(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709209
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
H04M1/02 J
H04M1/02 C
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-48495(P2011-48495)
(22)【出願日】2011年3月7日
(65)【公開番号】特開2012-186665(P2012-186665A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010179
【氏名又は名称】埼玉日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀幸
【審査官】
丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3162954(JP,U)
【文献】
特開2010−193219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V8/00
G06F1/00
1/16−1/18
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面が開口している筐体と、この筐体内部に収容される基板と、この基板に対面して配置され前記筐体の開口部分を覆うカバー部材と、このカバー部材の外面側であり前記基板側の面とは反対側の面を覆うパネルと、を備え、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一部分が前記パネルの周囲から露出する形状であると共に、透過性部材にて形成されており、
前記基板の前記カバー部材側に、前記基板との対向面側から前記カバー部材に入光して当該カバー部材の前記パネルからの露出部分まで導光される光を発光する発光手段を備え、
前記パネルの前記カバー部材側の面は、遮光されて形成されている、
電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記発光手段は、1つであり、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一辺で前記パネルの周囲から露出する形状である、
電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも三辺で前記パネルの周囲から露出する形状であり、
前記発光手段を、前記三辺のうち相互に対向する二辺の中央に配置した、
電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段から発光された光が入光する箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが、前記カバー部材自体を通過する直線上に位置している、
電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段に最も近い箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが、前記カバー部材自体を通過する直線上に位置している、
電子機器。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段から発光された光が入光する箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが位置する前記カバー部材自体を通過する直線上に、遮蔽物が存在しないよう構成した、
電子機器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所の外形は、電子機器の外側に向かって突出した凸形状に形成されている、
電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所は、前記筐体の周囲よりも外側に突出して形成されている、
電子機器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材は、前記基板に対向する面が遮光部材にて覆われていると共に、前記発光手段の配置箇所の近辺に位置する前記遮光部材が切除されており、当該切除箇所から前記発光手段から発光された光が前記カバー部材に入光するよう形成されている、
電子機器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材の前記パネル側、及び/あるいは、前記基板側に形成された遮光面は、当該カバー部材側に光を反射する反射面を有する、
電子機器。
【請求項11】
一方の面が開口している筐体と、この筐体内部に収容される基板と、この基板に対面して配置され前記筐体の開口部分を覆うカバー部材と、このカバー部材の外面側を覆うパネルと、を備え、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一部分が前記パネルの周囲から露出する形状であると共に、透過性部材にて形成されており、
前記基板の前記カバー部材側に、前記基板との対向面側から前記カバー部材に入光して当該カバー部材の前記パネルからの露出部分まで導光される光を発光する発光手段を備え、
前記パネルの前記カバー部材側の面は、遮光されて形成され、
前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所の外形は、電子機器の外側に向かって突出した凸形状に形成され、
さらに、前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所は、前記筐体の周囲よりも外側に突出して形成されている、
電子機器。
【請求項12】
一方の面が開口している筐体と、この筐体内部に収容される基板と、この基板に対面して配置され前記筐体の開口部分を覆うカバー部材と、このカバー部材の外面側を覆うパネルと、を備え、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一部分が前記パネルの周囲から露出する形状であると共に、透過性部材にて形成されており、
前記基板の前記カバー部材側に、前記基板との対向面側から前記カバー部材に入光して当該カバー部材の前記パネルからの露出部分まで導光される光を発光する発光手段を備え、
