(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、メイン制御手段(遊技制御手段)50とサブ制御手段(演出制御手段)80とを備える。
【0025】
メイン制御手段50は、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものである。メイン制御手段50は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0026】
また、サブ制御手段80は、遊技中及び遊技待機中における演出の選択・出力等を制御するものである。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0027】
なお、サブ制御基板は、メイン制御基板の下位に属する制御基板である。そして、メイン制御手段50とサブ制御手段80とは電気的に接続されており、メイン制御手段50からサブ制御手段80に一方向で、演出の出力に必要な信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
【0028】
図1に示すように、メイン制御手段50の入力側(
図1中、左側)には、遊技者が遊技を進行するときに操作する操作スイッチであるベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
【0029】
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態では、いずれの遊技状態であってもメダルを3枚投入して遊技を行うように設定されており、ベットスイッチ40を操作することで、3枚のメダルが投入される。なお、これに限らず、1枚ベット用や2枚ベット用のベットスイッチ40を設けてもよい。
【0030】
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルが投入されると、それがセンサ等によって検知されるように構成されている。したがって、メダル投入口43からのメダルの投入は、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0031】
メイン制御手段50の出力側(
図1中、右側)には、3つのモータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0032】
また、
図1では図示しないが、各ストップスイッチ42は、半透明の樹脂材料によって略円盤状に形成されており、その背後(スロットマシン10の内部)には、ストップスイッチ42を照光するストップスイッチランプ(LED等)が設けられている。
【0033】
ストップスイッチ42の操作受付けが可能な状態、すなわち遊技者が通常遊技を進行するときに操作可能な状態であるときは、ストップスイッチランプは青色に点灯され、ストップスイッチ42の操作受付けが不可能な状態では、ストップスイッチランプは赤色に点灯される。したがって、遊技者は、ストップスイッチランプの点灯色を見ることで、そのストップスイッチ42の操作が可能であるか否かを判断することができる。
なお、擬似遊技では、ストップスイッチランプは、紫色に点灯されるが、この点については後述する。
【0034】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄表示領域が等間隔で配置されているとともに(図柄コマ数が21個)、各図柄表示領域にそれぞれ所定の図柄が表示されている。
【0035】
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックス34が設けられている。インデックス34は、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したかや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックス34を検知するためのセンサ35が設けられており、インデックス34がセンサ35を検知する(切る)と、リール31が所定位置を通過したことが検知される。
【0036】
また、リール31のインデックス34を検知した瞬間の基準位置上の図柄が予め記憶されている。これにより、インデックス34を検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。
【0037】
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
【0038】
なお、本明細書では、
図3中、左リール31の「RP」の図柄、中リール31の「スイカ」の図柄、及び右リール31の「チェリー」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「7」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「チェリー」の図柄、中リール31の「RP」の図柄、及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0039】
そして、左、中及び右リール31のそれぞれ表示窓11内の1図柄を通るラインが、1つの図柄組合せラインとなる。ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。
本実施形態では、図柄組合せラインのうち、10本が有効ラインに設定されている。ここで「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
【0040】
特に、中リール31の上段の図柄を通る有効ラインは、「上段(左リール31)」−「上段(中リール31)」−「上段(右リール31)」の1本である。また、中リール31の中段の図柄を通る有効ラインは、
図3に示す9本である。なお、中リール31の下段の図柄を通る有効ラインは設けられていない。
【0041】
そして、図柄組合せラインのうち、上記有効ライン以外は、無効ラインとなる。ここで、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0042】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数や遊技状態等に応じて設定されるが、本実施形態では、常に3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、常に10本が有効ラインとなる。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。また、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、図柄組合せラインのうち、有効ライン及び無効ラインの種類及び数を設定してもよい。
【0043】
さらに、
図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0044】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(後述するフリーズ中の演出画像、AT遊技中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報等(後述するAT遊技の遊技回数や獲得枚数等)を表示するものである。
【0045】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。
図4に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、その役の入賞となり、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く。)。
本明細書では、「いずれかの役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止する」ことを、「その役が入賞する」と称する。
【0046】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナスともいう。)が設けられている。MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるMB遊技に移行する。
【0047】
なお、他の特別役としては、BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
また、特別役の入賞によって移行する特別遊技には、通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技と、メダルの増加を目的としない特別遊技とを有する。
ここで、本実施形態のMBは、MBに当選している遊技状態を作り出すことを目的とするものであり、MBを入賞させてMB遊技に移行させ、そのMB遊技で遊技者のメダルを増加させることを直接の目的とするものではない。
【0048】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、大別して小役1〜小役3を備えており、各小役ごとに所定の図柄の組合せが設定されている。なお、小役1及び小役3Aにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味している。
また、小役3は、小役3A〜小役3Cの3種類を備える。ここで、小役3B及び小役3Cは、ストップスイッチ42の押し順に応じて、小役3Aである「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せをどの有効ラインに停止させるかを制御するための「制御役」としての役割を有する小役であり、入賞を本来の目的とするものではない。この点については後述する。
【0049】
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
さらに、
図4において、「特定図柄」とは、抽選される役に対応する図柄の組合せではないが、後述するフリーズ期間中における擬似遊技でのリール変動時(後述)に仮停止する場合がある図柄の組合せである。
【0050】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるMBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0051】
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0052】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0053】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。メイン制御手段50(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する(後述するフリーズの実行時を除く)。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向(
図3中、図柄が上段から下段に移動する方向)に移動表示される。
【0054】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42の操作受付けが有効となっているときにストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。メイン制御手段50(具体的にはリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(すなわち、その役の入賞時)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0055】
ここで、本実施形態では、メイン制御手段50側で制御する遊技状態として、一般遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態では、MB遊技に相当する。また、「一般遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非内部中遊技及び内部中遊技が設けられている。
さらに、内部中遊技のときは、AT遊技に移行するか否かの抽選を行い、非AT遊技/AT遊技間の移行を制御する。
また、サブ制御手段80側では、メイン制御手段50に同期させて、非AT遊技/AT遊技を制御する。
【0056】
ここで、AT(アシストタイム)遊技とは、遊技者にとって有利となる(有利な遊技結果を得るための)ストップスイッチ42の操作手順(押し順又は操作タイミング(有効ラインに狙う図柄等))を報知する遊技をいう。
したがって、AT遊技を実行する場合には、ストップスイッチ42の操作手順によって有利な遊技結果を得ることができる場合とできない場合とを設ける。そして、非AT遊技中は、偶然でしか有利な遊技結果を得ることができないが、AT遊技中は、遊技者は、報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、最も有利な遊技結果、例えば最も有利となる図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
なお、本実施形態のAT遊技は、押し順に係るものであり、当選した小役3Aに対応する図柄の組合せが最も有利な停止態様となるための押し順を報知する。
【0057】
また、遊技の種類として、通常遊技と擬似遊技とを有する。
「通常遊技」とは、上述した操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技である。
通常遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し、ストップスイッチ42が操作されたときに、後述の役抽選手段61による役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示するものである。
【0058】
これに対し、「擬似遊技」とは、本実施形態では、フリーズ期間中に実行される遊技である。ここで、「フリーズ期間」とは、(詳細は後述するが、)少なくとも1つの操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない(通常遊技の進行を一時停止状態にしている)期間である。すなわち、擬似遊技は、少なくとも1つの操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技である。
【0059】
図1に示すように、メイン制御手段50は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段50は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0060】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0061】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0062】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0063】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。
図5は、遊技状態ごとの抽選される役の種類と当選確率とを示す図である。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
先ず、非内部中遊技では、特別役であるMBを含め、全役が抽選される。これに対し、内部中遊技及びMB遊技中は、MBは抽選されない。すなわち、一旦MBに当選し、内部中になると、その入賞に基づくMB遊技が終了するまで、MBは抽選されない。
【0064】
また、
図5において、「+」とは、当該遊技で同時に重複当選することを意味している。例えば「小役3A+小役3B+小役3C」とは、これら3つの小役3A〜小役3Cが当該遊技で同時に重複当選することを意味する。
なお、本実施形態では例示していないが、例えば特別役(MB)と小役やリプレイが重複当選する場合や、複数種類のリプレイを設けるとともにこれらのリプレイが重複当選するように設定してもよいのはもちろんである。
【0065】
また、リプレイは、内部中遊技では、比較的高確率(本実施形態では、1/2.2)で当選するように設定されている。これに対し、非内部中遊技及びMB遊技では、1/7程度である。
【0066】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、MB、小役1、小役2、小役3A〜小役3C、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、小役1に当選したときは、小役1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
【0067】
また、上述したように、特別役以外の役の当選は持ち越されないので、当該遊技でこれらの役に当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aがオンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
【0068】
例えば、当該遊技でMBに当選したときは、MBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、MBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中遊技)で、小役3A+小役3Bに当選したときは、すでにオンであるMBに係る当選フラグ63aのほか、小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時にMBが非入賞のときは、MBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役3A及び3Bの当選フラグ63aはオフにされる。
このように、オンとなる当選フラグ63aの数は、1つに限られるものではない。
【0069】
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。
【0070】
なお、前遊技でのリール31の回転開始時から、当該遊技でのスタートスイッチ41が操作された時までの時間が4.1秒を経過していないときは、スタートスイッチ41の操作により役の抽選は行われるものの、スタートスイッチ41が操作された瞬間(直後)にリール31の回転は開始せず、上記4.1秒の経過後にリール31の回転が開始する。このように、スタートスイッチ41の操作時からリール31の回転が開始されるまでの時間を「ウエイト時間」という。
そして、本実施形態では、スタートスイッチ41の操作時に発生するウエイト時間と、後述するフリーズ期間とは、異なるものである。
