特許第5709181号(P5709181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709181
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】エンドキャップ
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/11 20060101AFI20150409BHJP
   B01D 35/30 20060101ALI20150409BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20150409BHJP
   F02M 37/22 20060101ALI20150409BHJP
   F01M 11/03 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   B01D29/10 530A
   B01D29/10 501C
   B01D29/10 510C
   B01D35/30
   B01D35/02 E
   F02M37/22 G
   F01M11/03 D
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-149798(P2013-149798)
(22)【出願日】2013年7月18日
(62)【分割の表示】特願2010-534054(P2010-534054)の分割
【原出願日】2008年11月18日
(65)【公開番号】特開2014-12274(P2014-12274A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2013年8月15日
(31)【優先権主張番号】11/984,503
(32)【優先日】2007年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】510137412
【氏名又は名称】アドバンスド フィルトレーション システムズ インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】510138305
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.サルバドール
(72)【発明者】
【氏名】ランダル ダブリュ.ハイベンタール
(72)【発明者】
【氏名】デニス エム.デードリッチ
(72)【発明者】
【氏名】デービッド ビー.ハーダー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール.ハッカー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード アイゼンメンゲル
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0074281(US,A1)
【文献】 特表2005−523804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D29/
B01D27/
B01D35/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向内側部分および半径方向外側部分を備え、且つ長手軸を画定する第1プレート部材と、
前記第1プレート部材の前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分との間に配置され、且つ第1方向に前記長手軸に沿って軸方向に突出するフランジと、
前記フランジに隣接して配置された第1シール部材であって、前記第1プレート部材の軸方向に面する表面と係合したその第1部分、および前記フランジの半径方向に面する表面と係合したその第2部分を備える第1シール部材と、
前記半径方向外側部分の半径方向外側に配置された第2プレート部材と、
前記第2プレート部材に隣接して配置され、且つ前記第1方向とは反対側の長手軸に沿って第2方向に、前記第1プレート部材の前記軸方向に面する表面から軸方向に離間したその第1部分を備える第2シール部材と、
を含むエンドキャップ。
【請求項2】
前記第1シール部材は、半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された、その前記第2部分とは実質的に反対側のその第3部分をさらに備える、請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項3】
前記第2シール部材は、半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された、その第2部分をさらに備える、請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項4】
ろ過材を、入口および出口を画定するベース、ならびに容器を備えるフィルタシステムに封止的に接合するためのエンドキャップであって、前記エンドキャップは、
半径方向内側部分、半径方向外側部分、および長手軸を有する実質的に環状形状の第1壁部分(46)を備える本体と、
前記出口に関する第1の半径方向に面する表面に対して半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された第1シール部材であって、前記ろ過材の前記第1壁部分側の端部(D)から第1軸方向距離(C)に配置された少なくとも一部を有する第1シール部材と、
