(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709058
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/42 20060101AFI20150409BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
B65C9/42
B65C9/26
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-284435(P2011-284435)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-133132(P2013-133132A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】313000128
【氏名又は名称】サントリー食品インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(73)【特許権者】
【識別番号】393028357
【氏名又は名称】シブヤマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】問田 幸隆
(72)【発明者】
【氏名】花野 泰文
(72)【発明者】
【氏名】黒坂 達也
(72)【発明者】
【氏名】森谷 勇
(72)【発明者】
【氏名】橋本 三夫
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 卓
【審査官】
八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−144432(JP,A)
【文献】
特開2001−158413(JP,A)
【文献】
実開昭52−166999(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0096262(US,A1)
【文献】
特開2000−335536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C1/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を連続的に搬送する容器搬送部と、
前記容器搬送部を流れる前記容器の外周面にラベルを貼り付けるラベル貼付部と、
前記ラベルを貼り付ける前の前記容器の外形を検出する検出部と、
前記検出部で検出した外形に基づいて、前記容器の外周面のうち前記ラベルの貼付開始箇所の鉛直面からの傾斜量を演算し、前記傾斜量に基づいて、前記貼付開始箇所と前記ラベルとが前記ラベルの貼付開始時に平行となるように、前記ラベル貼付部を傾斜させる傾斜補正制御を行う制御部と、を備えたラベル貼付装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記ラベルを貼り付ける前の前記容器の外形を撮影する撮像部であり、
前記制御部は、前記撮像部で撮影した画像に基づいて、前記傾斜量を演算し、前記傾斜量に基づいて前記ラベル貼付部を傾斜させる傾斜補正制御を行う請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記容器に貼り付けられた前記ラベルの始端部と終端部とを含む領域を検出する第2検出部を備え、
前記制御部は、前記第2検出部で検出した領域に基づいて、前記始端部と前記終端部とのずれ量を演算し、前記ずれ量に基づいて前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行う請求項1又は2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記第2検出部は、前記容器に貼り付けられた前記ラベルの始端部と終端部とを含む領域を撮影する第2撮影部であり、
前記制御部は、前記第2撮影部で撮影した画像に基づいて、前記始端部と前記終端部とのずれ量を演算し、前記ずれ量に基づいて前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行う請求項3に記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記制御部は、連続して搬送される複数の前記容器についての前記ずれ量の平均値に基づいて、前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行う請求項3又は4に記載のラベル貼付装置。