【0071】
さらに、リール制御手段64は、通常遊技において、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0072】
例えば、リール制御手段64は、通常遊技において、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31を停止制御する。
【0073】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0074】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0075】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0076】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0077】
なお、上記の「ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまで」とは、通常遊技中において、ストップスイッチ42の操作受付けが有効になっていることが前提となる。したがって、ウエイト時間中やフリーズ期間中のように、ストップスイッチ42の操作受付けが無効となっているとき(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないとき)には、ストップスイッチ42が操作されても、リール31の停止制御は実行されないか、又は通常遊技時のように遊技結果を示す停止位置では停止しない。
【0078】
また、特別役及び小役又はリプレイの当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先し、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御される。したがって、特別役と小役又はリプレイとが重複入賞(当該遊技で同時に入賞)することはない。
【0079】
また、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。押し順の検知は、第1停止と第2停止とを検知して、左中右〜右中左の6択のうちのいずれであるかを検出してもよいが、本実施形態では、第1停止が左、中、又は右のいずれであるかを検出する。
【0080】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。具体的には、各停止位置決定テーブル65には、例えば1番の図柄(左リール31であれば「チェリー」)が中段(上段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0081】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
なお、後述するリプレイテーブルを除き、各停止位置決定テーブル65は、通常遊技で使用される。これに対し、リプレイテーブルは、通常遊技及び擬似遊技の双方で使用される場合がある。
【0082】
MBテーブルは、MB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でMBに当選したとき、又はMBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、かつストップスイッチ42の押し順に応じて、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0083】
図6は、当選役に対する、ストップスイッチ42の押し順と入賞役との関係を示す図である。
本実施形態のMBテーブルは、ストップスイッチ42が第1停止右であることを条件に、MBが入賞可能となるように設定されている。したがって、第1停止左又は中のときは、目押しが正確であっても、MBは入賞しないように設定されている。
【0084】
さらに、本実施形態では、非AT遊技中のストップスイッチ42の押し順は、第1停止左と定めておき、仮に遊技者が第1停止中又は右で操作したときは、ペナルティを課すように制御する。たとえば、非AT遊技中の第1停止中又は右のときは、所定遊技回数の間、AT遊技の抽選を行わないようにすることが挙げられる。
特に本実施形態では、AT遊技は、内部中遊技でのみ実行されるので、MB当選時の遊技がAT遊技である場合はない。したがって、MB当選時の遊技では、遊技者は、第1停止左でストップスイッチ42を操作するはずであるから、当選したMBが入賞する場合はない。
【0085】
さらに本実施形態では、内部中遊技では、小役3Aを含む重複当選とリプレイの当選とで、約96%を占めており、その他小役1及び小役2の当選で約2%を占めているので、非当選となるのは、約2%に設定されている。したがって、内部中遊技であっても、MBテーブルが用いられるのは稀であり、かつ、MBは上述したように第1停止右であることがMBの入賞の条件に設定されている。これにより、内部中遊技であってもMBが入賞するのは稀である。
なお、AT遊技中は、MBが入賞可能となった遊技(MBテーブルが用いられる遊技)では、第1停止左を遊技者に指示することで、MBの入賞を回避するように設定されている。
【0086】
小役1テーブルは、小役1(のみ)の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0087】
小役2テーブル、及びリプレイテーブルについても、小役1テーブルと同様である。すなわち、小役1テーブル中、「小役1」を、それぞれ「小役2」及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
なお、
図6に示すように、小役1、小役2及びリプレイについては、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、これらの当選役が入賞可能である。ただし、小役1、小役2及びリプレイの当選時の遊技であっても、非AT遊技中の第1停止中又は右は、ペナルティとなる。
【0088】
また、小役3A+3Bテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Bの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左」であるときは、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止中又は右」であるときは、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0089】
ここで、小役3Aの図柄の組合せは、「ANY」−「ベル」−「ANY」であり、中リール31の「ベル」の図柄が中段に停止すれば、(左及び右リール31の停止図柄にかかわらず)小役3Aの入賞となり、かつ小役3Aに対応する図柄の組合せが9本の有効ラインに停止したこととなる(
図3参照)。
これに対し、中リール31の「ベル」の図柄が上段に停止したときは、1本の有効ラインに停止したこととなる。
以上のように、本実施形態では、小役3Aが9本の有効ラインに停止する押し順が「正解押し順」であり、小役3Aが1本の有効ラインに停止する押し順が「不正解押し順」となる。
【0090】
さらに、本実施形態では、小役3Aの入賞時は、遊技者に対し、「ベル」図柄に係る小役が有効ラインに停止したことを一見して理解できるようにするために、いずれかの一直線状のラインに、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せを停止させるように、各リール31の停止位置が定められている。どのラインに「ベル」揃いを停止させるかは任意である。
【0091】
さらにまた、小役3A+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止中」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左又は右」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0092】
同様に、小役3A+3B+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3B+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A、小役3B及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止右」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左又は中」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0093】
なお、非AT遊技中は、第1停止左が前提であるので、小役3A+3C当選時、小役3A+3B+3C当選時には、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等がない限り、押し順正解にはならない。
【0094】
また、
図2に示すように、すべてのリール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、リール31の停止制御の範囲内において、常に、所望の位置に「ベル」の図柄を停止させることができる。よって、小役3Aを含む重複当選時には、リール制御手段64は、常に、所望の図柄組合せラインに、「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せを停止させることができる。
【0095】
なお、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール31の停止制御の範囲内において、所望の有効ラインに対象図柄を停止させることができること(常に入賞させることができること)を、「引込み率(PB)=1」という。これに対し、遊技者の目押しによらなければ有効ラインに対象図柄を停止させることができないこと(常に入賞させることができないこと)を、「PB≠1」という。
【0096】
また、
図2に示すように、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リプレイについても、小役3Aと同様に、「PB=1」である。
【0097】
さらにまた、すべての当選フラグ63aがオフであるときは、非当選テーブルが用いられる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。したがって、非当選テーブルは、特別役の内部中に用いられることはない。
【0098】
一方、特別役の内部中遊技において、小役若しくはリプレイに当選したとき、すなわちいずれか1つの特別役に係る当選フラグ63aと、少なくとも1つの小役又はリプレイに係る当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイを入賞させることを優先する停止位置決定テーブル65が用いられる。
そして、この停止位置決定テーブル65において、小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、特別役を入賞させるようにし、特別役も入賞させることができないときは、いずれの役も入賞しないようにリール31の停止位置が定められている。
【0099】
次に、擬似遊技中に用いられる停止位置決定テーブル65として、以下のものを備える。
擬似遊技中に用いられる停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフは無視される。すなわち、スタートスイッチ41の操作時に役の抽選が行われ、その役の抽選結果に基づいて当選フラグ63aがオン/オフされるが、当該遊技で擬似遊技が実行されるときは、当選フラグ63aのオン/オフの状態にかかわらず、擬似遊技中の停止位置決定テーブル65が用いられる。
なお、詳細は後述するが、擬似遊技中の図柄の停止位置は、「仮停止」位置であり、遊技の結果を示す停止位置ではない。
【0100】
まず、ハズレ目テーブルは、擬似遊技中において、後述するAT遊技の当選の可能性(チャンス)がない又は極めて低いことを意味するハズレ目を出現させるためのものであり、水平方向中段の図柄組合せラインに、「ベル」−「RP」−「ベル」を仮停止させるものである。さらに本実施形態では、どの図柄を仮停止させるかが事前に定められている。具体的には、左リール31は、
図2中、18番の「ベル」の図柄であり、中リール31は、
図2中、20番の「RP」の図柄であり、右リール31は、
図2中、20番の「ベル」の図柄である。
【0101】
ここで、ハズレ目テーブルを用いた場合において、左リール31の仮停止時に、たとえば14番の「ベル」の図柄が中段を通過する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、上述の最大4コマ移動で18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止させることができる。また、15番の「チェリー」〜18番の「ベル」の図柄が中段を通過する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときも、上記と同様に18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止させることができる。
【0102】
これに対し、たとえば19番の「BAR」の図柄が中段を通過する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、左リール31をほぼ1周させて(20コマ分だけ回転移動させて)18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止させる。20番〜21番、又は1番〜13番の図柄が中段を通過する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときも同様である。
このように、擬似遊技中に用いられる停止位置決定テーブル65(後述するリプレイテーブルを除く)は、最大4コマ移動に限られるものではない。中及び右リール31についても、左リール31と同様である。
【0103】
また、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を仮停止するまでのリール31の回転速度は、いかなるものであってもよい。たとえば、上述したように、19番の「BAR」の図柄が中段を通過する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、その時から18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止するまでの速度は、リール31が定速であるときの速度をできる限り維持して、たとえば17番の「RP」の図柄が中段に位置する瞬間まで定速を維持し、その後減速して18番の「ベル」を中段に仮停止させてもよい。
【0104】
あるいは、左ストップスイッチ42が操作された瞬間から、定速時よりも速度を低下させて(スロー回転させ)、18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止させてもよい。これとは逆に、左ストップスイッチ42が操作された瞬間から、定速時よりも高速にした後、減速させて18番の「ベル」の図柄を中段に仮停止させてもよい。
【0105】
また、特定図柄Aテーブルは、
図4に示した特定図柄A、すなわち「7」揃いを中段に仮停止させるように停止位置を定めたものである。特に本実施形態では、左、中、及び右リール31の16番の「7」の図柄を中段に仮停止させるように定められている。
「7」の図柄を仮停止するときの停止制御については、上記ハズレ目テーブルと同様である。すなわち、ストップスイッチ42が操作された瞬間から4コマ先以内に停止させるべき「7」の図柄が存在するときは通常遊技時と同様の停止制御によって「7」の図柄を仮停止させればよく、停止させるべき「7」の図柄がストップスイッチ42が操作された瞬間に5コマ以上離れた位置に存在する場合には、5コマ以上の移動制御を行って仮停止させる。
【0106】
特定図柄Bテーブルは、
図4に示した特定図柄B、すなわち「BAR」揃いを中段に仮停止させるように停止位置を定めたものである。特に本実施形態では、左リール31は19番の「BAR」の図柄、中リール31は10番の「BAR」の図柄、右リール31は6番の「BAR」の図柄を中段に仮停止させるように定められている。特定図柄Bテーブルが用いられるときの停止制御については、特定図柄Aテーブルと同様であるので説明を省略する。
【0107】
また、擬似遊技中で所定の条件を満たしたときは、通常遊技中のリプレイテーブルが用いられる。擬似遊技でリプレイテーブルが用いられたときは、いずれかの有効ラインに、「RP」−「RP」−「RP」の図柄の組合せを仮停止させる。したがって、擬似遊技でリプレイテーブルが用いられたときは、最大4コマの移動制御で(190ms以内で)リール31を仮停止させる。
なお、上述したように、すべてのリール31について、「RP」の図柄は「PB=1」で配置されているので、常に、いずれかの有効ラインに「RP」の図柄を停止させることができる。
【0108】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、各リール31の停止時ごとに、有効ラインに停止した図柄を判断する。また、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。停止図柄判断手段66は、例えばインデックス34を検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
【0109】
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0110】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0111】
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、MBに当選し、MBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、MBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からMB遊技を開始するように制御する。
【0112】
ここで、本実施形態のMB遊技は、払出し枚数が20枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、MB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が20枚以上となったと判断したときはMB遊技の終了条件を満たすと判断する。