前記ベースに関する第2の半径方向に面する表面に対して半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された第2シール部材であって、前記ろ過材の前記第1壁部分側の端部(D)から最大で第2軸方向距離(E)まで延在された第2シール部材と、
を含み、
前記第2軸方向距離(E)は前記第1軸方向距離(C)よりも小さいエンドキャップ。
【請求項5】
前記第1シール部材と前記第2シール部材との間の流体の流れを可能にするように構成された前記本体内に配置された少なくとも1つの開口をさらに備える、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項6】
前記エンドキャップは前記フィルタシステムに固定的に取り付けられるよう構成される、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項7】
前記本体は、
前記半径方向外側部分に隣接して配置され且つ前記長手軸に対して実質的に円筒状である第2壁部分(48)と、
前記半径方向内側部分に隣接して配置され且つ前記長手軸に対して実質的に円筒状である第3壁部分(50)と、
をさらに備える、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項8】
前記本体は、複数の半径方向に延在するアームを介して前記第1壁部分から半径方向外側に配置され且つ前記長手軸に対して実質的に円筒状である第4壁部分(54)をさらに備える、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項9】
前記ろ過材内に半径方向に配置されたチューブをさらに備え、前記本体の少なくとも一部が前記チューブと係合する、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項10】
前記本体は、前記第4壁部分から半径方向外側に、前記長手軸に垂直な方向に延在する第5壁部分(58)、および前記第壁部分内に配置された複数の凹部をさらに備え、
前記第2シール部材の少なくとも一部は、前記複数の凹部の少なくとも1つ内に配置されている、請求項に記載のエンドキャップ。
【請求項11】
前記本体は、フランジおよび前記フランジ内に配置された複数の凹部をさらに備え、
前記第1シール部材の少なくとも一部は、前記複数の凹部の少なくとも1つ内に配置されている、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項12】
事前充填防止構造をさらに備え、前記事前充填防止構造の少なくとも一部は、前記長手軸に対して前記第1シール部材内に半径方向に配置されており、前記事前充填防止構造は、
複数の壁部分によって前記第1壁部分に接続されたキャップ部分と、
円筒状の壁であって、第1端部と第2端部を含み、前記第1端部が前記第1壁部分に接続され、前記第2端部が前記第1壁部分から前記長手軸の方向に離間される円筒状の壁と、
を含み、前記複数の壁部分が、前記第1壁部分に取り付けられた第1端部を有し、前記第1壁部分から前記長手軸の方向に延在し、互いに隣接する前記壁部分の間に開口を画定し、前記キャップ部分が、前記複数の壁部分における前記第1端部とは反対側の端部に取り付けられ、前記円筒状の壁が、前記複数の壁部分内に配置されている、請求項4に記載のエンドキャップ。
【請求項13】
前記本体は、前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分との間に半径方向に配置され、且つ前記第1シール部材が前記半径方向に面する表面と係合すると前記半径方向に面する表面に対して前記第1シール部材を少なくとも部分的に圧縮するように構成されたフランジをさらに備える、請求項4に記載のエンドキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2007年11月19日に提出された米国特許出願第11/984,503号に対し優先権を主張するものであり、その内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示はフィルタに関し、より詳細には流体フィルタシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えばエンジンに関連する燃料または潤滑剤などのカートリッジ式の流体フィルタは、典型的にはエンジンに螺合される容器に収容された交換式のフィルタエレメントを備えている。ろ過されていない流体(例えば燃料または潤滑剤)は、入口を介してフィルタに受け入れられ、微粒子はフィルタエレメントによって、ろ過されていない流体から取り除かれ、ろ過された流体は出口を介してエンジンに送られる。フィルタエレメントは多くの場合、1つ以上のエンドキャップによって容器内に支持される略円筒状のろ過材(例えば織物または他の多孔性材料)を備えているため、ろ過されていない流体はろ過材を通って略半径方向に流れる。エンドキャップは典型的に、容器内且つ入口および出口に対してろ過材を支持しおよび/または配置する。流体フィルタはまた、ろ過されていない流体がろ過材を迂回することを減らすまたは回避するため、封止的に入口および出口を分離する1つ以上のシールを大抵備えている。
【0004】