前記パネルの前記カバー部材側の面は、遮光されて形成され、
前記カバー部材は、前記基板に対向する面が遮光部材にて覆われていると共に、前記発光手段の配置箇所の近辺に位置する前記遮光部材が切除されており、当該切除箇所から前記発光手段から発光された光が前記カバー部材に入光するよう形成されている、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器にかかり、特に、外形の一部を発光させる構造を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの様々な電子機器が開発されており、その外観にも様々な工夫が施されている。そして、利用者に対して着信などの情報を報知したり、あるいは、視覚的効果を発揮すべく、外形の一部を発光させる構造の電子機器が増えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、押し下げ操作部の周囲で光源の光が発光する照光型押ボタンユニットを搭載した電気機器が開示されている。この照光型押ボタンユニットでは、前端面に発光面が形成された透過性を有する導光レンズを備えており、発光面と同心に位置する円筒状の導光部に光源からの光が入力することで、当該光が発光面に導かれて外部に照光される、という構成を取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−71639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年では、携帯電話機などの電子機器の様々な部位を照光させることが要求されており、例えば、筐体の端面や周囲を一様に照光させることも要求されている。しかしながら、筐体の端面や周囲といった広い範囲の部位を一様に、かつ、均一に照光させるためには、多くの光源が必要となり、また、光源からの光が障害物によって遮蔽されないことが必要となる。すると、光源の数に応じてコストが増加したり、これら光源の配置スペースを確保する必要があるなど、コストの増加や小型化が困難となる、という問題が生じる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、コストの増加や小型化が困難であることを解決して広い範囲の部位を照光させることができる電子機器を提供する、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明の一形態である電子機器は、
一方の面が開口している筐体と、この筐体内部に収容される基板と、この基板に対面して配置され前記筐体の開口部分を覆うカバー部材と、このカバー部材の外面側を覆うパネルと、を備え、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一部分が前記パネルの周囲から露出する形状であると共に、透過性部材にて形成されており、
前記基板の前記カバー部材側に、前記基板との対向面側から前記カバー部材に入光して当該カバー部材の前記パネルからの露出部分まで導光される光を発光する発光手段を備え、
前記パネルの前記カバー部材側の面は、遮光されて形成されている、
という構成を取る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されていることにより、小型化を図りつつ低コストにて広い範囲の部位を照光させることができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、導光の様子を説明するための図である。
【
図5】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図6】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図7】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図8】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図9】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図10】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【
図11】電子機器の構成を簡略化して示した図であり、その構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図11を参照して説明する。
図1は、電子機器の構成を示す分解図である。
図2は、電子機器の外観と、A−A線断面図と、B−B線断面図とを示している。
図3は、
図2で開示したA−A線断面図の一部を拡大した図である。
図4乃至
図11は、電子機器の構成を簡略化して示した図であり、導光の様子や構成を説明するための図である。
【0011】
まず、本実施形態における電子機器は、
図1や
図2に示すように、例えば、折り畳み式の携帯電話機である。但し、本発明における電子機器は、携帯電話機であることに限定されず、ノートパソコンや携帯型ゲーム機など、いかなる電子機器であってもよい。
【0012】
図1に示すように、携帯電話機は、一方の面が開口している筐体10と、この筐体10の内部に収容される基板20と、を備えている。また、基板20に対面して配置され、筐体10の開口部分を覆うリアカバー30(カバー部材)を備えており、このリアカバー30のさらに外面側にパネル40を備えている。
【0013】
上記筐体10は、例えば、略長方形状であり、携帯電話機を折り畳んだ時に外側に位置する面が開口した形状に形成されている。また、上記基板20は、筐体10の開口部分よりも一回り小さい略長方形状に形成されている。上記リアカバー30は、筐体10の開口部分を覆うことができるように、当該開口部分つまり筐体10の外形とほぼ同一の大きさの略長方形状に形成されている。また、筐体10の周囲に位置するリアカバー30の周囲部分、特に、短辺のうち一辺31と両長辺32,33といった3辺部分が、中央側部分よりも携帯電話機の外側に向かって突出した凸形状に形成されている。また、上記パネル40は、リアカバー30よりも一回り小さい略長方形状に形成されており、当該リアカバー30の3辺に形成された凸形状部分31,32,33の内側箇所に収容される大きさである。従って、