なお、上述したように、当選したMBが入賞することは稀であるから、MB遊技が実行されることも稀である。
【0113】
遊技状態制御手段69は、一般遊技/特別遊技、一般遊技の非内部中/内部中の移行を制御する。
図7は、本実施形態の遊技状態の移行を説明する図である。
遊技状態制御手段69は、非内部中遊技においてMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。この内部中遊技は、当選したMBが入賞するまで継続する。そして、当選したMBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、MB遊技に移行する。MB遊技は、上述したMB遊技の終了条件を満たすまで継続する。そして、MB遊技が終了すると、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非内部中遊技に移行させる。
【0114】
なお、上述したように、MBは、押し順が第1停止右であることを条件として入賞可能となる。また、第1停止右はペナルティとしているので、遊技者は、第1停止左で遊技を進行する。このため、MBに当選しても、原則として、当選したMBが入賞することはない。したがって、MBの当選後は、MBが入賞しない状態、すなわち内部中遊技がずっと継続することとなる。
【0115】
また、MBの当選確率は任意に設定できるが、本実施形態では、比較的高確率(
図5の例では1/8)に設定されている。これにより、仮に、当選したMBが入賞してMB遊技に移行し、そのMB遊技が終了して非内部中遊技に移行すると、早期にMBに当選して内部中遊技となる。
【0116】
遊技状態制御手段69は、非内部中遊技及びMB遊技では、AT遊技を実行するか否かの決定を行わない。これに対し、遊技状態制御手段69は、MBに当選し、内部中遊技になったときは、AT遊技を実行するか否かの決定を行う。どのような契機でAT遊技を実行するか否かの決定を行うかについては、後述する。
【0117】
フリーズ制御手段70は、操作スイッチの操作(メダル投入口43から投入されたメダルの受付けを含む)を、所定時間受け付けないフリーズを制御するものである。
ここで、一般的に、「フリーズ(フリーズ演出、又はフリーズ動作ともいう。)」とは、遊技機(本実施形態ではスロットマシン10)の操作スイッチの機能を一時停止状態にすることをいう。
さらに、「操作スイッチの機能を一時停止状態にする」とは、操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことを指す。
【0118】
具体的には、ベットスイッチ40は、メダルを投入するときに遊技者が操作するスイッチであり、スタートスイッチ41は、リール31の回転を開始するときに遊技者が操作するスイッチであり、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。遊技結果は、リール31の停止時における有効ライン上に停止した図柄の組合せによって得られるものであり、リール31を停止させるためには、ストップスイッチ42の操作によってリール31を停止する必要がある。
【0119】
また、リール31を停止させるためには、その前提としてリール31の回転を開始する必要があるので、スタートスイッチ41の操作は、遊技結果を得るために必要な遊技者の操作である。さらにまた、ベットスイッチ40の操作は、前遊技でリプレイが入賞した場合を除き、リール31を回転させる前に必要な遊技者の操作であるので、上記と同様に、遊技結果を得るために必要な遊技者の操作である。
【0120】
したがって、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されない、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しない、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を示す位置で停止しないことは、操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことである。
【0121】
また、フリーズの態様としては、たとえば、
a)メダル投入口43から投入された遊技媒体(メダル)の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること、
b)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること、
c)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
【0122】
また、操作スイッチの機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を検知するセンサからの信号、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41又はストップスイッチ42の操作に基づき操作スイッチから送信される信号)の受付けを所定期間行わないことが挙げられる。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行うことや、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても受付け処理自体を行わないことが挙げられる。
【0123】
さらにまた、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受付けは行うが、受け付けた信号に基づいて実施する操作スイッチの制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させることが挙げられる。
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
【0124】
また、フリーズの終了条件としては、予め定めた所定時間が経過することによりフリーズを終了することが挙げられるが、所定時間の経過前であっても、メイン制御手段50に入力される各種操作信号によって途中でフリーズをキャンセルすることも考えられる。
この場合、単純にスタートスイッチ41の操作入力を受け付けることでフリーズをキャンセルすることが可能であり、あるいは、所定の操作手順(例えば、「スタートスイッチ41を5回操作する」、「ストップスイッチ42を、中、右、左の順で操作する」、「所定のタイミングに合わせてベットスイッチ40を操作する」等)を検知したことを条件にフリーズをキャンセルすることも可能である。
【0125】
特に本実施形態では、フリーズ制御手段70は、スタートスイッチ41の操作時に遊技が開始されるが、同時に、当該遊技でフリーズを実行するか否かが決定され、フリーズを実行するときは、所定時間、ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないフリーズを実行する。
さらに、上述したフリーズの解除は、所定時間を経過したとき、又は機能が有効になっていない操作スイッチの操作によって行われる。
さらに、このフリーズ期間中に、リール制御手段64は、リール変動(リール演出)を含む擬似遊技を実行する。
【0126】
以上より、基本的な遊技の流れとしては、
a)遊技の開始→フリーズを実行するか否かの決定→フリーズを実行しないときは通常遊技の開始、
b)遊技の開始→フリーズを実行するか否かの決定→フリーズを実行するときは擬似遊技の開始(同時に通常遊技の一時停止)→擬似遊技の終了(同時に通常遊技の開始(又は再開))
となる。
【0127】
擬似遊技制御手段71は、
図7に示すように、内部中遊技では、擬似遊技を行うか否かを抽選で決定する。なお、抽選で決定されることなく、擬似遊技が行われた後、擬似遊技が連続する場合もある。そして、擬似遊技の抽選に当選したときは、擬似遊技制御手段71は、擬似遊技を実行する。さらに、擬似遊技の擬似遊技結果に応じて、AT遊技を実行するか否かの決定(抽選)が行われる。AT遊技を実行することに決定したときは、フリーズ制御手段71は、AT遊技が実行される旨のフリーズ演出(AT開始フリーズ)を行い、AT遊技を開始する。そして、AT遊技の所定の遊技回数を消化したときは、AT遊技を終了するように制御する。
【0128】
ここで、本実施形態の「擬似遊技」は、フリーズ期間中に行われるので、擬似遊技中は、常にフリーズ期間中である。
一般遊技において、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転開始及び役の抽選が行われるが、同時に、擬似遊技を実行するか否かの抽選が行われ(上述のように、事前に擬似遊技を行うことに決定されている場合もある)、擬似遊技を実行することに決定したときは、フリーズを実行するように制御する。したがって、本実施形態では、擬似遊技の実行時には同時にフリーズを実行することに決定されるので、フリーズを実行するか否かを単独で抽選することは行わない。
【0129】
しかし、これに限らず、最初にフリーズを実行するか否かを抽選等で決定し、フリーズを実行することに決定したときはフリーズを実行するとともに、このフリーズ期間中に擬似遊技を実行するようにしてもよい。
すなわち、
a)擬似遊技を実行するか否かの決定(抽選等)のみを行い、フリーズを実行するか否かの決定(抽選等)を単独で行わない場合、
b)フリーズを実行するか否かの決定(抽選等)のみを行い、擬似遊技を実行するか否かの決定(抽選等)を行わない場合、
c)フリーズの実行及び擬似遊技の実行の双方を決定(抽選等)する場合
のいずれであってもよいが、本実施形態では、擬似遊技を実行するか否かを決定する。
なお、擬似遊技を実行するか否かは、擬似遊技を実行するか否かの抽選に限らず、役抽選手段61による役の抽選結果や、前回遊技で停止した図柄の組合せ(擬似遊技を実行する図柄の組合せに相当するか否か等)によって決定することも可能である。
【0130】
スタートスイッチ41が操作され、擬似遊技を実行することに決定したときは、フリーズが実行されるので、ストップスイッチ42は、その機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示す位置でリール31が停止しない。
【0131】
しかし、擬似遊技が実行されたときは、リール31は既に回転中である。そして、遊技者がストップスイッチ42を操作すると、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42の操作時は左リール31)を仮停止するように制御する。
【0132】
このようにして、擬似遊技においてすべてのリール31が仮停止した後は、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、擬似遊技(フリーズ期間)を終了するとともに、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自ら擬似遊技(フリーズ期間)を終了する操作である。また、リール31の再変動は、後述するランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動のタイミングをばらばらにする制御を行う。
【0133】
また、本実施形態では、擬似遊技が2回にわたって連続で実行される場合がある。この場合、1回目の擬似遊技の終了後、遊技者がスタートスイッチ41を操作することで、2回目の擬似遊技を開始するためのリール31の再変動が行われる。したがって、この再変動時のスタートスイッチ41の操作は、擬似遊技中に係る操作であるので、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作である。
【0134】
図8は、擬似遊技(フリーズ期間)と通常遊技との関係を示すタイムチャートである。まず、
図8(a)は、擬似遊技が1回実行される場合の例である。
図8(a)において、スタートスイッチ41が操作され、リール31の回転が開始されると、スタートスイッチ41の操作と同時に擬似遊技が実行されるので、実際には通常遊技は開始されず、フリーズ期間及び擬似遊技が開始される。そして、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が仮停止する。全リール31が仮停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、擬似遊技及びフリーズ期間を終了し、リール31の再変動を行うことで通常遊技を開始する。
【0135】
また、
図8(b)は、擬似遊技が2回連続で実行される場合の例である。
1回目の擬似遊技において全リール31が仮停止した後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると(この期間は、フリーズ期間中であるので、実際にはスタートスイッチ41の機能は遊技結果を得るためのものとして有効になっていない)、2回目の擬似遊技の開始のために全リール31が回転する。そして、1回目の擬似遊技と同様に、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が仮停止する。全リール31が仮停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、擬似遊技及びフリーズ期間を終了し、リール31の再変動を行うことで通常遊技を開始する。
【0136】
なお、スタートスイッチ41の操作後に擬似遊技を実行するか否かの決定(抽選等)が行われ、擬似遊技を実行することに決定されたときは、擬似遊技が開始されるので、スタートスイッチ41を操作した瞬間から擬似遊技が開始されるまでの間のわずかな時間(プログラムの処理に要する時間)は、通常遊技中であると解釈することもできる。この場合、擬似遊技が終了して通常遊技に移行したときは、そのときに通常遊技が開始されるのではなく、通常遊技の再開と解釈することもできる。
【0137】
図9は、擬似遊技において、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、ストップスイッチランプ、及びリール31の状態を示すタイムチャートである。
スタートスイッチ41がオフからオンにされると、第1〜第3リール31(全リール31)は、停止状態から加速域を経て、定速状態となる。全リール31が定速状態になると、各リール31に対応する各ストップスイッチランプは、それまでの赤色から紫色に変化する。ストップスイッチランプは、赤色のときはストップスイッチ42の操作を受け付けない状態を遊技者に報知し、紫色のときは、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を得るためのものとして有効になっていないが、擬似遊技においてリール31を仮停止可能な状態であることを遊技者に報知するものである。
【0138】
そして、第1ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第1リール31が仮停止するまでの間は、全ストップスイッチランプが赤色にされる。第1リール31は、第1ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第1リール31は、揺れ変動(後述)を伴って停止する。
第1リール31が仮停止すると、第2及び第3ストップスイッチランプは、再度、紫色にされる。
【0139】
次に第2ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第2リール31が仮停止するまでの間は、第2及び第3ストップスイッチランプが赤色にされる。第2リール31は、第2ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第2リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
第2リール31が仮停止すると、第3ストップスイッチランプは、再度、紫色にされる。
【0140】
さらに次に第3ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第3ストップスイッチランプが赤色にされる。第3リール31は、第3ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第3リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
【0141】
全リール31が(揺れ変動を伴って)仮停止した後、スタートスイッチ41が操作されると、その時点で擬似遊技(及びフリーズ期間)を終了し、通常遊技を開始する。これにより、各リール31がランダム遅延によって変動(回転)を開始する。
図9の例では、第3リール31、第2リール31、第1リール31の順にリール31の変動(加速域を経て、定速状態になること)を開始する。全リール31が定速状態になると、全ストップスイッチランプは青色にされる。ストップスイッチ42ランプが青色になることによって、ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になったことを遊技者に報知する。
なお、ストップスイッチランプの点灯色については、種々設定することが可能である。通常遊技では、上記のようにストップスイッチ42の操作を受け付けないときは赤色、操作を受け付けるときは青色とし、擬似遊技では、ストップスイッチ42の操作を受け付けないときは緑色、操作を受け付けるときは紫色、等としてもよい。
【0142】
図1に示すように、擬似遊技制御手段71は、揺れ変動制御手段71aを備える。
図10は、擬似遊技での仮停止である揺れ変動の具体的態様を順を追って示す図である。
図10では、(a)→(b)→(c)→・・・→(h)が時系列の流れである。
なお、仮停止時の揺れ変動は、実際には、リール制御手段64によるモータ32の制御によって行われる。
【0143】
図10の例では、上述したハズレ目テーブルを用いてリール31を仮停止する例を示している。
疑似遊技において左ストップスイッチ42が操作されると、
図10(a)に示すように、左リール31が仮停止する。左リール31の仮停止時には、上述したように
図2中、18番の「ベル」が中段に停止する。
【0144】
次に、同図(b)に示すように、仮停止した左リール31は、モータ32を所定ステップ数だけ駆動して、図柄を(a)の位置よりもやや下方向に移動させる。このときの移動量は任意であるが、中段の「ベル」が、下段の中央位置には到達しない程度の量である。
図柄を下方向に移動させた後は、再度、図柄を上方向に移動させ、同図(c)の位置、すなわち同図(a)と同様に、「ベル」の図柄が中段の中央に位置するまで移動させる。
【0145】
さらにこの状態から、同図(d)に示すように、今度は、同図(b)と略対称位置になるまで、図柄を上方向に移動させる。