通常、このような流体フィルタのフィルタエレメントは、ろ過材の圧力低下を減らし、シールの劣化を回避し、および/または、さもなければ確実に流体フィルタを所望通りに機能させるようにするため、しばしば交換される。フィルタエレメントを交換するために、容器は大抵エンジンからねじ外され、流入流と排出流との間のシールは取り外され、古いフィルタエレメントが容器から取り出され、新しいフィルタが挿入され、容器はエンジンに再びねじ入れられる。フィルタのカートリッジを交換する操作者は、容器を流体で充填して、流体システム内に空気が混入するのを回避または減少させる場合がある。この充填した流体は、以前に使用され、および/またはろ過されていない流体であることが多く、容器を充填することによって、ろ過材の下流側、すなわち、ろ過された流体側に移動しないように細心の注意が必要とされる場合がある。さらに、配置入口と出口との間に十分な封止を設け、従ってろ過されていない流体がろ過材を迂回することを減らすために、フィルタカートリッジ交換時に古いシールまたは新しいシールのいずれかのシールを適切に再配置することが望ましい。十分ではない封止および/または操作者の充填のいずれかによる、ろ過材下流のろ過されていない流体および/または充填液によって、作業中に1つ以上のエンジン部品を傷つける場合がある。
【0005】
Steger,Jrらに発行された特許文献1では、外側シェルとフィルタベースとの間にシールを形成する外側シール、およびエンドキャップとフィルタベースとの間にシールを形成する内側シールを備えるフィルタアセンブリが開示されている。フィルタアセンブリは、フィルタベースに外側シールを押さえ付けるナットプレートを介してフィルタベースにねじ込むように取り付けられている。フィルタアセンブリはまた、ろ過されていない流体がろ過されていない流体通路から外側シェルとフィルタエレメントとの間にある半径方向の空間へと流れ、ろ過されていない流体がフィルタエレメントを通って内側通路に流入し、得られたろ過された流体がろ過された流体通路内に流入するフィルタエレメントを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,554,140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、フィルタアセンブリと外側シールを備えたフィルタベースとの間にシールが提供され得、且つろ過された流体通路と内側シールを備える内側通路との間の接合部における流体の漏出を最小限に抑えるシールが提供され得る。しかし、特許文献1では、これらの封止を成し遂げるために多くの構成要素が必要とされ、その精密な製造公差を必要とする組み立ておよび位置合わせを複雑にし、および/または封止の十分性を減少させる場合がある。さらに、特許文献1のフィルタアセンブリをフィルタベースに再接合させること、および内側シールと外側シールとを配置することには、フィルタベースとのその適切な位置合わせ、およびフィルタアセンブリの適切な再封止および再接合を確実にするための特殊な形状を備える独特なナットプレートが必要とされる場合がある。
【0008】
本開示は上記欠点の1つ以上を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本開示はエンドキャップに関する。エンドキャップは半径方向内側部分および半径方向外側部分を含み、且つ長手軸を画定する第1プレート部材を含む。エンドキャップはまた、第1プレート部材の半径方向内側部分と半径方向外側部分との間に配置され、且つ第1方向に長手軸に沿って軸方向に突出するフランジを備えている。エンドキャップはまた、フランジに隣接して配置された第1シール部材を含んでいる。第1シールは、第1プレート部材の軸方向に面する表面と係合したその第1部分、およびフランジの半径方向に面する表面と係合したその第2部分を備えている。エンドキャップはさらに、半径方向外側部分の外側に半径方向に配置された第2プレート部材、および第1方向とは反対側の長手軸に沿って第2方向に第1プレート部材の軸方向に面する表面から軸方向に離間したその少なくとも一部を含む、第2プレート部材に隣接して配置された第2シール部材を備えている。
【0010】
別の態様では、本開示は、ろ過材を、ベース、容器、および出口を備えるフィルタシステムに封止的に接合するための装置に関する。エンドキャップは、半径方向内側部分、半径方向外側部分、および長手軸を有する、実質的に環状形状の第1壁部分を備える本体を備えている。装置はまた、出口に関連付けられた第1の半径方向に面する表面に対して第1の半径方向に面するシール境界面を確立するように構成され、且つろ過材から第1軸方向距離に配置されたその少なくとも一部を有する第1シール部材を備えている。装置はまた、ベースに関連付けられた第2半径方向に面する表面に対して半径方向に面するシール境界面を確立するように構成され、且つろ過材から第2軸方向距離に配置された第2シール部材を備えている。第2軸方向距離は第1軸方向距離よりも小さい。
【0011】
別の態様では本開示は、フィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリは長手軸を画定するフィルタを備えている。フィルタアセンブリはまた、第1の半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された第1シール部材を備えている。第1シール部材の少なくとも一部は、フィルタから第1距離だけ軸方向に離間されている。フィルタアセンブリはさらに、第1の半径方向に面するシール境界面の半径方向外側に第2の半径方向に面するシール境界面を確立するように構成された第2シール部材を備えている。第2シール部材は、フィルタから第2軸方向距離だけ軸方向に離間されている。第2軸方向距離は第1軸方向距離よりも小さい。
