機で105℃において4分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下に24時間調湿したのち、比破裂強度および地合変動係数を測定した。同時に、上記の薬品添加後のパルプスラリー500mlをブリットジャー(40メッシュ)に入れタービン羽根を備えた撹拌機を用いて撹拌しながら(2000rpm)下穴から濾水100mlを採取し、No2濾紙により吸引濾過後、110℃で60分間乾燥し、乾燥後の質量を測定することにより、全歩留り(OPR)を求めた。また、別途、上記薬品添加後のパルプスラリーの濾水量も測定した。
【0071】
なお、濾水量は、JIS P8121に準拠して測定し、比破裂強度は、JIS P8131に準拠して測定し、地合変動係数は、得られた紙を通過する光(輝度)をパーソナル画像処理システムHyper−700(OBS製)に取り込み、輝度分布を統計解析することにより測定した。なお、地合変動係数は、数値が小さいほど地合が良好であることを示す。
【0072】
各評価例における水溶性高分子分散体固形分の紙料固形分に対する添加率と各項目の測定結果を表3に示す。
【0073】
【表3】