この状態から、次に、同図(e)のように、再度、同図(a)の状態まで戻す。このようにして、同図(a)〜(e)の繰り返しを行うことで、図柄の上下方向の移動を繰り返す。これが本実施形態の「揺れ変動」である。また、揺れ変動は、他のリール31の回転や仮停止の有無にかかわらず、終了条件を満たすまで継続する。
【0146】
同図(e)のときに、中ストップスイッチ42が操作されると、中リール31は、
図2中、20番の「RP」の図柄が中段で仮停止するように制御する。
そして、中リール31についても、仮停止させた後は、左リール31と同様に揺れ変動を実行する。
ここで、後から仮停止したリール31(この例では中リール31)についての揺れ変動は、既に仮停止しているリール31(この例では左リール31)についての揺れ変動と同期するように、すなわち同一のタイミングで動作させる。
【0147】
たとえば、遊技中、スロットマシン10の電源が投入されている間、又は擬似遊技の実行中等に、一定の周期を有して一定時間ごとに値が更新され続けるカウンターを設けておく。そして、このカウンターは、たとえば0.1〜2.0秒程度で「1」ずつ数値が更新されるものとする。
ここで、
図10において、(a)の仮停止位置を「中央」、(b)の仮停止位置を「下」、(d)の仮停止位置を「上」とすると、最初に左リール31を中央に仮停止させた後、次にカウンターの値が「1」更新された瞬間に、仮停止位置を「中央」から「下」に変化させる。
【0148】
その後、カウンターの値が「1」ずつ更新されるごとに、「下」→「中央」→「上」→「中央」→「下」→「中央」・・・の揺れ変動を繰り返す。また、左リール31が「中央」で仮停止した後、図柄が「下」に移動されるときのカウンターの値が「N」であるとき、その後に、カウンターの値が「N+4×k(k=1,2,・・・)」になったときに、左リール31の図柄が再度「中央」から「下」に移動されるタイミングとなる。よって、この「N」を記憶しておく。
【0149】
そして、
図10(e)に示すように中リール31が「中央」で仮停止したとき、その位置にてカウンターの値が「N+4k」となるまで、「中央」での仮停止を維持する。次に、カウンターの値が「N+4k」となったとき、中リール31の「中央」の仮停止位置を「下」に移動する。これにより、
図10(f)に示すように、左及び中リール31は、その後、同期して揺れ変動を行うようになる。
【0150】
さらに、右リール31についても同様に、「ベル」の図柄を中段に仮停止させた後は、カウンターの値が「N+4k」となるまでその位置で待機する。
図10(g)の例では、左及び中リール31の仮停止位置が「上」であるときに右リール31が仮停止した例を示している。
【0151】
そして、カウンターの値が「N+4k」となったとき、すなわち左及び中リール31の図柄が「中央」から「下」に移動するときに合わせて、右リール31についても図柄の位置を「中央」から「下」に移動させる(
図10(h))。その後は、カウンターの値に同期させて、揺れ変動を実行する。
これにより、すべてのリール31について、同一タイミングで揺れ変動を行うことが可能となる。
【0152】
続いて、通常遊技中において、擬似遊技を実行するか否かの決定(抽選)方法について説明する。
本実施形態では、遊技番号として、遊技番号0〜5を備え、通常遊技中において、擬似遊技を実行するか否かの抽選前は、遊技番号0、遊技番号4、又は遊技番号5のいずれかに設定されている。
【0153】
図11は、通常遊技中における遊技番号の当選確率を示す図である。たとえば、通常遊技中において遊技番号0のときは、毎遊技、遊技番号1〜遊技番号3がそれぞれ1/32の確率で当選する抽選が行われる。そして、遊技番号1〜遊技番号5のいずれかに当選すると、当該遊技で、擬似遊技が実行される。
なお、遊技番号の抽選は、スタートスイッチ41の操作直後に行われ、この抽選で遊技番号1〜5のいずれかに当選すると、当該遊技でフリーズ期間が設定されるとともに擬似遊技が実行される。
【0154】
図12及び
図13は、遊技番号1〜遊技番号5のときの擬似遊技中の仮停止動作等を示す図である。
擬似遊技では、ストップスイッチ42の押し順(最初に遊技者によって操作されたストップスイッチ42(第1ストップスイッチ42)が左、中又は右のいずれであるか)が検出されるとともに、その押し順に応じた仮停止動作が行われる。
まず、
図12において、遊技番号1のときは、いずれの押し順であっても、上述した「ベル」−「RP」−「ベル」からなるハズレ目を中段ラインに仮停止させる停止制御を行う。なお、仮停止は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31を仮停止させる。たとえば左ストップスイッチ42が操作されたときは、左リール31を仮停止させる。
【0155】
次に、擬似遊技が終了したときは、
図12中、「セット遊技番号」で示す遊技番号がセットされるとともに、「移行先」で示す遊技又は遊技番号に基づく動作が実行される。
たとえば、遊技番号1時に第1停止左であるときは、上述のハズレ目を停止させるとともに、遊技番号4をセットし、この擬似遊技の終了後、遊技番号4に基づく擬似遊技が再度実行される。また、遊技番号1時に第1停止中であるときは、上述のハズレ目を停止させるとともに、遊技番号5をセットし、この擬似遊技の終了後、遊技番号5に基づく擬似遊技が再度実行される。すなわち、
図8(b)で示したように、擬似遊技が2回連続で行われる。
【0156】
これに対し、遊技番号1時に第1停止右であったときは、ハズレ目で仮停止させるとともに、遊技番号0をセットし、通常遊技を開始する。すなわち、
図8(a)で示した流れとなる。
【0157】
また、擬似遊技中にストップスイッチ42の操作が有効時間内に行われなかったときは、擬似遊技を終了して通常遊技に移行する。有効時間内にストップスイッチ42が操作されなかったときは、回転中のすべてのリール31を自動停止させる。なお、この自動停止についても、通常遊技移行前の仮停止の1つである。
【0158】
図1において、自動停止カウンター71bは、このときの有効時間を計測するものである。まず、スタートスイッチ41が操作され、擬似遊技が開始されると、自動停止カウンター71bは、スタートスイッチ41の操作時からの時間を計測し、有効時間(本実施形態では、20秒)を経過したか否かを判断する。20秒を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター71bによる計測時間をクリアし、第1ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
【0159】
次に、この20秒の経過前に第2ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター71bによる計測時間をクリアし、第2ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。さらに次に、この20秒の経過前に第3ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター71bによる計測時間をクリアし、第3ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
【0160】
これに対し、スタートスイッチ41の操作時から第1ストップスイッチ42が操作されるまで、第1ストップスイッチ42の操作時から第2ストップスイッチ42が操作されるまで、第2ストップスイッチ42の操作時から第3ストップスイッチ42が操作されるまで、及び第3ストップスイッチ42の操作時からスタートスイッチ41が操作されるまでのいずれかの間に20秒を経過したときは、その時点で擬似遊技(及びフリーズ期間)を終了し(リール31の回転中に擬似遊技を終了するときは、回転中のリール31の自動停止を行い)、リール31のランダム遅延による再変動を自動で開始して通常遊技に移行する。
【0161】
たとえば、遊技番号1時において、いずれのストップスイッチ42も操作されることなく20秒を経過したときは、自動停止によってハズレ目を仮停止させる。自動停止におけるハズレ目の仮停止時の停止制御は、たとえば左、中、右リール31の順に仮停止させてもよく、あるいは、最短時間で仮停止させるものであってもよい。
【0162】
最短時間で仮停止するときは、20秒経過後、左リール31については18番の「ベル」の図柄が中段を通過する時点で仮停止させ、中リール31については20番の「RP」の図柄が中段を通過する時点で仮停止させ、右リール31については20番の「ベル」の図柄が中段を通過する時点で仮停止させる。したがって、右、左、中リール31等の順序で停止する場合もある。
【0163】
さらに、遊技番号1時に第1ストップスイッチ42が操作され、第1ストップスイッチ42に対応する第1リール31が仮停止した後、20秒を経過したときは、他の2つのリール31について自動停止を行う。同様に、2つのストップスイッチ42が操作され、2つのリール31が仮停止した後、20秒を経過したときは、残り1つのリール31について自動停止を行う。さらに同様に、全リール31を仮停止させた後、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、その時点で擬似遊技(及びフリーズ期間)を終了し、リール31のランダム遅延による再変動を(自動で)開始して通常遊技に移行する。
なお、擬似遊技中に少なくとも1つのリール31を自動停止したときは、その自動停止時からスタートスイッチ41が操作されるまで20秒を待つことなく、リール31の再変動を開始してもよい。
【0164】
また、遊技番号1時の第1停止左又は中のように、2回目の擬似遊技を実行する場合において、20秒を経過する前にスタートスイッチ41が操作されたときは、2回目の擬似遊技を行うが、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、その時点で2回目の擬似遊技を終了し、リール31のランダム遅延による再変動を自動で開始して通常遊技に移行する。
なお、擬似遊技を自動停止させたときは、
図12に示すように、遊技番号はクリアされる。
【0165】
図12において、遊技番号2時のときは、第1ストップスイッチ42が左、中又は右のいずれであっても、遊技番号1時と同様にハズレ目を仮停止させる。そして、第1停止中又は右であるときは、それぞれ遊技番号4又は遊技番号5に基づく2回目の擬似遊技が実行される。これに対し、第1停止左であるときは、遊技番号0をセットするとともに擬似遊技を終了して通常遊技に移行する。さらにまた、擬似遊技中の自動停止は、遊技番号1時と同様である。
【0166】
遊技番号3時のときは、第1ストップスイッチ42が左、中又は右のいずれであっても、遊技番号1時と同様にハズレ目を仮停止させる。そして、第1停止左又は右であるときは、それぞれ遊技番号5又は遊技番号4に基づく2回目の擬似遊技が実行される。これに対し、第1停止中であるときは、遊技番号0をセットするとともに擬似遊技を終了して通常遊技に移行する。さらにまた、擬似遊技中の自動停止は、遊技番号1時と同様である。
【0167】
図13において、遊技番号4時のときは、第1停止左又は中であるときは、上述した「7」−「7」−「7」を中段ラインに仮停止させる停止制御を行う。その後は、遊技番号0をセットし、通常遊技に移行する。
【0168】
これに対し、遊技番号4時の第1停止右であるときは、リプレイテーブルを用いて、いずれかの有効ラインに「RP」−「RP」−「RP」を仮停止させ、遊技番号4をセットするとともに、擬似遊技を終了して通常遊技に移行する。そして、この通常遊技の終了後、次遊技(通常遊技)の開始時には、
図11に示すように、3/32で遊技番号4が当選する遊技番号の抽選を行う。すなわち、遊技番号4時の第1停止右であるときは、遊技番号4がセットされるとともに擬似遊技を終了して通常遊技が開始されるので、遊技番号4がセットされたからといって遊技番号4に基づく擬似遊技が実行されるわけではない。
図12の遊技番号1時に、第1停止左であるときは、遊技番号4がセットされるとともにこの遊技番号4に基づいて2回目の擬似遊技が実行されるが、上記の場合には、遊技番号4がセットされつつ通常遊技に移行する。
【0169】
図13において、遊技番号5時の第1停止左又は中であるときは、上述した「BAR」−「BAR」−「BAR」を中段ラインに仮停止させる停止制御を行う。その後は、遊技番号0をセットし、通常遊技に移行する。また、第1停止右であるときは、リプレイテーブルを用いてリール31を仮停止し、遊技番号5をセットするとともに擬似遊技を終了し、通常遊技を開始する。
なお、遊技番号4時及び遊技番号5時のときの擬似遊技中に自動停止したときは、遊技番号1時と同様の制御を行う。
【0170】
なお、遊技番号4時において、第1停止左であったとき、「7」の図柄が中段に仮停止するが、第2ストップスイッチ42が操作されることなく20秒が経過したときは、中及び右リール31についてはハズレ目と同じ図柄を仮停止させる。したがって、この場合には、中段ラインには「7」−「RP」−「ベル」が停止する。
【0171】
同様に、遊技番号4時において第1停止左、第2停止中であったとき、第3ストップスイッチ42が操作されることなく20秒を経過したときは、右リール31についてはハズレ目と同じ図柄を仮停止させる。したがって、この場合には、中段ラインには「7」−「7」−「ベル」が停止する。
以上は、遊技番号5時の「BAR」揃いを仮停止させるときの自動停止についても同様である。
【0172】
図1において、ATメイン制御手段72は、擬似遊技における擬似遊技結果に基づいて、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。
特に本実施形態では、ハズレ目又は「RP」揃いの仮停止時、リール31の自動停止時には、AT遊技の抽選を行わない(あるいは、AT遊技の抽選自体は行うが当選確率を「0」に設定する)。
【0173】
また、「7」揃いが仮停止したときは、AT遊技を実行することに決定する(あるいは、100%の当選確率でAT遊技の抽選を行う)。
さらにまた、「BAR」揃いが仮停止したときは、50%の当選確率で、AT遊技を実行するか否かを抽選する。
なお、これに限らず、ハズレ目及びリプレイのときは、1%程度の確率でAT遊技に当選するようにし、「7」揃いのときは、95%程度の確率でAT遊技に当選するように設定してもよい。
【0174】
また、ATフリーズ発生手段72aは、AT遊技を開始する場合において、スタートスイッチ41が操作されたときに、ストップスイッチ42の操作を所定時間受け付けないフリーズ(AT開始フリーズ)を実行するように制御する。AT開始フリーズが実行されると、このAT開始フリーズ中は、ストップスイッチ42の操作が無効となる。
このAT開始フリーズの実行によって、AT遊技の開始を遊技者に知らせる。
【0175】
なお、当該遊技でAT開始フリーズが実行された場合であっても、スタートスイッチ41が操作されると、その信号がメイン制御手段50に入力され、そのタイミングで役の抽選が行われる。
次に、前記所定時間が経過してAT開始フリーズが解除されると、既にスタートスイッチ41の操作が行われているので、リール31の回転を開始する。したがって、前記所定時間の経過前にスタートスイッチ41の操作が行われたときは、遊技者は、AT開始フリーズの解除後に改めてスタートスイッチ41を操作する必要はない。仮に、遊技者が、AT開始フリーズの解除後に再度スタートスイッチ41を操作したとしても、その操作に基づいて役の抽選が行われたり、その操作でリール31の回転が開始されるわけではない。
【0176】
また、ATメイン制御手段72は、外端信号送信手段72bを備える。
ここで、
図1に示すように、メイン制御手段50は、外部端子基板100と電気的に接続され、メイン制御手段50から外部端子基板100に対して外端信号(AT遊技の実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技履歴表示装置やホールコンピュータ等に送信される。
【0177】
図14は、1遊技の開始時の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを検知し続ける。スタートスイッチ41が操作されたと判断されるとステップS12に進み、役抽選手段61は、役の抽選を行う。
【0178】
次のステップS13では、擬似遊技制御手段71は、遊技番号を選択する。たとえば、既に遊技番号4又は遊技番号5が移行先として設定されているとき(
図12中、遊技番号1時の第1停止左又は中時等)は、その遊技番号を選択する。これに対し、前遊技で通常遊技を終了したときは、
図11で示した遊技番号の抽選を行う。
【0179】
次のステップS14では、遊技番号4が選択されているか否かを判断する。遊技番号4が選択されていると判断したときは、ステップS15に進み、遊技番号4に基づく擬似遊技をセットする。そして、ステップS20に進み、自動停止カウンター71bは、20秒間(自動停止までの時間)の計測を開始する。本フローチャートでは、「0」まで逆算するカウンターを作動させる。そしてステップS21に進んで擬似遊技を開始する。なお、この擬似遊技の開始と同時に、フリーズが開始される。
【0180】
ステップS14において、遊技番号4が選択されていないと判断したときはステップS16に進み、遊技番号5が選択されているか否かを判断する。遊技番号5が選択されていると判断したときは、ステップS17に進み、遊技番号5に基づく擬似遊技をセットする。そして、ステップS20に進む。
【0181】
これに対し、ステップS16において遊技番号5が選択されていないと判断したときは、ステップS18に進む。ステップS18では、ステップS13における遊技番号の抽選において、遊技番号N(N=1〜5)に当選したか否かを判断する。遊技番号N(N=1〜5)に当選したと判断したときはステップS19に進み、遊技番号Nに基づく擬似遊技をセットする。そして、ステップS20に進む。
一方、ステップS18において遊技番号Nに当選していないと判断したときは、ステップS22に進んで通常遊技を開始する。
【0182】
図15は、擬似遊技における処理の流れを示すフローチャートである。
図14のステップS21に進むと、
図15のステップS31において、リール制御手段64は、全リール31の回転を開始する。次のステップS32では、リール制御手段64は、リール31の回転が定速に到達したか否かを判断し続ける。たとえば、リール31の回転開始時からの経過時間や、回転開始時からのモータ32のステップ数等を検知することで、定速に到達したか否かを判断する。
【0183】
リール31が定速に到達したと判断したときはステップS33に進み、擬似遊技制御手段71は、擬似遊技におけるストップスイッチ42の操作を受け付けるとともに、回転中のリール31に対応するストップスイッチランプを紫色に点灯させる。次にステップS34に進み、擬似遊技制御手段71は、自動停止カウンター71bが「0」になったか否かを判断する。自動停止カウンター71bが「0」でないと判断したときはステップS39に進み、自動停止カウンター71bが「0」であると判断したときはステップS35に進む。