【請求項6】
前記制御部は、連続して搬送される複数の前記容器についての前記傾斜量の平均値に基づいて、前記傾斜補正制御を行う請求項1〜5の何れか一項に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連続的に搬送される容器の外周面にラベルを貼り付けるラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、回転手段によって回転される移送ドラムの外周面にラベルを吸着保持する保持部が複数設けられ、この保持部に保持されているラベルに糊塗布手段によって糊が塗布され、糊が塗布されたラベルを連続的に搬送される容器の外周面に貼り付けるように構成されたロールラベラが開示されている。
【0003】
一方、容器の外周面にラベルを取り付ける方法として、あらかじめ筒状に形成されたシュリンクフィルムを容器に被せ、熱を付与することにより収縮させるという方法もある。この方法によれば、容器の外形に合せてフィルムが収縮するので、容器の形状が複雑な場合や容器が変形している場合においても見栄えよくラベルを容器に取り付けることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えばペットボトル容器に飲料を充填する場合には、容器と飲料との両方を殺菌する必要がある。この場合には、飲料を殺菌可能な温度以上となるように加熱し、加熱した飲料をそのまま容器に充填することで、容器の殺菌も同時を行う「ホットパック」と呼ばれる手法が採用されることが多い。この手法によれば、ペットボトル容器に高温の飲料を充填することになるので、その熱でペットボトル容器が変形する場合がある。
また、飲料を充填した後に、さらにペットボトル容器に熱水を噴霧して殺菌する後殺菌工程においても、熱水による熱でペットボトル容器が変形する場合がある。
【0006】
従来、容器が変形している場合には、上述のごとくシュリンクフィルムを用いることにより見栄えのよいラベルの巻き付けが行われていた。しかし、この方法においては、シュリンクフィルムに熱を付与する工程が必要となるため、工程数の増加や消費エネルギーの増大を招来する。又、 円筒のラベルをボトルの上部から挿入する際に、ボトルとの接触抵抗に耐えうるだけの強度が必要となり、フィルムの薄肉化が困難であった。
【0007】
この点、特許文献1に記載されているようなロールラベラを用いれば、熱付与工程が不要となるため、工程数の増加や消費エネルギーの増大を抑制することができ、その結果、コストの低減を図ることができる。又、シュリンクフィルムを収縮させる時のようにラベルに大きな負荷が作用することもないので、ラベルの薄肉化も可能となる。
【0008】
しかしながら、上記変形の結果、容器の外周面が鉛直面に対して傾斜している場合に、特許文献1に記載のロールラベラを用いると、容器の傾斜面と移送ドラムの外周面とが平行とならずに、ラベルを貼り付ける際に歪みが生じる。ペットボトル容器自体の変形は看過できる程度のものであったとしても、ラベルの歪みに起因するずれが大きいと見栄えは大きく悪化し、商品価値を低下させるおそれがあった。
【0009】
上記問題を鑑みて、本発明は、容器の傾斜面に対しても見栄えよくラベルを貼り付けることが可能なラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るラベル貼付装置の特徴構成は、容器を連続的に搬送する容器搬送部と、前記容器搬送部を流れる前記容器の外周面にラベルを貼り付けるラベル貼付部と、前記ラベルを貼り付ける前の前記容器の外形を検出する検出部と、前記検出部で検出した外形に基づいて、前記容器の外周面のうち前記ラベルの貼付開始箇所の鉛直面からの傾斜量を演算し、前記傾斜量に基づいて、前記貼付開始箇所と前記ラベルとが前記ラベルの貼付開始時に平行となるように、前記ラベル貼付部を傾斜させる傾斜補正制御を行う制御部と、を備えた点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、容器の外周面のうちラベルの貼付開始箇所とラベルとが、ラベルの貼付開始時に平行となるように傾斜補正制御を実行する。従って、仮に貼付開始箇所が鉛直面から傾斜していたとしても、ラベルを貼付開始箇所に当て付ける力が均一となるので、接着力が均一に発生し、ラベルが歪んだ状態で容器の外周面に貼り付けられることを抑制できるのでラベルのずれを抑制することができ、見栄えよくラベルを貼り付けることが可能となる。
【0012】