【0012】
さらに別の態様では、本開示はフィルタシステムに関する。フィルタシステムは、入口、出口、および長手軸を有するベースを備えている。出口は長手軸に対して入口の半径方向内側に配置されている。フィルタシステムはまた、ベースに螺合された容器を備えている。フィルタシステムはまた、長手軸に対して容器内に半径方向に配置されたろ過材を備えている。フィルタシステムはさらに、実質的に環状形状および第1壁部材の半径方向外側に配置された少なくとも1つの開口を有する第1壁部材を含むエンドキャップを備えている。フィルタシステムはまた、エンドキャップに接合され、且つベースの少なくとも一部に対し半径方向に圧縮されるように構成された第1シール部材を備えている。フィルタシステムはさらに、エンドキャップに接合され且つ出口に対して半径方向に圧縮されるように構成された第2シール部材を備えている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、上記欠点の1つ以上が克服される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示による例示的な流体フィルタの概略断面図である。
図2図1の流体フィルタの例示的なエンドキャップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は例示的な流体システム10を示している。流体フィルタシステム10は、ベース12、容器14、フィルタアセンブリ16、および長手軸18を備えてもよい。流体システム10は流体システム(図示せず)内のいくつかの構成要素の1つであってもよく、且つ流体システムの1つ以上の上流構成要素から、ろ過されていない流体を受け入れ、ろ過されていない流体内に浮遊した粒子を捕捉(すなわち流体をろ過)し、ろ過された流体を流体システムの1つ以上の下流構成要素に供給するように構成されてもよい。流体システムは、任意の種類の流体システム、例えば燃料供給システム、潤滑システム、および/または冷却システムを備えてもよく、エンジン(図示せず)に動作可能に関連付けされていても、または関連付けられていなくてもよい。さらに、流体システム10は、任意の種類の流体、例えばガソリン、ディーゼル燃料、潤滑油、水、冷却剤、および/または任意の他の種類の流体をろ過するように構成されてもよい。流体システムの流体は、加圧されていても、加圧されていなくてもよく、加圧されている場合には、任意の圧力で加圧されていてもよいことが想定される。
【0016】
ベース12は外部壁20および装着部22を備えていてもよい。外部壁20は実質的に円筒状の形状であってもよく、容器14上に備えられた雄ねじ31と螺合するように構成された雌ねじ21を備えてもよい。装着部22は、例えば1つ以上のボルト孔(参照せず)を介してエンジンに流体フィルタシステム10を接合するように構成されてもよい。ベース12はさらに、入口24および出口26を画定してもよい。入口24は流体システムの1つ以上の上流構成要素からろ過されていない流体を受け入れるように構成されてもよく、且つフィルタアセンブリ16に向けてろ過されていない流体を方向付けるように構成されてもよい。具体的には入口24は、ベース12内且つ長手軸18に対して略環状の空間を備えてもよい。出口26はフィルタアセンブリ16からろ過された流体を受け入れるように構成されてもよく、且つ流体システムの1つ以上の下流構成要素に向けてろ過された流体を方向付けるように構成されてもよい。具体的には、出口26は、長手軸18に対して略環状の空間を備えてもよく、且つ入口24内で半径方向に配置されてもよい。入口24および出口26は各々、任意の形状および/または輪郭(例えば多面)を有するベース内の空間を画定してもよいことが想定される。
【0017】
容器14は外部壁28および端壁30を備えてもよい。外部壁28は実質的に円筒状の形状であり、ベース12上に備えられた雌ねじ21と螺合するよう構成された雄ねじ31を備えてもよい。端壁30は雄ねじ31とは反対側にある外部壁28の端部に配置されてもよい。外部壁28および端壁30は一般に、フィルタアセンブリ16を包含するように構成された内部空洞を画定してもよい。雌ねじ21および雄ねじ31は各々、時計回り、または反時計回りの方向のいずれかにそれぞれ延在してもよいことが想定される。また容器14は、容器14からの流体の排出を容易にするように構成され得る従来の任意の排出口(参照せず)を備えてもよく、および/または流体システムの流体の圧力を制限する従来の任意の安全弁(図示せず)を備えてもよいことが想定される。雌ねじ21と雄ねじ31との係合およびその結果としての摩擦係合は当技術分野では周知であり、従ってさらなる説明をしないことを理解されたい。
【0018】