【0184】
ステップS35では、擬似遊技制御手段71による制御によって、リール制御手段64は、回転中のすべてのリール31を自動停止(仮停止)させる。
次にステップS36に進み、擬似遊技制御手段71は、遊技番号をクリアするとともに、擬似遊技を終了するように制御する。これに伴い、フリーズも終了する。次のステップS37では、リール制御手段64は、全リール31の再変動(再始動)を行う。そしてステップS38に進んで通常遊技に移行する。
【0185】
ステップS34において自動停止カウンター71bが「0」でないと判断し、ステップS39に進むと、リール制御手段64は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し、ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS40に進み、ストップスイッチ42が操作されていないと判断したときはステップS34に戻る。
ステップS40では、擬似遊技制御手段71は、自動停止カウンター71bのカウント値を再セットする。
【0186】
次にステップS41に進み、擬似遊技制御手段71は、操作されたストップスイッチ42に係るストップスイッチランプを(紫色から)赤色に点灯させる。次のステップS42では、擬似遊技制御手段71による制御によって、リール制御手段64は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31を仮停止させる。すなわち、ハズレ目に係る図柄、「7」、「BAR」、又は「RP」の図柄の仮停止を行うとともに、仮停止後は、揺れ変動を実行する。
【0187】
次にステップS43に進み、擬似遊技制御手段71は、全リール31が仮停止したか否かを判断する。全リール31が仮停止していないと判断したときはステップS33に戻り、全リール31が仮停止したと判断したときはステップS44に進む。なお、全リール31が仮停止していないと判断してステップS33に戻ると、回転中のリール31(既に仮停止したリール31を除く)に対応するストップスイッチランプを紫色に点灯させる。
ステップS44では、停止図柄判断手段66は、仮停止した図柄の判定を行う。仮停止図柄には、上述したように、ハズレ目、「7」揃い、「BAR」揃い、リプレイを有する。次にステップS45に進み、
図12〜
図13に示すように、当該擬似遊技開始時の遊技番号及び当該擬似遊技でのストップスイッチ42の押し順に応じた遊技番号をセットする。
【0188】
次のステップS46では、ATメイン制御手段72は、AT遊技の抽選を行う。次のステップS47では、擬似遊技制御手段71は、擬似遊技の継続条件を満たすか否かを判断する。たとえば
図12中、遊技番号1時の第1停止左時は、擬似遊技の継続条件を満たすと判断し、遊技番号1時の第1停止右時は、擬似遊技の継続条件を満たさないと判断する。
【0189】
擬似遊技の継続条件を満たすときはステップS48に進み、擬似遊技の継続条件を満たさないと判断したときはステップS51に進む。
ステップS48では、擬似遊技制御手段71は、2回目の擬似遊技を開始させるスタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップSステップS50に進み、自動停止カウンター71bを再セットし、ステップS31に進む。
【0190】
これに対し、ステップS48でスタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS49に進み、擬似遊技制御手段71は、自動停止カウンター71bが「0」となったか否かを判断する。自動停止カウンター71bが「0」でないと判断したときはステップS48に戻り、自動停止カウンター71bが「0」であると判断したステップS36に進む。
【0191】
一方、ステップS51では、擬似遊技制御手段71は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS36に進み、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS52に進む。ステップS52では、擬似遊技制御手段71は、自動停止カウンター71bが「0」となったか否かを判断する。自動停止カウンター71bが「0」でないと判断したときはステップS51に戻り、自動停止カウンター71bが「0」であると判断したステップS36に進む。
【0192】
続いて、フリーズ期間(擬似遊技)の終了後のランダム遅延によるリール31の再変動について説明する。
<ランダム遅延の第1例>
リール制御手段64は、擬似遊技において全リール31を仮停止させたときは、各リール31の停止位置を記憶しておく。リール制御手段64は、上述したインデックス34の検知時に基準となる図柄が基準位置を通過したと判断するとともに、その位置からのモータ32のステップ数をカウントすることでリール31の現在位置を判断する。
【0193】
そして、擬似遊技(及びフリーズ期間)が終了すると、リール31を再変動するが、擬似遊技において仮停止をした状態から、擬似遊技の終了に伴ってリール31を一斉に再変動すると、擬似遊技で仮停止した相関位置関係を有したままでリール31が回転してしまうこととなる。
たとえば、擬似遊技で「7」−「7」−「7」が中段ラインに仮停止し、擬似遊技が終了してリール31を再変動すると、その相関位置関係が保持された状態で各リール31が回転し、かつ定速状態となって、ストップスイッチ42の受付け可能となる。
【0194】
しかし、その相関位置関係のままで各リール31を一斉に回転させると、前遊技での遊技結果(前遊技での最終停止位置)と異なる位置関係を有してリール31が回転してしまう。
このため、そのような相関位置関係が目押し補助につながるおそれがあり、遊技の公正を害するおそれがある。
そこで、本実施形態では、擬似遊技を終了してリール31を再変動するときは、擬似遊技で仮停止したときの相関位置関係と異なる相関位置関係であってランダムに選択された相関位置関係となるように、少なくとも1つのリール31の回転を制御する。
【0195】
たとえば、モータ32の1ステップ(割込み)時間を「2.235ms」とし、1図柄に相当するステップ数を「16ステップ」とし、モータ32が1回転(360度回転)するステップ数を「336」とする。このとき、1回転時間は、「750.96ms」となる。
図1では図示していないが、たとえば、リール制御手段64に3つのカウンターC1、C2及びC3を設ける。
そして、これらのカウンターC1〜C3は、いずれも、モータ32の1回転のステップ数と同値の範囲を有する0〜335の周期を有し、乱数値を取得するために用いられる。
【0196】
カウンターC1、C2、C3は、それぞれ左、中、右リール31に対応している。
カウンターC1〜C3は、いずれも、第1の更新と第2の更新とを有する。第1の更新は、すべてのカウンターC1〜C3において、一律に更新される。本実施形態では、リール31の定速回転時におけるモータ32の1ステップ時間が2.235msであることから、2.235msに1割込みとし、4割込みを1セットとする。1割込み目はカウンターC1の値のみを更新し、2割込み目はカウンターC2の値のみを更新し、3割込み目はカウンターC3の値のみを更新する。4割込み目は、いずれのカウンターC1〜C3の値も更新しない。
【0197】
したがって、4割込み(2.235ms×4=8.94ms)ごとに各カウンターC1〜C3の値が「1」ずつ更新される。
また、この第1の更新は、スロットマシン10の電源がオンである間は、ずっと行われる。
【0198】
これに対し、第2の更新では、当該遊技において、スタートスイッチ41が操作された時から最初のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC1のみを更新し続け、1番目(最初)のストップスイッチ42が操作された時から2番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC2の値のみを更新し続ける。さらに、2番目のストップスイッチ42が操作された時から3番目(最後)のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC3の値のみを更新し続ける。
【0199】
なお、これに限らず、スタートスイッチ41が操作された時から1番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC1の値を更新し続け、スタートスイッチ41が操作された時から2番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC2の値を更新し続け、スタートスイッチ41が操作された時から3番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC3の値を更新し続ける等してもよい。
【0200】
また、「ストップスイッチ42が操作されるまで」とせずに、「そのストップスイッチ42に対応するリール31が停止するまで」としてもよい。ストップスイッチ42の操作時からリール31が実際に停止するまでには最長で190msを要するので、ストップスイッチ42の操作時とリール31の停止時とはタイミングが異なるようになる。
【0201】
第2の更新では、メイン制御手段50側のループ処理(メインループ)に基づいて更新される。メインループとしては、どのようなものを用いてもよいが、たとえばスタートスイッチ41の操作時から全リール31が停止するまでの間、繰り返される処理が挙げられる。具体的には、スタートスイッチ41が操作された後、全リール31が停止したか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定するプログラムが設けられており、全リール31が停止したか否かを判定する処理をしたときに、カウンターC1〜C3の値を更新することが挙げられる。また、たとえばインデックス34を1回検知するごとに1回更新することが挙げられる。
【0202】
以上の第1の更新と第2の更新とを用いることにより、カウンターC1〜C3の値をランダムにすることができる。
たとえば、第1の更新をなくし、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでは、第2の更新によってカウンターC1のみを更新し続けると、カウンターC2及びC3が全く更新されない時間帯が発生する。しかし、第1の更新を設けることで、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間であっても、カウンターC2及びC3の値についても更新することができる。
【0203】
これに対し、第1の更新のみとすると、カウンターC1〜C3の値が同一になってしまう場合がある(4割込み時)が、第2の更新を設けることで、カウンターC1〜C3の値を異ならせる(同期を解消する)ことができる。
【0204】
また、カウンターC1〜C3の更新は、毎遊技行い続け、カウンターC1〜C3の値を使用するときのみ抽出する。
なお、第1の更新についても、1回につき「1」の更新に限らず、2以上の値であってもよい。
【0205】
次に、カウンターC1〜C3の値と、擬似遊技終了後の各リール31の再変動について説明する。
カウンターC1、C2、C3の値がたとえば「310、085、112」であったと仮定する。
この場合、擬似遊技を終了して通常遊技を開始した時から、左リール31は、「310」に対応する遅延時間の経過後に再変動させる。同様に、中リール31は、「085」に対応する遅延時間の経過後に再変動させ、右リール31は、「112」に対応する遅延時間の経過後に再変動させる。
【0206】
たとえば、各カウンターC1〜C3の値をそのままステップ数に見立て、かつそのステップ数×2.235ms(モータ32の1ステップあたりの時間)分の遅延時間の経過後に当該リール31の再変動を開始する。なお、小数点以下は、四捨五入してもよい。
したがって、上記の例では、
左リール31:310×2.235ms≒693ms
中リール31:085×2.235ms≒190ms
右リール31:112×2.235ms≒250ms
となる。
【0207】
これにより、擬似遊技(フリーズ期間)の終了時を基準として、190ms経過後に中リール31の再変動を開始し、250ms経過後に右リール31の再変動を開始し、693ms経過後に左リール31の再変動を開始する。
【0208】
このようにすることで、各リール31の再変動時のタイミングがランダム(ばらばら)となり、擬似遊技で仮停止させた出目が目押しの補助となることはない。
なお、上記から明らかであるが、カウンターC1〜C3の値によって、どのリール31が最初に回転を開始するかはまちまちであり、左→中→右の順に限られるものではない。
【0209】
さらに、カウンターC1〜C3の値を用いて、遅延時間を図柄数に換算した値に変換してもよい。
モータ32の定速時は、上述のように、2.235msで1ステップ駆動であり、336ステップで1回転(360度回転)する。しかし、実際にリール31を停止させるときは、常に、図柄の中心位置と有効ライン上とが略一致する位置で停止させる必要がある。したがって、モータ32の実際の停止位置は、21か所に限られる。すなわち、336ステップのうち、16ステップの整数倍の位置に限られる。
そこで、カウンターC1〜C3の値を抽出したら、総図柄数21に換算した遅延時間となるように設定する。
【0210】
上記の例と同様に、カウンターC1、C2、C3の値が「310、085、112」であったと仮定する。
この場合、16ステップの整数倍に最も近い値に換算すると、
左リール31:310ステップ→304ステップ(19図柄)=679.44ms
中リール31:85ステップ→80ステップ(5図柄)=178.8ms
右リール31:112ステップ=7図柄=250.32ms
となる。
【0211】
これにより、擬似遊技(フリーズ期間)の終了時を基準として、中リール31は、178.8msの遅延時間の経過後に再変動を開始し、右リール31は、250.32msの遅延時間の経過後に再変動を開始し、左リール31は、679.44msの遅延時間の経過後に再変動を開始する。
これにより、すべてのリール31が定速となったとき、中リール31に対して、右リール31は2図柄だけ遅れた位置にあり、左リール31は14図柄だけ遅れた位置にある。
【0212】
<ランダム遅延の第2例>
上記第1例では、各リール31ごとの遅延時間を決定し、その遅延時間の経過後にそれぞれリール31の再変動を開始するようにした。
このようにした場合、左、中、右リール31の遅延時間がたとえばそれぞれ100ms、200ms、300msであるとき、最初に再変動を開始する左リール31については、通常遊技の開始時から100msを経過した後でなければ、再変動を開始することができない。
【0213】
そこで、第2例では、最初に再変動を行うリール31については、擬似遊技(フリーズ期間)の終了時と同時に再変動を開始するように制御するものである。すなわち、遅延時間が最も短いリール31については、遅延時間「0」で再変動を開始するように制御する。
【0214】
図16は、リール31の再変動時のタイムチャートを示す図であって、第1例及び第2例を対比して示す図である。
図16において、乱数値により決定された左、中、右リールの遅延時間(ms)を、t1、t2、t3とし、
図16では、「t1<t3<t2」の関係にあるものとする。また、
図16では、横軸が時間軸を示し、縦軸がリール31の回転速度を示す。時間軸が「0」の時が、擬似遊技の終了時(通常遊技の開始時)に相当する。
【0215】
図16(a)は、第1例の処理を示している。
図16(a)では、リール31の再変動時、左リール31の遅延時間がt1、中リール31の遅延時間がt2、右リール31の遅延時間がt3である例を示している。
【0216】
このように設定したとき、最初に再変動を開始する左リール31は、通常遊技の開始時から時間t1経過後となる。
また、リール31が定速状態になった後、最初にインデックス34を検知したときのタイミングを図中、「I」で示している。実際には、リール31が定速となった時からインデックス34が検知されるまでの時間はリール31の回転前の停止位置に依存するが、
図16の例では、リール31が定速になった後、一定時間後に最初にインデックス34が検知されるものとしている。
【0217】
図16(b)は、第2例におけるタイムチャートである。
第2例では、遅延時間が最も短いリール31については、通常遊技の開始と同時にそのリール31の再変動を開始し、他のリール31については、最も短い遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の再変動を開始するように制御する。
【0218】
図16(b)では、左リール31の遅延時間t1が最も短いので、左リール31については、通常遊技の開始と同時に再変動を開始する。次に、右リール31については、「t3−t1」時間の経過後に再変動を開始し、中リール31については、「t2−t1」時間の経過後に再変動を開始する。このように制御しても、定速時における各リール31の相関位置関係を
図16(a)と同一に設定することができる。また、このように設定することで、
図16(a)の場合と比べて、再変動のタイミングをt1だけ短縮することができる。
【0219】
図16(c)は、
図16(b)の変形例を示すタイミングチャートである。各リール31の遅延時間は、
図16(b)と同様であるが、
図16(c)の例では、最後の中リール31のインデックス34を検知した後、t1経過後にストップスイッチ42の操作受付けを開始する。このようにすれば、リール31の再変動時のタイミングを
図16(b)と同一に設定することができるとともに、ストップスイッチ42の操作受付け開始時を
図16(a)と同一に(取得した乱数値により忠実に)設定することができる。
【0220】
<ランダム遅延の第3例>
第1例では、3つのカウンターC1〜C3を設け、各リール31ごとの遅延時間を演算するようにした。これに対し、第3例では、1つのカウンターから、全リール31の遅延時間を演算するものである。
第3例のカウンターをカウンターC4とする。カウンターC4の周期は、リールの図柄数をN、リール31の個数をMとしたとき、「N
M 」とする。
【0221】
次に、カウンターC4から抽出した乱数値をRとしたとき、
R=x
M ×N
M−1 +x
M−1 ×N
M−2 +・・・+x
1 ×N
0
を満たすx
M 、x
M−1 、・・・、x
1 を決定する。
そして、
各リール31の遅延時間t=x×2.235×16(x=x
M 、x
M−1 、・・・、x
1 )
を決定する。
【0222】
本実施形態では、リール31の図柄数が「21」、リール31の個数が「3」であるので、カウンターC4の周期は、「21