この場合、前記検出部が、前記ラベルを貼り付ける前の前記容器の外形を撮影する撮像部であり、前記制御部が、前記撮像部で撮影した画像に基づいて、前記傾斜量を演算し、前記傾斜量に基づいて前記ラベル貼付部を傾斜させる傾斜補正制御を行うと好適である。
【0013】
また、前記容器に貼り付けられた前記ラベルの始端部と終端部とを含む領域を検出する第2検出部を備え、前記制御部は、前記第2検出部で検出した領域に基づいて、前記始端部と前記終端部とのずれ量を演算し、前記ずれ量に基づいて前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行うと好適である。
【0014】
容器の外周面のうちラベルの貼付開始箇所とラベルとがラベルの貼付開始時に平行となるように傾斜補正制御を実行しても、搬送される容器の変形特性が徐々に変化する場合には、そのうちに傾斜補正制御の効果が小さくなり、ラベルが歪んでくるおそれがある。他にも画像処理の際の誤差や装置の組み付け誤差など様々な要因により、傾斜補正制御を実行しているにもかかわらず、ラベルが歪んで貼り付けられるおそれがある。
【0015】
そこで、本特徴構成のごとく、ラベルを貼り付けた時の歪みをラベルの始端部と終端部とのずれ量として評価し、ずれ量に基づいてラベルの貼付開始箇所とラベルとが平行となるようにフィードバック制御を行うと、より確実にラベルの見栄えを良好なものとすることができる。
【0016】
この場合、前記第2検出部が、前記容器に貼り付けられた前記ラベルの始端部と終端部とを含む領域を撮影する第2撮影部であり、前記制御部が、前記第2撮影部で撮影した画像に基づいて、前記始端部と前記終端部とのずれ量を演算し、前記ずれ量に基づいて前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行うと好適である。
【0017】
又、前記制御部は、連続して搬送される複数の前記容器についての前記ずれ量の平均値に基づいて、前記傾斜補正制御のフィードバック制御を行うと好適である。
【0018】
工業製品の生産工程においては製品をロット毎に管理することが多く、その場合、製品の品質等もロット毎に同様の傾向を示すことが多い。従って、本特徴構成のごとく、複数の容器についてのずれ量を求め、その平均値に基づいてフィードバック制御を行うようにすると、同一ロットにおけるずれ量の特性を把握しやすく、フィードバック制御を適正に行うことが可能となる。即ち、1つの容器についてのずれ量に基づいてフィードバック制御を行うと、この1つの容器が例外的な要因により同一ロットの他の容器と異なる傾向を示す場合には、フィードバック制御が意味をなさなくなってしまうが、本特徴構成によれば、このような危険性を回避することができる。
【0019】
又、前記制御部は、連続して搬送される複数の前記容器についての前記傾斜量の平均値に基づいて、前記傾斜補正制御を行うと好適である。
【0020】
本特徴構成によれば、前特徴構成と同様に、1つの容器についての傾斜量に基づいて傾斜補正制御を行うと、この1つの容器が例外的な要因により同一ロットの他の容器と異なる傾向を示す場合には、傾斜補正制御が意味をなさなくなってしまうが、本特徴構成によれば、このような危険性を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るラベル貼付装置の全体図である。
【
図2】ラベル貼付装置の主要部を示す概略図である。
【
図4】非変形容器へのラベルの貼り付けを説明する図である。
【
図5】ずれがない場合のラベルの始端部と終端部を示す拡大図である。
【
図6】変形容器へのラベルの貼り付けを説明する図である。
【
図7】ずれがある場合のラベルの始端部と終端部を示す拡大図である。
【
図8】ずれがある場合のフィードバック制御を示す説明図である。
【
図9】傾斜補正制御及びフィードバック制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るラベル貼付装置の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態のラベル貼付装置1は、矩形断面を有するペットボトル容器(以下、単に「容器」と称する)PにラベルLを貼り付けるものである。しかし、本発明に係るラベル貼付装置はこれに限らず、断面形状が矩形以外の容器にも適用可能であるし、素材がペットボトル以外の容器にも適用できるものである。
【0023】