フィルタアセンブリ16は第1エンドキャップ32およびろ過材34を備えてもよい。第1エンドキャップ32はベース12に隣接して配置されてもよく、容器14内に且つ容器14に対してろ過材34を支持するように、ベース12と容器14との間および入口24と出口26との間にそれぞれシールを設けるように構成されてもよい。ろ過材34は、流体内に浮遊した微粒子および/または別の粒子を捕捉するように構成されてもよく、長手軸18の周囲に配置され且つ長手軸18に沿って延在する略円筒の形状を備えてもよい。フィルタアセンブリ16はまた、スリーブ36および第2エンドキャップ38を備えてもよい。スリーブ36はろ過材34内に半径方向に、あるいはその半径方向外側に配置された略円筒状のチューブを備えてもよく、且つ流体がそこ、例えば(図1に示すように)ろ過材34から内部空間40を通って流出できるようにろ過材内に構成された1つ以上の穿孔37を備えてもよい。ベース12に隣接して配置されたスリーブ36の第1端部は、第1エンドキャップ32と係合(すなわち接触)してもよく、且つ容器14の端壁30と隣接して配置されたスリーブ36の第2端部は第2エンドキャップ38と係合(すなわち接触)してもよい。第2エンドキャップ38は容器14の端壁30と隣接して配置されてもよく、容器14内で且つ容器14に対してろ過材34を支持するように構成されてもよい。第2エンドキャップ38は容器14の外部壁28および/または端壁30の内面と係合してもよいことが想定される。またろ過材34は、当技術分野で公知の任意のろ過材料および/またはろ過材、例えば織物または別の多孔性物質を備えてもよく、ひだ状でもひだ状でなくてもよいことが想定される。また第1エンドキャップ32、第2エンドキャップ38、およびスリーブ36は、好適な任意の材料、例えばポリマーまたは他のプラスチックから製造されてもよく、且つ射出成形されてもよいことが想定される。さらに、穿孔37は任意の形状、サイズ、および/または量を備えてもよく、且つスリーブ36は選択的に省略されてもよいことが想定される。
【0019】
図1および図2を参照すると、第1エンドキャップ32は、ベース12と容器14との間に流体シールを設けるように構成された外側シール部材42、および入口24と出口26との間に流体シールを設けるように構成された内側シール部材44を備えてもよい。具体的には、第1エンドキャップ32は、略環状形状の第1壁46、第1壁46の半径方向外側部分(例えば外縁)に隣接して配置された略円筒形状の第2壁48、および第1壁46の半径方向内側部分(例えば内縁)に隣接して配置された略円筒形状の第3壁50を有する本体を備えてもよい。第1壁46は軸18に略垂直なプレート形状を備えてもよい。第2壁48および第3壁50は一般に、長手軸18に沿って、(すなわち略平行して)、方向Aに(例えば容器14の端壁に向かって)延在してもよい。第1エンドキャップはまた、第1壁46の内側部分と外側部分との間に配置され、且つ一般に長手軸18に沿って実質的に方向Aとは反対側の(例えば容器14の端壁30から離れる)方向Bに延在する略円筒状のフランジ52を備えてもよい。第1エンドキャップ32はまた、(図2により明確に示されるように)複数のアーム56を介して第1壁46から半径方向外側に配置され、且つ一般に長手軸18に沿って方向Aに延在する略円筒形状に離間された第4壁54を備えてもよい。アーム56は任意の形状、長さ、および/または量を備えてもよく、且つその隣接するアーム56間に、任意の形状、長さ、および/または量を備える開口57を画定してもよい。第1エンドキャップ32はまた、一般に第4壁54の第1端部から外側半径方向に、軸18に略垂直な方向に延在する略環状形状の第5壁58を備えてもよい。第4壁54の第2端部はベース12の内面に形成された溝60に適合するように構成されてもよい。溝60は第4壁54の円周形状に対して実質的に相補的であってもよいことが想定される。エンドキャップ32に隣接して配置された出口26の軸方向端部は、フランジ52内で半径方向(すなわち軸18により近い半径方向)位置で第1壁46と接触し、内面および/または外面上に面取り、丸み、およびテーパを備えてもよく、および/または、例えば、以下にさらに詳細に説明されるように操作者がフィルタアセンブリ16を交換する際に、内部シール部材44が出口26の軸方向端部を通過できるように構成された他の任意の形状を備えてもよいことが想定される。さらに、エンドキャップ32は、ろ過材34に固定的に接続されても、固定的に接続されなくてもよく、および/またはベース12および出口26に対して、例えば上方のプレートおよび/または別のエンドキャップを、螺合を介してベース12に相互接合するように構成されたアダプタのような流体シールを確立するように構成された任意の装置を備えてもよいことが想定される。
【0020】
外側シール部材42は、第5壁58の半径方向の最も外側の縁部に隣接して配置され、且つそれを囲むように構成されてもよく、第5壁58と、従って第1エンドキャップ32と一体化していてもよい。具体的には、外側シール部材42は、ベース12および容器14に対してして流体シールを設けるように構成されてもよく、そのため、結果として、外部環境は、ベース12の軸方向に面する表面と容器14の軸方向に面する表面との間で圧縮される。例えば軸方向に面する表面は大部分が軸18に平行でない面(例えば軸18に略垂直であり得る面)を備えてもよい。外側シール部材42は、例えば、ベース12の軸方向に面する表面および容器14の軸方向に面する表面に対して、軸方向に面するシール境界面を確立するようにそれぞれ構成されたその第1部分および第2部分を有する周囲外面を備えてもよい。加えて、ベース12は、外側シール部材42の形状に相補的になるように構成されたその内面に陥凹(参照せず)を備えてもよい。
【0021】