3 =9261」となる。
そして、
R=x
3 ×21
2 +x
2 ×21
1 +x
1 ×21
0
を満たすx
3 、x
2 、x
1 を決定する。
ここで、x
3 、x
2 、x
1 は、それぞれ、左リール31、中リール31、右リール31に対応する乱数値となる。
【0223】
たとえば取得した乱数値Rの値が「1235」であるとき、
1235=2×21
2 +16×21
1 +17×21
0
となるので、(x
3 、x
2 、x
1 )=(2、16、17)となる。
この値が、遅延時間に対応する図柄数(遅延図柄数)となる。
よって、
左リール31:2×2.235×16=71.52ms
中リール31:16×2.235×16=572.16(ms)
右リール31:17×2.235×16=607.92(ms)
となる。
【0224】
したがって、擬似遊技の終了時から、上記遅延時間の経過後に、それぞれ各リール31の再変動を開始するように制御すれば、全リール31が定速となったときは、左リール31を基準とすれば、中リール31は14図柄遅れ、右リール31は15図柄遅れとなる。
【0225】
また、第2例で説明したように、遅延時間(遅延図柄数)が最も短いリール31について、通常遊技の開始時と同時に再変動を開始するように制御してもよい。
この場合には、左リール31の遅延時間は「0」、中リール31の遅延時間は500.64ms(14図柄遅れ)、右リール31の遅延時間は536.4ms(15図柄遅れ)となる。
【0226】
<ランダム遅延の第4例>
第4例は、通常遊技の開始時におけるリール31の加速域において、遅延時間を含めた加速を行うものである。
図17は、第4例におけるモータ32の割込み時間とステップ数との関係を示す図である。
図17において、左リール31は、遅延時間がないときのモータ32の加速状態の一例を示している。先ず、最初は20割込み(20×2.235=44.7ms)で1ステップ駆動、次は16割込みで1ステップ駆動、さらに次は12割込みで1ステップ駆動、・・・と徐々に少ない時間で1ステップ駆動していき、最後は、1割込み(2.235ms)で1ステップ駆動(定速状態)にする。
【0227】
また、中及び右リール31については、遅延時間を設けた例を示している。中及び右リール31のいずれも、この例では、本来であれば8割込みで1ステップ駆動のところを、遅延時間を加算した割込み数で1ステップ駆動としている。
中リール31では、「8+60」割込みで1ステップ駆動としている。すなわち、1ステップが2.235msであるので、「2.235×60=134.1ms」の遅延時間を設けている。
また、右リール31については、「8+80」割込みで1ステップ駆動としているので、「2.235×80=178.8ms」の遅延時間を設けている。
【0228】
この例では、8割込みで1ステップの部分に遅延時間(割込み)を加算しているが、どの部分に遅延時間を加算してもよい。また、遅延時間を複数に分割し、複数の部分で遅延時間を加算してもよい。たとえば、遅延時間が70割込みであるとき、8割込みで1ステップの部分では「8+40」割込みで1ステップとし、次の4割込みで1ステップの部分では「4+30」割込みで1ステップとしてもよい。
第4例のようにすれば、通常遊技の開始と同時に全リール31の再変動を開始できるので、リール31の再変動時に遊技者に与える違和感をより少なくすることができる。
【0229】
なお、第4例において、左、中、右リール31のそれぞれの遅延割込み数が、たとえば「10、70、90」であるとき、すべてのリール31について遅延時間(割込み)を加算してもよいが、「10、70、90」の遅延割込み数を第2例のように「0、60、80」に設定し直し、左リール31については遅延割込みなしとし、中及び右リール31にのみ、遅延割込みを加算してもよい。
【0230】
<ランダム遅延の第5例>
第5例は、乱数値の取得を行うことなく、リール31間の相関位置関係を、前遊技である通常遊技での最終停止位置と同一の状態に戻すように、モータ32の駆動を制御するものである。
例えば、通常遊技の終了時(全リール31の停止時)における各リール31の相関位置関係をRAMに記憶しておく。
たとえば通常遊技での全リール31の停止時に、中段ラインに、
図2中、左リール31の10番、中リール31の6番、右リール31の13番の図柄が停止しているときは、各リール31の最終停止位置を、「10、6、13」と記憶する。
【0231】
この場合に、擬似遊技を行った後、通常遊技を開始するときは、各リール31の再変動を行うとともに、加速域において、前遊技での相関位置関係に戻す。
たとえば通常遊技の終了時における相関位置関係が上記の例のように「10、6、13」であるとする。そして、次遊技で擬似遊技が行われ、中段ラインに「7」揃いを仮停止させたとする。ここで、「7」揃いを仮停止させたときの位置は、「16、16、16」となる。
したがって、通常遊技の開始時におけるリール31の相関位置関係「16、16、16」を、リール31の回転が定速となったときに、「10、6、13」に戻すように制御する。
【0232】
ここで、前遊技の通常遊技において、左、中、右リール31の相関位置関係を「L1、C1、R1」とし、擬似遊技で仮停止させたときの相関位置関係を「L2、C2、R2」とする。
このとき、先ず、「L2−L1、C2−C1、R2−R1」を算出する。上記の例では、「+6、+10、+3」となる。
【0233】
次に、最も大きい値である「+10」が「0」になるようにその差分の相関位置関係に変換する。この例では、「−4、0、−7」となる。
よって、中リール31については、通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は、4図柄分だけ遅延するように再変動を開始し、右リール31は7図柄分だけ遅延するように再変動を開始する。
【0234】
なお、上記「+6、+10、+3」のうち、最も小さい値である「+3」が「0」になるようにその差分の相関位置関係に変換して「+3、+7、0」とし、最も数値が大きい中リール31について、通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は、中リール31との差分である4図柄分だけ遅延するように再変動を開始し、右リール31は中リール31との差分である7図柄分だけ遅延するように再変動を開始すると算出しても、上記と同様となる。
【0235】
すなわち、通常遊技の開始と同時に再変動させるリール31をどのリール31に設定するかは、前遊技である通常遊技と、擬似遊技の終了時とで位置ずれが最も大きいリール31を選択すれば、最小時間(最小の遅延図柄数)で元の相関位置関係に戻すことができる。
【0236】
中リール31は通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は4図柄分だけ遅延させ、右リール31は7図柄分だけ遅延させると、通常遊技の開始時の相関位置関係「16、16、16」が、「10、6、13」に戻る。すなわち、前遊技の終了時での相関位置関係に戻ったことになる。
また、各リール31のインデックス34の位置が、0番の図柄が中段を通過する瞬間に検知されるとき、「10、6、13」の相関位置関係で各リール31が回転していれば、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知される。すなわち、定速状態になってから、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知されたときに、ストップスイッチ42の操作受付けが開始される。
【0237】
そこで、相関位置関係を元に戻した場合においても、各リール31が定速となり、その後は、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知されるはずであるから、最後の右リール31のインデックス34が検知されたときに、ストップスイッチ42の操作受付けを開始するように制御する。このように制御すれば、当該遊技で擬似遊技及びフリーズがなかったときと同一の条件に設定することができる。
【0238】
また、「16、16、16」の相関位置関係を、「10、6、13」の相関位置関係に戻す場合に、上記の例では、中リール31については遅延なしで再変動を開始し、左及び右リール31については、所定図柄数だけ遅延させるようにした。しかし、第1例のように、全リール31について遅延図柄数を設けてもよい。
【0239】
ただし、上記のように、通常遊技である前遊技の停止位置と、当該遊技における擬似遊技終了時の仮停止位置とで位置ずれが最も大きいリール31を特定し、そのリール31については通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、他のリール31についてはその差分の図柄数だけ遅延させて再変動を開始するようにすれば、最小時間でリール31の相関位置関係を元に戻すことができる。
【0240】
一方、第4例のように、全リール31について同時に再変動を開始し、モータ32の加速域で、遅延図柄数に相当する割込みを加算してもよい。
ここで、各リール31の相関位置関係を元に戻す際に、リール31の回転は正回転としたが、場合によっては一部を逆回転させた後停止させて正回転に戻す等により、最小時間で相関位置関係を元に戻すものであれば、どのような方法を採用してもよい。
【0241】
なお、擬似遊技の終了後は、ランダム遅延によりリール31の再変動を行うが、擬似遊技の連続時にリール31を再変動させるとき(2回目の擬似遊技でのリール31の回転開始時)には、ランダム遅延は不要である。たとえば「7」揃いの仮停止状態を維持してリール31が再変動したとしても、それは通常遊技ではない(擬似遊技の実行中である)ので、遊技の公正を害することがないからである。そして、2回目の擬似遊技が終了し、通常遊技に移行するときは、ランダム遅延によりリール31の再変動を行えばよい。
【0242】
説明を
図1に戻す。
図1において、メイン制御手段50は、サブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(停止図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中/内部中遊技、一般遊技/特別遊技、通常遊技/擬似遊技、非AT遊技/AT遊技)の情報、フリーズに関する情報、フリーズ中のリール制御(リール制御の開始及び終了、リール31の回転及び停止、並びに停止図柄の情報)等が挙げられる。
【0243】
図1において、サブ制御手段80は、演出出力制御手段81を備える。
演出出力制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
【0244】
演出出力制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって、演出を選択する。具体的には、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を選択する。そして、この選択に従って、演出を出力する。
【0245】
なお、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力は、サブ制御手段80によって制御されるものであり、メイン制御手段50によって制御されるものではない。
一方、フリーズ、擬似遊技、AT遊技の抽選については、メイン制御手段50によって制御される。
【0246】
ただし、フリーズ、擬似遊技、AT遊技が実行されると、その旨の信号がメイン制御手段50からサブ制御手段80に送信され、フリーズ、擬似遊技、AT遊技中の画像表示等については、サブ制御手段80によって制御される。
【0247】
また、演出出力制御手段は、擬似遊技では、ストップスイッチ42を操作すべきことを遊技者に報知する(報知手段)。さらに具体的には、最初にどのストップスイッチ42を操作するかによって、その後に遊技者が受ける利益が異なること等を報知する。たとえば遊技番号4が選択された擬似遊技では、最初にどのストップスイッチ42を操作するかによって、「7」揃いで仮停止するか(AT遊技を実行することに決定されるか)否かが異なるためである。
【0248】
ATサブ制御手段82は、AT遊技に関する情報の表示及び演出の出力を制御する。たとえば、ATサブ制御手段82は、AT遊技の抽選に当選したときや、AT遊技の開始・継続・終了時(AT開始フリーズ中の演出時を含む)には、AT遊技に関する情報や演出を画像表示装置23に画像表示する。また、AT遊技の遊技回数や払出し枚数の情報等を画像表示装置23に画像表示する。
【0249】
さらに、ATサブ制御手段82は、AT遊技中は、小役3の重複当選時に、9枚の払出しとなる押し順を報知する。
AT遊技の終了時は、メイン制御手段50からサブ制御手段80に対してAT遊技の終了の情報が送信され、サブ制御手段80は、この情報を受信すると、AT遊技の終了を意味する演出を出力するとともに、その後は小役3の重複当選時に押し順報知を行わないように制御する。
【0250】
以上のように、本実施形態では、所定の条件を満たしたときに擬似遊技を行い、この擬似遊技の擬似遊技結果に応じて、その後のメイン制御手段50及びサブ制御手段80の処理を変更する。
たとえば、擬似遊技で「7」揃いが仮停止したという擬似遊技結果を得たときは、メイン制御手段50は、その後、AT開始フリーズ、及び外端信号の送信を行う。
また、サブ制御手段80は、擬似遊技結果に基づいてAT遊技を実行するので、その後の小役3Aの当選時に有利な遊技結果を得るためのストップスイッチ42の押し順報知を行う。
【0251】
<第2実施形態>
第1実施形態では、擬似遊技中にリール31を仮停止させるときは、操作スイッチのうち、ストップスイッチ42を操作させるようにした。
これに対し、第2実施形態では、操作スイッチの1つとして、(メイン制御手段50と接続される)演出スイッチ(擬似遊技用スイッチ)を設け、演出スイッチを3回操作させることで、各リール31を仮停止させるようにしたものである。
【0252】
図18は、第2実施形態の擬似遊技において、スタートスイッチ41、演出スイッチ、演出スイッチランプ、及びリール31の状態を示すタイムチャートである。
なお、演出スイッチランプは、第1実施形態のストップスイッチランプと同様に、演出スイッチを点灯/消灯するためのランプである。
【0253】
スタートスイッチ41がオフからオンにされると、第1〜第3リール31(全リール31)は、停止状態から加速域を経て、定速状態となる。全リール31が定速状態になると、演出スイッチランプは、それまでの消灯状態から点灯状態に変化する。演出スイッチランプは、消灯のときは擬似遊技において演出スイッチの操作を受け付けない状態を遊技者に報知し、点灯のときは擬似遊技において演出スイッチの操作を受け付ける状態であることを遊技者に報知するものである。すなわち、演出スイッチランプは、擬似遊技における報知手段の役割を果たしている。ただし、この演出スイッチランプの点灯とともに、あるいは演出スイッチランプに代えて、画像表示装置23に「演出スイッチを押せ!」等の報知を行ってもよい。
【0254】
そして、1回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第1リール31が仮停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第1リール31は、1回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第1リール31は、揺れ変動(後述)を伴って停止する。
第1リール31が仮停止すると、演出スイッチランプは、再度、点灯される。
【0255】
次に2回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第2リール31が仮停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第2リール31は、2回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第2リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
第2リール31が仮停止すると、演出スイッチランプは、再度、点灯される。
【0256】
さらに次に、3回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第3リール31が仮停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第3リール31は、3回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て仮停止する。仮停止時には、第3リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
【0257】
全リール31が(揺れ変動を伴って)仮停止すると、演出スイッチランプが点灯され、演出スイッチランプの操作可能な状態となる。そして、演出スイッチが操作されると、演出スイッチランプが消灯されるとともに、擬似遊技が終了し、擬似遊技の終了と同時に通常遊技が開始される。これにより、各リール31がランダム遅延によって変動(回転)を開始する。
【0258】
図18の例では、第3リール31、第2リール31、第1リール31の順にリール31の再変動を開始する。全リール31が定速状態になり、ストップスイッチ42の受付けが許可されると、全ストップスイッチランプは青色にされる。ストップスイッチランプが青色になることによって、ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になったことを遊技者に報知する。
【0259】
なお、第2実施形態においても、各演出スイッチの操作時ごとに、20秒をカウントし、20秒を経過するまでに演出スイッチが操作されなかったときは、リール31を自動で仮停止させ、擬似遊技を終了し、第1実施形態と同様に、自動でリール31を再変動(ランダム遅延)させる。
【0260】
なお、演出スイッチは、1個に限らず、3個設けてもよい。この場合、左リール31に対応する左演出スイッチ、中リール31に対応する中演出スイッチ、及び右リール31に対応する右演出スイッチを設け、擬似遊技中には、各演出スイッチを操作させることで、その演出スイッチに対応するリール31を仮停止させるようにしてもよい。この場合、リール31を再変動させるときは、いずれかの演出スイッチを操作させてもよく、あるいは(その機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない)スタートスイッチ41を操作させてもよい。