図1はラベル貼付装置1の全体図である。前の工程において殺菌可能な温度以上に加熱された飲料を充填された容器Pは、供給コンベア2によって所定の間隔を空けて連続的に搬送され、入口スターホイール3に引き渡される。入口スターホイール3は、受け取った容器Pを回転搬送して回転体4に供給する。回転体4の周縁部に配置された容器Pは回転体4上を自転しながら公転し、第1カメラ13(本発明における「検出部」の一例)はラベルLが貼り付けられる前の容器Pの外形を撮影する。第1カメラ13による撮影画像は、後述するように容器Pのラベル貼付開始箇所の鉛直面からの傾斜量を演算するために用いられる。
【0024】
回転体4の搬送経路のうち第1カメラ13の設置箇所よりも下流側において、ラベルLが貼付ドラム11によって貼り付けられる。ラベルLが貼り付けられた容器Pは、第2カメラ14(本発明における「第2検出部」の一例)によって撮影され、その撮影画像に基づいて良品か不良品かが判定される。回転体4から出口スターホイール5に引き渡された容器Pが良品の場合には良品排出コンベア6によって、不良品の場合には不良品排出コンベア7によって搬送され、それぞれ次の工程に送られる。又、後述するように、第2カメラ14による撮影画像は、フィードバック制御を実行するためにも利用される。
【0025】
ラベルLは、複数のローラ8を介して供給される所定幅の帯状ラベルLoが、カッタ9によって所定長さに切断されたものである。所定長さに切断されたラベルLは、受渡しドラム10を介して貼付ドラム11に引き渡される。貼付ドラム11の外周面には、円周方向に等間隔で複数のラベル保持部11aが設けられている。ラベル受渡し位置Aにおいて受渡しドラム10からラベル保持部11aにラベルLが引き渡されるように、受渡しドラム10と貼付ドラム11とは同期回転している。貼付ドラム11のラベル受渡し位置Aよりも下流側のラベル搬送経路の外側にメルトガン12が設置されており、メルトガン12から吐出された糊が、貼付ドラム11のラベル保持部11aに保持されているラベルLに塗布される。糊が塗布されたラベルLは、ラベル貼付位置Bにおいて、回転体4によって搬送されてきた容器Pの外周面に貼り付けられる。
【0026】
図2は、ラベル貼付装置1の主要部を示す概略図である。
図2に示すように、ローラ8、カッタ9、受渡しドラム10、貼付ドラム11及びメルトガン12は、1つの載置台15の上に配設されている。載置台15の下部には第1モータ16及び第2モータ17が設けられており、第1モータ16及び第2モータ17にそれぞれ連結されたロッド18及び19は、第1モータ16及び第2モータ17の駆動によって伸縮可能である。ロッド18及び19の上端は載置台15の下面と連結されており、第1モータ16又は第2モータ17の駆動によりロッド18又は19が伸縮し、載置台15を傾斜させることにより、貼付ドラム11の外周面を鉛直面に対して傾斜させることができる。尚、載置台15に載置させる部材の組み合わせは
図2に示したものに限定されず、他の部材を載置してもよいし、帯状ラベルLo及びラベルLがねじれないように貼付ドラム11を傾斜させることができるのであれば一部の部材を載置台15以外の場所に配置してもよい。
【0027】
図3は、ラベル貼付装置1が備える制御部20の構成を示すブロック図である。制御部20は、第1カメラ13及び第2カメラ14による撮影画像を取り込んで処理を行う画像処理部21を備えている。第1カメラ13の撮影画像を画像処理部21によって処理した結果は傾斜量演算部22に送られ、容器Pのラベル貼付開始箇所の鉛直面からの傾斜量が演算される。一方、第2カメラ14の撮影画像を画像処理部21によって処理した結果はずれ量演算部23に送られ、容器Pに貼り付けられたラベルLの始端部と終端部とのずれ量が演算される。そして、これら傾斜量又はずれ量に基づいて、容器Pのラベル貼付開始箇所と貼付ドラム11の外周面とが平行となるように、第1モータ16及び第2モータ17を駆動させるべき量をモータ駆動量算出部24によって算出し、その結果を、モータ駆動指令部25を介して第1モータ16及び第2モータ17に駆動信号として送る。尚、制御部20が有する各機能部の機能は、マイクロプロセッサ等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアとが協働することにより実現される。各機能部は、機能としての分担を示すものであり、必ずしも物理的に独立して構成される必要はない。
【0028】
図4は、変形が生じていない非変形容器PへのラベルLの貼り付けを説明する図であり、a図は容器Pと貼付ドラム11の位置関係を示した側面図、b図は容器Pと貼付ドラム11の位置関係を示した平面図、c図及びd図はラベルLを貼り付けた容器Pの側面図である。容器Pの側面は、ラベルLの貼付開始箇所となる側面Paと、側面Paよりも幅の大きな側面Pbとからなる。又、