内側シール部材44は、フランジ52の半径方向内側に、且つ出口26の半径方向外側に配置されてもよく、フランジ52と一体化し、従って第1エンドキャップ32と一体化してもよい。具体的には、内側シール部材44は、フランジ52の半径方向に面する内面と出口26の半径方向に面する外面との間で圧縮されることにより、入口24と出口26の間に流体シールを設けるように構成されてもよい。例えば半径方向に面する表面は、軸18に大部分が垂直でない表面(例えば軸18に略平行であり得る表面)を備えてもよい。内側シール部材44は、第1壁46の軸方向に面する表面およびフランジ52の軸方向に面する表面と係合するようにそれぞれ構成されたその第1部分および第2部分を有する周囲外面を備えてもよい。加えて、内側シール部材44の周囲外面は出口26に対して半径方向に面するシール境界面を確立するように構成されたその第3部分を備えてもよい。フランジ52は、出口26および内側シール部材44のそれぞれ少なくとも一部を少なくとも部分的に囲んでもよく、それにより内側シール部材44はその間で圧縮され、フランジ52は、出口26から外側半径方向に且つ離れるように内側シール部材44の(例えば内側シール部材44に作用する入口24から送られてくる流体により生成された力により生じ得る)移動を抑えることにより、内側シール部材44により確立された半径方向に面するシール境界面の維持を支援してもよい。
【0022】
内側シール部材44の少なくとも一部は長手軸18に沿って方向Bに軸方向に延在してもよく、外側シール部材42よりも大きい軸方向距離は長手軸18に沿って方向Bに軸方向に延在してもよい。換言すれば、内側シール部材44の少なくとも一部は、ろ過材34の第1端部(図1の線Dとして示す)から長手軸18に沿って第1軸方向距離Cに延在していてもよく、外側シール部材42は、ろ過材34の第1端部(線D)から長手軸18に沿って第2軸方向距離Eに延在していてもよく、且つ第1軸方向距離Cは第2軸方向距離Eよりも大きくてもよい。加えて、内側シール部材44の少なくとも一部は容器14の軸方向端面(図1の線Gとして示す)から長手軸18に沿って第1軸方向距離Fに延在していてもよく、外側シール部材42は容器14の軸方向端面(線G)から長手軸18に沿って第2軸方向距離Hに延在していてもよく、且つ第1軸方向距離Fは第2軸方向距離Hよりも大きくてもよい。このように、外側シール部材42と内側シール部材44との間の軸関係および第1エンドキャップ32の本体は、入口24と出口26との間で好適な封止を維持しながら、入口24から開口57に向けて、次いでろ過材34に向けて流体の流れを方向付けるのを改善および/または支援する。
【0023】
外側シール部材42および内側シール部材44の両方は、長手軸18の周囲で略円筒形状であってもよく、任意の断面形状を備えてもよく、例えば外側シール部材42は実質的に楕円形または円形の形状を備えてもよく、および/または内側シール部材44は実質的に四角または長方形の形状を備えてもよいことが想定される。また外側シール部材42は、螺合されると、ベース12および容器14の軸方向に面する端面間の軸方向距離の関数として圧縮されてもよく、内側シール部材44はフランジ52の半径方向に面する内面と出口26の半径方向に面する外面との間の半径方向距離の関数として圧縮されてもよいことも想定される。また外側シール部材42は軸方向に面するシール境界面、例えば、ベース12および/または容器14に対して、流体が軸方向に面する表面に沿って流出するのを実質的に防ぐシール境界面だけでなく、半径方向に面するシール境界面、例えば、ベース12に対して、流体が半径方向に面する表面に沿って流出するのを実質的に防ぐシール境界面も確立してもよく、内側シール部材44は、軸方向に面するいかなるシール境界面も確立せずに、フランジ52および/または出口26に対して半径方向に面するシール境界面を確立してもよいことが想定される。さらに、内側シール部材44は半径方向に圧縮されてもよく、半径方向に圧縮された結果として、軸方向に拡張、移動、または歪曲されてもよいが、軸方向には圧縮され得ない(すなわち軸方向の圧縮がない)ことも想定される。さらに外側シール部材は、内側シール部材44に対する任意の半径方向の位置で、ベース12に対して軸方向に圧縮されてもよいことも想定される。このように、内側シール部材42を半径方向に圧縮することにより、出口26および/またはエンドキャップ32の長さおよび周囲寸法に関して製造および/または組み立て公差を減少させながらも、入口24と出口26との間の好適な封止を維持し得る。
【0024】
図2で示されるように、第1エンドキャップ32は第5壁58内に形成された複数の第1凹部62を備えてもよい。第1凹部62は、外側シール部材42が内部に延在する開口を備えてもよい。第1エンドキャップ32もまた、フランジ52内に形成された複数の第2凹部64を備えてもよい。第2凹部64は内側シール部材44が内部に延在する空洞を備えてもよい。外側シール部材42および内側シール部材44はそれぞれ、第1エンドキャップ32を製造する方法の間に第1凹部62および第2凹部64内に延在していてもよい。具体的には、第1エンドキャップ32は溶融材料を1つ以上の第1鋳型に注入し、溶融材料を固化することにより形成(すなわち1つ以上の射出成形法によって形成)されてもよい。第1鋳型の形状および輪郭によって、第1壁46、第2壁48、第3壁50、第4壁54、および/または第5壁58、フランジ52、突起部56および/または第1凹部62および第2凹部64のような、第1エンドキャップ32の1つ以上の特徴部を設けてもよい。