【0261】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、リール31の回転態様(たとえば、回転開始時の加速状態及び定速状態)は、通常遊技と擬似遊技とで同一とした。しかし、通常遊技と擬似遊技とで異ならせることも可能である。たとえば擬似遊技中のリール31の定速時の速度を、通常遊技中のリール31の定速時の速度よりも速くする(高速)又は遅くする(低速、スロー)ように制御してもよい。
【0262】
また、擬似遊技でのリール31の回転方向は、通常遊技と同様に、
図3中、図柄が上から下に向かって移動する方向(正方向)としたが、これに限らず、擬似遊技では逆方向(
図3中、図柄が下から上に向かって移動する方向)としてもよい。
なお、リール31の定速時の速度を高速又は低速にする場合には、遊技者が体感(実感)できる程度に通常遊技時と差を設けてもよいが、わずかに異ならせることで、高速又は低速であることを遊技者にわかりにくくしてもよい。
【0263】
(2)さらに、擬似遊技においても、リール31が正方向で回転するときと、逆方向で回転するときとを設けてもよい。たとえば擬似遊技が複数回連続する場合において、1回目は正方向の回転とし、2回目は逆方向の回転としてもよい。擬似遊技2回目で逆回転でリール31を回転させれば、遊技者は、2回目も擬似遊技であると容易に判断することができる。
【0264】
このことは、リール31の定速時の速度についても同様である。たとえば、a)擬似遊技1回目は通常速度とし、2回目は低速とすること、b)擬似遊技1回目は通常速度とし、2回目は高速とすること、c)擬似遊技1回目は高速とし、2回目は低速とすること、等が挙げられる。
【0265】
(3)また、リール31の定速時の速度や回転方向によって、遊技番号1〜5を示唆するようにしてもよい。たとえば、「7」揃いの仮停止が可能な擬似遊技(遊技番号4時)には、速度や回転方向を異ならせることが挙げられる。あるいは、リール31の定速時の速度や回転方向を、擬似遊技ごとに抽選で決定することも可能である。たとえば、遊技番号1〜3時には、低速若しくは高速又は逆回転の選択率を5%、遊技番号4時には低速若しくは高速又は逆回転の選択率を70%、遊技番号5時には低速若しくは高速又は逆回転の選択率を40%に設定すること等が挙げられる。
さらにまた、擬似遊技でのリール31の回転速度や回転方向によって、AT遊技の当選確率を示唆するように設定することも可能である。
【0266】
(4)さらに、仮停止時の速度についても、上記と同様に種々設定することができる。たとえば、「7」揃い又は「BAR」揃いが確定したときには、第1ストップスイッチ42が操作されたときに、第1ストップスイッチ42に対応するリール31をゆっくりと(スロー)回転させて仮停止させたり、あるいは、できるだけ高速に行う(瞬時に「7」又は「BAR」が仮停止する)ものであってもよい。
【0267】
また、擬似遊技でリール31を仮停止させる際に、最小回転量で仮停止させるときと、リール31を少なくとも1回転以上させた後で仮停止させるときとを設けてもよい。たとえば「BAR」の図柄を仮停止させるときには1回転以上させてから仮停止し、「7」の図柄を仮停止させるときには2回転以上させてから仮停止すること等が挙げられる。
【0268】
(5)上記実施形態において、擬似遊技中は、ストップスイッチ42の操作が行われたときにリール31を仮停止させた。また、2回目の擬似遊技を行う場合には、スタートスイッチ41の操作が行われたときにリール31を再変動させた。
しかし、擬似遊技でのリール31を仮停止させるための操作スイッチとしては、ストップスイッチ42以外の入力装置として、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、精算スイッチ等を用いることも可能である。なお、当然であるが、擬似遊技中のベットスイッチ40やスタートスイッチ41は、機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
さらにこのように設定する場合には、「ベットスイッチ40を押せ!」等を画像表示装置23にて画像表示し、遊技者に対して擬似遊技の進行手順を報知することが好ましい。
【0269】
(6)また、擬似遊技では、左、中、右ストップスイッチ42が操作されたときに、それぞれ左、中、右リール31を停止させるようにした。しかし、これに限らず、いずれか1つのストップスイッチ42が操作されたときに、全リール31を仮停止させるように制御してもよい。ベットスイッチ40やスタートスイッチ41の1回の操作によって全リール31を仮停止させることも可能である。さらにまた、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、又はいずれか1つのストップスイッチ42(同一の操作スイッチ)を1回操作するごとに、左、中、及び右リール31が順次仮停止するように制御してもよい。
【0270】
(7)上記実施形態では、ストップスイッチランプを紫色に点灯させることで、擬似遊技中であることを遊技者に報知した。しかし、これに限らず、たとえば擬似遊技中にのみ点灯するランプ(LED等)をスロットマシン10の筐体外部(遊技者から容易に見える位置)に設け、擬似遊技中はそのランプを点灯させることで、擬似遊技中であることを遊技者に報知してもよい。
【0271】
この場合には、ストップスイッチランプを紫色に点灯させることは必ずしも必要ではなく、通常遊技と同様に青色に点灯させてもよい。なお、上記ランプを設けることなく、擬似遊技中であっても通常遊技と同様にストップスイッチランプを青色に点灯することも可能である。この場合には、たとえばリール31の回転態様を通常遊技と異ならせたりすることで、擬似遊技中であることを遊技者に報知することができる。
【0272】
(8)擬似遊技中の仮停止時には、上記実施形態では、揺れ変動を伴って仮停止するようにした。したがって、擬似遊技中の仮停止は、実際にリール31が停止しておらず、揺れ変動を伴っていることから、リール31の変動がずっと継続していることを意味する。
しかし、これに限らず、仮停止についても通常遊技での停止と同様に、リール31の再変動条件を満たすまで、静止状態(揺れ変動なし)を維持するようにしてもよい。
【0273】
(9)さらに、擬似遊技での仮停止は、揺れ変動に限らず、バウンドストップや、ストップスイッチ42の操作後に5コマ以上の移動制御(すべり)を発生させた後に仮停止させるものでもよい。ここで、「バウンドストップ」とは、リール31が仮停止する場合において、目標仮停止位置に到達した後に1回又は複数回の上下動をした後に停止するものである。
【0274】
(10)本実施形態の揺れ変動は、
図10に示す例を挙げたが、揺れ変動時のリール31の上下方向における振幅やその動作速度については、種々設定することができる。たとえば、左リール31について、
図10(a)の状態から同図(e)の状態になるまでの間、リール31が静止しないように駆動してもよく、あるいは、静止と移動とを繰り返すものであってもよい。たとえば、左リール31について、
図10(a)の位置で1〜2秒間静止した後に、所定の速度で左リール31を駆動して同図(b)の位置に移動させてもよい。
あるいは、リール31の上下動の振幅を小さくし、かつリール31の移動速度を速くすることで、遊技者から見ると「小刻みに震えている」ような態様(震動)としてもよい。
【0275】
(11)本実施形態のモータ32は、たとえば4相ステッピングモータを用い、通常遊技でのリール31の停止は、4相駆動停止を行う。
これに対し、擬似遊技中の仮停止時には、上記と同様に駆動してもよいが、たとえば仮停止時に限っては3相駆動停止を行うことで、通常遊技でのリール停止とは異なる停止態様(たとえば減速態様が異なる)としてもよい。
【0276】
(12)擬似遊技において、ベットスイッチ40を操作させることでメダル投入ランプを点灯させたり、有効ラインランプを点灯させたりしてもよい。また、擬似遊技中にリプレイが仮停止したときは、メダルが自動投入されたかのようにメダル投入ランプ及び有効ラインランプを点灯させることも可能である。さらに、これらのランプの点灯時には、併せて効果音を出力してもよい(なお、これらのランプを点灯させずに効果音のみを出力してもよいのはもちろんである)。
【0277】
たとえば、擬似遊技を2回連続で行う場合において、1回目の擬似遊技の終了後、遊技者にスタートスイッチ41を操作させて2回目の擬似遊技を行うが、2回目の擬似遊技においてスタートスイッチ41が操作される前に遊技者がベットスイッチ40を操作したときは、メダル投入ランプ及び有効ラインランプを点灯させるフェイク動作を行うことが可能である。
【0278】
(13)本実施形態では、擬似遊技を2回連続で行う場合があるが、これに限らず、3回以上の擬似遊技を連続で行ってもよい。あるいは、擬似遊技を断続的に発生させる遊技番号を設けておき、その遊技番号に当選したときは、通常遊技→擬似遊技→通常遊技→通常遊技→擬似遊技→・・・のようなセットを行うことも可能である。
さらに、擬似遊技を複数回行う場合の擬似遊技回数は、たとえば擬似遊技でリール31が仮停止したときの出目や、擬似遊技中に遊技者によって操作されたストップスイッチ42等の操作態様(ストップスイッチ42の押し順や、ストップスイッチ42が操作されずに自動停止したか否か等)で決定することも可能である。また、擬似遊技で特定の図柄の組合せ(たとえば「BAR」揃い)が仮停止するまで一律に擬似遊技を継続するようにしてもよい。
また、実施形態では、擬似遊技開始時の遊技番号と、ストップスイッチ42の操作態様(押し順)とから、次にセットする遊技番号を決定した。しかし、これに限らず、リール31の仮停止時の出目、及び/又はストップスイッチ42の操作態様(押し順や目押しをした図柄位置等)によって次にセットする遊技番号を決定してもよい。
【0279】
(14)擬似遊技を複数回連続して行う場合において、2回目以降の擬似遊技では、遊技者に対してベットスイッチ40の操作を促す演出を出力してもよい。また、スタートスイッチ41の操作を促す演出を出力してもよい。
一方、2回目以降の擬似遊技の開始時に、遊技者によるスタートスイッチ41の操作なしでリール31を再変動させることも可能である。
【0280】
(15)本実施形態では、非AT遊技中に擬似遊技を行い、擬似遊技結果に応じてAT遊技を実行するか否かの決定(抽選を含む)を行った。
しかし、AT遊技中にも擬似遊技を実行してもよい。この場合、AT遊技中の擬似遊技において「7」揃い又は「BAR」揃いで仮停止したときは、AT遊技の遊技回数を上乗せする、又は上乗せ抽選を行う(上乗せする遊技回数を抽選する)ことが挙げられる。
【0281】
(16)擬似遊技は、通常遊技の進行を一時停止して行うものであるので、擬似遊技が何回行われても、擬似遊技を含む通常遊技としては、1遊技である。
しかし、これに限らず、擬似遊技1回を、遊技回数にカウントしてもよい。たとえば、スロットマシン10を設置したホールでは、スロットマシン10の上部に、当日の遊技回数の累計やAT遊技回数等を表示した遊技履歴表示装置が設けられている場合があるが、ここで表示される遊技回数には、擬似遊技を1回とカウントして表示してもよい。たとえば、
図8(b)に示すように、通常遊技の開始時に2回の擬似遊技を行った後に通常遊技に移行する場合には、2回の擬似遊技と、その後の通常遊技とで、遊技回数を「3」とカウントしてもよい。
【0282】
このように擬似遊技についても遊技回数を「+1」とカウントすれば、遊技者にとってもメリットがある。たとえば、AT遊技に当選した後、所定遊技回数の前兆(AT遊技の潜伏期間)を経てAT遊技を発動する場合に、擬似遊技を含めて遊技回数をカウントすれば、前兆中のメダル消費枚数を少なくすることができる。
また、複数回の遊技にわたって連続して一連の演出を出力する連続演出を行う場合に、この連続演出中に擬似遊技を行い、その擬似遊技を含めて遊技回数をカウントすれば、連続演出中のメダル消費枚数を少なくすることができる。
【0283】
さらにまた、擬似遊技を1遊技と見立て、その擬似遊技の終了後に開始する通常遊技を1遊技と見立てたときに、擬似遊技中に1遊技分に相当する演出を出力し、擬似遊技の終了後の通常遊技でさらに1遊技分に相当する演出を出力すれば、遊技者に対して、2遊技が行われたような印象を与えることができる。
たとえば、通常遊技中に連続演出が行われるときに、1遊技目では敵キャラクタが主人公キャラクタを攻撃をする演出を出力し、2遊技目では主人公キャラクタが敵キャラクタの攻撃を防御する演出を出力する場合があるとする。
この連続演出を擬似遊技で出力する場合には、擬似遊技では、敵キャラクタが主人公キャラクタを攻撃をする演出を出力し、擬似遊技終了後の通常遊技では、主人公キャラクタが敵キャラクタの攻撃を防御する演出を出力することが挙げられる。
【0284】
(17)擬似遊技中に仮停止させる図柄の組合せは、実施形態で示したものに限らず、たとえば「チェリー」、「スイカ」、「ベル」等の図柄又は図柄の組合せであってもよい。さらにこの場合、擬似遊技で選択されている遊技番号とストップスイッチ42の押し順に応じて、第1停止左時はチェリー、第1停止中時はスイカ、第1停止右時はベル等のように定めてもよい。
また、擬似遊技において、小役1、小役2、小役3Aの図柄の組合せを仮停止させる際には、通常遊技で用いる停止位置決定テーブル65(すなわち、小役1テーブル、小役2テーブル、小役3Aテーブル)を用いることも可能である。この場合には、リール31の仮停止時の最大移動コマ数が4コマ、及びストップスイッチ42の操作時から190ms以内でリール31が仮停止することとなる。あるいは、擬似遊技特有の小役1テーブル、小役2テーブル、小役3Aテーブルを設け、最大移動コマ数を5コマ以上にして、小役1、小役2、小役3Aに対応する図柄の組合せを仮停止させてもよい。この場合には、「チェリー」や「スイカ」の図柄であっても、「PB=1」で仮停止させることが可能となる。
さらに、擬似遊技で仮停止させる図柄の組合せは、擬似遊技の開始時ごとに抽選で決定してもよく、あるいは、擬似遊技を開始するときの通常遊技での役の抽選結果に基づいて決定してもよい。
【0285】
(18)上述したように、リールの内周面側には、リール31に表示された図柄を背後から照らすためのバックランプが設けられている。ここで、通常遊技中は、所定の色でバックランプを点灯させるが、擬似遊技では、通常遊技と異なる色でバックランプを点灯させてもよい。
【0286】
(19)第1実施形態では、擬似遊技で全リール31が仮停止した後は、スタートスイッチ41が操作されるのを待ち、スタートスイッ41が操作されたときに擬似遊技を終了してリール31を再変動させた。また、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、自動でリール31を再変動させるようにした。しかし、これに限らず、少なくとも1つのストップスイッチ42が操作されずに20秒を経過して全リール31を仮停止させた後は、1〜2秒経過するのを待って擬似遊技を終了し、その後は(スタートスイッチ41の操作を待たずに)自動でリール31を再変動してもよい。
【0287】
(20)上記実施形態では、擬似遊技結果に応じて、次の擬似遊技が実行されるか否かに影響を与えるものである。たとえば遊技番号1時に、第1停止が左又は中であるときは2回目の擬似遊技を実行するが、第1停止が右であるときは擬似遊技を終了するようにした。しかし、これに限らず、擬似遊技結果に応じて、擬似遊技の終了後に、数遊技〜数十遊技の通常遊技を経た後に2回目の擬似遊技を実行してもよい。
【0288】
(21)第1実施形態では、リプレイの仮停止時には、擬似遊技を終了して通常遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、擬似遊技中のリプレイの仮停止時には、さらにリプレイが仮停止可能な擬似遊技を繰り返し、擬似遊技のリプレイ連を実行するようにしてもよい。そして、リプレイ連の継続回数に応じて、AT遊技を実行するか否かを定めたり、AT遊技中にはAT遊技の上乗せ遊技回数を決定してもよい。
【0289】
(22)擬似遊技とは別個独立してAT遊技の抽選を行ってもよい。たとえば、小役1当選時は1/2で当選する抽選を行い、小役2当選時は1/3で当選する抽選を行う等である。この場合において、AT遊技に当選したときは、当該遊技から何遊技先でAT遊技を発動させるかを抽選等で決定してもよい。
【0290】
ここで、たとえば64遊技後にAT遊技を発動することに決定したときには、64遊技目までの間にAT遊技が実行される期待度が高い演出を出力する。さらに、64遊技目に到達する最後の数遊技で連続演出を行い、最終遊技(64遊技目)で擬似遊技を実行し、遊技者に「7」揃いをさせ、この「7」揃いをAT遊技開始出目として遊技者に見せることも可能である。
【0291】
ここで、従来技術において、AT遊技(サブボーナス)に当選したときに、「7」揃いリプレイや、「BAR」揃いリプレイの成立(当該役の当選)を待ち、当該役に当選したときに「7」揃い等を出させてAT遊技を開始するスロットマシンが知られている。しかし、上記のように、AT遊技を発動させたいタイミングとなったときに擬似遊技を実行し、「7」揃い等をさせれば、すぐにAT遊技を実行することが可能となる。
さらに、擬似遊技で「7」揃い等をさせたときに外端信号を送信すれば、AT遊技の開始タイミングと外端信号の送信タイミングとの間にズレ(時間差)がなくなるというメリットがある。
【0292】
(23)AT遊技の終了時に擬似遊技を実行することも可能である。たとえば、AT遊技の1セットの遊技回数を30遊技に設定するとともに、AT遊技を継続するか否か(次のセットを行うか否か)を抽選等で決定する。
そして、AT遊技の最終遊技(30遊技目)において、AT遊技継続の場合には、「7」揃い又は「BAR」揃いでリール31を仮停止させる擬似遊技を実行し、AT遊技終了(非継続)の場合には、ハズレ目でリール31を仮停止させる擬似遊技を実行することが挙げられる。
【0293】
(24)通常遊技を開始した後、第1リール31又は第2リール31の停止後に擬似遊技を実行することも可能である。たとえば第1リール31は通常遊技として停止するが、第2及び第3リール31については、擬似遊技として仮停止することが挙げられる。
【0294】
(25)第1実施形態の擬似遊技では、左、中、右ストップスイッチ42に対応してそれぞれ左、中、右リール31を仮停止するようにした。しかし、これに限らず、擬似遊技では、たとえば左ストップスイッチ42の操作時に右リール31を仮停止させたり、左ストップスイッチ42の操作時に左及び中リール31を同時に仮停止させる等の動作を行うことも可能である。すなわち、擬似遊技では、操作されたストップスイッチ42に対応しないリール31を仮停止させてもよい。
【0295】
(26)また、擬似遊技(フリーズ期間)の終了後におけるランダム遅延については、以下のような変形が可能である。
a)ランダム遅延の第1例〜第5例は、それぞれ単独で実施されることに限られず、各実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
たとえば、第2例と第3例との組み合わせが挙げられる。