図5は、容器Pの外周面に貼り付けたラベルLの始端部Lsと終端部Leを示す拡大図であり、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとにずれが生じない場合を示している。
図5において斜線を付している部分は、メルトガン12により糊が塗布されている部分を示す。
【0029】
容器Pに変形が生じておらず、ラベルLの貼付開始箇所となる側面Paが鉛直面から傾斜していなければ、
図4のa図に示すように貼付ドラム11を傾斜させずに、その外周面が鉛直となるように保持すれば、側面Paと貼付ドラム11の外周面とは平行となり、ラベルLを問題なく貼り付けることができる。尚、ここでは、
図5に示すように、ラベルLの始端部Ls及び終端部Leのみに糊が塗布されており、容器Pの周囲にラベルLを巻き付けた際にはラベルLの始端部Lsの端と終端部Leの端とがちょうど一致する形態を示しているが、ラベルLの貼り付け方はこれに限られるものではない。例えば、ラベルLの全面に糊を塗布してもよいし、ラベルLを容器Pの周囲に巻き付けた際に、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとが一部重なってもよいし、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとが多少離間しても構わない。
【0030】
図6は、変形が生じた変形容器PへのラベルLの貼り付けを説明する図であり、a図は容器Pと貼付ドラム11の位置関係を示した側面図、b図及びc図はラベルLを貼り付けた容器Pの側面図である。容器Pは、ラベルLの貼付開始箇所となる側面Paが上下方向の中間部において幅広となり、もう一方の側面Pbが上下方向の中間部において幅狭となり、周長はどの断面においても同じとなるように変形しているものとする。そして、このような変形の結果、ラベルLの貼付開始箇所となる側面Paが鉛直面からαだけ傾斜しているものとする。又、
図7は、容器Pの外周面に貼り付けたラベルLの始端部Lsと終端部Leを示す拡大図であり、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとにずれ量dが生じている場合を示す。ここで、ずれ量とは、ラベルLの始端部Lsの下辺(又は上辺)と終端部Leの下辺(又は上辺)との距離を指す。
図7において斜線を付している部分は、メルトガン12により糊が塗布されている部分を示す。
【0031】
貼付ドラム11を
図4のa図に示すように傾斜させない状態で、ラベルLを
図6のように傾斜した容器Pの側面Paに貼り付けようとすると、ラベルLの下部を側面Paに当て付ける力は、ラベルLの上部を側面Paに当て付ける力に対して相対的に小さくなる。即ち、ラベルLの上部の側面Paに対する接着力に比べて下部の接着力が弱くなる。その結果、ラベルLを巻き付ける際に、接着力の弱い下部が剥がれ、
図7に示すように接着力の強い上部を中心に、ラベルLの下部が巻き付け方向(
図7において始端部Lsから右方向)に引っ張られて歪み、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとが一致せずに見栄えの悪いものとなる。
【0032】
そこで、本実施形態に係るラベル貼付装置1は、ラベルLを貼り付ける前の容器Pの外形を第1カメラ13で撮影し、その撮影画像を画像処理部21で処理し、さらに、その処理結果を用いてラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paの鉛直面からの傾斜量αを傾斜量演算部22で求めることができるように構成されている。容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とが平行となるように、貼付ドラム11をαだけ傾斜させるのに必要な第1モータ16及び第2モータ17の駆動量はモータ駆動量算出部24で計算される。その結果を伝達する駆動信号がモータ駆動指令部25から第1モータ16及び第2モータ17に送られ、ロッド18及び19が伸縮して載置台15が傾斜する。その結果、貼付ドラム11がαだけ傾斜し、貼付ドラム11の外周面と容器Pの側面Paとが平行となる傾斜補正制御が完了する。
【0033】