第1鋳型および/または1つ以上のさらなる鋳型内で、外側シール部材42および内側シール部材44は、外側シール部材42および内側シール部材44をそれぞれ第5壁58およびフランジ52に隣接して形成するように、さらなる鋳型に溶融材料を注入し、溶融材料を固化すること(すなわち1つ以上の射出成形法)により形成してもよい。このように、外側シール部材42および内側シール部材44の溶融材料をそれぞれ、第1凹部62および第2凹部64に流し込んでもよく、外側シール部材42および内側シール部材44並びに第1エンドキャップ32の残りと一体的に接合して接合部を形成してもよい。第1凹部62および第2凹部64は、開口、空洞、任意の量、および任意の形状を備えてもよく、および/または長手軸18の周囲に等間隔で離間されていても、等間隔で離間されていなくてもよいことが想定される。またエンドキャップ32は、外側シール部材42および内側シール部材44が形成される前に十分に固化しても、十分に固化しなくてもよいことが想定される。
【0025】
図1および図2を再度参照すると、第1エンドキャップ32はまた、充填工程の間に、ろ過されていない流体の内部空間40への流入を減らす、および/または防ぐように構成された事前充填防止(anti-prefill)装置66を備えてもよい。装置66は、各々が第1壁46に取り付けられた第1端部を有し、且つ第1壁46から方向Bに延在する複数の壁部分68を備えてもよい。第1壁部分68は、壁部分68の隣接する部分間に離間された複数の開口70を画定してもよい。換言すれば、第1壁部分68は、壁部分68内に開口70を有する第1半径方向に面する壁を確立してもよい。装置66はまた、第1壁部分46に取り付けられた端部とは反対側の壁部分68の端部において壁部分68に取り付けられたキャップ部分74を備えてもよい。装置66はまた、長手軸18に対して壁部分68内で半径方向に配置された略円筒状の壁72を備えてもよい。壁72は壁72の一端で第1壁46に取り付けられてもよく、且つ方向Bに延在してもよい。第1壁46に取り付けられた端部とは反対側の壁72の端部は、キャップ部分74の内面から軸方向に任意の距離だけ離間されていてもよく、壁72の半径方向外面は壁部分68の半径方向内面から半径方向に任意の距離だけ離間されていてもよい。流体フィルタシステム10が組み立てられる際に、装置66は出口26内に延在し、且つ出口26により半径方向に囲まれてもよいことが想定される。また事前充填防止装置66は省略されてもよく、且つ第1エンドキャップ32は流体を内部空間40から出口26に向かって流すことができるように構成された1つ以上の開口を選択的に備えていてもよいことが想定される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
開示した流体フィルタシステムは、多くの複雑な形状の構成要素および/または高い製造公差を必要とすることなく、あらゆる種類の流体をろ過するために適用可能であり、且つろ過されていない流体の流れとろ過された流体の流れとの間にシールを提供し得る。流体フィルタシステム10の操作を以下に説明する。
【0027】
図1を参照すると、流体フィルタシステム10は、流体システムの1つ以上の上流構成要素からろ過されていない流体を入口24(例えば第1流領域)に受け入れることができる。ろ過されていない流体は入口24から第1エンドキャップ32に沿って半径方向外側に流出してもよく、且つ開口57に向かって流れるように第1エンドキャップ32により方向付けられてもよい。ろ過されていない流体は1つ以上の開口57を介して、例えば第1エンドキャップ32を通って実質的に軸方向に、容器14とろ過材34との間の半径方向の空間に流入してもよい。ろ過されていない流体は、次いでろ過材34を通って略半径方向に流れ、ろ過材34はろ過されていない流体内に浮遊した粒子を捕捉することにより流体をろ過してもよい。次いでろ過された流体は、開口37を通って、従ってスリーブ36を通って、内部空間40に流入してもよい。ろ過された流体はまた、内部空間40から装置66を通って(例えば壁72を通って)壁72と壁部分68との間の空間に流入し、開口70を通って流出してもよい。ろ過された流体はさらに、出口26(例えば第2流領域)に流入し、流体システムの1つ以上の下流構成要素に向かって流れてもよい。
【0028】
ろ過材34は捕捉された粒子で飽和し得、内側シール部材44および外側シール部材42は劣化し得、メンテナンス期間は経過し得るため、および/または当技術分野で公知の別の任意の論理的根拠のため、フィルタアセンブリ16を交換することが望ましい場合がある。操作者はベース12から容器14をねじ外し、容器14内から古くなったまたは使用済みフィルタアセンブリ16を抜き取り、且つ容器14に新しいまたは未使用のフィルタアセンブリ16を挿入してもよい。このように、外側シール部材42および内側シール部材44は、古い第1エンドキャップ32が古いフィルタアセンブリ16とともに取り出される間、配置されていない。操作者は新しいフィルタアセンブリ16を容器14に挿入し、ベース12に容器14を再びねじ込んでもよく、そのようにして外側シール部材42および内側シール部材44は、新しい第1エンドキャップ32をベース12に位置合わせしながら配置されてもよい。操作者は容器14内に保持された流体の一部または全てを、フィルタアセンブリ16の取り出しと同時および/または取り出し後に除去してもよいことが想定される。また操作者はフィルタアセンブリ16の1つ以上の任意の要素を交換してよい(例えばフィルタアセンブリ16の全ての要素を交換する代わりに、ろ過材34およびエンドキャップ32だけを交換してもよい)ことが想定される。