具体的には、第3例のように1つのカウンターC4から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リールの遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2例のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
【0296】
b)また、第1例と第2例との組み合わせについても同様である。
具体的には、第1例のように3つのカウンターC1〜C3から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リールの遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2例のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
【0297】
c)さらにまた、第4例のようにリール31の加速域に遅延時間を加算する場合には、第1例のように3つのカウンターC1〜C3の各乱数値から各リール31の遅延時間を決定してもよい。あるいは、第3例のように1個のカウンターC4の乱数値から各リール31の遅延時間を決定してもよい。
【0298】
d)さらに、第1例のカウンターC1〜C3、又は第3例のカウンターC4から各リール31の乱数値を決定した後は、その乱数値に基づいて、各リール31の遅延時間を決定すること、各モータ32の遅延ステップ数を決定すること、各リール31の遅延図柄数を決定すること、のいずれであってもよい。
【0299】
(27)本実施形態では、メイン制御手段50側でAT遊技の抽選を行った。
しかし、これに限らず、サブ制御手段80側でAT遊技の抽選を実行してもよい。たとえば、メイン制御手段50は、擬似遊技で仮停止した図柄の組合せの情報(又は、遊技番号及びストップスイッチ42の操作態様(押し順等)の情報)を、サブ制御手段80に送信する。そして、サブ制御手段80は、擬似遊技で「7」揃いでリール31が仮停止したと判断したときは、90%の確率でAT遊技に当選する抽選を行い、「BAR」揃いで仮停止したと判断したときは50%の確率でAT遊技に当選する抽選を行うことが挙げられる。
この場合、サブ制御手段80側でAT遊技に当選したことをメイン制御手段50側に知らせる方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0300】
サブ制御手段80側でAT遊技に当選したときは、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず同一図柄の組合せが停止するリプレイの当選時に、変則押し(左第1停止以外)を指示する。たとえばそれを複数回実行する。
そして、メイン制御手段50は、リプレイ当選時に所定の変則押しが複数回連続で実行されたときは、AT遊技に当選したと判断することが挙げられる。メイン制御手段50側がAT遊技に当選したと判断したときは、メイン制御手段50は、AT開始フリーズを実行するとともに、外部端子基板100にAT遊技の発生信号を外部に送信する。
なお、所定の変則押しを複数回連続で実行するときは、それを複数回の擬似遊技(実際には、1遊技)で行うことも可能である。さらに、AT遊技の発生信号(外端信号)を送信するまで擬似遊技(所定の変則押しをする遊技)を継続してもよい。
【0301】
(28)さらにまた、上記実施形態の内部中遊技(
図7)は、1つの遊技状態(リプレイ当選確率が同一である1つのRT遊技)であり、その中で非AT遊技/AT遊技を実行するようにした。しかし、これに限らず、メイン制御手段50側で複数の遊技状態を持ち、その遊技状態の移行によってAT遊技を実行するようにしてもよい。
【0302】
図19は、このときの例を示す遊技状態の移行図である。
たとえば、メイン制御手段50側の遊技状態として内部中遊技を有し、この内部中遊技には、非AT遊技であるRT1遊技、RT2遊技(AT準備中)、RT3遊技(AT遊技)を設けておく。また、メイン制御手段50では、通常の(ノーマル)リプレイの他に、レアリプレイ(ノーマルリプレイとの重複当選を含む)を設けておく。
【0303】
まず、メイン制御手段50は、非AT遊技中かつMB内部中は、RT1遊技に滞在し続ける。MBに当選して内部中遊技となったとき(内部中遊技に移行した旨の信号をメイン制御手段50から送信されてきたとき)に、サブ制御手段80は、AT遊技の抽選可能な状態とする。
【0304】
次に、サブ制御手段80側でAT遊技に当選したときは、サブ制御手段80は、レアリプレイの当選時に変則押し(左第1停止以外)を報知する。レアリプレイの当選時に所定の変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段50は、遊技状態をRT1遊技からRT2遊技に移行させる。
【0305】
なお、「レアリプレイの当選」とは、a)1種類のレアリプレイの単独当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では昇格リプレイ取りこぼし目(転落停止出目)が停止表示される場合や、b)2種類以上のレアリプレイの重複当選又は1種類以上のレアリプレイとノーマルリプレイとの重複当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では転落リプレイ(転落リプレイに相当するノーマルリプレイを含む)が入賞する場合等が挙げられる。
【0306】
さらに、RT2遊技では、レアリプレイの抽選を継続し、AT遊技に移行させるときは、サブ制御手段80は、レアリプレイ当選時に所定の変則押しを報知する。そして、その押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。ここで昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段50は、遊技状態をRT2遊技からRT3遊技に移行させる。遊技状態がRT3遊技に移行したときは、メイン制御手段50は、AT遊技が開始されたと判断し、AT開始フリーズの実行、及び外端信号の送信を行う。
【0307】
メイン制御手段50は、RT3遊技への移行後は、転落リプレイが入賞しない限り、RT3遊技に滞在し続ける。RT3遊技で転落リプレイが入賞して初めて、RT1遊技に移行する。
これに対し、サブ制御手段80は、AT遊技を終了したときは、次遊技から、レアリプレイ当選時に、転落リプレイの入賞を回避するための押し順の報知や、小役3Aの重複当選時に9枚の払出しを受けるための押し順の報知を行わない。したがって、メイン制御手段50による遊技状態の移行(RT3遊技からRT1遊技への移行)と、サブ制御手段80によるAT遊技の終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
【0308】
これは、RT3遊技を継続するか否かは、メイン制御手段50によって決定されるものであり、メイン制御手段50は、現在のRT3遊技がAT遊技であるか否かは不明であり、サブ側からメイン側にはAT信号等を送信しないからである。
【0309】
なお、RT1遊技においてAT遊技の抽選に当選していない状態で、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等によって偶然にレアリプレイ当選時に昇格リプレイが入賞してRT1遊技に移行したときは、サブ制御手段80は、AT準備中ではないと判断するので、一切の報知を行わない。その結果、RT1遊技で抽選されるレアリプレイの当選時に転落リプレイの入賞確率が高くなるので、RT3遊技に移行する前にRT1遊技に転落する可能性が高くなる。
【0310】
特に、本実施形態のように、ストップスイッチ42の第1停止が中又は右のときはペナルティを発生させるようにしておくとともに、レアリプレイの当選時に第1停止左時には転落リプレイが入賞するように設定しておけば、当該遊技で転落リプレイを入賞させることができるので、RT3遊技に移行してしまう可能性を低く設定することができる。
【0311】
(29)第1実施形態、第2実施形態、及び上記の各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(1)当初発明が解決しようとする課題
前述の従来の技術において、第1の従来技術では、メインリールと異なるサブリールによるリール演出であるので、遊技者から見た認識では、液晶表示装置等がサブリールに置き換わったにすぎないという印象を遊技者に与える。
また、第2の従来技術では、AT遊技の当選の有無を、図柄の組合せの停止表示によって報知するものであり、本来の遊技とは別個独立して行われているという印象を遊技者に与える。
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、フリーズ期間中に、遊技者から見て、あたかも通常遊技中であるかのような印象を遊技者に与えることができる擬似遊技を実行することである。
(2)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
第1の解決手段は、
複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、
遊技者によって操作されるスイッチであって、前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチを含む操作スイッチ(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、第2実施形態における演出スイッチ)と、
役の抽選を行う役抽選手段(61)と、
前記リールの回転及び停止制御を行うリール制御手段(64)と
を備え、
前記操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっている通常遊技では、遊技者により前記ストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて前記リールを停止させ、前記リールの停止時の図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示し、
所定の条件を満たしたとき(所定の遊技番号の選択時)に、通常遊技中の一部の期間において、前記操作スイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないフリーズ期間を設定するフリーズ制御手段(70)を備え、
前記フリーズ期間中に、前記ストップスイッチ以外の前記操作スイッチである特定操作スイッチ(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、又は第2実施形態における演出スイッチ)を遊技者に操作させる擬似遊技を実行するように制御し、
前記リール制御手段は、前記擬似遊技では、前記特定操作スイッチが操作されたことに基づいて、特定の図柄の組合せ(ハズレ目、「7」揃い、「BAR」揃い、リプレイ)を表示可能な前記リールの仮停止及びその後の再変動を含むリール制御を実行することを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記リール制御手段は、前記擬似遊技では、前記特定操作スイッチの操作時ごとに、その操作に対応する前記リールの仮停止を実行することを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、
前記フリーズ期間を設定したときに、前記特定操作スイッチの操作に関する内容を遊技者に報知する報知手段を備えることを特徴とする。
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、
前記擬似遊技では、前記リールの回転態様、及び/又は前記ストップスイッチのランプの点灯態様を、前記通常遊技と異ならせるように制御することを特徴とする。
第5の解決手段は、第1〜第4の解決手段において、
前記擬似遊技では、前記特定操作スイッチの操作を検出したときに、前記特定操作スイッチの次の操作の有効時間を設定し(20秒のカウンターの作動を行い)、
前記フリーズ制御手段は、前記有効時間中に前記特定操作スイッチの次の操作を検出しなかったときは、前記フリーズ期間を終了し、
前記リール制御手段は、前記フリーズ期間の終了後は、各前記リールごとに、ランダムに定めた遅延時間の経過後に変動を開始し、前記通常遊技に移行するように制御することを特徴とする。
第1の解決手段において、「操作スイッチ」とは、実施形態では、ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチを含み、狭義には、遊技を進行する上で遊技者が操作するスイッチである。
ここで、「遊技を進行する」とは、メダルを投入する、リールの回転を開始する、回転中のリールを停止させるという遊技動作を、遊技者による操作スイッチの操作によって、すなわち遊技者の意思によって進行するときに用いる部品である。
また、「操作スイッチ」は、広義には、上述したベットスイッチ、スタートスイッチ、及びストップスイッチ以外に、貯留されたメダルを実際に払い出すとき(ペイアウトするとき)に遊技者が操作する精算スイッチ、演出の進行(発展)を遊技者の意思によって行うときに遊技者が操作する演出スイッチ(チャンスボタン)を含むものである。
「通常遊技」とは、「特別遊技」や「AT遊技」等に対する語ではなく、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチはメダルを投入する機能、スタートスイッチはリールの回転を開始させる機能、ストップスイッチは回転中のリールを役の抽選結果に基づいて(最大4コマ移動で)停止させる機能)が遊技結果を得るためのものとして有効になっているときに進行する遊技を指す。
なお、以下の実施形態では、非特別遊技を「一般遊技」と称している。
これに対し、「擬似(「疑似」ともいう。)遊技」とは、少なくとも1つの操作スイッチについて、本来の機能が有効になっていないフリーズ期間中に進行する遊技を指す。特に本実施形態では、スタートスイッチ41が操作された時から、リール31が定速となってストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に実行する。
また、「遊技結果」とは、役の抽選結果及びリールの停止時の図柄の組合せにより定まるものである。したがって、ベットスイッチの操作や、スタートスイッチの操作についても、遊技結果を得るためには必要な操作の1つである。さらに、「遊技結果」では、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、メダル(遊技媒体)の払出し(リプレイ入賞時の自動投入を含む)を実行する。
これに対し、「擬似遊技結果」は、擬似遊技において仮停止したリール31の図柄、又は図柄の組合せを指す。また、「擬似遊技結果」では、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する場合がないか、又は役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとしても、メダルの払出し等が実行される場合はない。
「フリーズ期間」は、通常遊技(1遊技)中の一部の期間に設定される。たとえば、1遊技において、「通常遊技の開始と同時にフリーズ期間が設定され、そのフリーズ期間の終了後に通常遊技の開始する」場合、「通常遊技を開始した後、フリーズ期間が設定され、そのフリーズ期間の終了後に通常遊技の再開する」場合、「通常遊技を開始し、通常遊技の終了時にフリーズ期間が設定され、そのフリーズ期間の終了とともに通常遊技を終了する」場合等が挙げられる。
したがって、複数回の通常遊技にわたって擬似遊技が実行されるときは、1回ごとの通常遊技で、その一部の期間にフリーズ期間が設定される。
すなわち、通常遊技(N遊技目)では、通常遊技の開始→フリーズ期間及び擬似遊技の開始→擬似遊技及びフリーズ期間の終了→通常遊技の開始又は再開、という流れで進行する。通常遊技(「N+1」遊技目)についても上記と同様である。
「擬似遊技の進行」は、通常遊技の開始時(リールの回転開始時)に擬似遊技に移行し、その擬似遊技中にストップスイッチ等の操作スイッチの操作(操作スイッチの機能が有効になっていない状態での操作)でリールが仮停止し、その仮停止後、リールを再始動させて、通常遊技に移行すること(すなわち、通常遊技の開始時におけるリールの回転状態に戻ること)等である。このような擬似遊技の進行中及びフリーズ期間中は、通常遊技の進行が一時停止状態になっている。
また、擬似遊技における「仮停止」とは、通常遊技(本来の遊技)において、機能が有効となっているストップスイッチの操作時におけるリールの停止とは異なるものであり、擬似遊技中の一時的な停止を指す。
さらにまた、「仮停止」とは、リール(図柄)が一定位置に完全にとどまる場合もあるが、それ以外には、仮停止中に揺れ変動を行う場合を含む。
さらに、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、静止しない場合(常に上下移動を繰り返す場合)や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りに約1〜2秒静止した後、下寄りに移動して約1〜2秒静止した後、再度上寄りに移動して約1〜2秒静止することを繰り返す等である。
また、「特定の図柄の組合せ」とは、遊技者にとって有利な遊技への移行可能性を有さない又は移行可能性が低いことを意味するハズレ目(バラケ目等)、特定役の当選可能性又は特定遊技への移行可能性を有することを意味するチャンス目、特定遊技への移行が確定する特定図柄揃い(「7」揃い、「BAR」揃い等)、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役の当選を意味するリーチ目等である。さらに、擬似遊技における「特定の図柄の組合せ」は、有効ライン(図柄組合せライン)上に図柄の中心が位置している必要はなく、通常遊技における停止位置に対して、半コマずれた位置に仮停止している場合も含まれる。
また、「特定の図柄の組合せを表示」とは、スロットマシンに設けられた有効ライン上における停止表示に限らず、たとえば有効ラインでない図柄組合せライン(特に、一直線状のライン)に停止表示することも含まれる。
さらに、擬似遊技における「再変動」とは、仮停止後のリール31の回転動作を指し、その回転動作が擬似遊技中(フリーズ期間中)である場合と、擬似遊技(フリーズ期間)が終了して通常遊技における通常回転である場合とを有する。
(3)当初発明の効果
当初発明によれば、通常遊技中の一部の期間にフリーズ期間を設け、このフリーズ期間中に、通常遊技に類似の擬似遊技を行うようにしたので、通常遊技と一体となった(通常遊技を進行しているかのような印象を遊技者に与える、あるいは遊技を進行する上で遊技者に対して違和感を与えない)擬似遊技を実行することができる。