図2に示すように、筐体10の周囲の3辺に位置するリアカバー30の凸形状部分31,32,33は、パネル40の外周から露出することとなる。
【0014】
そして、
図1に示すように、基板20上には、リアカバー30側に光を発光するLED21(発光手段)が搭載されている。このとき、LED21は、筐体10の両長辺の中央、つまり、リアカバー30の凸形状31,32,33部分に形成された3辺のうちに対向する2辺の中央箇所に配置される。なお、リアカバー30側に光を発光する発光手段は、必ずしもLED21であることに限定されない。例えば、発光手段は、一方向に指向性のある光を照光するものではなく、後述するように所定範囲に光を照光する他の発光素子であってもよい。
【0015】
次に、
図3等の断面図を参照して、携帯電話機の構成についてさらに詳述する。なお、
図2中で、携帯電話機のA−A断面図を下側に図示し、B−B断面図を右側に図示しているが、このうち、A−A断面図の一部の拡大図を
図3に示し、A−A線断面図を簡略化した図を
図4乃至
図6に示す。
【0016】
まず、
図3の右図は、携帯電話機のA−A線断面図のほぼ中央付近の拡大図を示している。この図に示すように、LED21の上方には、リアカバー30が位置することとなる。すると、
図4に示すように、LED21から発光された光は、基板20に対向するリアカバー30の面から当該リアカバー30自体に入光する。そして、リアカバー30は透過性部材にて形成されているため、LED21から入光した光は、リアカバー30の周囲に向かって導光し、周囲の凸形状31,32,33部分から外部に向かって照光される。なお、
図3の左図は、携帯電話機のA−A線断面図の端部付近の拡大図を示しているが、符号32に示す凸形状部分が照光されることとなる。
【0017】
このとき、リアカバー30の形状は、
図3に示すようにやや湾曲しているものの、屈曲しておらず、ほぼ平板形状である。つまり、
図5に示すように、リアカバー30の中央部分に位置しLED21から光が入光する当該LEDに最も近い箇所30aと、リアカバー30の周囲に位置する凸形状部分31,32,33であるパネル40からの露出箇所30bとが、リアカバー30自体を通過する直線上に位置している。換言すると、
図5の符号30aと符号30bとの間に、筐体10などに形成されたリブなどの障害物が存在せず、リアカバー30自体が屈曲していないため、LED21から入光した光が、当該入光した箇所30aから外部に照光される箇所30bまで、直線的に導光するよう構成されている。これにより、LED21からの光の強度が弱くなることが抑制されて、リアカバー30の周囲に位置する凸形状部分31,32,33に届くこととなる。
【0018】
なお、リアカバー30は、必ずしも平板形状であることに限定されない。仮に、リアカバー30が湾曲あるいは屈曲していたとしても、
図5の符号Wに示すように、リアカバー30に厚みを設けることで、LED21から入光した光が、当該入光した箇所30aから外部に照光される箇所30bまで、直線的に導光するよう構成することができる。
【0019】
そして、リアカバー30は、例えば、蛍光剤が混在されたポリカーボネートなどの材料で形成されており、LED21から発光紫外線を発光することで、導光した光が凸形状部分31,32,33で効率よく発光することとなる。特に、リアカバー30の凸形状部分31,32,33は、携帯電話機の外側に向かって突出した曲面形状に形成されていることで、上述した蛍光剤により発光紫外線が四方に発光するため、端面で発光した光が上方へと拡散し、さらに明るく見ることができる。従って、ユーザにとって視認性の向上を図ることができ、報知効果の向上といった効果も有する。なお、リアカバー30は、必ずしも蛍光剤を含んで形成されている必要はなく、また、LED21も必ずしも発光紫外線を発光する素子である必要はない。
【0020】
ここで、リアカバー30の上方に設けられたパネル40は、遮光部材にて形成されているため、リアカバー30に入光された光は、導光中にパネル40側に漏れることはない。なお、遮光部材を、紫外線吸収構造(共役系)材料(例えば、ベンゼン環を含む材料)を混ぜた材料にて形成してもよい。これにより、LED21から発光された紫外線が外部に漏れることを抑制することができる。但し、パネル40は、必ずしも遮光部材にて形成する必要はなく、パネル40のリアカバー30側の面を遮光性塗料(例えば、顔料系黒色塗料)で塗装して遮光してもよい。このとき、遮光性塗料は、LED21から発光された紫外線が外部に漏れることを抑制するために、黒色系塗料、あるいは、紫外線吸収構造(共役系)材料(例えば、ベンゼン環を含む材料)を含む塗料であってもよい。
【0021】
また、
図6の符号35,36に示すように、リアカバー30のパネル側の面35と基板側の面36とに、遮光面を形成してもよい。このとき、基板20側の遮光面のうち、LED21の近辺に位置する所定領域箇所36aは切除する。これにより、この遮光面の切除箇所36aから、LED21からの光がリアカバー30に入光することとなる。なお、遮光面は、リアカバー30のパネル側の面35あるいは基板側の面36のうち、いずれか一方に形成されていてもよい。特に、リアカバー30の基板側の面36は、内部が暗い場合や基板が緑色系、暗色系で形成されている場合には、必ずしも必要はない。なお、遮光面は、上述同様に遮光性塗料やフィルムにて形成してもよく、これらに上述同様に紫外線を吸収する機能を有する材料を含めて形成してもよい。
【0022】
また、上述したリアカバー30のパネル側の面35及び基板側の面36に形成された遮光面を、それぞれリアカバー30側に光を反射する反射面にて形成してもよい。これにより、リアカバー30に入光した光は、反射面にて反射してリアカバー30内を導光することとなり、より効率よく照光箇所まで光を導光させることができる。
【0023】
ここで、携帯電話機の構成の変形例を、
図7乃至
図8を参照して説明する。
図7及び
図8は、
図2に示すA−A線断面図を簡略化した図である。
【0024】
まず、
図7に示すように、光を発光する発光手段を、LED21ではなく、照光範囲の広い発光素子22にて構成する。そして、リアカバー30の発光素子22の上方に位置する箇所であり、当該発光素子22からの光が入射される箇所を、発光素子22側とは反対側に凹んだ形状の凹部37に形成してもよい。これにより、リアカバー30の凹部37内に発光素子22の一部が収容された状態でリアカバー30と基板20とを近接させることができ、携帯電話機の薄型化を図ることができる。そして、係る場合であっても、発光素子22から広い範囲に照光された光がリアカバー30の凹部37から入射して、周囲の照光箇所まで光を導光させることができる。なお、凹部37を、階段形状やダイヤモンドカット形状に形成したり、シボ加工することで、さらにリアカバー30に光が入射しやすくなる。