ラベルLの貼付開始時に、ラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とが平行であれば、ラベルLを側面Paに当て付ける力が上下方向において均一となるので、接着力が均一に発生し、ラベルLを巻き付ける際に生じる歪みを抑えることができる。特に、ここで示した容器Pは、周長はどの断面においても同じとなるように変形しているので、ラベルLの貼付開始時に、ラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とが平行であれば、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとが一致するようにラベルLを貼り付けることができ、見栄えのよいものとなる。又、仮に、容器Pの変形の結果、周長が断面によって異なるとしても、少なくともラベルLの貼付開始時に、ラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とが平行であれば、接着力が上下方向に均一となるので、接着力にムラが生じる場合と比べて、見栄えを改善することが可能である。
【0034】
図8は、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとにずれがある場合のフィードバック制御を示す説明図である。傾斜補正制御によって、ラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とが平行となるように、制御部20によって貼付ドラム11をαだけ傾斜させるように制御したとしても、画像処理の際の誤差や装置の組み付け誤差など様々な要因により平行となっていない場合がある。ここでは、例えば、
図8において二点鎖線で示すように、貼付ドラム11が実際にはα―βしか傾斜しておらず、貼付ドラム11の外周面と容器Pの側面Paとの距離が下方ほど大きくなっており、平行となっていない場合について説明する。このような場合には、ラベルLの下部を側面Paに当て付ける力が、ラベルLの上部を側面Paに当て付ける力に対して相対的に小さくなり、
図7と同様のずれが発生する。
【0035】
傾斜補正制御を実行したにもかかわらず、ラベルLの始端部Lsと終端部Leとにずれ量dが発生している場合に、ずれを解消すべくフィードバック制御を実行すると好適である。具体的には、第2カメラ14による撮影画像を画像処理部21で処理し、その処理結果を用いてずれ量演算部23によってずれ量dを演算する。そして、ずれ量dに応じて貼付ドラム11を傾斜させるのに必要な第1モータ16及び第2モータ17の駆動量をモータ駆動量算出部24で計算する。駆動信号がモータ駆動指令部25から第1モータ16及び第2モータ17に送られ、ロッド18及び19が伸縮して載置台15が傾斜し、貼付ドラム11がさらにβだけ傾斜すると、貼付ドラム11の外周面と容器Pの側面Paとが平行となる。
【0036】
図9は、本発明に係るラベル貼付装置1を用いた傾斜補正制御及びフィードバック制御の流れを示すフローチャートである。ここで、フローチャートのステップ#01〜#05の制御が傾斜補正制御であり、ステップ#06〜#10の制御がフィードバック制御である。又、ここでは容器Pはロット毎に管理されているものとして説明するが、このようにロット管理されている場合には、ロットが切り換わった直後に傾斜補正制御及びフィードバック制御を行うのが好適である。
【0037】
まず、第1カメラ13によってラベルLを貼り付ける前の容器Pを撮影し、その撮影画像に基づいてラベルLの貼付開始箇所となる容器Pの側面Paの鉛直面からの傾斜量αを演算する(#01)。そして、傾斜量αのサンプル数があらかじめ設定したn1個に達するまで、n1個の容器Pの側面Paの傾斜量αを演算する(#02、No)。傾斜量αのサンプル数がn1個に達すると(#02、Yes)、その平均値がゼロか否かを判断する(#03)。その結果、傾斜量αの平均値がゼロでなければ(#03、No)、容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とを平行にするために必要な第1モータ16及び第2モータ17の駆動量を計算する(#04)。そして、その結果に応じて第1モータ16及び第2モータ17を駆動し(#05)、貼付ドラム11を傾斜させて、貼付ドラム11の外周面と容器Pの側面Paとが平行となるように制御する。一方、傾斜量αの平均値がゼロであれば(#03、Yes)、ステップ#04、#05を省略する。
【0038】