【0029】
操作者は、新しいフィルタアセンブリ16を挿入した後に、且つベース12に容器14を再びねじ込む前に、容器14を充填してもよい。そのようにして操作者は容器14とろ過材34との間の半径方向の空間を、例えば開口57を通って、および/または第1エンドキャップ32の上面(例えば入口24に面したおよび/または露出された壁46の表面)に流体を注ぐことにより流体で満たしてもよい。充填液はろ過されてもろ過されなくてもよく、且つ装置66により流体が内部空間40に入り込むことを減らしてもおよび/または防いでもよい。具体的には、操作者が充填液を注ぐ際に、充填液の一部は開口57に向かって半径方向外側に、開口57を通って、ろ過材34と容器14との間の半径方向の空間に流入する場合もある。操作者が開口57を介して過度な量の充填液を注ぎ、従って容器14とろ過材34との間の半径方向の空間が過剰に満たされる場合、および操作者が開口57を介して充填液を直接注がずに一般に第1エンドキャップ32上に流体を注ぐ場合、および/または例えば跳ね飛ばしたり飛び散らせるなどの操作者の不注意の結果、充填液の一部はフランジ52を超えて半径方向内側に流れ、および/またはフランジ内で半径方向に堆積する場合がある。そのように堆積した流体は開口70を通って装置66に向かって流出してもよく、円筒状の壁72により内部空間40に流入することが制限されてもよい。
【0030】
円筒状の壁72は第1壁46から、フランジ52が第1壁46から軸方向に延在する距離よりも大きい距離で軸方向に延在してもよく、開口57はフランジ52よりも容器14の近くで軸方向に配置されてもよいことが想定される。そのようにして、充填液はフランジ52上を半径方向外側に、開口57を通って、容器14とろ過材34との間の空間に流入してもよく、または円筒状の壁72から流出して内部空間40に流入する代わりに容器14の壁28から流出してもよい。また、充填液の一部がフランジ52と円筒状の壁72との間に保持され、容器14およびフィルタアセンブリ16がベース12と内部接続した後に出口26内で捕捉されてもよいことが想定される。装置66が省略されると、そのように捕捉された充填液の量は、そうしなければ内部空間40に流入する量よりも著しく少ないであろう。さらに外側シール部材42と内側シール部材44との相対的軸関係によって、半径方向外側の流体を内側シール部材44から外側シール部材42に向かって流れるように促進することにより、且つ半径方向内側の流体を外側シール部材42から内側シール部材44に向かって流れるのを抑制することにより、充填時に開口57に向かう流体の流れをさらに支援または向上させてもよいことが想定される。
【0031】
容器14およびフィルタアセンブリ16はベース12と内部接続され、外側シール部材42はベース12と容器14との間、例えば流体システム10と環境との間にシールを形成してもよく、内部シール部材44は入口24と出口26との間、例えばろ過されていない流体の流れとろ過された流体の流れとの間にシールを形成してもよい。具体的には、外側のシール部材42は外側の壁28の上部に配置され、ベース12と螺合する容器14の関数として圧縮され得、例えば、1つ以上の軸方向に面するシール境界面(例えば容器14および/またはベース12の軸方向に面する表面に対する面シール)を確立するように容器14とベース12との間で圧縮されていてもよい。外側シール部材42は容器14またはベース12のいずれかまたは両方に対して圧縮されてもよく、外側シール部材42は付加的におよび/または代替的に容器14またはベース12のいずれかまたは両方に対して半径方向に面するシール境界面を確立してもよいことが想定される。加えて、内側シール部材44は出口26と整列していてもよく、容器14がベース12と螺合するにつれてその端部を超えて移動してもよく、フランジ52の半径方向に面する内面と出口26の半径方向に面する外面との間の距離の関数として圧縮されてもよく、例えば、半径方向に面するシール境界面(例えば出口26の半径方向の面に対する面シール)を確立するようにそれらの間で圧縮されてもよい。
【0032】
外側シール部材42および内側シール部材44は第1エンドキャップ32と一体化してもよいため、容器14およびフィルタアセンブリ16はベース12に対して配置されてもよく、且つ流体フィルタシステム10は複雑でない流体フィルタシステムを備えてもよい。加えて、第1エンドキャップ32は装置66を備えているため、フィルタ交換の間の容器14の充填時に、ろ過されていない流体が内部空間40に流入することを減らすまたは防いでもよい。
【0033】
本開示の流体フィルタシステムに対し、種々の修正および変更が成され得ることは当業者には明らかであろう。本開示の方法および装置の明細書および実施の考察から、当事者であれば他の実施形態が明らかであろう。明細書および実施例は例示的なものとしてのみみなされ、正確な範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物により示唆されることを意図している。
【符号の説明】
【0034】
32 第1エンドキャップ
42 外側シール部材
44 内側シール部材
46 第1壁
48 第2壁
50 第3壁
52 フランジ
54 第4壁
58 第5壁
図1
図2