【0025】
また、他の変形例として、
図8に示すように、リアカバー30の発光素子22の上方に位置する箇所であり、当該発光素子22からの光が入射される箇所、つまり、リアカバー30の上記凹部37箇所を、完全に切除して開口部38を形成してもよい。これにより、リアカバー30の開口部38内に発光素子22が収容された状態でさらにリアカバー30と基板20とを近接させることができ、携帯電話機のさらなる薄型化を図ることができる。かかる場合であっても、発光素子22の側方から発光された光がリアカバー30の開口部38の側面から入射して、周囲の照光箇所まで光を導光させることができる。
【0026】
さらに、携帯電話機の構成の変形例を、
図9乃至
図11を参照して説明する。
図9及び
図11は、
図2に示すA−A線断面図を簡略化した図である。
【0027】
上述した
図5乃至
図8では、リアカバー30の周囲に位置するパネル40からの露出箇所31,32,33(凸形状部分)は、断面が略1/4円弧形状である場合を例示したが、
図9乃至
図10に示すように、リアカバー30の露出箇所31,32,33は、半円弧形状であってもよい。さらに、この露出箇所31,32,33は、断面が半円弧形状であることにも限定されず、いかなる形状であってもよく、例えば、
図11に示すように、断面の一部が平面形状にて形成された多角形の形状であってもよい。
【0028】
このとき、
図9乃至
図11に示すようなリアカバー30の露出箇所31,32,33は、パネル40とは反対側に位置する筐体10の側面からも露出する形状、つまり、露出箇所31,32,33の一部が筐体10の側面上にも位置するよう形成される。これにより、リアカバー30の周囲の露出箇所31,32,33からは、
図9乃至
図11の矢印に示すように、筐体10の側面に対して約180度の範囲で、LED21からの光が外部に照光されることとなる。従って、利用者は、リアカバー30の周囲から照光された光を、携帯電話機のパネル40側からはもちろんのこと、その反対側である筐体10側からも視認することができる。
【0029】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における携帯電話機の構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0030】
(付記1)
一方の面が開口している筐体と、この筐体内部に収容される基板と、この基板に対面して配置され前記筐体の開口部分を覆うカバー部材と、このカバー部材の外面側を覆うパネルと、を備え、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一部分が前記パネルの周囲から露出する形状であると共に、透過性部材にて形成されており、
前記基板の前記カバー部材側に、前記基板との対向面側から前記カバー部材に入光して当該カバー部材の前記パネルからの露出部分まで導光される光を発光する発光手段を備え、
前記パネルの前記カバー部材側の面は、遮光されて形成されている、
電子機器。
【0031】
(付記2)
付記1に記載の電子機器であって、
前記発光手段は、1つであり、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも一辺で前記パネルの周囲から露出する形状である、
電子機器。
【0032】
(付記3)
付記2に記載の電子機器であって、
前記カバー部材は、前記筐体の周囲に位置する少なくとも三辺で前記パネルの周囲から露出する形状であり、
前記発光手段を、前記三辺のうち相互に対向する二辺の中央に配置した、
電子機器。
【0033】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段から発光された光が入光する箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが、前記カバー部材自体を通過する直線上に位置している、
電子機器。
【0034】
(付記5)
付記4のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段に最も近い箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが、前記カバー部材自体を通過する直線上に位置している、
電子機器。
【0035】
(付記6)
付記4又は5に記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記発光手段から発光された光が入光する箇所と前記パネルの周囲からの露出箇所とが位置する前記カバー部材自体を通過する直線上に、遮蔽物が存在しないよう構成した、
電子機器。
【0036】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所の外形は、電子機器の外側に向かって突出した凸形状に形成されている、
電子機器。
【0037】
(付記8)
付記7に記載の電子機器であって、
前記カバー部材における前記パネルの周囲からの露出箇所は、前記筐体の周囲よりも外側に突出して形成されている、
電子機器。
【0038】
(付記9)
付記1乃至8のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材は、前記基板に対向する面が遮光部材にて覆われていると共に、前記発光手段の配置箇所の近辺に位置する前記遮光部材が切除されており、当該切除箇所から前記発光手段から発光された光が前記カバー部材に入光するよう形成されている、
電子機器。
【0039】
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の電子機器であって、
前記カバー部材の前記パネル側、及び/あるいは、前記基板側に形成された遮光面は、当該カバー部材側に光を反射する反射面を有する、
電子機器。
【符号の説明】
【0040】
10 筐体
20 基板
21 LED
30 リアカバー
31,32,33 凸形状部分
40 パネル