このように、1つの容器Pから求めた傾斜量αに応じて傾斜補正制御を行うのではなく、複数の容器Pの平均値を用いることで、1つのロットにおいては同様に生じていると考えられる容器Pの変形を精度よく捉えることが可能となる。即ち、例外的な要因により同一ロット内の他の容器Pとは全く異なる変形を示している容器Pがある場合に、この容器Pのみに基づいて傾斜補正制御を行ってしまう危険性を排除することができる。尚、想定される傾斜量αの範囲をあらかじめ定めることができる場合には、例えば、その範囲を超えた傾斜量αは例外的な要因が作用しているものと判断し、サンプルから除外することも有効である。例外的な要因の一例としては、回転体4の一部に凹凸があり、その凹凸部分に容器Pが載置される場合などが考えられる。
【0039】
次に、第2カメラ14によって容器Pに貼り付けられたラベルLの始端部Lsと終端部Leとを含む領域を撮影し、その撮影画像に基づいてラベルLの始端部Lsと終端部Leとのずれ量dを演算する(#06)。そして、ずれ量dのサンプル数があらかじめ設定したn2個に達するまで、n2個のずれ量dを演算する(#07、No)。尚、ここでサンプルとする容器Pは、ステップ#01〜#05の傾斜補正制御が反映されたものとすべきである。ずれ量dのサンプル数がn2個に達すると(#07、Yes)、その平均値がゼロか否かを判断する(#08)。その結果、ずれ量dの平均値がゼロでなければ(#08、No)、容器Pの側面Paと貼付ドラム11の外周面とを平行にするために必要な第1モータ16及び第2モータ17の駆動量を計算する(#09)。そして、その結果に応じて第1モータ16及び第2モータ17を駆動し(#10)、貼付ドラム11を傾斜させて、貼付ドラム11の外周面と容器Pの側面Paとが平行となるようにフィードバック制御する。一方、ずれ量dの平均値がゼロであれば(#08、Yes)、ステップ#09、#10は実施せずに制御を終了する。
【0040】
このように、1つの容器Pから求めたずれ量dに応じてフィードバック制御を行うのではなく、複数の容器Pの平均値を用いることで、1つのロットにおいては同様に生じていると考えられるずれの傾向を精度よく捉えることが可能となる。即ち、例外的な要因により同一ロット内の他の容器Pとは全く異なるずれの傾向を示している容器Pがある場合に、この容器Pについてのずれ量に基づいてフィードバック制御を行ってしまう危険性を排除することができる。
【0041】
[別の実施形態]
(1)上述の実施形態においては、第1モータ16及び第2モータ17を設ける構成としたが、モータを1つのみとして貼付ドラム11を傾斜させることも可能であるし、3つ以上のモータを設けて貼付ドラム11をあらゆる方向に傾斜させることができるように構成してもよい。
(2)上述の実施形態においては、傾斜量αやずれ量dの平均値がゼロでない場合には、傾斜補正制御やフィードバック制御を実行するものとしたが、傾斜量α及びずれ量dについて一定の許容範囲を設定し、許容範囲を超える場合に傾斜補正制御やフィードバック制御を実行するように構成してもよい。
(3)上述の実施形態においては、複数の容器Pについての傾斜量αやずれ量dを演算し、その平均値に基づいて第1モータ16及び第2モータ17の駆動量を算出するようにしたが、単一の容器Pについての傾斜量αやずれ量dに基づいて第1モータ16及び第2モータ17の駆動量を算出するように構成してもよい。
(4)傾斜補正制御を、容器Pごとに実行してもよい。即ち、第1カメラ13で全ての容器Pを撮影し、その撮影画像に基づいて、個々の容器Pに合わせて貼付ドラム11を傾斜させるように制御することも可能である。
(5)フィードバック制御を実行することは本発明の必須要件ではなく、傾斜補正制御のみを行うことも可能である。
(6)上述の実施形態においては、検出部及び第2検出部として第1カメラ13(撮像部)及び第2カメラ14(第2撮像部)を用いて容器の外形及びラベルの始端部と終端部とを含む領域を撮影し、撮像した画像に基づいて制御するものとしたが、検出部及び第2検出部はカメラに限定されない。検出部及び第2検出部を容器の外形及びラベルの始端部と終端部とを含む領域を検出できるセンサ等で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、連続的に搬送される容器の外周面にラベルを貼り付けるラベル貼付装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ラベル貼付装置
4 回転体(容器搬送部)
11 貼付ドラム(ラベル貼付部)
13 第1カメラ(検出部(撮影部))
14 第2カメラ(第2検出部(第2撮影部))
20 制御部
L ラベル
Ls 始端部
Le 終端部
P 容器
Pa 側面(貼付開始箇所)
α 傾斜量
d ずれ量